(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施の形態]
図1は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの概略構成図である。
【0016】
図示するように、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムは、楽曲データのオーディオ信号を再生し出力する複数のワイヤレススピーカ1−a〜1−k(以下、単にワイヤレススピーカ1とも呼ぶ)と、ワイヤレススピーカ1を遠隔操作するコントローラ2と、を備えている。ここで、ワイヤレススピーカ1−a〜1−dは、A号室に設置され、ワイヤレススピーカ1−e、1−fは、B号室に設置され、ワイヤレススピーカ1−g、1−hは、C号室に設置され、そして、ワイヤレススピーカ1−i〜1−kは、D号室に設置されているものとする。
【0017】
ワイヤレススピーカ1は、コントローラ2により設定されたオーディオ信号の出力特性(出力タイミング、出力レベル)およびオーディオ信号出力モード(ステレオモード、2.1チャンネルモード、4チャンネルモード等)に従い、楽曲データのオーディオ信号を再生し出力する。
【0018】
コントローラ2は、同じ部屋に設置されているワイヤレススピーカ1を、同じ楽曲データのオーディオ信号を出力させるワイヤレススピーカ1としてグループ化し、グループに属する各ワイヤレススピーカ1の出力特性および出力モードを設定する。また、コントローラ2は、グループに属する各ワイヤレススピーカ1に再生対象の楽曲データを送信する。
【0019】
図2〜
図4は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの動作を説明するためのフロー図である。ここでは、コントローラ2を携帯するリスナーがA号室に設置されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dの出力特性および出力モードを設定する場合を例にとり説明している。
【0020】
各ワイヤレススピーカ1は、自ワイヤレススピーカ1に付与されたIDを含むビーコン信号を無線により定期的に送信している。コントローラ2は、コントローラ2を携帯するA号室に在室中のリスナーからワイヤレスオーディオシステムの環境設定指示を受け付けると、各ワイヤレススピーカ1から送信されるビーコン信号を受信して、その受信電波強度を検出する(S10)。ここでは、すべてのワイヤレススピーカ1−a〜1−kのビーコン信号が受信され、それらの受信電波強度が検出されたものとする。
【0021】
つぎに、コントローラ2は、ビーコン信号を受信したワイヤレススピーカ1−a〜1−kのそれぞれについて、ワイヤレススピーカ1から出力されたオーディオ信号がコントローラ2(リスナーのリスニング位置)に到達するまでの遅延時間および信号レベルの入出力比を測定する(S11a〜S11k)。具体的には、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1に対して、出力時刻および出力レベルの指定を伴うテスト指示を送信する(S110)。これを受けて、ワイヤレススピーカ1は、所定のオーディオ信号であるテスト信号を、テスト指示にて指定された出力時刻に、テスト指示にて指定された出力レベルで出力する(S111)。コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1から出力されたテスト信号を内蔵のマイクで集音し、このテスト信号のマイクへの入力時刻および入力レベルを検出する。そして、テスト指示で指定した出力時刻とマイクへの入力時刻との差分である遅延時間(入力時刻−出力時刻)を測定するとともに、テスト指示で指定した出力レベルとマイクへの入力レベルとの比率である入出力比(入力レベル/出力レベル)を測定する(S112)。この処理(S110〜S112)を、ビーコン信号を受信したワイヤレススピーカ1−a〜1−kのそれぞれについて、順番に実施する。
【0022】
それから、コントローラ2は、ビーコン信号を受信したワイヤレススピーカ1−a〜1−kの入出力比に基づいて、コントローラ2を携帯するリスナーが在室するA号室に設置されているワイヤレススピーカ1−a〜1−dを特定し、これらのワイヤレススピーカ1−a〜1−dを、同じ楽曲データのオーディオ信号を出力するワイヤレススピーカ1としてグループ化する(S12)。別の部屋(B号室〜D号室)に設置されているワイヤレススピーカ1−e〜1−kからのテスト信号は、壁等を介してコントローラ2のマイクに入力されるため、同じ部屋(A号室)にセットされているワイヤレススピーカ1−a〜1−dからのテスト信号に比べて大きく減衰する。そこで、例えば、最大入出力比を基準比として、この基準比に対する割合(入出力比/基準比)が所定値(例えば0.9)以上となる入出力比のワイヤレススピーカ1を、同じ部屋に設置されているワイヤレススピーカ1としてグループ化する。
【0023】
つぎに、コントローラ2は、グループ化したワイヤレススピーカ1−a〜1−dのテスト信号の遅延時間および入出力比を用いて、これらのワイヤレススピーカ1−a〜1−dの出力特性を決定する(S13)。例えば、最大遅延時間を基準時間とし、各ワイヤレススピーカ1について、遅延時間から基準時間を引算した値(遅延時間−基準時間)を、ワイヤレススピーカ1で再生された楽曲データのオーディオ信号の出力タイミング(出力調整時間)とする。また、最大入出力比を基準比とし、各ワイ
ヤレススピーカ1について、基準比を入出力比で除算した値(基準比/入出力比)にテスト指示で指定した出力レベルを乗じた値を、ワイヤレススピーカ1で再生された楽曲データのオーディオ信号の出力レベルとする。
【0024】
つぎに、コントローラ2は、グループ化したワイヤレススピーカ1−a〜1−dのそれぞれに対して、以上のようにして決定した出力タイミングおよび出力レベルの指定を含む出力調整指示を送信する(S14)。
【0025】
これを受けて、ワイヤレススピーカ1−a〜1−dは、楽曲データのオーディオ信号の出力特性を調整する(S15a〜S15d)。具体的には、再生した楽曲データのオーディオ信号をバッファリングして、出力調整指示で指定されている出力タイミングだけ遅延させてから、出力調整指示で指定されている出力レベルで出力するように調整する。
【0026】
つぎに、コントローラ2は、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dのなかから2つのワイヤレススピーカ1を選択し、これらのワイヤレススピーカ1を第一および第二のワイヤレススピーカに設定する。例えば、ビーコン信号の受信電波強度の高い方から順にワイヤレススピーカ1を2つ選択し、これらを第一および第二のワイヤレススピーカに設定する。ここでは、ビーコン信号の受信電波強度が最も高いワイヤレススピーカ1−aが第一のワイヤレススピーカに設定され、2番目に高いワイヤレススピーカ1−bが第二のワイヤレススピーカに設定されたものとする。コントローラ2は、第一のワイヤレ
ススピーカに設定されたワイヤレススピーカ1−aに対して、第二のワイヤレススピーカに設定されたワイヤレススピーカ1−bのIDの指定を含む電波検出指示を送信する(S16)。
【0027】
第一のワイヤレススピーカ1−aは、コントローラ2から電波検出指示を受信すると、この電波検出指示で指定されている第二のワイヤレススピーカ1−bのIDの指定を含むビーコン信号を受信して、その受信電波強度Wabを検出する(S17)。そして、検出した受信電波強度を含む受信電波情報をコントローラ2に送信する(S18)。
【0028】
コントローラ2は、第一のワイヤレススピーカ1−aから受信電波情報を受信すると、この受信電波情報に含まれている受信電波強度(第一のワイヤレススピーカ1−aで検出された第二のワイヤレススピーカ1−bのビーコン信号の受信電波強度Wab)と、自コントローラ2で検出された第一のワイヤレススピーカ1−aのビーコン信号の受信電波強度Waおよび第二のワイヤレススピーカ1−bのビーコン信号の受信電波強度Wbと、を用いて、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dの設置位置を特定するための基準座標系を決定する(S19)。
【0029】
図5(A)および
図5(B)は、ワイヤレススピーカ1の設置位置を特定するための基準座標系の決定方法を説明するための図である。
【0030】
まず、コントローラ2は、
図5(A)に示すように、自コントローラ2で検出された第一および第二のワイヤレススピーカ1−a、1−bのビーコン信号の受信電波強度の一方(ここでは、第一のワイヤレススピーカ1−aのビーコン信号の受信電波強度Wa)を基準強度Sとする。つぎに、自コントローラ2で検出された第一のワイヤレススピーカ1−aのビーコン信号の受信電波強度Waで基準強度Sを除算し、その結果S/Waを、自コントローラ2と第一のワイヤレススピーカ1−aとの間の距離とする。また、自コントローラ2で検出されたワイヤレススピーカ1−bのビーコン信号の受信電波強度Wbで基準強度Sを除算し、その結果S/Wbを、自コントローラ2と第二のワイヤレススピーカ1−bとの間の距離とする。さらに、第一のワイヤレススピーカ1−aで検出された第二のワイヤレススピーカ1−bのビーコン信号の受信電波強度Wabで基準強度Sを除算し、その結果S/Wabを、第一のワイヤレススピーカ1−aと第二のワイヤレススピーカ1−bとの間の距離とする。そして、コントローラ2および第一のワイヤレススピーカ1−a間の距離S/Waと、コントローラ2および第二のワイヤレススピーカ1−b間の距離S/Wbと、第一のワイヤレススピーカ1−aおよび第二のワイヤレススピーカ1−b間の距離S/Wabとを用いて、コントローラ2、第一のワイヤレススピーカ1−aおよび第二のワイヤレススピーカ1−bの相対的位置を特定し、これらを頂点とする三角形の内角(頂点:コントローラ2の内角α、頂点:第一のワイヤレススピーカ1−aの内角β、頂点:第二のワイヤレススピーカ1−bの内角γ)を求める。
【0031】
つぎに、コントローラ2は、
図5(B)に示すように、自コントローラ2を原点(0,0)に設定する。そして、第一のワイヤレススピーカ1−a側をプラス側として、自コントローラ2と第一のワイヤレススピーカ1−aとを通る直線をY軸に設定することにより、基準座標系(XY直交座標系)を決定する。それから、第一のワイヤレススピーカ1−aの位置を基準座標系上の位置(0,S/Wa)に変換するとともに、第二のワイヤレススピーカ1−bの位置を基準座標系上の位置((S/Wb)sin α,(S/Wb)cos α)に変換する。
