(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圃場から作物を引抜搬送する引抜搬送装置(2)と、搬送中の収穫作物を受けて茎葉部を切断する茎葉切断装置(3)と、この茎葉切断装置(3)の直下で茎葉切断済みの収穫作物の残葉を分離する残葉処理装置(4)と、残葉処理済みの作物を受ける選別搬送装置(5)とを設けた根菜類収穫機において、
前記引抜搬送装置(2)及び前記残葉処理装置(4)を機体の片側部の内外側位置に並列配置し、これら内外側配置の残葉処理装置(4,4)のそれぞれの排出口と対応して前記選別搬送装置(5)の搬送レーンを分ける仕切部材を設け、
前記残葉処理装置(4,4)において、茎葉切断装置(3,3)によって茎葉が切断された茎葉切断済み作物を直上から受ける引継搬送機構(11)上に、前記引継搬送機構(11)の搬送行程に斜行配置されて残葉を分離しつつ作物をそれぞれ斜行排出可能に内外位置の巻込ローラ(12,12)を斜行配置し、これら内外側配置の残葉処理装置(4,4)の排出側縁に沿って前記選別搬送装置(5)を配置したことを特徴とする根菜類収穫機。
前記内外側配置の残葉処理装置(4,4)は、それぞれ前記茎葉切断装置(3,3)の直下で受けた作物を前記引抜搬送装置(2,2)の搬送方向に直交して機体内側方向に搬送動作する内外位置の引継搬送機構(11,11)をそれぞれ下降傾斜し、これら引継搬送機構(11,11)の搬送作物を機体前側にそれぞれ斜行排出可能に内外位置の巻込ローラ(12,12)を斜行配置して構成し、これら内外側配置の残葉処理装置(4,4)の排出側縁に沿って前記選別搬送装置(5)を配置するとともに、それぞれの引継搬送機構(11,11)の搬送終端部に分離屑の投下空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載の根菜類収穫機。
前記左右の引継搬送機構(11,11)の搬送始端部に作物を囲い込む規制シュータ(31,31)をそれぞれ設け、これら規制シュータ(31,31)を対応する茎葉切断装置(3,3)側に支持設することを特徴とする請求項2に記載の根菜類収穫機。
前記引抜搬送装置(2,2)および前記残葉処理装置(4,4)の伝動を制御する作業クラッチと、内外側配置の残葉処理装置(4,4)の間の排出隙間(G)の詰まりセンサとを設け、前記排出隙間(G)の詰まり検出時に前記引抜搬送装置(2,2)および前記残葉処理装置(4,4)を前記作業クラッチにより停止制御することを特徴とする請求項2に記載の根菜類収穫機。
前記仕切部材(14)の下縁には突部(14b)を設け、この突部(14b)に間歇的に当接可能な凹凸を前記選別搬送装置(5)の搬送面の搬送方向に沿って形成したことを特徴とする請求項7に記載の根菜類収穫機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、残葉処理装置は、2条分の作物を引抜収穫すると、多くの作物が同時に巻込ローラに移行されることから、残葉処理されつつ斜行移動する収穫作物に阻まれて残葉処理されないまま、処理済み作物と共に選別搬送装置に案内されてしまう作物が生じる。これにより、選別搬送装置での搬送中や回収後等の後工程で残葉を除去しなければならず、作業者に余分な労力を生じさせると共に、洗浄や選別行程への移行が遅くなり、作物の鮮度が低下する問題がある。
また、残葉処理装置の引継搬送部に作物が滞留すると、上方から落下する作物との接触により作物が傷付き、商品価値が低下する問題がある。これに加えて、選別搬送装置に作物が移動する際に、多数の作物が同時に移動してくると、互いにぶつかり合って傷が付き、商品価値の低下を招くという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、同時収穫される複数条の作物量に対応しうる残葉処理能力の向上と選別搬送装置への円滑移行とにより、作業能率の確保とともに収穫作物の損傷防止を可能とする根菜類収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、圃場から作物を引抜搬送する引抜搬送装置(2)と、搬送中の収穫作物を受けて茎葉部を切断する茎葉切断装置(3)と、この茎葉切断装置(3)の直下で茎葉切断済みの収穫作物の残葉を分離する残葉処理装置(4)と、残葉処理済みの作物を受ける選別搬送装置(5)とを設けた根菜類収穫機において、
