【課題を解決するための手段】
【0020】
一態様で、本発明は、カートリッジを使用して処理済み生体試料の測定を実施する方法を提供する。
本明細書で使用されるカートリッジが、生体試料を処理して処理済み生体試料とするための試験要素を包含する。カートリッジが、生体試料に対して測定を実施するのを可能にする構造または構成要素を含むことができる。カートリッジは、米国特許第8,114,351(B2)号および米国特許第8,470,588(B2)号で定義されて説明されているような試験要素である。本明細書で使用されるカートリッジは、「ラボ−オン−ディスク」またはマイクロ流体CDとしても知られる遠心マイクロ流体ディスクとも称され得る。
【0021】
また、本明細書で使用される生体試料は、有機体から取られた試料から、抽出されるか、コピーされるか、複製されるか、または、再生される任意の化学製品を包含する。
カートリッジが回転軸の周りで回転するように動作可能である。カートリッジが流体を受け取るための流体チャンバを備える。種々の文脈において、流体を受け取ることには様々な意味が含まれてよい。1つの解釈では、流体を受け取ることとは、例えば、ピペットまたは他のディスペンサを介して流体を受け取ることであってよい。他の状況では、流体を受け取ることがカートリッジ内のリザーバを開けることに基づいてよい。カートリッジがアリコートチャンバ(aliquoting chamber)をさらに備える。カートリッジが、流体チャンバおよびアリコートチャンバを接続する第1のダクトをさらに備える。カートリッジが計量チャンバをさらに備える。計量チャンバが毛管作用を利用して流体により計量チャンバを充填するように動作可能である。
【0022】
本明細書で使用される毛管作用は、毛管現象、毛管流動、または、毛細管現象、あるいは、毛管力と称されてもよい。毛管作用は、流体の、重力または遠心力のような外力の補助なしで狭いスペース内で流れる能力である。
【0023】
毛管作用は液体と隣接する固体表面との間の分子間力によって生じる。液体と隣接する固体表面との間の付着力は、重力または他の外力を打ち消すのに使用され得る。いくつかの事例では、毛管作用は隣接する固体表面の間の距離を縮小することにより増大され得る。
【0024】
カートリッジが、計量チャンバをアリコートチャンバに接続する第2のダクトをさらに備える。第2のダクトがアリコートチャンバ内にダクト入口を備える。第2のダクトが計量チャンバ内にダクト出口をさらに備える。ダクト出口はダクト入口よりも回転軸に接近する。第2のダクトが、毛管作用を利用して流体の流れを計量チャンバの中へと流すように動作可能である。カートリッジが下流の流体要素をさらに備える。下流の流体要素がバルブを介して計量チャンバに接続される。下流の流体要素は、流体が計量チャンバから下流の流体要素まで流れるという意味において、下流側にある。
【0025】
カートリッジが、生体試料を処理して処理済み生体試料とするための流体構造をさらに備える。流体構造が下流の流体要素を備える。流体構造が下流の流体要素を備える。下流の流体要素が流体構造に流体接続される。下流の流体要素は流体構造の一構成要素または一部とみなされてよい。流体構造が、処理済み生体試料の測定を可能にするための測定構造を備える。流体構造が生体試料を受け取るように構成される。例えば、カートリッジが生体試料を受け取るように適合される流入受け部分(entrance receptacle)を有することができる。
【0026】
本方法が、流体構造の中に生体試料を配置するステップを含む。本方法が、流体構造を使用して生体試料を処理して処理済み生体試料とするためにカートリッジの回転速度を制御するステップをさらに含む。回転速度を制御することによりおよび多様な回転速度での継続時間を制御することにより、ディスクまたはカートリッジが、生体試料を処理して処理済み生体試料とするのに使用され得る。本方法が、流体で流体チャンバを充填するステップをさらに含む。異なる実施形態でこれは多様な形で達成されてよく、例えば、カートリッジ内のリザーバが開けられてよいか、または、流体チャンバの中に流体を計量分配するのに外部供給源が使用されてもよい。