(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御ユニットが、排出段階後に患者内に残留する透析液の量が所定の閾値を超えると判断した後に、前記第1のオプションおよび前記第2のオプションを提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記CCPD療法が、臨床医により前記制御ユニットに入力されるか、または遠隔コンピュータからのネットワーク接続によって前記制御ユニットに受け取られるように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記第1のタイダル腹膜透析療法が、所定の第1の残留排出容量を有し、前記第2のタイダル腹膜透析療法が、より多い所定の第2の残留排出容量を有する、請求項1に記載の装置。
前記制御ユニットが、前記第1のタイダル腹膜透析療法または前記第2のタイダル腹膜透析療法の前記充填の各々の後に患者内に存在する容量を、前記CCPD療法の前記充填の各々の後に前記患者内に存在するであろう容量と少なくとも実質的に等しくするようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
前記制御ユニットが、前記CCPD療法中に、前記第1のタイダル腹膜透析療法または前記第2のタイダル腹膜透析療法に前記CCPD療法を転換するように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記制御ユニットが、前記第1のタイダル腹膜透析療法および前記第2のタイダル腹膜透析療法の少なくとも一方の前記排出段階の少なくとも幾つかの個々の排出時間を短縮するように構成されており、もって、前記排出段階の少なくとも幾つかの指定残留容量の透析液が患者内に残るようになっている、請求項10に記載の装置。
前記第1のタイダル腹膜透析療法が、所定の第1の残留排出容量を有し、前記第2のタイダル腹膜透析療法が、より多い所定の第2の残留排出容量を有する、請求項10に記載の装置。
前記制御ユニットが、前記タイダル腹膜透析療法の前記充填の各々の後に患者内に存在する容量を、前記CCPD療法の前記充填の各々の後に前記患者内に存在するであろう容量と少なくとも実質的に等しくするようにさらに構成されている、請求項10に記載の装置。
前記第1のタイダル腹膜透析療法または前記第2のタイダル腹膜透析療法に前記CCPD療法を転換することが、前記CCPD療法による所定の未使用透析液全充填容量を前記タイダル腹膜透析療法のために使用することを含む、請求項16に記載の作動方法。
初期排出段階または初期充填段階の少なくとも一方に先立って、前記CCPD療法または前記第1のタイダル腹膜透析療法もしくは前記第2のタイダル腹膜透析療法のいずれかの選択を治療のために可能にすることをさらに含む、請求項16に記載の作動方法。
前記第1のタイダル腹膜透析療法または前記第2のタイダル腹膜透析療法に前記CCPD療法を転換することが、前記CCPD療法により指定された数のサイクルに充填、停留および排出サイクルを1つ以上追加するための選択をユーザに可能にさせることを含む、請求項16に記載の作動方法。
前記第1のタイダル腹膜透析療法または前記第2のタイダル腹膜透析療法に前記CCPD療法を転換することが、完全排出容量よりも低率のタイダル排出容量を自動的に計算することを含む、請求項16に記載の作動方法。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(透析システム全般)
次に、図面を、特に、
図1から2を参照すると、腎不全治療システム10が提供されている。システム10は、概して、任意の種類の自動腹膜透析(「APD」)システムに適用可能である。図示した実施形態におけるシステム10は、透析器具12を含む。透析器具12は、提供されるAPD治療システムのために構成される。透析器具12は、中央処理装置(「CPU」)およびメモリを含み、CPUとともに動作可能な1つ以上の付加的なプロセッサおよびメモリ(例えば、安全装置、弁、ヒータ、ポンプ、ビデオ、およびオーディオ(例えば、音声ガイダンス)コントローラ)を含んでもよく、その全体は、論理インプリメンタまたは制御ユニットと呼ばれてもよい。論理インプリメンタは、例えば、論理インプリメンタのビデオコントローラ構成要素を介して、グラフィカルユーザ機械インターフェース(「GUI」)等のユーザインターフェース(「UI」)とともに動作する。GUIは、ビデオモニタ20と、タッチ画面または電気機械入力デバイス(例えば、膜スイッチ)等の1つ以上の種類の入力装置22とを含む。CPUはまた、GUI、遠隔メモリ記憶デバイス、インターネットあるいはデータベース接続、および/または無線接続デバイスから、命令および/またはデータを受信するように構成される。
【0036】
ビデオモニタ20と協働する論理インプリメンタは、文字/グラフィックを介して、治療指示および設定確認を患者または介護者に視覚的に提供する。例えば、(i)下準備のための器具12(以下で論議される)上への患者ラインの遠位端の配置に関する指示を提供するように、および/または(ii)患者ラインが完全に下準備された時に患者に知らせるように、文字/グラフィックを表示することができる。加えて、または代替として、スピーカ24と協働する論理インプリメンタの音声ガイダンスコントローラが、上記に記載される(i)および/または(ii)を提供する。
【0037】
図1に見られるように、透析器具12は、使い捨てセット30を受け入れ、それとともに動作する。使い捨てセット30は、本明細書では、剥離または破れやすいシール34を介して2つの流体を分離する二重チャンバ供給バッグとして示される1つ以上の供給バッグ32aから32c(本明細書では集合的に供給バッグ32、または概して個別に供給バッグ32と呼ばれる)を含む。使い捨てセット30はまた、排出バッグ(図示せず)と、加温バッグ36と、管38aから38d(本明細書では集合的に管類または管38、または概して個別に管38と呼ばれる)と、使い捨てポンプ/弁カセット50(
図2)とを含む。
【0038】
加温バッグ36は、器具12の最上部がバッグ36内の流体をバッチ加熱するバッチ加熱動作において使用される。システム10はまた、排出バッグの代わりに、浴槽、トイレ、または流し台等の屋内排水に使用済み流体を送出することもでき、その場合、排出バッグは必要とされない。
【0039】
3つの供給バッグ32が示されているが、システム10は、任意の好適な数の供給バッグを採用することができる。供給バッグ32は、採用される治療の種類に応じて異なる溶液を保持する、破れやすいシール34によって分離される複数のチャンバ42aおよび42bを有して示されている。例えば、チャンバ42aおよび42bは、所望のブドウ糖濃度を有する全体的なPD透析液のために、緩衝剤およびブドウ糖を保持することができる。供給バッグ32は、代替として、所望のブドウ糖濃度を有する予混合PD透析液等の単一の予混合溶液を保持する、単チャンババッグである。
【0040】
図1および2に見られるように、使い捨てカセット50は、それぞれ、管38a、38b、および38cを介して、供給バッグ32、排出バッグ、および加温バッグ36に接続する。管38dは、カセット50から患者接続44まで及ぶ。カセット50は、一実施形態では、剛性外壁52と、ポンプチャンバ(
図2に示されるような60aおよび60b)、弁チャンバ(例えば、ボルケーノ弁チャンバ)、および剛性流体経路がそこから延在する中間基礎壁(図示せず)とを有する剛性構造を含む。剛性流体ポート56は、側壁52から延在し、剛性カセット経路と流体的に連通し、管類38に密閉して接続する。管類38は、ポート56に固定することができ、その場合、バッグ32は、バッグからの流体が管類38を通ってカセット50に流入することを可能にするようにスパイクを打ち付けられる。代替として、管類38は、バッグ32に固定され、その場合、ポート56または噛合管類端は、袋32および管類38からの流体がカセット50に流入することを可能にするようにスパイクを打ち付けられる。
【0041】
一対の可撓性膜またはシート58(1つだけが示されている)は、カセットの外剛壁52に密閉される。カセット50は、シート58が硬質カセット本体の剛性流体経路の外面を形成するように、器具12内に密閉される。シートのうちの1枚は、ポンプチャンバ(60aおよび60b)を通して流体を送出するように、およびカセット弁を開閉するように動かされる。
【0042】
器具12は、カセット50のポンプおよび弁チャンバを、空気圧で、機械的に、またはその両方で作動させることができる。図示した実施形態は、空気圧式作動を使用する。本開示の出願人によって市販されているHomeChoice(登録商標)APDシステムは、例えば、参照することによって、その全体内容が本明細書に組み込まれ、依拠される米国特許第5,350,357号(「’357特許」)で説明される空気圧式システムを使用する。
図2に見られるように、器具12は、カセット50のポンプおよび弁チャンバの各々において、カセットシート58と異なる密封領域を生成する可撓性膜14を含む。膜14は、弁チャンバを開閉する、およびポンプチャンバを通して(中および外へ)流体を送出するように、これらの領域中のシート58とともに動く。カセットインターフェースプレート(図示せず)は、膜14の後ろに位置し、一対の固定容積ポンプチャンバを形成するようにカセット50のチャンバの半分60aおよび60bと噛合する、第1および第2のチャンバの半分(図示せず)を含む。
【0043】
図示した実施形態における器具12は、カセット50に対して閉じるドア16を含む。ドア16は、機械的に(例えば、ドアの閉鎖を介して)および/または空気圧で(例えば、プレスプレートの後ろでドアに位置する膨張式ブラダを介して)操作することができるプレスプレート18を含む。カセット50に対してプレート18を押圧することによって、次に、チャンバ60aおよび60bを通して流体を送出するように、およびカセット弁チャンバを開閉するように、カセット50のシート58と協働するポンプ膜14に対してカセット50を押圧する。
【0044】
膜14の後ろに位置するカセットインターフェースプレートは、異なる弁およびポンプ領域で協働膜14およびカセットシート58に陽または陰圧を印加するように構成される。例えば、陽圧は、ポンプチャンバから流体を押し出すようにポンプチャンバ60aおよび60bを画定するカセット50の剛性内壁内、およびインターフェースプレート(図示せず)のチャンバの半分内に位置する、膜/シートの領域で膜14/シート58に印加される。陰圧は、ポンプチャンバの中へ流体を引き込むように、これらの同じ領域で膜14/シート58に印加される。同様に、陽圧は、弁チャンバの出口ポートを閉じるように、カセット50の剛性内壁および弁チャンバを画定するインターフェースプレート内のシートの領域で膜14/シート58に印加される。陰圧は、弁チャンバの出口を開くように、それらの同じ領域で膜14/シート58に印加される。
