特許第6604943号(P6604943)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6604943光学利得測定のためのフォトニック回路デバイスおよびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604943
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】光学利得測定のためのフォトニック回路デバイスおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/026 20060101AFI20191031BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20191031BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   H01S5/026 618
   H01S3/00 G
   G02B6/122
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-526042(P2016-526042)
(86)(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公表番号】特表2016-535442(P2016-535442A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】IB2014065105
(87)【国際公開番号】WO2015063628
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年8月15日
(31)【優先権主張番号】1319207.5
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ホフリヒター、イェンス
【審査官】 大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−151327(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0273567(US,A1)
【文献】 特開平06−163874(JP,A)
【文献】 特表2013−525867(JP,A)
【文献】 特表2013−507792(JP,A)
【文献】 特開2011−022464(JP,A)
【文献】 特表2009−542033(JP,A)
【文献】 特開2000−151028(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02544319(EP,A1)
【文献】 国際公開第2012/134632(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/126351(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0246567(US,A1)
【文献】 P. B. Hansen, et al.,“Gain-switched laser-amplifier photonic integrated circuit generating 590 mW peak power optical pulses”,Electronics Letters,1991年 9月12日,Vol.27,No.19,p.1778-1779
【文献】 M-L Ma, et al.,“Measurement of gain characteristics of semiconductor lasers by amplified spontaneous emissions from dual facets”,Optics Express,2013年 4月19日,Vol.21,No.8,p.10335-10341
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00 − 5/50
G02B 6/12 − 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学利得測定のためのフォトニック回路デバイス(100)であって、
フォトニック回路を上に備える基板(10)であって、前記フォトニック回路が、同じ方向に沿って位置合わせされる2つの導波路部(71、72)を画定する1つまたは複数の導波路を備える、前記基板(10)と、
前記基板の頂部上の、電気的ポンピングまたは光学的ポンピングにより光を発生させるため前記デバイス中で結合される、活性利得セクション(62〜66)と、
少なくとも2つの光カプラ(75、76)であって、前記活性利得セクションの少なくとも一部が前記光カプラ間にあるように配置され、光を前記活性利得セクションと前記導波路部との間で結合するように構成される、前記光カプラ(75、76)と、
前記同じ方向に沿って伝播する光を前記利得セクションの中心に戻すように反射するように配置される部分反射器(90)と
を備え、
前記デバイスが、前記活性利得セクションに関して前記部分反射器に対向し、光を前記利得セクションの前記中心に戻すように反射するように構成される、他の反射器を備えず、
前記導波路部の各々が追加の光カプラ(81、82)を備え、前記部分反射器(90)が前記光カプラのうちの1つ(76)と前記追加の光カプラ(82)との間にあり、各追加の光カプラが、前記光カプラ(75、76)に最も近い前記導波路部の前記各々の他の端部に対向する、前記導波路部の前記各々の端部に配置され、
前記追加の光カプラ(81、82)が、前記追加の光カプラにおいて放出される光を前記導波路部を含む表面と垂直な方向に検知することを可能にするように構成される回折格子カプラである、
フォトニック回路デバイス(100)。
【請求項2】
前記光カプラ(75、76)が、前記同じ方向に沿って長手方向に延在する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記光カプラ(75、76)が、それぞれ、少なくとも1つのテーパ部(752、762)を備え、前記テーパ部が、導波路部(71、72)を終端し、または前記活性利得セクションに接続され、前記テーパ部が、それぞれ、基本的に放物形状を有する、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記光カプラ(75、76)が、それぞれ、対向して配向されて重複する2つのテーパ部(751、752、および761、762)を備え、前記2つのテーパ部のうちの第1のテーパ部がそれぞれの導波路部(71、72)を終端し、前記2つのテーパ部のうちの第2のテーパ部が前記活性利得セクションに接続される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記フォトニック回路がシリコン・フォトニック回路であり、前記基板が、前記フォトニック回路に加えて電気回路(40)をさらに備える、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記導波路部が、各々、前記デバイスの誘電体層(20)上に直接延在し、前記誘電体層が、前記基板の頂部上にあり、1ミクロンを超える厚さを有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記1つまたは複数の導波路の各々が結合層(50)と接触し、前記結合層の中に部分的に埋め込まれ、前記結合層(50)の表面と同じ高さの1つの表面を有し、前記結合層が、ポリマ、SiO、もしくはAl、またはこれらの任意の組合せのうちの1つである、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記活性利得セクション(62〜66)が、III−V族半導体材料、II−VI族半導体材料、ゲルマニウムの半導体、シリコン・ゲルマニウムの半導体合金、ポリマ、埋込量子ドットもしくは量子ダッシュあるいはその両方を備える材料、または量子井戸材料のうちの1つまたは複数を含み、前記セクションが、
第1の金属接点(65)を備える、底部接点層(64)と、
前記底部接点層(64)の頂部上にあり、第2の金属接点(66)を備える、上部(62)と
を備える、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記活性利得セクション(62〜66)がエピタキシャル層スタック(67)を備え、前記エピタキシャル層スタック(67)が、n型ドープされた半導体(642)を含み、少なくともその部分が前記底部接点層(64)の少なくとも部分を形成し、前記エピタキシャル層スタック(67)が、前記III−V族半導体材料を備える前記活性利得セクションの前記上部(62)の少なくとも部分を形成する上部スタックをさらに備え、前記エピタキシャル層スタック(67)自体が、