本方法が、第1のダクトを介して流体チャンバからアリコートチャンバまで流体を輸送するためにカートリッジの回転速度を制御するステップをさらに含む。異なる実施形態でこれは多様な形で達成されてよく、例えば、いくつかの実施例では、流体チャンバがアリコートチャンバよりも回転軸に接近してよい。この事例では、回転速度を上げることにより、流体が遠心力を利用して第1のダクトを通るように押しやられ得る。他の実施例では、第1のダクトが例えばサイフォンであってよい。サイフォンは、例えば、毛管作用および遠心力を利用して流体を自動で流すようにすることができる。この事例では、カートリッジの回転速度を低下させることによりサイフォンを流体で充填することができ、回転速度を上げることにより流体チャンバからアリコートチャンバまで流体を流すことができる。
【0027】
本方法が、リザーバ内の流体を第2のダクトの中まで流すのを可能にするためにおよび計量チャンバを1回目として充填するために、カートリッジの回転速度を低下させることをさらに含む。毛管力により、流体がアリコートチャンバから第2のダクトまで流れてさらに計量チャンバまで流れる。遠心力を有するカートリッジの回転は、この毛管力を打ち消すのに利用され得る。カートリッジの回転速度が低下すると、これにより毛管作用が流体を計量チャンバの中まで引き入れることが可能となる。また、カートリッジの回転速度を低下させることの作用により、流体に力が加えられ、この力が流体を計量チャンバの中へと押しやる。本方法が、流体の第1の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送するためにおよび第1の残りの部分をアリコートチャンバに戻すように移送するために、カートリッジの回転速度を上げるステップをさらに含む。
【0028】
本方法が、リザーバ内の流体を第2のダクトの中まで流すのを可能にするためにおよび計量チャンバを2回目として充填するために、カートリッジの回転速度を低下させるステップをさらに含む。本方法が、計量チャンバからの流体の第2の部分をバルブを通るように移送するためにおよび第2の残りの部分をアリコートチャンバの中に戻すように移送するために、カートリッジの回転速度を上げるステップをさらに含む。これは流体を分取することを2回再現することとして説明されるが、計量チャンバを効果的に充填するのに十分な流体がアリコートチャンバの中にある限り、流体の分取(aliquotation)は何度も繰り返されてよい。本方法が、測定構造を使用しておよび測定システムを使用して測定を実施するステップをさらに含む。
【0029】
この方法は、流体が複数回にわたってアリコートチャンバから下流の流体要素まで移送され得る、という利点を有することができる。いくつかの実施例では、測定が光学測定である。測定には、限定しないが、光度透過率の測定(photometric transmission measurement)、光の散乱の測定、化学発光、蛍光発光、および、電気化学発光(ECL)測定、が含まれてよい。
【0030】
この方法は、下流の流体要素への流体の複数回の分取を実施する手段を提供することができることを理由として、有益となり得る。
別の実施形態では、計量チャンバが側壁および中央領域を有する。側壁が中央領域から離れる方向において先細となる。計量チャンバの側壁に隣接するところでの毛管作用は計量チャンバの中央領域での毛管作用より大きい。
【0031】
別の実施形態では、カートリッジが、計量チャンバに接続される通気孔をさらに備える。通気孔は計量チャンバよりも回転軸に接近する。通気孔は、例えば、気体が計量チャンバに入ることまたは計量チャンバから出ることを可能とするように、接続され得る。これにより、流体が計量チャンバに入るかまたはそこから出ることを可能にすることができる。
【0032】
別の実施形態では、カートリッジが通気孔を備える拡張チャンバ(expansion chamber)をさらに備える。拡張チャンバが計量チャンバに接続される。計量チャンバ内での毛管作用が拡張チャンバ内での毛管作用よりも大きい。拡張チャンバが計量チャンバよりも回転軸に近い。
【0033】