【0045】
本開示の出願人に譲渡された米国特許第6,814,547号(「’547特許」)は、参照することによって、本明細書に組み込まれ、依拠される、
図17Aおよび17Bならびに関連文書説明に関連して、空気圧および機械的作動の組み合わせを使用する、ポンプ機構を開示する。参照することによって本明細書に援用され、依拠される’547特許の
図15、16Aおよび16Bならびに関連する記述は、機械的に起動される弁の使用について教示している。これらの機構の一方または両方は、HomeChoice(登録商標)機械の純空気圧式システムの代わりに使用することができる。
【0046】
’357特許および’547特許はまた、参照することによって、本明細書に組み込まれ、依拠される、患者に送達される未使用透析液の量、患者から除去される流出透析液の量、したがって、患者から除去される付加的な流体または限外濾過液(「UF」)の量を把握し、制御する、異なるシステムおよび方法も教示する。UFは、患者の機能不全腎臓により、患者が治療間に蓄積する血液および組織液である。透析治療は、患者を「乾燥重量」に戻そうとして、この血液および組織液をUFとして除去する。’357特許および’547特許のUF制御システムおよび方法のいずれか一方は、システム10の方法に従って充填および排出容量を制御するために、以下で説明されるように使用することができる。
【0047】
本開示の自己調節排出論理システムおよび方法を採用するために特に適している別の機械は、そのそれぞれの内容全体が、参照することによって、本明細書に組み込まれ、依拠される、公開された国際出願第WO2009094179号、第WO2009094183号、第WO2009094185号、第WO2009094182号、第WO2009094184号、および第WO2009094186号で開示されている。
【0048】
(自動腹膜透析のための排出および充填論理)
患者がシステム10の機械12において治療を開始する時に、そのシステム12が患者に様々な治療法オプションを提供することが検討される。これらの治療法オプションは、治療法オプションを二者択一的に行うか、または別様に混合することができるように、治療毎の基準で(例えば、毎日)、ビデオ画面20および/またはスピーカ24ならびに入力デバイス22を使用して選択することができる。システム10は、医師または患者が、行われる治療法プロファイルを選択するように構成することができる。医師(看護師または臨床医)によって選択された場合、治療法プロファイルは、APD機械12にリンクされたインターネットまたはデータネットワークを介して機械12にダウンロードするか、またはフラッシュドライブあるいはユニバーサルシリアルバス(「USB」)ドライブ等のメモリデバイス上に記憶して、APD機械12の論理インプリメンタと通信している機械12のポートに差し込むことができる。
【0049】
システム10が、少なくとも1つの持続性の周期的腹膜透析(「CCPD」)治療法オプションおよび少なくとも1つのタイダル治療法オプションを患者、臨床医、および医師に提供することが検討される。一般に、CCPD療法が、各サイクル後に患者から完全に排出させようとする一方で、タイダル療法は、最終排出(残留排出容量)を除く各排出の終了時に、患者の中に事前設定された量の透析液を残し、次いで、完全排出後に、あるいは別様に患者が完全に空であるか、またはそれに近い時に通常起こる、第1の充填を除く次の充填時に、より少ない事前設定された量の未使用溶液で患者を充填する。
【0050】
図3から7は、患者が不完全排出を被っている場合に、疑似タイダル療法に修正することができる、システム10のためのCCPD療法の種々の実施形態を図示する。
図8から10は、システム10のためのタイダル療法の実施形態を図示する。
【0051】
(1.CCPD療法)
ここで
図3を参照すると、方法100は、APD機械12の制御ユニットまたは論理インプリメンタの中に実装するための1つの可能なCCPD方法またはアルゴリズムを図示する。CCPD療法として、方法100は、各サイクル後に患者から完全に排出させようとする。以下に見られるように、患者が低排出状態を被る場合、(i)患者には、必要最小排出容量または率を低減し、したがって、たとえ患者がさらなる排出問題を被っても、さらなるアラームを伴わずに治療が継続することを可能にしようとして、患者の許容残留排出容量を増加させるオプションを提供することができ、または(ii)機械が自動的にそうすることができる。
【0052】
方法100は、楕円形102から始まる。ブロック104では、方法100は、医師、看護師、臨床医、または患者が、初期処方充填容量を入力するか、または呼び戻すことを可能にし、それは、初期処方サイクル数が乗じられ、充填段階、停留段階、および排出段階を有する各サイクルは、患者に送達される透析液容量の処方総計につながる。実施形態において患者に送達される、充填段階の透析液容量の処方総計は、通常治療サイクル中に患者に送達される全容量であり、サイクルが完了した後に患者に送達される最後の充填容量を含まない。最後の充填容量は、患者がAPD機械12から切断された後に患者体内に存在し、次の一式の通常治療サイクルが開始される前、日中の交換時、または夜間に除去される。
【0053】
一実施形態では、患者は、(ブロック104において)各治療前に、処方サイクルの各々の充填段階に対する容量であると推定される初期充填容量を入力する。患者はまた、各治療前に、最後の充填容量も入力する。
【0054】
初期処方充填容量および/または充填段階の透析液容量の処方総計のほかに、方法100は、ブロック104に見られるように、医師、看護師、臨床医、または患者が、1サイクル当たりの期待UF容量、最大許容腹膜容量、初期最小排出容量、随意で、閾値最小排出容量、初期治療サイクル数、および随意で、全治療時間を入力、または呼び戻すことを可能にする。1サイクル当たりの期待UF容量は、1サイクル当たりの充填容量に割合が乗じられたもの、例えば、充填容量に8パーセントが乗じられたものとなり得る。この割合は、患者の輸送特性を考慮して、患者に対して最適化されることができる。したがって、充填容量が変化する場合はいつでも、期待UF容量を再計算することができるように、医師、看護師、臨床医、または患者が、例えば、複数の治療に対して1回、患者に対する最適化UF率を入力することが検討される。したがって、ブロック104は、患者の輸送能力が再評価された後に周期的に、例えば、医師、看護師、臨床医、または患者によって、期待UF容量を通常の状況下でAPD機械12のメモリから呼び戻し(各治療に対して患者によって再入力されない)、更新することができることを示す。
【0055】
最大許容瞬間腹膜容量は、任意のときにおいて、患者の腹膜内に存在し得る液体の最大量である。これは、概して、排出段階が開始されることを確実にする直前に、サイクルの停留段階の終了時に生じる。最大許容腹膜容量は、3つの異なる液体容量の合計となり得る。第1に、それは、サイクルの充填段階中に入力される充填容量を含む。第2に、それは、透析液によって提供される浸透勾配によって、停留段階の経過中に患者の腹膜の中へ引き込まれるUF容量を含む。第3に、最大許容腹膜容量はまた、前の排出段階中の不完全排出による残留排出容量も含むことができる。不完全排出は、空になるまでの排出である排出が前の充填容量の全てを排出しないように患者が流体を溜めるため、自然に生じる。3つの構成要素が複合瞬間腹膜容量にどの程度貢献するかにかかわらず、方法100は、瞬間腹膜容量が最大許容腹膜容量を超過することを可能にしない。次いで、より良好な患者排出は、より多くの未使用溶液およびより多くのUFがそれに応じて生成されることを可能にすると理解されたい。
【0056】
最大許容腹膜容量は、期待UF容量/UF率のように、患者に対して最適化されることができる。ここで、最適化は、概して、患者のサイズ、および患者の腹膜の中に存在し、腹膜内で圧力を生成する液体への耐性に関する快適性レベルに基づく。再度、医師、看護師、臨床医、または患者が、複数の治療のために1回、最大許容腹膜容量を入力することが検討される。したがって、ブロック104は、患者が再評価された後に周期的に、例えば、医師、看護師、臨床医、または患者によって、最大許容腹膜容量を通常の状況下でAPD機械12のメモリから呼び戻し(各治療に対して患者によって再入力されない)、更新することができることを示す。
【0057】
初期最小排出容量または排出率は、一実施形態では、治療が処方通りに進むことを可能にするために排出される必要がある、充填容量および期待UFの最小量である。初期最小排出容量または排出率は、一実施形態では、各後続の充填段階の前に、各排出が患者の中に残留容量を残す場合があるという事実にもかかわらず、患者の瞬間腹膜容量が最大許容腹膜容量を超過することなく、治療が処方サイクル数を通して進行することができるほど十分高く設定される。例えば、初期最小排出率は、期待UFを加えた処方充填容量の85%になるように設定することができる。初期最小排出率が、期待UFを加えた処方充填容量の85%を考慮するので、各停留の終了時の瞬間腹膜容量が各サイクル中に増加するように、残留排出容量は、ステップ構成要素を各サイクルに追加する(
図4から6参照)。しかしながら、初期最小排出率は、最後のサイクルの停留期間の終了時においてさえも、患者が各サイクルにおける最小排出要件をちょうど満たすと仮定すると、瞬間腹膜容量が最大許容腹膜容量を超過せず、したがって、患者の快適性レベルに重い負担をかけないほど十分高く設定される。
【0058】
患者は、一般的には、患者が睡眠から目覚めている際の朝に起こるように設定することができる最終サイクルの排出段階に対して目覚める。したがって、患者は、動き回り、治療の経過中に蓄積した容量を含む、腹膜容量の全てまたは事実上全てを排出することができる。システム10および方法100は、患者の留置カテーテルが停留のための最適位置に位置しないように、患者が睡眠中に位置を変える場合があることを考慮する。初期最小排出容量または排出率は、概して、実験的に決定され、85%が良好な開始点であると考えられる。再度、医師、看護師、臨床医、または患者が、複数の治療に対して1度、初期最小排出容量または排出率を入力することが考慮される。したがって、ブロック104は、患者がAPD機械12を用いた治療体験を得た後に周期的に、例えば、医師、看護師、臨床医、または患者によって、最大許容腹膜容量を通常の状況下でAPD機械12のメモリから呼び戻し(各治療に対して患者によって再入力されない)、更新することができることを示す。
