特許第6604913号(P6604913)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604913
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/12 20060101AFI20191031BHJP
   B62D 25/10 20060101ALI20191031BHJP
   B62D 49/00 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   B62D25/12 Z
   B62D25/10 B
   B62D49/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-125878(P2016-125878)
(22)【出願日】2016年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-197162(P2017-197162A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2018年6月26日
(31)【優先権主張番号】特願2016-88380(P2016-88380)
(32)【優先日】2016年4月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 佑
(72)【発明者】
【氏名】松本 光一郎
(72)【発明者】
【氏名】殿谷 佳央
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−054512(JP,U)
【文献】 特開2007−008223(JP,A)
【文献】 特開2003−320962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/12
B62D 25/10
B62D 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備え、
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、少なくとも前記遊端部のうちの下端部位に配置される左右の被案内部を備え、
前記支持フレームは、前記原動部の上端側と同じ高さに位置して、前記ボンネットの前記閉じ位置への下降揺動時に、左右の前記被案内部との接触による前記車体フレームに対する前記ボンネットのセンタリングを可能にする左右の案内部を備え、
少なくとも左右の前記被案内部と左右の前記案内部との一方が、センタリング用の作用面となる左右の傾斜面を備え
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、前記ボンネットの前記下端部位から上端側にわたる上下長さを有して、前記閉じ位置において前記支持フレームの左右の外側面に沿って前記外側面に近接する左右の縦長部材を備え、
左右の前記被案内部は、前記傾斜面を前記ボンネットの遊端側ほど車体横外側に位置する状態で備えて、左右の前記縦長部材の遊端部に配備されている作業車。
【請求項2】
左右の前記被案内部は、左右の前記縦長部材に着脱可能に取り付けられる請求項に記載の作業車。
【請求項3】
左右の前記被案内部は、左右の前記縦長部材に着脱可能な第1部材と、前記第1部材に着脱可能な第2部材とを備え、
左右の前記第2部材は、円滑性を有する樹脂製で、前記傾斜面を備えている請求項に記載の作業車。
【請求項4】
車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備え、
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、少なくとも前記遊端部のうちの下端部位に配置される左右の被案内部を備え、
前記支持フレームは、前記原動部の上端側と同じ高さに位置して、前記ボンネットの前記閉じ位置への下降揺動時に、左右の前記被案内部との接触による前記車体フレームに対する前記ボンネットのセンタリングを可能にする左右の案内部を備え、
少なくとも左右の前記被案内部と左右の前記案内部との一方が、センタリング用の作用面となる左右の傾斜面を備え
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、前記ボンネットの前記下端部位から上端側にわたる上下長さを有して、前記閉じ位置において前記支持フレームの左右の外側面に沿って前記外側面に近接する左右の縦長部材を備え、
左右の前記被案内部は、前記傾斜面を前記ボンネットの下端側ほど車体横外側に位置する状態で備えて、左右の前記縦長部材の下端部に配備され、
左右の前記被案内部は、左右の前記縦長部材に着脱可能な第1部材と、前記第1部材に着脱可能な第2部材とを備えて、左右の前記縦長部材に着脱可能に取り付けられ、
左右の前記第2部材は、円滑性を有する樹脂製で、前記傾斜面を備えている作業車。
【請求項5】
車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備え、
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、少なくとも前記遊端部のうちの下端部位に配置される左右の被案内部を備え、
前記支持フレームは、前記原動部の上端側と同じ高さに位置して、前記ボンネットの前記閉じ位置への下降揺動時に、左右の前記被案内部との接触による前記車体フレームに対する前記ボンネットのセンタリングを可能にする左右の案内部を備え、
