(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記顔印象分析部は、対象者のパーソナルカラーを診断し、前記出力部は、さらに、前記診断したパーソナルカラー又は該パーソナルカラーに調和するカラー分類を出力することを含む、請求項1又は2に記載のファッションタイプ診断システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1又は2に記載のシステムによれば、自身の体型や特徴に沿った服飾品や化粧方法を選択することができる。
しかし、自身の好みに適合しない服飾品や化粧方法が提案された場合、好みの服飾品を身に着けるための方法や化粧方法は提案されないため、対象者の好みに基づいたアドバイスを受けることができない可能性がある、あるいは、アドバイスにしたがった結果、対象者の服装や化粧の傾向が偏るという問題が生じる。
また、特許文献3に記載のシステムでは、相応しい衣服の傾向が、対象者の着用したい衣服に適合しなかった場合の対処方法は出力されないため、このような場合の助言は販売員の判断能力に依存するものとなり、適当なアドバイスを得られない可能性がある。
【0009】
また、上記服装に関する専門家であっても、アドバイス内容は個人の経験や能力に左右されることが多く、依頼したパーソナルスタイリストやイメージコンサルタントが得意とする服装の傾向であれば適切なアドバイスが得られるが、不得意な服装の傾向ではアドバイスの質が劣ることもある。
さらに、アドバイスの内容も、似合う服装の傾向アドバイスはもらえるものの、それ以外の服装についてはアドバイスがなく、結果として対象者の服装の傾向が偏る可能性や、対象者の好みの服装ができなくなる可能性は依然として残る。
【0010】
上記状況に鑑み、本発明は、対象者の身体的特徴にあうファッションタイプ(服装傾向情報)と、対象者の希望にあう服飾品を着用するための補正方法を提案する、ファッションタイプ診断システム、並びに該システムを用いたファッションタイプの診断方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための、本発明に係るファッションタイプ診断システムは、対象者の顔画像を取得する、顔画像取得部と、
対象者の骨格特徴点について、大きさ、厚み、及び目立ちやすさの少なくとも何れかを含む対象者の骨格情報を取得する、骨格情報取得部と、
対象者の希望イメージタイプを取得する、希望イメージ取得部と、
予め分類された顔印象タイプと予め分類された骨格タイプの組合せごとに、似合うファッションタイプを割り当てた基本ファッションタイプデータベース、予め分類された顔印象タイプと、予め分類された希望イメージタイプの組合せごとにファッションタイプを割り当てた希望ファッションタイプデータベース、及び異なるファッションタイプの組み合わせごとに、一のファッションタイプから他の一のファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を割り当てた希望補正データベースを有する記憶部と、
前記取得した顔画像に基づいて、前記対象者の顔印象タイプを決定する顔印象分析部と、
前記取得した骨格情報に基づいて、対象者の骨格タイプを決定する、骨格分析部と、
前記基本ファッションタイプデータベースを参照し、前記決定された顔印象タイプ及び骨格タイプから、対象者の基本ファッションタイプを決定する、基本ファッションタイプ決定部と、
前記希望ファッションタイプデータベースを参照し、前記取得された希望イメージタイプから、対象者の希望ファッションタイプを決定する、希望ファッションタイプ決定部と、
前記希望補正データベースを参照し、前記決定された基本ファッションタイプと希望ファッションタイプが異なる場合に、前記基本ファッションタイプから前記希望ファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を決定する、補正方法決定部と、
前記対象者の決定された基本ファッションタイプ及び前記希望ファッションタイプに近づけるための補正方法を出力する出力部と、
を備える、ファッションタイプ診断システムである。
【0012】
さらに、本発明の好ましい形態では、前記ファッションタイプ診断システムは、前記対象者の性格及び/又は行動特性に関する特徴タイプを取得する、対象者特徴取得部を備え、
前記基本ファッションタイプデータベースは、予め分類された顔印象タイプと予め分類された骨格タイプと予め分類された特徴タイプの組合せごとに、ファッションタイプを割り当てたものであり、
前記基本ファッションタイプ決定部は、前記基本ファッションタイプデータベースを参照して、前記取得した対象者の特徴タイプをさらに加味して、対象者の基本ファッションタイプを決定する。
【0013】
さらに、本発明の好ましい形態では、前記顔印象分析部は、対象者のパーソナルカラーを診断し、前記出力部は、さらに、前記診断したパーソナルカラー又は該パーソナルカラーに調和するカラー分類を出力する。
【0014】
さらに、本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、さらに、予め分類された各骨格特徴点の骨格特徴ごとに、ファッションの補正方法を割り当てた骨格補正データベースを有し、
前記補正方法決定部は、さらに、前記骨格補正データベースを参照し、前記取得した骨格情報から、対象者の骨格特徴を考慮したファッションの補正方法を決定し、
前記出力部は、さらに、前記骨格特徴を考慮したファッションの補正方法を出力する。
【0015】
さらに、本発明の好ましい形態では、前記ファッションタイプ診断システムは、前記対象者の全身画像を取得する、全身画像取得部を備え、
前記記憶部は、さらに、全身に対するあご、バストトップ、ウエスト、ヒップトップ、太ももの中央、ひざ、及びふくらはぎの中央の基準位置を記憶し、加えて、予め分類された身体バランスごとに、ファッションの補正方法を割り当てた身体バランス補正データベースを有し、
前記取得した全身画像から、対象者の全身に対するあご、バストトップ、ウエスト、ヒップトップ、太ももの中央、ひざ、及びふくらはぎの中央の位置と、前記基準位置との一致度を判定する、身体バランス算出部を備え、
