(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロッドとスクリューポイントの間で発生する回転負荷(トルク)をトルクセンサによって直接計測できれば、貫入ロッドの回転負荷とロッドの回転負荷とを別々に計測することなく、スクリューポイントの回転負荷を取得できる。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、同軸に配置された2つの部材の間に配置されて当該2つの部材の間に発生する回転負荷を検出できるトルクセンサおよびトルクセンサユニットを提供することにある。また、かかるトルクセンサを搭載する貫入試験機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のトルクセンサは、並列に配置された複数本の棒状の弾性体と、各弾性体の材軸方向の第1方向の第1端部分を保持する第1ホルダと、前記第1ホルダと同軸に配置され、各弾性体の前記第1方向とは反対の第2方向の第2端部分を保持する第2ホルダと、前記第1ホルダと前記第2ホルダとが当該第1ホルダおよび当該第2ホルダの軸線回りに相対回転した相対回転角度を検出する検出器と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明のトルクセンサは、同軸に配置されて弾性体により接続された第1ホルダと第2ホルダを備える。ここで、第1ホルダと第2ホルダを相対回転させたときに弾性体が捩れ
て発生する回転負荷(トルク)と、第1ホルダと第2ホルダとの相対回転角度との関係は、予め試験を行うことにより取得しておくことができる。従って、同軸に配置された一方の部材に第1ホルダを接続して、他方の部材に第2ホルダを接続した状態として、第1ホルダと第2ホルダの相対回転角度を検出すれば、同軸に配置された2つの部材の間で発生するトルクを取得できる。
【0009】
本発明において、前記第1ホルダは、各弾性体の第1端部分が着脱可能に挿入された複数の第1弾性体保持孔を備え、前記第2ホルダは、各弾性体の第2端部分が着脱可能に挿入された複数の第2弾性体保持孔を備える
。従って、第1ホルダと第2ホルダとの間に保持される棒状の弾性体の数を変更することが容易である。また、このようにすれば、各弾性体の第1端部分の第1弾性体保持孔への挿入量や、各弾性体の第2端部分の第2弾性体保持孔への挿入量を調整して、第1ホルダと第2ホルダとの間における弾性体の長さを変更することが容易となる。従って、トルクセンサのダイナミックレンジや感度を容易に変更できる。
【0011】
本発明において、複数の前記第1弾性体保持孔は、前記軸線を中心とする環状に配列されおり、各第2弾性体保持孔は、前記軸線方向から見た場合に、各第1弾性体保持孔と重なる位置に設けられており、各弾性体は、それぞれの材軸方向を前記軸線方向に向けており、複数本の前記弾性体は、前記軸線回りで等角度間隔に配置されている
。従って、弾性体に回転負荷が加わったときに、各弾性体の材軸方向が軸線に対して傾斜している場合と比較して、第1ホルダと第2ホルダの同軸状態が崩れることを抑制できる。また、このようにすれば、弾性体に回転負荷が加わったときに、複数本の弾性体の配置が等角度間隔でない場合と比較して、第1ホルダと第2ホルダの同軸状態が崩れることを抑制できる。従って、第1ホルダと第2ホルダとの間で発生する回転負荷(トルク)を正確に取得できる。
【0012】
本発明において、前記第2ホルダは、前記第2弾性体保持孔を備える第2ホルダ本体部と、前記第2ホルダ本体部から前記軸線に沿って前記第1ホルダの側に延びる軸部と、を備え、前記第1ホルダは、前記軸線と重なる位置に前記軸部を挿通可能な中心孔を備え、前記軸部は、前記中心孔を貫通して前記第1ホルダから前記第2ホルダとは反対側に突出した突出部分を備え、前記検出器は、前記突出部分と前記第1ホルダとの相対回転角度を検出する
。このようにすれば、第2ホルダの突出部分と第1ホルダが近い位置に配置される。従って、検出器を小型化できる。
また、本発明において、前記第2ホルダは、前記軸部および前記第2ホルダ本体部を前記軸線方向に貫通する貫通孔を備える。従って、検出器への給電を行うための給電線や、検出器からの信号を外部に取り出すための信号線を、貫通孔を介して引き回すことができる。この結果、これらの配線を軸線方向のいずれの側にも引き回すことができる。また、貫通孔は、第1ホルダと第2ホルダが相対回転する際の回転中心に近い位置を当該回転中心に沿って設けられる。従って、貫通孔を介して配線を引き回せば、第1ホルダと第2ホルダが相対回転した場合でも配線の変位が少なく、配線の断線を防止できる。
【0013】
本発明において、前記第1端部分は、接着剤により前記第1ホルダに固定され、前記第2端部分は、接着剤により前記第2ホルダに固定されていることが望ましい。このようにすれば、第1ホルダと第2ホルダの間に保持する弾性体の数や弾性体の長さ調整した後に、各弾性体を各ホルダに固定することが容易である。また、接着剤によって各弾性体を各ホルダに固定しておけば、第1ホルダと第2ホルダとの間で発生する回転負荷によって各