前記引抜搬送装置(2)
及び前記残葉処理装置(4)
を機体の片側部の内外側位置に並列配置し、これら内外側配置の残葉処理装置(4,4)のそれぞれの排出口と対応して前記選別搬送装置(5)の搬送レーンを分ける仕切部材を設け
、
前記残葉処理装置(4,4)において、茎葉切断装置(3,3)によって茎葉が切断された茎葉切断済み作物を直上から受ける引継搬送機構(11)上に、前記引継搬送機構(11)の搬送行程に斜行配置されて残葉を分離しつつ作物をそれぞれ斜行排出可能に内外位置の巻込ローラ(12,12)を斜行配置し、これら内外側配置の残葉処理装置(4,4)の排出側縁に沿って前記選別搬送装置(5)を配置したことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記内外側配置の残葉処理装置(4,4)は、それぞれ前記茎葉切断装置(3,3)の直下で受けた作物を前記引抜搬送装置(2,2)の搬送方向に直交して機体内側方向に搬送動作する内外位置の引継搬送機構(11,11)をそれぞれ下降傾斜し、これら引継搬送機構(11,11)の搬送作物を機体前側にそれぞれ斜行排出可能に内外位置の巻込ローラ(12,12)を斜行配置して構成し、これら内外側配置の残葉処理装置(4,4)の排出側縁に沿って前記選別搬送装置(5)を配置するとともに、それぞれの引継搬送機構(11,11)の搬送終端部に分離屑の投下空間を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項
3に係る発明は、請求項
2に係る発明において、前記左右の引継搬送機構(11,11)の搬送始端部に作物を囲い込む規制シュータ(31,31)をそれぞれ設け、これら規制シュータ(31,31)を対応する茎葉切断装置(3,3)側に支持することを特徴とする。
【0010】
請求項
4に係る発明は、請求項
2に係る発明において、前記引抜搬送装置(2,2)および前記残葉処理装置(4,4)の伝動を制御する作業クラッチと、内外側配置の残葉処理装置(4,4)の間の排出隙間(G)の詰まりセンサとを設け、前記排出隙間(G)の詰まり検出時に前記引抜搬送装置(2,2)および前記残葉処理装置(4,4)を前記作業クラッチにより停止制御することを特徴とする。
【0011】
請求項
5に係る発明は、請求項
2に係る発明において、前記内外側配置の残葉処理装置(4,4)の下方に両者に伝動する伝動シャフト(32)を設け、この伝動シャフト(32
0)からそれぞれの引継搬送機構(11,11)を共通伝動する巻回伝動部材(33
0)を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項
6に係る発明は、請求項
1または請求項
2に係る発明において、前記外側配置の残葉処理装置(4)は、前記巻込ローラ(12)を前記引継搬送機構(11)の側縁を超えて前記選別搬送装置(5)の上方に突出し
て形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項
7に係る発明は、請求項1から
6のいずれか1項に係る発明において、前記仕切部材は、始端部を前記外側位置の巻込ローラ(12)の排出側の軸端部に軸支し、前記選別搬送装置(5)の搬送方向に沿って、少なくとも、
外側位置の巻込ローラ(12)の排出側軸端位置から内側配置の巻込ローラ(12)の軸端位置までの距離と同じ長さに形成するとともに、終端側を前記選別搬送装置(5)の上方に回動可能に構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項
8に係る発明は、請求項
7に係る発明において、前記仕切部材(14)の下縁には突部(14b)を設け、この突部(14b)に間歇的に当接可能な凹凸を前記選別搬送装置(