前記n型ドープされた半導体(642)の頂部上の第1の真性半導体(622)と、
前記第1の真性半導体の頂部上の複数の量子井戸セクション(624)と、
前記複数の量子井戸セクションの頂部上の第2の真性半導体(626)と、
前記第2の真性半導体の頂部上のp型ドープされた半導体(628)と
を備える、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記フォトニック回路が2つの導波路を備え、前記導波路の各々が前記導波路部の1つを画定し、
前記光カプラが、一方では前記活性利得セクションと、他方では前記2つの導波路の各々との間で光の結合を可能にするように構成され、前記2つの光カプラ(75、76)の各々が対向して配向されて重複する2つのテーパ部(751、752、および761、762)を備え、
前記2つのテーパ部のうちの第1のテーパ部(752、762)が、前記導波路部のうちの1つの端部を形成し、
前記2つのテーパ部のうちの第2のテーパ部(751、761)が、前記活性利得セクション(62〜66)に接続され、その一部を形成する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記フォトニック回路が、前記2つの導波路部(71、72)を画定するただ1つの導波路(70)を備え、前記導波路が変化する断面を有し、前記変化する断面が、前記導波路の外部と比較して狭い幅を有する中間部を有し、前記外部が前記2つの導波路部を画定する、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
光学利得測定の方法であって、
請求項1ないし11のいずれか一項に記載のデバイス(100)を準備するステップ(S10)であって、前記2つの導波路部が第1の導波路部(71)および第2の導波路部(72)を備える、前記準備するステップと、
電気的ポンピングまたは光学的ポンピングによって、光をそこに発生させる(S30)ために前記活性利得セクション(62〜66)を励起するステップ(S20)と、
前記光カプラ(75、76)により、発生させた光を前記2つの導波路部(71、72)の各々に伝達するステップ(S40)であって、前記光が前記部分反射器(90)において部分的に反射される(S45)、前記伝達するステップと、
前記活性利得セクション(62〜66)の前記光学利得を評価する(S70)ために、前記第1の導波路部(71)から放出された光の光パワーおよび前記第2の導波路部(72)から放出された光の光パワーの両方を検知するステップ(S60)とを含み、前記検知するステップ(S60)は、
前記第1の導波路部から放出された前記光が、
発生して(S40)前記第1の導波路部に直接伝達される(S40)光、および
発生して(S40)、前記部分反射器(90)において反射され(S45)、次いで前記第1の導波路部に伝達される(S40)光
の両方を含み、
前記第2の導波路部(72)から放出された前記光が、前記部分反射器(90)において反射されなかった(S50)光を含むように実施され、
前記活性利得セクション(62〜66)の前記光学利得を評価する(S70)ために、放出された光の前記光パワーが前記追加の光カプラの各々で検知され(S60)、
前記光パワーを検知するステップ(S60)が、前記追加の光カプラ(81、82)の各々の近傍に配置される光ファイバ(201、202)または光検出器を介して実施される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にフォトニック回路デバイスの分野に関し、特に、光学利得測定に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン・フォトニクスは、フォトニック・システムに関連しており、ここでシリコンが、材料が低損失であるので、光伝播のための媒体として使用される。シリコン・フォトニクスは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)電子回路で活用される、十分に確立したシリコン製造原理を使用する。特徴は、通常、(赤外線で動作するために)サブミクロン精度を有するマイクロフォトニック構成要素へとパターン形成される。典型的には、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)が最適の材料として使用される。シリコン・フォトニック・デバイスの製造では、さもなければ、知られている半導体製造技法を含むことができる。というのは、シリコンは、既に、ほとんどの集積回路に最適の基板として使用されており、光構成要素および電子構成要素が単一のチップ上に集積化されるハイブリッド・デバイスを作ることが可能であるからである。
【0003】
将来のコンピューティング・システムの要件を満たすため、オンチップ電気相互接続に対する高速で高いエネルギ効率の代替物が必要である。集積化された光学素子、特にシリコン・フォトニクスは、そのような要件を満たす。互換性のある光源と集積化された光相互接続が、低コスト、高性能CMOSベースのチップの大量製造に必要である。シリコンの間接バンドギャップに起因して、Siベースの光源は利用不可能である。効率的な光源は、典型的には、III−V族半導体に基づき、Siフォトニクス・プラットフォーム上に不均一に、または混合して集積化される。
【0004】
今日まで最も有望な手法は、シリコン・フォトニック導波路の頂部上で、後続の再成長を施される可能性がある、完全にエピタキシャルなIII−V族ベースの利得層スタックまたは薄いシード層を結合することを使う。いずれかの場合で、レーザ構造物または光源を測定し、特長を調べ、かつ評価するため、キー・デバイスのパラメータへの洞察を取得するために、特殊な試験構造物が必要である。キー・パラメータのうちの1つは、光学利得である。利得の計算は非常に正確ではなく、したがって、利得層をモデル化し、したがってレーザまたは光増幅器などの活性光デバイスを最適化するために、利得の測定が必要である。しかし、利得測定は、シリコン・フォトニクスなどのオンチップ用途では、非常に難しい。理由は、既存の技法および方法が、切り子面を劈開することを含み、または多数のデバイスを必要としており、そのことが、オンチップ用途に実装するのに魅力的でなく、この方法が、時間がかかること、破壊的であること、または大きい実装面積の消費に起因すること、あるいはそれらの組合せだからである。さらに、そのような技法は、出力パワー・スペクトル中の発振を解消するために、高解像度の分光計を必要とする場合がある。加えて、既存の概念の大多数は、光学利得を閾値未満または閾値付近で取り出すことだけができ、このことは、レーザ・デバイスの動作のコモン・モードである。したがって、知られている標準技法では、対象の発光デバイス中で使用されるような、現実的なポンピング条件下の利得材料の動作条件において(すなわち、目標とされるレーザの動作条件と等価であるポンピング電流密度において)、利得特性の特長を調べることが可能にならない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“Flexible metal grating basedoptical fiber probe for photonic integrated circuits”,by Stijn Scheerlinck et al., Appl. Phys. Lett. 92, 031104 (2008)
【非特許文献2】Ma et al., Optics Express Vol. 21,No. 8, pp. 10335-10341, 2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
結論として、オンチップ光学デバイスの利得を簡単に測定することを可能にする適切なデバイス、すなわち、多数のデバイスを製造すること、デバイスを劈開するもしくはその切り子面を研磨して、利得測定構造物に複数の接点を付着すること、または現実的なポンピング/動作条件下で閾値より高い利得を正確に測定する必要があるといったことがない、適切なデバイスは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、
− フォトニック回路を備える基板であって、フォトニック回路が、同じ方向に沿って位置合わせされる2つの導波路部を画定する1つまたは複数の導波路を備える、基板と、
− 基板の頂部上の、電気的ポンピングまたは光学的ポンピングにより光を発生させるためデバイス中で結合される、活性利得セクションと、
− 活性利得セクションの少なくとも一部が光カプラ間にあるように配置され、光を活性利得セクションと前記導波路部との間で結合するように構成される、少なくとも2つの光カプラと、
