(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項3に記載の装置であって、前記支持ボスは、支持チューブの両端部に端部キャップをさらに備えることができ、前記端部キャップは、前記タービンチューブが回転できる軸受を有する、装置。
請求項2〜4のいずれか1項に記載の装置であって、前記タービンチューブは、スラストフランジを備え、前記スラストフランジは、前記タービンチューブの外面の周りに周囲に広がり、前記支持ボスはスラストボスを備え、前記スラストボスは、前記支持ボスの内面の周りに周囲に広がり、前記スラストフランジは、軸受アセンブリを介して前記スラストボスと係合する、装置。
請求項6に記載の装置であって、前記タービンチューブは、その外面に歯付きフランジを備え、前記歯付きフランジは、少なくとも1つのピニオンギアと係合し、前記ピニオンギアは、前記支持ボスと前記タービンチューブとの間のスペースに位置し、各ピニオンギアは、ドライブシャフトに接続され、前記ドライブシャフトは、発電機に接続可能である、装置。
請求項2〜11のいずれか1項に記載の装置であって、空気圧縮機を備え、前記空気圧縮機は、空気を、前記支持ベーンの1つを通って延びる管路を介して、前記タービンチューブと前記支持ボスとの間のスペースに注入する、装置。
請求項2〜12のいずれか1項に記載の装置であって、送風ファンを備え、前記送風ファンは、前記タービンチューブの周りに径方向に位置し、前記支持ベーンの1つを通って延びる管路を介して、空気を、タービンチューブと支持ボスとの間のスペースに引き込む、装置。
請求項2〜13のいずれか1項に記載の装置であって、下方に延びるドレン管路を備え、前記ドレン管路は、前記支持ボスから、前記支持ベーンを通って前記収束セクションの外側に延びる、装置。
請求項1〜19のいずれか1項に記載の装置であって、前記タービンチューブは、第1材料で作られた第1セクションと、第2材料で作られた第2セクションと、を備え、第1材料と第2材料とは異なっている、装置。
請求項1〜23のいずれか1項に記載の装置であって、前記タービンチューブは、前記収束セクションの入口が、前記タービンチューブの入口の上流であるように、位置付けられる、装置。
請求項1〜23のいずれか1項に記載の装置であって、前記タービンチューブは、前記タービンチューブの入口が、前記収束セクションの入口の上流であるように、位置付けられる、装置。
請求項1〜26のいずれか1項に記載の装置であって、前記タービンチューブは、前記タービンチューブの出口が、前記混合チューブに及ぶように、位置付けられる、装置。
請求項1〜28のいずれか1項に記載の装置であって、前記収束セクションと、前記混合チューブと、前記拡散セクションと、は、連続したチューブとして構成される、装置。
請求項1〜28のいずれか1項に記載の装置であって、前記収束セクションと、前記混合チューブと、前記拡散セクションと、は、連続したチューブを形成するように共に接続される個別セクションとして構成される、装置。
水流からの発電用のシステムであって、前記システムは、流れる水体の断面にわたって位置する障壁を備え、請求項1〜30のいずれか1項に記載の少なくとも1つの装置が提供され、前記装置は、使用中に障壁の上流側から障壁の下流側への流路を提供するように、位置付けられる、システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他のタービン装置が、水力発電業界で使用されていることが知られている。タービンの一種は、ストラフロー(straflo)タービンと称されることがある、リム生成タービンである。ストラフロータービンでは、チューブは、上流部分および下流部分である2つの部分になっている。タービンは、短い円筒状リムを備え、短い円筒状リムは、タービンチューブと等しい直径のタービンブレードに取り付けられ、2つの静止チューブセクション間に位置する。ブレードとリムとは、チューブの静止上流および下流部分と回転タービンリムのエッジとの間の小さい間隙を有して、共に回転する。上流および下流流路は、静止チューブにある。そのチューブがタービンに固定されていないからである。リムとチューブ部分との間の周方向間隙をシールすることは、難しい。大きな間隙は、タービンディスクの高圧面からタービンディスクの下流低圧面への過度のバイパス漏れを引き起こすことがある。一方、小さな間隙は、過密シールによる過度の摩擦を引き起こすことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、低ヘッド水力発電で用いる代替タービンアセンブリを提供する。特に、例えば特許文献1に記載されているようなシステムで用いる、比較的低圧の水の高体積流量がある状況で使用できるタービンアセンブリが、記載されている。
【0006】
本発明の一態様は、以下を備える水流からの発電用の装置を備える:
‐収束セクションであって、混合チューブの第1端に接続され、ベンチュリが収束セクションの端部と混合チューブとの間に定められるようになっている、収束セクション;
‐拡散セクションであって、混合チューブの第2端に接続され、拡散セクションは、使用中に拡散セクションの出口での圧力がベンチュリでの圧力よりも大きくなっている、拡散セクション;
‐複数のブレードを有するブレードアセンブリを備えるタービンチューブであって、タービンチューブは、収束セクションで支持され、アニュラスがタービンチューブと収束セクションとの間に定められるようになっており、第1流路を形成し、タービンチューブは、第2流路を定め、タービンチューブは、収束セクションに回転支持され、ブレードは、タービンチューブの内面に取り付けられ、使用中にブレードを流れ過ぎる水がタービンチューブの回転を駆動するようになっている、タービンチューブ。
【0007】
