特許第6604472号(P6604472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604472
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】研磨パッド
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/22 20120101AFI20191031BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20191031BHJP
【FI】
   B24B37/22
   B24B37/24 B
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-190697(P2015-190697)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-64820(P2017-64820A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005359
【氏名又は名称】富士紡ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】久米 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 寿明
【審査官】 須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−277408(JP,A)
【文献】 特開2009−034770(JP,A)
【文献】 特開平07−164308(JP,A)
【文献】 特開2010−082721(JP,A)
【文献】 特開2005−294410(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1018942(KR,B1)
【文献】 特開2010−069551(JP,A)
【文献】 特開2003−145415(JP,A)
【文献】 米国特許第06402591(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B37/00−37/34
H01L21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面部分を有する被研磨物を研磨するための研磨パッドにおいて、
上記研磨パッドは研磨層、中間層、クッション層が積層した構成を有し、
上記研磨層は湿式成膜法により形成された発泡ポリウレタンによって構成されるとともに、当該研磨層の厚さが0.5〜2mm、ショアA硬度が20〜80、圧縮率が3〜20%であり、
上記クッション層はポリエチレンまたはポリウレタンによって構成されるとともに、当該クッション層の厚さが3〜10mm、ショアA硬度が10〜20、圧縮率が25〜40%であり、
上記中間層は、厚さが0.1〜0.5mmであって、当該中間層における曲げ弾性率と厚さとの積が250〜1500MPa・mmの範囲であることを特徴とする研磨パッド。
【請求項2】
上記中間層の厚さを0.4〜0.5mmに設定したことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項3】
上記中間層がポリ塩化ビニル若しくはポリエチレンテレフタラートのいずれかの素材によって構成することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の研磨パッド。
【請求項4】
上記研磨層の厚さを0.8〜2mmに設定したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の研磨パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は研磨パッドに関し、詳しくは曲面部分を有する被研磨物の研磨に好適な研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス、金属、プラスチック、セラミック等からなる板状の被研磨物の表面を精密研磨するためには研磨パッドが用いられ、このような研磨パッドとして被研磨物を研磨する研磨層と、当該研磨層を支持するクッション層とを有したものが知られている。
このうち、被研磨物に形成された曲面部分を研磨するために、当該被研磨物を上記研磨層に押し当てて、上記研磨層およびクッション層を上記曲面部分に沿って変形させるようにした研磨パッドが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−138974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の研磨パッドは研磨層とクッション層とが接着剤によって直接接着されているため、上記曲面部分に合わせて研磨層とクッション層との接着部分に繰り返し応力が加わると、応力によって接着部分に亀裂が生じ、上記接着部分から剥離が生じて研磨不良を発生させるという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明では上記研磨層とクッション層との剥離を可及的に防止し、また良好な研磨結果の得られる研磨パッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる研磨パッドは、曲曲面部分を有する被研磨物を研磨するための研磨パッドにおいて、