【0032】
つぎに、コントローラ2は、以上
のようにして基準座標系を決定したならば、第一のワイヤレ
ススピーカ1−aおよび第二のワイヤレススピーカ1−bのそれぞれに対して、第一および第二のワイヤレススピーカ1−a、1−b以外のグループ化されたワイヤレススピーカ1−c、1−dのIDの指定を含む電波検出指示を送信する(S20)。
【0033】
第一のワイヤレススピーカ1−aは、コントローラ2から電波検出指示を受信すると、この電波検出指示で指定されているワイヤレススピーカ1−cのIDを含むビーコン信号、およびワイヤレススピーカ1−dのIDを含むビーコン信号をそれぞれ受信して、それらの受信電波強度を検出する(S21)。そして、ワイヤレススピーカ1−c、1−d各々のビーコン信号の受信電波強度を含む受信電波情報をコントローラ2に送信する(S22)。
【0034】
同様に、第二のワイヤレススピーカ1−bは、コントローラ2から電波検出指示を受信すると、この電波検出指示で指定されているワイヤレススピーカ1−cのIDを含むビーコン信号、およびワイヤレススピーカ1−dのIDを含むビーコン信号をそれぞれ受信して、それらの受信電波強度を検出する(S23)。そして、ワイヤレススピーカ1−c、1−d各々のビーコン信号の受信電波強度を含む受信電波情報をコントローラ2に送信する(S24)。
【0035】
コントローラ2は、第一のワイヤレススピーカ1−aおよび第二のワイヤレススピーカ1−bから受信電波情報を受信すると、第一のワイヤレススピーカ1−aから受信した受信電波情報に含まれている受信電波強度(第一のワイヤレススピーカ1−aで検出されたワイヤレススピーカ1−c、1−dのビーコン信号の受信電波強度Wac、Wad)と、第二のワイヤレススピーカ1−bから受信した受信電波情報に含まれている受信電波強度(第二のワイヤレススピーカ1−bで検出されたワイヤレススピーカ1−c、1−dのビーコン信号の受信電波強度Wbc、Wbd)と、自コントローラ2で検出されたワイヤレススピーカ1−c、1−dのビーコン信号の受信電波強度Wc、Wdと、自コントローラ2、第一のワイヤレススピーカ1−aおよび第二のワイヤレススピーカ1−b各々の基準座標系上の位置と、に基づいて、ワイヤレススピーカ1−cおよびワイヤレススピーカ1−d各々の基準座標系上の位置を特定する。これにより、グループ化されたすべてのワイヤレススピーカ1−a〜1−dの設置状態を特定する(S25)。
【0036】
図6(A)および
図6(B)は、第一および第二のワイヤレススピーカ以外のグループ化されたワイヤレススピーカ1の位置特定方法を説明するための図である。
【0037】
まず、コントローラ2は、
図6(A)に示すように、基準座標系を決定する際に用いた基準強度Sを、自コントローラ2で検出されたワイヤレススピーカ1−cのビーコン信号の受信電波強度Wcで除算し、その結果S/Wcを、自コントローラ2とワイヤレススピーカ1−cとの間の距離とする。そして、自コントローラ2を中心とし、半径S/Wcの円Rcを求める。また、第一のワイヤレススピーカ1−aで検出されたワイヤレススピーカ1−cのビーコン信号の受信電波強度Wacで基準強度Sを除算し、その結果S/Wacを、第一のワイヤレススピーカ1−aとワイヤレススピーカ1−cとの間の距離とする。そして、第一のワイヤレススピーカ1−aを中心とし、半径S/Wacの円Racを求める。また、第二のワイヤレススピーカ1−bで検出されたワイヤレススピーカ1−cのビーコン信号の受信電波強度Wbcで基準強度Sを除算し、その結果S/Wbcを、第二のワイヤレススピーカ1−bとワイヤレススピーカ1−cとの間の距離とする。そして、第二のワイヤレススピーカ1−bを中心とし、半径S/Wbcの円Rbcを求める。以上のようにして求めた円Rc、円Racおよび円Rbcの交点を求め、この交点をワイヤレススピーカ1−cの基準座標系上の位置とする。
【0038】
つぎに、コントローラ2は、
図6(B)に示すように、自コントローラ2で検出されたワイヤレススピーカ1−dのビーコン信号の受信電波強度Wdで基準強度Sを除算し、その結果S/Wdを、自コントローラ2とワイヤレススピーカ1−dとの距離とする。そして、自コントローラ2を中心とし、半径S/Wdの円Rdを求める。また、第一のワイヤレススピーカ1−aで検出されたワイヤレススピーカ1−dのビーコン信号の受信電波強度Wadで基準強度Sを除算し、その結果S/Wadを、第一のワイヤレススピーカ1−aとワイヤレススピーカ1−dとの間の距離とする。そして、第一のワイヤレススピーカ1−aを中心とし、半径S/Wadの円Radを求める。また、第二のワイヤレススピーカ1−bで検出されたワイヤレススピーカ1−dのビーコン信号の受信電波強度Wbdで基準強度Sを除算し、その結果S/Wbdを、第二のワイヤレススピーカ1−bとワイヤレススピーカ1−dとの間の距離とする。そして、第二のワイヤレススピーカ1−bを中心とし、半径S/Wbdの円Rbdを求める。以上のようにして求めた円Rd、円Radおよび円Rbdの交点を求め、この交点を、ワイヤレススピーカ1−dの基準座標系上の位置とする。
【0039】
つぎに、コントローラ2は、例えば、
図7に示すように、自コントローラ2およびグループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dの設置状態(基準座標系上の位置)を表示画面200に表示して(S26)、自コントローラ2を携帯するユーザからユーザ(コントローラ2)の正面方向Pの指定201を受け付ける。そして、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dの設置状態に、ユーザより受け付けた正面方向Pを反映させる(S27)。これにより、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dのそれぞれがユーザ(コントローラ2)の前後左右のいずれに設置されているか特定される。
図7に示す例では、ワイヤレススピーカ1−aがユーザの後方右側に設置され、ワイヤレススピーカ1−bがユーザの後方左側に設置され、ワイヤレススピーカ1−cがユーザの前方右側に設置され、ワイヤレススピーカ1−dがユーザの前方左側に設置されていることになる。
【0040】
つぎに、コントローラ2は、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dの数、およびユーザの正面方向Pが反映されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dの設置状態に基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dのオーディオ信号出力モードを決定する(S28)。例えば、
図7に示す例では、4チャンネルモードが選択され、ワイヤレススピーカ1−aに後方右側(RR)チャンネルが割り当てられ、ワイヤレススピーカ1−bに後方左側(RL)チャンネルが割り当てられ、ワイヤレススピーカ1−cに前方右側(FR)が割り当てられ、そして、ワイヤレススピーカ1−dに前方左側(FL)が割り当てられることになる。
【0041】
それから、コントローラ2は、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dのそれぞれに、オーディオ信号出力モードおよび担当チャンネルを含む出力モード設定指示を送信する(S29)。これを受けて、グループ化されたワイヤレススピーカ1−a〜1−dのそれぞれは、コントローラ2から受信した出力モード設定指示に従い、オーディオ信号出力モードおよび自身の担当チャンネルを設定する(S30a〜S30d)。
【0042】
つぎに、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムのワイヤレススピーカ1およびコントローラ2の詳細について説明する。
【0043】
まず、ワイヤレススピーカ1について説明する。
【0044】
図8は、ワイヤレススピーカ1の概略機能構成図である。この図に示すワイヤレススピーカ1の機能構成は、例えば、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、Bluetooth(登録商標)等の無線通信装置と、スピーカと、を備えたコンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0045】
図示するように、ワイヤレススピーカ1は、スピーカ部10と、コントローラインターフェース部11と、ビーコン信号送受信部12と、受信電波強度検出部13と、テスト信号再生部14と、楽曲データ再生部15と、出力特性調整部16と、主制御部17と、を備えている。
【0046】
コントローラインターフェース部11は、Bluetooth(登録商標)等の無線によりコントローラ2と通信するためのインターフェースである。
【0047】
ビーコン信号送受信部12は、RSSI(Received Signal Stre
ngth Indicator)等の自ワイヤレススピーカ1に付与されたIDを含むビーコン信号を無線により定期的に送信する。また、主制御部17の指示に従い、主制御部17より通知されたIDを含むビーコン信号を無線により受信する。
【0048】
受信電波強度検出部13は、ビーコン信号送受信部12により受信されたビーコン信号の受信電波強度を検出する。
【0049】
テスト信号再生部14は、主制御部17の指示に従い、主制御部17より通知された出力時刻に、所定のオーディオ信号であるテスト信号を再生して、主制御部17より通知された出力レベルでスピーカ部10から出力する。
【0050】
楽曲データ再生部15は、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2から自ワイヤレススピーカ1のIDを宛先に含む楽曲データを受信する。そして、主制御部17により設定されたオーディオ信号出力モードおよび自ワイヤレススピーカ1の担当チャンネルに従い、この楽曲データのオーディオ信号を再生する。
【0051】