前記補正方法決定部は、さらに、前記身体バランス補正データベースを参照し、前記判定した一致度から、対象者の身体バランスを考慮したファッションの補正方法を決定し、
前記出力部は、さらに、前記身体バランスを考慮したファッションの補正方法を出力する。
【0016】
さらに、本発明の好ましい形態では、前記ファッションタイプ診断システムは、前記取得した顔画像から、前記対象者の顔型を決定する、顔型決定部を備え、
前記記憶部は、さらに、予め分類された顔型ごとに、ファッションの補正方法を割り当てた顔型補正データベースを有し、
前記補正方法決定部は、さらに、前記顔型補正データベースを参照し、前記取得した対象者の顔型から、対象者の顔型を考慮したファッションの補正方法を決定し、
前記出力部は、さらに、前記顔型を考慮したファッションの補正方法を出力する。
【0017】
さらに、本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、さらに、少なくとも全顔に対する目の基準位置を記憶し、加えて、予め分類された顔バランスごとに、化粧方法を割り当てた化粧方法データベースを有し、
前記ファッションタイプ診断システムは、前記取得した顔画像から、対象者の全顔に対する眉、目、鼻及び口の位置と、前記基準位置との一致度を判定する、顔バランス算出部を備え、
前記化粧方法データベースを参照し、前記判定した一致度から、化粧方法を決定する、化粧方法決定部を備え、
前記出力部は、さらに、前記化粧方法を出力する。
【0018】
さらに、上記課題を解決するための、本発明に係るファッションタイプ診断方法は、対象者の顔画像を取得する、顔画像取得ステップと、
対象者の骨格特徴点について、大きさ、厚み、及び目立ちやすさの少なくとも何れかを含む対象者の骨格情報を取得する、骨格情報取得ステップと、
対象者の希望イメージタイプを取得する、希望イメージ取得ステップと、
前記取得した顔画像に基づいて、前記対象者の顔印象タイプを決定する顔印象分析ステップと、
前記取得した骨格情報に基づいて、対象者の骨格タイプを決定する、骨格分析ステップと、
予め分類された顔印象タイプと予め分類された骨格タイプの組合せごとに、似合うファッションタイプを割り当てた基本ファッションタイプデータベースを参照し、前記決定された顔印象タイプ及び骨格タイプから、対象者の基本ファッションタイプを決定する、基本ファッションタイプステップと、
予め分類された希望イメージタイプごとにファッションタイプを割り当てた希望ファッションタイプデータベースを参照し、前記取得された希望イメージタイプから、対象者の希望ファッションタイプを決定する、希望ファッションタイプステップと、
異なるファッションタイプの組み合わせごとに、一のファッションタイプから他の一のファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を割り当てた希望補正データベースを参照し、前記決定された基本ファッションタイプと希望ファッションタイプが異なる場合に、前記基本ファッションタイプから前記希望ファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を決定する、補正方法決定ステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、対象者の顔、身体的特徴にあう服装、化粧方法並びに、対象者の希望の服飾品を着用するための補正方法を提案することができる。
さらに、本発明の好ましい形態では、対象者の身体的特徴に合致する服装の詳細な補正方法や化粧方法を提案することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参考にして本発明を実施するための形態について詳述するが、本発明の技術的範囲は、以下の実施形態に限定されない。
【0022】
<実施例1>
実施例1のファッションタイプ診断システムは、顔画像取得部411、骨格情報取得部412、希望イメージ取得部414、記憶部M、顔印象分析部21、骨格分析部22、基本ファッションタイプ決定部24a、希望ファッションタイプ決定部24b、希望補正方法決定部25、及び出力部30を備える(
図1)。
【0023】
顔画像取得部411は、ファッションタイプ診断を受ける対象者の頭頂部からあごまでが写るように正面から撮影された顔画像を取得する。
【0024】
骨格情報取得部412は、上記対象者の骨格特徴点の骨格情報を取得する。
骨格特徴点とは、上記対象者の身体を観察した時に個人間で特徴に差が出やすい部位のことをいい、手・指、肩・腕、肩甲骨・胸元、体幹、腰、ひざ、太もも、及び、対象者の全身のシルエットの8項目から選ばれる。各項目について、より詳細な項目を設定しても良い。例えば、手・指に関して、手・関節の大きさ、節、手の質感等の項目を設定しても良い。
骨格情報とは、上記骨格特徴点の、大きさ、厚み及び目立ちやすさの少なくとも何れかを含む情報である。
【0025】
希望イメージ取得部414は、上記対象者の希望するイメージを取得する。
希望イメージとは、例えばファッションのイメージを(a)かっこいい、(b)女性らしい、(c)かわいらしい、(d)華やか、の4つに大別した分類である。
【0026】
記憶部Mは、以下の各種データベースを記憶する。
顔印象データベース26は、例えば
図2に示すような要素の組合せによりF1〜F4の4つに分類した顔印象タイプを記憶したデータベースである。
すなわち、縦軸51は、上にいくほど顔特徴点が直線的な傾向にあり、下にいくほど顔特徴点が曲線的な傾向にあることを示す。横軸52は、右にいくほど顔特徴点が大ぶり、幅が広い傾向にあり、左にいくほど顔特徴点が小ぶり、幅が狭い傾向にあることを示す。なお、顔特徴点とは、対象者の眉、目、鼻、及び口から選ばれる。
また、F3は、顔の縦の長さが、縦横比1.4:1と同じ又は縦が短い顔印象タイプであり、F1、F2及びF4は、顔の縦の長さが1.4:1よりも長い顔印象である。
【0027】
骨格タイプデータベース26bは、上記骨格情報ごとに、上記各骨格特徴点がストレート、ウェーブ、又はナチュラルの何れのタイプに分類されるかを記憶したデータベースである。一例を
図3に示す。
骨格タイプ「ストレート」とは、身体に立体感があり、筋肉や肌にはりを感じることを特徴とする骨格タイプである。
