(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、車両走行支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態において、勾配角度、および走行に関する走行情報を取得し、勾配の角度と走行情報とに応じて、異なる注意喚起をする車両走行支援装置について説明する。
【0021】
また、本実施の形態において、車両の周囲の状況を示す周囲状況情報をも考慮して、適切な注意喚起をする車両走行支援装置について説明する。
【0022】
なお、ここでの車両とは、通常、自動車であるが、バイクなどの他の種類の車両も含む。
【0023】
図1は、本実施の形態における車両走行支援装置1のブロック図である。車両走行支援装置1は、車両に設置されている装置でも良いし、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型の端末等でも良い。車両走行支援装置1の種類は問わない。また、車両に設置されている装置は、ナビゲーション装置でも良いし、車両走行支援を行う専用装置等でも良い。
【0024】
車両走行支援装置1は、格納部11、取得部12、処理部13、および出力部14を備える。
【0025】
格納部11は、地図情報格納部111、および出力管理情報格納部112を備える。
【0026】
取得部12は、現在位置取得部121、勾配角度取得部122、走行情報取得部123、および周囲状況情報取得部124を備える。
【0027】
処理部13は、ナビゲーション部131、判断部132を備える。
【0028】
出力部14は、地図情報出力部141、案内出力部142、および注意喚起情報出力部143を備える。
【0029】
格納部11は、注意喚起条件と注意喚起情報とを対応付けて格納し得る。注意喚起条件は、注意喚起情報を出力することを決定するための条件であり、勾配角度条件と走行条件とを含む。注意喚起条件は、勾配角度条件と走行条件と周囲状況条件とを含んでも良い。また、注意喚起条件は、勾配角度条件と周囲状況条件のみを含んでも良い。ここで、注意喚起条件と注意喚起情報とを対応付ける情報は、注意喚起条件と注意喚起情報とを対応付けるリンク情報でも良いし、後述する出力管理情報でも良い。なお、注意喚起情報の詳細については、後述する。
【0030】
また、格納部11は、1または2以上の出力管理情報を格納していても良い。出力管理情報は、注意喚起条件と注意喚起情報とを有する。
【0031】
ここで、勾配角度条件とは、道路の勾配角度に関する条件である。勾配角度条件は、 例えば、下り勾配の道路の角度が閾値以上または閾値より大きいことである。また、勾配角度条件は、登り勾配の道路の角度が閾値以上または閾値より大きいことである。さらに具体的には、勾配角度条件は、例えば、下りの勾配角度が10度より大きいことを示す「10度<下り勾配角度」、下りの勾配角度が15度以上であることを示す「15度<=下り勾配角度」、登りの勾配角度が20度より大きいことを示す「20度<登り勾配角度」、登りの勾配角度が25度以上であることを示す「25度<=登り勾配角度」などである。
【0032】
また、走行条件とは、車両の走行に関する条件である。走行条件は、例えば、車両の速度に関する条件、車両の加速度に関する条件、または車両の速度の遷移に関する条件等である。
【0033】
また、周囲状況条件とは、車両の周囲の状況に関する条件である。周囲状況条件は、例えば、車両が走行している道路の渋滞の有無や渋滞の度合いについての条件、車両の周囲の他車両の多さに関する条件、車両が走行している領域の天気についての条件等である。
【0034】
さらに、注意喚起情報とは、ドライバーへの注意喚起のための情報である。注意喚起情報は、例えば、速度が出すぎることを注意するための情報である。注意喚起情報は、例えば、渋滞を発生させる可能性があることを注意するための情報である。注意喚起情報は、例えば、スリップに注意すべきことを示す情報である。注意喚起情報は、テキスト、静止画、動画、音声、およびこれらの情報の組み合わせ等であり、そのデータタイプや構造は問わない。
【0035】
さらに、格納部11は、地図情報を格納していても良い。地図情報とは、地図を構成する情報である。地図情報は、例えば、地図画像(地図図柄情報と言っても良い)、地図上に表示される1以上のオブジェクト、当該オブジェクトの種類、を有する。地図情報は、例えば、KIWIフォーマットである。ただし、地図情報のフォーマット、内容等は問わない。地図情報は、例えば、地図の図柄を示す地図図柄情報と、用語と当該用語の地図上での位置を示す位置情報を有する用語情報を有する。地図図柄情報は、例えば、地図を構成するビットマップまたはベクトルデータなどである。用語とは、地図上に表記されているオブジェクト(文字列)を有する。また、位置情報は、地図上の緯度経度を有する情報や、二次元平面上のX,Y座標値などである。また、地図情報は、好ましくは、縮尺ごとに地図図柄情報と、用語情報を有する。なお、オブジェクトとは、地図上に表示されている地名や建物や名勝や場所の名称や公園や山などをいう。地図情報は、例えば、道路に関する情報を有する。道路に関する情報は、通常、道路の位置を特定する情報、道路の種類を示す情報等を有する。
【0036】
地図情報格納部111は、地図情報を格納している。
【0037】
出力管理情報格納部112は、1または2以上の出力管理情報を格納している。
【0038】
