特許第6604977号(P6604977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許66049773Dのナビゲーションの間に距離および向きのフィードバックを提供するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604977
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】3Dのナビゲーションの間に距離および向きのフィードバックを提供するシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20191031BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20191031BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   A61B1/045 623
   A61B1/00 552
   G02B23/24 C
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-575426(P2016-575426)
(86)(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公表番号】特表2017-528175(P2017-528175A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】US2015038787
(87)【国際公開番号】WO2016004177
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2018年5月8日
(31)【優先権主張番号】62/020,258
(32)【優先日】2014年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ラクマノビッチ, エラド ディー.
(72)【発明者】
【氏名】グリーンバーグ, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】クライン, エヤル
【審査官】 増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/102012(WO,A1)
【文献】 特開2007−029232(JP,A)
【文献】 特開2013−220132(JP,A)
【文献】 特開2008−061858(JP,A)
【文献】 米国特許第07233820(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0033417(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0156895(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的にナビゲートするためのシステムであって、前記システムは、
延長された作業チャネルであって、前記延長された作業チャネルは、ツールを受け取るためにそれを通って延びている管腔を画定する、延長された作業チャネルと、
メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを含むコンピューティングデバイスと、
前記メモリ内に記憶された複数の画像と、
ユーザインターフェースを表示するディスプレイデバイスと、
前記メモリ内に記憶されているプログラムと
を備え、
前記プログラムは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記ユーザインターフェースを提示し、前記ユーザインターフェースは、
前記複数の画像のうちの少なくとも1つの画像であって、前記少なくとも1つの画像は、前記標的と気道を通して延長された作業チャネルの進度とを描写する、少なくとも1つの画像と、
前記ツールの軌道の確率分布を画定する確率治療域であって、前記確率治療域は、前記ツールが前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されると、前記少なくとも1つの画像内に表示される、確率治療域と
を含む、システム。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースは、前記延長された作業チャネルの移動を描写し、ユーザが、前記標的の少なくとも一部が前記確率治療域によって包含されるような向きで前記確率治療域を位置付けることを可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザインターフェースは、前記ユーザが、前記確率治療域を3次元体積形状として表示することを可能にするようにさらに構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースは、前記確率治療域の内側の標的体積の増加が、前記ツールが前記確率治療域の内側の標的の一部と相互作用するであろう確率の増加を示すように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザインターフェースは、前記延長された作業チャネルの開口部からの前記確率治療域の長さが、前記ツールが前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されることが可能な最大有効範囲に対応するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースは、前記ユーザが、前記確率治療域を2次元形状として表示することを可能にするようにさらに構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースは、第1のインジケータ第2のインジケータとともに前記確率治療域を表示するようにさらに構成されており、前記第1のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの向きのステータスを含み、前記第2のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの範囲のステータスを含む請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記標的の一部が前記確率治療域によって包含されると、前記第1のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの向きが、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記延長された作業チャネルの開口部から前記標的までの範囲が、前記ツールの最大展開可能範囲より小さい場合、前記第2のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの範囲が、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ツールは、針、アクセスツール、生検ツール、治療用材料適用ツール、および焼灼ツールから成る群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザインターフェースは選択された前記ツールに基づいて、前記確率治療域を調節するようにさらに構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