5)の搬送面の搬送方向に沿って形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明により、収穫作物は、内外側配置の引抜搬送装置(2,2)から対応する残葉処理装置(4,4)によってそれぞれ滞留なしに分流処理することができ、残葉処理後は、選別搬送装置(5)の搬送レーンを分ける仕切部材により、合流による滞留や接触損傷を防止しつつ選別搬送行程が開始されるので、残葉処理を補うための手作業による作業能率の低下が防止されるとともに、残葉処理中の合流における落下接触や選別搬送装置(5)への合流に伴う接触損傷を防止して作物の商品価値の確保が可能となる。
【0017】
請求項
2に係る発明により、請求項1に係る発明の効果に加え、内外側配置の残葉処理装置(4,4)は、それぞれ下降傾斜する引継搬送機構(11,11)の搬送終端の投下空間から、分離屑や付着土砂が、他方の残葉処理装置(4)に移行することなく、個々に排出されるので、分離屑等が巻込ローラ(12,12)に詰まり、また、搬送作物が分離屑等に接触して受傷する等の分離屑等による障害を抑えることができる。
【0018】
請求項
3に係る発明により、請求項
2に係る発明の効果に加え、内外側の引継搬送機構(11,11)の搬送始端部にそれぞれ作物を囲い込む規制シュータ(31,31)により、それぞれの引継搬送機構(11,11)に落下した作物が跳ねて機外や排出空間部に移動し、搬送経路から外れてしまうことを防止できるので、落下の衝撃により作物が傷付くことが防止されるとともに、落下した作物を拾い集める作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
【0019】
請求項
4に係る発明により、請求項
2に係る発明の効果に加え、排出隙間(G)が詰まると引抜搬送装置(2,2)および残葉処理装置(4,4)が停止することから、排出隙間(G)に作物等が詰まったまま作動した場合の過大な負荷による残葉処理装置(4,4)装置の破損を防止することができる。
【0020】
請求項
5に係る発明により、請求項
2に係る発明の効果に加え、内外側配置の残葉処理装置(4,4)のそれぞれの引継搬送機構(11,11)を共通の巻回伝動部材(33)によって伝動することから、簡潔な伝動構成によって部品数の削減と軽量化を図ることができる。
【0021】
請求項
6に係る発明により、請求項
1または請求項
2に係る発明の効果に加え、外側配置の残葉処理装置(4)は、巻込ローラ(12)が選別搬送装置(5)まで張出すことにより、排出作物を案内シュータ側に確実に移動させ、引継搬送機構(11,11)から離間する位置に排出することができるので、作物同士がぶつかって傷付き、商品価値が低下することが防止され、また、内側位置の巻込ローラ(12)により、その引継搬送機構(11,11)の側縁から排出作物が選別搬送装置(5)に移行されるので、作物同士がぶつかって傷付き、商品価値が低下することが防止される。
【0022】
請求項
7に係る発明により、請求項1から
6のいずれか1項に係る発明の効果に加え、仕切部材が外側位置の巻込ローラ(12)の排出側軸端位置から内側配置の巻込ローラ(1
2)の軸端位置までの選別搬送行程について搬送レーンを仕切ることから、作物の合流による接触が防止できるので、接触傷等による商品価値の低下が防止される。
また、仕切部材の終端を選別搬送装置(5)の上方に回動操作することにより、作物の数が少ないときや作物のサイズが大きいときなどに仕切部材が作物の搬送を妨げることが防止される。
【0023】
請求項
8に係る発明により、請求項
7に係る発明の効果に加え、前記選別搬送装置(5)の作動により、搬送面の搬送方向に沿って形成した凹凸が移動すると、仕切部材(14)の下縁の突部(14b)に作用して仕切部材(14)が上下に揺動されるので、作物が仕切部材(14)に接触しても、付着することなく搬送移動が促されることから、搬送中の作物の停滞が防止され、作業能率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。なお、説明においては、作業機の前進方向Fを基準に、前後、左右と云う。
【0026】
本発明に係る作物収穫機1は、その側面図および平面図を順に
図1、