弾性体が第1ホルダや第2ホルダから外れることを防止できる。さらに、接着剤によって各弾性体を各ホルダに固定しておけば、各弾性体が自己の軸線回り(材軸回り)に回転することがないので、各弾性体と各ホルダとの間に生じる摩擦がトルクの計測に及ぼす影響を排除或いは抑制できる。また、接着剤を用いて各弾性体を各ホルダに固定すれば、各弾性体の太さを、各弾性体が各第1弾性体保持孔および各第2弾性体保持孔に挿入可能な範囲で変更できる。これにより、トルクセンサのダイナミックレンジや感度を容易に変更できる。ここで、接着剤として金属を用いることができる。すなわち、各弾性体は、ロウ付けにより各ホルダに固定されるものとすることができる。
【0014】
本発明において、前記第1ホルダと前記第2ホルダとが相対回転する回転角度範囲を所定の回転角度範囲に規制する回転規制機構を備えることが望ましい。このようにすれば、第1ホルダと第2ホルダの間に発生する回転負荷によって弾性体が塑性変形してしまうことを防止できる。
【0015】
本発明において、第1ホルダと第2ホルダの相対回転角度を検出するためには、前記検出器は、前記軸部または前記第1ホルダの一方に取り付けたマグネットと、他方に取り付けられて前記マグネットの磁界を検出する磁気センサと、を備えることが望ましい。
【0016】
また、本発明において、前記検出器は、前記第1ホルダに取り付けた第1マグネットと、前記軸部に取り付けた第2マグネットと、前記軸部および前記第1ホルダから外周側に離間する位置に配置した磁気センサユニットを備え、前記磁気センサユニットは、前記第1マグネットの磁界を検出する第1磁気センサと、前記第2マグネットの磁界を検出する第2磁気センサと、を備えるものとすることができる。このようにすれば、トルクセンサが軸線回りで回転する回転動作中に、第1ホルダと第2ホルダの相対回転角度を検出できる。
【0017】
次に、本発明のトルクセンサユニットは、第1トルクセンサと、第2トルクセンサと、を有し、前記第1トルクセンサおよび第2トルクセンサは、それぞれ上記のトルクセンサであり、前記第1トルクセンサの第1ホルダまたは前記第2ホルダは、前記第2トルクセンサの第1ホルダまたは第2ホルダに相対回転不能な状態で同軸に接続されていることを特徴とする。
【0018】
本発明のトルクセンサユニットは、2つのトルクセンサを同軸に接続したものである。このようなトルクセンサユニットを、同軸に配置された第1部材と第2部材の間に配置するとともに、第1トルクセンサの第1ホルダおよび第2ホルダのうち第2トルクセンサに接続されていない側のホルダを第1部材に接続し、第2トルクセンサの第1ホルダおよび第2ホルダのうち第1トルクセンサに接続されていない側のホルダを第2部材に接続すれば、第1トルクセンサの検出器からの信号および第2トルクセンサからの第2信号に基づいて、第1部材と第2部材との間で発生する回転負荷を取得できる。
【0019】
この場合において、前記第1トルクセンサが備える前記弾性体の本数と前記第2トルクセンサが備える前記弾性体の本数とは、異なるものとすることができる。このようにすれば、トルクセンサユニットのダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0020】
次に、本発明の貫入試験機は、ロッドと、前記ロッドの先端側に配置されたスクリューポイントと、上記のトルクセンサと、を有し、前記トルクセンサは、前記ロッドと前記スクリューポイントとの間に配置され、前記トルクセンサにおける前記第1ホルダおよび前記第2ホルダのいずれか一方は前記ロッドに相対回転不能に接続され、他方は前記スクリューポイントに相対回転不能に接続されていることを特徴とする。
【0021】
本発明の貫入試験機では、ロッドとスクリューポイントの間にトルクセンサが配置されている。従って、トルクセンサはロッドとスクリューポイントとの間で発生する回転負荷
(スクリューポイントの回転負荷)を検出できる。よって、ロッドとスクリューポイントとからなる貫入ロッドの回転負荷とロッドの回転負荷とを別々に計測して、貫入ロッドの回転負荷からロッドの回転負荷を差し引くなどの作業を行うことなく、スクリューポイントの回転負荷を取得できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態の貫入試験機およびトルクセンサを説明する。
【0024】
(貫入試験機)
図1は本発明を適用した貫入試験機の説明図である。
図1に示す貫入試験機はスウェーデン式サウンディング方法による地盤の調査に用いられる。貫入試験機1は地盤に突き刺す貫入ロッド2を備える。貫入ロッド2は、ロッド5、ロッド5と同軸に配置されたスクリューポイント6、および、ロッド5とスクリューポイント6の間に同軸に配置されてロッド5とスクリューポイント6とを接続するセンサ機構部7を備える。また、図示を省略するが、貫入試験機1は、ロッド5におけるスクリューポイント6とは反対側の端部分に錘とハンドルを備える。なお、貫入試験機1は、ロッド5におけるスクリューポイント6とは反対側の端部分に、貫入ロッド2を地中に貫入させるためのアクチュエーターを備える場合がある。以下では、貫入ロッド2が地盤に突き刺される際の姿勢を基準姿勢とし、ロッド5の位置する側を上下方向Xの上方X1、スクリューポイント6の位置する側を上下方向Xの下方X2として説明する。