骨格タイプ「ウェーブ」とは、身体に立体感を感じず、平面的であることを特徴とする骨格タイプである。
骨格タイプ「ナチュラル」とは、肉感があまり感じられず、骨や筋が目立つことを特徴とする骨格タイプである。
【0028】
対象者データベース27は、後述する各部で決定した対象者の顔印象タイプ、骨格タイプ、基本ファッションタイプ、希望ファッションタイプ、及び希望補正方法を記憶するデータベースである。
【0029】
基本ファッションタイプデータベース28aは、予め分類された顔印象タイプと、予め分類された骨格タイプの組合せごとに、似合うファッションタイプを割り当てたものを記憶したデータベースである。例を
図4に示す。各ファッションタイプR1、R2、R3及びR4については後述する。
【0030】
希望ファッションデータベース28bは、予め分類された顔印象タイプと、予め分類された希望イメージタイプの組合せごとにファッションタイプを割り当てたものを記憶したデータベースである。例を
図5に示す。ここで、希望ファッションタイプは、基本ファッションタイプデータベース28aで用いたファッションタイプに相当するものが用いられる(R1〜R4)。
【0031】
図4及び
図5に示された各ファッションタイプは、例えば
図6に示すような傾向をもつ。縦軸61は、上にいくほど洋服のシルエットが直線的であり、下にいくほど洋服のシルエットが曲線的であることを示す。横軸62は、右にいくほど色が鮮やか、柄や装飾が大ぶりであり、左にいくほど色が淡く、柄や装飾が小さく、華奢であることを示す。
本実施例においては、
図6に示すファッションタイプ傾向を以下のように分類するが、ファッションタイプ傾向はこれに限られない。
タイプR1:シルエットは直線的、生地は重さ・硬さ・厚みがあるもの、装飾は控えめ
タイプR2:シルエットはやや曲線的、生地は軽さ、柔らかさがあるもの、装飾は顔の周囲を避ける
タイプR3:シルエットは曲線的、生地は軽さ、柔らかさがあるもの、装飾は曲線的で柔らかいもの
タイプR4:シルエットはやや直線的、生地はやや厚みがあるもの、装飾は大ぶりで大胆なもの
【0032】
希望補正データベース29は、異なるファッションタイプの組合せごとに、一のファッションタイプから他の一のファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を割り当てたものを記憶したデータベースである。例を
図7に示す。
また、補正方法は衣服や装飾品に限られず、例えば髪型に関する項目(例えば、巻き髪にする/ストレートヘアにする、など)を補正方法として含んでいてもよい。
【0033】
顔印象分析部21は、上記顔画像取得部411で取得した顔画像から上記顔特徴点に関する情報を取得し、上記顔印象データベース26aを参照し、上記対象者の顔印象タイプを決定する。
【0034】
骨格分析部22は、上記取得した骨格情報に基づいて、骨格タイプデータベース26bを参照し、対象者の骨格タイプを決定する。
【0035】
基本ファッションタイプ決定部24aは、上記基本ファッションタイプデータベース28aを参照し、上記決定された顔印象タイプ及び骨格タイプの組合せから、対象者の基本ファッションタイプを決定する。
【0036】
希望ファッションタイプ決定部24bは、上記希望ファッションタイプデータベース28bを参照し、上記決定された顔印象タイプ及び取得された希望イメージの組合せから、対象者の希望ファッションタイプを決定する。
【0037】
希望補正方法決定部25は、上記決定された基本ファッションタイプと、上記決定された希望ファッションタイプとが異なる場合に、上記希望補正データベース29を参照し、上記基本ファッションタイプから上記希望ファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を決定する。
【0038】
出力部30は、上記決定された対象者の基本ファッションタイプと、上記決定された希望補正方法とを出力する。
【0039】
以下に、実施例1のファッションタイプ診断システムを用いたファッションタイプの診断方法のフローを説明する(
図8〜11)。
【0040】
1.対象者情報取得ステップ
本ステップでは、利用者40によって入力された、対象者の顔画像、対象者の骨格情報、及び対象者の希望イメージタイプから、顔画像取得部411が対象者の顔画像を取得し、骨格情報取得部412が対象者の骨格情報を取得し、希望イメージ取得部414が対象者の希望イメージを取得する。
骨格情報の取得は、任意の方法により行うことができるが、例えば、利用者が対象者の上記骨格特徴点を観察し、利用者によって入力された上記骨格情報を取得する方法が挙げられる。また、例えば、対象者の画像を取得し、画像処理により、上記骨格情報を取得する形態でもよい。
希望イメージの取得は、任意の方法により行うことができるが、例えば、段落0025で述べたファッションタイプのイメージ(a)〜(d)から1つを対象者が選択・入力し、入力されたイメージを取得する形態が挙げられる。また、例えば、対象者が自由に記述したイメージをアドバイザーが上記4つの選択肢のうちいずれかに分類し入力する、又は、利用者が自由に入力したイメージを、言語処理により上記選択肢のいずれかに分類し、上記希望イメージを取得する形態としてもよい。
【0041】
利用者40は、ファッションタイプ診断を受ける本人でも、本発明に係るシステムを利用してファッションに関する助言を行うアドバイザーでもよい。
【0042】
2.顔印象分析ステップ
本ステップでは、顔印象分析部21が、上記取得した顔画像を分析し、対象者の顔印象タイプを決定する(
図8参照)。
【0043】
顔特徴抽出処理S213では、対象者の顔の縦の長さ(対象者の頭頂部からあごまでの長さ)と横の長さ(顔幅の最も広いところの長さ)の比を算出し、上記対象者の顔特徴点について、目の形状、間隔、黒目の比率、鼻、口の幅と厚み、眉と眉の間隔、眉と目の間隔の情報を抽出する。
縦横比判定ステップS214では、縦横比1.4:1を基準として、対象者の顔の縦横比を判定する。
【0044】
縦横比1.4:1よりも縦が長い場合には、顔特徴分析処理S215を行う。
顔特徴分析処理S215では、顔特徴抽出処理S213で抽出した対象者の顔特徴点の情報を分析し、形状について曲線的又は直線的のいずれかに分類し、大きさについて大ぶり又は小ぶりのいずれかに分類する。例えば、目頭に丸みがあれば、項目「目の形」を曲線的に分類し、目頭に切り込みがあれば、当該項目を直線的に分類する。これを、特徴を抽出した特徴点全てについて行う。