− 前記同じ方向に沿って伝播する光を利得セクションの中心に戻すように反射するように配置される部分反射器と
を備え
デバイスが、活性利得セクションに関して前記部分反射器に対向し、光を利得セクションの中心に戻すように反射するように構成される、他の反射器を備えない、光学利得測定のためのフォトニック回路デバイスとして具現化される。
【0008】
実施形態では、光カプラは、前記同じ方向に沿って長手方向に延在する。
【0009】
好ましくは、光カプラは、それぞれ、少なくとも1つのテーパ部を備え、前記テーパ部が、導波路部を終端し、または活性利得セクションに接続され、好ましくは、テーパ部が、それぞれ、基本的に放物形状を有する。
【0010】
好ましい実施形態では、光カプラは、それぞれ、対向して配向されて重複する2つのテーパ部を備え、2つのテーパ部のうちの第1のテーパ部がそれぞれの導波路部を終端し、2つのテーパ部のうちの第2のテーパ部が活性利得セクションに接続される。
【0011】
好ましくは、導波路部の各々が追加の光カプラを備え、部分反射器が光カプラのうちの1つとそのような追加の光カプラとの間にあり、各追加の光カプラが、好ましくは、光カプラに最も近い導波路部の前記各々の他の端部に対向する、導波路部の前記各々の端部に配置される。
【0012】
実施形態では、追加の光カプラは、前記追加の光カプラにおいて放出される光の垂直測定を可能にするように構成される回折格子カプラである。
【0013】
好ましくは、フォトニック回路がシリコン・フォトニック回路であり、より好ましくは、基板は、フォトニック回路に加えて電気回路をさらに備える。
【0014】
好ましい実施形態では、導波路部は、各々、デバイスの誘電体層上に直接延在し、好ましくは、誘電体層は、基板の頂部上にあり、1ミクロンを超える厚さを有する。
【0015】
好ましくは、1つまたは複数の導波路の各々が結合層と接触し、好ましくは、結合層の中に部分的に埋め込まれ、より好ましくは、結合層の表面と同じ高さの1つの表面を有し、前記結合層は、好ましくは、ポリマ、SiO、もしくはAl、またはこれらの任意の組合せのうちの1つである。
【0016】
実施形態では、利得セクションは、III−V族半導体材料、II−VI族半導体材料、ゲルマニウムなどの半導体、シリコン・ゲルマニウムなどの半導体合金、ポリマ、埋込量子ドットもしくは量子ダッシュあるいはその両方を含む材料、または量子井戸材料のうちの1つまたは複数を含む。
【0017】
好ましくは、利得セクションがIII−V族半導体材料利得セクションであり、このセクションが、
− 第1の金属接点を備える、底部接点層と、
− 底部接点層の頂部上にあり、第2の金属接点を備える、上部と
を備える。
【0018】
好ましい実施形態では、利得セクションがエピタキシャル層スタックを備え、エピタキシャル層スタックが、n型ドープされた半導体を含み、少なくともその部分が底部接点の少なくとも部分を形成し、エピタキシャル層スタックが、III−V族半導体材料利得セクションの前記上部の少なくとも部分を形成する上部スタックをさらに備え、エピタキシャル層スタック自体が、
− n型ドープされた半導体の頂部上の第1の真性半導体と、
− 前記第1の真性半導体の頂部上の複数の量子井戸セクションと、
− 複数の量子井戸セクションの頂部上の第2の真性半導体と、
− 第2の真性半導体の頂部上のp型ドープされた半導体と
を備える。
【0019】
特に好ましい実施形態では、フォトニック回路は、2つの導波路を備え、導波路の各々が前記導波路部の1つを画定し、光カプラが、一方では活性利得セクションと、他方では2つの導波路の各々との間で光の結合を可能にするように構成され、2つの光カプラの各々が対向して配向されて重複する2つのテーパ部を備え、
− 2つのテーパ部のうちの第1のテーパ部が、導波路部のうちの1つの端部を形成し、
− 2つのテーパ部のうちの第2のテーパ部が、活性利得セクションに接続され、好ましくはその一部を形成する。
【0020】
変形形態では、フォトニック回路は、前記2つの導波路部を画定するただ1つの導波路を備え、前記導波路が変化する断面を好ましくは有し、変化する断面は、より好適には、前記導波路の外部と比較して狭い幅を有する中間部を有し、前記外部が前記2つの導波路部を画定する。
【0021】
別の態様によれば、本発明は、光学利得測定の方法であって、
上の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスを準備するステップであって、前記2つの導波路部が第1の導波路部および第2の導波路部を備える、準備するステップと、
電気的ポンピングまたは光学的ポンピングによって、光をそこに発生させるために利得セクションを励起するステップと、
光カプラにより、発生した光を2つの導波路部の各々に伝達するステップであって、光が部分反射器において部分的に反射される、伝達するステップと、
活性利得セクションの光学利得を評価するために、第1の導波路部から放出された光の光パワーおよび第2の導波路部から放出された光の光パワーの両方を検知するステップと
を含み、検知するステップは、
第1の導波路部から放出された前記光が、
発生して第1の導波路部に直接伝達される光、および
発生して、部分反射器において反射され、次いで第1の導波路部に伝達される光
の両方を含み、
第2の導波路部から放出された前記光が、部分反射器において反射されなかった光を含む
ように実施される、方法として具現化することができる。
【0022】
実施形態では、準備されるデバイスの導波路部の各々は、追加の光カプラを備え、部分反射器は、光カプラのうちの1つとそのような追加の光カプラとの間にあり、追加の光カプラは、好ましくは、光カプラに最も近い導波路部の前記各々の他の端部に対向する、導波路部の前記各々の端部に配置され、放出された光の光パワーが追加の光カプラの各々で検知されて、活性利得セクションの光学利得を評価する。
【0023】
好ましくは、光パワーを検知するステップは、追加の光カプラの各々の近傍に配置される光ファイバまたは光検出器を介して実施される。
【0024】
本発明を具現化するデバイス、装置、および方法を、ここで、非限定的な例として、添付図面を参照して記載する。図面中に描かれる技術的な特徴は、原寸に比例しない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。図1は、製造の中間段階におけるデバイスを描く。
図2】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。図2は、製造の中間段階におけるデバイスを描く。
図3】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。図3は、製造の中間段階におけるデバイスを描く。
図4】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。図4は、製造の中間段階におけるデバイスを描く。
図5】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。図5は、製造の中間段階におけるデバイスを描く。
図6】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。
図7図6のデバイスを概略的に描く平面図である。
図8】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。
図9】実施形態に従う、フォトニック回路デバイス製造の1つの段階における、フォトニック回路デバイスの簡略表現を示す3D図である。
図10図9のデバイスを概略的に描く平面図である。
図11】本発明に従う方法の実施形態に従う、図10におけるものと同じ平面図であって、そこでどのように光が発生し、伝達、伝播、および反射されるのかをさらに図示した図である。
図12】実施形態に従う、図1図11、および図13図17に描かれるようなデバイス中の、光学利得を測定する方法の、高レベルのステップを図示する流れ図である。
図13図9および図10に描かれるようなデバイスの簡略表現の断面図である。
図14図9および図10のデバイスに対する変形形態の簡略表現の断面図である。
図15図9および図10のデバイスに対する別の変形形態の簡略表現の断面図である。
図16図9および図10に描かれるようなデバイスの簡略表現の(長手方向)側面図である。
図17】実施形態に含まれるような、III−V族半導体材料利得セクション(の部分)を形成するエピタキシャル層スタックの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の記載は、次のように構成される。第一に、一般的な実施形態および高レベルの変形形態が記載される(セクション1)。次のセクションは、より具体的な実施形態および技術的な実装の詳細を対象とする(セクション2)。
【0027】
1 一般的な実施形態および高レベルの変形形態