【0059】
代替実施形態では、
図4から6に示されるように、初期最小排出容量/率は、最小排出容量率が調整される必要があるときはいつでも、治療の全体を通して使用される式を使用して計算される。
【0060】
ブロック104はまた、一実施形態では、閾値最小排出容量または率を随意的に設定できることも示す。システム10および方法100はまた、患者が睡眠中に位置を変えることにより、(カセット50から患者までの)患者充填/排出ライン38dが部分的または完全に閉塞される場合があることも認識している。または、(カセット50から排出までの)排出管38bが、部分的または完全に閉塞され得る。両方の状況が、排出段階の有効性を大幅に制限し得、機械12は、そのような状況において、閉塞を取り除くように患者を目覚めさせるべきである。閾値最小排出容量は、複合充填および期待UF容量の50%以下になるように設定されてもよい。
【0061】
ブロック104において、工場において閾値最小排出容量または率を設定し、ほとんど、または決してそれを更新しないことが意図される。代替実施形態では、閾値最小排出容量または率の設定が、追加のライン閉塞(または他の重大エラー状況)チェックとして行われるか、または完全に排除されるように、より瞬間的に、例えば、圧力の急上昇を感知することによって、ライン閉塞が決定される。
【0062】
システム10および方法100は、いずれの特定の種類の治療設定にも限定されない。全複合充填容量、またはサイクルの各々にわたって患者に送達される未使用透析液の全容量は、概して、処方によって、例えば、12または18リットルに設定される。患者を充填および排出するために必要とされる持続時間、つまり、充填および排出段階の持続時間は、機械12のポンプ能力、およびそれぞれが一般的には把握され、設定される、充填および排出されるために必要な量の関数である。3つの相互に関係する変数、すなわち、サイクルの総数、1サイクル当たりの停留段階の持続時間、および全治療時間または持続時間が依然として残る。全治療時間または持続時間は、前の治療の最後の充填を患者から最初に排出するために必要とされる時間、またはサイクルが完了した後に最後の充填を行うために必要とされる時間を含んでも含まなくてもよい。それにもかかわらず、(i)サイクルの総数、(ii)1サイクル当たりの停留段階の持続時間、および(iii)全治療時間または持続時間のうちのいずれか2つの設定は、概して、第3の変数を設定する。図示した実施形態では、ブロック104において、看護師、医師、臨床医、または患者が、全治療時間および初期サイクル数を設定する。次いで、全治療時間および初期サイクル数を把握し、1サイクル当たりの停留持続時間が計算される。システム10および方法100は、代替として、(i)全治療時間が従属変数であることを意味する、停留持続時間およびサイクル数、または(ii)初期サイクル数が従属変数であるように、停留持続時間および全治療時間を設定するように動作することができる。
【0063】
患者は、ブロック104で、一般的には、必要であれば当日の治療が弱められることを可能にする、サイクル数、停留段階の持続時間、および全治療時間について上記で論議される3分の2の組み合わせのうちの1つを入力する。しかしながら、システム10および方法100は、たとえ3分の2の組み合わせが、例えば、遠隔コンピュータから、臨床医または医師からロードされた処方を介して、APD機械12によって読み込まれるメモリデバイス上に事前設定されたとしても適用可能である。
【0064】
ブロック106に見られるように、方法100は、患者が空である、またはそれに近い状態で治療が開始するように、任意の必要なサイクル前排出を行う。初期排出は、一般的には、前日の交換後の最後の使用済み充填、または使用済み日中交換からのものである。初期排出は、一般的には、患者が動き回って可能な限り完全に排出することができるように、患者がまだ目覚めている間に行われる。
【0065】
ブロック108では、方法100は、充填段階、停留段階、および排出段階を含む、治療サイクルを行う。図示した実施形態では、各停留段階が、サイクル数で割られる充填および排出時間を差し引いて、全治療時間に等しい持続時間を有するように、初期サイクル数および全治療時間がブロック104で設定される。
【0066】
菱形110では、方法100は、別のサイクルが存在するかどうかを決定する。一実施形態では、最終排出段階の結果にかかわらず、通常の治療が終了させられる。治療は、方法100を介して、最終サイクルまで満足に完了している、または是正されている。また、患者は、最終排出の時間までに、処方未使用透析液の全てを受容する。なおもさらに、患者は、最終排出のために、終了時に目覚めることができ、残留流出容量を自身から取り除くように操作することができる。(日中に患者によって持ち運ばれる)最後の充填が、患者が目覚めさせられる前に起こる場合、システム10および方法100は、最後の充填からの期待UFを考慮して、患者が過剰充填されることを可能にしないよう、最後の充填容量を付加することが検討される。別のサイクルが存在する場合、菱形112で決定されるように、方法100は、菱形112の最小排出比較へ移動する。
【0067】
菱形112では、方法100は、前の排出が現在の最小排出容量または率を満たしたかどうかを決定する。第1のサイクルについて、方法100は、初期最小排出容量(例えば、充填容量および期待UFの合計を乗じた85%)を、第1のサイクルの終了時に排出される実際の容量と比較する。排出される実際の容量が初期最小排出容量を満たさない場合、方法100は、菱形114で、排出される実際の容量が、例えば、充填容量および期待UFの合計を乗じた50%未満に設定される、閾値最小排出容量を少なくとも満たすかどうかを決定する。上記で論議されるように、閾値最小排出容量、および/または、例えば、圧力の急上昇を検出する、異なる方法を使用して、ライン閉塞が決定されてもよい。したがって、菱形114における閾値最小排出容量の決定は、所望であれば排除され、または付加的なチェックとして保持されてもよい。
【0068】
少なくとも閾値最小排出容量が満たされる場合、方法100は、ブロック116で、サイクルを、ブロック104で入力された初期サイクル数に追加する。方法100はまた、以前のn残りのサイクル中に患者に送達する未使用透析液の全残りの容量を、(n+1)サイクルで割ることによって、1サイクル当たりの新しい充填容量を決定する。例えば、第1のサイクル後に、最小排出が菱形112で満たされず、4回の充填段階が最初に、1回の充填当たり2,500ミリリットルにとどまる(5×2,500=12,500mlの全処方充填容量につながる)場合、追加サイクルは、残っている充填段階の新しい総数を5にし(全サイクルが6である)、1回の充填段階当たりの容量を1回の充填当たり10,000/5または2,000ミリリットルに低減する。さらに、1サイクル当たりの充填容量が低減されるため、充填容量の関数である、1サイクル当たりの期待UFもまた、方法100のブロック116で低減される。例えば、期待UFが充填容量の8パーセントである場合に、期待UFは、上記の実施例では、200ミリリットルから160ミリリットルへ低下する。
【0069】
方法100はまた、ステップ116で、以下の式に従って新しい最小排出容量または率も計算し、
【数1】
例えば、最大瞬間腹膜容量が3000ミリリットルに設定された場合、現在残っている5サイクルに対する新しい最小排出率は、(2000+2000×0.08)/3000×100%または72%である。実施形態において、1サイクル当たりの新しい充填容量および1サイクル当たりの新しいUFに適用される72%は、72%×2160ミリリットルまたは1,555ミリリットルをもたらす。上記の式はまた、1サイクル当たりの初期充填容量および1サイクル当たりの初期期待UFを使用して、初期最小排出容量/率を設定するためにも使用することができる。
【0070】
次いで、方法100は、菱形112の最小排出率比較に戻り、ここでは、前の実際の排出容量が更新された最小排出率または最小排出容量を満たしているかどうかを確認するために、前の実際の排出容量に遡及的に適用される、新しい最小排出率および新しい最小排出容量を使用する。もしそうでなければ、例えば、最初の前の実際の排出容量が、わずか1,500ミリリットルであり、1,555ミリリットルを満たさなかったが、依然として閾値最小排出容量(仮定的に50%に設定され、実施例では、(2,500+(2500×0.08))×0.5=1,350ミリリットルをもたらす)を上回っていた場合に、方法100は、ブロック116に戻り、その機能を再び果たして、第2の付加的なサイクルを追加し、1サイクル当たりの充填容量および1サイクル当たりの期待UFをさらに低減し、さらに低い新しい最小排出率/容量につながる。菱形112、菱形114、およびブロック116の間のループは、実際の排出容量が調整された最小排出率/容量を満たすまで継続する。
【0071】
ブロック116でさらに図示されるように、全治療時間がパラメータとして一定を保つように設定される場合、例えば、治療に関して夜間に何が起こったかにかかわらず、患者が午前7時に機械によって起床することを望む場合に、停留段階の持続時間は、サイクルが追加される度に短縮される。サイクルを追加することが、停留のための利用可能な時間に割り込む、追加サイクルに対する付加的な充填段階および停留段階の持続時間を引き起こすため、停留段階の持続時間を短縮するための式は、いくらか複雑である。例えば、初期処方治療が、390分の利用可能な全停留を有する場合に、各停留段階が同じ持続時間を有するためにAPD機械12が設定されていると仮定して、5回の処方停留の各々は78分続く。サイクルがブロック116で追加された場合、新しい停留期間は単純に、ここでは6分で割られる390分または65分にはならず、代わりに、付加的な充填段階および排出段階の持続時間が、最初に390分から差し引かれ、次いで、第1の停留にわたって費やされる78分を差し引いて、停留の新しい残りの数で割られる。例えば、付加的な充填段階および排出段階がそれぞれ、11分を費やす場合、全残留停留時間(390−78=312分)は、290分まで22分短縮され、次いで、残りの停留段階のための5で割られ、各残りの停留のための58分をもたらす。停留持続時間の上記の再計算は、全治療時間を一定に保つ。再度、システム10および方法100は、全治療時間が一定に保たれることを要求しない。代わりに、付加的な100分((充填のための11)+(停留のための78)+(充填のための11))、または所望であれば何らかのより少ない量を全治療時間に追加することができる。