【0045】
顔印象決定処理S216では、上記顔特徴点の分析結果を大きさ及び形状についてそれぞれ合計し、得点が多い方の組合せから、上記顔印象データベースを参照26して、対象者の顔印象タイプを決定する。
例えば、対象者の顔特徴点の分析結果が、形状「直線的」の合計得点が多く、大きさ「大きい」の合計得点が多い場合、対象者の顔印象タイプF1に決定する。同様に、対象者の顔特徴点の分析結果が、形状「直線的」の合計得点が多く、大きさ「小ぶり」の合計得点が多い場合には、対象者の顔印象タイプF2に決定する。対象者の顔特徴点の分析結果が、形状「曲線的」の合計得点が多く、大きさ「大きい」の合計得点が高い場合、対象者の顔印象タイプF4に決定する。
【0046】
顔縦横比判定ステップS214で、縦横比1.4:1よりも縦が短いと判定した場合、顔印象決定処理S216に進み、顔印象データベース26を参照し、対象者の顔印象タイプをF3に決定する。
最後に、顔印象記憶処理S217を行い、決定した顔印象タイプを対象者データベース27に記憶する。
【0047】
顔印象タイプは、細分化されていてもよい。すなわち、例えば、顔印象タイプF1に分類される顔でも、直線的な特徴点がより多い顔とより少ない顔とで異なる顔印象タイプに分類するなど、顔印象タイプの分類を細分化していてもよい。
【0048】
3.骨格分析ステップ
本ステップでは、骨格分析部22で、上記取得した骨格情報412に基づいて、対象者の骨格タイプを決定する(
図9参照)。
【0049】
骨格情報分析処理S221では、上記取得した骨格情報が、上記骨格タイプのうちいずれの特徴であるかを、骨格タイプデータベース26bを参照して判定する。具体的には、骨格タイプデータベース26bの列を指定し、上記入力された骨格情報を検索し、該当するセルの属する列の骨格タイプを、上記骨格特徴点の骨格タイプと決定する(
図3参照)。全ての骨格情報についてタイプを決定したら、骨格タイプ決定処理S222へ進む。
【0050】
骨格タイプ決定処理S222では、各タイプの合計点数を算出し、合計点数が最も高いタイプを、対象者の骨格タイプに決定する。例えば、
図10のように、ウェーブタイプの合計点が最も高いときは、対象者の骨格タイプをウェーブに決定する。
骨格タイプ記憶処理S223を行い、決定した骨格タイプを、対象者データベース27に記憶する。
【0051】
なお、上記2.顔印象分析ステップと、上記3.骨格分析ステップは、その処理の順番は問わない。
【0052】
4.ファッションタイプ決定ステップ
本ステップでは、基本ファッションタイプ決定部24aで対象者の基本ファッションタイプを決定し、希望ファッションタイプ決定部24bで対象者の希望ファッションタイプを決定する。
【0053】
基本ファッションタイプ決定部24aでは、上記顔印象分析部21で決定した対象者の顔印象タイプと、上記骨格分析部22で決定した対象者の骨格タイプを、対象者データベース27から読み込み、基本ファッションタイプデータベース28aを参照し、対象者の基本ファッションタイプ32を決定する。具体的には、基本ファッションデータベース28aの行を指定し、上記読み込んだ顔印象タイプを検索し、列を指定し、上記読み込んだ骨格タイプを検索し、該当する顔印象タイプと骨格タイプの組合せに相当するセルに記憶されているファッションタイプを、対象者の基本ファッションタイプに決定する(
図4参照)。
希望ファッションタイプ決定部では、同様に、上記対象者の顔印象と、上記希望イメージ取得部で取得した対象者の希望イメージとを対象者データベース27から読み込み、希望ファッションタイプデータベース28bを参照し、対象者の希望ファッションタイプを決定する(
図5参照)。
例えば、対象者の顔印象がF1で骨格タイプがストレートの場合、対象者の基本ファッションタイプをR1に決定する(
図4参照)。さらに、希望イメージがbの場合、対象者の希望ファッションタイプをR3に決定する(
図5参照)。
【0054】
決定した基本ファッションタイプ及び希望ファッションタイプは、ファッションタイプ記憶処理を行い、対象者データベース27に記憶する。
【0055】
5.補正方法決定ステップ
本ステップでは、補正方法決定部25が、上記決定された基本ファッションタイプと希望ファッションタイプが異なる場合に、上記希望補正データベース29を参照し、前記基本ファッションタイプから前記希望ファッションタイプに近づけるためのファッションの希望補正方法を決定する(
図11参照)。
【0056】
ファッションタイプ読み込み処理S251では、対象者データベース27から、上記決定した基本ファッションタイプ32及び希望ファッションタイプ33を読み込む。
データベース検索処理S254では、
図7に示す希望補正データベース29の行を指定し、上記読み込んだ基本ファッションタイプを検索し、列を指定し、上記読み込んだ希望ファッションタイプを検索する。そして、該当する基本ファッションタイプと希望ファッションタイプの組合せに相当するセル中に、補正方法が記憶されているか判定し(S255)、補正方法が記憶されていれば、記憶された補正方法を、対象者の希望補正方法と決定する(補正方法記憶決定処理S252)。上記決定した補正方法を、補正方法記憶処理S253で対象者データベース27に記憶し、処理を終了する。当該セル中に補正方法が記憶されていなければ、補正方法決定処理S252及び補正方法記憶処理S253を行わずに処理を終了する(
図10(a))。
例えば、対象者の基本ファッションタイプがR1で、希望ファッションタイプがR3の場合、希望補正データベース29中で行のR1と列のR3が交わったセルには、「柄やアクセサリーを直線的なものにする」とのテキストデータが格納されているので、これを対象者の希望補正方法と決定し、対象者データベース27に上記決定した希望補正方法を記憶し、処理を終了する。
また、
