【実施例】
【0040】
実施例1
ドネペジルHCl、微結晶性セルロース(MCC)及びデンプンを含む混合物を調製し、ステアリン酸マグネシウムで滑らかにした。滑らかにした混合物を、ローラーコンパクターを使用して圧縮した。圧粉体の粉砕のために0.8mmスクリーンを備えた振動造粒機を使用した。粉砕後、すべての細粒を#30メッシュを通過させ、細粒外賦形剤と混合し、ステアリン酸マグネシウムで滑らかにした。滑らかにした粒状の混合物を研究室規模の自動スケールカプセル充填機を使用してサイズ4の硬質ゼラチンカプセルシェルに充填した。
【0041】
表1は、希釈剤としてMCCを使用して調製した組成物の例を提供する。
【0042】
バッチ1086−135−10のドネペジル細粒のかさ密度は0.48g/mLであるが、この細粒は安息角の測定の間、漏斗を通って流れなかった。そのため、流動を改善するためにコロイド状二酸化ケイ素も細粒の外側に添加した(#1086−135−10A)。やや大きいバッチ(バッチ1086−140−10)を作製し、細粒をサイズ4のカプセルシェルに詰めた。このバッチのカプセルの重量変動は、±10%の許容範囲内であることがわかった。
【0043】
カプセルに充填されたドネペジル細粒10mg(バッチ1086−140−10)の溶解プロファイルをAricept錠10mgと比較した。
図1を参照。
【0044】
表2及び3は、それぞれドネペジル原薬及びAricept 10mg粉末化錠剤に関する特性を示している。
【0045】
実施例2
ドネペジルHCl、微結晶性セルロース(MCC)、ラクトース一水和物及びデンプンを含む混合物を調製し、ステアリン酸マグネシウムで滑らかにした。滑らかにした混合物を、波形ローラーを備えたローラーコンパクターを使用して2トンのロール圧力で圧縮した。圧粉体の粉砕のために0.8mmスクリーンを備えた振動造粒機を使用した。粉砕後、すべての細粒を#30メッシュを通過させ、細粒外賦形剤と混合し、ステアリン酸マグネシウムで滑らかにした。滑らかにした粒状の混合物を研究室の自動スケールカプセル充填機を使用してサイズ5の硬質ゼラチンカプセルシェルに充填した。
【0046】
ローラー圧縮実験において、異なる比率のラクトース一水和物とMCCを以下のとおり評価した:60:22.3(バッチ1086−149−10)及び22.3:60(バッチ1086 150 10)。これら両実験において、ラクトースの一部を細粒外部分にも添加した。より高い割合でラクトースを含む混合物(バッチ1086−149−10、0.49g/mL)のかさ密度は、より少量のラクトースを含む細粒(バッチ1086−150−10、0.44g/mL)よりも高かった。これらの観察結果に基づいて、さらに高い割合のラクトースを、すべて細粒内部分において、使用することを決め、バッチ1086−172−10を製造した。ローラー圧縮時の混合物の流動を改善するために、少量のコロイド状二酸化ケイ素も細粒内に添加した。大きなバッチの細粒(#1086−183−10)を製造し、小さな(サイズ5)カプセルに詰めた。よりかさ密度(0.6g/mL)が高いためより小さなサイズのカプセルへ充填することができた。カプセルの重量変動は、±10%の許容範囲内であることがわかった。
【0047】
表4は、ドネペジルHClカプセル試験バッチ(ローラー圧縮によって調製され、乳糖及びMCCを含む)の組成及び特性を提供する。
【0048】
バッチ1086 183−10のドネペジルカプセル10mgの溶解プロファイルをAricept錠10mgと比較した。
図2を参照。この細粒も高いかさ密度(0.6g/mL)及び良好な流動性を有していた。よって、このバッチ(1086 183 10)の組成物は、併用製品(メマンチンHCl ER/ドネペジルHCl IR カプセル)に適していると考えられた。
【0049】
ドネペジルHClカプセル10mgの選択した製剤のGMPバッチ(1086−194−10)を研究室規模(8000カプセル)で製造し、白色のサイズ5の硬質ゼラチンカプセルを臨床試験に使用した。
【0050】
異なる媒体、すなわち、a)0.1N HCl、b)リン酸緩衝液(pH4.5)及びc)リン酸緩衝液(pH=6.8)を使用してpHに応じたバッチ#1086−194−10のカプセルの溶解について調査し、Aricept錠10mg(バッチ003865)と比較した。0.1N HCl、pH4.5及びpH6.8の溶解媒体に関してはそれぞれ