タービンチューブおよびブレードは、収束セクションに対して回転する。ブレードは、タービンチューブの内面に固定接続され、タービンチューブの内部の直径にわたって広がり、ブレードアセンブリおよびタービンチューブが、水がブレードを流れ過ぎる際に、同心状に共に回転するようになっている。タービンチューブは、タービンチューブの回転エネルギーを外部発電機に伝達するのに、タービンチューブの中心軸に沿ってブレードアセンブリから延びるドライブシャフトを備えることを必要としない。ブレードは、タービンチューブの内面に接続され、ブレードアセンブリおよびタービンチューブが、水がブレードを流れ過ぎる際に、同心状に共に回転するようになっている。タービンチューブの回転は、発電機を駆動できる。一実施形態では、ブレードアセンブリは、タービンチューブに位置し、タービンチューブの中の二次流路の一部が、ブレードアセンブリの前後に提供されるようになっている。一実施形態では、タービンチューブの長さは、タービンチューブの直径よりも大きくてよい。
【0008】
タービンチューブは、支持ボスに回転支持され、その支持ボスは、支持ベーンによって収束セクションに取り付けられている。支持ボスは中心ボアを有し、中心ボアは、それを通して形成され、タービンチューブを受け入れて支持する。支持ボスは軸受アセンブリを備え、軸受アセンブリ上で、タービンチューブが、その長手方向軸周りに回転する。タービンチューブの内部は、機械的軸受を備えないかもしれない。軸受は、二次流路の外側に位置する。
【0009】
支持ボスは、タービンチューブが保持される、タービンチューブよりも短い長さの支持チューブを備えることができる。支持ボスは、支持チューブの両端部に端部キャップをさらに備えることができ、端部キャップは、タービンチューブが回転できる軸受を有する。
【0010】
タービンチューブはスラストフランジを備えることができ、スラストフランジは、タービンチューブの外面の周りに周囲に広がる。支持ボスはスラストボスを備えることができ、スラストボスは、支持ボスの内面の周りに周囲に広がる。タービンチューブのスラストフランジは、支持ボスのスラストボスと係合できる。スラストボスとスラストフランジとの係合は、軸受アセンブリを介して生じてよい。
【0011】
タービンチューブは、自由に回転でき、発電機を駆動し、装置がタービンチューブの回転エネルギーから電気エネルギーを生成できるようにする。タービンチューブは、発電のために機械式発電機または電気式発電機を駆動できる。
【0012】
機械式発電機アセンブリでは、タービンチューブは、発電機に接続可能なギアトレインに接続される。一実施形態では、タービンチューブは、その外面に歯付きフランジを備え、歯付きフランジは、少なくとも1つのピニオンギアと係合し、少なくとも1つのピニオンギアは、支持ボスとタービンチューブとの間のスペースに位置する。各ピニオンギアは、ドライブシャフトに接続され、ドライブシャフトは、発電機に接続可能である。
【0013】
装置は、支持ボスとタービンチューブとの間のスペースに、複数のピニオンギアおよびドライブシャフト配置を備えることができる。一実施形態では、装置は、少なくとも2つのピニオンギアおよびドライブシャフト配置を備え、各ピニオンギアは、歯付きフランジと係合する。装置は、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の、ピニオンギアおよびドライブシャフト配置を備えてよい。歯付きフランジは、タービンチューブの周りに周囲に広がる。
【0014】
発電機アセンブリでは、タービンチューブおよび支持ボスは、永久磁石およびステータ配置を備える。一実施形態では、タービンチューブは、タービンチューブの外面上の凹部に永久磁石を備え、支持ボスは、永久磁石と並べられるステータを備える。凹部および永久磁石は、タービンチューブの外面の周りに周囲に広がる。
【0015】
装置は、動力取出管路をさらに備えることができ、動力取出管路は、支持ボスおよび支持ベーンの1つを通って延びる。機械式発電機配置のドライブシャフトまたは電気式発電機配置からの電力ケーブルは、管路を通って装置の外側に延びる。支持ボスおよび支持ベーンを通る管路を有することは、タービンチューブがその内部にドライブシャフトおよび/または電力ケーブルを備えないことを、意味する。これは、一次流路および二次流路には、ドライブシャフトおよび/または電力ケーブルがないということを可能にし、それは、水流の乱れを低減するのに役立ち得る。
【0016】
装置は、空気圧縮機をさらに備えることができ、空気圧縮機は、空気を、支持ベーンの1つを通って延びる空気管路を介して、タービンチューブと支持ボスとの間のスペースに注入する。空気圧縮機は、タービンチューブおよび/または収束セクションの外部に位置することができる。
【0017】
装置は、送風ファンをさらに備えることができ、送風ファンは、タービンチューブの周りに径方向に位置し、支持ベーンの1つを通って延びる空気管路を介して、空気を、タービンチューブと支持ボスとの間のスペースに引き込む。
【0018】
一実施形態では、下方に延びるドレン管路は、支持ボスから、支持ベーンを通って収束セクションの外側に延びる。ドレン管路は、タービンチューブと支持ボスとの間のスペースに入り込む水の通路を提供する。
【0019】
支持ボスは、ノーズフェアリングおよび/またはテールフェアリングを備えることができる。一実施形態では、ノーズフェアリングの外部形状は、円筒状の外形または弾丸型の外形を有する。ノーズフェアリングの内部形状は、凹形状、円錐形状、または凸形状を有してよい。
【0020】
一実施形態では、ブレードは、タービンチューブの内面と一体になっている。さらなる実施形態では、チューブの内面は、ブレードの先端が固定される複数の凹部を備える。
【0021】
タービンチューブは、第1材料で作られた第1セクションと、第2材料で作られた第2セクションと、を備えることができ、第1材料と第2材料とは異なっている。第1材料は、第2材料よりも頑丈な材料であってよい。第1セクションは、チューブの前セクションであってよく、第2セクションは、チューブの後セクションであってよい。