出力特性調整部16は、主制御部17により設定された出力特性に従い、楽曲データ再生部15で再生されたオーディオ信号をスピーカ部10から出力する。具体的には、主制御部17により設定された出力タイミング(出力調整時間)分だけオーディオ信号をバッファリングすることにより、スピーカ部10からのオーディオ信号の出力タイミングを調整する。また、スピーカ部10からのオーディオ信号の出力レベルを、主制御部17により設定された出力レベルに調整する。
【0052】
主制御部17は、ワイヤレススピーカ1の各部10〜16を統括的に制御する。また、主制御部17は、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2より受け付けた指示に従い、テスト信号再生部14にテスト信号を再生させたり、ビーコン信号送受信部12にビーコン信号を受信させたりする。また、楽曲データ再生部15にオーディオ信号出力モードおよび担当チャンネルを設定したり、出力特性調整部16に出力特性(出力タイミング、出力レベル)を設定したりする。
【0053】
図9は、ワイヤレススピーカ1の動作を説明するためのフロー図である。
【0054】
ビーコン信号送受信部12は、定期的に到来するビーコン信号送信タイミングが到来すると(S200でYES)、自ワイヤレススピーカ1のIDを含むビーコン信号を無線により送信する(S201)。
【0055】
主制御部17は、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2からテスト指示を受信すると(S202でYES)、このテスト指示で指定されている出力時刻および出力レベルをテスト信号再生部14に通知する。これを受けて、テスト信号再生部14は、指定された出力時刻にテスト信号を再生し、この再生したテスト信号を指定された出力レベルでスピーカ部10から出力する(S203)。
【0056】
また、主制御部17は、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2から出力調整指示を受信すると(S204でYES)、この出力調整指示で指定されている出力タイミングおよび出力レベルを出力特性調整部16に設定する(S205)。
【0057】
また、主制御部17は、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2から電波検出指示を受信すると(S206でYES)、この電波検出指示で指定されているIDをビーコン信号送受信部12に通知する。これを受けてビーコン信号送受信部12は、このIDを含むビーコン信号を受信する(S207)。そして、受信電波強度検出部13は、ビーコン信号送受信部12で受信されたビーコン信号の受信電波強度を検出し、検出した受信電波強度を主制御部17に通知する(S208)。これを受けて、主制御部17は、受信電波強度検出部13から通知された受信電波強度およびビーコン信号送受信部12に通知したIDを含む受信電波情報を生成する。そして、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2に、この受信電波情報を送信する(S209)。
【0058】
また、主制御部17は、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2から出力モード設定指示を受信すると(S210でYES)、この出力モード設定指示で指定されているオーディオ信号出力モードおよび担当チャンネルを楽曲データ再生部15に設定する(S211)。
【0059】
楽曲データ再生部15は、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2から自ワイヤレススピーカ1のIDを含む再生指示を受信すると(S212でYES)、設定されたオーディオ信号出力モードおよび担当チャンネルに従い、この再生指示に含まれている楽曲データのオーディオ信号を再生する(S213)。そして、出力特性調整部16は、楽曲データ再生部15で再生されたオーディオ信号を、設定された出力タイミング(出力調整時間)分だけバッファリングしてから、設定された出力レベルでスピーカ部10から出力する(S214)。
【0060】
つぎに、コントローラ2について説明する。
【0061】
図10は、コントローラ2の概略機能構成図である。この図に示すコントローラ2の機能構成は、例えば、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、タッチパネル、デイスプレイ、ポインティングデバイス等の入出力装置と、Bluetooth(登録商標)等の無線通信装置と、マイクと、を備えたスマートホン、タブレットPC等の携帯型コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0062】
図示するように、コントローラ2は、マイク部20と、グラフィカルユーザインターフェース部21と、ワイヤレススピーカインターフェース部22と、ビーコン信号受信部23と、測定部24と、テスト指示部25と、出力調整指示部26と、出力モード設定指示部27と、電波検出指示部28と、受信電波強度検出部29と、楽曲データ記憶部30と、再生指示部31と、主制御部32と、を備えている。
【0063】
グラフィカルユーザインターフェース部21は、情報を表示したり、ユーザから各種操作を受け付けたりするためのインターフェースである。
【0064】
ワイヤレススピーカインターフェース部22は、Bluetooth(登録商標)等の無線によりワイヤレススピーカ1と通信するためのインターフェースである。
【0065】
ビーコン信号受信部23は、定期的にワイヤレススピーカ1から送信されるRSSI等のビーコン信号を無線により受信する。
【0066】
測定部24は、ワイヤレススピーカ1から出力されて、マイク部20に入力されたテスト信号の信号特性を測定するものであり、遅延時間測定部240と、入出力比測定部241と、を有する。
【0067】
遅延時間測定部240は、マイク部20に入力されたテスト信号の入力時刻と、主制御部32より通知されたワイヤレススピーカ1からの出力時刻との差分である遅延時間(入力時刻−出力時刻)を測定する。
【0068】
入出力比測定部241は、主制御部32より通知されたワイヤレススピーカ1からのテスト信号の出力レベルと、マイク部20に入力されたテスト信号の入力レベルとの比率である入出力比(入力レベル/出力レベル)を測定する。
【0069】
テスト指示部25は、ワイヤレススピーカインターフェース部22を介してワイヤレススピーカ1に、出力時刻および出力レベルの指定を伴うテスト指示を送信する。
【0070】
出力調整指示部26は、ワイヤレススピーカインターフェース部22を介してワイヤレススピーカ1に、出力タイミングおよび出力レベルの指定を伴う出力調整指示を送信する。
【0071】
出力モード設定指示部27は、ワイヤレススピーカインターフェース部22を介してワイヤレススピーカ1に、オーディオ信号出力モードおよび担当チャンネルの指定を伴う出力モード設定指示を送信する。
【0072】
電波検出指示部28は、ワイヤレススピーカインターフェース部22を介してワイヤレススピーカ1に、受信対象のビーコン信号の発信元となるワイヤレススピーカ1のIDの指定を伴う電波検出指示を送信する。そして、電波検出指示送信先のワイヤレススピーカ1から、ビーコン信号の受信電波強度およびこのビーコン信号の発信元となるワイヤレススピーカ1のIDを含む受信電波情報を受信する。
【0073】
受信電波強度検出部29は、ビーコン信号受信部23により受信されたビーコン信号の受信電波強度を検出し、このビーコン信号に付加されているワイヤレススピーカ1のIDとともに、検出した受信電波強度を主制御部32に通知する。
【0074】
楽曲データ記憶部30には、楽曲データが記憶されている。
【0075】
再生指示部31は、主制御部32より受け取った楽曲データおよびワイヤレススピーカ1のIDを含む再生指示を、ワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する。
【0076】
主制御部32は、コントローラ2の各部20〜31を統括的に制御する。また、主制御部32は、制御対象判断部320と、決定部321と、設置状態判定部322と、出力モード決定部323と、を有する。
【0077】
制御対象判断部320は、ワイヤレススピーカ1各々について、測定部24により測定されたこのワイヤレススピーカ1のテスト信号の入出力比に基づいて、コントローラ2を携帯するユーザが在室中の部屋にこのワイヤレススピーカ1が設置されているか否かを判断する。そして、コントローラ2を携帯するユーザが在室中の部屋に設置されていると判断されたワイヤレススピーカ1を制御対象としてグループ化する。
【0078】
決定部321は、測定部24での測定結果に基づいて制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1のオーディオ信号出力特性を決定するものであり、出力タイミング決定部324と、出力レベル決定部325と、を有する。
【0079】
出力タイミング決定部324は、制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1について測定部24で測定されたテスト信号の遅延時間に基づいて、例えば、これらのワイヤレススピーカ1から出力されたオーディオ信号が同じタイミングでコントローラ2に到達するように、これらのワイヤレススピーカ1各々の出力タイミング(出力調整時間)を決定する。
【0080】
出力レベル決定部325は、制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1について測定部24で測定されたテスト信号の入出力比に基づいて、例えば、これらのワイヤレススピーカ1から出力されたオーディオ信号が同じ音量レベルでコントローラ2に到達するように、これらのワイヤレススピーカ1各々の出力レベルを決定する。
【0081】
設置状態判定部322は、制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態を判定するものであり、基準座標決定部326と、位置特定部327と、を有する。
【0082】