【0072】
上記の実施例で、前の実際の排出容量が2,000ミリリットルであると仮定すると、ブロック116から菱形112における最小排出率/容量比較に戻った時に、1,555ミリリットルの新しい最小排出率/容量が満たされる。この場合、および閾値最小排出容量が菱形114で満たされず、ブロック118で図示されるように、機械12が患者を目覚めさせ、ライン閉塞または他の治療障害を取り除くようにアラームを発報する場合において、方法100は、続けてブロック108で次の治療サイクルを行う。最後のサイクルまで、最小排出容量/率を満たさない任意の先行排出段階が、必要であれば複数の排出段階後に起こることができる、上記で説明される方式で是正される。
【0073】
いずれの付加的なサイクルも菱形110で残らない時に、システム10の方法100は、楕円形120で図示されるように終了する。
【0074】
ここで
図4を参照すると、方法150は、再度、最初に各サイクルの終了時に患者から完全に排出させようとする、代替的なCCPDの実施形態を図示する。基本的な違いは、以前の方法100では、菱形112における最小排出容量/率が満たされない場合、(閾値最小排出容量/率が菱形114で満たされると仮定して)機械12が自動的にブロック116で是正措置を行うことである。他方で、方法150では、最小排出容量/率が菱形112で満たされない場合、代わりに、患者にはブロック116で提供される是正措置を行うオプションが提供される。
【0075】
方法150は、
図3の方法100に関して上記で説明される、楕円形102、ブロック104、ブロック106、およびブロック108に対するステップおよび代替的実装の各々から始まる。ブロック108は、
図4では、ブロック108aおよび108bに分割されるものとして図示され、
図3の方法100のブロック108に対する上記で論議される全ての代替案を含む、ブロック108aの機能が、ブロック108bで再び繰り返されることを示す。方法150では、菱形110における最後のサイクルの決定が、ブロック108aの直後に提供されない。代わりに、菱形112aで、方法150は、第1の場合(方法100の菱形112に対する上記で論議される全ての代替案を含む)において、患者の実際の排出が初期最小排出容量/率を満たしたかどうかを決定する。もしそうであれば、次いで、方法150は、第1の場合において、菱形110aで最後の定期的治療サイクルが起こったかどうかを決定する。もしそうであれば、方法150は、楕円形120に見られるように終了する。菱形110aで別のサイクルが存在する場合に、方法150は、別の充填、停留、および排出サイクルを行うように、システム10をブロック108aに戻す。
【0076】
最小排出率が菱形112aで満たされない場合に、ブロック124で、患者は、目覚めさせられ、不完全な排出を完了しようとするように、例えば、留置カテーテルを移動させ、および/または患者の腹膜腔内に存在する流体の1つ以上の溜まった容量を解放しようとして、姿勢正しく座る、および/または患者の腹部を動かすように指図される。したがって、方法150は、
図3の方法100で行われるように、充填容量、期待UF、および最小排出容量/率をそれに応じて自動的に調整することとは対照的に、最小排出容量/率の不良を修正しようとするオプションを患者に提供する。
【0077】
菱形110bでは、方法150は、第2の場合において、前のサイクルが最後のサイクルであったかどうかを決定する。もしそうであれば、方法150は、再度、楕円形120に見られるように終了する。菱形110bで別のサイクルが存在する場合に、方法150は、菱形126で、最小排出容量/率が上記で論議される方式で調整されるモードにシステム10がなることを、患者が希望するかどうかを決定する。APD機械12は、ビデオモニタ20、スピーカ24を介して、および/または別様にそのユーザインターフェースを介して、患者にそのような提言を行うことができる。患者は、APD機械12のユーザインターフェースおよびCPUと通信している1つ以上の入力デバイス22(例えば、タッチスクリーン)を介して、最小排出容量/率調整モードになる、またはならない選択を行う。
【0078】
患者が菱形126で決定されるような最小排出容量/率調整モードになることを希望しない場合に、方法150は、別の充填、停留、および排出サイクルを行うようにブロック108aに戻る。方法150は、それが患者の所望であれば、菱形112aで低排出状態が起こる度に、ブロック124で患者が目覚めさせられることを可能にする。患者が極めて低頻度で低排出を体験する場合、低排出の原因が通常、一般的には患者が是正できる状態によるものであれば、患者は、各サイクルについて、次のサイクルに進む前に、排出を完了しようとすることが許可されることを選択できる。
【0079】
他方で、患者が、菱形126で、ブロック124で体験した低排出問題を効果的に取り除いていないと感じる場合、引き続き排出問題がある場合、いずれの場合も可能な限り眠ることが許可されたい場合、または任意の他の理由あるいは理由の組み合わせにより、患者は、菱形126で最小排出調整モードになることを選択できる。患者は、図示した実施形態では、最後のサイクルの前の任意の排出後に、そのようなモードになることを選択できる。最小排出調整モードになると、方法150は、
図3の方法100に対するブロック108、菱形110、菱形112、菱形114、ブロック116、およびブロック118において(全ての開示された代替案を含む)上記で説明されるのと同様に、ブロック108b、菱形110c、菱形112b、菱形114、菱形116、およびブロック118に従って、腹膜透析療法の残りを行う。
【0080】
図5から7に図示される、さらなる代替実施形態では、実際の排出が最小排出率/容量を満たさない時に、1サイクル当たりの充填容量は、方法100および150と同様に、どれだけ多くの全未使用流体が患者に送達されるために残っているかに基づく値まで低減されないが、代わりに、新しいサイクル数にわたる新しい平均量に基づく値まで低減される。
図5は、最初に処方された治療を図示し、1サイクル当たりの初期充填段階容量は、3000ミリリットルであり、全体で12,000ミリリットルの未使用をもたらす、4サイクルがあり、最大許容瞬間腹膜容量は、4000ミリリットルであり、期待UFは、8%または1サイクル当たり240ミリリットルであり、初期最小排出容量率は、ここでは以下の式を使用して計算され、
【数2】
(3000+240)/4000×100%=81%となる。
【0081】
代替として、最小排出閾値が計算され、最小排出率の代わりに使用される。
【数3】
は、4000−(3000+240)=760ミリリットルとなるように計算される。この代替的な最小排出容量は、次の充填に進む前に患者の腹膜腔の中に残り得る最大残留容量を確立する。
【0082】
最小排出率は、最小排出閾値とは異なる。最小排出率は、停留の終了時の推定患者容量で乗じられ、次の充填が起こることができる前に、排出される必要がある流体の最小量に等しい最小排出容量である、容量をもたらす。最小排出閾値について、停留の終了時の推定患者容量は、最小排出閾値より小さい容量まで低減される。したがって、例えば、特定の停留の終了時の推定患者容量が3,999ミリリットルに等しく、最小排出閾値が760ミリリットルである場合に、循環装置は、3999−760=3,239ミリリットルよりも多くを排出するべきである。次いで、排出の終了時に、期待患者容量は、わずか760mLとなるべきであり、
図5のサイクル3の終了時の状況である。2つの式は、サイクル3の停留の終了時に、本質的に同じ結果をもたらし、推定患者容量=3,999ミリリットルである。第1の式の最小排出容量=3,999ミリリットル
*81%=3,239ミリリットルであり、760ミリリットル流出が患者の中に残ることを可能にする。
【0083】
2つの式の違いは、第1の最小排出率式については、許容残留容量が、第1のサイクルではより少なく、漸近的に増大することである。第2の最小排出閾値式は、残留容量をもたらし、その容量は、全サイクルに対して同じである。これを言い換えると、最小排出閾値式の残留容量は、第1の最小排出率式が近づく漸近線である。よって、最後のサイクルの時間までに、2つの式は、本質的に同じ結果を提供する。第1のサイクルで、第1の最小排出率式は、より多くの容量が排出されることを要求する。しかしながら、いずれか一方の式では、最大患者容量は超過されることを許可されない。
【0084】
図5は、81%最小排出容量治療に対する最悪の場合の腹膜容量のシナリオを示す。つまり、各実際の排出が、81%最小排出容量をちょうど満たす。図示されるように、それでもなお、最大瞬間腹膜容量は、4000mlというプログラムされた制限を決して超過しない。
【0085】
最後以外の排出の終了時の残留容量が不十分である、つまり、81%最小排出を満たさない場合、治療は、4サイクルの代わりに5サイクル中に12,000ミリリットルの同じ全流体容量を使用するように修正される。
図5の実施形態における1サイクル当たりの充填容量は、平均で2400mlまで減少させられる。1サイクル当たりのUFは、240mlから192mlに低下する。
【0086】
方法100では、最初の2サイクルが、6000ミリリットルを消費し、元の最後の2サイクルのために6000ミリリットルを残して、処方通りに行われると仮定されたい。第3のサイクルが不十分な排出をもたらすため、第5のサイクルが追加される。
図3での方法100は、残りの6000ミリリットルを残りの3サイクルで割り、1サイクル当たり2000ミリリットルをもたらすことを教示する。
図5の実施例は、代わりに、2400mlの平均値を使用する。
図5の実施例では、次いで、単一のサイクルを追加した後に治療が継続すると仮定した、最終充填容量は、未使用溶液の残りの量である、わずか1,200ミリリットルになるように縮小される。
【0087】
図5の代替的な方法では、第1のサイクルが
図6に図示されるように追加された時に、1サイクル当たりの新しい平均充填容量および1サイクル当たりの新しい平均UFを使用して、新しい最小排出率が、以下の式を使用して計算される。
【数4】
は、(2400+192)/4000×100%=64.8%となるように計算される。
【0088】
図6は、64.8%最小排出容量治療に対する最悪の場合の腹膜容量のシナリオを示す。つまり、各実際の排出が、64.8%最小排出容量をちょうど満たす。図示されるように、それでもなお、最大腹膜容量は、4000mlというプログラムされた制限を決して超過しない。