図3〜5を参照のこと。
【0051】
このカプセル製剤は、Ariceptよりも速い薬物初期放出を示し、その後、約10分で安定する。カプセルシェルからのこの急速な放出は、錠剤よりもカプセルシェルの崩壊が速いためだと考えられる。錠剤の製剤(Aricept)は、わずかに遅い初期放出を示し、約30分で安定する。すべての例において、評価した3つのすべてのpH値において評価したすべてのロットに関して定量的な放出が見られる。
【0052】
図6は、ドネペジルHClカプセル(バッチ1086−194−10)を使用した異なるpHの媒体におけるBE試験に関する製剤の溶解プロファイルを示す。ドネペジルHClカプセルの溶解プロファイルは、調査したすべての媒体において類似していることがわかった。
【0053】
実施例3
中等度から重度のアルツハイマー型の認知症の治療用のメマンチンHCl ER/ドネペジルHClカプセルを、メマンチン塩酸塩(HCl)持続放出性(ER)ビーズとドネペジルHCl 即放性(IR)細粒の固定用量の組み合わせを含む経口カプセルとして開発した。
【0054】
グレード、機能、1カプセル当たりの量及びそれぞれの成分のパーセントとともに定量的組成ドネペジルHCl細粒を表5に示している。
【0055】
小さなサイズのカプセル中でメマンチン塩酸塩ERビーズと組み合わせるために、所望の溶解及び密度を有する即放性組成物のドネペジルHCl細粒を開発した。
【0056】
使いやすい経口投与に関して、剤形のサイズはそれを飲み込みやすくするのに重要である。Aricept(登録商標)10mg錠剤の錠剤重量はおよそ3.57%の薬物充填率を含有する280mgである。本細粒の類似の薬物充填率は、より大きなカプセルサイズにしか収容できない高いカプセル充填重量になることが予想された。大きなカプセルサイズは、患者の利便性の観点から望ましくないと考えた。小さなカプセルに2つの薬物成分を詰めるのを容易にするために、ドネペジルHClの薬物充填率がさらに高く、密度がさらに高い製剤が望ましかった。そのため、10%w/wドネペジルHClの薬物充填率を検討した。強度28/10mg及び14/10mgのメマンチンHCl ER/ドネペジルHClカプセルに加えて、28/5mg及び14/5mgの強度を検討した。10%w/wの薬物充填率は、10mg及び5mgの強度に対してそれぞれ100mg及び50mgの充填重量になることが予想された。10%w/wよりも高い薬物充填率は、強度の弱い50mg充填重量より低くなり、これは、一般的に入手可能なカプセル充填機を使用した充填の正確さを損なう可能性もある。したがって、10%w/w薬物含有量のドネペジル混合物/細粒製剤を開発することに決めた。
【0057】
ドネペジルHCl細粒に対する賦形剤を、ドネペジルとの化学的/物理的適合性、規制当局による受け入れ及び加工可能性に基づいて選択した。最終的な組成を選択する前に薬物賦形剤適合性試験を行った。ドネペジルHClと化学的に適合した賦形剤のみをドネペジルHCl細粒の製剤に使用した。ドネペジルHCl細粒のドネペジル造粒のために選択される賦形剤の大半はAricept錠10mgに存在するものと類似している。組成物の密度を改善するために、上記のとおりのローラー圧縮による乾式造粒を使用することを決めた。
【0058】
ドネペジルHCl細粒は、さらに高い薬物充填率(10%w/w)を有し、即放性がある。異なるpHにおける溶解プロファイルは、Aricept錠剤と同等であった。ドネペジルHCl細粒は、Aricept錠剤と生物学的に等価であり、室温で24ヶ月を超えても安定している。
【0059】
メマンチンHCl ER/ドネペジルHClカプセルを、メマンチンHCl ERビーズとドネペジルHCl細粒(14/10mg及び28/10mg)を組み合わせることによって開発した。一般的なERビーズから製造され、ERビーズの充填された量のみが異なる両メマンチンの強度は用量に比例する。一般的なビーズ製剤を使用して所望のメマンチン強度を実現する際に柔軟性を提供するため、メマンチンHCl ERビーズ製剤を開発した。
【0060】