基準座標決定部326は、グループ化されたワイヤレススピーカ1のなかから選択された第一および第二のワイヤレススピーカ1について受信電波強度検出部29で検出されたビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカ1における第二のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度と、に基づいて、コントローラ2、第一および第二のワイヤレススピーカ1の相対位置を特定する。そして、この特定した相対位置に基づいて基準座標系を決定する(
図5参照)。
【0083】
位置特定部327は、グループ化されたワイヤレススピーカ1のうち第一および第二のワイヤレススピーカ1以外のワイヤレススピーカ1について受信電波強度検出部29で検出されたビーコン信号の受信電波強度と、第一および第二のワイヤレススピーカ1におけるグループ内の他のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度と、コントローラ2、第一および第二のワイヤレススピーカ1の基準座標系における位置情報と、に基づいて、第一および第二のワイヤレススピーカ1以外のワイヤレススピーカ1各々の基準座標系上における位置情報を特定する(
図6参照)。
【0084】
出力モード決定部323は、設置状態判定部322により判断されたグループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態、およびグラフィカルユーザインターフェース部21を介してユーザより受け付けたユーザの正面方向(
図7参照)に基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1のオーディオ信号出力モードおよびこれらのワイヤレススピーカ1各々の担当チャンネルを決定する。
【0085】
図11は、コントローラ2の動作を説明するためのフロー図である。
【0086】
まず、主制御部32は、グラフィカルユーザインターフェース部21を介してユーザから楽曲データのオーディオ信号を再生・出力するワイヤレススピーカ1の環境設定指示を受け付けると(S220でYES)、後述のグループ化処理を実施して、自コントローラ2を携帯するユーザが在室中の部屋に設置されているワイヤレススピーカ1を、同じ楽曲データのオーディオ信号を再生・出力するワイヤレススピーカ1としてグループ化する(S221)。つぎに、主制御部32は、後述の出力特性調整処理を実施して、グループ化されたワイヤレススピーカ1各々の出力特性(出力タイミング、出力レベル)を調整する(S222)。それから、主制御部32は、後述の出力モード設定処理を実施して、グループ化されたワイヤレススピーカ1に対するオーディオ信号出力モードおよびこれらのワイヤレススピーカ1各々の担当チャンネルを設定する(S223)。
【0087】
グループ化されたワイヤレススピーカ1の出力特性が調整され、かつオーディオ信号出力モードおよび担当チャンネルが設定された後、主制御部32は、グラフィカルユーザインターフェース部21を介してユーザから楽曲データの指定を伴う再生指示を受け付けると(S224でYES)、この楽曲データを楽曲データ記憶部30から読み出して、グループ化されたワイヤレススピーカ1各々のIDとともに再生指示部31に渡す。これを受けて、再生指示部31は、主制御部32から受け取った楽曲データおよびグループ化されたワイヤレススピーカ1各々のIDを含む再生指示を、ワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S225)。
【0088】
図12は、
図11に示すグループ化処理(S221)を説明するためのフロー図である。
【0089】
まず、主制御部32の制御対象判断部320は、ビーコン信号受信部23により受信されたビーコン信号の受信電波強度を、ビーコン信号に付加されたワイヤレススピーカ1のIDとともに受信電波強度検出部29から取得することにより、自ワイヤレススピーカ1と通信可能なワイヤレススピーカ1を認識する。そして、自ワイヤレススピーカ1と通信可能なワイヤレススピーカ1のなかから未選択のワイヤレススピーカ1をテスト対象として一つ選択する(S2210)。
【0090】
つぎに、制御対象判断部320は、テスト対象に選択されたワイヤレススピーカ1のIDを、予め定められた出力レベルおよび現在時刻から所定時間経過後に設定された出力時刻とともにテスト指示部25に通知するとともに、マイク部20を有効にする。これを受けて、テスト指示部25は、制御対象判断部320より通知されたワイヤレススピーカ1のID、出力時刻および出力レベルの指定を伴うテスト指示を、ワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2211)。これにより、テスト指示で指定されているIDを有するワイヤレススピーカ1は、テスト指示で指定されている出力時刻に、テスト指示で指定されている出力レベルでテスト信号を出力する。そして、このテスト信号がマイク部20に入力される(S2212)。
【0091】
つぎに、測定部24の遅延時間測定部240は、テスト指示で指定されている出力時刻とマイク部20に入力されたテスト信号の入力時刻との差分である遅延時間(入力時刻−出力時刻)を測定し(S2213)、また、測定部24の入出力比測定部241は、テスト指示で指定されている出力レベルとマイク部20に入力されたテスト信号の入力レベルとの比率である入出力比(入力レベル/出力レベル)を測定し(S2214)、これを制御対象判断部320に通知する。これを受けて、制御対象判断部320は、この遅延時間および入出力比を、テスト指示で指定されているワイヤレススピーカ1のIDに対応付けて記憶する。
【0092】
つぎに、制御対象判断部320は、自ワイヤレススピーカ1と通信可能なすべてのワイヤレススピーカ1をテスト対象に選択したか否かを判断する(S2215)。テスト対象に選択していないワイヤレススピーカ1があるならば(S2215でNO)、S2210に戻る。
【0093】
一方、自ワイヤレススピーカ1と通信可能なすべてのワイヤレススピーカ1をテスト対象に選択したならば(S2215でYES)、制御対象判断部320は、入出力比測定部241から受け取った入出力比のなかの最大入出力比を基準比に設定する(S2216)。それから、制御対象判断部320は、入出力比測定部241から受け取った各入出力比の基準比に対する割合(入出力比/基準比)を求め、この割合が所定値(例えば0.9)以上となる入出力比に対応付けられたIDを有するワイヤレススピーカ1をグループ化する(S2217)。その後、
図11に示す出力特性調整処理(S222)に進む。
【0094】
図13は、
図11に示す出力特性調整処理(S222)を説明するためのフロー図である。
【0095】
まず、主制御部32の決定部321の出力タイミング決定部324は、制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1各々について測定部24の遅延時間測定部240により測定された遅延時間(入力時刻−出力時刻)の最大遅延時間を基準時間に設定する(S2220)。また、決定部321の出力レベル決定部325は、グループ化されたワイヤレススピーカ1各々について測定部24の入出力比測定部241により測定された入出力比(出力レベル/入力レベル)の最大入出力比を基準比に設定する(S2221)。
【0096】
つぎに、決定部321は、グループ化されたワイヤレススピーカ1のなかから未選択のワイヤレススピーカ1を調整対象として選択する(S2222)。
【0097】
つぎに、出力タイミング決定部324は、基準時間と、調整対象のワイヤレススピーカ1について遅延時間測定部240により測定された遅延時間との差分(基準時間−遅延時間)を算出し、この差分を調整対象のワイヤレススピーカ1の出力タイミング(出力調整時間)に決定する(S2223)。また、出力レベル決定部325は、調整対象のワイヤレススピーカ1について入出力比測定部241により測定された入出力比で基準比を除算して、この除算した値(基準比/入出力比)にテスト指示で指定した出力レベルを乗じた値を、調整対象のワイヤレススピーカ1の出力レベルに決定する(S2224)。
【0098】
つぎに、決定部321は、グループ化されたワイヤレススピーカ1のなかに調整対象として未選択のワイヤレススピーカ1があるならば(S2225でNO)、S2222に戻る。一方、グループ化されたワイヤレススピーカ1のすべてを調整対象として選択済みならば(S2225でYES)、決定部321は、グループ化されたワイヤレススピーカ1毎に、このワイヤレススピーカ1の出力タイミングおよび出力レベルを、このワイヤレススピーカ1のIDとともに出力調整指示部26に通知する。
【0099】
これを受けて、出力調整指示部26は、グループ化されたワイヤレススピーカ1毎に、このワイヤレススピーカ1のID、出力タイミングおよび出力レベルを含む出力調整指示を生成して、ワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2226)。
【0100】
図14は、
図11に示す出力モード設定処理(S223)を説明するためのフロー図である。
【0101】
まず、主制御部32の設置状態判定部322の基準座標決定部326は、制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1各々について受信電波強度検出部29により検出されたビーコン信号の受信電波強度に基づいて、第一および第二のワイヤレススピーカ1を決定する(S2230)。例えば、最も強い受信電波強度のワイヤレススピーカ1を第一のワイヤレススピーカ1とし、二番目に強い受信電波強度のワイヤレススピーカ1を第二のワイヤレススピーカ1とする。
【0102】
つぎに、基準座標決定部326は、検出主体のIDとして第一のワイヤレ
ススピーカ1のIDおよび検出対象のIDとして第二のワイヤレススピーカのIDを電波検出指示部28に通知する。これを受けて、電波検出指示部28は、第一のワイヤレ
ススピーカ1のIDを検出主体のIDとし、第二のワイヤレススピーカ1のIDを検出対象のIDとする電波検出指示を、ワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2231)。そして、電波検出指示部28は、第一のワイヤレススピーカ1から、第一のワイヤレ
ススピーカ1で検出された第二のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度を含む受信電波情報を受信する(S2232)。
【0103】