【0089】
図5から7の代替実施形態を使用してサイクルを追加した後でさえ、排出の終了時の残留容量が依然として不十分である場合、治療は、5サイクルの代わりに6サイクル中に12000ミリリットルの同じ全未使用流体容量を使用するように修正される。平均充填容量は、1サイクル当たり2000ミリリットルまで減少する。1サイクル当たりの平均UFは、192mlから160mlに低下する。
【0090】
新しい最小排出率は、再度、以下の式を使用して計算される。
【数5】
は、(2000+160)/4000×100%=54%となるように計算される。
【0091】
図7は、本発明の方法を使用する、54%最小排出容量治療に対する最悪の場合の腹膜容量のシナリオを示す。つまり、各実際の排出が、54%最小排出容量をちょうど満たす。それでもなお、最大腹膜容量は、4000mlというプログラムされた制限を決して超過しない。
【0092】
図5から7では、排出の終了時の最大残留腹膜容量は、(i)3000ミリリットルの公称充填容量を伴う81%最小排出に対する760ミリリットルから、(ii)2400ミリリットルの公称充填を伴う64.8%最小排出容量に対する1,408ミリリットルまで、(iii)2000ミリリットルの公称充填容量を伴う54%最小排出に対する1840ミリリットルまで増加する。3つ全ての場合における最大許容瞬間腹膜容量は、同じであり、つまり、4000ミリリットルである。
図5から7の方法は、方法100と同様に自動的に実装することができ、または方法150と同様に患者選好によって実装することができる。
【0093】
図5から7の実施形態では、最大許容瞬間腹膜容量、1サイクル当たりの公称または平均充填容量、サイクル当たりのUF、および最小排出容量/率の間の関係は、
図5から7の代替実施形態に対する停留の終了時の腹膜容量が決して最大腹膜容量を超過しないという証明を提供する、以下の式によって特徴付けることができる。
【0094】
最小排出容量は、充填容量、サイクルUF、および各排出の終了時の患者の腹膜の中に残っている残留容量の関数である。最小排出率は、
図5から7の代替実施形態に対して、(充填容量+サイクルUF)/最大腹膜容量である。各サイクルに対する最小排出容量=最小排出率
*(充填容量+サイクルUF+前の排出残留容量)である。
【0097】
図5から7の代替実施形態に対する上記の証明に見られるように、最小排出%=(充填容量+サイクルUF)/最大腹膜容量であるため、式4で最小排出%を代入すると、停留nの終了時の患者容量=最大腹膜容量という結果になる。
【0098】
最小排出容量を制御するためのさらなる代替的方法は、次の充填に進む前に患者の腹膜腔の中に残り得る最大残留容量を確立することである。この容量は、最大残留容量=最大腹膜容量(「MPV」)−(充填容量+サイクルUF)によって求められる。このさらなる代替的方法では、各排出段階の終了時の推定腹膜容量は、最大残留容量と比較され、推定腹膜容量が最大残留容量より少ない場合、次の充填は、MPVを超過することなく進むことができる。このさらなる代替的方法に対する各排出段階の終了時の推定腹膜容量=(Σ充填容量(1からN)+ΣサイクルUF(1からNまで))−Σ排出容量(1からN)である。
【0099】
(2.タイダル療法)
ここで、
図8から10を参照すると、タイダル療法の実施形態が図示されている。1つの実装では、患者がタイダル療法を実行することを、患者、臨床医、または医師が選択する場合に、システム10の機械12は、例えば、ビデオモニタ20および/またはスピーカ24を介した音声ガイダンスを介して、患者が「プラス1」タイダル療法または「プラス2」タイダル療法を実行することを希望するかどうかを問い合わせる。
図8は、
図9の「プラス1」タイダル療法および
図10の「プラス2」タイダル療法を計算するために使用される基準CCPD療法を図示する。
【0100】
本開示のタイダル療法は、概して、より行いやすい、CCPD療法として入力することができる。実際、ビデオモニタ20上のタイダル療法画面と対比して、CCPDにおいて選択された場合にCCPD療法として代替的に行うことができる、記憶されたCCPD療法から始めることが意図される。しかし、タイダル療法として実行される代わりに、好適なCCPD療法が実行されることが選択された場合、システム10の機械12は、「プラス1」または「プラス2」のいずれか一方を選択するように、患者、臨床医、または介護者を促し、1つの付加的なサイクルが選択されたCCPD療法に追加されること、または2つの付加的なサイクルが選択されたCCPD療法に追加されることを示す。一実施形態では、「プラス1」または「プラス2」タイダル療法が選択されるかどうかにかかわらず、(i)全治療時間は、選択されたCCPD療法の時間と一定に保たれ、(ii)CCPD療法のために処方される未使用透析液の同じ全容量が、充填段階の経過中に患者に送達され、(iii)患者は、各充填後に、選択されたCCPD療法で行われるのと同じ容量まで充填され、(iv)全治療持続時間は、選択されたCCPD療法の持続時間と一定に保たれる。
【0101】
図8は、患者、臨床医、または医師が、タイダル療法に修正するために選択し、システム10の機械12の表示デバイス20上に表示される、CCPD療法を図示する。患者が、タイダル療法の代わりに
図8のCCPD療法を実行する場合、前日の最後の充填または日中の充填は、完全に排出するのに約30分を要する。次いで、それぞれの場合において、患者が2,500ミリリットルまで充填され、したがって、治療全体にわたって10,000ミリリットルを使用する4サイクルがある。充填、停留、および完全排出段階を含む各サイクルは、約2時間15分(135分)続き、約9時間(540分)の全治療時間につながる。期待UF(例えば、充填容量の8%)が各停留サイクル中に除去されると、患者の最大瞬間腹腔内容量は、各停留段階の終了時に約2,700ミリリットルである。第4のサイクルに対する排出段階の終了時に、患者には、2,000ミリリットルの1日の最終充填が与えられる(または日中の交換が行われるまで)。
【0102】
一実施形態では、患者、臨床医、または医師は、1つまたは2つのどちらかの付加的なサイクルを選択されたCCPD療法に追加することを選択できる。
図9は、単一のサイクルが追加された時の実施例を図示する。図示されるように、システム10は、
図8のCCPDサイクルを
図9のタイダル療法に変換し、第1、第2、第3、および第4の排出の各々を短縮して、第2、第3、第4、および第5のサイクルの各々に対して25パーセント残留容量を残す。第5の排出段階は、患者から完全に排出させる。機械12は、一実施形態では、患者が動き回る、姿勢正しく座る、または患者から完全に排出させることに役立つ操作を何でも行うことができるように、第5または最終排出段階の間に、あるいは第5または最終排出段階の終了時に患者を目覚めさせる。
【0103】
患者の一般的な排出段階曲線は、
図8から10に図示される排出段階の直線の下向きに延在する線と同様に、容量の線形変化を示す。排出の転移点において、容量プロファイルは、非線形になり、目に見えて減速し、漸近的に完全排出に近づく、下向きに傾斜する放物曲線を形成する。この現象は、その内容全体が参照することによって、本明細書に組み込まれ、依拠される、2009年2月20日出願の「Simulation of Patent Drain Phase in Peritoneal Dialysis」と題された同時係属の米国特許出願第12/389,886号で詳細に示され、説明されている。
【0104】
図9のタイダル療法については、患者が充填容量(未使用透析液、または前の残留排出を加えた残留容量を含む)の75パーセントを排出することを意味する、患者の腹膜の中に残ることが許可される流体の処方された25パーセント残留容量は、患者が効率的な線形排出からそれよりも効果的ではない放物線排出に移行する前に、排出を停止させることが望まれる。したがって、
図9の排出は、25パーセント残留容量までずっと効率的に行われることが試行される。
【0105】
患者が、十分に一貫した基準で、25パーセント残留排出容量を満たすことができないと気付く、例えば、患者が、充填容量の75パーセントを排出する前に、あまり効率的ではない非線形排出に移行する場合、患者、臨床医、または医師は代わりに、
図10に示される2つの付加的なサイクルを加えた、選択されたCCPD療法を選択することができる。「プラス2」サイクル療法は、患者の残留排出容量を、充填容量(未使用透析液、または前の残留排出を加えた残留容量を含む)の40パーセントとなるように設定することができる。「プラス1」または「プラス2」タイダル療法のいずれか一方において、システム10は、タイダル療法の全ての詳細を入力するように患者、臨床医、または医師に要求することとは対照的に、タイダル療法が選択されたCCPD療法からメモリに自動的に設定されることを有利なことに可能にする。
【0106】
図9において、再度、約30分を要する前日の最後の充填または日中の交換の初期排出後において、第1の充填は、選択されたCCPD療法によって設定される2,500ミリリットルまでの完全充填である。1つの付加的なサイクルが
図9の治療に追加され、合計で5になるので、各サイクルは、持続時間が108分に短縮され、選択されたCCPD療法と同じ9時間(540分)の全治療時間をもたらす。
【0107】
第1、第2、第3、および第4のサイクルの各々に対する排出段階は、患者の腹膜腔の中に625ミリリットル(2,500ミリリットルの初期充填および各後続充填の終了時の全容量の25%)を残すように短縮される。次いで、第2、第3、第4、および第5の充填の各々は、1,875ミリリットルに短縮され、
図8の選択されたCCPD療法の充填の各々と一致している2,500ミリリットルの同じ初期腹空内充填容量をもたらす。選択されたCCPD療法において患者に送達される未使用流体の総量と同じでもある10,000ミリリットル(2,500+4×1,875)の全治療容量が、5サイクル中に患者に送達される。
【0108】
図10において、再度、約30分を要する前日の最後の充填または日中の交換の初期排出後に、第1の充填は、選択されたCCPD療法によって設定される2,500ミリリットルまでの完全充填である。ここでは2つの付加的なサイクルが
図10の治療に追加され、合計で6になるので、各サイクルは、持続時間が90分に短縮され、選択されたCCPD療法と同じ9時間(540分)の全治療時間をもたらす。
【0109】