メマンチンHCl ERビーズは、薬物層状ビーズを形成するためにAPI、タルク及びポビドンK30の水性分散液が層状になった糖球からなる多層状のものである。薬物層状ビーズをSurelease(登録商標)Clear分散液でコーティングしてポリマーコーティングされたビーズを形成する。ポリマーコーティングされたビーズを、Opadry(登録商標)Clearでシールコーティングする。医薬品ERカプセル製剤に使用される賦形剤は、メマンチンHCl APIとの適合性に基づいて選択した。
【0061】
実施例4
健康な成人における食物の影響及びリンゴソースに振りかけたカプセル内容物の投与の効果を評価するために単一施設、無作為化、非盲検3−Wayクロスオーバー単回投与試験を行った。
【0062】
認可されているNamenda XRの用量は7、14、21及び28mgである。認可されているAriceptの強度は5、10及び23mgであり、対象が1日に1回、10mgの用量を少なくとも3ヶ月間飲んだ場合のみ、1日1回、23mg用量を投与することができる。MDX−8704に関する計画した最高用量強度は、28mgメマンチンHCl ER/10mgドネペジルHClである。この食物の影響及び相対的バイオアベイラビリティの試験では、最高用量の強度を用いて試験を行うために、Industry Food−Effect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studies(米国食品医薬品局、2002年)に対するFDAの指針に従って、MDX−8704、28mgメマンチンHCl ER/10mgドネペジルHClカプセルを使用した。
【0063】
年齢が18から45歳の合計36名の健康な男性及び女性対象をこの試験に登録した。36名の対象すべてを安全性解析に含めた。23名の対象を処置A(絶食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル)、23名を処置B(摂食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル)、及び21名を処置C(絶食条件下においてリンゴソースに振りかけたMDX−8704カプセル内容物)の薬物動態学(PK)解析に含めた。
【0064】
6つの処置順序(ABC、ACB、BAC、BCA、CABまたはCBA)のうちの1つに対象を無作為に割り当てた。
【0065】
以下の処置のそれぞれは、各処置間に21日の休薬期間をとって投与した:
処置A:絶食条件下で投与されるMDX−8704(メマンチンHCl ER/ドネペジルHCl)28mg/10mgカプセルの単回経口投与;
処置B:高脂肪朝食の後に投与されるMDX−8704(メマンチンHCl ER/ドネペジルHCl)28mg/10mgカプセルの単回経口投与;及び
処置C:絶食条件下において30mL(大さじ2)のリンゴソースに振りかけたカプセル内容物として投与されるMDX−8704(メマンチンHCl ER/ドネペジルHCl)28mg/10mgの単回経口投与。
【0066】
血液サンプルを、各期間の1日目の0時間(投与前)から開始して、投薬1、2、3,4、6、8、10、12、14、24、30、36、48、72、96、120、168、216及び264時間後に採取した。正確さ、直線性、再現性及び精度が好適なタンデム質量分析法と連結した有効な液体クロマトグラフィーを使用してメマンチン及びドネペジル濃度に関して血漿サンプルを分析した。
【0067】
統計的方法論:
メマンチン及びドネペジルのすべてのPKパラメータに関する記述統計は、試験が完了し、嘔吐が起らず(メマンチンのPK解析に関してはMDX−8704の投与後24時間以内及びドネペジルのPK解析に関してはMDX−8704の投与後の2回目までのTmax[最高血漿中薬物濃度到達時間]中央値まで)、評価可能なPKパラメータを有する全対象に対する処置によって得られた。メマンチン及びドネペジルのCmax(最高血漿中薬物濃度)、AUC0−t(時間0から時間tまでの血漿中濃度時間曲線下面積)、及びAUC0−∞(時間0から無限時間までの血漿中濃度時間曲線下面積)パラメータを、固定効果として順序、処置及び期間ならびに変量効果として順序内の対象を用いて線形混合効果モデルによって比較した。