図1図11および図13図17に関して、光学利得測定のためのフォトニック回路デバイス100に関係する、本発明の態様が最初に記載される。このデバイスには、活性利得セクションの光学利得測定値を簡単に測定することを可能にする、オンチップ利得測定構造物が設けられる。
【0028】
最初に、デバイス100は、フォトニック回路を有する基板10を備える。基板は、好ましくはシリコン・ウェハであるが、ガリウム・ヒ素(GaAs)またはインジウム・リン(InP)からも作ることができる。基板は、シリコン・フォトニック回路、受動InPフォトニック回路、または受動GaAsフォトニック回路を特に備えることができる。基板は、今後、簡単のために「ウェハ」と呼ぶものとする。それにもかかわらず、典型的な製品は、当技術分野で通常であるように、単一のダイを含む場合がある。
【0029】
フォトニック回路は、1つまたは複数の導波路(導波路部71、72)を備える。本明細書に記載されるほとんどの実施形態では、図3に関して記載される実施形態を例外とすることを条件として、フォトニック回路は、2つの導波路を備える。全ての場合で、1つまたは複数の導波路(導波路部71、72)は、図1図11で明らかなように、同じ方向に沿って位置合わせされる、(少なくとも)2つの導波路部を画定する。「導波路部」とは、集積化したフォトニクスまたはシリコン・フォトニクスで通常であるように、導波路の中核部を意味する。取り囲んでいる構成要素、層、または材料などは、クラッドの役割を果たす。フォトニック回路の他の構成要素は、簡潔さのために添付図面では表現されない。
【0030】
デバイス100は、ウェハの頂部上に、電気的ポンピングまたは光学的ポンピングにより光を発生させるためにデバイス中で結合される、活性利得セクション62〜66をさらに備える。活性利得セクション62〜66を、例えば、ウェハの頂部上に(直接的または間接的に)結合することができる。変形形態では、その間に境界面があってよい。活性利得セクションは、分子結合、またはポリマもしくはSiOの層、またはさらに、AlおよびSiOの2分子層、またはこれらの組合せを使用して、直接結合することができる。しかし、AlおよびSiOの2分子層を使用することが好ましい。というのは、SiOは、CMOSプロセスで標準的な材料であり、Alが結合エネルギを改善するからである。「〜の頂部上に」とは、上(または下)を意味し、必ずしも、当技術分野で一貫して仮定されるように、「〜と直接接触して」を意味しないことに留意されたい。したがって、材料Aの層aが材料Bの層b「の頂部上に」ある場合、層aと層bとの間に少なくとも部分的に重複がある。
【0031】
図6図10でより良好に分かるように、活性利得セクションの少なくとも部分が光カプラ間にあるように配置される、少なくとも2つの光カプラ75、76がさらに設けられる。これらのカプラは、それぞれが、活性利得セクションと導波路部との間で光を結合するように構成される。したがって、カプラによって、利得セクション中で発生する光を導波路部71、72に伝達することが可能になる。後で詳細に説明されるように、光カプラ75、76は、例えば、導波路部71、72の中、または活性利得セクションの中、あるいはその両方に設けることができる。すなわち、カプラは、(i)フォトニック回路の導波路部、(ii)利得セクション(例えば、III−V族材料)、または(iii)導波路部と利得セクションの両方をパターン形成することによって得ることができる。光カプラは、ウェハに隣接する層の表面の頂部上、またはウェハ自体の表面上に特に配置することができる。好ましくは、光カプラ75、76は、活性利得セクションと導波路部との間に、光の断熱結合を可能にするように、形作られて、配置される(断熱とは、実質的に損失がなく、実質的に後方反射がないことを意味する)。
【0032】
最後に、デバイス100は、前記同じ方向に沿って伝播する光を利得セクションの中心へ戻すように反射するように配置される反射器90を備える。重要なことに、デバイス100は、利得セクションの他の側に、他の反射器を備えない。すなわち、活性利得セクションに関して、光を利得セクションの中心へ戻すように反射する可能性がある、部分反射器90に対向する追加の反射器がない。言い換えると、部分反射器90は、利得セクションの中心に対して非対称に、例えば、利得セクションの片側にのみ配置(および構成)される。それにもかかわらず、部分反射器90は、実際には活性利得セクションの部分であることができる。というのは、その機能が、発生した光の部分を、片側からだけ利得セクションの中心へ戻すように反射することであるからである。
【0033】
当業者は知っているように、反射器が光の100%を反射することは決してない(したがって、「部分反射器」は、以下では「反射器」と簡単に呼ばれる)。ここで、光学利得を測定することは、後で説明するように、この特性に正確に依拠する。本発明は、原理的に、単に部分的に光を反射する任意の反射器で具現化することができる。好ましくは、反射器90は、反射器90に当たる光の10%と90%の間を反射しなければならない。より好ましい範囲は、40%と60%の間(例えば、50%反射)であり、このことによって、実際には、測定のため、各導波路(導波路部71、72)中の光パワーのより好適な非対称性を実現することが可能になる。1つよりも多くの反射器90が中心の片側に存在できることに留意されたい。また、この発明では、「光」は「電磁放射」として理解しなければならず、すなわち、本明細書で引用されるいくつかの応用例にかかわらず、「光」は、必ずしも可視光に限定されない。例えば、本技術分野で、「赤外光」のことを指すのはよくあることである。
【0034】
最も好都合なことには、反射器90は、図1図4に見られるように、導波路部72の中に配置される。変形形態では、反射器90は、光路を遮断し、光を利得セクションの中心に戻すように反射するように、カプラ76に近い、利得セクションの端部に配置することができる。さらに、反射器90は、好ましくは、導波路部71、72(さらに、下で論じられる追加の光カプラ81、82)が位置合わせされる方向によって画定される光路中で、利得セクションにより発生する光と相互作用するただ1つの反射器である。
【0035】
そのようなデバイスは、背景技術のセクションで挙げられた従来技術の欠点を回避する。そのようなデバイスは、レーザ・デバイスまたは光増幅器などのオンチップ・デバイスの利得スペクトルを特長化するのに非常に好適である。関連する利得測定方法の記載によって、オンチップ光学デバイスの利得は、ウェハ上で直接簡単に測定できること、また多数のデバイスの製造、切り子面の劈開もしくは研磨を必要としないこと、または利得測定構造物に複数の接点を付着する、もしくは現実的なバイアス条件下、すなわちレーザ・デバイスの閾値より上で正確に利得を測定する必要がないことが明らかとなる。対照的に、本方法は、基本的に、導波路部から放出される光の光パワーを検知することを必要とし、このことから、次に利得を評価することができる。これらの方法は、後で詳細に記載される。
【0036】
光を結合するいくつかの様式が知られている。光カプラ75、76は、好ましくは、長手方向カプラであり、すなわち、導波路部71、72の延びる方向に沿って長手方向に延在する。(例えば、図6図10を参照)この方向は、カプラおよび導波路部の中の光の伝播の主方向に対応する(光は、前記方向に沿って両方の様式で伝播することができる)。長手方向光カプラ75、76を使用することが好ましい。というのは、長手方向光カプラ75、76が、導波路部と利得セクションとの間の断熱結合をより容易に可能にするからである。
【0037】
図1図2図4、および図6図10に見られるように、光カプラ75、76は、例えば、各々が少なくとも1つのテーパ部752、762を備えることができる。ここで、テーパ部は、導波路部71、72を終端し、または活性利得セクションに接続される。テーパ部は、基本的に放物形状を有することができる。すなわち、テーパ部の横方向端部が放物状であり、より一般的には、非直線状であってよい。テーパ部の好適な設計によって、光モードのより滑らかな変換が可能になり、不要なモードへの散乱を最小にすること、テーパ部の長さをより短くすることが確実になる。この事項についてさらに検討すると、放物形状は、実際には最も好適な幾何形状ではないことが示された。けれども、放物形状は、最適な幾何形状の近似と考えることができ、少なくとも、直線状のテーパよりも良好な近似と考えることができる。
【0038】
非直線状のテーパは、単一の非直線状のテーパ・セクションまたは複数のテーパ・セクション、例えば直線状のセクション、その後に続く例えばそれ自体が放物状といった非直線のセクション、さらにその後に続く直線状のセクションなどを使用して得ることができる。テーパの好ましい設計は、結合効率目標、導波路の幾何形状および屈折率、ならびにサイズ制限に依存する。利用可能な製造技法に応じて、非直線状のテーパ部を複数の連続した直線状の下位部分によって近似することがより現実的な場合がある。