別の実施形態では、計量チャンバと拡張チャンバとの間のインターフェースが毛管バルブまたは毛管ストップバルブ(capillary stop valve)として形成される。この実施形態では、計量チャンバの断面が計量チャンバの大きい断面の方に向かって段階的に増大する。それにより、追加の力が加えられなければ、流体が計量チャンバから拡張チャンバの中へ流れることがない。
【0034】
この実施形態は、計量チャンバが最初に中央領域を囲む側壁のところで充填されてその後で中央領域のところで充填される、という利点を有することができる。これにより予測可能な形および制御可能な形で計量チャンバが充填されるようになり、その結果、泡が形成されるかまたは付着する可能性が低減される。
【0035】
泡が形成されると、大抵のマイクロ流体構造が計量された量の流体を計量分配するのに2回以上使用されることが妨げられることになる。例えば、米国特許出願第2009/0246082(A1)号が、オーバーフローチャンバまたはチャンネル内での種々のロケーションに配置されるエアホールの使用を教示している。例えば、米国特許出願第2009/0246082(A1)号の
図3、4および5を参照されたい。
図5(a)の13のチャンバは本質的にサイフォンである。しかし、
図5(a)で描かれるようにサイフォンの湾曲部のところにエアホールを配置することは、上述したような側壁および中央領域を備える計量チャンバを有するような形で流体を繰り返し分取するのを可能にしない。この潜在的な利点を後でより詳細に説明する。
【0036】
同様に、EP2302396A1に記載されるアリコート構造が、流体を複数のアリコートへと並列に分ける(parallel split)ことを可能にするが、やはり、回転軸に最も近い位置でのみ空気を取り入れる通気構造を使用する。EP2302396A1の
図55および付随する文章を参照されたい。図に示される構造は、流体で充填されることを必要とする長い毛管チャンネルを特徴とする。このチャンネルは、複数の通気孔と、下流のチャンバへの接続部とを特徴とする。
【0037】
EP2302396A1の
図42では、サイフォン215bがチャンバ210bを別のチャンバ209cに接続する。回転軸107に最も接近するサイフォン215bのポイントに通気孔を配置することは、泡が形成される危険性があることを理由として、毎回同じ量の流体を高い信頼性で分取することを可能としない。EP2302396に示される構造は以下の欠点を有する:第2の分取ステップでこのような構造を再充填することの信頼性が非常に低くなる。第2の分取ステップでは、毛管を再び充填する必要がある。毛管の壁が依然として湿っていることを理由として、この充填プロセスが第1の分取ステップの最初の充填プロセスと異なる。流体は、チャンネル中央よりも、チャンネル壁に沿うところで有意に速く移動する。チャンネルの直径が小さいことから、一方のチャンネル壁上を進む流体がしばしばもう一方のチャンネル壁上の流体に接触する。これにより、チャンネルを詰まらせるような気泡が形成される。この影響は、低い表面張力の流体(例えば、洗浄緩衝剤)が分取される場合に有意に大きくなる。気泡が形成されることの可能性は、充填されることになる毛管の長さが増すにつれて増大する。
【0038】
実施された実験により、繰り返しの分取ステップにおいて長い毛管が高い信頼性をもって使用され得ないことが示されている。単一の長い毛管と、湾曲部の近くにある通気孔と、を備える構造が組み立てられた。試験中、液体の第2の分取が試みられるときに気泡が通気孔を絶えず詰まらせた。
【0039】
本実施形態は、連続的で正確な分取ステップを可能にするという別の利点を有することができる。この構造では4つの壁を備える「密閉される」毛管を完全に回避することができる。いくつかの実施例では、負の加速度によりディスクの回転を止めることで、流体の慣性により、流体が第2のダクトを通過して計量チャンバに到達することができる。いくつかの実施例では、第2のダクトが毛管として機能しない。いくつかの実施形態では、毛管力と、慣性による力との両方により、流体が第2のダクトを通過して計量チャンバに到達することができる。計量チャンバでは、側壁が、中央領域より毛管作用が大きいことを理由として、外側壁のところで誘導構造として機能することができ、流体を誘導することができる。側壁が充填された後、計量チャンバの中央部分も毛管力により充填され得る。誘導構造は、気泡を形成または付着させるのを防止する3つの壁を備える「開いた」毛管構造を特徴とする。回転軸に最も接近する計量チャンバの縁部が拡張チャンバの境界を画定する。いくつかの実施例では、計量チャンバの中央部分がその全幅にわたって拡張チャンバの境界を画定する。これにより、計量チャンバ内で気泡が形成される危険性を回避または低減することができ、それにより、同じマイクロ流体構造を使用してその後の複数回の分取のために正確に計量を行って計量チャンバを高い信頼性で再充填することが可能となる。