図2に示すように、走行部Aによって圃場走行可能に構成した機体の片側端に内外側配置の引抜搬送装置2,2、茎葉切断装置3,3、残葉処理装置4,4を搭載して2条並行処理し、さらに、機体横断方向の選別搬送装置5から他側端配置の作物回収部6までを一連に構成、操縦席7の後方の選別搬送装置5に臨んで補助作業席8を設ける。
【0027】
内外側配置の引抜搬送装置2,2は、それぞれ縦と横の引起部を備えて植付条毎に圃場の根菜作物を並列して引抜き搬送し、対応する茎葉切断装置3,3が茎葉切断すると、それぞれの直下位置で内外側配置の残葉処理装置4,4に受けて残葉分離した後、それぞれの機体前側から合流接触なしに選別搬送装置5にレーン分けして移行可能に構成することにより、作業者による一括選別を経て機体の他側端の作物回収部6及び選別搬送装置5に支持される回収容器9に一括収容される。
【0028】
前記左右の引抜搬送装置2,2は、次のとおり構成する。なお、左右同一の構成であるので、片方の引抜搬送装置2について説明するものとする。
【0029】
作物収穫機1の機体フレーム20の後部に、上下方向に立設する後部フレーム21を設け、該後部フレーム21の上部に機体前側上方に向かう傾斜姿勢で左右の伝動ケース22,22の基部側を設ける。そして、該左右の伝動ケース22,22の上部に機体前側に向かって傾斜する姿勢で引抜フレーム23,23を各々設け、該左右の引抜フレーム23,23の後部側(搬送終端側)に引抜駆動プーリ24,24を各々設ける。また、前記左右の引抜フレーム23,23の前部側に引抜従動プーリ25,25を各々設けると共に、該左右の引抜従動プーリ25,25と左右の引抜駆動プーリ24,24の前後間に複数のテンションプーリ26,26を設ける。その上で、前記左右の引抜駆動プーリ24,24と引抜従動プーリ25,25とテンションプーリ26,26に亘って引抜ベルト27,27を無端状に巻回することで、引抜搬送装置2を構成する。
【0030】
上記の引抜搬送装置2は機体左右方向に一対配置し、機体外側の引抜搬送装置2の搬送始端部及び搬送終端部は、機体内側の引抜搬送装置2の搬送始端部及び搬送終端部よりも機体前側に位置する配置とする。
【0031】
本発明が収穫する作物の一例である人参は、一般的に千鳥状に圃場に植生しているので、左右の引抜搬送装置2,2の搬送始端部が前後方向にずれていることにより、作物を引き抜くタイミングが揃えられる。
【0032】
なお、前記左右の引抜搬送装置2,2の搬送始端部よりも前方には、圃場に垂れている作物の茎葉部を引き起こす、引起し装置50を各々設ける。該引起し装置50は、作業条の作物と隣接条の作物の絡み合った茎葉部を引き離す縦引起し装置51と、茎葉部を持ち上げて前記引抜搬送装置2の挟持始端部に臨ませる横引起し装置52で構成する。なお、該横引起し装置52の下部には、茎葉部を横引起し装置52に持ち上げ案内する案内体53を機体前側に突出させて設ける。
【0033】
また、前記左右の引起し装置50,50は、前記左右の引抜搬送装置2,2の配置に合わせて、左右一側が左右他側よりも機体前側に配置され、茎葉部に対する作用位置は左右で異なるものとする。
【0034】
これにより、隣接条の茎葉部を引抜搬送装置2,2が挟持して土中から引き抜いてしまい、収穫作業時に引抜搬送装置2,2が挟持できない作物が発生することが防止されるので、作業者が手作業で作物を回収する必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
【0035】
また、茎葉部を引抜搬送装置2,2の搬送始端部に寄せることができるので、引抜搬送装置2,2が十分な量の茎葉部を挟持できず、引き抜く際に茎葉部がちぎれてしまい、圃場に作物が抜き残されることが防止できるので、作業者が手作業で作物を回収する必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
【0036】
さらに、左右の引抜搬送装置2,2の前後位置の違いに合わせて左右の引起し装置50,50の前後位置が異なることにより、左右の引起し装置50,50が茎葉部の引き起こし時に干渉し合うことが防止され、各引抜搬送装置2,2が作業条の作物の茎葉部のみを確実に挟持でき、作業能率が向上する。
【0037】