【0039】
テーパ間で断熱光結合を達成するための条件が、いくつかの文書で調査された。最適な設計を有するテーパを記載する解析式を文献中に見い出すことができる。しかし、(本内容に適合する)最適なテーパ・パラメータは、マックスウェル方程式を時間領域で解く、有限差分時間領域(FDTD)シミュレーションから得ることができる。この数値的方法によって、計算されるテーパ・パラメータの非常に正確な解が可能になる。
【0040】
好ましくは、反射器90は、添付図面に図示されるように、導波路部のうちの1つのテーパ部の端部に、例えば、テーパ部762の端部に配置される(その場合、反射器90は導波路部72の中に集積化される)。変形形態では、反射器90は、テーパ部761の端部に配置することができる(その場合、反射器90は、利得セクションの中、その周辺部に集積化される)。反射器が利得セクションの周辺部に近づくにつれて、損失が少なくなり、測定値が正確になる。しかし、製造の点では、反射器を導波路部のうちの1つに製造する方が簡単である。というのは、導波路の製造プロセスは、より成熟しており、より小さい特徴を解像することができるからである。例えば、シリコンが好ましい。したがって、反射器をテーパ部762の端部に設けることによって、十分なトレードオフが実現する。より一般的には、反射器は、カプラの始端、例えば活性利得セクション中に、またはカプラ、例えば図中のカプラ76の端部に、カプラ76の実際の実施形態とは無関係に配置することができる。
【0041】
ここで図6図10を参照して、実施形態では、光カプラ75が2つのテーパ部751、752を、光カプラ76が2つのテーパ部761、762を各々備えることができる。光カプラ75を考える。光カプラ75は、対向して配向され、少なくとも部分的に重複する2つのテーパ部751、752を有することができる。利得セクションを導波路部に効率的に光学的に結合するように、テーパ部752のうちの一方は、導波路部71を終端し、他方のテーパ部751は、活性利得セクション62〜66の部分である(または少なくとも、活性利得セクション62〜66に接続される)。
【0042】
図1図10に見られるように、デバイス100は、利得測定を可能にするために、デバイス100に直接集積化される追加の光カプラ81、82を備えることができる。すなわち、反射器が光カプラのうちの1つの光カプラ76と、これらの追加のカプラ82のうちの1つとの間に配置されるように、追加の光カプラ81、82を、導波路部71、72の各々の中に備えることができる。各追加の光カプラ81、82は、好ましくは、導波路部の端部に、すなわち、光カプラ75、76に最も近い、その端部の反対に配置される。例えば、追加の光カプラ81、82は、回折格子カプラであってよく、それによって、光を垂直方向に検知する、すなわち、追加の光カプラにおいて放出される光を、導波路部を含む表面と垂直に検知することを可能にする。変形形態では、追加の光カプラは、放出される光の横方向測定のために構成することができる。他の変形形態では、追加の光カプラは、検知デバイスの部分(デバイス100の部分でない、外部カプラ)であってよい。読者は、集積化された結合構造物の必要がなくプローブと導波路との間で光が結合される、“Flexible metal grating based optical fiber probe for photonicintegrated circuits”, by Stijn Scheerlinck et al.,Appl. Phys. Lett. 92, 031104 (2008)という文書を参照されたい。
【0043】
以前に言及したように、フォトニック回路は、好ましくはシリコン・フォトニック回路である。図2図3に図示されるように、ウェハは、フォトニック回路に加えて電気回路40をさらに備えることができる。前記電気回路40は、例えば、相補型金属酸化物半導体(CMOS)フロントエンドであってよい。より一般的には、ウェハは、電子回路をさらに備えることができる。
【0044】
図1でより良好に分かるように、導波路部71、72の各々は、誘電体層20の上に直接延在することができる。この誘電体層は、ウェハの頂部上に設けることができる。この誘電体層20は、埋込酸化物、例えばSiOと呼ぶことができる。誘電体層20は、好ましくは、1マイクロメートルを超える厚さを有する。実際の最小厚は、発生する光の波長に依存する。使用される光の波長は、好ましくは、例えば1.3〜1.55ミクロンである。誘電体層は、導波路部のためのより低位のクラッドを提供し、一方、ウェハに対する熱的および機械的な界面を提供する。誘電体層20は、したがって、デバイスの機械的および熱的な特性を調整するために有利に使用することができる。
【0045】
ここで図4図6図10を参照すると、導波路70、導波路部71〜72は結合層50と接触することができ、結合層50は、典型的には、ポリマ、SiO、もしくはAl(またはこれらの任意の組合せ)である。また、AlとSiOの2分子層が界面として働くことができる。導波路70、導波路部71、72は、図13に図示されるように、結合層50の中に部分的に沈んでよく、このことによって、結合層50の厚さを適合させることにより、光カプラ75、76の特性を調整することを可能にする。導波路70、導波路部71、72は、それでも、図14に図示されるように、結合層50の表面と同じ高さの1つの表面を有してもよく、このことによって、結合層50の厚さ変動により誘起される光カプラ75、76の結合特性の変動を減少させる。結合層50がフォトニック回路の表面と面一である場合、フォトニック回路が結合層50の高さまたは厚さを非常に正確に決定する。他の変形形態では、デバイスは、図15に図示されるように、導波路70、導波路部71、72が空気によって(横方向に)部分的に囲まれるように設計することができる。このことによって、ウェハ上への利得材料のより簡単な結合が可能になる。というのは、光は空隙を通って押し出され、結合された利得材料中の気泡および結合された利得材料の層剥離の危険を減らすことができるからである。
【0046】
利得材料は、結合層50の頂部上に結合することができる。変形形態では、活性利得セクションは、分子結合を使用して、導波路部の頂部上に(直接的または間接的に)配置することができる。
【0047】
ここで図6図10および図13図17を参照して、活性利得セクション62〜66が、好ましくは、III−V族半導体材料を含むものとする。変形形態では、活性利得セクション62〜66が、II−VI族半導体材料、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウムなどの半導体合金、またはポリマを含むことができる。使用される半導体は、(例えば、ゲルマニウムを使用するとき)必要に応じて、また好ましくは歪みと組み合わせてドープして、例えば、バンドギャップを間接バンドギャップの代わりに直接バンドギャップにすることができる。そのような材料の組合せを、さらに意図することができる。活性利得セクション62〜66は、埋込量子ドットまたは量子井戸材料を含む材料をさらに含むことができる。例えば、活性利得セクション62〜66は、III−V族半導体材料を含むこと、特に、底部接点層64(および第1の金属接点65)ならびに底部接点層64の頂部上の上部62(および第2の金属接点66)を含むことができる。そうすることの理由は、後で明らかになる。
【0048】
図17に図示されるように、活性利得セクション62〜66は、エピタキシャル層スタック67を備えることができる。エピタキシャル層スタック67は、n型ドープされた半導体642を含むことができ、その一部が底部接点層64(の少なくとも部分)を形成することができる。すなわち、底部接点層64は、層(n型ドープされた半導体642)の残留部に制約されて、特に、層(n型ドープされた半導体642)の残留部がエピタキシャル層スタック67をパターン形成することにより(例えば、リソグラフィおよびエッチングにより)形成される場合、基本的に層(n型ドープされた半導体)642により形成することができる。エピタキシャル層スタック67は、上部スタックをさらに備え、上部スタックは、III−V族半導体材料利得セクションの上部62(の少なくとも部分)を形成する。図17では、上部スタックは、
− n型ドープされた半導体642の頂部上に配置される第1の真性半導体622と、
− 前記第1の真性半導体の頂部上の複数の量子井戸セクション624と、
− 複数の量子井戸セクションの頂部上の第2の真性半導体626と、
− 第2の真性半導体の頂部上のp型ドープされた半導体628と
を備える。
【0049】