【0022】
タービンチューブの内径は、変化することができる。一実施形態では、タービンチューブの内径は、水流方向にその長さに沿って減少する。別の実施形態では、タービンチューブは、その長さに沿ってほぼ一定の内径を有する。
【0023】
チューブの位置は、収束セクションに対して変わることができる。タービンチューブは、タービンチューブの長手方向軸が、収束セクションの長手方向軸とほぼ整列するように、収束セクションに位置付けられる。タービンチューブは、収束セクションの入口が、タービンチューブの入口の上流であるように、位置付けられることができる。さらなる実施形態では、タービンチューブは、タービンチューブの入口が、収束セクションの入口の上流であるように、位置付けられることができる。
【0024】
タービンチューブの出口の位置も、変わることができる。一実施形態では、タービンチューブは、タービンチューブの出口が、混合チューブに及ぶように、位置付けられる。さらなる実施形態では、タービンチューブは、タービンチューブの出口が、混合チューブの入口の上流であるように、位置付けられる。
【0025】
装置は、二次流路に位置する予旋回ステータをさらに備えることができる。予旋回ステータは、ノーズフェアリングの入口でまたはタービンチューブの入口の前で、タービンブレードアセンブリの前に位置決めされることができる。
【0026】
収束セクション、混合チューブおよび拡散セクションは、連続したチューブとして製造できる。さらなる実施形態では、混合チューブおよび拡散セクションは、連続したチューブを形成するように共に接続される個別セクションとして製造される。
【0027】
好ましい実施形態では、収束セクションの外形は、アニュラスを通じて一次流の一定の加速を提供するように構成される。拡散セクションの外形は、拡散セクションを通じて水流の一定の減速を提供するように構成される。
【0028】
本発明のさらなる態様は、水流から発電するシステムを含み、そのシステムは、流れる水体の断面にわたって位置する障壁を備え、上記の少なくとも1つの装置が提供され、装置は、使用中に障壁の上流側から障壁の下流側への流路を提供するように、位置付けられる。
【0029】
本発明のさらなる態様は、以下を含む水の水流から発電する方法を含む:
‐上記のシステムまたは装置を水体にわたって設置し、水溜めを提供し、ヘッド差が、障壁の上流側と下流側との間に生じるようになっていること;および
‐装置を通る水の流れを用いてタービンを回転させること。
【0030】
障壁は、少なくとも2つの上記の装置を備えることができる。好ましくは、障壁は、上記の装置の配列を備える。装置は、障壁に組み込まれて、障壁の一方の側から他方への流路を提供する
【0031】
本発明のさらなる態様は、外側チューブで用いるタービンアセンブリを含み、外側チューブは、収束セクションと、混合チューブと、拡散セクションと、を有し、収束セクションは、混合チューブの第1端に接続され、ベンチュリが収束セクションと混合チューブとの間に定められるようになっており、拡散セクションは、水流から発電するように、混合チューブの第2端に接続され、タービンアセンブリは、
‐複数のブレードを有するブレードアセンブリを備えるタービンチューブ;および
‐外側チューブの収束セクションに取り付けるための支持ボス;
を備え、
タービンチューブは、支持ボスに回転支持され、ブレードは、タービンチューブの内面に取り付けられ、使用中にブレードを流れ過ぎる水がタービンチューブの回転を駆動するようになっている。タービンチューブは、支持ボスに対して回転する。
【0032】
ブレードは、タービンチューブの内面に固定接続され、ブレードアセンブリおよびタービンチューブが、水がブレードを流れ過ぎる際に、同心状に共に回転するようになっている。
【0033】
支持ボスは中心ボアを有し、中心ボアは、それを通して形成され、タービンチューブを受け入れて支持する。支持ボスは軸受アセンブリを備え、軸受アセンブリ上で、タービンチューブが、その長手方向軸周りに回転する。タービンアセンブリは、上記のタービンチューブおよび支持ボスのさらなる特徴を有することができる。
【0034】
以下の説明では、「上流」および「下流」は、装置の特徴の相対的位置を定義するに使用される。上流および下流方向は、使用中に水が装置を流れる方向との関連で定義される。上流端は入力領域と考えられ、下流端は出力領域と考えられる。
【0035】
本発明をこれから添付図面に準拠して例として記載する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、水流を電気に変換する本発明によるシステム10を示す。システムは、障壁12と装置14とを備え、障壁12は、水体の幅にわたって位置し、装置14は、障壁の上流側から障壁の下流側に、障壁12を通る水の流路を提供する。システムは、液圧流エネルギーを液圧ポテンシャルエネルギーに変換し、それから液圧ポテンシャルエネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0038】
流れに対するシステムの抵抗は、装置を通る流れを駆動し、およびタービンが電気への変換のために機械エネルギーを取り出す、ポテンシャル水圧エネルギーのインベントリを作り出す上流水自由表面の上昇を引き起こす。上昇した上流自由表面のポテンシャル液圧エネルギーのインベントリは、上流の流れの運動エネルギーによって連続的に補充される。
【0039】
図1,2および3に関し、装置14は、障壁12の上流の位置から下流の位置への流路を提供する。装置は、収束セクション16と、混合セクション18と、発散拡散セクション22と、を有するチューブを備える。収束セクション16は、混合チューブ18に向かって狭くなり、ベンチュリ20が、収束セクション16と混合チューブ18との境界で定められるようになっている。発散拡散セクション22は、混合チューブ18の出口から延びる。