図10(b)のように、上記ファッションタイプ読み込み処理S251を行った後、上記読み込んだ基本ファッションタイプと希望ファッションタイプとが一致するか否かの判断を先に行い(S256)、一致しない場合に、希望補正データベース29を参照する形態としてもよい。この場合も、決定した希望補正方法は、補正方法記憶処理S253を行い、上記決定した希望補正方法を対象者データベース27に記憶する。希望補正方法は、次に述べる出力ステップにおいて、テキストデータとして出力する。なお、上記読み込んだ基本ファッションタイプと希望ファッションタイプとが一致する場合は、S256の判定後、処理を終了する。
【0057】
7.出力ステップ
対象者データベース27から、上記ファッションタイプ決定ステップで決定された基本ファッションタイプ、及び、前記希望ファッションタイプに近づけるための希望補正方法を読み込み、出力処理を行う。
例えば、『基本ファッションタイプ:シルエットは直線的、生地は重さ・硬さ・厚みがあるもの、装飾は控えめ、補正方法:衣服の柄や装飾品を直線的なデザインのものにする』のように出力する。また、各ファッションタイプの傾向や、具体的な衣服や装飾品の例も同時に出力する形態としてもよい。
アドバイザーは、出力データに基づき、対象者にファッションに関するアドバイスを行う。また、出力したデータを印刷し、対象者に渡す形態にしてもよい。
【0058】
<実施例2>
実施例2のファッションタイプ診断システムは、さらに、対象者特徴取得部413及び、特徴タイプ決定部23を備え、記憶部Mは、特徴タイプデータベース26cをさらに有する(
図12参照)。
対象者特徴とは、対象者の印象及び行動の傾向である。対象者の印象とは、(1)落ち着いているか、行動的か、及び、(2)女性らしいか、ボーイッシュか、の少なくとも2つの観点について、後述する対象者特徴取得部413で取得する。対象者の印象は、対象者自身が思う印象でも、他人から言われる印象でも、両方でもよい。対象者の行動の傾向とは、(1)決断が速いか遅いか、(2)歩き方、(3)話し方、の少なくとも3つの観点について、同様に対象者特徴取得部413で取得する。
特徴タイプとは、上記対象者特徴、上記骨格分析部で決定された骨格タイプ、及び、上記希望イメージ取得部414で取得された希望イメージの傾向を数種類に分類したものであり、例えば4つの特徴タイプA、B、C、又はDのいずれかに分類される。
本実施例において、上記特徴タイプA、B、C、及びDは、段落0025で述べたファッションのイメージ(a)かっこいい、(b)女性らしい、(c)かわいらしい、及び(d)華やか、にそれぞれ対応している。
特徴タイプデータベース26cは、上記骨格分析部で決定した対象者の骨格タイプ、及び、上記対象者特徴の傾向が、特徴タイプA〜Dのいずれに分類されるかを記憶したものである。
図13に一例を示す。項目によっては、2種以上のタイプに分類されるようにタイプわけしてもよい。すなわち、例えば、上記印象(1)について、「落ち着いている」をタイプA、Bに分類し、「行動的」をタイプC、Dに分類するような形態としてもよい(
図13参照)。
対象者特徴取得部413は、上記対象者特徴を取得する。取得方法は、任意の方法を選択することができるが、例えば、アドバイザーが対象者に対して、上記対象者の印象及び行動の特性に関するアンケートを取り、入力された情報から、対象者特徴を取得する方法が挙げられる。
特徴タイプ決定部23は、上記取得した対象者特徴と、上記骨格分析部22で決定された骨格タイプと、上記取得した希望イメージから、対象者の特徴タイプを決定する。
【0059】
また、実施例2における基本ファッションタイプデータベース28aは、予め分類された顔印象タイプと、予め分類された骨格タイプと、予め分類された特徴タイプの組合せごとに、ファッションタイプを割り当てたものである。例を
図14に示す。
【0060】
以下に、実施例1と同じフローは省略しつつ、実施例2のファッションタイプ診断システムを用いたファッションタイプの診断方法のフローを説明する。
【0061】
実施例2のファッションタイプ診断システムは、特徴タイプ決定ステップを備える(
図15参照)。特徴タイプ決定ステップでは、対象者特徴取得部413で上記対象者特徴を取得し、特徴タイプ決定部23で上記読み込んだ対象者特徴及び上記骨格分析部で決定した骨格タイプの組合せから、対象者の特徴タイプを決定する。
【0062】
特徴情報取得部413では、対象者情報取得処理S231を行い、上記対象者特徴を読み込む。また、上記希望イメージ取得部414で取得した希望イメージ、及び、上記骨格分析部22で決定した骨格タイプを、対象者データベース27から読み込む。
【0063】
タイプ分類処理S232では、上記取得した希望イメージ、骨格タイプ及び対象者特徴を、上記特徴タイプデータベース26cを参照して、タイプA、B、C又はDのいずれの特徴であるかを判定する。具体的には、特徴タイプデータベース26cにおいて、上記取得した対象者特徴の列を指定する。上記取得した対象者特徴の属するセルを検索し、当該セルが属する特徴タイプを、当該対象者特徴の特徴タイプに決定する。骨格タイプ及び希望イメージについても同様に決定する。上記読み込んだ希望イメージ、骨格タイプ及び対象者特徴の全てについて特徴タイプを決定したら、特徴タイプ決定処理S233へ進む。
【0064】
特徴タイプ決定処理S233では、分類ごとの項目数の合計を算出し、最も合計の多いタイプを対象者の特徴タイプに決定する。一例を
図16に示す。すなわち、例えば、
図16のように、対象者特徴の各項目、希望イメージ、及び骨格タイプをタイプA,B,C又はDのいずれかに分類したときに、タイプAに分類された項目が最も多かった場合、対象者の特徴タイプをタイプAに決定する。
特徴タイプ記憶処理S234を行い、決定した特徴タイプを対象者データベース27に記憶する。
【0065】
本実施例では、対象者の基本ファッションタイプは、例えば
図14に示されるように、対象者の顔印象と特徴タイプの組合せから決定する。
図14は、上記のように決定した特徴タイプと、対象者の顔印象との組合せから、基本ファッションタイプを決定する場合の例である。上記決定した顔印象、並びに、上記取得した希望イメージ、骨格タイプ及び対象者特徴を総合的に評価し、対象者の基本ファッションタイプを決定する形態としてもよい。
前記出力部30においては、上記骨格タイプ、特徴タイプ及び希望イメージから決定した基本ファッションタイプを出力する。
【0066】
本発明の好ましい形態では、以下のステップを含む形態としてもよい。
(1)パーソナルカラー診断ステップ