つぎに、基準座標決定部326は、受信電波強度検出部29で検出された第一、第二のワイヤレススピーカ1各々のビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカ1から受信した受信電波情報に含まれている受信電波強度(第一のワイヤレ
ススピーカ1で検出された第二のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度)と、に基づいて、
図5を用いて説明した要領により基準座標系を決定して、自コントローラ2および第一、第二のワイヤレススピーカ1の基準座標系上の位置を特定する(S2233)。
【0104】
つぎに、設置状態判定部322の位置特定部327は、グループ化されたワイヤレススピーカ1のなかから第一、第二のワイヤレススピーカ1以外の未選択のワイヤレススピーカ1を設定対象として選択する(S2234)。
【0105】
つぎに、位置特定部327は、検出主のIDとして第一、第二のワイヤレ
ススピーカのIDおよび検出対象のIDとして設定対象のワイヤレススピーカ1のIDを、電波検出指示部28に通知する。これを受けて、電波検出指示部28は、第一、第二のワイヤレ
ススピーカ1のIDを検出主体のIDとし、設定対象のワイヤレススピーカ1のIDを検出対象のIDとする電波検出指示をワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2235)。そして、電波検出指示部28は、第一のワイヤレ
ススピーカ1で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度を含む受信電波情報を第一のワイヤレススピーカ1から受信するとともに、第二のワイヤレ
ススピーカ1で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度を含む受信電波情報を第二のワイヤレススピーカ1から受信する(S2236)。
【0106】
つぎに、位置特定部327は、受信電波強度検出部29で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカ1から受信した受信電波情報に含まれている受信電波強度(第一のワイヤレ
ススピーカ1で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度)と、第二のワイヤレススピーカ1から受信した受信電波情報に含まれている受信電波強度(第二のワイヤレ
ススピーカ1で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1のビーコン信号の受信電波強度)と、自コントローラ2および第一、第二のワイヤレススピーカ1の基準座標系上における位置に基づいて、
図6を用いて説明した要領により、設定対象のワイヤレススピーカ1の基準座標系上の位置を特定する(S2237)。
【0107】
つぎに、位置特定部327は、グループ化されたワイヤレススピーカ1のなかに第一、第二のワイヤレススピーカ1以外で設定対象として未選択のワイヤレススピーカ1があるならば(S2238でNO)、S2234に戻る。一方、グループ化されたワイヤレススピーカ1を第一、第二のワイヤレススピーカ以外すべて設定対象として選択済みならば(S2238でYES)、第一、第二のワイヤレススピーカ1を含むすべてのグループ化されたワイヤレススピーカ1の基準座標系上の位置が特定されたことになる。設置状態判定部322は、自コントローラ2の基準座標系上の位置と、グループ化されたすべてのワイヤレススピーカ1の基準座標系上の位置とに基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態(グループ化されたワイヤレススピーカ1各々の、自コントローラ2に対する相対位置)を判定する(S2239)。そして、判定した設置状態を出力モード決定部323に渡す。
【0108】
出力モード決定部323は、設置状態判定部322から受け取ったグループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態を、グラフィカルユーザインターフェース部21に表示して(
図7参照)、自コントローラ2を携帯するユーザから、ユーザ(コントローラ2)の正面方向の指定を受け付ける(S2240)。
【0109】
つぎに、出力モード決定部323は、グループ化されたワイヤレススピーカの設置状態に、ユーザより受け付けた正面方向を反映させる。これにより、グループ化されたワイヤレススピーカ1のそれぞれがユーザ(コントローラ2)の前後左右のいずれに設置されているかを特定する。
【0110】
つぎに、出力モード決定部323は、グループ化されたワイヤレススピーカ1の数およびユーザの正面方向が反映された設置状態に基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1のオーディオ信号出力モードおよびこれらのワイヤレススピーカ1各々の担当チャンネルを決定する(S2241)。そして、グループ化されたワイヤレススピーカ1のオーディオ信号出力モードおよびこれらのワイヤレススピーカ1各々の担当チャンネルを、これらのワイヤレススピーカ1各々のIDとともに出力モード設定指示部27に通知する。
【0111】
これを受けて、出力モード設定指示部27は、出力モード決定部323より通知されたオーディオ信号出力モードと、グループ化されたワイヤレススピーカ1毎にIDに対応付けられた担当チャネルと、を含み、グループ化された各ワイヤレススピーカ1を送信先とする出力モード設定指示を、ワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2242)。その後、
図11のS224へ進む。
【0112】
以上、本発明の第一実施の形態について説明した。
【0113】
本実施の形態において、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1から出力されたテスト信号をリスナーが携帯する自コントローラ2のマイク部20で集音し、ワイヤレススピーカ1からのテスト信号の出力時刻とマイク部20へのテスト信号の入力時刻との差分である遅延時間を測定する処理を、同じ楽曲データのオーディオ信号を出力する複数のワイヤレススピーカ1各々に対して実施する。そして、各ワイヤレススピーカ1のオーディオ信号の遅延時間に基づいて、各ワイヤレススピーカ1の出力タイミング(出力調整時間)を調整する。したがって、例えば、各ワイヤレススピーカ1から出力されたオーディオ信号が同じタイミングでリスニング位置に到達するように、リスニング位置で最適なオーディオ信号となるよう各ワイヤレススピーカ1を調整することができる。
【0114】
また、本実施の形態において、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1から出力されたテスト信号を、リスナーが携帯する自コントローラ2のマイク部20で集音し、ワイヤレススピーカ1からのテスト信号の出力レベルとマイク部20へのテスト信号の入力レベルとの比率である入出力比を測定する処理を、同じ楽曲データのオーディオ信号を出力する複数のワイヤレススピーカ1各々に対して実施する。そして、各ワイヤレススピーカ1のオーディオ信号の入出力比に基づいて、各ワイヤレススピーカ1の出力レベルを調整する。したがって、例えば、各ワイヤレススピーカ1から出力されたオーディオ信号がリスニング位置で同じレベルとなるように、リスニング位置で最適なオーディオ信号となるよう各ワイヤレススピーカ1を調整することができる。
【0115】
また、本実施の形態において、コントローラ2は、各ワイヤレススピーカ1のオーディオ信号の入出力比に基づいて、ワイヤレススピーカ1を制御対象から除外すべきか否かを判断して、制御対象とすべきワイヤレススピーカ1をグループ化する。そして、グループ化されたワイヤレススピーカ1に対してオーディオ信号の出力調整を実施する。このため、例えば、コントローラ2を携帯するリスナーと同じ部屋に設置されているワイヤレススピーカ1をグループ化して、これらのワイヤレススピーカ1のみを出力調整することができる。
【0116】
また、本実施の形態において、ワイヤレススピーカ1は、自ワイヤレススピーカ1のIDを含むビーコン信号を定期的に送信する。また、コントローラ1から受け付けた電波検出指示に従い、この電波検出指示で指定されているワイヤレススピーカ1のIDを含むビーコン信号を受信して、その受信電波強度を検出し、検出した受信電波強度をコントローラ2に通知する。
【0117】
一方、コントローラ2は、ワイヤレススピーカ1から送信されたビーコン信号を受信して、その受信電波強度を検出する。また、グループ化されたワイヤレススピーカ1のなかから第一、第二のワイヤレススピーカ1を選択し、第二のワイヤレススピーカのIDを含む電波検出指示を第一のワイヤレススピーカ1に送信し、第一のワイヤレススピーカで検出された第二のワイヤレススピーカの受信電波強度を取得する。そして、自コントローラ2で検出された第一、第二のワイヤレススピーカ1各々のビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカ1で検出された第二のワイヤレススピーカ1の受信電波強度と、を用いて、基準座標系を決定して、自コントローラ2、および第一、第二のワイヤレススピーカ1の基準座標系上の位置を特定する。さらに、第一および第二のワイヤレススピーカ1各々に、対象のワイヤレススピーカ1のIDを含む電波検出指示を送信して、第一、第二のワイヤレススピーカ1でそれぞれ検出された対象のワイヤレススピーカ1の受信電波強度を取得する。そして、自コントローラ2および第一、第二のワイヤレススピーカ1でそれぞれ検出された対象のワイヤレススピーカの受信電波強度と、自コントローラ2および第一、第二のワイヤレススピーカ1の基準座標系上の位置と、を用いて、対象のワイヤレススピーカ1の基準座標系上の位置を特定する。この処理を、第一、第二のワイヤレススピーカ1以外のグループ化されたすべてのワイヤレススピーカ1に対して実施することにより、グループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態(自コントローラ2に対する相対位置)を判定し、この設置状態に基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1のオーディオ信号出力モードを決定する。このため、グループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態に応じてこれらのワイヤレススピーカ1に適切なオーディオ信号出力モードを設定することができる。