【0040】
タービンチューブ24は、支持ボス26で収束セクション16内に回転支持され、アニュラス28が、タービンチューブ24の外面と、収束セクション16の内面と、の間に形成されるようになっている。支持ボスは、タービンチューブを受け入れて支持する中心ボアを備え、タービンチューブ24の長手方向軸が、収束セクション16の長手方向軸とほぼ整列するようになっている。タービンチューブは、ブレードアセンブリ30を備える。水がタービンチューブ24を流れるにつれて、ブレードアセンブリ30は、静的支持ボス26および収束セクション16に対するタービンチューブ24の回転を駆動する。
【0041】
一次流32用の第1流路は、タービンチューブ24と収束セクション16との間のアニュラス内に定められる。二次流34用の第2流路は、タービンチューブ24内に定められる。アニュラスは、円形の、チューブと収束セクションの内壁との間のリング状空間に限定されない。アニュラスの形状は、収束セクション、タービンチューブおよび支持ボスの断面形状によって決まる。
【0042】
水体にわたる障壁12は、装置のすぐ上流に加圧ヘッドを提供する。これは、障壁の後ろの水深が増加するにつれて流れが減速する際に、さらに上流の流れによる一部の運動エネルギーを、上昇した水位のポテンシャルエネルギーに変換する。結果として生じるヘッド差(H)は、等価流から直接運動エネルギーを取り出す自由流装置の、ベッツの限界として知られる、出力上限を上回る有用なエネルギーへのポテンシャルエネルギーの変換を可能にする。障壁の上流側からの水は、収束セクションを通って混合セクションに流れ込み、それから拡散セクションを経由して装置から流出する。チューブを通る二次流が誘発され、それは、機械力または電力取出配置を介して発電するブレードアセンブリを介してタービンチューブの回転を駆動する。
【0043】
収束セクションは、一次流を加速してベンチュリの低圧領域にする。低圧領域は、タービンチューブを通る二次流を誘発する。一次流も二次流も、2つの流れが混合する混合チューブに入る。混合流は、拡散セクションに入り、水流の速度は、それが拡散セクションを進む際に遅くなる。水が拡散セクションを流れる際に、流れは、その静水頭を取り戻し、それが拡散セクション下流を出る前に、その動水頭を失う。これは、ベンチュリで低静水頭を保存する。
【0044】
一次流32である水流の大部分は、収束セクション16とタービンチューブ24との間に形成されたアニュラス28を通る。二次流34である水のより小さい体積は、タービンチューブ24を流れ、それがブレードアセンブリ30を流れ過ぎる際にタービンチューブの回転を駆動する。一次流32がベンチュリ20に向かって合流する際に、一次流は、加速し、静水頭を失う。タービンチューブ出口でのタービンチューブ24の外側の高速一次流32は、タービンチューブ24の端部を出るより遅い二次流34を一次流32に引き込むのを補助する。
【0045】
こうして、装置は、大量低ヘッド流を、少量高ヘッド流に変えることができ、それから電力が回転タービンチューブを介して効率的に生成されることができる。
【0046】
図4および5に関し、タービンチューブ24は、静的支持ボス26で収束セクション16に回転支持され、収束セクション16内で中央に位置する。タービンチューブ24は、上流の高静水頭と、ベンチュリの低静水頭、との間の流路を提供する。二次流は、タービンチューブを流れ、タービンチューブの上流端とベンチュリとの間の増幅した落差によって引き起こされる。
【0047】
複数のタービンブレードを備えるブレードアセンブリ30は、タービンチューブ24の内側に位置する。ブレードアセンブリは、ブレードの先端を介してタービンチューブ24の内面に接続され、水がブレードアセンブリ30を流れ過ぎる際に、タービンチューブ24がその中心軸周りに回転するようになっている。タービンチューブおよびブレードアセンブリは、単一ユニットとして共に回転する。水がブレードアセンブリを流れ過ぎる際に、水流はブレードと相互作用し、これは、支持ボスの軸受上で回転するタービンチューブの回転を駆動する。
【0048】
一実施形態では、複数の凹部が、タービンチューブの内面に機械加工されている。それぞれのブレードは、その先端にランドを有し、ランドは、凹部に収まってタービンブレードをタービンチューブに対して固定するように形作られる。凹部は、タービンチューブの前端部の内面に機械加工され、ブレード先端ランドは、チューブの前端部から凹部に滑り込むことができる。これは、損傷したまたは交換が必要である場合に、タービンチューブの実質的な解体を必要とせずに、ブレードが、タービンチューブの前端部から除去および挿入されることができるようにする。
【0049】
代替実施形態では、ブレード先端は、タービンチューブの内面と一体になっている。
【0050】
ブレードアセンブリの周りでタービンチューブに切れ目がなく、従って、ブレードアセンブリの上流面と下流面との間に漏れ経路がない。タービンチューブ24が回転する軸受36,40は、タービンチューブ24の外側にあり、ブレードアセンブリ30を通過する流れから隔離されている。こうして、タービンにわたる高圧力降下は、利用可能なバイパス漏れ経路を有さず、全ての二次流34は、タービンチューブ24の長さを進む。ブレードアセンブリには、タービンチューブの入口から十分な距離が提供されている、すなわち、ブレードアセンブリは、タービンチューブの入口から引っ込み、ブレードアセンブリを通る良好に調整された流れがあるようになっている。一実施形態では、ブレードアセンブリは、タービンチューブの部分長さに沿って提供され、二次流路の少なくとも一部が、ブレードアセンブリの前に提供され、二次流路の少なくとも一部が、ブレードアセンブリの後に提供されるようになっている。