【0025】
センサ機構部7は、荷重センサ9、トルクセンサ10およびデータロガー搭載部11を備える。本例では、荷重センサ9、トルクセンサ10およびデータロガー搭載部11は、上方X1から下方X2に向かってこの順に配置されている。
【0026】
荷重センサ9はロッド5の下端部分に回転不能に接続されている。トルクセンサ10は荷重センサ9を介してロッド5に接続されている。また、トルクセンサ10はデータロガー搭載部11を介してスクリューポイント6に接続されている。データロガー搭載部11は、荷重センサ9およびトルクセンサ10に電気的に接続されたデータロガー14を備える。データロガー14は、荷重センサ9からの信号およびトルクセンサ10からの信号を時系列に記憶保持する。また、データロガー搭載部11は荷重センサ9およびトルクセンサ10に電力を供給する電池15を備える。
【0027】
(トルクセンサ)
図2はトルクセンサ10の外観斜視図である。
図2はケースを取り除いたトルクセンサ10の外観斜視図である。
図3は第1筒状部材および第2筒状部材を取り除いたトルクセ
ンサ10の斜視図である。
図4は第1筒状部材および第2筒状部材を取り除いたトルクセンサ10の縦断面図である。
図2に示すように、トルクセンサ10は、筒状のケース17と、ケース17の内周側に配置されたセンサ本体23を備える。ケース17の上端部分とセンサ本体23との間には第1Oリング18が介在する。ケース17の下端部分とセンサ本体23の間には第2Oリング19が介在する。第1Oリング18および第2Oリング19はケース17の内周側に異物が侵入することを防止する。
【0028】
また、
図3に示すように、ケース17とセンサ本体23の間には、第1筒状部材21および第2筒状部材22が介在する。第1筒状部材21および第2筒状部材22は、第1Oリング18と第2Oリング19の間において、上下に同軸に配置されている。
【0029】
図4に示すように、センサ本体23は、並列に配置された棒状の4本の弾性体25と、各弾性体25の上端部分(第1端部分)25aを保持する第1ホルダ26と、各弾性体25の下端部分(第2端部分)25bを保持する第2ホルダ27と、検出器28を備える。第1ホルダ26と第2ホルダ27は同軸に配置されている。各弾性体25は材軸方向を軸線L方向に向けている。
図2に示すように、第1Oリング18は第1ホルダ26の外周面に装着されている。第2Oリング19は第2ホルダ27の外周面に装着されている。
【0030】
図3に示すように、第1筒状部材21は、その上端部分が第1ホルダ26の下側部分に回転不能に固定されている。第1筒状部材21の下端縁には、下方X2に突出する複数の突出部21aが設けられている。複数の突出部21aは等角度間隔で設けられており、各突出部21aの周方向における幅寸法は同一である。
【0031】
第2筒状部材22は、その下端部分が第2ホルダ27の上側部分に回転不能に固定されている。第2筒状部材22の上端縁には、下方X2に窪む複数の凹部22aが設けられている。凹部22aの数は第1筒状部材21の突出部21aの数と同一である。複数の凹部22aは等角度間隔で設けられており、各凹部22aの周方向における幅寸法は同一である。各凹部22aの幅寸法は突出部21aの幅寸法よりも長く、各凹部22aには、上方X1から突出部21aが挿入されている。第2筒状部材22における凹部22aの周方向の縁と第1筒状部材21の突出部21aとの間には、所定の間隔の隙間Gが形成されている。
【0032】
図4に示すように、第1ホルダ26は円環状であり、一定の厚さを備える。第1ホルダ26の外周面には雄ネジ29が設けられている。第1ホルダ26はステンレス鋼製である。第1ホルダ26の下面26a(第1ホルダ26の第2ホルダ27の側を向く環状端面)には、各弾性体25を保持するための第1弾性体保持孔31が、複数、形成されている。各第1弾性体保持孔31は軸線Lと平行な方向に窪む。複数の第1弾性体保持孔31は互いに同一の直径および同一の深さ寸法を備える。また、複数の第1弾性体保持孔31は、軸線L回りで等角度間隔に設けられている。本例では、第1ホルダ26は8つの第1弾性体保持孔31を備える。
【0033】
第2ホルダ27は、円環状のホルダ本体部材33と、ホルダ本体部材33の中心孔に固定された軸部材34を備える。
【0034】
ホルダ本体部材33は、ステンレス鋼製であり、一定の厚さを備える。ホルダ本体部材33の外周面には雄ネジ36が設けられている。ホルダ本体部材33の上面33a(第1ホルダ26の側を向く環状端面)には、各弾性体25を保持するための第2弾性体保持孔37が、複数、形成されている。各第2弾性体保持孔37は軸線Lと平行な方向に窪む。複数の第2弾性体保持孔37は互いに同一の直径および同一の深さ寸法を備える。また、複数の第2弾性体保持孔37は軸線L回りで等角度間隔に設けられている。ここで、第2