次に、左右の茎葉切断装置3,3について説明する。なお、左右同一の構成であるので、片方の茎葉切断装置3について説明するものとする。
【0038】
茎葉切断装置3は、前記後部フレーム21の上部に機体後側に突出する左右の後方伝動ケース28,28を設け、該左右の後方伝動ケース28,28に伝動シャフト32,32を各々設ける。前記左右の後方伝動ケース28,28の上部には茎葉搬送フレーム29,29を各々機体前側に突出させて設け、該左右の茎葉搬送フレーム29,29の上部に伝動ギアケース30,30を各々機体前側に突出させて設けると共に、左右の伝動ギアケース30,30の上部に排葉搬送フレーム31,31を各々機体前側に突出させて設ける。そして、前記左右の伝動シャフト32,32に搬送駆動プーリ33,33と排出駆動プーリ34,34と茎葉切断ギア列(図示省略)を各々装着する。
【0039】
前記左右の茎葉搬送フレーム29,29の前側には左右の搬送従動プーリ35,35を設け、該左右の搬送従動プーリ35,35と左右の搬送駆動プーリ33,33に亘って茎葉搬送ベルト36,36を無端状に巻回する。また、前記左右の排葉搬送フレーム31,31の前側には左右の排葉従動プーリ37,37を設け、該左右の排葉従動プーリ37,37と左右の排出駆動プーリ34,34に亘って排葉搬送ベルト38,38を巻回する。そして、前記左右の伝動ギアケース30,30の前側に作物の茎葉部を挟み切る茎葉切断刃39,39を各々設けることで、茎葉切断装置3を構成する。
前記左右の茎葉切断装置3,3の搬送始端部及び搬送終端部は機体内側、外側共に同じ位置とする。
【0040】
これにより、茎葉切断刃39,39による茎葉部の切断位置が左右で同じになるので、落下する作物を受ける残葉処理装置4,4の前後幅を前後に広くする必要がなく、機体の前後幅のコンパクト化が図られる。
また、切断した茎葉部の排出位置も左右方向で同じ位置になるので、茎葉部の排出位置が揃えられ、排出された茎葉部の回収が容易になる。
【0041】
次に、選別搬送装置5及び作物回収部6について説明する。
選別搬送装置5は、前記残葉処理装置4,4の機体前側で且つ下方に設け、残葉処理装置4,4で茎葉部を除去された作物、及び左右の引抜搬送装置2,2で搬送中に茎葉部が千切れる等して落下してきた作物を受けて、機体左右一側から左右他側に向かって搬送する。該選別搬送装置5は、搬送方向下手側が昇降シリンダ5bによって上下方向に回動可能な回動搬送部5aとなっている。
【0042】
そして、回動搬送部5aの搬送終端部の下方で、且つ前記機体フレーム20の左右他側の後部に作物を回収する回収容器9の底部を受ける作物回収部6を、機体前後方向の回動軸(図示省略)によって上下方向に回動可能に設ける。該作物回収部6の後部には作物回収部6の載置バケット6aを左右方向の載置回動軸6bによって回動させ、機体フレーム20に沿う回収姿勢と、回収容器9を圃場に移動させる排出姿勢に切り替える切替装置6cを設ける。
【0043】
(残葉処理部)
残葉処理部について詳細に説明すると、残葉処理部周りの拡大平面図を
図3に示すように、内外側配置の残葉処理装置4,4は、それぞれ、茎葉切断済み作物を直上から受ける引継搬送機構11,11と、その搬送行程に斜行配置されて残葉を分離しつつ作物を側方排出する巻込ローラ12,12とによって構成する。
【0044】
両引継搬送機構11,11は、内外側配置の茎葉切断装置3,3のそれぞれの茎葉切断位置の直下位置から巻込ローラ12,12までの搬送行程を有する搬送部材であり、両茎葉切断装置3,3の直下位置を通る単一の引継搬送機構11aを選別搬送装置5の側縁に沿って設けることにより、一体的に低コストで構成することができる。
【0045】
両巻込ローラ12,12は、作物の残葉を巻込み分離するように、それぞれの引継搬送機構11,11の搬送面に近接して巻込み側に回転駆動するとともに、それぞれの側端部から側縁配置の選別搬送装置5に作物を排出移行可能に斜行配置する。
【0046】
また、外側配置の巻込ローラ12は、選別搬送装置5上に張出す長いローラで構成して内側配置の巻込ローラ12の出口からレーン分けして排出し、また、出口にシュータ13を設けてレーン分けして排出することにより、両者の合流による接触傷や割れを防止することができ、さらに、外側配置の巻込ローラ12出口から選別搬送装置5の中央に仕切14を内側配置の巻込ローラ12の出口までの範囲に設けることにより、搬送レーンを分けて合流による滞留や接触の問題を解消することができる。