【0040】
上述した潜在的な利点の他に、本実施形態と比較すると、米国特許出願第2009/0246082号の流体構造はさらなる欠点を有する。オーバーフローチャンバ15(米国特許出願第2009/0246082号の
図5(c)を参照)が、本実施形態とは異なり、余分な流体を維持して保持するように機能する。余分な流体がオーバーフローチャンバ15内で捕らえられることになる。本実施形態では、アリコートチャンバ内の流体が計量チャンバに移送され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、流体の第1の部分が流体の第2の部分と同じ量を有する。いくつかの実施形態では、第1の残りの部分が第2の残りの部分と同じ量を有する。
第1および第2の残りの部分は計量チャンバ内にある流体の一部であるが、これは、カートリッジの回転速度が上げられるときに、アリコートチャンバへと戻るように移送される。
【0042】
いくつかの実施形態では、カートリッジの回転は、回転方向が最初にアリコートチャンバを通過してさらに計量チャンバを通過する、ような回転である。カートリッジの回転をこのような形で行う場合、カートリッジが減速されるときに、流体の慣性が必然的に流体を第2のダクトの中へと押しやり、計量チャンバを充填するのを補助する。
【0043】
別の実施形態では、この方法の実施中に、カートリッジが水平方向となるように方向付けられる。あるいは、回転軸が垂直であると説明してもよい。
別の実施形態では、バルブは毛管バルブまたは毛管ストップバルブである。
【0044】
本明細書で使用される毛管バルブまたは毛管ストップバルブは、毛管ストップバルブを通って流体が流れるのを防止するために流体の毛管力を使用するバルブまたは構造である。例えば、十分に小さい直径を有するチューブが流体をチューブの中へ引き入れ、毛管力により流体がチューブの外へ流れることが防止される。このチューブの場合、チューブの入口および出口が毛管ストップバルブとして機能する。いくつかの実施例では、サイフォンの出口自体が(隣接する流体構造およびチャンバと比較して)十分に小さい寸法を有することができることで、サイフォン出口が毛管ストップとして機能する。
【0045】
別の実施形態では、バルブは、開けられ得、再度密閉され得るマイクロバルブである。例えば、埋め込み式のマイクロヒータを備えるパラフィンベースのバルブが使用され得る。
【0046】
別の実施形態では、計量チャンバの側壁が拡張チャンバの境界を画定する。
別の実施形態では、側壁が回転軸に最も接近する領域を有し、ここでは、この領域が拡張チャンバの境界を画定して、拡張チャンバの中へと開いている。
【0047】
別の実施形態では、計量チャンバの中央領域が拡張チャンバの境界を画定する。
別の実施形態では、中央領域が回転軸に最も接近するゾーンを有し、ここでは、この領域が拡張チャンバの境界を画定して、拡張チャンバの中へと開いている。
【0048】
別の実施形態では、計量チャンバが計量チャンバと拡張チャンバとの間の境界部分を有する。境界部分はバルブの幅の少なくとも5倍の長さを有する。
別の実施例では、マイクロバルブは、Parkらの論文「Multifunctional Microvalves Control by Optical Illumination on Nanoheaters and Its Application in Centrifugal Microfluidic Devices」、Lab Chip、2007、7、557〜564ページ、に説明されるような、強磁性流体をベースとするバルブであってよい。
【0049】
別の実施形態では、流体構造がマイクロ流体構造である。