取得部12は、各種の情報を取得する。各種の情報とは、例えば、現在位置、勾配角度、走行情報、周囲状況情報等である。
【0039】
現在位置取得部121は、現在位置を取得する。現在位置取得部121は、例えば、GPS受信機により現在位置を取得する。ただし、現在位置取得部121は、携帯電話の3以上の基地局からの電波強度を利用して、現在位置を取得する等、GPS受信機以外の手段により、現在位置を取得しても良い。
【0040】
勾配角度取得部122は、車両が走行している道路、または車両が走行する道路の勾配角度を取得する。なお、車両が走行する道路とは、車両が近いうちに走行するであろう道路、車両が走行する直前の道路等である。また、勾配角度取得部122が、車両が走行する道路の勾配角度を取得するのは、注意喚起すべき道路に車両が入る前に、注意喚起するためである。
【0041】
勾配角度取得部122は、例えば、3Dジャイロセンサ(3Dジャイロスコープ)により勾配角度を取得する。
【0042】
ただし、勾配角度取得部122は、格納部11の地図情報が有する道路情報に含まれる勾配角度を取得しても良い。つまり、勾配角度取得部122は、現在位置取得部121が取得した現在位置に対応する道路の道路情報に含まれる勾配角度を取得しても良い。
【0043】
さらに、勾配角度取得部122は、図示しない外部の装置から、勾配角度を受信しても良い。なお、図示しない外部の装置とは、例えば、車両に搭載されている車載装置等の装置である。
【0044】
走行情報取得部123は、車両の走行に関する情報である走行情報を取得する。走行情報とは、例えば、速度、加速度、速度遷移等である。速度遷移とは、2以上の速度の情報の集合である。2以上の速度は、通常、連続的に取得された速度である。走行情報取得部123が走行情報を取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【0045】
さらに、走行情報取得部123は、図示しない外部の装置から、走行情報を受信しても良い。なお、図示しない外部の装置とは、例えば、車両に搭載されている車載装置等の装置である。
【0046】
周囲状況情報取得部124は、車両の周囲の状況に関する情報である周囲状況情報を取得する。周囲状況情報は、例えば、走行中の道路の混雑度、車両の数、天候、道路の種類(高速、一般道路など)などである。
【0047】
周囲状況情報取得部124は、例えば、VICS(登録商標)から渋滞中である旨を受信する。また、周囲状況情報取得部124は、例えば、車両の周囲を撮影するカメラが取得した画像を解析し、自車両の周囲の他の車両の数を取得する。また、周囲状況情報取得部124は、例えば、図示しないサーバ装置から現在の天候や天気を取得する。また、周囲状況情報取得部124は、例えば、地図情報格納部111の地図情報から、現在走行中の道路の種類を取得する。
【0048】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、ナビゲーション部131、判断部132等が行う処理である。
【0049】
ナビゲーション部131は、現在位置取得部121が取得した現在位置を用いて、ナビゲーション処理を行う。ナビゲーション処理とは、案内情報を取得する処理、経路探索する処理等である。ナビゲーション処理は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【0050】
判断部132は、勾配角度および走行情報が注意喚起条件を満たすか否かを判断する。この勾配角度は、勾配角度取得部122が取得した情報である。また、走行情報は、走行情報取得部123が取得した情報である。さらに、注意喚起条件は、出力管理情報格納部112に格納されている条件である。
【0051】
判断部132は、例えば、勾配角度および走行情報が、格納部11の1以上のいずれかの注意喚起条件を満たすか否かを判断する。判断部132は、最大一つの注意喚起条件を満たすと判断しても良いし、2以上の注意喚起条件を満たすと判断しても良い。
【0052】
判断部132は、勾配角度と走行情報と周囲状況情報とが注意喚起条件を満たすか否かを判断しても良い。この周囲状況情報は、周囲状況情報取得部124が取得した情報である。
【0053】
さらに、判断部132は、勾配角度と周囲状況情報とが注意喚起条件を満たすか否かを判断しても良い。
【0054】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、注意喚起情報、地図情報、案内情報等である。
【0055】
出力部14は、判断部132が注意喚起条件を満たすと判断した場合、注意喚起条件に対応する注意喚起情報を出力する。
【0056】
出力とは、表示、音声出力などである。また、出力とは、車載用ヘッドアップディスプレイによる、車両のフロントガラスへの表示も含む。さらに、出力とは、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0057】
地図情報出力部141は、地図情報格納部111の地図情報を出力する。
【0058】
案内出力部142は、ナビゲーション部131が取得した案内情報を出力する。案内出力部142は、ナビゲーション部131が取得した経路情報を出力しても良い。なお、経路情報は、経路探索した結果の経路を示す情報である。
【0059】