【0051】
タービンチューブとブレードアセンブリのブレードとを支持ボス内で単一ユニットとして回転させることによって、ブレードからチューブへの物理的連続性があり、これは、従来のタービンで生じ得るブレード先端での動力損失を削減するのに役立つ。タービンチューブへのブレードのこの連続性は、ブレードの構造強度および弾性を高めるのにも役立ち、より小さい、より軽量のブレードデザインを使用できるようにし、それは、動力損失を最小限にするのに役立ち得る。
【0052】
図12に示されているように、タービンチューブ24は、その長さに沿ってほぼ一定の内径を有することができる。代替構成では、タービンチューブ24は、
図11に示されているようにその下流端に向かって先細になることができる。タービンチューブの直径は、その長さに沿って収束し、タービンチューブ24の入口が、タービンチューブの出口よりも大きな直径を有するようになっている。先細のタービンチューブを提供することによって、低減した周面摩擦による装置のより高い効率を生成するのに役立ち得る。
【0053】
一実施形態では、タービンチューブ24は、2つ以上のセクションを備えることができる。タービンチューブ24は、前方耐荷重 セクション44および後方セクション46を備えることができる。前方セクションおよび後方セクションは、異なる材料で作られることができる。好ましくは、前方セクションは、後方セクションよりも頑丈な材料で作られる。これは、後方セクションに軽量および/またはより安価である材料を使用することによって、システムの製造でコストを削減するのに役立ち得る。より頑丈な材料で作られるセクション用に使用できる適切な材料は、鋼鉄、チタン、アルミニウム、青銅およびその合金などの材料を含むが、これらに限定されない。他のセクション用のより軽量および/またはより安価である材料は、プラスチックまたは低コスト金属合金を含むことができるが、これらに限定されない。
【0054】
チューブを形成するセクションは、通常の手段によって製造できる。ある実施形態では、一体型タービンを備える前方セクションは、3Dプリントによって任意に製造されることもできる。
【0055】
タービンチューブは、高圧領域からベンチュリの低圧領域にわたって収束セクションに位置付けられるような十分な長さであってよい。
図5に示されているように、タービンチューブ24の下流端は、混合チューブ18内に位置することができ、距離Xで混合チューブに及ぶ。距離Xは、装置の性能を最適化するように選択され、ゼロ、正または負であることができる。距離Xが正であるとき、タービンチューブは、混合チューブに及ぶ。距離Xが負であるとき、タービンチューブの出口は、混合チューブの入口の上流で終端する。距離Xがゼロであるとき、タービンチューブの出口は、混合チューブの入口とほぼ一致する。
【0056】
支持ボス26は中心ボアを有し、中心ボアの中にタービンチューブ24が取り付けられる。支持ボスは、支持ベーン62によって収束セクション16に取り付けられる。
【0057】
タービンチューブ24は、スラストフランジ38を備え、スラストフランジ38は、タービンチューブ24の外面の周りに周囲に広がる。タービンチューブ24上のスラストフランジ38は、スラスト軸受40と係合し、スラスト軸受40は、ねじ込みスラストボス42によって支持ボス26内に拘束される。ねじ込みスラストボス42は、支持ボス26の内面の周りに周囲に広がる。スラストボスとのスラストフランジの係合は、タービンチューブが回転する際に、タービンチューブが軸方向下流に移動しないようにする。
【0058】
一実施形態では、支持ボス26は、支持チューブと係合する、ノーズフェアリング48および/またはテールフェアリング50を、備えることができる。ノーズおよびテールフェアリングは、支持ボスに取り付けられたときに、一次流にスムーズな流体力学的形状を与えるように形作られ、乱流によるエネルギー損失を最小限にするのに役立つ。
図5に示されているように、ノーズフェアリングは、円筒状であることができる、または、
図15‐18に示されているように、弾丸型の外形として存在する。
【0059】
ノーズフェアリング48は、タービンチューブ24に入口シュラウドを提供し、タービンチューブへの二次流34の入口を定める。ノーズフェアリングの内面は、二次流と接触し、装置の効率性を促進するように形作られることができる。
図13は、ノーズフェアリングの内面のいくつかの考えられる形状を例示する。
図13Aに示されているように、ノーズフェアリングの内面は、凹形状を有することができる。
図13Bは、ノーズフェアリングが円錐形状を有し、その入口からタービンチューブの入口へ一定のテーパーを有する、装置を示す。
図13Cは、ノーズフェアリングが凸形状を有する装置を示す。一実施形態では、装置は、タービンチューブの入口に接続されたフィッシュスクリーン(図示せず)をさらに備えることができる。フィッシュスクリーンは、魚がチューブに入るのを防ぎながら、水がなおタービンチューブを流れることができるように選択される。チューブタービンの回転は、フィッシュスクリーンをデブリから守るのを補助し得る。
【0060】
図14に示されているように、支持ボス26のノーズフェアリング48の上流端は、収束セクション16の入口から距離Yを置いている。距離Yは、ゼロ、正または負であることができる。距離Yが正であるとき、収束セクションの入口は、支持ボスのノーズフェアリングの入口の上流である。距離Yが負であるとき、支持ボスの入口は、収束セクションの入口の上流である。距離Yがゼロであるとき、収束セクションの入口は、支持ボスのノーズフェアリングの入口とほぼ一致する。
【0061】
水の自由流速度が2メートル毎秒未満である好ましい実施形態では、距離Yは、D1(収束入口の直径)の大きさに関連して選択され、ノーズフェアリングの前縁に沿った高さの収束セクションの断面を通る水が、約2メートル毎秒の平均速度を有することを確実にする。