少なくとも左右の前記被案内部と左右の前記案内部との一方が、センタリング用の作用面となる左右の傾斜面を備え
前記支持フレームは、機体の左右方向に亘って設けられる本体部と、前記本体部の左右両端部に連結される左右の側壁と、を備え、
左右の前記側壁は、上端側に前下がりの上側前縁部分をそれぞれ有し、
左右の前記案内部は、前記上側前縁部分が左右の前記側壁から突出する状態に屈曲形成されることにより、前記傾斜面を前記支持フレームの下端側ほど車体横外側に位置する状態で備えて、左右の前記上側前縁部分の前端側に配備されている作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業車においては、作業者などがボンネットを開き位置から閉じ位置に向けて下降揺動させると、ボンネットが閉じ位置に近づいたときに、ボンネット側に設けられた丸棒状の被係止体が、エンジン搭載フレーム側に取り付けられた固定用ブラケットの傾斜面により、固定用ブラケットの係合凹部に向けて案内されることで、車体フレームに対するボンネットのセンタリングが行われるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−255695号公報(段落番号0018〜0019、図3〜5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、ボンネットが閉じ位置に近づいたときは、車体フレームに対するボンネットのセンタリングが行われることから、車体フレームに対するボンネットの横揺れを抑制することができる。
しかしながら、ボンネットが閉じ位置から離れているときには前述したセンタリングが行われないことから、ボンネットが閉じ位置から離れているときに車体フレームに対して大きく横揺れする虞があり、ボンネットが大きく横揺れした場合には、ボンネットが原動部のエンジンなどに接触する不都合を招く虞がある。
【0005】
つまり、ボンネットの閉じ操作においてボンネットが原動部に接触する虞を回避することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための手段として、
本発明に係る作業車は、車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備え、
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、少なくとも前記遊端部のうちの下端部位に配置される左右の被案内部を備え、
前記支持フレームは、前記原動部の上端側と同じ高さに位置して、前記ボンネットの前記閉じ位置への下降揺動時に、左右の前記被案内部との接触による前記車体フレームに対する前記ボンネットのセンタリングを可能にする左右の案内部を備え、
少なくとも左右の前記被案内部と左右の前記案内部との一方が、センタリング用の作用面となる左右の傾斜面を備え
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、前記ボンネットの前記下端部位から上端側にわたる上下長さを有して、前記閉じ位置において前記支持フレームの左右の外側面に沿って前記外側面に近接する左右の縦長部材を備え、
左右の前記被案内部は、前記傾斜面を前記ボンネットの遊端側ほど車体横外側に位置する状態で備えて、左右の前記縦長部材の遊端部に配備されている。
【0007】
この手段によると、作業者などによるボンネットの開き位置から閉じ位置への閉じ操作において、ボンネットが車体フレームに対して横揺れしていると、ボンネットにおける遊端部の下端部位が、原動部の上端側が位置する高さ位置に達したときに、ボンネットの左右の被案内部が支持フレームの左右の案内部に接触し、この接触により、車体フレームに対するボンネットのセンタリングが行われる。
つまり、この手段では、ボンネットの閉じ操作においては、ボンネットにおける遊端部の下端部位が、原動部の上端側が位置する高さ位置に達した段階から、車体フレームに対するボンネットのセンタリングが行われる。
その結果、ボンネットの閉じ操作において、車体フレームに対するボンネットの横揺れでボンネットが原動部に接触する虞を回避することができる。
【0008】
また、この手段によると、ボンネットの閉じ操作では、ボンネットの遊端部に備えた左右の縦長部材の遊端下部が、原動部の上端側が位置する高さ位置に達したときに、ボンネットの左右の被案内部が支持フレームの左右の案内部に接触し、この接触により、車体フレームに対するボンネットのセンタリングが行われる。
そして、ボンネットが閉じ位置に位置するときには、ボンネットの左右の縦長部材と支持フレームの左右の外側面との間に形成される隙間を、上下方向に均一な状態で小さくすることができる。
その結果、ボンネットの左右の縦長部材と支持フレームの左右の外側面との隙間からの昇温空気の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0009】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
左右の前記被案内部は、左右の前記縦長部材に着脱可能に取り付けられている。
【0010】
この手段によると、左右の被案内部においてボンネットのセンタリングによる摩耗などが生じた場合には、作業者は、新しい被案内部との交換を簡単に行うことができる。
つまり、ボンネットのセンタリングに関するメンテナンス性が向上する。