別の実施形態では、流体の第1の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送するためにカートリッジの回転速度を上げるステップが、流体の残りの部分をアリコートチャンバまで戻すように移送するためにカートリッジの回転速度を第1の回転速度まで上げることと、流体の第1の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送するためにカートリッジの回転速度を第2の回転速度まで上げることとを含む。カートリッジが第1の回転速度の高い速度で回転させられるとき、遠心力が、流体を計量チャンバの中に引き入れるいかなる毛管力よりも大きくなる。次いで、液面がダクト出口の最も低い高さと等しくなるまで、流体が計量チャンバから出るように押しやられる。第2の回転速度まで上げることにより、流体がバルブを通るように押しやられる。いくつかの実施例では、バルブが開いている。例えば、強磁性流体ベースまたはパラフィンベースのマイクロバルブが使用される。この実施形態は、下流の流体要素へと計量分配される流体の精度が向上するという利点を有することができる。これの代替形態としては、カートリッジが、単純に、バルブを通るように流体を押しやるのに十分な速度で回転させられる。これは、第1および第2の回転速度が使用される場合において下流の流体要素へと移送される流体の量に帰着し得る。別の代替形態では、バルブが制御可能に密閉可能または開放可能であるマイクロバルブである場合、カートリッジが、流体の残りの部分を押しやってアリコートチャンバの中に戻すような回転速度で動作することができる。これが達成された後、マイクロバルブが開けられ、この回転により流体が計量チャンバから下流の流体要素の中まで押しやられる。代替形態としては、マイクロバルブを再使用可能なサイフォンに置き換えることが可能となり得る。
【0050】
いくつかの実施例では、流体が毛管力により計量チャンバの中に引き入れられ得る。回転速度を低下させることにより、接続されるダクトに対して流体をはねとばすかまたは流体をダクトとは反対に移動させることができ、さらに毛管力により計量チャンバを充填することができる。流体の第1の部分を移送するためにカートリッジの回転速度を上げることは、また、計量チャンバの中に流体を引き入れるいかなる毛管力も打ち消す効果を有することができる。
【0051】
別の実施形態では、流体の第1の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送するためにカートリッジの回転速度を上げるステップが、流体の残りの部分をアリコートチャンバまで戻すように移送するためにカートリッジの回転速度を第1の回転速度まで上げることと、流体の第1の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送するためにカートリッジの回転速度を第2の回転速度まで上げることとを含む。カートリッジが第1の回転速度の高い速度で回転させられるとき、遠心力が、流体を計量チャンバの中に引き入れるいかなる毛管力よりも大きくなる。次いで、液面がダクト出口の最も低い高さと等しくなるまで、流体が計量チャンバから出るように押しやられる。第2の回転速度まで上げることにより、流体がバルブを通るように押しやられる。いくつかの実施例では、バルブが開いている。
【0052】
別の実施形態では、強磁性流体ベースまたはパラフィンベースのマイクロバルブが使用される。この実施形態は、下流の流体要素へと計量分配される流体の精度が向上するという利点を有することができる。これの代替形態としては、カートリッジが、単純に、バルブを通るように流体を押しやるのに十分な速度で回転させられる。これは、第1および第2の回転速度が使用される場合において下流の流体要素へと移送される流体の量に帰着し得る。別の代替形態では、バルブが制御可能に密閉可能または開放可能であるマイクロバルブである場合、カートリッジが、流体の残りの部分を押しやってアリコートチャンバの中に戻すような回転速度で動作することができる。これが達成された後、マイクロバルブが開けられ、この回転により流体が計量チャンバから下流の流体要素の中まで押しやられる。
【0053】