注意喚起情報出力部143は、判断部132が注意喚起条件を満たすと判断した場合、当該注意喚起条件に対応する注意喚起情報を出力する。なお、注意喚起情報出力部143は、判断部132が注意喚起条件を満たすと判断した場合、当該注意喚起条件に対応する注意喚起情報を出力管理情報格納部112から取得し、当該注意喚起情報を出力する。注意喚起情報出力部143は、判断部132が2以上の注意喚起条件を満たすと判断した場合、当該2以上の各注意喚起条件に対応する2以上の注意喚起情報を出力しても良い。
【0060】
格納部11、地図情報格納部111、および出力管理情報格納部112は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0061】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0062】
取得部12、勾配角度取得部122、走行情報取得部123、周囲状況情報取得部124、処理部13、ナビゲーション部131、および判断部132は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。取得部12の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0063】
出力部14、地図情報出力部141、案内出力部142、および注意喚起情報出力部143は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部14は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0064】
次に、車両走行支援装置1の第一の動作例について、
図2のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
(ステップS201)勾配角度取得部122は、勾配角度を取得する。
【0066】
(ステップS202)走行情報取得部123は、走行情報を取得する。
【0067】
(ステップS203)判断部132は、カウンタiに1を代入する。
【0068】
(ステップS204)判断部132は、格納部11にi番目の注意喚起条件が格納されているか否かを判断する。i番目の注意喚起条件が格納されている場合はステップS205に行き、i番目の注意喚起条件が格納されていない場合はステップS201に戻る。
【0069】
(ステップS205)判断部132は、i番目の注意喚起条件を格納部11から取得する。
【0070】
(ステップS206)判断部132は、ステップS201で取得された勾配角度、およびステップS202で取得された走行情報が、ステップS205で取得したi番目の注意喚起条件に合致するか否かを判断する。i番目の注意喚起条件に合致する場合はステップS207に行き、i番目の注意喚起条件に合致しない場合はステップS209に行く。
【0071】
(ステップS207)注意喚起情報出力部143は、i番目の注意喚起条件に対応する注意喚起情報を格納部11から取得する。
【0072】
(ステップS208)注意喚起情報出力部143は、ステップS207で取得した注意喚起情報を出力する。
【0073】
(ステップS209)判断部132は、カウンタiを1,インクリメントする。ステップSS204に戻る。
【0074】
なお、
図2のフローチャートにおいて、周囲状況情報取得部124が周囲状況情報を取得して、判断部132は、取得された勾配角度、走行情報、および周囲状況情報が、i番目の注意喚起条件に合致するか否かを判断しても良い。
【0075】
また、
図2のフローチャートにおいて、注意喚起情報出力部143は、連続して、または同時に2以上のステップS207で取得した注意喚起情報を出力しても良い。
【0076】
また、
図2のフローチャートにおいて、判断部132は、一の注意喚起条件に合致すると判断した後、他の注意喚起条件に合致するか否かを判断しなくても良い。
【0077】
さらに、
図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0078】
次に、車両走行支援装置1の第二の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。なお、
図3のフローチャートにおいて、
図2のフローチャートと同一のステップについて説明を省略する。
【0079】
(ステップS301)現在位置取得部121は、現在位置を取得する。
【0080】
(ステップS302)地図情報出力部141は、地図情報格納部111から、現在位置に対応する地図情報を取得し、出力する。
【0081】
(ステップS303)ナビゲーション部131は、現在位置を用いて、案内情報を取得する。そして、案内出力部142は、当該案内情報を出力する。
【0082】
(ステップS304)周囲状況情報取得部124は、周囲状況情報を取得する。
【0083】
(ステップS305)判断部132は、ステップS201で取得された勾配角度、ステップS202で取得された走行情報、およびステップS304で取得された周囲状況情報が、ステップS205で取得したi番目の注意喚起条件に合致するか否かを判断する。i番目の注意喚起条件に合致する場合はステップS207に行き、i番目の注意喚起条件に合致しない場合はステップS209に行く。
【0084】
なお、
図3のフローチャートにおいて、判断部132は、勾配角度と走行情報のみを用いて、注意喚起条件に合致するか否かを判断しても良い。また、判断部132は、勾配角度と周囲状況情報のみを用いて、注意喚起条件に合致するか否かを判断しても良い。