本ステップを備える場合、上記顔印象分析部21において、さらに、対象者のパーソナルカラーを診断する。上記出力部30においては、さらに、決定したパーソナルカラーを出力する。
ここで、パーソナルカラーとは、生まれつきの肌、瞳、髪などの色をもとに診断した、個人に調和する色のことをいう。一般的には、黄みの強いイエローベースか、青みの強いブルーベースに分類し、さらに明るい色が調和するか深みのある色が調和するかによって、合計4種類のカラータイプに分類することができる。一般的に、4種類の色の特徴を四季になぞらえ、スプリング、サマー、オータム、ウィンターと呼称することが多い。これをフォーシーズン分類という。
【0067】
本形態では、顔特徴抽出処理S213において、対象者の顔の肌、虹彩、及び髪の色を抽出する。髪の色は、染髪していない髪の色であることが好ましい。そして、顔特徴分析処理S215において、肌の色(肌の黄みが強いか、青みが強いか)、虹彩の色(黒に近いか、茶色がかっているか)、髪の色(黒っぽいか、茶色っぽいか)等を分析し、その色情報の組合せによって、対象者のパーソナルカラーを決定する。決定したパーソナルカラーは、顔印象記憶処理S216で、決定した顔印象とともに、対象者データベース27に記憶しておく。
パーソナルカラーは任意の方法で決定することができるが、例えば、肌の色、虹彩の色、髪の色等について、上記フォーシーズン分類におけるいずれのカラータイプに属するかを記憶したパーソナルカラーデータベースを記憶部Mが有し、上記取得した対象者の色情報について当該パーソナルカラーデータベースを参照して、パーソナルカラーを決定する形態が挙げられる。また、対象者の顔画像から、画像処理によりパーソナルカラーを決定する形態としてもよい。なお、上記カラータイプは、上記フォーシーズン分類よりも詳細に分類されていてもよい。
また、上記パーソナルカラーデータベースは、さらに、パーソナルカラーと調和するカラー分類を記憶していてもよい。
出力ステップにおいては、さらに、決定したパーソナルカラーを出力する。または、決定したパーソナルカラーと調和するカラー分類を出力する形態としてもよく、さらに、決定したパーソナルカラーと、該決定したパーソナルカラーと調和するカラー分類を両方出力する形態としてもよい。
【0068】
(2)骨格補正決定ステップ
上記3.骨格タイプ診断ステップにおいて、各身体特徴点のタイプと対象者の骨格タイプが異なる場合、衣服のデザインを調整する必要がある場合がある。
例えば、骨格タイプ「ウェーブ」は上半身が華奢な傾向にあるため、衣服の襟や肩口にフリルなどの装飾があっても、調和する傾向にある。しかし、骨格タイプがウェーブでも、肩の特徴がナチュラルに分類される場合、典型的なウェーブタイプと比較して肩幅が広い傾向にあるため、同様の形状の衣服では、肩幅が強調される可能性がある。
これを解消するために、骨格補正決定ステップを備えていてもよい。
【0069】
本ステップを備える場合、本発明に係るファッションタイプ診断システムは、骨格補正決定部を備え、上記記憶部Mは、骨格補正データベースを備える。
骨格補正とは、上記決定された骨格タイプと異なるタイプの上記骨格特徴点について、衣服のデザインを微調整する補正であり、骨格補正方法は衣服のフィット感(身体に沿うような形状か、ゆったりとした形状か)、素材の質感(柔らかそうな質感の素材か、固い質感の素材か)、衣服の装飾(装飾が多いか少ないか)、及び重心位置(見た目の重心位置が上に見える着こなしか、下に見える着こなしか)から選ばれる。
骨格補正データベースは、上記骨格特徴点のそれぞれについて、上記骨格補正を記憶したものである。一例を
図17に示す。
【0070】
以下、骨格補正決定ステップについて詳述する(
図18参照)。
骨格情報読み込み処理S2501では、上記3.骨格診断ステップにて分類した、対象者の各骨格特徴点のタイプ及び対象者の骨格タイプのデータ(
図10参照)を読み込む。
骨格補正決定処理S2502では、骨格補正が必要な骨格特徴点を決定する。具体的には、
図10に示される骨格特徴点のうち、最も合計点数が高いタイプ以外の2タイプ(
図10では、ストレートとナチュラル)に分類されている骨格特徴点を検索し、骨格補正が必要な骨格特徴点を決定する。
上記骨格補正データベースを参照し、上記決定された骨格補正が必要な骨格特徴点に対応する骨格補正方法を決定する。具体的には、上記決定した骨格補正が必要な骨格特徴点を、
図17に示される骨格補正データベースの補正箇所の行から検索し、該当する補正箇所に対応する補正方法を、骨格補正方法に決定する(
図17参照)。
骨格補正記憶処理S2503を行い、骨格補正方法を対象者データベース27に記憶する。上記出力ステップでは、さらに、記憶した骨格補正方法を出力する。
【0071】
(3)身体バランス補正決定ステップ
骨格タイプ診断による分類によって、対象者の骨格と調和する衣服の傾向が決定するが、身体バランスは個人によって異なるため、同じ衣服や着こなしでも、調和しない場合がある。
これを解消するため、身体バランス補正決定ステップを備えていてもよい。
【0072】
本ステップを備える場合、本発明に係るファッションタイプ診断システムは、全身画像取得部、身体バランス算出部及び身体バランス補正決定部を備え、上記記憶部Mは、身体バランス補正データベースを有する。
全身画像取得部では、対象者の頭頂部からかかとまでが写った画像(全身画像)を取得する。
身体バランスとは、対象者の全身に対するあご、バストトップ、ウエスト、ヒップトップ、太ももの中央、ひざ、及びふくらはぎの中央の位置をいう。
身体バランス補正データベースとは、全身に対するあご、バストトップ、ウエスト、ヒップトップ、太ももの中央、ひざ、及びふくらはぎの中央の基準位置を記憶し、予め分類された身体バランスごとに、ファッションの補正方法を記憶したものである。一例を
図20に示す。
基準位置とは、全身に対するあご、バストトップ、ウエスト、ヒップトップ、太ももの中央、ひざ、及びふくらはぎの中央の位置で、頭頂部からかかとまでを8等分できるときの、各部位の位置である。
身体バランス算出部では、上記取得した対象者の全身に対するあご、バストトップ、ウエスト、ヒップトップ、太ももの中央、ひざ、及びふくらはぎの中央の位置を算出し、上記基準位置と上記対象者の身体バランスの一致度を判定する。