【0118】
また、本実施の形態において、コントローラ2は、グループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態を表示して、自コントローラ2を携帯するリスナーから正面方向の指定を受け付ける。そして、リスナーの正面方向が反映された、グループ化されたワイヤレススピーカ1の設置状態に基づいて、オーディオ信号出力モードを決定する。これにより、グループ化されたワイヤレススピーカ1のオーディオ信号出力モードをより適切に設定することができる。
【0119】
[第二実施の形態]
本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムは、
図1に示す第一実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムにおいて、ワイヤレススピーカ1−a〜1−kに代えてワイヤレススピーカ1’−a〜1’−k(以下、単にワイヤレススピーカ1’とも呼ぶ)を用いるとともに、コントローラ2に代えてコントローラ2’を用いている。ここで、ワイヤレススピーカ1’は、それぞれ異なる指向を持つ複数の指向性アンテナを有し、ビーコン信号の受信電波強度に加えて、どの指向性アンテナが最も感度よくビーコン信号を受信したかに応じてビーコン信号の受信方向を検知することができる。コントローラ2’は、ワイヤレススピーカ1’と同様、自コントローラ2’のIDを含むビーコン信号を定期的に送信している。
【0120】
図15は、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムの動作を説明するためのフロー図である。ここでは、コントローラ2’を携帯するリスナーがA号室に設置されたワイヤレススピーカ1’−a〜1’−dの出力特性および出力モードを設定する場合を例にとり説明している。
【0121】
まず、
図2および
図3に示すS10〜S15(S15a〜S15d)が実施され、これにより、コントローラ2’を携帯するリスナーと同じA号室に設置されたワイヤレススピーカ1’−a〜1’−dのグループ化、およびグループ化されたワイヤレススピーカ1’−a〜1’−dの出力特性(出力タイミング、出力レベル)が調整される(S40)。
【0122】
つぎに、コントローラ2’は、グループ化されたワイヤレススピーカ1’−a〜1’−dのなかから1つ選択し、このワイヤレススピーカ1’を第一のワイヤレススピーカ1’に設定する。例えば、ビーコン信号の受信電波強度が最大のワイヤレススピーカ1’を選択し、これを第一のワイヤレススピーカ1’に設定する。ここでは、ビーコン信号の受信電波強度が最大のワイヤレススピーカ1’−aが第一のワイヤレススピーカ1’に設定されたものとする。コントローラ2’は、第一のワイヤレ
ススピーカ1’に設定されたワイヤレススピーカ1’−aに対して、自コントローラ2’のIDの指定を含む電波検出指示を送信する(S41)。
【0123】
第一のワイヤレススピーカ1’−aは、コントローラ2’から電波検出指示を受信すると、この電波検出指示で指定されているコントローラ2’のIDの指定を含むビーコン信号を受信して、その受信電波強度および受信方向を検出する(S42)。具体的には、互いに異なる指向を持つ複数の指向性アンテナ各々で受信したビーコン信号の受信電波強度のうち最大の受信電波強度をこのビーコン信号の受信電波強度とし、最大の受信電波強度を受信した指向性アンテナの指向範囲(例えば、左側、中央、右側等)をこのビーコン信号の受信方向とする。そして、第一のワイヤレススピーカ1’−aは、検出した受信電波強度および受信方向を含む受信電波情報をコントローラ2’に送信する(S43)。
【0124】
コントローラ2’は、第一のワイヤレススピーカ1’−aから受信電波情報を受信すると、この受信電波情報に含まれている受信電波強度および受信方向(第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたコントローラ2’のビーコン信号の受信電波強度および受信方向)を用いて、グループ化されたワイヤレススピーカ1’−a〜1’−dの設置位置を特定するための基準座標系を決定する(S44)。
【0125】
図16(A)は、ワイヤレススピーカ1’の設置位置を特定するための基準座標系の決定方法を説明するための図である。
【0126】
図示するように、コントローラ2’は、自コントローラ2’で検出された第一のワイヤレススピーカ1’−aのビーコン信号あるいは第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出された自コントローラ2’の ビーコン信号の受信電波強度Waを基準強度Sとする。つぎに、自コントローラ2’で検出された第一のワイヤレススピーカ1’−aのビーコン信号あるいは第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出された自コントローラ2’のビーコン信号の受信電波強度Waで基準強度Sを除算し、その結果S/Waを、自コントローラ2’とワイヤレススピーカ1’−aとの間の距離とする。
【0127】
つぎに、コントローラ2’は、自コントローラ2’を原点(0,0)に設定して、原点を中心とする半径S/Waの円上の任意の点を第一のワイヤレススピーカ1’−aの位置に設定する。そして、第一のワイヤレススピーカ1’−a側をプラス側として、自コントローラ2’と第一のワイヤレススピーカ1’−aとを通る直線をY軸に設定することにより、基準座標系(XY直交座標系)を決定する。それから、第一のワイヤレススピーカ1’−aの位置を基準座標系上の位置(0,S/Wa)に変換する。また、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出された自コントローラ2’の ビーコン信号の受信方向を、第一のワイヤレススピーカ1’−aから自コントローラ2’に向かう方向(−Y方向)とする。
【0128】
つぎに、コントローラ2は、以上にようにして基準座標系を決定したならば、第一のワイヤレ
ススピーカに設定されたワイヤレススピーカ1’−aに対して、第一のワイヤレススピーカ1’−a以外のグループ化されたワイヤレススピーカ1’−b〜1’−dのIDの指定を含む電波検出指示を送信する(S45)。
【0129】
第一のワイヤレススピーカ1’−aは、コントローラ2’から電波検出指示を受信すると、この電波検出指示で指定されているワイヤレススピーカ1’−bのIDを含むビーコン信号、ワイヤレススピーカ1’−cのIDを含むビーコン信号、およびワイヤレススピーカ1’−dのIDを含むビーコン信号をそれぞれ受信して、それらの受信電波強度および受信方向を検出する(S46)。そして、ワイヤレススピーカ1’−b〜1’−d各々のビーコン信号の受信電波強度および受信方向を含む受信電波情報をコントローラ2’に送信する(S47)。
【0130】
コントローラ2’は、第一のワイヤレススピーカ1’−aから受信電波情報を受信すると、第一のワイヤレススピーカ1’−aから受信した受信電波情報に含まれているビーコン信号の受信電波強度および受信方向(第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたワイヤレススピーカ1’−b〜1’−dのビーコン信号の受信電波強度および受信方向)と、自コントローラ2’で検出されたワイヤレススピーカ1’−b〜1’−dのビーコン信号の受信電波強度と、自コントローラ2’および第一のワイヤレススピーカ1’−aの基準座標系上の位置と、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出された自コントローラ2’の ビーコン信号の受信方向と、に基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1’−b〜1’−d各々の基準座標系上の位置を特定する。これにより、グループ化されたすべてのワイヤレススピーカ1’−a〜1’−dの設置状態を特定する(S48)。
【0131】
図16(B)、
図17(A)および
図17(B)は、第一のワイヤレススピーカ1’−a以外の、グループ化されたワイヤレススピーカ1’の位置特定方法を説明するための図である。
【0132】
まず、コントローラ2’は、
図16(B)に示すように、基準座標系を決定する際に用いた基準強度Sを、自コントローラ2’で検出されたワイヤレススピーカ1’−bのビーコン信号の受信電波強度Wbで除算し、その結果S/Wbを、自コントローラ2’とワイヤレススピーカ1’−bとの間の距離とする。そして、自コントローラ2’を中心とし、半径S/Wbの円Rbを求める。また、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたワイヤレススピーカ1’−bのビーコン信号の受信電波強度Wabで基準強度Sを除算し、その結果S/Wabを、第一のワイヤレススピーカ1’−aとワイヤレススピーカ1’−bとの間の距離とする。そして、第一のワイヤレススピーカ1’−aを中心とし、半径S/Wabの円Rabを求める。つぎに、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたワイヤレススピーカ1’−bのビーコン信号の受信方向と、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出された自コントローラ2’のビーコン信号の受信方向と、を比較し、第一のワイヤレススピーカ1’−aからみてワイヤレススピーカ1’−bが自コントローラ2’に対して左右いずれの側にあるかを判断する。ここでは、左側にあると判断したものとする。それから、コントローラ2’は、円Rbおよび円Rabの2つの交点のうち、第一のワイヤレススピーカ1’−aからみて自コントローラ2’の左側にある交点を求め、この交点をワイヤレススピーカ1’−bの基準座標系上の位置とする。
【0133】
つぎに、コントローラ2’は、