【0062】
図5に関し、支持ボス26は、高くなった内部円形ランド52を備える。タービンチューブ24のスラストフランジ38は、支持ボスの円形ランド52と係合する。発電部品は、支持ボス26とタービンチューブ24との間のスペースに位置する。端部キャップ54および56は、タービンチューブ24と支持ボス26との間のスペースの端部を閉じる。端部キャップ54および56は、タービンチューブ24がその長手方向軸周りに回転する軸受36を支えることができる。シール58は、タービンチューブ24と端部キャップ54との間に、端部キャップ54,56とノーズフェアリング48およびテールフェアリング50との間に、および/または支持ボス26とノーズフェアリング48およびテールフェアリング50との間に、設けられる。シール58は、支持ボスとタービンチューブとの間のスペースに水が入るのを制限するのに役立つ。
【0063】
支持ボスおよびタービンチューブは、二次流からタービンチューブと支持ボスとの間のスペースへと導く、生じ得る漏れ経路の入口間に、圧力差がほとんどあるいは全くないようにも、構成される。これは、スペースに漏れ出す水を妨げるのに役立つ。
【0064】
支持ボス26は、2つ以上の支持ベーン62によって収束セクションに支持され、2つ以上の支持ベーン62は、支持ボス26の外面から収束セクション16の内面に広がる。支持ベーンの数は変わることができ、好ましくは3つまたは4つの支持ベーンが使用される。しかしながら、必要に応じて、大体の支持ベーンが使用されることができる。支持ベーンは、一次流のエネルギー損失を最小限にするような外形を呈する。
図8に示されているように、支持ベーン62は、収束セクション16および支持ボス26にボルト64および/またはダボ66で取り付けられる。他の従来の取付手段も、支持ベーンを収束セクションおよび支持ボスに取り付けるのに使用できる。
【0065】
一実施形態では、支持ボス26は、ドレン管路60を備えてよく、ドレン管路60は、支持ボス26および支持ベーン62を通って収束セクション16の外側に延びる。あるとすれば、ドレン管路は、使用中に管路60が垂直に下方にそろえられ、支持ボスとタービンチューブとの間のスペースに入った水が、装置14の外側に流出できるように、位置付けられる。
【0066】
タービンチューブの回転は、いくらかの回転エネルギーを、周面摩擦を通じて一次流に移行させる。
図6および7に示されている一実施形態では、流れにおける回転の望ましくない程度は、ノーズフェアリング48に予旋回ステータ68を含めることによって、相殺される。予旋回ステータ68も、タービンチューブへの大きなデブリの侵入を妨げるのに役立ち得る。
【0067】
発電部品は、支持ボス26とタービンチューブ24との間のスペースに位置する。装置の2つの好ましい動力取出配置オプションは、機械力取出配置および電力取出配置である。
【0068】
機械力取出配置が、
図15‐18に示されている。タービンチューブ24のスラストフランジ38は、歯車の歯を有し、歯車の歯は、その上流側に切り込まれている。タービンチューブの回転は、歯付きスラストフランジ38に接続されたギアトレインを駆動する。ギアトレインは、歯付きピニオンホイール70を備え、歯付きピニオンホイール70は、支持ボス26とタービンチューブ24との間のスペース内に位置し、歯付きスラストフランジ38と係合する。ピニオンホイール70は、ドライブシャフト72の端部に接続される。ドライブシャフト72は、支持ボス26および支持ベーン62にある管路74を通って上方へ延びる。タービンチューブ24の回転は、ピニオンホイール70およびドライブシャフト72の回転をもたらす。ドライブシャフトは、オルタネータ(図示せず)に接続され、オルタネータは、装置14の外側に位置して発電する。
【0069】
装置は、1つ以上のドライブシャフト72およびピニオンホイール70アセンブリを備えてよく、それはタービンチューブ24の歯付きフランジ38と係合する。装置の動力取出部品の応力を制限するのが望ましいことがあるハイパワーデバイスは、複数のドライブシャフト/ピニオンホイールアセンブリを備えることができ、各ドライブシャフト72が、支持ボス26および支持ベーン62の管路74を通って上方へ出る。
【0070】
図7および16に関し、一実施形態では、装置は、空気圧縮機(図示せず)を備え、空気圧縮機は、空気を注入して管路76に流されるようにし、管路76は、支持ベーン62および支持ボス26を通って、支持ボス26とタービンチューブ24との間のスペースに延びる。空気を注入して管路76に流されるようにすることは、支持ボス26とタービンチューブ24との間のスペースにある水を、ドレン管路60の外に、排出するのに役立つ。機械的取出配置を備える装置に存在するとき、空気圧縮機は、ギアトレインのドライブシャフト72によって駆動されることができる。
【0071】
軸受36およびピニオンホイール70を含むスペースから水を取り除くことは、ドライブトレイン上の摩擦抵抗を最小限にするのに役立つ。装置が作動していないとき、スペースに入り込む水は、重力下でドレン管路60から流出する。
【0072】
電力取出配置が、
図8,9および10に示されている。永久磁石78は、タービンチューブ24の外面に機械加工された溝の中に固定される。溝は、タービンチューブ24の耐荷重部分44に位置することができる。ステータ80は、一次巻線82を支え、支持ボス26に接続される。ステータ80は、ボルト84または他の通常の取付手段によって支持ボス26の内側に保持される。
【0073】
タービンチューブ24の回転は、永久磁石78をステータ80および一次巻線82の内側で回転させ、電力を生成する。電力は、支持ボス26および支持ベーン62を通って延びる管路88を通る電力ケーブル86を介して装置から送出される。
【0074】