【0085】
さらに、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0086】
以下、本実施の形態における車両走行支援装置1の具体的な動作について説明する。ここでは、車両走行支援装置1が注意喚起情報を出力する具体的動作について説明する。
【0087】
今、出力管理情報格納部112は、
図4に示す出力管理情報管理表を格納している。出力管理情報管理表は、出力管理情報を管理する表である。出力管理情報管理表は、「ID」「注意喚起条件」「注意喚起情報」「優先順位」を有する1以上のレコードを管理している。「ID」はレコードを識別する識別子である。「注意喚起条件」は「勾配角度条件」「走行条件」「周囲状況条件」を有する。なお、「勾配角度条件」「走行条件」「周囲状況条件」のうち、1または2以上の条件がNULLでも良い。条件がNULLである場合、当該条件は課されないことを示すことは言うまでもない。また、ここでは、存在する条件はANDで連結される。また、「天気==雨」は天気の情報が「雨」を示す情報であることを示す。また、「渋滞==ON」は渋滞を示す情報が「渋滞していること」を示す情報であることである。さらに、「注意喚起情報」は、ここでは文字列であるが、上述したように静止画、動画等、そのデータタイプは問わない。さらに、「優先順位」は、注意喚起条件が適用される優先順位を示す。つまり、本具体例において、一つの注意喚起条件のみが適用され得る。そして、一つの注意喚起情報のみが出力され得る、とする。
【0088】
かかる状況において、以下の2つの具体例を示す。具体例1は、勾配角度、および走行情報を使用する場合である。具体例2は、勾配角度、走行情報、および周囲状況情報を使用する場合である。
【0089】
(具体例1)
今、車両は、道路を走行しており、勾配角度取得部122は、下りの勾配角度「18度」を取得した、とする。
【0090】
次に、走行情報取得部123は、走行情報の一種である速度「60km/h」を取得した、とする。
【0091】
次に、判断部132は、優先順位に従って、
図4の注意喚起条件を順に適用していく、とする。そして、判断部132は、優先順位「1」に対応する注意喚起情報(「ID=3」の条件)を読み出し、勾配角度「18度」および速度「60km/h」を適用し、「条件を満たさない」との判断結果を取得する。
【0092】
次に、判断部132は、優先順位「2」に対応する注意喚起情報(「ID=2」の条件)を読み出し、勾配角度「18度」および速度「60km/h」を適用し、「条件を満たす」との判断結果を取得する。
【0093】
そして、注意喚起情報出力部143は、当該注意喚起条件に対応する注意喚起情報「速度を落として下さい。」を
図4の出力管理情報管理表から取得する。
【0094】
次に、注意喚起情報出力部143は、取得した注意喚起情報「速度を落として下さい。」を出力する。注意喚起情報出力部143は、注意喚起情報を音声出力することは好適であるが、ディスプレイに表示する等しても良い。また、注意喚起情報出力部143は、注意喚起情報を音声出力し、かつディスプレイに表示する等しても良い。
【0095】
(具体例2)
今、車両は、道路を走行しており、勾配角度取得部122は、下りの勾配角度「12度」を取得した、とする。
【0096】
次に、走行情報取得部123は、走行情報の一種である速度「50km/h」を取得した、とする。
【0097】
また、周囲状況情報取得部124は、周囲状況情報「天気=雨,渋滞=ON」を取得した、とする。なお、「天気=雨」は天気が「雨」であること、「渋滞=ON」は渋滞していることを示す。
【0098】
次に、判断部132は、優先順位に従って、
図4の注意喚起条件を順に適用していく、とする。そして、判断部132は、優先順位「1」に対応する注意喚起情報(「ID=3」の条件)を読み出し、勾配角度「12度」、速度「50km/h」、および周囲状況情報「渋滞=ON」を適用し、「条件を満たさない」との判断結果を取得する。
【0099】
次に、判断部132は、優先順位「2に対応する注意喚起情報(「ID=2」の条件)を読み出し、勾配角度「12度」、速度「50km/h」、および周囲状況情報「渋滞=ON」を適用し、「条件を満たさない」との判断結果を取得する。
【0100】
次に、判断部132は、優先順位「3」に対応する注意喚起情報(「ID=1」の条件)を読み出し、勾配角度「12度」、速度「50km/h」、および周囲状況情報「渋滞=ON」を適用し、「条件を満たす」との判断結果を取得する。
【0101】
そして、注意喚起情報出力部143は、当該注意喚起条件に対応する注意喚起情報「速度の出し過ぎに注意して下さい。」を
図4の出力管理情報管理表から取得する。
【0102】
次に、注意喚起情報出力部143は、取得した注意喚起情報「速度の出し過ぎに注意して下さい。」を出力する。注意喚起情報出力部143は、注意喚起情報を音声出力することは好適であるが、ディスプレイに表示する等しても良い。また、注意喚起情報出力部143は、注意喚起情報を音声出力し、かつディスプレイに表示する等しても良い。
【0103】
以上、本実施の形態によれば、道路の勾配角度と車両の走行状態とを考慮した適切な注意喚起ができる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、道路の勾配角度と車両の走行状態と車両の周囲の状況とを考慮した適切な注意喚起ができる。