図17(A)に示すように、基準座標系を決定する際に用いた基準強度Sを、自コントローラ2’で検出されたワイヤレススピーカ1’−cのビーコン信号の受信電波強度Wcで除算し、その結果S/Wcを、自コントローラ2’とワイヤレススピーカ1’−cとの間の距離とする。そして、自コントローラ2’を中心とし、半径S/Wcの円Rcを求める。また、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたワイヤレススピーカ1’−cのビーコン信号の受信電波強度Wacで基準強度Sを除算し、その結果S/Wacを、第一のワイヤレススピーカ1’−aとワイヤレススピーカ1’−cとの間の距離とする。そして、第一のワイヤレススピーカ1’−aを中心とし、半径S/Wacの円Racを求める。つぎに、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたワイヤレススピーカ1’−cのビーコン信号の受信方向と、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出された自コントローラ2’のビーコン信号の受信方向と、を比較し、第一のワイヤレススピーカ1’−aからみてワイヤレススピーカ1’−cが自コントローラ2’に対して左右いずれの側にあるかを判断する。ここでは、右側にあると判断したものとする。それから、コントローラ2’は、円Rcおよび円Racの2つの交点のうち、第一のワイヤレススピーカ1’−aからみて自コントローラ2’の右側にある交点を求め、この交点をワイヤレススピーカ1’−cの基準座標系上の位置とする。
【0134】
つぎに、コントローラ2’は、
図17(B)に示すように、基準座標系を決定する際に用いた基準強度Sを、自コントローラ2’で検出されたワイヤレススピーカ1’−dのビーコン信号の受信電波強度Wdで除算し、その結果S/Wdを、自コントローラ2’とワイヤレススピーカ1’−dとの間の距離とする。そして、自コントローラ2’を中心とし、半径S/Wdの円Rdを求める。また、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたワイヤレススピーカ1’−dのビーコン信号の受信電波強度Wadで基準強度Sを除算し、その結果S/Wadを、第一のワイヤレススピーカ1’−aとワイヤレススピーカ1’−dとの間の距離とする。そして、第一のワイヤレススピーカ1’−aを中心とし、半径S/Wadの円Radを求める。つぎに、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出されたワイヤレススピーカ1’−dのビーコン信号の受信方向と、第一のワイヤレススピーカ1’−aで検出された自コントローラ2’のビーコン信号の受信方向と、を比較し、第一のワイヤレススピーカ1’−aからみてワイヤレススピーカ1’−dが自コントローラ2’に対して左右いずれの側にあるかを判断する。ここでは、右側にあると判断したものとする。それから、コントローラ2’は、円Rdおよび円Radの2つの交点のうち、第一のワイヤレススピーカ1’−aからみて自コントローラ2’の右側にある交点を求め、この交点をワイヤレススピーカ1’−dの基準座標系上の位置とする。
【0135】
それから、
図4に示すS26〜S30(S30a〜S30d)が実施され、これにより、コントローラ2’を携帯するリスナーと同じA号室に設置されたワイヤレススピーカ1’−a〜1’−dのオーディオ信号出力モードおよびこれらのワイヤレススピーカ1’−a〜1’−d各々の担当チャンネルが設定される(S49)。
【0136】
つぎに、本実施の形態に係るワイヤレスオーディオシステムのワイヤレススピーカ1’およびコントローラ2’の詳細について説明する。
【0137】
まず、ワイヤレススピーカ1’について説明する。
【0138】
図18は、ワイヤレススピーカ1’の概略機能構成図である。この図に示すワイヤレススピーカ1’の機能構成は、例えば、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、Bluetooth(登録商標)等の無線通信装置と、スピーカと、を備えたコンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0139】
本実施の形態に係るワイヤレススピーカ1’が
図8に示す第一実施の形態に係るワイヤレススピーカ1と異なる点は、ビーコン信号送受信部12に代えてビーコン信号送受信部12’を用いた点、および受信電波強度検出部13に代えて受信電波強度・方向検出部13’を用いた点である。その他の構成は、
図8に示す第一実施の形態に係るワイヤレススピーカ1と同様である。
【0140】
ビーコン信号送受信部12’は、それぞれ異なる指向を持つ複数の指向性アンテナを有し、これらの指向性アンテナを用いて、RSSI等の自ワイヤレススピーカ1’に付与されたIDを含むビーコン信号を送信する。また、主制御部17の指示に従い、主制御部17より通知されたIDを含むビーコン信号を受信する。
【0141】
受信電波強度・方向検出部13’は、ビーコン信号送受信部12’が有する複数の指向性アンテナのなかで、最も感度よくビーコン信号を受信した指向性アンテナを特定する。そして、特定した指向性アンテナで受信したビーコン信号の受信電波強度を検出するともに、この指向性アンテナの指向範囲(例えば、左側、中央、右側等)をビーコン信号の受信方向として検出する。
【0142】
本実施の形態に係るワイヤレススピーカ1’の動作は、
図9に示す第一実施の形態に係るワイヤレススピーカ1の動作と基本的に同じである。ただし、S207〜S209での処理が異なる。すなわち、S207において、ビーコン信号送受信部12’は、それぞれ異なる指向を持つ複数の指向性アンテナを用いて、主制御部17から通知されたIDを含むビーコン信号を受信し、S208において、受信電波強度・方向検出部13’は、ビーコン信号送受信部12’が有する複数の指向性アンテナのなかで、最も感度よくビーコン信号を受信した指向性アンテナを特定し、この指向性アンテナで受信したビーコン信号の受信電波強度を検出するともに、この指向性アンテナの指向範囲をビーコン信号の受信方向として検出する。そして、S209において、主制御部17は、受信電波強度・方向検出部13’で検出された受信電波強度および受信方向と、ビーコン信号送受信部12’に通知したIDと、を含む受信電波情報を生成し、コントローラインターフェース部11を介してコントローラ2’に、この受信電波情報を送信する。
【0143】
つぎに、コントローラ2’について説明する。
【0144】
図19は、コントローラ2’の概略機能構成図である。この図に示すコントローラ2’の機能構成は、例えば、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、タッチパネル、デイスプレイ、ポインティングデバイス等の入出力装置と、Bluetooth(登録商標)等の無線通信装置と、マイクと、を備えたスマートホン、タブレットPC等の携帯型コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0145】
本実施の形態に係るコントローラ2’が
図10に示す第一実施の形態に係るコントローラ2と異なる点は、ビーコン信号受信部23に代えてビーコン信号送受信部23’を用いた点、および設置状態判定部322に代えて設置状態判定部322’を用いた点である。その他の構成は、
図10に示す第一実施の形態に係るコントローラ2と同様である。
【0146】
ビーコン信号送受信部23’は、RSSI等の自コントローラ2’に付与されたIDを含むビーコン信号を無線により定期的に送信する。また、定期的にワイヤレススピーカ1から送信されるビーコン信号を無線により受信する。
【0147】
設置状態判定部322’は、制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1’の設置状態を判定するものであり、基準座標決定部326’と、位置特定部327’と、を有する。
【0148】
基準座標決定部326’は、グループ化されたワイヤレススピーカ1’のなかから選択された第一のワイヤレススピーカ1’について受信電波強度検出部29で検出されたビーコン信号の受信電波強度あるいは第一のワイヤレススピーカ1’における自コントローラ2’のビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカ1’における自コントローラ2’のビーコン信号の受信方向と、に基づいて、コントローラ
2’および第一のワイヤレススピーカ1’の相対位置を特定する。そして、この特定した相対位置に基づいて基準座標系を決定する(
図16(A)参照)。
【0149】
位置特定部327’は、グループ化されたワイヤレススピーカ1’のうち第一のワイヤレススピーカ1’以外のワイヤレススピーカ1’について受信電波強度検出部29で検出されたビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカ1’におけるグループ内の他の各ワイヤレススピーカ1’のビーコン信号の受信電波強度および受信方向と、コントローラ2’および第一のワイヤレススピーカ1’の基準座標系における位置情報と、第一のワイヤレススピーカ1’におけるコントローラ2’のビーコン信号の受信方向と、に基づいて、第一のワイヤレススピーカ1’以外のワイヤレススピーカ1’各々の基準座標系上における位置情報を特定する(
図16(B)、
図17(A)および
図17(B)参照)。
【0150】
本実施の形態に係るコントローラ2’の動作が、
図11に示す第一実施の形態に係るコントローラ2の動作と異なる点は、出力モード設定処理(S223)に代えて出力モード設定処理(
S223’)を実施する点である。その他の処理は、
図11に示す第一実施の形態に係るコントローラ2の動作と同じである。
【0151】
図20は、コントローラ2’の出力モード設定処理(S223’)を説明するためのフロー図である。
【0152】
まず、主制御部32の設置状態判定部322’の基準座標決定部326’は、制御対象判断部320によりグループ化されたワイヤレススピーカ1’各々について受信電波強度検出部29により検出されたビーコン信号の受信電波強度に基づいて、第一のワイヤレススピーカ1’を決定する(S2260)。例えば、最も強い受信電波強度のワイヤレススピーカ1’を第一のワイヤレススピーカ1’とする。
【0153】
つぎに、基準座標決定部326’は、検出主体のIDとして第一のワイヤレ