前述の層スタックは、分子線エピタキシ(MBE)によって、または有機金属化学気相堆積(MOCVD)によってのどちらでも、成長するのが簡単である。特に、利得スタックは、n型ドープされたセクションが導波路の近傍にあるという利点を有する。このことは特に魅力的である。というのは、p型ドープされたセクションは、典型的には、接点層(p型ドープされた半導体628およびn型ドープされた半導体642)のそれぞれに存在するドーパントの、同じドープ・レベルまたは濃度に対して、10倍高い光学的損失を有するからである。
【0050】
変形形態では、例えば、金、タングステン、チタンなどといった、ただ1つのタイプの接点金属が付着される必要があるように、利得スタックは、両側のn型接点でデバイスを終端することを可能にするトンネル接合を含むこともでき、通常は、p型およびn型ドープされた領域は、フェルミ・レベルと一致して接触抵抗を減らすために異なるタイプの金属を使用することを想起されたい。
【0051】
実装の好ましい例は、以下である(図6図11および図16に図示される)。第一に、フォトニック回路が、2つの別個の導波路部71、72を備える(導波路部71、72はそれぞれ、前述したように導波路部を画定する)。第二に光カプラ75、76が、活性利得セクションと、2つの導波路の各々との間で光を結合する。(図11参照)その目的のため、各光カプラ75、76は、以前に論じたように、対向して配向され重複する2つのテーパ部を備える。すなわち、テーパ部752、762のうちの1つは、導波路部の端部を形成し、一方、他のテーパ部751、761は、活性利得セクション62〜66に接続される(テーパ部751、761は、好ましくは活性利得セクション62〜66の部分を形成する)。テーパ部751、761は、活性利得セクションの中心に向かって拡がり、一方テーパ部752、762(導波路のテーパ)は、活性利得セクションの中心に向かって狭くなる。
【0052】
前述したように、そのような構成が、結合の断熱性を改善することを示してきた。光学的分布がテーパにわたり同じ固有モード(すなわち、結合される導波路システムのスーパーモード、例えば、基本偶数スーパーモード、基本奇数スーパーモード)により規定され、他のスーパーモードまたは放射モードには最小の分散であるとき、断熱性が達成される。それでもなお、損失は、完全にゼロでは決してない。当技術分野で知られているように断熱性は相対的な用語である。損失が予め定められたレベルよりも低い、例えば、15%未満、典型的には10%未満であるとき、カプラは断熱的であると考えられる。
【0053】
図6図11の実施形態は、4つのテーパ部を(合計で)含む。変形形態では、例えば、各々が活性利得セクションの部分を形成する、ただ2つのテーパ部を(合計で)設けることができる。他の変形形態では、各々が導波路部のそれぞれのものの中に設けられる、ただ2つのテーパ部が設けられる。
【0054】
導波路部は、必ずしも、それぞれ、良好に画定された導波路によって画定されるわけではない。例えば、図3では、前記2つの導波路部71、72を画定する、ただ1つの導波路70が設けられる(図3およびより一般的には図1図5が製造の中間段階におけるデバイスを描くことに留意されたい)。導波路70は、変化する断面を有することができる(図示せず)。例えば、導波路70は、2つの導波路部71、72を画定する外部と比較して狭い幅を有する中間部を有することができる。
【0055】
目下は、上に記載されたようなデバイスを使用する、光学利得測定の方法が論じられる。図11図12をより具体的に参照して、そのような方法は、以下のステップを基本的に含む。
− 第一に、本明細書で論じられるようなデバイス100が準備される(S10)
− 第二に、活性利得セクション62〜66が励起され(S20)、そこで光を発生させる(S30)。上に記載されたデバイスの仕様に従い、利得セクションを、電気的ポンピングまたは光学的ポンピングによって励起することができる。
・例えば、利得セクションは、電気プローブ、ワイヤボンド、フリップチップ・ボンディング、またははんだ付けなどを使用することにより、電気的に励起すること(電気的ポンピング)ができる。
・利得セクションは、さもなければ、光パルスによって、または連続波光を使用することにより光学的に励起すること(光学的ポンピング)ができる。
図11に概略的に図示されるように、(例えば、エピタキシャル層スタック67の中、特に、図17の量子井戸セクション624の中で作り出される)電子−正孔対が、利得セクション中で再結合し、光子を発生させることができる。
− 次いで、光カプラ75、76により、発生した光を導波路部71、72の各々に伝達する(S40)。光は、反射器90において(少なくとも部分的に)反射され(S45)、第1の導波路部71中の光パワーと第2の導波路部72中の光パワーとの間に非対称をもたらす。
− 最後に、導波路部の各々から放出される光の光パワーを検知し(S60)、活性利得セクション62〜66の光学利得を評価する(S70)。
・すなわち、第1の導波路部71から放出される光の光パワーおよび第2の導波路部72から放出される光の光パワーの両方が検知される。
・光パワーは、以下のように検知される。
− 第1の導波路部から放出される光は、第1の導波路部に直接および間接の両方で伝達された光を含む。すなわち、
・発生させ(S40)、次いで第1の導波路部71に直接伝達される(S40)光、および
・発生させ(S40)、次いで反射器90において反射され(S45)、次いで第1の導波路部に伝達される(S40)光
を含む。一方、
− 第2の導波路部72から放出される光の光パワーは、反射器90の「後」に検知される。すなわち、第2の導波路部72から放出される光は、反射器90において反射されなかった光、すなわち反射器を通過した光の部分を含む。言い換えると、第2の部分72において検知される光の光パワーは、(ごくわずかな損失および第2の部分72の環境からの光汚染効果を条件として)反射器90において反射されなかった光のみを含む。
【0056】
その点に関し、特に、光が導波路部に伝達されてその中で伝播し、反射器において反射し、または追加のカプラから放出される、あるいはそれらの組合せであるとき、残留損失が発生する可能性があることが理解される。
【0057】
非対称な反射器90のため、曲線状の矢印の様々な幅により示されるように、図11の左手側導波路部71中の光の強度は、右手側部分72中の強度よりも大きい。測定される利得は、基本的に、これらの強度間の非対称性を反映する。利得は、直接測定されず、代わりに計算される。典型的には、光パワーは、強度(次いで、放出率)を測定するために検知され、最終的に光学利得を取得する。より明確な詳細は、次のセクションで与えられる。
【0058】
好ましい実施形態では、導波路部71、72の各々は、(例えば、導波路部の対向する端部に配置される)追加の光カプラ81、82を備える。放出される光の光パワーは、したがって、(特に、第2の部分72に関する場合、反射器90の後に、)追加の光カプラ81、82において検知することができる(S60)。ステップS60は、特に、追加の光カプラ81、82の近傍に置かれる光ファイバ201、202または光検出器を介して実施することができる。デバイス100は、そのような検知手段、すなわち、光ファイバ201、202または光検出器を備えてよい(または備えなくてよい)。
【0059】
上の実施形態は、添付図面を参照して簡潔に記載された。上の実施形態は、いくつかの変形形態を受け入れることができる。上の特徴のいくつかの組合せを意図することができる。次のセクションで例が与えられる。
【0060】
2 具体的な実施形態/技術的な実装の詳細
より具体的な実施形態およびその変形形態がここで記載される。そのような実施形態は、チップ上でオンチップ光学利得を測定するための試験構造に類似する、デバイスの周りで展開する。そのキーとなる利点は、利得が以下のように、すなわち、
− 電気的ポンピングを使用することによって
− 2つの接点だけを同時に確立することによって
− 垂直ファイバプローブを使用すること(したがってウェハ・スケールの試験を可能にすること)によって
− 切り子面を研磨することなく
− 多数の試験構造を製造および測定することなく(1つのデバイスで十分)
− 多数の(2つより多い)接点を付着する必要なく
− 高いスペクトル解像度を必要とすることなく
測定できるということである。
【0061】
集積化の方式が開示され、そこでは、ゲルマニウム、GaAs、InP、InGaAs、InAlAs、InGaAsP、NAsP、GaSb、これらの合金のいずれか、または任意の他の好適な化合物半導体から作られる光学的な活性ベースの利得セクションが、導波路にエバネッセントに結合される、または好ましくはシリコンから作られる導波路とハイブリッド・モードを形成する。これは、活性光学層(すなわち、利得セクション)をシリコン導波路上に直接、または、より低い指数の材料、好ましくは二酸化シリコン、窒化シリコン、アルミナ、またはこれらの組合せを使用して製造することができる、結合層50の頂部上に結合することによって実現される。結合層50は、さらに、ポリマなどの接着材料から、または任意の他の好適な固体材料、またはそれらの組合せから作ることができる。