【0011】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
左右の前記被案内部は、左右の前記縦長部材に着脱可能な第1部材と、左右の前記第1部材に着脱可能な第2部材とを備え、
左右の前記第2部材は、円滑性を有する樹脂製で、前記傾斜面を備えている。
【0012】
この手段によると、ボンネットのセンタリングにおいて、左右の案内部と左右の被案内部との間で発生する摩擦抵抗が小さくなる。
又、例えば、案内部と被案内部との双方が塗装された金属製である場合に生じる、センタリングによる塗装の剥がれ、を防止することができる。
そして、左右の第2部材においてボンネットのセンタリングによる摩耗などが生じた場合には、作業者は、新しい第2部材との交換を簡単に行うことができる。
その結果、車体フレームに対するボンネットのセンタリングがより円滑に行われるようにしながら、ボンネットのセンタリングに関するメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0013】
上記課題を解決するための手段の一つとして、
本発明に係る作業車は、車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備え、
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、少なくとも前記遊端部のうちの下端部位に配置される左右の被案内部を備え、
前記支持フレームは、前記原動部の上端側と同じ高さに位置して、前記ボンネットの前記閉じ位置への下降揺動時に、左右の前記被案内部との接触による前記車体フレームに対する前記ボンネットのセンタリングを可能にする左右の案内部を備え、
少なくとも左右の前記被案内部と左右の前記案内部との一方が、センタリング用の作用面となる左右の傾斜面を備え、
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、前記ボンネットの前記下端部位から上端側にわたる上下長さを有して、前記閉じ位置において前記支持フレームの左右の外側面に沿って前記外側面に近接する左右の縦長部材を備え、
左右の前記被案内部は、前記傾斜面を前記ボンネットの下端側ほど車体横外側に位置する状態で備えて、左右の前記縦長部材の下端部に配備され、
左右の前記被案内部は、左右の前記縦長部材に着脱可能な第1部材と、前記第1部材に着脱可能な第2部材とを備えて、左右の前記縦長部材に着脱可能に取り付けられ、
左右の前記第2部材は、円滑性を有する樹脂製で、前記傾斜面を備えている。
【0014】
上記課題を解決するための手段の一つとして、
本発明に係る作業車は、車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備え、
前記ボンネットは、その左右の内側面の遊端部に、少なくとも前記遊端部のうちの下端部位に配置される左右の被案内部を備え、
前記支持フレームは、前記原動部の上端側と同じ高さに位置して、前記ボンネットの前記閉じ位置への下降揺動時に、左右の前記被案内部との接触による前記車体フレームに対する前記ボンネットのセンタリングを可能にする左右の案内部を備え、
少なくとも左右の前記被案内部と左右の前記案内部との一方が、センタリング用の作用面となる左右の傾斜面を備え、
前記支持フレームは、機体の左右方向に亘って設けられる本体部と、前記本体部の左右両端部に連結される左右の側壁と、を備え、
左右の前記側壁は、上端側に前下がりの上側前縁部分をそれぞれ有し、
左右の前記案内部は、前記上側前縁部分が左右の前記側壁から突出する状態に屈曲形成されることにより、前記傾斜面を前記支持フレームの下端側ほど車体横外側に位置する状態で備えて、左右の前記上側前縁部分の前端側に配備されている。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】トラクタの左側面図である。
図2】トラクタの平面図である。
図3】第1実施形態でのボンネットが閉じ位置に位置する状態を示す要部の縦断左側面図である。
図4】第1実施形態でのボンネットが開き位置に位置する状態を示す要部の縦断左側面図である。
図5】第1実施形態でのボンネットの構成を示すボンネットの一部切り欠き斜視図である。
図6】支持フレームの構成を示す要部の斜視図である。
図7】第1実施形態でのボンネットが開き位置に位置するときの左右の案内部と左右の被案内部との位置関係を示す要部の縦断正面図である。
図8】第1実施形態でのボンネットが閉じ位置に位置するときの左右の案内部と左右の被案内部との位置関係を示す要部の縦断正面図である。
図9】第1実施形態でのボンネットが開き位置に位置するときの左右の案内部と左右の被案内部との位置関係を示す要部の横断平面図である。
図10】第2実施形態でのボンネットが閉じ位置に位置するときの左右の案内部と左右の被案内部との位置関係を示す要部の縦断正面図である。
図11】第2実施形態での左右の縦長部材及び左右の被案内部などの構成を示す要部の斜視図である。
図12】第2実施形態での左右の縦長部材及び左右の被案内部の構成を示す要部の拡大分解斜視図である。
図13】第2実施形態での左右の縦長部材及び左右の被案内部の構成を示す要部の縦断正面図である。
図14】左右の被案内部が左右の縦長部材の下端部位に一体形成された別実施形態を示す要部の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を、作業車の一例であるトラクタに適用した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