別の実施形態では、流体の第2の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送するためにカートリッジの回転速度を上げるステップが、流体の残りの部分をアリコートチャンバまで戻すように移送するためにカートリッジの回転速度を第1の回転速度まで上げることと、流体の第2の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送するためにカートリッジの回転速度を第2の回転速度まで上げることとを含む。
【0054】
一実施例では、アリコートチャンバが約2.5mmの深さおよび4.0mmの幅を有する。径方向(回転軸に向かう方向)の高さは6mmであってよい。
一実施例では、計量チャンバは0.8mmの深さおよび3.8mmの幅を有することができる。拡張チャンバを除いた高さは約7.0mmであってよい。
【0055】
一実施例では、第2のダクトが0.5mmの深さおよび1mmの幅を有する。他の実施例では、第2のダクトの深さが0.1mmから1mmの間である。他の実施例では、第2のダクトが0.1mmから1.5mmの間の幅を有する。深さは回転軸の方向であり、幅は回転軸に対して垂直な平面内にある。
【0056】
別の態様では、本発明が、自動分析器のためのカートリッジを提供する。カートリッジが回転軸の周りで回転するように動作可能である。カートリッジが流体を受け取るための流体チャンバを備える。カートリッジがアリコートチャンバをさらに備える。カートリッジが、流体チャンバおよびアリコートチャンバを接続する第1のダクトをさらに備える。カートリッジが、毛管作用を利用して流体により計量チャンバを充填するように動作可能である計量チャンバをさらに備える。
【0057】
カートリッジが計量チャンバをアリコートチャンバに接続する第2のダクトをさらに備える。第2のダクトがアリコートチャンバ内にダクト入口を備える。第2のダクトが計量チャンバ内にダクト出口をさらに備える。ダクト出口がダクト入口よりも回転軸に接近する。第2のダクトが、毛管作用を利用して計量チャンバまで流体を流すように動作可能であるかまたはそのように設計される。第2のダクトが、毛管作用を得るように十分に小さい特徴的な寸法を利用することにより流体を計量チャンバまで流すように動作可能とされ得る。
【0058】
カートリッジが下流の流体要素をさらに備える。下流の流体要素がバルブを介して計量チャンバに接続される。カートリッジが生体試料を処理して処理済み生体試料とするための流体構造をさらに備える。流体構造が下流の流体要素を備える。下流の流体要素が流体構造に流体接続される。流体構造が、処理済み生体試料の測定を可能にするための測定構造を備える。流体構造が生体試料を受け取るように構成される。
【0059】
別の実施形態では、アリコートチャンバが上側部および下側部を有する。上側部が下側部よりも回転軸に接近する。計量チャンバが上側部分を有する。計量チャンバが下側部分を有する。上側部分が下側部分よりも回転軸に接近する。ダクト出口が計量チャンバの上側部分内にある。ダクト入口がアリコートチャンバの下側部内にある。
【0060】
別の実施形態では、第2のダクトおよびアリコートチャンバの断面図がじょうろに類似する形状である。
別の実施形態では、計量チャンバが計量チャンバ表面を有する。計量チャンバ表面が少なくとも部分的に丸みを有する。この実施形態では、計量チャンバ内に鋭利な角部(hard corner)が存在することが回避され、それにより、計量チャンバ内で泡が形成されるかまたは付着することの可能性が低減され、また、計量チャンバを流体で完全に充填することが促進される。計量チャンバ内に泡が存在するのを回避することが所望される可能性があり、その理由は、泡が計量チャンバ内で保管され得る流体の量を変化させるからである。計量チャンバの充填中に泡が形成されると、これにより、下流の流体要素へ移送される流体の量の一貫性が失われる可能性がある。
【0061】
別の実施形態では、計量チャンバが側壁および中央領域を有する。側壁が中央領域から離れる方向において先細となる。中央領域から離れる方向において先細となる側壁を有することで、中央領域のエリアよりも側壁に近い方で毛管作用を大きくすることができる。これにより側壁が最初に流体で充填され得るようになり、それにより計量チャンバ内で泡が形成される可能性を低減することができる。