【0062】
好ましい集積化の方式は、分子結合に基づく。III−V族ベースの材料は、好適な基板(III−V族半導体、Si、Geなど)の上で成長し、任意選択で、分子線エピタキシ、分子蒸気相エピタキシ、有機金属化学気相堆積、原子層エピタキシ、原子層堆積、スパッタリング、または任意の他の好適な薄膜堆積技法により誘電体でカバーされる。次いで、この層は、フロントエンド電子回路および光学素子を備える、電子ウェハの頂部上に結合される。利得材料として働く完全なIII−V族層スタックが結合される、または後続する再成長のためのシード層が結合される、または利得材料および好適なエッチストップを有するシード層の両方を含むIII−V族層スタックが結合される、のいずれかである。
【0063】
結合は、好ましくは、CMOSウェハ(基板10)上に存在する誘電体層20の頂部上で実施される。現況技術のCMOSプロセスでは、この層は、二酸化シリコン層であり、低い表面粗さを呈する平坦面を提供するために、化学機械的研磨(CMP)により研磨された。
【0064】
ウェハまたはウェハ・スケールで結合されたIII−V族ベースの層のいずれかが使用されるので、集積化の方式は、大量製造および現在のバックエンド製造方式との簡単な集積化に向いている。
【0065】
III−V族層内の利得試験構造物は、これらのバックエンド製造方式の期間、電気的に接続される。このようにして、利得試験構造物は、ウェハ・スケールの試験用に製造することができる。
【0066】
さらに、この試験構造物は、電子回路によって駆動することができ、1つの共通層、すなわち頂部シリコン層中に存在する光学素子に結合することができる。光信号は、垂直プローブ、したがってウェハ・スケールの試験を可能にする、回折格子カプラ(追加の光カプラ81、82)によりカップルアウトされる。
【0067】
そのようなデバイスの例が図9図10に示される。
【0068】
目下は、デバイスへの変形形態および製造方法が記載される。
【0069】
構造物は、(本発明の実施形態の製造の、初期の中間フェーズを示す)図1に示されるように、活性材料(例えば、III−V族ベースの材料)(活性利得セクション62〜66)が、シリコン・フォトニクス回路を備えるウェハ(基板10)の頂部上に結合されるように設計することができる。シリコン・フォトニック回路は、導波路部71、72の両方の端部上の回折格子カプラ(追加の光カプラ81、82)、反射率Rを有する反射器90、およびテーパ部751、761を備える。さらに、シリコン・フォトニクス回路は、酸化物層(誘電体層20)(埋込酸化物)上に存在しており、酸化物層(誘電体層20)は、やはりシリコン・ウェハ(基板10)上に配置され、したがって、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)構造を形成する。
【0070】
以前のセクションで言及したように、本発明の実施形態は、前のようにシリコン・フォトニック回路を備え、加えて、図2に示されるように、CMOSまたはバイポーラ(Bi)CMOSフロントエンドオブライン(FEOL)(誘電体層20)を備える基板を含む。この図は、電子回路40、受動フォトニクス、ウェハ(基板10)、および埋込酸化物層(誘電体層20)を備える好ましい実施形態のスタックを表示する。この図は、電子回路40、ならびに結合の追加手段(追加の光カプラ81、82)(例えば、回折格子カプラ)、テーパ状導波路部71、72、および反射器90を含むフォトニック構成要素を備えるホスト基板を示す。トランジスタおよび同様にフォトニクスは完全に処理され、すなわち、シリサイド・ステップ、注入ステップ、およびアニール・ステップを含む。
【0071】
図3の変形形態では、基板は、2つの断熱結合セクション752、762の代わりに、回折格子カプラ(追加の光カプラ81)と回折格子カプラ(追加の光カプラ82)との間の導波路70が構成されないことを除いて、基本的に、図2の実施形態と同一である。
【0072】
シリコン・フォトニクス(導波路70、導波路部71、72)、およびフロントエンドオブライン(電気回路40)の製造後、デバイスがさらに処理される。次の製造ステップは、結合に好適な層(結合層50)の堆積である。層は、(接着結合のための)ポリマ、または、好ましい実施形態では、図4に示されるように、二酸化シリコン層であってよい。それでもなお、結合層50は、アルミナ、二酸化ハフニウム、五酸化タンタル、チタン酸バリウムもしくはチタン酸ストロンチウム、さらには窒化シリコンもしくは酸窒化シリコンを含むことができる。この層は、追加の(より低位の)クラッド層の役割も果たす。
【0073】
好ましい実施形態では、この結合層50は、電子的FEOLとバックエンドオブライン(BEOL)との間の第1の中間層(いわゆるILD1)に類似する。さらに、二酸化シリコン層(結合層50)は、好ましくは、10nmと2000nmの間の厚さ、および0.5nm未満のrms表面粗さを有する。この表面粗さは、専用の堆積プロセスによって達成することができる。
【0074】
好ましくは、二酸化シリコン層(結合層50)は、プラズマ促進化学蒸気堆積(PECVD)により堆積され、後続の化学機械的研磨(CMP)を受ける。
【0075】
酸化物が堆積され、平坦化された後、III−V族層60は、ウェハの頂部上に結合され、その層60はさらなる処理を受ける。III−V族ウェハ60は、活性III−V族量子井戸(もしくはQW)層、またはシード層、あるいはその両方を備える。III−V族層の結合の後、III−V族基板は、研削、湿式化学エッチング、またはスマートカットのいずれかにより除去される。好ましい実施形態では、III−V族材料は、HClおよび水を含む、湿式化学エッチャントにより除去される。図5は、III−V族層60が頂部上に結合された、製造の現在の段階を表示する。前のセクションで述べたように、III−V族層は、QW(量子井戸セクション624)(図17)およびレーザ発振材料として働く電気接点を備える、完全な層スタックであってよい。変形形態では、III−V族層は、ウェハの頂部上の、後続するIII−V族材料の成長のためのシード層である。温度バジェット(450〜650℃)は、電子回路を含む、ウェハ上の再成長を実施するのに十分であることに注目すべきである。
【0076】
さらに、結合は、ILD1誘電体の頂部上で実施することができ、ILD1誘電体はタングステン接点を含む(図示せず)。タングステン接点は、ウェハ領域全体と比較して小さいので、接着が劣化すると予想されない。材料としてのタングステンは、接点として好ましい。というのは、電子線描画システムを使用すると、タングステンは、大きいイオン質量、したがって良好なコントラストを有するので、電子線(eビーム)プロセスにとっての位置合わせマーカとして働くことが可能だからである。
【0077】
III−V族層の結合は、分子結合を確立するために、真空中または好適な気体環境中で、炉の中の高い温度の下で実施される。好ましくは、温度は、200℃と600℃の間である。しかし、一般的に、温度が350℃と450℃の間である場合、より良好な結果が得られるであろう。好適な圧力は、典型的には、80kPa未満である。
【0078】
放出のためのエピタキシャル層スタック67(図17)は、好ましくは、電気的ポンピングに好適に作られ、所望の光放出を達成することに留意されたい。変形形態では、エピタキシャル層スタック67は、自由空間伝播を通して、活性利得セクション62に高強度の光パルスを印加することによって、光学的ポンピングにとって好適とすることができる。エピタキシャル層スタック67(または、それの単純な変形形態)は、図6図11に示されるデバイスで使用することができる。その点において、図9図11は、主に電気的ポンピング用に設計されたデバイスを概略的に描き、一方、図8に示されるデバイスは、光学的ポンピング用である。それでもなお、図17のスタックは、光学的ポンピングがドープされた領域(p型ドープされた半導体628およびn型ドープされた半導体642)を厳密に必要とするわけではない(電気的ポンピング用にのみ必要である)が、電気的ポンピングまたは光学的ポンピングのために使用することができる。したがって、図9図10図11のデバイスは、最適ではないが、光学的ポンピングのためにも使用することができることを理解されたい(図9図10、および図11は、ポンピング光を頂部から遮蔽する金属接点を有する)。最終的に、図8のデバイスは、図9図10図11のデバイスへの中間ステップとして、または光学的ポンピング用の最終構造として考えることができる。
【0079】