尚、図1に記載した符号Fの矢印が指し示す方向がトラクタの前側であり、符号Uの矢印が指し示す方向がトラクタの上側である。
又、図2に記載した符号Fの矢印が指し示す方向がトラクタの前側であり、符号Lの矢印が指し示す方向がトラクタの左側である。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示するトラクタは、車体の骨組みを形成する車体フレーム1、車体フレーム1の前部側に支持される原動部2、車体フレーム1の後部に連結される変速ユニット3、車体フレーム1の後側上部に位置する搭乗式の運転部4、左右の走行装置5、原動部2を覆う揺動開閉式のボンネット6、ボンネット6の直前に位置してボンネット6などを保護する鋼板製のフロントガード7、車体フレーム1の後端部に連結される保護フレーム8、及び、車体フレーム1にリンク機構9を介して昇降可能に連結されるモーア10、などを備えている。そして、トラクタは、左右の走行装置5として、操舵可能で原動部2からの動力で駆動される左右の前輪5A、及び、原動部2からの動力で駆動される左右の後輪5B、を備える四輪駆動型に構成されている。又、トラクタは、左右の前輪5Aと左右の後輪5Bとの間の下腹部にモーア10を備えるミッドマウント形式に構成されている。
【0020】
図1図3及び図4に示すように、車体フレーム1は、前後に長い鋼板製の左右のサイドメンバ11、左右のサイドメンバ11の前端にわたる鋼板製のフロントエンドメンバ12、左右のサイドメンバ11の前後中央側に連結されるセンタピラー13、及び、左右のサイドメンバ11の前端部に連結されるボンネット連結用の左右のブラケット14、などを備えている。
【0021】
図1〜4に示すように、原動部2は、車体フレーム1の前部に防振支持される水冷式のエンジン15、エンジン15の前方に左右向き姿勢で配置されるマフラ16、エンジン15の後方に配置される冷却ファン17、冷却ファン17の後方に配置されるラジエータ18、及び、エンジン15の上方に配置されるエアクリーナ19、などを備えている。そして、原動部2は、その前部側がボンネット6で覆われ、後端部の上部側がアッパパネル20で覆われ、後端部の下部側がアンダパネル21で覆われている。
【0022】
運転部4は、前輪操舵用のステアリングホイール22、エンジン回転数などを表示する表示パネル23、及び、変速ユニット3の上方に配置される運転座席24、などを備えている。
【0023】
図1〜5に示すように、ボンネット6は、ボンネット6の骨組みを形成する鋼板製のボンネットフレーム25、原動部2の前端部を覆うフロントカバー26、原動部2の横側部を覆う左右のサイドカバー27、原動部2の上部を覆うアッパカバー28、及び、ヘッドライトユニット29、などが一体的に連結される一体型で、車体フレーム1の前端部に位置する左右向きの支軸30を支点にして上下方向に開閉揺動する。ボンネットフレーム25は、その前端部の下端部位に左右の連結部25Aを備えている。左右の連結部25Aは、左右向きの支軸30として機能する左右のボルト30などを介して、車体フレーム1の左右のブラケット14に連結されている。
上記の構成により、ボンネット6は、原動部2を覆う閉じ位置と原動部2を開放する開き位置とにわたって上下揺動可能で、その開き位置では原動部2の後部側を大きく解放する後開き式に構成されている。その結果、原動部2の後部側に配備されるラジエータ18及びエアクリーナ19などに対するメンテナンスが行い易くなっている。
【0024】
図3及び図4に示すように、このトラクタは、ボンネット6を下方の閉じ位置に固定保持するロック機構31を備えている。ロック機構31は、ボンネット6のボンネットフレーム25に固定装備されるL字状の固定ロッド32、及び、センタピラー13の上端部に配備されるロックユニット33、などを備えている。
【0025】
図示は省略するが、ロックユニット33は、センタピラー13にロック位置とロック解除位置とにわたって揺動可能に装備されるフック部材、及び、フック部材をロック位置に復帰付勢する引っ張りバネ、などを備えている。フック部材は、固定ロッド32により上方から押圧されることで、フック部材を引っ張りバネの作用に抗してロック解除位置に退避揺動させるカム部を備えている。
【0026】
上記の構成により、運転者などの作業者によるボンネット6の閉じ位置への揺動操作が行われると、ボンネット側の固定ロッド32がフック部材のカム部を上方から押圧する。
すると、この押圧により、フック部材が引っ張りバネの作用に抗してロック位置からロック解除位置に退避揺動する。その後、ボンネット6の閉じ位置への到達に伴って、固定ロッド32がカム部の下方に移動すると、その移動に伴って、フック部材が引っ張りバネの作用でロック位置に復帰して固定ロッド32に引っ掛かる。
つまり、作業者は、ボンネット6を閉じ位置に揺動操作するだけの簡単な操作で、ボンネット6をロック機構31の作用によって閉じ位置に固定保持することができる。
【0027】
図4に示すように、ロック機構31は、アッパパネル20の左側前端部に形成された貫通孔40に差し込まれることで、引っ張りバネの作用に抗したフック部材のロック解除位置への揺動操作を可能にする着脱式の操作ロッド37を備えている。
これにより、作業者がボンネット6の閉じ位置での固定保持を解除する場合には、操作ロッド37をアッパパネル20の貫通孔40に差し込むことにより、フック部材を引っ張りバネの作用に抗してロック解除位置に退避揺動させることが可能になる。