上記研磨パッドは研磨層、中間層、クッション層が積層した構成を有し、
上記研磨層は湿式成膜法により形成された発泡ポリウレタンによって構成されるとともに、当該研磨層の厚さが0.5〜2mm、ショアA硬度が20〜80、圧縮率が3〜20%であり、
上記クッション層はポリエチレンまたはポリウレタンによって構成されるとともに、当該クッション層の厚さが3〜10mm、ショアA硬度が10〜20、圧縮率が25〜40%であり、
上記中間層は、厚さが0.1〜0.5mmであって、当該中間層における曲げ弾性率と厚さとの積が250〜1500MPa・mmの範囲であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、研磨層とクッション層との間に中間層を設けたことにより、被研磨物の曲面部分に沿って研磨層に繰り返し応力が加わっても、研磨層とクッション層との剥離を可及的に防止することができる。
また中間層が曲げ弾性率と厚さとの積が250〜1500MPa・mmの性質を有することで、上記研磨層が良好に曲面部分に追従するため、良好な加工結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施例にかかる研磨装置の側面図
図2】研磨パッドおよび被研磨物についての拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、図1は被研磨物1を研磨する研磨装置2の概略図を示し、当該研磨装置2は上方に位置して被研磨物1を保持する保持定盤3と、下方に位置して研磨パッド4を保持する研磨定盤5と、上記保持定盤3と研磨定盤5との間にスラリーを供給する図示しないスラリー供給手段とを備えている。
上記被研磨物1は略長方形の板状を有しており、研磨定盤5を向いた被研磨側には、平坦な平面部分1aと、当該平面部分1aの外周縁を囲繞する曲面部分1bとが形成されている。
上記曲面部分1bは図示しない面取り装置において予め加工されており、本実施例の研磨装置2は、上記研磨定盤5の上面に設けた上記研磨パッド4によって上記平面部分1aと曲面部分1bとを、所要の表面粗さまで研磨加工するものとなっている。
なお、上記被研磨物1としては、ガラスや金属、プラスチック、セラミックであってもよく、また平面部分1aを有さず曲面部分1bのみで構成されたものであってもよい。
【0009】
上記保持定盤3および研磨定盤5はそれぞれ略円盤状を有しており、それぞれ図示しない駆動手段によって相対的に反対方向に回転するようになっており、また上記保持定盤3は昇降可能に設けられている。
上記保持定盤3の下面には保持プレート6を介して上記被研磨物1がワックスにより接着固定され、また上記保持プレート6には上記被研磨物1の外側を囲繞するように枠材7が設けられている。
そして研磨加工を行う際、上記保持定盤3は上記研磨定盤5上面の研磨パッド4に上記被研磨物1を押し当てながら相対的に回転するようになっており、後述するように被研磨物1によって研磨パッド4を変形させながら上記平面部分1aと曲面部分1bの研磨を行うようになっている。
上記図示しないスラリー供給手段はスラリーを上記保持定盤3と研磨定盤5との間に供給し、上記スラリーとしては研磨する被研磨物1および求められる加工精度に応じて従来公知の物を使用することができる。
【0010】
上記研磨パッド4は図2に示すように上記研磨定盤5の上面に両面テープによって固定されており、上面に被研磨物1を研磨する研磨面が形成された研磨層11と、研磨層11を支持するとともに上記研磨定盤5に固定されたクッション層12と、上記研磨層11とクッション層12との間に設けられた中間層13とを備え、上記研磨層11と中間層13、ならびに中間層13とクッション層12とは接着剤Bによって接着されている。
上記研磨層11としては、湿式成膜法により形成された発泡ポリウレタンシートを素材として使用することができ、その製造方法としては、ポリウレタン樹脂と溶媒とを含む樹脂溶液を調整する工程(樹脂溶液調整工程)、樹脂溶液を成膜用基材の表面に塗布する工程(塗布工程)、樹脂溶液中の樹脂を凝固再生して、前駆体シートを形成する工程(凝固再生工程)、上記前駆体シートから溶媒を除去して樹脂シートを得る工程(溶媒除去工程)、樹脂シートの研磨面側及び/又は研磨面と反対面側をバフ処理又はスライス処理により研削する工程(研削工程)の各工程を経ることで製造することができる。
上記製造方法によって製造された研磨層11は、厚さを0.5〜2mm、A硬度を20〜80、圧縮率を3〜20%にそれぞれ設定することができる。
また上記クッション層12についてはポリエチレンフォームやポリウレタンフォームを素材として使用することができ、厚さ3〜10mm、ショアA硬度が10〜20、圧縮率が25〜40%のそれぞれの範囲に設定することができる。