製造の次のステップでは、(結合または結合および後続の再成長から始まる、完全なエピタキシャル層スタック67を備える)III−V族層60が構成される。III−V族層60は、特に、湿式化学処理または乾式化学処理のいずれかにより構成することができる。好ましい実施形態では、III−V族は、誘導結合プラズマ(ICP)反応性イオン・エッチング(RIE)システムを使用して製造される。III−V族利得セクションの製造は、光伝播を達成するための位置合わせに従う。利得セクションは、シリコン導波路または断熱テーパ・セクションに対して位置合わせされる。これは、位置合わせマークにより達成することができる。位置合わせマークは、例えば、FEOLの構成期間に、頂部シリコン層中のシリコンから作ることができる。変形形態では、位置合わせマークは、タングステンから作られ、トランジスタのバイア処理期間に製造される。
【0080】
実施形態では、構造物(デバイス100)は、光学的ポンピングにとって好適であるように製造することができる。そのようなデバイスの例が図6図7に示される。III−V族利得セクションは、結合層50の上に延在し、結合層50の中に導波路部が沈むが、III−V族利得セクションは、依然として、その両端に断熱結合セクション(光カプラ75、76)を有する。そのため、III−V族利得セクションは、光学的ポンピングに好適である。III−V族利得セクションは、導波路部71、72(好ましくは、シリコン導波路)への、低い反射率および損失結合を有するように設計することができる。明らかに、図6図7に示されるデバイスは、追加の構成要素(例えば、誘電体層および接点)が同じウェハ・ダイ上に設けられる必要がある場合があるので、必ずしも「最終的」ではない。
【0081】
図8図11の実施形態では、III−V族セクション(活性利得セクション62〜66)は、シリコンの導波路(導波路部71、72)または(前述のように)断熱結合セクション(光カプラ75、76)に対して構成され、加えて底部接点層64を呈する。底部接点層64は、好ましくは高度にn型ドープされたインジウム・リン(InP)から作られる。というのは、この材料は、p型ドープされたInPのものより、1桁低い(例えば、10分の1)光学的損失を呈するからである。しかし、底部接点層64は、インジウム−ガリウム−ヒ素(InGaAs)またはインジウム−アルミニウム−ヒ素(InAlAs)を含むことができる。
【0082】
前述したように、図8は、III−V族利得層が構成される、電気的ポンピングに好適なデバイスの製造の中間ステップと考えることができる。描かれる画像で、III−V族利得セクション(活性利得セクション62〜64)は、両端に、断熱結合セクション(光カプラ75、76)を有する。そのような構造が、電気的ポンピングに好適となるデバイスの基本を形成する。底部接点層64は、後で金属化を受けることになる。また、利得セクションの描かれた設計は、シリコンの導波路(導波路部71、72)への低い反射率および損失結合を有する。
【0083】
III−V族利得層の構成が完了した後、金属接点が図9図10に示されるように付着される。金属接点65、66の目的は、利得セクションの電気的ポンピングを可能にすることである。電気接点(金属接点65、66)は、タングステン、チタン、窒化チタン、ケイ化コバルト、ケイ化ニッケル、ポリシリコン、金、チタン、ニッケル、プラチナ、アルミニウム、銅、またはこれらの組合せから作ることができる。以前に与えられた理由のため、接点は、好ましくはタングステンから作られる。
【0084】
追加の変形形態がここで論じられる。
【0085】
フロントエンド電子回路40の頂部上にIII−V族材料を結合する代わりに、ゲルマニウムを意図することもできる。というのは、ゲルマニウムは、やはり光学利得を呈する(または、中赤外域で透過性である)からである。ゲルマニウム・オン・インシュレータ(GOI)または(SiGeバッファを介した)ゲルマニウム・オン・シリコンウェハを、上に記載された製造方法と同様に、ILD1の頂部上に結合することができる。また、図2の基板除去と同様に、ウェハは、化学機械的研磨、研削、乾式エッチング、湿式化学エッチング、またはスマートカットのいずれかにより除去することができる。(基本的には、ウェハの埋込酸化物(BOX)である)二酸化シリコン層は、乾式化学的、または湿式化学的のいずれかで除去することができる。あるいは、二酸化シリコン層は、ゲルマニウム上に残り、誘電体またはさらなる金属化ステップのためのハード・マスクとして働くこともできる。
【0086】
描かれた図面に反して、回折格子カプラは、回折格子カプラが1列となり、一定のピッチ(例えば、250マイクロメートル)を有するように、導波路の片側に配置することもできる。このように、単一のファイバの代わりに、市販のファイバ・アレイを測定に使用することができる。また、2つのファイバの位置合わせの代わりに、1つのファイバの位置合わせのみが必要であり、このことによって、測定プロセスが著しくスピードアップする。この場合、例えば、チップ(デバイス100)上のレーザ構造物の利得を測定するために、合計で、(単一の電気プローブで確立することができる、図11、ステップS20)2つの電気接点および1つのファイバ・アレイが必要となる。
【0087】
本発明中の波長依存性利得は、Ma et al., Optics ExpressVol. 21, No. 8, pp. 10335-10341, 2013による文書で与えられるような式から、所与の長さLおよび反射率Rの反射器を備える単一のデバイスでの単一の測定によって容易に計算することができる。
【数1】

上式で、PおよびPは、それぞれ追加の光カプラ81および82において測定された光パワー・レベルであり、λは、実際の波長である。
【0088】
上に記載された方法およびデバイスは、フォトニック・チップの製造で使用することができる。結果として得られるフォトニック・チップは、生のウェハの形式で(すなわち、複数のパッケージされていないチップを有する単一のウェハとして)、ベア・ダイとして、またはパッケージ化された形式で、製造者によって流通することができる。パッケージ化された形式の場合、チップは、(マザーボードまたは他のより高レベルのキャリアに固定されるリード線を有するプラスチック・キャリアなど)単一のチップ・パッケージの中に、または(表面相互接続または埋込型相互接続のいずれかあるいはその両方を有するセラミック・キャリアなど)マルチチップ・パッケージの中に装着される。いずれの場合でも、チップは、次いで、(a)マザーボードなどの中間製品、または(b)最終製品のいずれかの部分として、他のチップ、個別回路要素、または他の信号処理デバイス、あるいはそれらの組合せと集積化することができる。最終製品は、例えば、トランシーバ、集積化レーザ、光増幅器、送信器、受信器、活性光ケーブルなどのフォトニック・チップを含む任意の製品であってよい。
【0089】
限られた数の実施形態、変形形態、および添付図面を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加え、均等物で代替できることが理解されよう。特に、所与の実施形態、変形形態に記載される、または図面に示される(デバイス状または方法状の)特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態、変形形態、または図面中の他の特徴と組み合わせること、または交換することができる。上の実施形態または変形形態のいずれかに関して記載された特徴の様々な組合せは、したがって、添付した請求項の範囲内にとどまることを意図することができる。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるように、多くの小さい修正を加えることができる。したがって、本発明が、開示されている特定の実施形態に限定されるものでなく、本発明が、添付の特許請求の範囲に入るあらゆる実施形態を含むことが意図される。加えて、上に明示的に触れられたもの以外の多くの他の変形形態を意図することができる。例えば、明示的に触れられたもの(Si、SiO、Al、ポリマなど)以外の他の材料を意図することができる。また、活性利得セクション、導波路の形状、テーパの形状などに、他の設計を意図することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 基板
20 誘電体層
40 電気回路
50 結合層
62〜66 活性利得セクション
62 上部
64 底部接点層
65 金属接点
66 金属接点
67 エピタキシャル層スタック
70 導波路
71 導波路部
72 導波路部
75 光カプラ
76 光カプラ
81 追加の光カプラ
82 追加の光カプラ
90 部分反射器、反射器
100 フォトニック回路デバイス、デバイス
201 光ファイバ
202 光ファイバ
622 第1の真性半導体
624 量子井戸セクション
626 第2の真性半導体
628 p型ドープされた半導体
642 n型ドープされた半導体
751 テーパ部
752 テーパ部
761 テーパ部
762 テーパ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17