【0105】
また、本実施の形態によれば、道路の勾配角度と車両の周囲の状況とを考慮した適切な注意喚起ができる。
【0106】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における車両走行支援装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータがアクセス可能な記録媒体は、道路の勾配角度に関する条件である勾配角度条件と車両の走行に関する条件である走行条件とを含む注意喚起条件と、ドライバーへの注意喚起のための情報である注意喚起情報とを対応付けて格納し得る格納部を具備し、コンピュータを、車両が走行している道路、または車両が走行する道路の勾配角度を取得する勾配角度取得部と、車両の走行に関する情報である走行情報を取得する走行情報取得部と、前記勾配角度および前記走行情報が前記注意喚起条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記判断部が前記注意喚起条件を満たすと判断した場合、当該注意喚起条件に対応する注意喚起情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0107】
上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記車両の周囲の状況に関する情報である周囲状況情報を取得する周囲状況情報取得部としてさらに機能させ、前記注意喚起条件は、車両の周囲の状況に関する条件である周囲状況条件をも含み、前記判断部は、前記勾配角度と前記走行情報と前記周囲状況情報とが前記注意喚起条件を満たすか否かを判断する
ものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0108】
上記プログラムにおいて、前記勾配角度条件は、下り勾配の道路の角度が閾値以上または閾値より大きいことであるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0109】
上記プログラムにおいて、前記注意喚起情報は、速度が出すぎることを注意するための情報であるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0110】
上記プログラムにおいて、前記勾配角度条件は、登り勾配の道路の角度が閾値以上または閾値より大きいことであるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0111】
上記プログラムにおいて、前記注意喚起情報は、渋滞を発生させる可能性があることを注意するための情報であるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0112】
また、
図5は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の車両走行支援装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図5は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図6は、システム300のブロック図である。
【0113】
図5において、コンピュータシステム300は、CD−ROMドライブ3012を含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304、スピーカー306とを含む。
【0114】
図6おいて、コンピュータ301は、CD−ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、MPU3013、CD−ROMドライブ3012に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017等とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0115】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の車両走行支援装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3101に記憶されて、CD−ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD−ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0116】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の車両走行支援装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0117】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0118】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0119】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0120】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。