弾性体保持孔37の形状は第1ホルダ26の第1弾性体保持孔31の形状と同一である。また、ホルダ本体部材33は第1弾性体保持孔31と同数の第2弾性体保持孔37を備える。従って、ホルダ本体部材33は8つの第2弾性体保持孔37を備える。
【0035】
軸部材34は真鍮製のパイプである。従って、軸部材34は貫通孔38を備える。軸部材34は、その下端部分がホルダ本体部材33の中心孔33bを貫通した状態でホルダ本体部材33に固定され、ホルダ本体部材33と一体とされている。
【0036】
これにより、第2ホルダ27は、
図5に示すように、ホルダ本体部材33と軸部材34においてホルダ本体部材33に挿入されている挿入部分とからなる第2ホルダ本体部40と、軸部材34においてホルダ本体部材33から上方X1に突出する突出部分からなる軸部41と、軸部材34においてホルダ本体部材33から下方X2に突出する突出部分からなる突部42を備える。軸部41および突部42は軸線Lに沿って延びる。また、第2ホルダ27は、軸部41、第2ホルダ本体部40および突部42を軸線L方向に貫通する貫通孔38を備える。第2ホルダ本体部40の上面33aは複数の第2弾性体保持孔37を備える。
【0037】
第2ホルダ27の軸部41は、第1ホルダ26の中心孔26bを下方X2から上方X1に貫通して延びる。従って、軸部41は、第1ホルダ26から第2ホルダ27とは反対側(上方X1)に突出した突出部分41aを備える。ここで、第1ホルダ26の中心孔26bの内径は軸部41の外径よりも大きい。また、第1ホルダ26と軸部41は同軸である。従って、第1ホルダ26の中心孔26bを貫通する軸部41は第1ホルダ26と接触していない。また、軸線L方向から第1ホルダ26と第2ホルダ27とを見た場合には、第1ホルダ26の各第1弾性体保持孔31と第2ホルダ27の各第2弾性体保持孔37は重なる位置にある。
【0038】
4本の弾性体25のそれぞれは、ピアノ線、硬鋼線などのバネ鋼からなる。弾性体25は第1弾性体保持孔31および第2弾性体保持孔37に挿入可能な太さを備える。各弾性体25の上端部分25aは、第1ホルダ26の第1弾性体保持孔31に挿入されている。各弾性体25の下端部分25bは、第2ホルダ27の第2弾性体保持孔37に挿入されている。
【0039】
本例では、第1ホルダ26と第2ホルダ27の間に4本の弾性体25が保持されている。これに対して、第1ホルダ26は8つの第1弾性体保持孔31を備え、第2ホルダ27は8つの第2弾性体保持孔37を備える。従って、各弾性体25の上端部分25aは、8つの第1弾性体保持孔31のうちの一つおきの4つの第1弾性体保持孔31に挿入されている。また、各弾性体25の下端部分25bは、8つの第2弾性体保持孔37のうちの一つおきの4つの第2弾性体保持孔37に挿入されている(
図4参照)。これにより、並列に配列された4本の弾性体25は軸線L回りで等角度間隔に配置されている。
【0040】
また、本例では、
図5に示すように、各弾性体25の上端部分25aは第1弾性体保持孔31に嵌合する太さを備える。各弾性体25の下端部分25bは第2弾性体保持孔37に嵌合する太さを備える。そして、各弾性体25の上端部分25aは第1弾性体保持孔31の底(上面)に当接するまで挿入されている。各弾性体25の下端部分25bは、第2弾性体保持孔37の底(下面)に当接するまで挿入されている。さらに、各弾性体25の上端部分25aは接着剤によって第1ホルダ26に固定され、各弾性体25の下端部分25bは接着剤によって第2ホルダ27に固定されている。本例では、接着剤は、金属である。すなわち、各弾性体25の上端部分25aはロウ付けにより、第1ホルダ26に接着固定されている。また、各弾性体25の下端部分25bはロウ付けにより、第2ホルダ27に接着固定されている。なお、接着剤は省略することもできる。
【0041】
次に、検出器28は、第1ホルダ26に取り付けられたマグネット45と、軸部41の突出部分41aに取り付けられた磁気センサユニット46を備える。マグネット45は、第1ホルダ26の上面26cにおける外周縁部分に固定されている。マグネット45は周方向に分極着磁されている。
【0042】
磁気センサユニット46は半径方向に延びる板状の固定部材49を介して突出部分41aに取り付けられている。磁気センサユニット46は、磁気センサ47と演算部48を備える。磁気センサ47は、例えば、ホール素子を備える。磁気センサ47は、狭い隙間を開けてマグネット45と対向しており、第1ホルダ26と第2ホルダ27(軸部41)とが相対回転したときに、これらの相対回転角度に対応する信号を出力する。演算部48は、磁気センサ47からの信号に基づいて第1ホルダ26と第2ホルダ27の間で発生した回転負荷(トルク)を取得する。ここで、第1ホルダ26と第2ホルダ27を相対回転させたときに各弾性体25が捩じれて発生する回転負荷(トルク)と、第1ホルダ26と第2ホルダ27との相対回転角度との関係は、予め試験を行うことにより取得しておくことができる。従って、演算部48は、第1ホルダ26と第2ホルダ27の相対回転角度に対応する信号に基づいてトルクを算出して取得できる。