つまり、作業者は、操作ロッド37を使用することで、ロック機構31によるボンネット6の閉じ位置での固定保持を容易に解除することができる。
【0028】
図1〜3に示すように、アッパパネル20には、貫通孔40を塞ぐゴム製のキャップ42が着脱可能に装備されている。つまり、このキャップ42をアッパパネル20から取り外すことで、ロック機構31によるボンネット6の閉じ位置での固定保持を解除することが可能になる。
【0029】
図1及び図2に示すように、保護フレーム8は、その左側のフレーム部分に工具箱52が取り付けられている。これにより、運転時には、ロック機構31の操作ロッド37を工具箱52に保管することができる。
【0030】
図1図3及び図4に示すように、このトラクタは、ボンネット6の開き操作をアシストするアシストユニット44を備えている。アシストユニット44は、前後向きのガイド孔45Aを有して車体フレーム1に固定されたガイド部材45、ガイド部材45とボンネットフレーム25とにわたる連係ロッド46、及び、連係ロッド46と車体フレーム1とにわたるガススプリング47、などを備えている。そして、ガススプリング47の伸長作動により、ボンネット6の開き操作をアシストするように構成されている。
上記の構成により、作業者は、フロントカバー26及び左右のサイドカバー27などが一体で開閉揺動する重量の重いボンネット6の開閉操作を、アシストユニット44の作用によって容易に行うことができる。
【0031】
図3〜5に示すように、ボンネット6は、その左右の内側面である左右のサイドカバー27の内側面における遊端部に、サイドカバー27の下端部位から上端部位にわたる上下長さを有する左右の縦長部材53が連結されている。
これにより、左右のサイドカバー27の遊端部を補強することができ、ボンネット6の遊端部を補強することができる。
【0032】
図5図7及び図8に示すように、左右の縦長部材53は、鋼板製で塗装処理が施されている。左右の縦長部材53は、サイドカバー27の内側面から車体の左右中央側に延びる前壁部53A、前壁部53Aの延出端から後向きに延びる側壁部53B、及び、側壁部53Bの後端からサイドカバー27に向けて延びる後壁部53C、を備える平面視略U字状に形成されている。
【0033】
図3図4及び図6〜8に示すように、センタピラー13は、左右のサイドメンバ11にわたる支持部材54、支持部材54により下端部が支持される隔壁55、及び、隔壁55の左右両端部に連結される左右の側壁56、などを備えて、高い強度を有するように構成されている。隔壁55は、中央にラジエータ用の通風口55Aを有する略矩形の枠状で、原動部2の左右幅よりも広い左右幅を有している。左右の側壁56は、原動部2の左右幅よりも広い左右間隔を有して隔壁55の左右両端部に配備されている。
【0034】
図3及び図4に示すように、センタピラー13は、隔壁55の上端部が、閉じ位置に位置するボンネット6の遊端部を、アッパパネル20を介して受け止め支持する支持部に兼用されている。つまり、センタピラー13は、閉じ位置に位置するボンネット6の遊端側を支持する支持フレームとして機能している。
【0035】
図5〜9に示すように、ボンネット6は、左右のサイドカバー27の内側面における遊端部に配置される左右の被案内部6Aを備えている。センタピラー13は、原動部2の上端側と同じ高さに位置して、ボンネット6の閉じ位置への下降揺動時に、左右の被案内部6Aとの接触による車体フレーム1に対するボンネット6のセンタリングを可能にする左右の案内部13Aを備えている。
左右の被案内部6Aは、左右の縦長部材53の遊端部となる後壁部53Cにより形成されている。左右の後壁部53Cは、それらの車体横外側ほど車体後側に位置する傾斜姿勢で左右の縦長部材53に備えられている。これにより、左右の被案内部6Aは、ボンネット6の遊端側ほど車体横外側に位置する傾斜面6aを備えることになる。そして、左右の傾斜面6aが、左右の案内部13Aとの接触によるボンネット6のセンタリングを可能にするセンタリング用の作用面Aとして機能する。
左右の案内部13Aは、センタピラー13の左右の側壁56に備えられている。左右の側壁56は、それらの前部側が先細り形状に形成されることで、横向きV字状の前縁部56Aを有している。そして、左右の前縁部56Aのうち、前下がりの上側前縁部分56Aaの前端側が案内部13Aとして機能する。
上記の構成により、作業者によるボンネット6の開き位置から閉じ位置への閉じ操作において、ボンネット6が車体フレーム1に対して横揺れしていると、左右の縦長部材53の遊端下部が、原動部2の上端側が位置する高さ位置に達したときに、左右の被案内部6Aが左右の案内部13Aに接触し、この接触により、車体フレーム1に対するボンネット6のセンタリングが行われる。
その結果、ボンネット6の閉じ操作において、車体フレーム1に対するボンネット6の横揺れでボンネット6が原動部2のエンジン15などに接触する虞を回避することができる。
又、案内部13Aを有する専用の部材を備える場合に比較して構成の簡素化を図ることができる。
【0036】
図8に示すように、左右の縦長部材53は、ボンネット6の閉じ位置においては、左右の側壁部53Bが、センタピラー13における左右の側壁56の外側面に沿って外側面に近接するように、ボンネット6に装備されている。
これにより、ボンネット6が閉じ位置に位置するときには、左右の縦長部材53と左右の側壁56の外側面との間に形成される隙間を、上下方向に均一な状態で小さくすることができる。