上記中間層13は、素材としてポリエチレンテレフタラート(以下PETと記載する場合がある)やポリ塩化ビニル(以下PVCと記載する場合がある)等を使用することができ、かつ中間層13における曲げ弾性率と厚さとの積が250〜1500MPa・mmとなるように設定され、厚さについては0.1〜0.5mmの範囲に設定することが望ましい。
上記中間層13を上記研磨層11およびクッション層12に接着する接着剤Bとしては、ポリエステル系接着剤を使用することができ、当該接着剤Bの厚さは1〜50μmとすることができる。
【0011】
上記構成を有する研磨装置2によれば、上記研磨定盤5に上記研磨パッド4を装着し、上記保持定盤3に被研磨物1を固定したら、上記保持定盤3ごと被研磨物1を下降させて研磨パッド4に押し当てる。
すると、図2に示すように研磨パッド4の研磨層11が被研磨物1の曲面部分1bに沿って変形し、これに追従して中間層13およびクッション層12が変形する。
そして上記保持定盤3と研磨定盤5とが相対的に回転すると、スラリー供給手段が被研磨物1と研磨パッド4との間にスラリーを供給し、そして研磨パッド4は被研磨物1の形状に従って変形しながら当該被研磨物1の平面部分1aおよび曲面部分1bを研磨するようになっている。
【0012】
上記構成を有する研磨装置2では、保持定盤3と研磨定盤5とが相対的に回転することにより、上記研磨パッド4の研磨層11、中間層13、クッション層12が被研磨物1の形状に応じて変形を繰り返すこととなる。
特に、研磨パッド4が被研磨物1の曲面部分1bの形状に沿って変形して、上記研磨層11、中間層13、クッション層12が圧縮された状態から元の形状に復元する際に、これらの間に相互に離隔しようとする力が作用するため、接着剤Bに引張り力が作用する。そして、上記変形が繰り返される結果、接着剤Bから剥離が生じることとなる。
しかしながら、本実施例における中間層13を備えた研磨パッド4によれば、下記検討結果から明らかなように、上記繰り返しの応力によっても研磨層11と中間層13、および中間層13とクッション層12との間の接着剤Bの剥離を可及的に防止することができる。
これに対し、特許文献1に記載されたような研磨層とクッション層とを接着剤によって接着した研磨パッドでは、繰り返しの変形によって上記研磨層とクッション層との間の接着剤が剥離し、研磨不良が発生する。
これは、上記研磨層およびクッション層を構成するポリエチレンフォームなどの素材の表面には気泡による開口が形成されるため、接着剤による接着面積が十分に確保できなかったためと推測される。
また以下に行った検討のように、研磨層11およびクッション層12の間の接着剤Bの層を厚くしたり、研磨層11およびクッション層12の接着面に予めプライマー処理を行い接着性の改善を試みたとしても、十分な性能を得ることができない。
【0013】
また、本実施例の研磨パッド4によれば、上記研磨層11のA硬度を20〜80、上記クッション層12のショアA硬度を10〜20、上記中間層13における曲げ弾性率と厚さとの積を250〜1500MPa・mmの範囲とすることにより、上記接着剤Bの剥離を可及的に防止しつつ、良好な研磨性能を得ることができる。
これは、研磨層11のA硬度、クッション層12のショアA硬度、中間層13における曲げ弾性率と厚さとの積の数値が上述の範囲であれば、研磨面では研磨パッド4が適度に変形して被研磨物1に追従するものの、中間層13は極端に曲がることがないため、中間層13とクッション層12との界面間に局所的な応力(歪)が生じにくくなるためである。
これに対し、上記曲げ弾性率と厚さとの積が250MPa・mm未満であると、研磨パッド4が変形を繰り返す際に、研磨層11の変形に応じて中間層13がよく変形するため、上記中間層13とクッション層12の界面間に局所的な応力(歪)が生じ、その部位から剥離が生じやすくなる。
逆に、曲げ弾性率と厚さとの積が1500MPa・mmを超えてしまうと、上記被研磨物1の曲面部分1bに沿って研磨パッド4が変形しようとしても、上記中間層13がこれを許容せず、結果として研磨層11の曲面部分1bへの追従性が悪くなることから、被研磨物1の曲面部分1bに未研磨部が発生することとなる。
【0014】
以下に示す表1は、本発明にかかる研磨パッド4に該当する発明品1〜3と、比較のために用いた比較品1〜4とについて行った検討結果を示している。
本検討において、上記発明品1の研磨パッド4を構成する研磨層11は厚さ0.5mm、ショアA硬度40、圧縮率は5.0%となっており、それ以外の発明品2〜3、比較品1〜4にかかる研磨パッド4を構成する研磨層11は、それぞれ研磨層11の厚さは0.55mm、ショアA硬度は50、圧縮率は4.0%となっている。
上記研磨層11は、樹脂溶液調整工程、塗布工程、凝固再生工程、溶媒除去工程、研削工程の各工程により製造した。
さらに研磨層11を支持するクッション層12は、発明品1では市販品であるソフトロンSX2005(厚み5.0mm、ショアA硬度15.0、圧縮率30.0%、積水化学工業社製)を、それ以外の発明品2〜3及び比較品1〜3ではソフトロンSX1505(厚み5.0mm、A硬度20.0、圧縮率25.0%、積水化学工業社製)使用した。