プログラムでエンコードされた非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、
患者のCT画像データをインポートすることと、
前記CT画像データから3D再構成を生成することと、
前記3D再構成を提示することと、
ユーザインターフェースを提示することであって、前記ユーザインターフェースは、
管腔を有する延長された作業チャネルの進度を描写する少なくとも1つの画像であって、前記管腔は、標的と相互作用するツールを受け取るために前記作業チャネルを通って延びており、前記延長された作業チャネルの進度は、前記3D再構成内に描写される、少なくとも1つの画像と、
前記ツールの軌道の確率分布を画定する確率治療域であって、前記確率治療域は、前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されると、前記少なくとも1つの画像内に表示される、確率治療域と
を含む、ことと、
前記ユーザインターフェースを表示することと
を前記プロセッサに行わせる、非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、ユーザが前記標的の少なくとも一部が前記確率治療域によって包含されるような向きで前記確率治療域を位置付けることを可能にすることを前記プロセッサにわせる、請求項12に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記ユーザが前記確率治療域を3次元体積形状として表示することを可能にすることを前記プロセッサに行わせる、請求項13に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記確率治療域の内側の標的体積の増加は、前記ツールが前記確率治療域の内側の標的の一部と相互作用するであろう確率の増加を示す、請求項14に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
前記延長された作業チャネルの開口部からの前記確率治療域の長さは、前記ツールが前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されることができる最大有効範囲に対応する、請求項14に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記ユーザが前記確率治療域を2次元形状として表示することを可能にすることを前記プロセッサに行わせ、
前記確率治療域は、第1のインジケータおよび第2のインジケータをさらに含み、前記第1のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの向きのステータスを含み、前記第2のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの範囲のステータスを含む、請求項13に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
前記標的の一部が前記確率治療域によって包含されると、前記第1のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの向きが、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、請求項17に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項19】
前記延長された作業チャネルの開口部から前記標的までの範囲が、前記ツールの最大展開可能範囲より小さい場合、前記第2のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの範囲が、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、請求項17に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記ユーザが、針、アクセスツール、生検ツール、治療用材料適用ツール、および焼灼ツールから成る群から前記ツールを選択することを可能にすることを前記プロセッサに行わせ、
前記確率治療域は選択された前記ツールに基づいて調節される、請求項13に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第62/020,258号(2014年7月2日出願)の利益およびそれに対する優先権を主張し、上記出願の全内容は、参照により本明細書に引用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、気道の外側にある標的、またはアクセスが別なふうに制限される標的へのナビゲーションを可能にするシステムおよび方法と、標的に到達するためのツールの能力を査定するためのシステムおよび方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
患者の気道を検査し、それをナビゲートするための一般的デバイスは、気管支鏡である。典型的には、気管支鏡は、患者の鼻または口を通して患者の気道の中に挿入され、患者の肺の中に延びることができる。典型的気管支鏡は、気管支鏡の先端の遠位の領域を照明するための照明アセンブリと、気管支鏡の先端からのビデオ画像を提供するための撮像アセンブリと、それを通して、器具、例えば、生検ツール等の診断器具、治療用器具が挿入され得る作業チャネルとを有する細長い可撓性管を含む。
【0004】
しかしながら、標的までナビゲートすることにおいて、気管支鏡は、それらのサイズに起因して、気道を通して前進させられ得る距離が制限される。肺の深くの標的場所に到達するために気管支鏡が大きすぎる場合、臨床医は、蛍光透視法等の一定のリアルタイム撮像モダリティを利用し得る。蛍光透視画像は、有用であるが、多くの場合、管腔通路と中実組織を区別することが困難であるので、ナビゲーションに対していくらかの短所を提示する。さらに、X線透視装置によって生成される画像は、2次元であるが、患者の気道のナビゲートは、3次元における操作能力を要求する。
【0005】