その結果、ボンネット6の左右の縦長部材53とセンタピラー13の左右の側壁56との隙間からの昇温空気の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0037】
図6〜9に示すように、センタピラー13において、左右の側壁56の前縁部56Aは、横外細り形状となる断面を有して左右の側壁56から車体横外側に突出する状態に屈曲形成されている。これにより、センタピラー13は、左右の案内部13Aとなる左右の上側前縁部分56Aaの前端側に、下端側ほど車体横外側に位置する傾斜面13aを備えることになる。そして、左右の傾斜面13aが、左右の被案内部6Aとの接触によるボンネット6のセンタリングを可能にするセンタリング用の作用面Aとして機能する。
つまり、この第1実施形態では、ボンネット6の左右の被案内部6Aとセンタピラー13の左右の案内部13Aとのそれぞれが、センタリング用の作用面Aとして機能する左右の傾斜面6a,13aを備えており、これにより、ボンネット6のセンタリングにおいて、左右の案内部13Aと左右の被案内部6Aとの間で発生する摩擦抵抗を小さくすることができる。
その結果、車体フレーム1に対するボンネット6のセンタリングがより円滑に行われるようになり、ボンネット6の閉じ操作をより円滑に行えるようになる。
【0038】
〔第2実施形態〕
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を、作業車の一例であるトラクタに適用した第2実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、この第2実施形態は、前述した第1実施形態とボンネット6に備える左右の被案内部6Aの構成が異なるだけであることから、左右の被案内部6Aに関する構成についてのみ説明する。
【0039】
図10〜13に示すように、ボンネット6は、その左右の内側面の遊端部に、ボンネット6の下端部位から上端側にわたる上下長さを有する左右の縦長部材53を備えている。
左右の縦長部材53は、ボンネット6の閉じ位置においては、センタピラー(支持フレームの一例)13における左右の側壁56の外側面に沿う姿勢で該外側面に近接している。
左右の縦長部材53は、それらの下端部に被案内部6Aを備えている。左右の被案内部6Aは、ボンネット6の下端側ほど車体横外側に位置する傾斜面6bを備えている。そして、左右の傾斜面6bが、センタピラー13の左右の案内部13Aとの接触によるボンネット6のセンタリングを可能にするセンタリング用の作用面Aとして機能する。
上記の構成により、作業者によるボンネット6の開き位置から閉じ位置への閉じ操作において、ボンネット6が車体フレーム1に対して横揺れしていると、左右の縦長部材53の下端部が、原動部2の上端側が位置する高さ位置に達したときに、左右の被案内部6Aが左右の案内部13Aに接触し、この接触により、車体フレーム1に対するボンネット6のセンタリングが行われる。
その結果、ボンネット6の閉じ操作において、車体フレーム1に対するボンネット6の横揺れでボンネット6が原動部2のエンジン15などに接触する虞を回避することができる。
そして、ボンネット6が閉じ位置に位置するときには、左右の縦長部材53と左右の側壁56との間に形成される隙間を、上下方向に均一な状態で小さくすることができる。
その結果、ボンネット6の左右の縦長部材53とセンタピラー13の左右の外側面との隙間からの昇温空気の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0040】
左右の被案内部6Aは、左右の縦長部材53に着脱可能な第1部材61、及び、左右の第1部材61に着脱可能な第2部材62、を備えている。左右の第2部材62は、円滑性を有する樹脂製で、前述した傾斜面6bを備えている。
上記の構成により、ボンネット6のセンタリングにおいて、左右の案内部13Aと左右の被案内部6Aとの間で発生する摩擦抵抗が小さくなる。
又、例えば、鋼板製で塗装処理が施された左右の縦長部材53の下端部を被案内部6Aに兼用する場合に生じる、センタリングによる左右の被案内部6Aでの塗装の剥がれ、を防止することができる。
そして、左右の第2部材62においてボンネット6のセンタリングによる摩耗が生じた場合には、作業者は、新しい第2部材62との交換を簡単に行うことができる。
その結果、車体フレーム1に対するボンネット6のセンタリングがより円滑に行われるようにしながら、ボンネット6のセンタリングに関するメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0041】
左右の第2部材62には、比較的硬く、滑り易くて耐摩耗性が高い例えばABS樹脂などを採用することが好ましい。
【0042】
左右の縦長部材53において、第1前壁部53A(第1実施形態の前壁部53A)は、その下部にボルト連結用の雌ネジ部53Dを備えている。第1側壁部53B(第1実施形態の側壁部53B)は、その下部に係合用の第1貫通孔53Eを備えている。左右の第1部材61は、第1前壁部53Aに面接触する第2前壁部61A、第1側壁部53Bに面接触する第2側壁部61B、及び、第2部材62を支持する支持部61C、などを備えている。左右の第1部材61において、第2前壁部61Aはボルト連結用の第2貫通孔61Dを備えている。第2側壁部61Bは、その上端部に、第1貫通孔53Eに差し込まれる係合用の第1突起61Eを備えている。