また上記発明品1〜3および比較品1〜4には接着剤Bとしてポリエステル系接着剤(積水化学工業社製、エスダイン580T)を用い、また比較品1を除き、接着剤Bの塗布厚さは中間層13の両面側ともに20±10μmとなっている。
【0015】
なお、上記に記載のショアA硬度、圧縮率、曲げ弾性率は以下の方法によって測定したものを用いる。
(ショアA硬度)
ショアA硬度の測定は、試料片(10cm×10cm)を用意し、複数の試験片を厚さが4.5mm以上となるように重ね、A型硬度計(日本工業規格、JIS K 7311)にて測定した。例えば、1枚の試料片の厚さが0.5mmの場合は9枚を重ねて測定した。
(圧縮率)
圧縮率は、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して測定した。具体的には以下の通りである。無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終荷重を5分間かけた後の厚さt1を測定した。圧縮率は、圧縮率(%)=100×(t0―t1)/t0の式で算出した。このとき、初荷重は100g/cm2、最終圧力は1120g/cm2であった。
(曲げ弾性率)
曲げ弾性率は、日本工業規格(JIS K 7171)に従い、引張試験装置(オリエンテック社製、テンシロンRTA−100)を用いて測定を行った。具体的には、各サンプルサイズを長さ40mm及び幅10mmとし、支点間距離を22mmとした。なお、サンプルの厚みは、使用した中間層13と同材料からなる厚さ1mmのサンプルを用いた。その他の条件についてはJIS K7171に準拠した。
【0016】
【表1】
【0017】
表1に示すように、発明品1にかかる中間層13はPVC製で、曲げ弾性率が2900MPa、厚さが0.1mmとなっており、曲げ弾性率と厚さとの積が290MPa・mmとなっている。
また発明品2にかかる中間層13はPET製で、曲げ弾性率が2400MPa、厚さが0.188mmとなっており、曲げ弾性率と厚さとの積が451.2MPa・mmとなっている。
そして発明品3にかかる中間層13はPET製で、曲げ弾性率が2400MPa、厚さが0.5mmとなっており、曲げ弾性率と厚さとの積が1200MPa・mmとなっている。
【0018】
これに対し、比較品1の研磨パッド4は中間層13を有さず、研磨層11とクッション層12とを接着する接着剤Bの層を他の研磨パッド4に比較して厚い40±10μmとしている。
また比較品2の研磨パッド4も中間層13を有さず、研磨層11とクッション層12の向き合う面に予めプライマー処理を施し、その後これらを接着剤Bにより接着したものとなっている。
そして比較品3の研磨パッド4はPET製の中間層13を備えているが、当該中間層13は曲げ弾性率が2400MPa、厚さが0.075mmとなっており、曲げ弾性率と厚さとの積が180MPa・mmとなっている。
また比較品4の研磨パッド4はPET製の中間層13を備えているが、当該中間層13は曲げ弾性率が2400MPa、厚さが0.6mmとなっており、曲げ弾性率と厚さとの積が1440MPa・mmとなっている。しかし、非常に曲げ弾性が高い研磨パッド4となってしまい、被研磨物1への追従性に問題があったため、研磨加工に使用できなかった。
【0019】
そして、上記発明品1〜3、比較品1〜3にかかる研磨パッド4を、それぞれ上記構成を有する研磨装置2に装着し、研磨試験を行い、その後上記接着剤Bの剥離を確認した。この時の研磨条件は以下である。
(研磨条件)
・使用研磨機:スピードファム社製、「型番:DSM9B−5P−IV」
・定盤回転数:40rpm
・加工応力:500g/cm2
・研磨剤:シリカスラリー 20%水溶液
・被研磨物:ガラス基板(65mm×65mm×10mm 端部に曲面加工済み) ×10枚/バッチ
・研磨時間:120分/バッチ
そして上記研磨試験の結果、発明品1〜3については、250枚の被研磨物1を研磨しても、上記研磨層11と中間層13との間、および中間層13とクッション層12との間の接着剤Bに剥離は認められなかった。
これに対し、中間層13を有さない比較品1、2では250枚の被研磨物1を研磨した結果、研磨層11とクッション層12との間の接着剤が剥離した。
また発明品1〜3よりも曲げ弾性率と厚さとの積が小さかった中間層13を備える比較品3については、中間層13とクッション層12との間の接着剤Bが剥離した。
この研磨試験結果から明らかなように、本発明にかかる発明品1〜3によれば、研磨パッド4が被研磨物1の曲面部分1bに沿って繰り返し応力を加えても、上記中間層13を設けることで接着剤により研磨層11とクッション層12とが剥離せず、良好な研磨性能を維持することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 被研磨物 1b 曲面部分
2 研磨装置 4 研磨パッド
11 研磨層 12 クッション層
13 中間層 B 接着剤
図1
図2