これらの前述の問題に対処するために、典型的には、一連のコンピュータ断層撮影(CT)画像から、気道または他の管腔網の3次元モデルの開発を可能にするシステムが、開発された。そのようなシステムの1つは、Covidien LPによって現在販売されているシステムであるILOGIC(登録商標) ELECTROMAGNETIC NAVIGATION BRONCHOSCOPY(登録商標)(ENBTM)の一部として開発された。そのようなシステムの詳細は、Gilboaの2004年3月29日に出願され、ENDOSCOPE STRUCTURES AND TECHNIQUES FOR NAVIGATING TO A TARGET IN BRANCHED STRUCTUREと題された本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,233,820号(特許文献1)に説明されており、その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0006】
米国特許第7,233,820号に説明されるようなシステムは、非常に有効であるが、常時、そのようなシステムへの改良および追加の開発の必要性がある。
【0007】
加えて、電磁ナビゲーション(「EMN」)システムを使用したELECTROMAGNETIC NAVIGATION BRONCHOSCOPY(登録商標)(「ENB」)手技の実施中、臨床医は、気道の外側の標的(またはアクセスが別なふうに制限される標的)にナビゲートすることが要求され得、このナビゲーションの間、カテーテルは、標的の手前で留まる必要があり得る。これは、標的に到達するために、気道壁を貫通する必要があり得るアクセスツールまたは針の挿入に備えて行われる。これは、ユーザが標的に可能な限り近づくことを好むので、非常に一般的である。しかしながら、これは、時として、標的からの距離と比較して、標的に到達することに対して同等以上に重要である、標的と関連したカテーテルの向きの要因を見落とす。さらに、アクセスツール、針、または生検ツールがカテーテルから展開されるとき、それは、組織生理学または幾何学形状、カテーテル屈曲、もしくは他の理由に起因して偏向し得る。
【0008】
この問題に対処するために、本開示は、気道の外側に位置する標的、または気道の内側の場所からのアクセスが別なふうに制限される標的に到達し、それと相互作用するためのツールの能力を査定し、かつそのようなアクセスおよび相互作用を達成する最適場所を識別するためのシステムおよび方法を対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,233,820号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に従って提供されるのは、気道の外側の標的、またはアクセスが別なふうに制限される標的にナビゲートするためのシステムおよび方法である。
【0011】
本開示の側面は、標的にナビゲートするためのシステムであって、ツールを受け取るためにそれを通って延びている管腔を画定する、延長された作業チャネルと、メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを含むコンピューティングデバイスと、メモリ内に記憶された複数の画像と、ユーザインターフェースを表示するディスプレイデバイスと、メモリ内に記憶され、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ユーザインターフェースを提示する、プログラムであって、ユーザインターフェースは、標的および気道を通して延長された作業チャネルの進度を描写する、複数の画像のうちの少なくとも1つの画像と、延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されると、少なくとも1つの画像内に表示されるツールの軌道の確率分布を画定する確率治療域とを含む、プログラムとを備えている、システムに関する。
【0012】
本開示の別の側面では、ユーザインターフェースは、延長された作業チャネルの移動を描写し、ユーザが、標的の少なくとも一部が確率治療域によって包含されるような向きで確率治療域を位置付けることを可能にするように構成される。
【0013】
本開示の別の側面では、ユーザインターフェースはさらに、ユーザが、確率治療域を3次元体積形状として表示することを可能にするように構成される。
【0014】
本開示の別の側面では、ユーザインターフェースは、確率治療域の内側の標的体積の増加が、ツールが確率治療域の内側の標的の一部と相互作用するであろう確率の増加を示すように構成される。
【0015】
本開示の別の側面では、ユーザインターフェースは、延長された作業チャネルの開口部からの確率治療域の長さが、ツールが延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されることが可能な最大有効範囲に対応するように構成される。
【0016】
本開示の別の側面では、ユーザインターフェースはさらに、ユーザが、確率治療域を2次元形状として表示することを可能にするように構成される。
【0017】
本開示の別の側面では、ユーザインターフェースはさらに、第1のインジケータであって、標的に対するツールの向きのステータスを含む第1のインジケータと、第2のインジケータであって、標的に対するツールの範囲のステータスを含む第2のインジケータとともに確率治療域を表示するように構成される。
【0018】
本開示の別の側面では、標的の一部が確率治療域によって包含されると、第1のインジケータのステータスは、変化し、ツールの向きが、ツールが標的と相互作用することを可能にすることを示す。
【0019】
本開示の別の側面では、延長された作業チャネルの開口部から標的までの範囲がツールの最大展開可能範囲より小さい場合、第2のインジケータのステータスは、変化し、ツールの範囲が、ツールが標的と相互作用することを可能にすることを示す。
【0020】
本開示の別の側面では、ツールは、針、アクセスツール、生検ツール、治療用材料適用ツール、および焼灼ツールから成る群から選択される。
【0021】
本開示の別の側面では、確率治療域は、選択されるツールに基づいて調節される。
【0022】
本開示の上記の側面および実施形態のいずれかが、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせられ得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
標的にナビゲートするためのシステムであって、前記システムは、
延長された作業チャネルであって、前記延長された作業チャネルは、ツールを受け取るためにそれを通って延びている管腔を画定する、延長された作業チャネルと、
メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを含むコンピューティングデバイスと、
前記メモリ内に記憶された複数の画像と、
ユーザインターフェースを表示するディスプレイデバイスと、
前記メモリ内に記憶されているプログラムと
を備え、
前記プログラムは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記ユーザインターフェースを提示し、前記ユーザインターフェースは、
前記複数の画像のうちの少なくとも1つの画像であって、前記少なくとも1つの画像は、前記標的と気道を通して延長された作業チャネルの進度とを描写する、少なくとも1つの画像と、
前記ツールの軌道の確率分布を画定する確率治療域であって、前記確率治療域は、前記ツールが前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されると、前記少なくとも1つの画像内に表示される、確率治療域と
を含む、システム。
(項目2)
前記ユーザインターフェースは、前記延長された作業チャネルの移動を描写し、前記ユーザが、前記標的の少なくとも一部が前記確率治療域によって包含されるような向きで前記確率治療域を位置付けることを可能にするように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記ユーザインターフェースは、前記ユーザが、前記確率治療域を3次元体積形状として表示することを可能にするようにさらに構成されている、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記ユーザインターフェースは、前記確率治療域の内側の標的体積の増加が、前記ツールが前記確率治療域の内側の標的の一部と相互作用するであろう確率の増加を示すように構成されている、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記ユーザインターフェースは、前記延長された作業チャネルの開口部からの前記確率治療域の長さが、前記ツールが前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されることが可能な最大有効範囲に対応するように構成されている、項目3に記載のシステム。
(項目6)
前記ユーザインターフェースは、前記ユーザが、前記確率治療域を2次元形状として表示することを可能にするようにさらに構成されている、項目2に記載のシステム。
(項目7)
前記ユーザインターフェースは、第1のインジケータであって、前記第1のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの向きのステータスを含む、第1のインジケータと、第2のインジケータであって、前記第2のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの範囲のステータスを含む、第2のインジケータとともに前記確率治療域を表示するようにさらに構成されている、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記標的の一部が前記確率治療域によって包含されると、前記第1のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの向きが、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記延長された作業チャネルの開口部から前記標的までの範囲が、前記ツールの最大展開可能範囲より小さい場合、前記第2のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの範囲が、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、項目7に記載のシステム。
(項目10)
前記ツールは、針、アクセスツール、生検ツール、治療用材料適用ツール、および焼灼ツールから成る群から選択される、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記ユーザインターフェースは、前記選択されたツールに基づいて、前記確率治療域を調節するようにさらに構成されている、項目9に記載のシステム。
(項目12)
プログラムでエンコードされた非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、
患者のCT画像データをインポートすることと、
前記CT画像データから3D再構成を生成することと、
前記3D再構成を提示することと、
ユーザインターフェースを提示することであって、前記ユーザインターフェースは、
管腔を有する延長された作業チャネルの進度を描写する少なくとも1つの画像であって、前記管腔は、標的と相互作用するツールを受け取るために前記作業チャネルを通って延びており、前記延長された作業チャネルの進度は、前記3D再構成内に描写される、少なくとも1つの画像と、
前記ツールの軌道の確率分布を画定する確率治療域であって、前記確率治療域は、前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されると、前記少なくとも1つの画像内に表示される、確率治療域と
を含む、ことと、
前記ユーザインターフェースを表示することと
を前記プロセッサに行わせる、非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目13)
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記ユーザが前記標的の少なくとも一部が前記確率治療域によって包含されるような向きで前記確率治療域を位置付けることを可能にすることを前記プロセッサにおこなわせる、項目12に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目14)
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記ユーザが前記確率治療域を3次元体積形状として表示することを可能にすることを前記プロセッサに行わせる、項目13に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目15)
前記確率治療域の内側の標的体積の増加は、前記ツールが前記確率治療域の内側の標的の一部と相互作用するであろう確率の増加を示す、項目14に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目16)
前記延長された作業チャネルの開口部からの前記確率治療域の長さは、前記ツールが前記延長された作業チャネルの開口部を越えて展開されることができる最大有効範囲に対応する、項目14に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目17)