【0043】
磁気センサユニット46には、当該磁気センサユニット46に給電を行うための給電線46aと、当該磁気センサユニット46からの信号を外部に取り出すための信号線46bが接続されている。給電線46aおよび信号線46bは第2ホルダ27(軸部41、第2ホルダ本体部40および突部42)を貫通する貫通孔38を介して第2ホルダ27の下方X2(第1ホルダ26とは反対側)に引き出され、データロガー搭載部11に達する。給電線46aは電池15に接続され、信号線46bはデータロガー14に接続される。
【0044】
(荷重センサ)
次に、
図6および
図7を参照して荷重センサ9を説明する。
図6(a)は荷重センサ9の斜視図であり、
図6(b)は荷重センサ9の分解斜視図である。
図7は荷重センサ9の縦断面図である。荷重センサ9は、筒状部材61と、軸線L方向に移動可能な状態で筒状部材61に挿入された可動部材62を備える。また、荷重センサ9は、筒状部材61に挿入されたバネ部材63と、筒状部材61の内側に配置された検出器64と、筒状部材61の上端開口縁に固定された環状のストッパ部材65を備える。ストッパ部材65の内周面にはOリング59が取り付けられている。検出器64はマグネット66と磁気センサユニット67を備える。
【0045】
図6(b)に示すように、可動部材62は、上方X1から下方X2に向かって上側小径部分70と、上側小径部分70よりも大径の大径部分71と、大径部分71よりも小径の下側小径部分72とを備える。
図6(a)に示すように、上側小径部分70はストッパ部材65の中心孔を貫通して上方X1に延びる。上側小径部分70とストッパ部材65との間にはOリング59が介在する。
【0046】
上側小径部分70はロッド5への接続部であり、その外周面の上端部分には雄ネジ70aが設けられている。大径部分71の外周面にはスプライン68が設けられている。下側小径部分72にはステー73を介してマグネット66が取り付けられている。
【0047】
ここで、ロッド5の下端部分には上側小径部分70を挿入可能な凹部5aが設けられている。凹部5aの内周面には雄ネジ70aと螺合する雌ネジ5bが形成されている。可動部材62は、上側小径部分70がロッド5の凹部5aに捩じ込まれることにより、ロッド5に相対回転不能に接続される。
【0048】
筒状部材61の下側部分の内側には筒部材75が保持されている。筒部材75の環状上端面には環状部材76が載置されている。環状部材76にはコイル状のバネ部材63が載置されている。バネ部材63の中心孔および環状部材76の中心孔には可動部材62の下側小径部分72が貫通する。バネ部材63の上端は可動部材62の大径部分71に下方X2から当接する。
【0049】
バネ部材63は可動部材62をストッパ部材65に付勢する。すなわち、バネ部材63は、可動部材62を上方X1に付勢して、その大径部分71がストッパ部材65に当接する原点位置62Aに配置する。可動部材62が原点位置62Aに配置された状態では、上側小径部分70の上側部分がストッパ部材65から上方X1に所定寸法だけ突出する(
図6(a)および
図7参照)。
【0050】
筒部材75の内周側には磁気センサユニット67が配置されている。磁気センサユニット67は、磁気センサ77と演算部78を備える。磁気センサ77は、例えば、ホール素子を備える。磁気センサ77は、狭い隙間を開けてマグネット66と対向しており、可動部材62が原点位置62Aから下方X2に移動したときに、その移動距離に対応する信号を出力する。演算部78は、磁気センサ77からの信号に基づいて貫入ロッド2にかかる荷重を取得する。ここで、可動部材62と筒状部材61とが相対移動してバネ部材63を圧縮させる荷重と、可動部材62の原点位置62Aからの移動距離との関係は予め試験を行うことにより取得しておくことができる。従って、検出器64は、可動部材62の移動距離に対応する信号に基づいて、貫入ロッド2にかかる荷重を算出して取得できる。
【0051】
筒状部材61の内周面の上端部分にはスプライン軸受61aが設けられている。筒状部材61の内周面における筒部材75よりも下側の部分には、第1ホルダ26の雄ネジ29と螺合可能な雌ネジ61bが設けられている。トルクセンサ10は、第1ホルダ26の雄ネジ29にリング60を取り付けた状態で、下方X2から筒状部材61に捩じ込まれる。これにより、第1ホルダ26は筒状部材61に相対回転不能に接続される。また、リング60は筒部材75を下方X2から支持する。
【0052】
ここで、可動部材62にはスプライン68が設けられ、可動部材62が挿入される筒状部材61にはスプライン軸受61aが設けられている。従って、可動部材62と筒状部材61とは、上方方向Xに相対移動可能であるが、軸線L回りを一体に回転する。よって、ロッド5の回転は、可動部材62から筒状部材61を介して、トルクセンサ10の第1ホルダ26に伝達される。
【0053】