摂食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル(処置B)と絶食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル(処置A)との間、ならびに絶食条件下におけるリンゴソースに振りかけたMDX−8704カプセル内容物(処置C)と処置Aとの間のCmax、AUC0−t及びAUC0−∞の最小二乗(LS)幾何平均の比に対して90%の信頼区間(CI)を構築した。メマンチン及びドネペジルに関する処置Bと処置Aとの間のCmax、AUC0−t及びAUC0−∞のLS幾何平均の比の対応する90%CIが0.800から1.250の範囲内にあった場合、食物の影響がないと結論づけた。メマンチン及びドネペジルに関する処置Cと処置Aとの間のCmax、AUC0−t及びAUC0−∞のLS幾何平均の比の対応する90%CIが0.800から1.250の範囲内にあった場合、完全なカプセルとしてのMDX−8704の投与対、リンゴソースに振りかけたカプセル内容物としてのMDX−8704の投与の間に差がないと結論づけた。処置Bと処置Aとの間及び処置Cと処置Aとの間のメマンチン及びドネペジルに関するTmaxの算術平均比を示した。Tmaxに対してウィルコクソンの符号順位検定を行った。p値≦0.05を処置間の有意差と見なした。
【0068】
少なくとも1用量の治験薬を摂取した対象すべてに関する安全性パラメータ(有害事象[AE]、バイタルサインの評価、臨床検査室の評価、心電図の[ECG]パラメータ、身体的な検査所見及びコロンビア自殺重大度評価尺度[C−SSRS]の結果の概要を示した。
【0069】
結果:
対象の割り付け:この試験には36名の対象を登録した。3名の対象(8.33%)は早々に試験を中止した。1名の対象(2.78%)はAEのため中止し、1名の対象(2.78%)はプロトコール違反のため中止し、1名の対象(2.78%)はその他の理由のため中止した。
【0070】
安全性集団の対象に関して、平均年齢(±SD)及びボディマスインデックス(±SD)は、それぞれ27.3(±5.3)歳及び25.41(±2.90)kg/m2であった。全体として、25名の対象(69.44%)が男性であり、11名の対象(30.56%)が女性であった。
【0071】
薬物動態:PK集団は、試験が完了し、処置A及びB(食事あり及びなしで完全なカプセルを投与した)または処置A及びC(絶食条件下における完全なカプセル対リンゴソースに振りかけたカプセル内容物)に関して評価可能なPKパラメータを有する対象すべてからなるものとした。MDX−8704の投与後24時間以内に嘔吐した対象は、メマンチンのPK解析から除外した。MDX−8704の投与後の2回目までのTmax中央値までに嘔吐した対象は、ドネペジルのPK解析から除外した。PK集団の対象のデータをPK解析及びPKパラメータの要約統計量に使用した。
【0072】
メマンチン及びドネペジルの食物の影響解析(食物あり及びなしで完全なカプセルを投与した)に23名の対象を含め、メマンチン及びドネペジル両方に関する絶食条件下における完全なカプセル対絶食条件下におけるリンゴソースに振りかけたカプセル内容物の投与の比較に21名の対象を含めた。
【0073】
摂食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル(処置B)対絶食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル(処置A)の投与の比較におけるメマンチンのCmax、AUC0−t及びAUC0−∞のLS幾何平均比に対する90%CIは0.800から1.250の範囲内であり、このことは食物の有意な影響がないことを示していた。さらに、絶食条件下におけるリンゴソースに振りかけたMDX−8704カプセル内容物(処置C)対処置Aの比較におけるメマンチンのCmax、AUC0−t及びAUC0−∞のLS幾何平均比に対する90%CIは0.800から1.250の範囲内であり、このことは絶食条件下における完全なカプセルとしてのMDX−8704の投与対絶食条件下におけるリンゴソースに振りかけたカプセル内容物としてのMDX−8704の投与の間に統計学的に有意な差がないことを示していた。メマンチンの平均消失半減期は処置A、B及びCに関してそれぞれ62.07、59.75及び62.77時間であることを確認した。p値が0.014の処置A対処置Bの投与後のメマンチンのTmax中央値及びp値が0.012の処置A対処置Cの投与後のメマンチンのTmax中央値に統計学的に有意な差があった。