上記の構成により、作業者は、左右の第1部材61を左右の縦長部材53に取り付ける場合には、それらの第1突起61Eを第1貫通孔53Eに差し込み、その後、第2貫通孔61Dと雌ネジ部53Dとを使用して第2前壁部61Aを第1前壁部53Aにボルト連結することで、第2前壁部61Aが第1前壁部53Aに面接触し、かつ、第2側壁部61Bが第1側壁部53Bに面接触する状態で、左右の第1部材61を左右の縦長部材53の下端部に簡単に取り付けることができる。
又、作業者は、左右の第1部材61を左右の縦長部材53から取り外す場合には、それらの第2前壁部61Aと第1前壁部53Aとのボルト連結を解除し、その後、第1突起61Eを第1貫通孔53Eから抜き出すことで、左右の第1部材61を左右の縦長部材53の下端部から簡単に取り外すことができる。
【0043】
左右の支持部61Cは、左右の縦長部材53に対する取り付け姿勢が、支持部61Cの下端側ほど車体横外側に位置する傾斜姿勢に設定されている。
【0044】
図12及び図13に示すように、左右の支持部61Cは、それらの中央箇所に係合用の第3貫通孔61Fを備え、かつ、それらの前後両端箇所に位置決め用の凹部61Gを備えている。左右の第2部材62は、それらの中央箇所に、第3貫通孔61Fに差し込まれる係合用の上下の第2突起62Aを備えている。左右の第2部材62は、それらの前後両端箇所に、前後の凹部61Gに嵌合される位置決め用の第3突起62Bを備えている。各第2突起62Aは、弾性を有するフック状に形成されている。
上記の構成により、作業者は、左右の第2部材62を左右の支持部61Cに取り付ける場合には、それらの上下の第2突起62Aを第3貫通孔61Fに差し込むとともに、前後の第3突起62Bを前後の凹部61Gに嵌め込むことで、左右の第2部材62を左右の支持部61Cに所定姿勢で簡単に取り付けることができる。
又、作業者は、左右の第2部材62を左右の支持部61Cから取り外す場合には、それらの上下の第2突起62Aを第2部材62の中央側に変形させて第3貫通孔61Fから抜き出すとともに、前後の第3突起62Bを前後の凹部61Gから抜き出すことで、左右の第2部材62を左右の支持部61Cから簡単に取り外すことができる。
【0045】
図10〜13に示すように、左右の第2側壁部61Bは、ボンネット6の閉じ位置側での開閉操作時に、左右の側壁56の外側面に面接触して上下方向に摺動案内される被案内面61aを備えている。
これにより、ボンネット6の閉じ操作において、左右の被案内部6Aと左右の案内部13Aとの接触によるボンネット6のセンタリングが終了すると、左右の被案内面61aが左右の側壁56の外側面に面接触して下方の閉じ位置に摺動案内され、この摺動案内により、ボンネット6が下方の閉じ位置に到達する。そして、ボンネット6の閉じ位置においては、左右の被案内面61aが左右の側壁56の外側面に面接触する状態が維持される。
その結果、ボンネット6の閉じ位置側での開閉操作時及びボンネット6の閉じ位置において、ボンネット6が車体の左右中央に位置する状態を安定的に維持することができる。
【0046】
図13に示すように、左右の第2部材62は、組み付け状態において、傾斜角が大きくなる下部傾斜面62a、下部傾斜面62aよりも傾斜角が小さくなる中間部傾斜面62b、及び、中間部傾斜面62bよりも傾斜角が小さくなる上部傾斜面62c、を備えている。傾斜面6bは、中間部傾斜面62bと上部傾斜面62cとから形成されている。
上記の構成により、ボンネット6の閉じ操作において、左右の被案内部6Aと左右の案内部13Aとの接触によるボンネット6のセンタリングから、左右の被案内面61aと左右の側壁56の外側面との面接触によるボンネット6の下方への摺動案内への移行をより円滑に行わせることができる。
【0047】
図10及び図11に示すように、左右の縦長部材53は、それらの第1側壁部53Bの上部に、ボンネット6の閉じ位置において左右の側壁56の外側面に接触する樹脂製の当て具63を着脱可能に備えている。
これにより、ボンネット6の閉じ位置において、機体の振動などに起因して左右の第1側壁部53Bがセンタピラー13に接触することで生じる、左右の第1側壁部53Bでの塗装の剥がれ、を防止することができる。
そして、左右の当て具63に摩耗などが生じた場合には、作業者は、新しい当て具63との交換を簡単に行うことができる。
【0048】
〔別実施形態〕
本発明は、上記の実施形態で例示した構成に限定されるものではなく、以下、本発明に関する代表的な別実施形態を例示する。
【0049】
〔1〕作業車は下記の構成が採用されたものであってもよい。
例えば、作業車は、左右の後輪5Bに代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車は、左右の前輪5A及び左右の後輪5Bに代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車は、原動部2及びボンネット6を車体フレーム1の後部側に備える構成であってもよい。
例えば、作業車は、フロントガード7を備えない構成であってもよい。
【0050】
〔2〕原動部2の構成は種々の変更が可能である。
例えば、原動部2は、空冷式のエンジン15を備える構成であってもよい。
例えば、原動部2は、エンジン15の代わりに電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、原動部2は、エンジン15と電動モータとを備えるハイブリッド仕様に構成されていてもよい。
例えば、原動部2は、DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルタ)を有する排気処理装置を備える構成であってもよい。