【0047】
選別搬送装置5の中央の仕切板14は、
図3及び
図4の要部拡大図に示すように、表面および上面にスポンジゴム等のクッション14cを貼ることによって作物の損傷を抑えることができる。また、仕切板14は、不要時に上に跳ね上げ可能に、外側配置の巻込ローラ12の端部にヒンジアーム14aで支持することにより、極大サイズのニンジンの収穫に対応することができる。
【0048】
また、仕切の下縁に突部14bを設け、この突部14bに間歇的に当接可能なコンベアのスラットバー5a…等による凹凸を選別搬送装置5の搬送面の搬送方向に沿って形成することにより、選別搬送装置の作動によって搬送面の搬送方向に沿って形成した凹凸が移動し、仕切14の下縁の突部に作用して上下に揺動されるので、仕切14による作物の停滞を防止でき、特に、仕切の下縁の突部を波形状とすることで、容易に振動することができる。
【0049】
また、外側配置の巻込ローラ12の出口のシュータをバー状に構成することで、土抜けをよくすることができ、さらにテフロン(登録商標)チューブなどを取付けることにより、表面の滑りを良くして泥の付着を少なくすることができる。
【0050】
(茎葉切断装置)
次に、内外側配置の茎葉切断装置3,3について説明すると、その要部背面図を
図5に示すように、それぞれに排葉シュータ210a,210bを設けることにより、内外側配置の引抜搬送装置2,2による2条の引抜きの際に、それぞれを別々に上下動させても、安定した排葉が可能となる。
【0051】
また、内側配置の排葉シュータ210aは、下部側を左右方向に回動させて開閉可能に構成することにより、内外側並列して排出される排葉位置をまとめることができ、その開閉操作についても、補助作業席8付近からシュータレバー220で簡単に操作することができる。
【0052】
また、機体右側面図である
図6に示すように、操縦席7に第2シュータレバー230を設け、該第2シュータレバー230と機体内側の排葉シュータ210aの下端部側を連携ワイヤ240で連結する構成としてもよい。これにより、作業者は操縦席7に搭乗したままでも排葉シュータ210aの開閉操作ができるので、排葉シュータ210aの開閉操作の度に機体後方に移動する必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0053】
(別構成例)
次に、残葉処理部の別の構成例について説明する。
別構成の残葉処理部の背面図を
図7に示すように、内外側配置の残葉処理装置4,4を構成する引継搬送機構11,11は、外側位置の引継搬送機構11の土や分離された残葉が、内側位置の引継搬送機構11に入らないように、それぞれを引継搬送機構によって分割構成した上で、外側位置の引継搬送機構11の搬送終端部が、内側位置の引継搬送機構11の搬送始端部の下方に配置して下降傾斜姿勢とすることにより、排出性を良くすることができる。
【0054】
この場合において、それぞれの巻込ローラ12,12に作物が入りやすくなるように、両引継搬送機構11,11は、例えば、2°〜5°の傾斜角度の下降傾斜に構成する。
【0055】
また、内外側位置の引継搬送機構11,11の間の隙間G、すなわち、内側位置の引継搬送機構11の搬送始端部と外側位置の引継搬送機構11の搬送終端部の間の隙間は、直径寸法が約50〜80mmのニンジンが少なくとも通過できるようにすることで、誤って隙間Gに入ったニンジンが詰まることなく通過可能となる。
【0056】
また、内側配置の残葉処理装置4の搬送始端部と外側配置の残葉処理装置4の搬送終端部との間に、仕切を兼ねる規制シュータ310を設け、さらに、外側配置の残葉処理装置4の始端部にも仕切を兼ねる規制シュータ310を設けることにより、ニンジンのこぼれ防止が可能となる。
【0057】
外側配置の残葉処理装置4の終端部と内側配置の残葉処理装置4の始端部の間の隙間Gに、詰まりセンサ340を設け、異物が詰まった場合に警報360を鳴らして緊急停止するように構成し、この時、