検出器64には、磁気センサユニット67に電力を供給する給電線67aと当該検出器64からの信号を外部に取り出すための信号線67bとが接続されている。給電線67aおよび信号線67bは、トルクセンサ10を軸線L方向に貫通する貫通孔38を介して、データロガー搭載部11まで引き回される。そして、給電線67aは電池15に接続され、信号線67bはデータロガー14に接続される。
【0054】
データロガー搭載部11は、
図1に示すように、筒状部材79と、筒状部材79の内側に配置されたデータロガー14および電池15を備える。筒状部材79の上端部分の内周面には雌ネジ79aが形成されている。データロガー搭載部11は、筒状部材79の雌ネジ79aをトルクセンサ10の第2ホルダ27の雄ネジ36に螺合させて、第2ホルダ27に回転不能な状態で同軸に固定される。一方、筒状部材79の下端部分はスクリューポイント6に回転不能な状態で同軸に固定される。
【0055】
(地盤調査方法)
地盤の調査では、貫入ロッド2を地盤に突き刺して地中に貫入させる。ここで、貫入ロ
ッド2を地中へ貫入させる間にスクリューポイント6からロッド5の側に向かって軸線L方向にかかる荷重は荷重センサ9により取得されてデータロガー14に記憶保持される。また、貫入ロッド2を地中へ貫入させる間にロッド5とスクリューポイント6との間で発生する回転負荷(スクリューポイント6の回転負荷)は、トルクセンサ10により取得されてデータロガー14に記憶保持される。
【0056】
なお、貫入ロッド2を地中に貫入させたときにロッド5(第1ホルダ26)とスクリューポイント6(第2ホルダ27)との間に想定を超える過剰な回転負荷が発生した場合には、第1ホルダ26に固定された第1筒状部材21の突出部21aと第2ホルダ27に固定された第2筒状部材22の凹部22aの縁とが干渉して、第1ホルダ26と第2ホルダ27のそれ以上の回転を規制する。すなわち、第1筒状部材21と第2筒状部材22とは、第1ホルダ26と第2ホルダ27の回転角度範囲を所定の回転角度範囲に規制する回転規制機構として機能する。より、具体的には、第1ホルダ26の突出部21aと第2ホルダ27の第2筒状部材22の凹部22aの縁とは、第1ホルダ26と第2ホルダ27とが軸線L回りの一方側に隙間Gに対応する回転角度範囲以上に相対回転することを規制する。また、第1ホルダ26の突出部21aと第2ホルダ27の第2筒状部材22の凹部22aの縁とは、第1ホルダ26と第2ホルダ27とが軸線L回りの他方側に隙間Gに対応する回転角度範囲以上に相対回転することを規制する。従って、ロッド5(第1ホルダ26)とスクリューポイント6(第2ホルダ27)との間に想定を超える過剰な回転負荷が発生した場合でも、各弾性体25が塑性変形してしまうことを防止できる。
【0057】
(作用効果)
本例のトルクセンサ10によれば、同軸に配置されたロッド5とスクリューポイント6の間で発生するトルクを取得できる。また、トルクセンサ10では、第1ホルダ26と第2ホルダ27を接続する各弾性体25は、それぞれの材軸方向を軸線L方向に向けており、軸線L回りを等角度間隔に配置されている。従って、弾性体25に回転負荷が加わったときに、各弾性体25の材軸方向が軸線Lに対して傾斜している場合と比較して、第1ホルダ26と第2ホルダ27の同軸状態が崩れることを抑制できる。また、弾性体25に回転負荷が加わったときに、複数本の弾性体25の配置が等角度間隔でない場合と比較して、第1ホルダ26と第2ホルダ27の同軸状態が崩れることを抑制できる。従って、第1ホルダ26と第2ホルダ27との間で発生する回転負荷(トルク)を正確に取得できる。
【0058】
また、検出器28は、第2ホルダ27から第1ホルダ26を貫通して延びる軸部41の突出部分41aと第1ホルダ26との間に設けられて、第1ホルダ26と第2ホルダ27の相対回転角度を検出する。ここで、第2ホルダ27における軸部41の突出部分41aと第1ホルダ26は近い位置に配置されているので、検出器28を小型化できる。
【0059】
さらに、本例では、トルクセンサ10が軸線Lに沿って上下に貫通する貫通孔38を備える。従って、検出器28への給電を行うための給電線46aや検出器28からの信号を外部に取り出すための信号線46bを、貫通孔38を介して、引き回すことができる。また、荷重センサ9の検出器64への給電を行うための給電線67aや検出器64からの信号を外部に取り出すための信号線67bを、軸線L方向で荷重センサ9と直列に接続されたトルクセンサ10の貫通孔38を介して、引き回すことができる。ここで、貫通孔38は、第1ホルダ26と第2ホルダ27が相対回転する際の回転中心に近い位置を当該回転中心に沿って設けられている。従って、貫通孔38を介してこれらの配線(給電線46a、信号線46b、給電線67a、信号線67b)を引き回せば、第1ホルダ26と第2ホルダ27が相対回転した場合でも配線の変位が少なく、配線の断線を防止できる。
【0060】
なお、ロッド5に貫通孔を設けておき、これらの配線(給電線46a、信号線46b、給電線67a、信号線67b)を、貫通孔を介して、ロッド5の上端側に引き出してもよ