身体バランス補正決定部では、上記算出した身体バランスに基づいて、上記身体バランス補正データベースを参照し、対象者の身体バランス補正を決定する。
【0073】
以下、身体バランス補正ステップについて詳述する(
図19参照)。
身体画像読み込み処理S2504では、上記全身画像取得部で取得した対象者の全身画像を読み込む。
身体バランス算出処理S2505では、上記取得した全身画像から、対象者の全身に対するあご、バストトップ、ウエスト、ヒップトップ、太ももの中央、ひざ、及びふくらはぎの中央の位置と、上記基準位置との一致度を判定する。上記基準位置と位置が一致しない部位を、身体バランス補正が必要な部位と決定する。
身体バランス補正決定処理S2506では、上記身体バランス補正が必要な部位を、記憶部が有する身体バランス補正データベースで検索し、各部位に対応する身体バランス補正方法を決定する。具体的には、上記身体バランス補正が必要な部位を、身体バランス補正データベースの補正箇所の行を検索し、対応する補正方法を、身体バランス補正方法と決定する(
図20参照)。
【0074】
身体バランス補正方法記憶処理S2507では、上記決定した身体バランス補正方法を、対象者データベース27に記憶する。上記出力ステップでは、さらに、記憶した身体バランス補正方法を出力する。
【0075】
(4)顔型補正決定ステップ
個人によって顔の形は様々に異なり、同じ衣服でもある人は調和して見えるが、別の人は顔が大きく見えるというように、デザインによって顔の印象が左右される場合がある。また、髪型によっても、同様の現象が起こる場合がある。
これを解消するため、顔型補正決定ステップを備えていてもよい。
【0076】
本ステップを備える場合、本発明に係るファッションタイプ診断システムは、顔型決定部、及び顔型補正決定部を備え、上記記憶部Mは、顔型補正データベースを有する。
顔型とは、上記取得した顔画像から決定する対象者の顔の形であり、縦長又は横長である。
顔型決定部では、対象者の顔の、眉頭下部から口中央ラインまでの長さ(
図21中の矢印42の長さ、以下、縦基準長という)と、対象者の口中央ラインの横幅の長さ(
図21中の矢印43の長さ、以下、横基準長という)の比を算出し、対象者の顔型を決定する。
顔型補正決定部では、上記決定した対象者の顔型に基づいて、顔型補正データベースを参照して、顔型補正を決定する。
顔型補正データベースは、上記決定された対象者の顔型を考慮したファッションの補正方法が記憶されており、補正方法は、例えば、襟の形状、装飾品の形状、髪型等が挙げられる。一例を
図22に示す。
【0077】
以下、顔型補正ステップについて詳述する(
図23参照)。
本ステップを備える場合、上記2.顔印象決定ステップの顔特徴抽出処理S213において、対象者の顔縦基準長及び横基準長を算出し、対象者データベース27に記憶しておく。
顔基準長比算出処理S2508では、上記縦基準長と横基準長を対象者データベースから読み込み、その比(基準長比)を算出する。
顔型決定処理S2509では、上記算出した基準長比をもとに、対象者の顔型を横長又は縦長に決定する。具体的には、対象者の顔の縦基準長と横基準長との比が1:1又はそれよりも縦基準長が短ければ横長顔に決定し、1:1よりも縦基準長が長ければ縦長顔に決定する。
【0078】
顔型補正決定処理S2510では、対象者の顔型をもとに、上記顔型補正データベースを参照して、衣服、髪型及び服飾品の傾向を含む顔型補正方法を決定する。具体的には、対象者の顔が縦長であれば、縦長顔の列を指定し、指定された範囲に含まれる補正方法を、顔型補正方法と決定する。対象者の顔が横長であれば、横長顔の列を指定し、指定された範囲に含まれる補正方法を、顔型補正方法と決定する(
図20参照)。上記範囲の指定は、記憶されている全ての補正箇所を指定する形態としても、対象者が選択した補正箇所を指定する形態としてもよい。
顔型補正記憶処理S2511で、上記決定した顔型補正方法を対象者データベース27に記憶する。上記出力ステップにおいて、さらに、上記決定した顔型補正方法を出力する。
【0079】
顔型補正は、顔型を強調するデザインの衣服を着用する場合の対処方法も含めて決定してもよい。上記対処方法は、特に服飾品を用いたものであり、例えば、縦長顔の人は縦の長さを分断するようなネックレスを着用する、横長顔の人は縦の長さを強調するネックレスを着用する、などが挙げられる。
【0080】
また、顔型補正方法は、(1)頭頂部からあごまでと、あごからバストトップまでのバランス、(2)首の長さ、(3)肩の形状の3点を加味した補正方法であってもよい。この場合、上記顔型補正データベースは、上記顔型に、上記3点の位置が基準位置との一致度を加味した補正方法が記憶されている。一例を
図24に示す。ここで、上記(1)〜(3)の基準位置とは、それぞれ以下のように記憶されている
(1)の基準位置:頭頂部からあごまでの長さと、あごからバストトップまでの長さとが等しい
(2)の基準位置:あごから鎖骨頚窩までの長さと、頭頂部からあごまでの長さを0.4倍した長さとが等しい
(3)の基準位置:左右の鎖骨のなす角の角度が120度
【0081】
顔型補正が上記(1)〜(3)を加味した補正方法である場合、顔型補正ステップは、上半身画像取得ステップ、追加要素算出ステップ、及び、顔型補正データベース検索ステップをさらに含む。
上半身画像取得ステップでは、入力された対象者の上半身の画像を取得する。また、上記身体バランス補正ステップを行い、対象者の全身画像を取得している場合は、全身画像から対象者の上半身部分を切り取って取得する形態としてもよい。
追加要素算出ステップでは、上記取得した上半身画像から、頭頂部からあごまでの長さ、あごからバストトップまでの長さ、あごから鎖骨頚窩までの長さ、及び左右の鎖骨のなす角の角度の4要素を算出する。
顔型補正データベース検索ステップでは、
図24に示される顔型補正データベースを参照し、上記算出した4要素と、上記(1)〜(3)の条件との一致度を判定する。具体的には、
図24に示す顔型補正データベースの行を指定し、上記判定した一致度を検索し、列を指定し、上記決定した顔型を検索する。そして、該当する一致度と顔型の組合せに相当するセル中に記憶された顔型補正方法を、対象者の顔型補正方法と決定する(顔型補正決定処理S2510)。そして、顔型補正記憶処理S2511で、上記決定した顔型補正方法を対象者データベース27に記憶し、処理を終了する。
