【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の少なくとも一つの実施形態にかかる距離測定装置は、
空中に設けられ、電波を送信可能な送信アンテナと、水中を走行可能な水中航走体に設けられ、前記電波の送信と同時の第1送波タイミング、又は前記電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで水中音を送波可能な送波器と、を含む送信側装置と、
水中に設けられ、前記送信側装置の前記送波器から送波される水中音を受信可能な受波器と、空中に設けられ、前記送信側装置の前記送信アンテナから送信される電波を受信可能な受信アンテナと、を含む受信側装置と、
前記送信アンテナから送信された電波が前記受信アンテナで受信された時刻と、前記送波器から送波された水中音が前記受波器に受信された時刻と、前記第1又は第2送波タイミングとに基づいて、前記受信側装置から前記水中航走体までの距離を算出する距離算出手段と、を備えるように構成される。
【0009】
上記(1)に記載の距離測定装置は、空中に設けられ、電波を送信可能な送信アンテナと、水中を走行可能な水中航走体に設けられ、電波の送信と同時の第1送波タイミング、又は電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで水中音を送波可能な送波器と、を含む送信側装置と、水中に設けられ、送信側装置の送波器から送波される水中音を受信可能な受波器と、空中に設けられ、送信側装置の送信アンテナから送信される電波を受信可能な受信アンテナと、を含む受信側装置と、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナで受信された時刻と、送波器から送波された水中音が受波器に受信された時刻と、第1又は第2送波タイミングとに基づいて、受信側装置から水中航走体までの距離を算出する距離算出手段と、を備える。ここで、電波の伝搬速度(約30万km/s)は水中音の伝搬速度(約1500m/s)と比較して、非常に速いので、電波の到達時間(無線受波時間)を略ゼロとみなすことができる。このため、送信アンテナから電波が送信されたと同時の第1送波タイミングで送波器から水中音が送波された場合、水中音が送波された時刻を、受信アンテナが電波を受信した時刻することができる。従って、距離算出手段は、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナで受信された時に、送波器から水中音が送波されたとみなして水中音到達時間の測定を開始し、受波器で水中音を受信すると、水中音到達時間を算出する。このため、水中音到達時間を正確に測定することができ、送信側装置から水中航走体までの距離を正確に算出することができる。
【0010】
また、送信アンテナからの電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで送波器から水中音が送波された場合、水中音が送波された時刻を、受信アンテナが電波を受信した時刻に対して規定時間だけずらした時刻とすることができる。従って、距離算出手段は、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナで受信された時刻に対して規定時間だけずらした時刻を、送波器から水中音が送波された時刻とみなして、水中音到達時間の測定を開始し、受波器で水中音を受信すると、水中音到達時間を算出する。このため、水中音到達時間を正確に測定することができる。また、空中には電波を送信するための送信アンテナが配設されるので、騒音が生じることはない。さらに、電波の送信アンテナを使用する場合には、パワーアンプ等の機材が不要であり、重量及びコストの増大を抑えることができる。よって、騒音問題や重量及びコストの増大を招くことなく、水中航走体の距離を正確に測定可能な距離測定装置を実現できる。
【0011】
(2)本発明の少なくとも一つの実施形態にかかる距離測定装置は、
空中に設けられ、電波を送信可能な送信アンテナと、水中に設けられ、前記電波の送信と同時の第1送波タイミング、又は前記電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで水中音を送波可能な送波器と、を含む送信側装置と、
水中を走行可能な水中航走体に設けられ、前記送信側装置の前記送波器から送波される水中音を受信可能な受波器と、空中に設けられ、前記送信側装置の前記送信アンテナから送信される電波を受信可能な受信アンテナと、を含む受信側装置と、
前記送信アンテナから送信された電波が前記受信アンテナで受信された時刻と、前記送波器から送波された水中音が前記受波器に受信された時刻と、前記第1又は第2送波タイミングとに基づいて、前記送信側装置から前記水中航走体までの距離を算出する距離算出手段と、を備えるように構成される。
【0012】