【0062】
他の実施形態では、計量チャンバが側壁を有する。計量チャンバのプロファイルが側壁に向かう方向において先細となる。
別の実施形態では、計量チャンバの側壁に隣接するところでの毛管作用が計量チャンバの中央領域の毛管作用より大きい。これにより、中央領域より先に側壁を流体で充填することができるようになる。
【0063】
別の実施形態では、側壁が中央領域より先に流体で充填されるように動作可能であり、それにより、計量チャンバ内で泡が形成および/または付着することが防止される。
別の実施形態では、計量チャンバの毛管作用が第2のダクト内での毛管作用より大きい。これにより、計量チャンバを流体で充填するのを補助することができる。
【0064】
別の実施形態では、カートリッジが、通気孔を備える拡張チャンバをさらに備える。拡張チャンバが計量チャンバに流体接続される。計量チャンバ内での毛管作用が拡張チャンバ内での毛管作用より大きい。拡張チャンバが計量チャンバよりも回転軸に近い。このような拡張チャンバを使用することにより、空気を計量チャンバから一様に出すことを可能にすることができる。これにより、計量チャンバ内で泡が形成されるかまたは付着することの可能性をさらに低減することができる。
【0065】
別の実施形態では、計量チャンバが上側縁部または表面を有する。上側縁部または表面は、計量チャンバの残りの部分よりも回転軸に接近する計量チャンバの境界部分である。この実施形態では、計量チャンバの上側セクションまたは境界部分の全体が拡張チャンバの中へと開いていてよい。これにより、計量チャンバを充填するときに泡が形成されるかまたは付着する可能性をさらに低減することができる。
【0066】
別の実施形態では、拡張チャンバがアリコートチャンバよりも回転軸に接近する。これは、拡張チャンバが流体で充填されることの可能性を低減することを理由として、有益となり得る。
【0067】
別の実施形態では、カートリッジが流体で充填されるリザーバをさらに備える。リザーバが、開けられるようにおよび流体チャンバまで流体を移送するように構成される。カートリッジが、例えば、リザーバを開けるのに使用され得るリザーバ開放要素を有することができる。リザーバ開放要素を作動させるかまたは起動するのにアクチュエータを使用し得ることも可能である。例えば、自動分析器が、リザーバを開けてリザーバ内に含まれる流体を流体チャンバの中に入れることを可能にするために、リザーバまたはリザーバに取り付けられる機構を作動させるデバイスを有することができる。
【0068】
リザーバは、例えば薄膜またはホイルであってよい取り外し可能シールまたは穿孔可能シールを用いて例えば密閉され得る。例えば、金属ホイルまたはプラスチックの薄膜の小片が穿孔可能シールとして使用され得る。流体チャンバ、または、カートリッジの別の構成要素が、穿孔可能シールを開けるための穿孔構造を有することができる。穿孔構造は、特定の穿孔可能シールを穿孔することができる任意の構造であってよく、これは例えば、ピン、ランス(ランセット)または鋭利な縁部であってよい。他の実施例では、リザーバを開けるために、取り外し可能シールが剥がされてもよい。
【0069】
別の実施形態では、流体チャンバまたは流体チャンバに接続される流体受け構造が、流体を流体チャンバへと計量分配するドージングニードル(dosing needle)を受けるように構成される。これは例えば手動で実施されてよいか、または、自動分析器が、流体を流体チャンバまたは流体受け構造へと自動で計量分配するドージングニードルを有することができる。
【0070】
別の実施形態では、流体が以下のうちの任意の1つである:分散液、ナノ粒子を含む流体、血液型分類試薬を含む流体、免疫試薬を含む流体、抗体を含む流体、酵素を含む流体、酵素反応のための1つまたは複数の基質を含む流体、蛍光発光分子を含む流体、免疫化学反応を測定するための分子を含む流体、核酸の反応を測定するための分子を含む流体、組換体蛋白質を含む流体、ウイルス単離物を含む流体、ウイルスを含む流体、生体試薬を含む流体、溶媒、希釈剤、緩衝剤、蛋白質を含む流体、塩を含む流体、洗浄剤、核酸を含む流体、酸を含む流体、塩基を含む流体、水溶液、非水溶液、および、これらの組み合わせ。