一実施形態では、送風ファン90が、タービンチューブ24の周りに取り付けられる。ファンは、タービンチューブの回転によって、送風ファンが空気を空気管路76に引き込むような、寸法に形成される。管路は、支持ボスおよび支持ベーンを通って延び、空気を、支持ボスと送風ファンのすぐ上流のタービンチューブとの間のスペースに引き込む。電気的取出配置を備える装置に存在するとき、送風ファンは、空気を圧力下でステータを囲んでいるスペースに吹き込む。
【0075】
ステータ80の周りに生じた空気圧は、ステータ80の周りのスペースに有る水を、ドレン管路60を通じて排出する。装置が作動していないとき、スペースに入り込む水は、重力下でドレン管路60を介して流出する。
【0076】
機械的または電気的配置を介した、タービンからの動力取出は、支持ボスおよび支持ベーンを通って延びる管路を通じて行われる。これは、一次流または二次流が、固定チューブの自由回転タービンでの場合のように、ドライブベルトまたはシャフトによって妨げられることがないということを、意味する。
【0077】
タービンチューブおよび支持ボスを形成する部品の一体的構成は、設置時間およびコストを減少させるのに役立ち、装置の場所位置決めに役立つ。
【0078】
収束セクション16は、第1開口とより狭い開口とを有する漏斗の形であり、第1開口は、一端で障壁12の後ろから水を受け取る入口としてあり、より狭い開口は、対向端で出口としてあり、混合チューブ18へ水を放出する。収束セクション16は、上流端から混合チューブ18の入口に向かって先細になる。ベンチュリ20は、収束セクションと混合チューブとの境界で定められる。収束の角度、セクションの長さ、収束セクションの入口および出口の直径などの大きさ、などの収束セクションのパラメーターは、装置の性能を最適化するように選択できる。
【0079】
図13に関し、
図13Aに示されているように、収束セクション16は、上流端から下流端へほぼ円錐の外形を有する。収束セクションは、円錐台の形状の単一部品として簡単に製造されることができる。
図13Bおよび
図5は、収束セクション16が前方収束セクション92および後方収束セクション94を備える、代替構成を例示する。前方セクションと後方セクションとは、別々に製造されることができ、前方収束セクションが、円錐台として簡単な形状を有し、後方収束セクションが、より複雑な湾曲凸形状である。
図13Cは、さらなる好ましい代替構成を例示し、収束セクション16が、その長さに沿って可変角度で先細になり、アニュラスを通る一次流32に一定の加速度を生じさせるように形作られた凸型外部形状を提供する。
【0080】
混合チューブは、二次流34と一次流32とがほぼ一様な流れを形成するように混ざることができる管のセクションを提供する。流れは、拡散セクション22へと混合チューブ18を出る前にほぼ均一であり、拡散セクションを通る流れの十分な圧力回収が、ベンチュリでの低い圧力と、拡散セクションの出口でのより高い圧力と、の間の圧力差を維持できる、速度プロファイルを有する。
【0081】
混合チューブは、二次流34が通るタービンチューブの出力を最大にするように構成される。これは、少なくとも部分で、ベンチュリの低圧によって引き起こされるタービンを流れる二次流が一次流と混じり合い始める位置のすぐ下流の領域の流動様式を最適化するように、構成された混合セクションによって、達成される。混合チューブは、この混合チューブで一次流から二次流へのエネルギー移行を最適化するように構成される。
【0082】
混合チューブは、開口、出口および非ゼロ長さを有し、流れが混合することができる開口と出口との間の十分な長さのスペースを提供する。混合チューブを定める管の長さ(L)は、適切に調整された流れが、流れが拡散セクションに入る前に得られるように、選択される。流れおよび圧力状態に適した長さを選択することによって、流れの速い一次流とより遅い二次流との間の最適なエネルギー移行があることが確実になり、2つの流れにわたる許容速度プロファイルが、合流が拡散セクションに入る前にあるようになっている。
【0083】
本発明の一実施形態では、混合チューブは、混合チューブの出口がその入口よりも狭くなるように、βベータの半円錐角だけ下流方向に先細になることができる。混合チューブの半円錐角は、正または負であることができる。代替実施形態では、混合チューブは、上流方向に先細になることができ、混合チューブの出口が、混合チューブの入口よりも広くなるようになっている、すなわち、混合チューブは、拡散セクションの方へその長さに沿って発散する。先細の混合チューブを有することによって、アニュラスを通る高速一次流と、タービンチューブを出るより遅い二次流と、の間のエネルギー移行を促進できる。
【0084】
混合チューブ18の下流端は、拡散セクション22に接続される。拡散セクションは、第1開口とより広い開口とを有する漏斗の形であり、第1開口は、混合チューブ18から水を受け取る入口としてあり、より広い開口は、対向端で出口としてあり、障壁12の下流側で自由流れに戻るように水を放出する。拡散セクション22は、混合チューブ18の出口から外側に発散し、流れの速度を落とし、それが拡散セクション22を出る前に静圧を取り戻し、乱流によるエネルギー損失を最小限にする。発散の角度は、ディフューザーの性能を最適化するように選択できる。
【0085】
セクションの長さ、発散の角度、θ、および第1および第2開口の断面積の比率、などの拡散セクションのパラメーターは、乱流を抑制し、流れが減速して自由流速度に戻る際に、流れ分離によって引き起こされるエネルギー損失を低減するように、選択される。過度の乱流、渦および流れ分離は、流れが拡散セクションの出口に近づく際に圧力回収を害することがある。パラメーターは、圧力回収を最大限にするように選択され、下流水深によって定められる拡散器出口での圧力が、ベンチュリでの圧力よりも極力高いようになっている。
【0086】
拡散セクションは、圧力回収が生じる際に拡散セクションを通じて等減速率での一次流を提供するように構成される。