第1、第2、第3、第4、および第5のサイクルの各々の間の排出段階は、患者の腹膜腔の中に1000ミリリットル(2,500ミリリットルの初期充填および各後続充填の終了時の全容量の40%)を残すように短縮される。次いで、第2、第3、第4、第5、および第6の充填の各々は、1,500ミリリットルに短縮され、
図8の選択されたCCPD療法の充填の各々と一致している2,500ミリリットルの同じ初期腹空内充填容量をもたらす。
図8の選択されたCCPD療法において患者に送達される未使用流体の総量と同じでもある10,000ミリリットル(2,500+5×1,500)の全治療容量が、6サイクル中に患者に送達される。
【0110】
本開示のタイダル療法の方法は、本明細書において論議される「プラス1」または「プラス2」の方法に限定されない。代わりに、3以上のサイクルを追加することができる。
【0111】
一般的なCCPD方法では、大量の未使用溶液が結果として生じないことを確実にするために、注意を払うべきである。全ての流体を消費する初期夜間サイクル数を計算するために、85%規則を使用することが意図される。ここで、CCPDサイクルの数=全夜間治療容量/1サイクル当たりの夜間充填容量である。結果が均等に分割されない場合、余りが調べられ、余りが≧0.85である場合、治療は、次のサイクル数に切り上げられ、余りが<0.85である場合、サイクル数は切り捨てられる。
【0112】
実施例では、全夜間治療容量=10,000ミリリットルであり、1サイクル当たりの所望の充填容量が2,500ミリリットルである場合に、10,000/2500=余りがない4サイクルであり、したがって、いずれの溶液も無駄にされなかった。代わりに、1サイクル当たりの所望の充填容量が、2500よりもむしろ2600ミリリットルである場合、同じアルゴリズムは、10,000/2600=3.846をもたらし、0.846<0.85であるので、結果は3サイクルに切り捨てられる。次いで、実際に使用される全夜間治療容量は、2600ミリリットル×3サイクル=7,800ミリリットルであり、所望の10,000ミリリットルのうちの2,200ミリリットルが使用されない。
【0113】
しかし、2600ミリリットル療法は、全ての溶液が使用されるという結果を伴って、
図8から10のようなタイダル療法に変換することができる。プラス1療法については、例えば、合計4サイクルである。10,000ミリリットル−2,600ミリリットル(初期完全充填)=7400ミリリットル/残りの3サイクル=残りの3サイクル中の2467ミリリットルは、98%のタイダル率およびわずか33ミリリットルの患者残留容量をもたらし、高いタイダル率により、最適な治療にならない。
図8から10によるプラス2タイダル療法は、より最適となり、7400ミリリットル/残りの4サイクル=1850ミリリットル、71%のタイダル率、および750ミリリットルの対応する患者残留容量をもたらし、全ての溶液容量が使用される。
【0114】
したがって、
図8から10の方法は、例えば、所望の充填容量を考慮して、最適化治療を決定するように、いくつかの最適治療からの選択を可能にする。
図8から10のタイダル療法システムおよび方法はまた、全夜間治療容量を変化させることなく、かつ溶液を無駄にすることなく、例えば、1サイクルにつき2000ミリリットルから、2100ミリリットルまで、2200ミリリットルまで、臨床医が充填容量を徐々に増加させることも可能にする。
【0115】
(本開示の側面)
本明細書で説明される主題の側面は、単独で、または本明細書で説明される1つ以上の他の側面と組み合わせて有用であってもよい。前述の説明を限定することなく、本開示の第1の側面によれば、腹膜透析療法を行うためのシステムは、少なくとも1つの透析液ポンプと、複数の腹膜透析サイクルを行うように少なくとも1つの透析液ポンプとともに動作可能である制御ユニットとを含み、サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、制御ユニットは、(i)最大腹膜容量が複数の患者サイクルの停留段階のうちのいずれかの後に超過されることを回避することと、(ii)処方通りの充填段階の透析液容量の総計が患者に送達されることを確実にすることと、(iii)排出段階のうちの1つの後に患者に残された残留容量が、次のサイクル中に(i)を違反させると決定された場合に、(ii)が満たされるように、次のサイクルの充填段階の透析液容量の量を低減し、追加のサイクルを腹膜透析療法に追加することとを行うように構成される。
【0116】
第1の側面と組み合わせて使用され得る本開示の第2の側面によれば、第1のサイクルに対して、(i)を満たすことは、1サイクル当たりの期待限外濾過容量を加えた処方充填容量が、最大腹膜容量より少ないことを確実にすることを含む。
【0117】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第3の側面によれば、(i)を満たすことは、前の排出段階からの流体の残りの残留容量を加えた、1サイクル当たりの期待限外濾過容量を加えた充填容量が、最大腹膜容量より少ないことを確実にすることを含む。
【0118】
第3の側面と組み合わせて使用され得る本開示の第4の側面によれば、期待限外濾過容量は、処方通りの充填段階の流体容量のある割合である。
【0119】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第5の側面によれば、(iii)における制御ユニットは、残りの充填段階の各々に対する透析液容量の量を低減するように構成される。
【0120】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第6の側面によれば、(iii)における制御ユニットは、同じ量だけ、残りの充填段階の各々の透析液容量の量を低減するように構成される。
【0121】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第7の側面によれば、(iii)における制御ユニットは、透析液容量の総計が追加サイクルを含む残りのサイクル数で割られたときの残りの部分に等しい量まで、残りの充填段階の各々に対する透析液容量の量を低減するように構成される。
【0122】
第7の側面と組み合わせて使用され得る本開示の第8の側面によれば、制御ユニットは、最大腹膜容量で割られる結果につながる、1サイクル当たりの期待限外濾過容量を加えた、低減された充填量に、最小排出率を変化させるようにさらに構成される。
【0123】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第9の側面によれば、制御ユニットは、必要であれば(iii)を複数回行うように構成される。
【0124】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第10の側面によれば、(iii)における制御ユニットは、(a)第1の追加サイクルを含む残りのサイクル数で割られる、透析液容量の総計の第1の残りの部分に等しい量まで、残りの充填段階の各々の透析液容量の量を低減し、必要であれば、(b)第2の追加サイクルを含む残りのサイクル数で割られる、透析液容量の総計の第2の残りの部分に等しい量まで、残りの充填段階の各々の透析液容量の量を低減するように構成される。
【0125】
第10の側面と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第11の側面によれば、制御ユニットはさらに、(c)1回目に、(a)における最小排出率を、最大腹膜容量で割られる第1の結果につながる、期待限外濾過容量を加えた第1の量に変化させ、(d)2回目に、(b)における最小排出率を、最大腹膜容量で割られる第2の結果につながる、期待限外濾過容量を加えた第2の量に変化させるように構成される。
【0126】
第11の側面と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第12の側面によれば、(c)における期待限外濾過容量は、第2の量とは異なる第1の量により、(d)における期待限外濾過容量とは異なる。
【0127】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第13の側面によれば、制御ユニットはさらに、次のサイクルでの停留段階の持続時間を短縮するように構成される。
【0128】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第14の側面によれば、制御ユニットはさらに、タイダル透析療法とは対照的な持続性の周期的腹膜透析療法を行うユーザ選択に基づいて(i)、(ii)、および(iii)を行うように構成される。
【0129】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第15の側面によれば、制御ユニットは、最初に処方された腹膜透析療法を修正するユーザ選択に基づいて(iii)を、または自動的に(iii)を行うように構成される。
【0130】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第16の側面によれば、腹膜透析療法を行うためのシステムは、少なくとも1つの透析液ポンプと、複数の腹膜透析サイクルを行うように少なくとも1つの透析液ポンプとともに動作可能である、制御ユニットとを含み、サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、制御ユニットは、(i)処方通りの充填段階の透析液容量の総計が患者に送達されることを確実にし、(ii)排出段階のうちの1つの後に最小排出率を達成できなかった場合、(i)が満たされるように、次のサイクルの充填段階の透析液容量の量を低減し、付加的なサイクルを腹膜透析療法に追加するように構成される。
【0131】
第16の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第17の側面によれば、(ii)における制御ユニットは、残りの充填段階の各々に対する透析液容量の量を低減するように構成される。
【0132】
第17の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第18の側面によれば、(ii)における制御ユニットは、追加サイクルを含む残りのサイクル数で割られる、透析液容量の総計の残りの部分に等しい量まで、残りの充填段階の各々に対する透析液容量の量を低減するように構成される。
【0133】