【0051】
〔3〕ボンネット6の構成は種々の変更が可能である。
例えば、ボンネット6は、その開き位置において原動部2の前部側を大きく解放する前開き式に構成されていてもよい。
例えば、ボンネット6は、その左右の内側面の遊端部に、遊端部の下端部位から上下中間部にわたる上下長さを有する左右の被案内部6Aを備える構成であってもよい。
例えば、ボンネット6は、その左右の内側面の遊端部に、側壁部53Bと後壁部53C(被案内部6A)とを備える平面視略L字状に形成された左右の縦長部材53を備える構成であってもよい。
例えば、ボンネット6は、その左右の内側面の遊端部に、被案内部6Aを形成する帯鋼製の左右の縦長部材53を備える構成であってもよい。
【0052】
〔4〕支持フレーム13の配置及び構成などは種々の変更が可能である。
例えば、支持フレーム13は、ボンネット6が前開き式で車体フレーム1の前部側に配備される構成であれば、車体フレーム1の前端側に配備することが好ましい。
例えば、支持フレーム13は、ボンネット6が後開き式で車体フレーム1の後部側に配備される構成であれば、車体フレーム1の後端側に配備することが好ましい。
例えば、支持フレーム13は、案内部13Aを有するセンタリング専用の左右の案内部材を備える構成であってもよい。
例えば、支持フレーム13は、車体フレーム1から上方に延びる左右の第1部材、左右の第1部材の上端部にわたる第2部材、及び、左右の案内部13Aを有して左右の第1部材の横外側端に連結される左右の側壁56、などを備える構成であってもよい。
例えば、支持フレーム13は、左右の案内部13Aを有して車体フレーム1から上方に延びる左右の第1部材、及び、左右の第1部材の上端部にわたる第2部材、などを備える構成であってもよい。
【0053】
〔5〕左右の被案内部6Aの構成は種々の変更が可能である。
例えば、左右の被案内部6Aは、ボンネット6の遊端部における左右の内側面の下部側に、ボンネット6の遊端側ほど車体横外側に位置する傾斜面6a(センタリング用の作用面A)を有する状態で着脱可能に取り付けられる樹脂部品であってもよい。
例えば、左右の被案内部6Aは、左右の縦長部材53の後壁部53Cに、ボンネット6の遊端側ほど車体横外側に位置する傾斜面6a(センタリング用の作用面A)を有する状態で着脱可能に取り付けられる樹脂部品であってもよい。
例えば、左右の被案内部6Aは、第2実施形態で例示した第1部材61のみで構成されたものであってもよい。この構成では、第1部材61の支持部61Cの表面が傾斜面6b(センタリング用の作用面A)として機能する。そのため、この構成の支持部61Cは、係合用の第3貫通孔61F及び位置決め用の凹部61Gを備えていない。
例えば、左右の被案内部6Aは、ボンネット6の遊端部における左右の内側面の下部側に、ボンネット6の下端側ほど車体横外側に位置する傾斜面6b(センタリング用の作用面A)を有する状態で固定装備されていてもよい。
例えば、図14に示すように、左右の被案内部6Aは、左右の縦長部材53における側壁部53Bの下端部に、ボンネット6の下端側ほど車体横外側に位置する傾斜面6b(センタリング用の作用面A)を有する状態で一体形成されていてもよい。
【0054】
〔6〕センタリング用の作用面Aは、ボンネット6の左右の被案内部6Aのみに備えるようにしてもよく、又、センタピラー13の左右の案内部13Aのみに備えるようにしてもよい。
【0055】
〔7〕ボンネット6の閉じ位置において、ボンネット6の左右の縦長部材53とセンタピラー13の左右の側壁56との間に形成される隙間を埋めるゴム製又はスポンジ製などのシール部材を、左右の縦長部材53又は左右の側壁56に備えるようにしてもよい。
【0056】
〔8〕ボンネット6の閉じ位置においては、ボンネット6の左右の縦長部材53とセンタピラー13の左右の側壁56とが面接触又は縦方向に線接触して、それらの間に隙間が形成されないようにしてもよい。
【0057】
〔9〕被案内部6A及び案内部13Aは、それらの一方が、被案内部6Aが案内部13Aに接触するときの衝撃を吸収するゴム製又はスポンジ製などの軟質部材で形成されていてもよい。
【0058】
〔10〕支持フレーム13に備える左右の案内部13Aの高さ位置は、ボンネット6の閉じ操作において、車体フレーム1に対するボンネット6の横揺れでボンネット6が原動部2のエンジン15などに接触する虞を回避できる高さ位置であれば種々の変更が可能である。
例えば、左右の案内部13Aの高さ位置は、原動部2の上端部と同じ高さ位置に設定されていてもよく、又、原動部2の上下中間部に近い原動部2の上端側の高さ位置に設定されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、車体フレームに支持される原動部と、前記原動部を覆う閉じ位置と前記原動部を開放する開き位置とに上下揺動可能なボンネットと、前記閉じ位置に位置する前記ボンネットの遊端側を支持する支持フレームとを備えた、例えば、トラクタ、フロントローダ、草刈機、田植機、及び、ホイールローダ、などの作業車に適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 車体フレーム
2 原動部
6 ボンネット
6A 被案内部
6a 傾斜面
6b 傾斜面
13 支持フレーム
13A 案内部
13a 傾斜面
53 縦長部材
61 第1部材
62 第2部材
A センタリング用の作用面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14