い。この場合には、貫入ロッド2を地中に貫入させたときに、地上において、貫入ロッド2にかかる荷重やスクリューポイント6の回転負荷をモニタリングすることができる。
【0061】
また、本例では、弾性体25は、第1ホルダ26の第1弾性体保持孔31と第2ホルダ27の第2弾性体保持孔37に着脱可能に保持される。従って、各弾性体25の上端部分25aの第1弾性体保持孔31への挿入量や、各弾性体25の下端部分25bの第2弾性体保持孔37への挿入量を調整して、第1ホルダ26と第2ホルダ27との間における棒状の弾性体25の長さを変更できる。これにより、トルクセンサ10のダイナミックレンジや感度を容易に変更できる。
【0062】
ここで、各弾性体25の上端部分25aはロウ付けにより第1ホルダ26に固定され、下端部分25bは、ロウ付けにより第2ホルダ27に固定される。従って、第1ホルダ26と第2ホルダ27の間に保持する弾性体25の長さ調整した後に、各弾性体25を各ホルダ26、27に固定することができる。また、ロウ付けによって各弾性体25を各ホルダ26、27に固定しておけば、第1ホルダ26と第2ホルダ27との間で発生する回転負荷によって各弾性体25が第1ホルダ26や第2ホルダ27から外れることを防止できる。さらに、ロウ付けによって各弾性体25を各ホルダ26、27に固定しておけば、各弾性体25が自己の軸線回り(材軸回り)に回転することがないので、各弾性体25と各ホルダ26、27との間に生じる摩擦がトルクの計測に及ぼす影響を排除或いは抑制できる。また、ロウ付けを用いて各弾性体25を各ホルダ26、27に固定すれば、各弾性体25の太さを、各弾性体25が各第1弾性体保持孔31および各第2弾性体保持孔37に挿入可能な範囲で変更できる。これにより、トルクセンサ10のダイナミックレンジや感度を容易に変更できる。
【0063】
なお、金属用の接着材を用いて各弾性体25を各ホルダ26、27に固定してもよい。
【0064】
また、上記の例では、第2ホルダ27の軸部41と第1ホルダ26とは接触していないが、軸部41は第1ホルダ26の中心孔26bの内周面と摺接してもよい。
【0065】
(変形例)
トルクセンサ10では、弾性体25は第1ホルダ26の第1弾性体保持孔31と第2ホルダ27の第2弾性体保持孔37に着脱可能に保持される。従って、
図8に示す変形例1のトルクセンサ10´のように、弾性体25の本数を、第1弾性体保持孔31と第2弾性体保持孔37の数を上限として増減させることができる。これにより、トルクセンサ10のダイナミックレンジや感度を容易に変更できる。
【0066】
(トルクセンサユニット)
次に、上記のトルクセンサ10を複数同軸に連結したトルクセンサユニットを説明する。
図9はトルクセンサユニットの斜視図である。本例のトルクセンサユニット80は、同軸に連結された第1トルクセンサ10Aと第2トルクセンサ10Bとを有する。第1トルクセンサ10Aの第2ホルダ27は、筒状連結部材81を介して、第2トルクセンサ10Bの第1ホルダ26と相対回転不能に接続されている。
【0067】
筒状連結部材81は、その上端部分の内周面に第2ホルダ27の雄ネジ36と螺合可能な雌ネジ82を備え、その下端部分の内周面に第1ホルダ26の雄ネジ29と螺合可能な雌ネジ83を備える。第1トルクセンサ10Aと第2トルクセンサ10Bの連結時には、上側の雌ネジ82が第1トルクセンサ10Aの第2ホルダ27の雄ネジ36と螺合し、下側の雌ネジ83が第2トルクセンサ10Bの第1ホルダ26の雄ネジ29と螺合する。
【0068】
トルクセンサユニット80を用いれば、トルクセンサ10と同様に、同軸に配置された
第1部材85と第2部材86との間で発生する回転負荷(トルク)を測定できる。この場合、第1トルクセンサ10Aの第1ホルダ26を第1部材85に接続し、第2トルクセンサ10Bの第2ホルダ27を第2部材86に接続する。そして、第1トルクセンサ10Aの検出器28からの信号および第2トルクセンサ10Bの検出器28からの第2信号に基づいて、第1部材85と第2部材86との間で発生する回転負荷を取得する。
【0069】
ここで、第1トルクセンサ10Aと第2トルクセンサ10Bとに同一のものを用いた場合には、第1トルクセンサ10Aの第1ホルダ26と第2トルクセンサ10Bの第2ホルダ27との間で発生する回転負荷を、一つのトルクセンサ10を用いて取得する場合と比較して、より精度よく、取得できる。また、第1トルクセンサ10Aが備える弾性体25の本数と第2トルクセンサ10Bが備える弾性体25の本数とを異なるものとすれば、すなわち、第1トルクセンサ10Aと第2トルクセンサ10Bとでダイナミックレンジが相違するものを用いれば、トルクセンサユニット80のダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0070】
なお、第1トルクセンサ10Aの第1ホルダ26と第2トルクセンサ10Bの第1ホルダ26とを筒状連結部材81を用いて相対回転不能に接続してトルクセンサユニットとすることもできる。また、第1トルクセンサ10Aの第2ホルダ27と第2トルクセンサ10Bの第2ホルダ27とを筒状連結部材81を用いて相対回転不能に接続してトルクセンサユニットとすることもできる。