第16の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第19の側面によれば、制御ユニットはさらに、最大腹膜容量で割られる結果につながる、期待量の期待限外濾過を加えた、低減された充填量に、最小排出率を変化させるように構成される。
【0134】
第16の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第20の側面によれば、制御ユニットはさらに、次のサイクルでの停留段階の持続時間を短縮するように構成される。
【0135】
第16の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第21の側面によれば、制御ユニットはさらに、タイダル透析療法とは対照的な持続性の周期的腹膜透析療法を行うユーザ選択に基づいて(i)および(ii)を行うように構成される。
【0136】
第16の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第22の側面によれば、制御ユニットは、最初に処方された腹膜透析療法を修正するユーザ選択に基づいて(ii)を行うように、または臨床医によって事前構成される設定に基づいて自動的に(ii)を行うように構成される。
【0137】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第23の側面によれば、腹膜透析を行うためのシステムは、少なくとも1つの透析液ポンプと、複数の腹膜透析サイクルを行うように少なくとも1つの透析液ポンプとともに動作可能である、制御ユニットとを含み、サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、制御ユニットは、(i)各サイクルの停留段階の終了時に、最大腹膜容量が超過されないことを確実にし、(ii)全処方透析液容量が、サイクルの充填段階にわたって患者に送達されることを確実にし、(iii)各排出段階を監視して、最小排出容量が満たされることを確実にし、もしそうでなければ、(i)に従うよう後続の充填段階を短縮し、(ii)に従うようサイクルを追加するように構成される。
【0138】
第23の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第24の側面によれば、システムは、合計でサイクルのための全処方時間を含み、制御ユニットはさらに、サイクルが(iii)において追加された場合、少なくとも1つの後続の停留段階の持続時間を減少させるように構成される。
【0139】
第23の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第25の側面によれば、制御ユニットはさらに、タイダル透析療法とは対照的な持続性の周期的腹膜透析療法を行う初期ユーザ選択に基づいて(i)、(ii)、および(iii)を行うように構成される。
【0140】
第23の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第26の側面によれば、制御ユニットは、最初に処方された腹膜透析療法を修正するユーザ選択に基づいて(iii)を行うように構成される。
【0141】
第23の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第27の側面によれば、最小排出容量は、最大腹膜容量−(充填段階容量+1サイクル当たりの期待限外濾過液容量)である。
【0142】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい、本開示の第28の側面によれば、腹膜透析療法を行うためのシステムは、少なくとも1つの透析液ポンプと、複数の腹膜透析サイクルを行うように少なくとも1つの透析液ポンプとともに動作可能である、制御ユニットとを含み、サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、制御ユニットは、(i)nサイクル中に送達される全処方未使用透析液充填容量を有する、以前に入力された持続性の周期的腹膜透析(「CCPD」)療法を記憶するように構成され、サイクルは、全治療持続時間にわたって行われ、(ii)CCPD療法を、n+1サイクルを有し、全処方未使用透析充填容量を使用し、全治療持続時間を維持する、タイダル腹膜透析療法に自動的に変換するように構成される。
【0143】
第28の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第29の側面によれば、制御ユニットは、タイダル療法が第1のタイダル療法である、(ii)を行うオプション、または代わりに、CCPD療法が、n+2サイクルを有し、全処方未使用透析液充填容量を使用し、全治療持続時間を維持する、第2のタイダル療法に自動的に変換される、(iii)を行うオプションを提供するように構成される。
【0144】
第29の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第30の側面によれば、第1のタイダル療法は、処方された第1の残留排出容量を有し、第2のタイダル療法は、処方された第2のより高い残留排出容量を有する。
【0145】
第28の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第31の側面によれば、制御ユニットはさらに、CCPD透析療法とは対照的なタイダル療法腹膜透析を行うユーザの選択に基づいて(i)および(ii)を行うように構成される。
【0146】
第28の側面と組み合わせて、先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用されてもよい、本開示の第32の側面によれば、制御ユニットはさらに、タイダル療法の充填の各々の後に患者の中に存在する容量が、CCPD療法の充填の各々の後に患者の中に存在する容量と少なくとも実質的に等しいように構成される。
【0147】
本開示の第33の側面によれば、
図1に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0148】
本開示の第34の側面によれば、
図2に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0149】
本開示の第35の側面によれば、
図3に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0150】
本開示の第36の側面によれば、
図4に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0151】
本開示の第37の側面によれば、
図5に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0152】
本開示の第38の側面によれば、
図6に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0153】
本開示の第39の側面によれば、
図7に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0154】
本開示の第40の側面によれば、
図8に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0155】
本開示の第41の側面によれば、
図9に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0156】
本開示の第42の側面によれば、
図10に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0157】
本明細書で説明される現在好ましい実施形態に対する種々の変更および修正が、当業者に明白となることを理解されたい。 そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつ意図された利点を低減させることなく、行なうことができる。したがって、そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0158】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
腹膜透析療法を行うためのシステムであって、
該システムは、
少なくとも1つの透析液ポンプと、
制御ユニットと
を備え、
該制御ユニットは、複数の腹膜透析サイクルを行うために該少なくとも1つの透析液ポンプとともに動作可能であり、該腹膜透析サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、該制御ユニットは、
(i)最大腹膜容量が、複数の腹膜透析サイクルの該停留段階のうちの任意のものの後に超過されることを回避すること、
(ii)該充填段階の透析液容量の処方総計が、患者に送達されることを確実にすることと、
(iii)該排出段階のうちの1つの後に該患者に残された残留容量によって(i)が次のサイクル中に違反されると判定される場合に、(ii)が満たされるように、該次のサイクルの該充填段階の透析液容量の量を低減し、追加のサイクルを該腹膜透析療法に追加することと
を行うように構成される、システム。
(項目2)
第1のサイクルに対して、(i)を満たすことは、処方充填容量に1サイクル当たりの期待限外濾過容量を加えたものが、上記最大腹膜容量よりも少ないことを確実にすることを含む、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目3)
(i)を満たすことは、充填容量に1サイクル当たりの期待限外濾過容量を加え、さらに、前の排出段階からの流体残余の残留容量を加えたものが、上記最大腹膜容量よりも少ないことを確実にすることを含む、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目4)
上記期待限外濾過容量は、処方通りの上記充填段階の上記透析液容量のある割合である、項目3に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目5)
(iii)における上記制御ユニットは、残りの上記充填段階の各々に対する上記透析液容量の量を低減するように構成される、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目6)
(iii)における上記制御ユニットは、残りの上記充填段階の各々に対する上記透析液容量の量を同じ量だけ低減するように構成される、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目7)