【0074】
摂食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル(処置B)対絶食条件下におけるMDX−8704の完全なカプセル(処置A)の投与の比較におけるドネペジルのCmax、AUC0−t及びAUC0−∞のLS幾何平均比に対する90%CIは、0.800から1.250の範囲内であり、このことは食物の有意な影響がないことを示していた。さらに、絶食条件下におけるリンゴソースに振りかけたMDX−8704カプセル内容物(処置C)対処置Aの比較におけるドネペジルのCmax、AUC0−t及びAUC0−∞のLS幾何平均比に対する90%CIは0.800から1.250の範囲内であり、このことは絶食条件下における完全なカプセルとしてのMDX−8704の投与対絶食条件下におけるリンゴソースに振りかけたカプセル内容物としてのMDX−8704の投与の間に統計学的に有意な差がないことを示していた。ドネペジルの平均消失半減期は、処置A、B及びCに関してそれぞれ67.26、66.62及び65.01であることを確認した。p値が<0.001の処置A対処置Bの投与後のドネペジルのTmax中央値には統計学的に有意な差があった。p値が0.278の処置A対処置Cの投与後のドネペジルに関するTmax中央値間に統計学的に有意な差はなかった。
【0075】
高脂肪の食事摂食対絶食条件下におけるMDX−8704(メマンチンER/ドネペジル)28mg/10mgカプセルの投与後のメマンチン及びドネペジル全曝露及びピーク濃度に統計学的に有意な差はなく、このことは食物がMDX−8704カプセルのバイオアベイラビリティに大きな影響を与えないことを示唆していた。絶食条件下と比較して高脂肪の食事を摂食して投与された場合、メマンチンのTmax中央値が24.0時間から14.0時間に短縮されたが、ドネペジルに関しては3.0時間から6.0時間に延長された。Tmaxの変化はメマンチン及びドネペジルともに統計学的に有意であった。
【0076】
絶食条件下における完全なMDX−8704(メマンチンER/ドネペジル)28mg/10mgカプセル対リンゴソースに振りかけたカプセル内容物の投与後のメマンチン及びドネペジルの全曝露及びピーク濃度に統計学的に有意な差はなく、ことのことは、この2つの処置は生物学的に等価であることを示唆する。絶食条件下において完全なカプセルとして投与された場合に対し、絶食条件下においてリンゴソースに振りかけたカプセル内容物として投与された場合、メマンチンのTmax中央値は24時間から14時間に短縮され、ドネペジルのTmaxは3.0時間から2.1時間に短縮された。メマンチンのTmaxの変化は統計学的に有意であったが、ドネペジルに関しては統計学的に有意でなかった。
【0077】
TEAEの発生率は、絶食条件下において完全なカプセルとして、またはリンゴソースに振りかけたカプセル内容物としてのいずれかで投与されたMDX−8704に関しては類似しており、高脂肪の食事後に投与されたMDX−8704に関してはそれより低かった。
【0078】
この試験では臨床的に重要な安全性シグナルが確認されなかった。この試験においてMDX−8704(メマンチンER/ドネペジル)28mg/10mgカプセルの単回経口投与は、概して安全であり、健康な男性及び女性対象に許容されるものであった。
【0079】
本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に範囲を限定されるべきではない。実際に、前述の説明及び添付の図面から、本明細書に記載されるものに加えて本発明のさまざまな改変物が当業者に明白になるであろう。そのような改変物は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。さらに当然のことながら、すべての値は、おおよそのものであり、説明のために提供したものである。
【0080】
本出願全体をとおしてすべての特許、特許出願、公報、製品の説明書及びプロトコールが挙げられ、それらの開示は、あらゆる目的のためにそれらの内容全体を参照によって本明細書に組み込んだものとする。