上記(2)に記載の実施形態によれば、空中に設けられ、電波を送信可能な送信アンテナと、水中に設けられ、電波の送信と同時の第1送波タイミング、又は電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで水中音を送波可能な送波器と、を含む送信側装置と、水中を走行可能な水中航走体に設けられ、送信側装置の送波器から送波される水中音を受信可能な受波器と、空中に設けられ、送信側装置の送信アンテナから送信される電波を受信可能な受信アンテナと、を含む受信側装置と、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナで受信された時刻と、送波器から送波された水中音が受波器に受信された時刻と、第1又は第2送波タイミングとに基づいて、送信側装置から水中航走体までの距離を算出する距離算出手段と、を備える。ここで、電波の伝搬速度(約30万km/s)は水中音の伝搬速度(約1500m/s)と比較して、非常速いので、電波の到達時間(無線受波時間)を略ゼロとみなすことができる。このため、送信アンテナから電波が送信されたと同時の第1送波タイミングに送波器から水中音が送波された場合、水中音が送波された時刻を、受信アンテナが電波を受信した時刻することができる。従って、距離算出手段は、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナで受信された時に、送波器から水中音が送波されたとみなして水中音到達時間の測定を開始し、受波器で水中音を受信すると、水中音到達時間を算出する。このため、水中音到達時間を正確に測定することができ、送信側装置から水中航走体までの距離を正確に算出することができる。
【0013】
また、送信アンテナからの電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで送波器から水中音が送波された場合、水中音が送波された時刻を、受信アンテナが電波を受信した時刻に対して規定時間だけずらした時刻とする。従って、距離算出手段は、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナで受信された時刻に対して規定時間だけずらした時刻が、送波器から水中音が送波された時刻とみなして、水中音到達時間の測定を開始し、受波器で水中音を受信すると、水中音到達時間を算出する。このため、水中音到達時間を正確に測定することができる。また、空中には電波を送信するための送信アンテナが配設されるので、騒音が生じることはない。さらに、電波の送信アンテナを使用する場合には、パワーアンプ等の機材が不要であり、重量及びコストの増大を抑えることができる。よって、騒音問題や重量及びコストの増大を招くことなく、水中航走体の距離を正確に測定可能な距離測定装置を実現できる。
【0014】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の距離測定装置において、
前記水中航走体には、前記水中アンテナから水中音が送波された時刻を記憶する記憶部がさらに設けられているように構成される。
【0015】
上記(3)に記載の実施形態によれば、水中航走体には、水中アンテナから水中音が送波された時刻を記憶する記憶部がさらに設けられている。このため、距離算出手段で、水中航走体の距離を算出する際に、送波器から送波された時刻を、記憶部に記憶された対応する時刻と比較することができる。従って、意図したタイミングで水中音が送波されているか確認することができ、算出される水中航走体の距離の精度を確認することができる。
【0016】
(4)本発明の少なくとも一つの実施形態にかかる距離測定システムは、
水中を走行可能な複数の水中航走体と、
前記複数の水中航走体の各々に設けられ、空中に設けられ、電波を送信可能な送信アンテナと、水中を走行可能な水中航走体に設けられ、前記電波の送信と同時の第1送波タイミング、又は前記電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで水中音を送波可能な送波器と、を含む送信側装置と、
水中に設けられ、前記送信側装置の前記送波器から送波される水中音を受信可能な受波器と、空中に設けられ、前記送信側装置の前記送信アンテナから送信される電波を受信可能な受信アンテナと、を含む受信側装置と、
前記送信アンテナから送信された電波が前記受信アンテナで受信された時刻と、前記送波器から送波された水中音が前記受波器に受信された時刻と、前記第1又は第2送波タイミングとに基づいて、前記受信側装置から前記水中航走体までの距離を算出する距離算出手段と、を備え、
前記複数の送波器の各々から送波される水中音は、互いに異なる周波数に設定され、
前記距離算出部は、前記受波器によって受信された水中音の周波数に基づいて、前記複数の水中航走体の中から、前記受信された水中音の周波数を送波する送波器が設けられている水中航走体を識別するように構成される。
【0017】
上記(4)に記載の距離測定システムは、水中を走行可能な複数の水中航走体と、複数の水中航走体の各々に設けられ、空中に設けられ、電波を送信可能な送信アンテナと、水中を走行可能な水中航走体に設けられ、電波の送信と同時の第1送波タイミング、又は電波の送信と規定時間だけずらされた第2送波タイミングで水中音を送波可能な送波器と、を含む送信側装置と、水中に設けられ、送信側装置の送波器から送波される水中音を受信可能な受波器と、空中に設けられ、送信側装置の送信アンテナから送信される電波を受信可能な受信アンテナと、を含む受信側装置と、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナで受信された時刻と、送波器から送波された水中音が受波器に受信された時刻と、第1又は第2送波タイミングとに基づいて、受信側装置から水中航走体までの距離を算出する距離算出手段と、を備える。そして、複数の送波器の各々から送波される水中音は、互いに異なる周波数に設定され、距離算出部は、受波器によって受信された水中音の周波数に基づいて、複数の水中航走体の中から、受信された水中音の周波数を送波する送波器が設けられている水中航走体を識別するように構成される。このため、距離算出手段は、複数の水中航走体の夫々に対応する距離を正確に測定可することができる。よって、騒音問題や重量及びコストの増大を招くことなく、複数の水中航走体の夫々の距離を正確に測定可能な距離測定システムを実現できる。