(iii)における上記制御ユニットは、残りの上記充填段階の各々に対する上記透析液容量の量をある量まで低減するように構成され、該ある量は、上記透析液容量の総計の残りの部分を上記追加のサイクルを含む残りのサイクルの数で割ったものに等しい、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目8)
上記制御ユニットは、上記最小排出率を、低減された充填量に1サイクル当たりの期待限外濾過容量を加えた容量を上記最大腹膜容量で割ったものに変化させるようにさらに構成される、項目7に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目9)
上記制御ユニットは、必要であれば、(iii)を複数回行うように構成される、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目10)
(iii)における上記制御ユニットは、(a)残りの上記充填段階の各々の上記透析液容量の量を第1の量まで低減することであって、該第1の量は、上記透析液容量の総計の第1の残りの部分を上記追加のサイクルを含む残りのサイクルの数で割ったものに等しい、ことと、必要であれば、(b)該残りの充填段階の各々の該透析液容量の量を第2の量まで低減することであって、該第2の量は、該透析液容量の総計の第2の残りの部分を第2の追加されたサイクルを含む残りのサイクルの数で割ったものに等しい、こととを行うように構成される、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目11)
上記制御ユニットは、(c)上記最小排出率を第1回目に(a)において上記第1の量に期待限外濾過容量を加えた第1の容量を上記最大腹膜容量で割ったものに変化させることと、(d)該最小排出率を2回目に(b)において上記第2の量に期待限外濾過容量を加えた第2の容量を該最大腹膜容量で割ったものに変化させることとを行うようにさらに構成される、項目10に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目12)
(c)における上記期待限外濾過容量は、低減された上記第2の量とは異なる低減された上記第1の量に起因して、(d)における該期待限外濾過容量とは異なる、項目11に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目13)
上記制御ユニットは、上記次のサイクルにおける上記停留段階の持続時間を短縮するようにさらに構成される、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目14)
上記制御ユニットは、タイダル透析療法とは対照的な持続性の周期的腹膜透析療法を行うユーザ選択に基づいて(i)、(ii)、および(iii)を行うようにさらに構成される、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目15)
上記制御ユニットは、最初に処方された腹膜透析療法を修正するユーザ選択に基づいて、(iii)を行うように、または(iii)を自動的に行うように構成される、項目1に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目16)
腹膜透析療法を行うためのシステムであって、
該システムは、
少なくとも1つの透析液ポンプと、
制御ユニットと
を備え、
該制御ユニットは、複数の腹膜透析サイクルを行うように該少なくとも1つの透析液ポンプとともに動作可能であり、該腹膜透析サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、該制御ユニットは、
(i)該充填段階の透析液容量の処方総計が患者に送達されることを確実にすることと、
(ii)該排出段階のうちの1つの後に最小排出率が達成されることができない場合に、(i)が満たされるように、次のサイクルの該充填段階の該透析液容量の量を低減し、付加的なサイクルを該腹膜透析療法に追加することと
を行うように構成される、システム。
(項目17)
(ii)における上記制御ユニットは、残りの上記充填段階の各々に対する上記透析液容量の量を低減するように構成される、項目16に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目18)
(ii)における上記制御ユニットは、上記残りの充填段階の各々に対する上記透析液容量の量をある量まで低減するように構成され、該ある量は、該透析液容量の総計の残りの部分を上記追加されたサイクルを含む残りのサイクルの数で割ったものに等しい、項目17に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目19)
上記制御ユニットは、上記最小排出率を、低減された充填量に限外濾過の期待量を加えた結果を最大腹膜容量で割ったものに変化させるようにさらに構成される、項目16に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目20)
上記制御ユニットは、上記次のサイクルでの上記停留段階の持続時間を短縮するようにさらに構成される、項目16に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目21)
上記制御ユニットは、タイダル透析療法とは対照的な持続性の周期的腹膜透析療法を行うユーザ選択に基づいて(i)および(ii)を行うようにさらに構成される、項目16に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目22)
上記制御ユニットは、最初に処方された腹膜透析療法を修正するユーザ選択に基づいて(ii)を行うように、または臨床医によって事前構成される設定に基づいて自動的に(ii)を行うように構成される、項目16に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目23)
腹膜透析を行うためのシステムであって、
該システムは、
少なくとも1つの透析液ポンプと、
制御ユニットと
を備え、
該制御ユニットは、該少なくとも1つの透析液ポンプとともに複数の腹膜透析サイクルを行うように動作可能であり、該腹膜透析サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、該制御ユニットは、
(i)各サイクルの該停留段階の終了時に、最大腹膜容量が超過されないことを確実にすることと、
(ii)該サイクルの該充填段階にわたって透析液容量の処方総計が患者に送達されることを確実にすることと、
(iii)各排出段階を監視して、最小排出容量が満たされることを確実にし、そうでなければ、(i)に従うよう後続の充填段階を短縮し、(ii)に従うようサイクルを追加することと
を行うように構成される、システム。
(項目24)
上記サイクルの全体に対する全処方時間を含み、上記制御ユニットは、サイクルが(iii)において追加される場合、少なくとも1つの後続の停留段階の持続時間を減少させるようにさらに構成される、項目23に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目25)
上記制御ユニットは、タイダル透析療法とは対照的な持続性の周期的腹膜透析療法を行う初期ユーザ選択に基づいて(i)、(ii)、および(iii)を行うようにさらに構成される、項目23に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目26)
上記制御ユニットは、最初に処方された腹膜透析療法を修正するユーザ選択に基づいて(iii)を行うように構成される、項目23に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目27)
上記最小排出容量は、上記最大腹膜容量から、充填段階容量に1サイクル当たりの期待限外濾過液容量を加えたものを減じたものである、項目23に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目28)
腹膜透析療法を行うためのシステムであって、
該システムは、
少なくとも1つの透析液ポンプと、
制御ユニットと
を備え、
該制御ユニットは、該少なくとも1つの透析液ポンプとともに複数の腹膜透析サイクルを行うように動作可能であり、該サイクルは、充填段階、停留段階、および排出段階を含み、該制御ユニットは、
(i)以前に入力された持続性の周期的腹膜透析(「CCPD」)療法を記憶することであって、該CCPD療法は、nサイクルにわたって送達される全処方未使用透析液充填容量を有し、該サイクルは、全治療持続時間にわたって行われる、ことと、
(ii)該CCPD療法をタイダル腹膜透析療法に自動的に変換することであって、該タイダル腹膜透析療法は、n+1サイクルを有し、該全処方未使用透析充填容量を使用し、該全治療持続時間を維持する、ことと
を行うように構成される、システム。
(項目29)
上記制御ユニットは、(ii)を行うことであって、上記タイダル療法が、第1のタイダル療法である、こと、または代わりに(iii)を行うことであって、上記CCPD療法は、第2のタイダル療法に自動的に変換され、該第2のタイダル療法は、n+2サイクルを有し、上記全処方未使用透析液充填容量を使用し、上記全治療持続時間を維持する、ことのオプションを提供するように構成される、項目28に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目30)
上記第1のタイダル療法は、処方された第1の残留排出容量を有し、上記第2のタイダル療法は、処方された第2のより高い残留排出容量を有する、項目29に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目31)
上記制御ユニットは、CCPD透析療法とは対照的なタイダル療法腹膜透析を行うユーザの選択に基づいて(i)および(ii)を行うようにさらに構成される、項目28に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。
(項目32)
上記制御ユニットは、上記タイダル療法の充填の各々の後の患者の中に存在する容量が、上記CCPD療法の充填の各々の後の該患者の中に存在する容量と少なくとも実質的に等しいようにさらに構成される、項目28に記載の腹膜透析療法を行うためのシステム。