上記記憶した顔型補正方法は、上記出力ステップにおいて出力する。
【0082】
(5)化粧方法決定ステップ
人間の顔のパーツ(眉、目、鼻及び口)の配置には、美しいと言われるバランスがある。該バランスを満たすためには様々な条件があるが、一般的には、(I)頭頂部から目じりまでの距離と、目じりから顎先までの距離が等しい、(II)右の目じりから右の目頭までの距離、右の目頭から左の目頭までの距離、左の目頭から左の目じりまでの距離の比が、1:1:1である、の2つが基準とされる。
上記条件(I)、(II)をいずれかでも満たしていない場合、上記条件を満たす位置に各パーツが配置されているように見える化粧方法を取ることが考えられるが、化粧方法は多岐に渡るため、適当な化粧方法を選択するのは難しい。
そこで、対象者の顔のバランスを分析し、対象者が上記条件を満たしているように見える化粧方法を提案する、化粧方法決定ステップを備えていてもよい。
【0083】
本ステップを備える場合、本発明に係るファッションタイプ診断システムは、顔バランス算出部及び化粧方法決定部を備え、上記記憶部Mは、顔バランス表及び化粧方法データベースを有する。
顔バランスとは、全顔に対する眉、目、鼻及び口の位置である。
化粧方法データベースには、顔の基準位置と、予め分類された顔バランスごとに、化粧方法が記憶されている。上記顔の基準位置は、上記(I)、(II)の条件を満たす目の位置を少なくとも含み、眉、鼻、口の基準位置及び基準幅を含んでいてもよい。上記顔バランスごとの化粧方法の一例を
図25に示す。また、眉頭を内側に足すなど、顔のパーツごとに詳細な化粧方法を補正データベースに記憶しておく形態としてもよい。
顔バランス表は、少なくとも上記(I)(II)の条件を満たすか否かによって分類された顔バランスを予め記憶したものである。一例を
図26に示す。
顔バランス算出部は、上記取得した顔画像から、対象者の全顔に対する眉、目、鼻及び口の位置と、上記基準位置との一致度を判定し、対象者の顔バランスを決定する。
【0084】
以下、化粧方法提案ステップについて詳述する(
図27参照)。
顔画像読み込み処理S2512では、上記取得した顔画像を読み込む。
顔バランス算出処理S2513では、上記取得した顔画像から、対象者の全顔において、少なくとも、頭頂部から目じりまでの距離、目じりから顎先までの距離、右の目じりから右の目頭までの距離、右の目頭から左の目頭までの距離、及び、左の目頭から左の目じりまでの距離の5要素を算出する。これらの要素は、後述する顔バランス決定処理S2514において、上記(I)又は(II)の条件を満たすか否かを判定するために必要となる。
顔バランス決定処理S2514では、上記5要素と、上記化粧方法データベースに記憶された上記顔の基準位置との一致度を判定し、上記顔バランス表を参照して、対象者の顔バランスを決定する。
具体的には、上記算出した頭頂部から目じりまでの長さを行から検索し、上記算出した左右の目の間隔を列から検索する。そして、該当する頭頂部から目じりまでの長さと左右の目の間隔の組合せに相当するセル中に記憶された顔バランスを、対象者の顔バランスとして決定する。例えば、頭頂部から目じりまでの長さが短く、左右の目の間隔が広い場合、対象者の顔バランスを上方遠心顔と決定する。上記(I)又は(II)の条件のいずれかを満たす場合は、各条件についてバランスを「基準」とし、上記(I)及び(II)の条件をいずれも満たす場合には、対象者の顔バランスを「基準バランス」と決定する。
また、上記5要素の他に、各パーツの位置の情報を取得した場合は、化粧方法データベースに記憶されている各パーツの基準位置及び基準幅との一致度を加味して、対象者の顔バランスを決定する(
図26参照)。
【0085】
化粧方法決定処理S2515では、化粧方法データベースに記憶された化粧方法を参照し、化粧方法を決定する。具体的には、化粧方法データベースの顔バランスの行を検索し、上記決定した顔バランスに対応する補正方法の行のセルを、対象者の化粧方法に決定する。例えば、対象者の顔バランスが遠心顔であれば、化粧方法データベースの顔バランスの遠心顔の列を参照し、対応する補正方法の行のセルに記憶されている補正方法「内側に足す」を、対象者の化粧方法に決定する(
図25参照)。
化粧方法記憶処理S2516では、上記決定した化粧方法を対象者データベース27に記憶する。上記出力ステップにおいて、さらに、上記記憶した化粧方法を出力する。
【0086】
美しいと言われる基準は、全顔に対する各パーツの配置以外にも、目、鼻、眉、口の各パーツについて存在する。したがって、上記顔バランス算出処理S2513において、上記各パーツの上記基準を満たすか否かの判定をするために必要な要素について、バランスを算出し、各パーツが上記基準を満たすか否かを判定するステップを備えていてもよい。
この場合、上記化粧方法データベースは、パーツごとに予め化粧方法を記憶しており、化粧方法決定処理S2515においては、さらに、パーツごとに化粧方法を決定する。
【0087】
上記実施例は、服装に関するアドバイスを行う者が本発明に係るシステムを利用する形態としたが、自身に調和する服装の傾向を知りたい本人が利用する形態としてもよい。
また、本発明に係るシステムは、個人の所有する携帯端末で行う形態としてもよいし、衣料品店に設置する形態とすることもできる。衣料品店に設置する形態の場合、その店舗の在庫情報を参照し、対象者におすすめの衣服を提案するシステムを備えていてもよい。
【解決手段】ファッションタイプ診断システムは、異なるファッションタイプの組み合わせごとに、一のファッションタイプから他の一のファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を割り当てた希望補正データベースを含む記憶部Mと、顔画像等に基づいて顔印象タイプを決定する顔印象分析部と、骨格タイプを決定する骨格分析部と、基本ファッションタイプを決定する基本ファッションタイプ決定部と、希望ファッションタイプを決定する希望ファッションタイプ決定部と、希望補正データベースを参照し、決定された基本ファッションタイプと希望ファッションタイプが異なる場合に、基本ファッションタイプから希望ファッションタイプに近づけるためのファッションの補正方法を決定する、希望補正方法決定部を備える。