図13Aおよび
図13Cに関し、拡散セクション22は、その長さに沿って可変角度で下流端に発散する。
図13Aに示されているように、拡散セクションは、凹型外部形状を有することができる。
図13Cに示されているように、拡散セクションは、凸型外形セクションを有することができる。
図13Bは、ほぼ一定の角度で先細になり、ほぼ円錐形状を有する、発散セクション22を有する装置を例示する。
【0087】
収束セクション、混合チューブおよび拡散セクションは、単一の連続チューブとして製造できる。代替的に、収束セクション、混合チューブおよび拡散セクションは、ボルトによってまたは他の従来の連結手段または技術によって共に保持される2つ以上の別々のセクションとして製造できる。
図2および3に示されているように、収束セクション、混合チューブおよび拡散セクションは、収束および混合チューブセクションと、拡散セクションと、である2つのセクションとして製造でき、2つのセクションがボルト96によって共に保持される。
【0088】
アール移行部98を、任意の2つの隣り合うセクション間に形成することができ、誘発乱流によるエネルギー損失を最小限にする。誘発乱流は、鋭角移行部がセクション間に存在する場合に生じ得る。これは、システムのエネルギー変換効率を高めるのに役立つ。
【0089】
装置は、1kWから1MWを超える出力を生成するのに使用されることができる。
図4に関し、収束セクションの入口の直径(D1)、支持ボスのノーズフェアリングの入口の直径(D2)、タービンチューブの出口の直径(D3)、混合セクションの出口の直径(D4)、拡散セクションの出口の直径(D5)、混合セクションの長さ“M”、および拡散セクションの長さ“L”は、システムの効率を高めるのに役立つように変更されることができる。比率D4/D1,D3/D1,M/D4およびL/(D5−D4)は、システムが取り付けられる状況に適合するように選択される。
【0090】
一実施形態では、装置は、水の約80%がアニュラス28を通過して流れ、水の残りの約20%がタービンチューブ24を通って引き込まれるように、設計されている。好ましい実施形態の一つでは、装置は、2つの無次元パラメーターα(アルファ)およびβ(ベータ)の積が0.25にほぼ等しくなるように構成され、ここで:
αは、タービンチューブの出口での全二次流面積(πD3
2/4)に対するタービンチューブの出口での全一次流面積[(π/4)(D4
2−D3
2)]の比率である;および
βは、タービンチューブからの出口でのアニュラスの一次流の平均速度に対するタービンチューブの二次流の平均速度の比率である。
【0091】
機械の最大出力がベッツの限界に従い、機械の配列が、それらが各機械間でかなり離れて配置されることを必要とする、自由流体流の運動エネルギー機械とは異なり、この発明は、水体の幅全体にわたる障壁の提供によって上流水位を上昇させることにより、流れ全体の運動エネルギーからポテンシャル水圧エネルギーのインベントリを初めて作り出し、そして、ポテンシャルエネルギーのこのインベントリの多くを、タービンチューブを流れる流れのより小さい部分に集中させ、それを通じて対応して増幅した圧力差が作り出され、経済的「水ワイヤ」効率で電気エネルギーが生成されることを可能にする。
【0092】
発電での許容効率を達成するために、この本発明は、同じ流れる水体にわたって配置される自由流タービンのタービンディスクの直径より小さい直径を有する、ブレードアセンブリおよびタービンチューブの使用を可能にする。ほとんどの川および多くの感潮河口地を含む、多くの場所では、自由流タービンの望ましい直径は、利用できる水深を著しく超えることがある。本発明のシステムで使用されることができるより小さいタービンは、より低い資本コストで同等の効率を達成し、システムは、より広範囲の場所で使用されるのに適している。
【0093】
本発明のシステムの後ろの上流水の自由表面は、典型的に1.0m〜3.5m、流れの幅全体にわたって隆起する。自由流タービンについて、水の流れに対するタービンの抵抗によって引き起こされる、タービンの上の水面上に小さい「バルジ」があり、それは、自由流タービンのエネルギー生成能力の指標である。このバルジは、通常の視力で典型的に検知できない。自由表面タービンのほんの上流の隆起は、ベッツの限界の制約のために、ほんのわずかである。さらに、この小さい隆起した体積は、平面で各自由流タービンに局所的であり、ベッツの限界も、配列の各自由流タービン間のかなりの開水域を定め、自由流タービンまたはタービン配列のほんの上流および上の隆起した水の体積が、同じ流れる水体にわたって配置されるこの発明の隆起した上流のよりも、典型的に1桁分以上、極めて小さくなるようになっている。隆起した水の体積のこの比較は、機械の種類毎による電気への変換に利用できる比較エネルギーの直接の指標である。本発明のシステムは、従って、同じ水体から、自由流タービンまたは自由流タービン配列のよりも、1桁分以上の利用できるエネルギーを典型的に有する。
【0094】
さらに、本発明は、自由流タービンの設置よりもかなり大きな隆起した上流の水頭を作り出し、そして、そのヘッド差をさらに、上流流れの典型的に20%である誘発二次流で3〜5倍の率典型的に増幅する。従って、本発明のタービンの駆動ヘッド(圧力)は、典型的に1桁分以上、自由流タービンにわたるのよりも大きい。本発明のこの装置は、従って、1桁分以上小さい直径のタービンチューブおよびブレードアセンブリを使用でき、典型的な自由流タービンよりも、1桁分以上速い速度で回転する。
【0095】
水源にわたる障壁が全ての水の流れをタービンについて導く、典型的な水力発電ダムは、発電機作業を効率良くするのに、典型的に3.5m以上のヘッド差を必要とする。しかしながら、誘発二次流の圧力増幅により、本発明は、そのようなタービンを約1.0mのヘッド差でコスト効率良く作動できる。