【0071】
(その他の実施の形態)
図10はその他の実施の形態のトルクセンサの説明図である。
図11は
図10のトルクセンサによるトルクの取得方法の説明図である。
図11(a)はトルクセンサを第1ホルダの側から見た場合の平面図であり、
図11(b)はトルクセンサが搭載する磁気センサから出力される信号のグラフである。
【0072】
本例のトルクセンサ90は、同軸に配置された第1部材91と第2部材92の間に配置されて、第1部材91と第2部材92の間で発生する回転負荷(トルク)を計測する。また、本例のトルクセンサ90は、第1部材91と第2部材92が軸線L回りで回転する回転動作中に第1部材91と第2部材92の間で発生する回転負荷(トルク)を計測する。なお、本例のトルクセンサ90は上記のトルクセンサ10と対応する構成を備えるので、対応する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
図10に示すように、トルクセンサ90の第1ホルダ26は第2ホルダ27とは反対側に突出する一対の突部94を備える。一対の突部94は、軸線Lを間に挟んだ両側に設けられており、直径方向で対峙する。また、トルクセンサ90は、軸部41の突出部分41aに固定された固定部材95を備える。固定部材95は、一対の突部94の間を、一対の突部94の対向方向と直交する方向に延びる。周方向において、固定部材95と一方の突部94との間には隙間Gが設けられている。また、周方向において、固定部材95と他方の突部94との間には隙間Gが設けられている。第1ホルダ26は第1部材91に回転不能な状態で同軸に接続される。第2ホルダ27は第2部材92に回転不能な状態で同軸に接続される。
【0074】
検出器100は、第1ホルダ26に取り付けた第1マグネット96と、固定部材95を介して軸部41に取り付けた第2マグネット97と、軸部41および第1ホルダ26から外周側に離間する位置に配置した磁気センサユニット98を備える。第1マグネット96は第1ホルダ26の環状外周面に固定されている。第1マグネット97は周方向に分極着磁されている。第2マグネット97は固定部材95の外周側の端面に固定されている。第2マグネットは周方向に分極着磁されている。
図11(a)に示すように、第1マグネッ
ト96と第2マグネット97とは軸線L回りで角度θだけ離間する角度位置に配置されている。本例では、角度θは90°である。
【0075】
図10に示すように、磁気センサユニット98は、第1マグネット96の磁界を検出する第1磁気センサ101と、第2マグネット97の磁界を検出する第2磁気センサ102と、演算部(不図示)を備える。
【0076】
図11(b)に示すように、第1部材91(第1ホルダ26)と第2部材92(第2ホルダ27)が軸線L回りを回転する回転動作中には、第1磁気センサ101から第1信号S1が出力され、第2磁気センサ102からは第2信号S2が出力される。第1信号S1と第2信号S2は、第1マグネット96と第2マグネット97とが離間する角度θ(90°)だけ位相がずれている。
【0077】
ここで、第1部材91(第1ホルダ26)と第2部材92(第2ホルダ27)との間に回転負荷(トルク)が発生した場合には、第2磁気センサ102から
図11(b)に点線で示す第2信号S2´が出力される。第2信号S2´は、回転負荷(トルク)が発生していない場合の第2信号S2に対して、第1ホルダ26(第1マグネット96)と第2ホルダ27(第2マグネット97)の相対回転角度dθ分だけ位相がずれている。従って、演算部は、第1信号S1と第2信号S2´との位相のずれと、第1信号S1の周期(波長)に基づいて、第1ホルダ26と第2ホルダ27の相対回転角度dθを取得する。また、演算部は、取得した相対回転角度dθに基づいて第1ホルダ26と第2ホルダ27の間で発生している回転負荷(トルク)を取得する。
【0078】
本例においても、上記のトルクセンサ10と同様の作用効果を得ることができる。
【0079】
なお、第1部材91と第2部材92との間に想定を超える過剰な回転負荷が発生した場合には、第1ホルダ26の突部94と第2ホルダ27の軸部41に固定された固定部材95とが干渉して、第1ホルダ26と第2ホルダ27のそれ以上の回転を規制する。すなわち、一対の突部94と固定部材95とは、第1ホルダ26と第2ホルダ27の回転角度範囲を所定の回転角度範囲に規制する回転規制機構として機能する。より、具体的には、第1ホルダの一対の突部94と固定部材95とは、第1ホルダ26と第2ホルダ27とが軸線L回りの一方側に隙間Gに対応する回転角度範囲以上に相対回転することを規制する。また、第1ホルダの一対の突部94と固定部材95とは、第1ホルダ26と第2ホルダ27とが軸線L回りの他方側に隙間Gに対応する回転角度範囲以上に相対回転することを規制する。従って、第1部材91と第2部材92との間に想定を超える過剰な回転負荷が発生した場合でも、各弾性体25が塑性変形することを防止できる。