【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
【0029】
<実施例1>
粗MI溶液として、Designer Molecules Inc.(以下、「DMI社」と略記することがある)から市販されているBMI−3000のトルエン溶液(濃度:50質量%)を準備した。このMIはアミン類成分として、PMDAによりイミド延長されたDDAを用いたMIである。酸価は5.63mg−KOH/gであった。この粗MI溶液100gに、DIC1.2gを加え、90℃で5時間反応させた。冷却後、この反応液にトルエンを加えた液を、攪拌下で、大量のメタノールに加え、MIを再沈殿させ、副生するDICの尿素誘導体をメタノールに溶解させて、除去後、沈殿物をトルエンと混合することにより、MI濃度が50質量%の精製されたMI溶液を得、この溶液の酸価を測定することにより、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。た。なお、酸価は、JIS K0070(1992)の規定に基づき、中和滴定法で測定した値である。
【0030】
<実施例2>
実施例1で用いた粗MI溶液100gに、DIC1.8gを加え、70℃で5時間反応させた。冷却後、この反応液にトルエンを加えた液を、メタノールおよび水の混合溶媒による溶媒抽出でDICの尿素誘導体を除去した。得られたトルエン溶液濃縮することによりMI濃度が50質量%の精製されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0031】
<実施例3>
粗MI溶液として、DMI社から市販されているBMI−1500のトルエン溶液(濃度:50質量%)を準備した。このMIはアミン成分として、ODPAによりイミド延長されたDDAを用いたMIである。このMIを用い、実施例1と同様にして、精製されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0032】
<実施例4>
粗MI溶液として、DMI社から市販されているBMI−689のトルエン溶液(濃度:50質量%)を準備した。このMIはアミン成分として、DDAを用いたMIである。この粗MI溶液100gに、DIC1.2gを加え、60℃で5時間反応させた。冷却後、この反応液からDICの尿素誘導体を除去することなく、トルエンで希釈してMI濃度が50質量%の精製されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0033】
<実施例5>
粗MI溶液として、DMI社から市販されているBMI−1700のトルエン溶液(濃度:50質量%)を準備した。このMIはアミン成分として、BDCPによりイミド延長されたDDAを用いたMIである。このMIを用い、実施例1と同様にして、精製されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0034】
<実施例6>
CDIとして、EDCを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、精製されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0035】
<実施例7>
粗MI溶液として、東京化成工業から市販されているB−1109のNMP溶液(濃度:30質量%)を準備した。このMIはアミン成分として、MDAを用いたMIである。この粗MI溶液100gに、DIC0.8gを加え、90℃で5時間反応させた。冷却後、この反応液を、攪拌下で、大量のメタノールに加え、MIを再沈殿させ、これを濾別、メタノールで洗浄後、乾燥することにより、精製されたMI粉末を得た。この酸価を測定することにより、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0036】
<実施例8>
粗MI溶液として、東京化成工業から市販されているB−4807のNMP溶液(濃度:30質量%)を準備した。このMIはアミン成分として、BAPPを用いたMIである。このMIを用い、実施例7と同様にして、精製されたMI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0037】
<実施例9>
粗MI溶液として、東京化成工業から市販されているP−0976のNMP溶液(濃度:30質量%)を準備した。このMIはアミン成分として、MPDを用いたMIである。このMIを用い、実施例7と同様にして、精製されたMI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0038】
<実施例10>
DICの添加量を1.8gとしたこと以外は、実施例7と同様にして、精製されたMI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0039】
<実施例11>
DICの添加量を0.50gとしたこと以外は、実施例7と同様にして、精製されたMI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0040】
<実施例12>
DICの添加量を0.20gとしたこと以外は、実施例7と同様にして、精製されたMI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0041】
<実施例13>
実施例7で用いたB−1109のNMP溶液(濃度:30%質量%)100gに、ポリカルボジイミド(日清紡社製カルボジライトV−05)1.2gを加えてMI溶液を得た。次に、これを、90℃で5時間反応させることにより、精製されたBMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0042】
<実施例14>
実施例7で用いたB−1109のNMP溶液(濃度:30%質量%)100gに、ポリカルボジイミド(日清紡社製カルボジライトV−05)1.8gを加えてMI溶液を得た。次に、これを、90℃で5時間反応させることにより、精製されたBMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0043】
<実施例15>
CDIとして、ポリカルボジイミド(ラインケミー社製スタバクゾールP(分子量:3,000−4,000)を用いたこと以外は実施例13と同様して、精製されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0044】
<実施例16>
実施例1で用いたBMI−3000のトルエン溶液(濃度:50%質量%)100gに、ポリカルボジイミド(日清紡社製カルボジライトV−05)1.2gを加えてMI溶液を得た。次に、これを、90℃で5時間反応させることにより、精製されたBMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0045】
<実施例17>
DICの添加量を0.63gとしたこと以外は、実施例7と同様にして、精製されたMI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0046】
<実施例18>
実施例17で得られた粉末のNMP溶液(濃度:30質量%)を準備した。この溶液粗MI溶液100gに、DIC0.33gを加え、70℃で5時間反応させた。冷却後、この反応液を、攪拌下で、大量のメタノールに加え、MIを再沈殿させ、これを濾別、メタノールで洗浄後、乾燥することにより、精製されたMI粉末を得た。この酸価を測定することにより、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0047】
<比較例1>
粗MI溶液として、実施例1で用いたBMI−3000のトルエン溶液を用い、これに等量の水を加え、攪拌後、トルエン相と水相と分離する操作を3回行うことにより、水洗されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0048】
<比較例2>
粗MI溶液として、実施例1で用いたBMI−3000のトルエン溶液を用い、これに等量の2%のアンモニア水を加え、攪拌後、トルエン相と水相と分離する操作を3回行った後、水洗を行うことにより、アンモニア水で洗浄されたMI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0049】
<比較例3>
粗MI溶液として、実施例7で用いたB−1109のNMP溶液(濃度:30質量%)を準備した。冷却後、この反応液を、攪拌下で、大量のメタノールに加え、MIを再沈殿させ、これを濾別、メタノールで洗浄後、乾燥する操作を3回繰り返した。この酸価を測定することにより、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0050】
<比較例4>
DICの添加量を0.13gとしたこと以外は、実施例7と同様にして、MI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0051】
<比較例5>
DICの添加量を0.10gとしたこと以外は、実施例7と同様にして、MI粉末を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0052】
<比較例6>
ポリカルボジイミド(日清紡社製カルボジライトV−05)の添加量を0.13gとしたこと以外は、実施例13と同様にして、MI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0053】
<比較例7>
ポリカルボジイミド(日清紡社製カルボジライトV−05)の添加量を0.10gとしたこと以外は、実施例13と同様にして、MI溶液を得、酸価低減率を算出した。その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
CDI添加量(%)=100×CDI質量/粗CDI質量
【0056】
実施例、比較例で示したように、本発明の製造方法で得られたMIは、効率よく酸価が低減されていることが判る。