図10に示すとおり、作業クラッチ入切モータ350を作動させて「切」にするか、または、詰まった異物を除去して詰まりセンサ340が検出解除した場合に限って、緊急停止状態が解除されるように構成する。
【0058】
また、内側配置の残葉処理装置4の始端部と外側配置の残葉処理装置4の終端部との間にニンジンが詰まった場合に、隙間を広げて詰まりを解消できるように、引継搬送機構の従動軸側である内側配置の残葉処理装置4の搬送始端部を上動操作可能に構成する。
【0059】
(伝動構成)
内外側配置の残葉処理装置4,4は、下方配置の伝動シャフト320から共通の巻回伝動部材である無端チェーン330で伝動することで、動力の取り回しを簡潔に構成することができ、また、それぞれに個別伝動することにより、他方の負荷の影響なしに作動することができる。
【0060】
(サブステップ周り)
次に、操縦席または補助作業席に搭乗するためのサブステップについて説明する。
機体の右側面図および平面図を
図8、
図11に示すように、操縦席7の外側位置のメインフレームにサブステップ41を開閉可能に軸支し、このサブステップ41の開閉レバー42を操縦席7の後ろ(機体右側)に配置する。開閉レバー42は、バー形状とすることにより、乗り降りの際に、グリップし易い取手を兼ねることができる。
【0061】
詳細には、
図9にサブステップの斜視図(a)およびサブステップ支持部の分解図(b)を示すように、操縦席7の脇に折り畳み式のサブステップ41を設け、サブステップ41は、下に圧縮スプリング43,43を設けて乗り降りするときに邪魔にならないようにするとともに、ステップ41を使用しないときは、収納位置に押し戻して折り畳むことができる。
【0062】
ワイヤーと回動プレートを操縦席後のカバー(フレーム)に追加することにより、省スペース構成が可能となる。開閉レバー42は横方向操作とし、レバー(取手)に体重を掛けて手前に倒すと、ステップ41が降りるように構成し、また、補助作業席8に移動する際に邪魔にならないように、レバー42を倒したときに先端が操縦席7より外側に出ない範囲とする。また、倒したレバー42を固定するフック形状のストッパ44を設ける。このストッパ44は、空コンテナ置や、フレコンパッグを引掛けるフックとしても使用できる。
【0063】
(技術的ポイント)
上記構成の根菜類収穫機の技術的ポイントをまとめると、次のとおりである。
引抜搬送装置2から残葉処理装置4までを機体の片側部の内外側位置に並列配置し、これら内外側配置の残葉処理装置4,4のそれぞれの排出口と対応して選別搬送装置5の搬送レーンを分ける仕切部材を設けたことにより、収穫作物は、内外側配置の引抜搬送装置2,2から対応する残葉処理装置4,4によってそれぞれ滞留なしに分流処理することができ、残葉処理後は、選別搬送装置5の搬送レーンを分ける仕切部材により、合流による滞留や接触損傷を防止しつつ選別搬送行程が開始されるので、残葉処理を補うための手作業による作業能率の低下が防止されるとともに、残葉処理中の合流における落下接触や選別搬送装置5への合流に伴う接触損傷を防止して作物の商品価値の確保が可能となる。
【0064】
内外側配置の残葉処理装置4,4は、それぞれ茎葉切断装置3,3の直下で受けた作物を引抜搬送装置2,2の搬送方向に直交して機体内側方向に搬送動作する内外位置の引継搬送機構11,11を引継搬送機構11aによって両者一体に構成し、この引継搬送機構11a上で機体前側に作物をそれぞれ斜行排出可能に内外位置の巻込ローラ12,12を斜行配置して構成し、これら内外側配置の残葉処理装置4,4の排出側縁に沿って選別搬送装置5を配置するとともに、この選別搬送装置5の機体前側の搬送レーンに作物を案内する案内シュータを外側配置の残葉処理装置4との間に設けたことにより、内外側配置の残葉処理装置4,4の引継搬送機構11,11は、両者一体構成の引継搬送機構11aによってその側縁に沿う選別搬送装置5に排出作物を効率よく移行することができ、また、外側配置の残葉処理装置4の排出作物は、案内シュータにより、合流に伴う滞留や接触を経ることなく選別搬送装置5の機体前側の搬送レーンに案内されることから、作物の損傷による商品価値の低下を防止することができる。