ススピーカ1’のIDおよび検出対象のIDとして自コントローラ2’のIDを、電波検出指示部28に通知する。これを受けて、電波検出指示部28は、第一のワイヤレ
ススピーカ1’のIDを検出主体のIDとし、自コントローラ2’のIDを検出対象のIDとする電波検出指示をワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2261)。そして、電波検出指示部28は、第一のワイヤレ
ススピーカ1’で検出された自コントローラ2’の受信電波強度および受信方向を含む受信電波情報を第一のワイヤレススピーカ1’から受信する(S2262)。
【0154】
つぎに、基準座標決定部326’は、受信電波強度検出部29で検出された第一のワイヤレススピーカのビーコン信号の受信電波強度あるいは第一のワイヤレススピーカから受信した受信電波情報に含まれている第一のワイヤレ
ススピーカで検出された自コントローラ2’のビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカから受信した受信電波情報に含まれている第一のワイヤレ
ススピーカで検出された自コントローラ2’のビーコン信号の受信方向と、に基づいて、
図16(A)を用いて説明した要領により基準座標系を決定して、自コントローラ2’および第一のワイヤレススピーカの基準座標系上の位置を特定する(S2263)。
【0155】
つぎに、設置状態判定部322’の位置特定部327’は、グループ化されたワイヤレススピーカ1’のなかから第一のワイヤレススピーカ1’以外の未選択のワイヤレススピーカ1’を設定対象として選択する(S2264)。
【0156】
つぎに、位置特定部327’は、検出主体のIDとして第一のワイヤレ
ススピーカ1’のIDおよび検出対象のIDとして設定対象のワイヤレススピーカ1’のIDを、電波検出指示部28に通知する。これを受けて、電波検出指示部28は、第一のワイヤレ
ススピーカ1’のIDを検出主体のIDとし、設定対象のワイヤレススピーカ1’のIDを検出対象のIDとする電波検出指示をワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2265)。そして、電波検出指示部28は、第一のワイヤレ
ススピーカ1’で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1’のビーコン信号の受信電波強度および受信方向を含む受信電波情報を第一のワイヤレススピーカ1’から受信する(S2266)。
【0157】
つぎに、位置特定部327’は、受信電波強度検出部29で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1’のビーコン信号の受信電波強度と、第一のワイヤレススピーカ1’から受信した受信電波情報に含まれている受信電波強度および受信方向(第一のワイヤレススピーカ1’で検出された設定対象のワイヤレススピーカ1’のビーコン信号の受信電波強度および受信方向)と、自コントローラ2’および第一のワイヤレススピーカ1’の基準座標系上における位置と、第一のワイヤレススピーカ1’における自コントローラ2’のビーコン信号の受信方向と、に基づいて、
図16(B)、
図17(A)および
図17(B)を用いて説明した要領により、設定対象のワイヤレススピーカ1’の基準座標系上の位置を特定する(S2267)。
【0158】
つぎに、位置特定部327’は、グループ化されたワイヤレススピーカ1’のなかに第一のワイヤレススピーカ1’以外で設定対象として未選択のワイヤレススピーカ1’があるならば(S2268でNO)、S2264に戻る。一方、グループ化されたワイヤレススピーカ1’を第一のワイヤレススピーカ1’以外すべて設定対象として選択済みならば(S2268でYES)、第一のワイヤレススピーカ1’を含むすべてのグループ化されたワイヤレススピーカ1’の基準座標系上の位置が特定されたことになる。設置状態判定部322’は、自コントローラ2’の基準座標系上の位置と、グループ化されたすべてのワイヤレススピーカ1’の基準座標系上の位置とに基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1’の設置状態(グループ化されたワイヤレススピーカ1’各々の自コントローラ2’に対する相対位置)を判定する(S2269)。そして、判定した設置状態を出力モード決定部323に渡す。
【0159】
出力モード決定部323は、設置状態判定部322’から受け取ったグループ化されたワイヤレススピーカ1’の設置状態を、グラフィカルユーザインターフェース部21に表示して(
図7参照)、自コントローラ2’を携帯するユーザからユーザ(コントローラ2’)の正面方向の指定を受け付ける(S2270)。
【0160】
つぎに、出力モード決定部323は、グループ化されたワイヤレススピーカ1’の設置状態に、ユーザより受け付けた正面方向を反映させる。これにより、グループ化されたワイヤレススピーカ1’のそれぞれがユーザ(コントローラ2’)の前後左右のいずれに設置されているか特定される。
【0161】
つぎに、出力モード決定部323は、グループ化されたワイヤレススピーカ1’の数およびユーザの正面方向が反映された設置状態に基づいて、グループ化されたワイヤレススピーカ1’のオーディオ信号出力モードおよびこれらのワイヤレススピーカ1’各々の担当チャンネルを決定する(S2271)。そして、グループ化されたワイヤレススピーカ1’のオーディオ信号出力モードおよびこれらのワイヤレススピーカ1’各々の担当チャンネルを、これらのワイヤレススピーカ1’各々のIDとともに出力モード設定指示部27に通知する。
【0162】
これを受けて、出力モード設定指示部27は、出力モード決定部323より通知されたオーディオ信号出力モードと、グループ化されたワイヤレススピーカ1’毎にIDに対応付けられた担当チャネルと、を含み、グループ化された各ワイヤレススピーカ1’を送信先とする出力モード設定指示を、ワイヤレススピーカインターフェース部22から送信する(S2272)。その後、
図11のS224へ進む。
【0163】
以上、本発明の第二実施の形態について説明した。
【0164】
本実施の形態は、上述した第一実施の形態の効果に加えてつぎの効果を有する。すなわち、コントローラ2’が第一のワイヤレススピーカ1’に対してのみ、電波検出指示を送信して受信電波情報を受信するため、コントローラ2が第一、第二のワイヤレススピーカ1各々に対して、電波検出指示を送信し受信電波情報を受信する第一実施の形態に比べ、通信トラヒックを低減でき、これにより、より迅速にグループ化されたワイヤレススピーカ1’の設置状態を判定することができる。
【0165】
また、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0166】
例えば、上記の各実施の形態では、コントローラ2、2’が、出力時刻および出力レベルの指定を伴うテスト指示をワイヤレススピーカ1、1’に送信し、これを受けて、ワイヤレススピーカ1、1’が、テスト信号を、テスト指示で指定されている出力時刻に再生し、テスト指示で指定されている出力レベルで出力している。しかし、本発明はこれに限定されない。コントローラ2、2’が送信するテスト指示に出力時刻および出力レベルの指定を含めなくてもよい。この場合は、ワイヤレススピーカ1、1’からコントローラ2、2’にテスト信号の出力時刻および出力レベルを通知するようにする。また、出力レベルは、コントローラ2、2’およびワイヤレススピーカ1、1’間で予め定められたレベルとすることにより、両者間でのやり取りを省略してもよい。
【0167】
また、上記の各実施の形態において、コントローラ2、2’からワイヤレススピーカ1、1’に送信される各種指示は、マルチキャスト送信でもよいし、あるいは、コントローラ2、2’が各ワイヤレススピーカ1、1’のアドレスを認識している場合、ユニキャスト送信でもよい。
【0168】
また、上記の各実施の形態において、コントローラ2、2’およびワイヤレススピーカ1、1’は、無線LANのアドホックモード、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により、ワイヤレスネットワークを介して直接接続される構成としているが、アクセスポイント経由で接続される構成でもよい。
【0169】
また、本実施の形態では、同じ部屋に設置されているワイヤレススピーカ1をグループ化した後、グループ化した各ワイヤレススピーカ1から受信したテスト信号の入出力比に基づいて、これらのワイヤレススピーカ1各々のオーディオ信号の出力レベルを設定する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、グループ化した各ワイヤレススピーカ1の設置位置を特定した後、ユーザから正面方向Pの指定201によってユーザの前方に設置されているワイヤレススピーカ1を特定し、このユーザの前方に設置されているワイヤレススピーカ1から受信したオーディオ信号の入出力比を基準比とする。そして、ワイヤレススピーカ1から出力されたオーヂィオ信号がリスニング位置においてユーザの前方に設置されているワイヤレススピーカ1から出力されるオーディオ信号のレベルと同じレベルとなるように、グループ化された各ワイヤレススピーカ1の出力レベルを調整する構成としてもよい。通常、ユーザは、同じ部屋に設置されている複数のワイヤレススピーカ1の内で最も主要なワイヤレススピーカ1を前方に設置するものと考えられる。このため、この主要なワイヤレススピーカ1の音量レベルを基準として他の各ワイヤレススピーカの音量レベルを調整したいと所望するユーザにとって、使い勝手が向上し、有益である。
【0170】
また、本実施の形態では、コントローラ2の楽曲データ記憶部30に楽曲データを記憶する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、インターネットを介して接続されたメディアサーバに楽曲データを格納し、コントローラ2の指示に応じて各ワイヤレススピーカ1がBluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)などのワイヤレス通信によってメディアサーバに格納されている楽曲データを取得し、この取得したオーディオ信号を再生して出力する構成としてもよい。この場合、オーディオ信号の出力タイミングの調整は、コントローラ2から同期信号を送信し、この同期信号
に基づいて行えばよい。