【0071】
別の実施形態では、測定構造が、2つ以上の電極および/または光学測定構造を備える。測定システムが電気測定を行うためのシステムを備える。測定システムが光学測定を行うためのシステムを備える。
【0072】
いくつかの実施例では、光学測定構造が透明構造であってよい。測定システムが光学測定システムを備える。
いくつかの実施例では、光学的に透明であることが、近赤外線および近紫外線を含んでよい。他の実施例では、光学的に透明であることが、近赤外線または近紫外線を除外してもよい。
【0073】
いくつかの実施例が、さらにより複雑な試験のため、透明構造を備える測定構造と、電極と、の両方を有することができる。例えば、測定構造は電気化学発光測定を行うための構造であってよく、ここでは、電極が試料中で光学的励起を引き起こす。
【0074】
他の実施例では、測定構造が、処理済み生体試料の電気測定またはECL測定を行うための2つ以上の電極を備える。例えば、Martinez−DuarteらまたはKimらの測定構造がカートリッジに組み込まれ得る。
【0075】
また、複数の実施例が電極のみを有することができる。例えば、電気化学検出構造では、電極が、酵素反応の結果として生じる電流を測定するのに使用され得る。
別の実施形態では、カートリッジが、流体接続部を介してアリコートチャンバに接続される過剰流体チャンバ(excess fluid chamber)をさらに備える。流体接続部が流体接続部入口を備える。流体接続部入口はダクト出口よりも回転軸から離れる。これは、アリコートチャンバ内の流体の最大高さがダクト出口の下方にくることになることを理由として、有益となり得る。
【0076】
別の態様では、本発明が、実施形態によるカートリッジを受けるように構成される自動分析器を提供する。自動分析器が、カートリッジスピナ(cartridge spinner)と、測定システムと、自動分析器を制御するように構成される制御装置とを備える。
【0077】
制御装置が、流体構造を使用して生体試料を処理して処理済み生体試料とすることを目的としてカートリッジの回転速度を制御するためにカートリッジスピナを制御するように構成またはプログラムされる。制御装置がさらに、第1のダクトを介して流体チャンバからアリコートチャンバまで流体を輸送することを目的としてカートリッジの回転速度を制御するためにカートリッジスピナを制御するように構成またはプログラムされる。
【0078】
制御装置がさらに、流体を第2のダクトの中へ流すことを目的としておよび計量チャンバを1回目として充填することを目的として、リザーバ内の流体を押しやるためにカートリッジスピナを制御するように構成またはプログラムされる。制御装置がさらに、計量チャンバからバルブを通るように流体の第1の部分を移送することを目的としておよび第1の残りの部分をアリコートチャンバの中に戻すように移送することを目的としてカートリッジの回転速度を上げるためにカートリッジスピナを制御するように構成またはプログラムされる。制御装置がさらに、リザーバ内の流体を第2のダクトの中まで流すために押しやることを目的としておよび計量チャンバを2回目として充填することを目的としてカートリッジの回転速度を低下させるためにカートリッジスピナを制御するように構成またはプログラムされる。
【0079】
制御装置がさらに、流体の第2の部分を計量チャンバからバルブを通るように移送することを目的としておよび第2の残りの部分をアリコートチャンバの中に戻すように移送することを目的としてカートリッジの回転速度を上げるためにカートリッジスピナを制御するように構成またはプログラムされる。制御装置がさらに、測定構造を使用して測定を実施するために測定システムを制御するように構成またはプログラムされる。
【0080】
組み合わされる実施形態が相互に排他的ではないことを条件として、本発明の上で言及した実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態が組み合わされ得ることを理解されたい。
【0081】
以下の実施形態で、図面を参照しながら単に例として本発明をより詳細に説明する。