【0065】
内外側配置の残葉処理装置4,4は、それぞれ茎葉切断装置3,3の直下で受けた作物を引抜搬送装置2,2の搬送方向に直交して機体内側方向に搬送動作する内外位置の引継搬送機構11,11をそれぞれ下降傾斜し、これら引継搬送機構11,11の搬送作物を機体前側にそれぞれ斜行排出可能に内外位置の巻込ローラ12,12を斜行配置して構成し、これら内外側配置の残葉処理装置4,4の排出側縁に沿って選別搬送装置5を配置するとともに、それぞれの引継搬送機構11,11の搬送終端部に分離屑の投下空間を形成したことにより、内外側配置の残葉処理装置4,4は、それぞれ下降傾斜する引継搬送機構11,11の搬送終端の投下空間から、分離屑や付着土砂が、他方の残葉処理装置4に移行することなく、個々に排出されるので、分離屑等が巻込ローラ12,12に詰まり、また、搬送作物が分離屑等に接触して受傷する等の分離屑等による障害を抑えることができる。
【0066】
左右の引継搬送機構11,11の搬送始端部に作物を囲い込む規制シュータ31,31をそれぞれ設け、これら規制シュータ31,31を対応する茎葉切断装置3,3側に支持することにより、それぞれの引継搬送機構11,11に落下した作物が規制シュータ31,31に規制され、跳ねて機外や排出空間部に移動し、搬送経路から外れてしまうことを防止できるので、落下の衝撃により作物が傷付くことが防止されるとともに、落下した作物を拾い集める作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
【0067】
引抜搬送装置2,2および残葉処理装置4,4の伝動を制御する作業クラッチと、内外側配置の残葉処理装置4,4の間の排出隙間Gの詰まりセンサとを設け、排出隙間Gの詰まり検出時に引抜搬送装置2,2および残葉処理装置4,4を作業クラッチにより停止制御することにより、排出隙間Gが詰まると引抜搬送装置2,2および残葉処理装置4,4が停止することから、排出隙間Gに作物等が詰まったまま作動した場合の過大な負荷による残葉処理装置4,4装置の破損を防止することができる。
【0068】
内外側配置の残葉処理装置4,4の下方に両者に伝動する伝動シャフト32を設け、この伝動シャフト32からそれぞれの引継搬送機構11,11を共通伝動する巻回伝動部材33を設けたことにより、簡潔な伝動構成によって部品数の削減と軽量化を図ることができる。
【0069】
外側配置の残葉処理装置4は、巻込ローラ12を引継搬送機構11の側縁を超えて選別搬送装置5の上方に突出して長く形成したことにより、排出作物を案内シュータ側に確実に移動させ、引継搬送機構11,11から離間する位置に排出することができるので、作物同士がぶつかって傷付き、商品価値が低下することが防止され、また、内側位置の巻込ローラ12により、その引継搬送機構11,11の側縁から排出作物が選別搬送装置5に移行されるので、作物同士がぶつかって傷付き、商品価値が低下することが防止される。
【0070】
仕切部材は、始端部を外側位置の巻込ローラ12の排出側の軸端部に軸支し、選別搬送装置5の搬送方向に沿って、少なくとも、内外位置の巻込ローラ12,12の内外間隔距離と同じ長さに形成するとともに、終端側を選別搬送装置5の上方に回動可能に構成したことにより、仕切部材が外側位置の巻込ローラ12の排出側軸端位置から内側配置の巻込ローラ12の軸端位置までの選別搬送行程について搬送レーンを仕切ることから、作物の合流による接触が防止できるので、接触傷等による商品価値の低下が防止される。
また、仕切部材の終端を選別搬送装置5の上方に回動操作することにより、作物の数が少ないときや作物のサイズが大きいときなどに仕切部材が作物の搬送を妨げることが防止される。
【0071】
仕切部材14の下縁には突部14bを設け、この突部14bに間歇的に当接可能な凹凸を選別搬送装置5の搬送面の搬送方向に沿って形成したことにより、選別搬送装置5が作動すると、搬送面の搬送方向に沿って形成した凹凸が移動し、仕切部材14の下縁の突部14bに作用して仕切部材14が上下に揺動されるので、作物が仕切部材14に接触しても、付着することなく搬送移動が促されることから、搬送中の作物の停滞が防止され、作業能率が向上する。