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記ユーザが前記確率治療域を2次元形状として表示することを可能にすることを前記プロセッサに行わせ、
前記確率治療域は、第1のインジケータおよび第2のインジケータをさらに含み、前記第1のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの向きのステータスを含み、前記第2のインジケータは、前記標的に対する前記ツールの範囲のステータスを含む、項目13に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目18)
前記標的の一部が前記確率治療域によって包含されると、前記第1のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの向きが、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、項目17に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目19)
前記延長された作業チャネルの開口部から前記標的までの範囲が、前記ツールの最大展開可能範囲より小さい場合、前記第2のインジケータのステータスは、変化し、前記ツールの範囲が、前記ツールが前記標的と相互作用することを可能にすることを示す、項目17に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目20)
プログラムでエンコードされており、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記ユーザが、針、アクセスツール、生検ツール、治療用材料適用ツール、および焼灼ツールから成る群から前記ツールを選択することを可能にすることを前記プロセッサに行わせ、
前記確率治療域は、前記選択されたツールに基づいて調節される、項目13に記載の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示されるシステムおよび方法の目的ならびに特徴が、その種々の実施形態の説明が付随の図面を参照して読み取られるとき、当業者に明白となるであろう。
図1図1は、本開示による、電磁ナビゲーションシステムの斜視図である。
図2図2は、図1のシステムとともに使用するために構成される、ワークステーションの概略図である。
図3図3は、本開示に従って提供される、気道の外側の標的、またはアクセスが別なふうに制限される標的の場所にナビゲートするための方法を図示する、フロー図である。
図4A図4Aは、3次元形状として表示される確率治療域の例証である。
図4B図4Bは、別の3次元形状として表示される確率治療域の例証の別の実施形態である。
図4C図4Cは、2次元形状として表示される確率治療域の2つの例証を描写する。
図5図5は、本開示による、標的場所にナビゲートするための3Dモデルの複数の図を提示する、図1および図2のワークステーションのユーザインターフェースの例証である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、標的に近いことを決定および表示し、生検ツールまたは他の外科手術ツールが延長された作業チャネルから標的の方向に延長される場合、それが横断し得るエリアのグラフィカル表示を提示するシステムおよび方法を対象とする。そのようなシステムを用いることにより、臨床医は、生検の抽出または標的組織の治療に先立って、位置の変化が望ましいか、または必要であるかを決定し、実施された生検または治療が標的のそれであり、単に標的に近い組織のそれではないという増加した自信を有することができる。
【0025】
EMN手技は、概して、少なくとも2つの段階を伴う:(1)患者の気道内またはそれに隣接して位置する標的までの経路を計画すること、および、(2)計画された経路に沿ってプローブを標的にナビゲートすること。これらの段階は、概して、(1)「計画」と、(2)「ナビゲーション」と称される。EMN手技の計画段階は、全てBakerによって2013年3月15日に出願され、「Pathway Planning System and Method」と題された共同所有の米国特許出願第13/838,805号、第13/838,997号、および第13/839,224号により完全に説明されており、その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0026】
計画段階に先立って、患者の肺は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)走査によって撮像されるが、追加の適用可能な撮像の方法は、当業者に公知であろう。CT走査中に組み立てられる画像データは、次いで、例えば、医用におけるデジタル撮像および通信(DICOM)フォーマットで記憶され得るが、追加の適用可能なフォーマットは、当業者に公知であろう。CT走査画像データは、次いで、ENB手技の計画段階中に使用されるべき計画ソフトウェアアプリケーション(「アプリケーション」)の中にロードされ得る。
【0027】
図1を参照すると、EMNシステム110が、本開示に従って提供される。そのようなENMシステムの1つは、Covidien LPによって現在販売されているENBシステムである。とりわけ、EMNシステム110を使用して行われ得るタスクは、位置付けアセンブリを標的組織にナビゲートするための標的組織までの経路を計画することと、生検ツールを標的組織にナビゲートし、生検ツールを使用して組織サンプルを標的組織から得ることと、組織サンプルが得られた場所をデジタル的にマーキングすることと、1つ以上のエコーマーカーを標的もしくはその周囲に設置することである。
【0028】
EMNシステム110は、概して、患者を支持するように構成される手術台140と、患者の口および/または鼻を通して患者の気道の中に挿入するために構成される気管支鏡150と、気管支鏡150から受信されたビデオ画像を表示するために気管支鏡150に結合される監視機器160と、追跡モジュール172、複数の基準センサ174、電磁場発生器176を含む追跡システム170と、経路計画、標的組織の識別、標的組織へのナビゲーション、および生検場所をデジタル的にマーキングすることを促進するために使用されるソフトウェアおよび/またはハードウェアを含むワークステーション180とを含む。
【0029】
図1はまた、2つのタイプのカテーテルガイドアセンブリ100、190を描写する。両カテーテルガイドアセンブリ100、190は、EMNシステム110とともに使用可能であり、いくつかの共通構成要素を共有する。各カテーテルガイドアセンブリ100、190は、延長された作業チャネル(EWC)196に接続されるハンドル191を含む。EWC196は、気管支鏡150の作業チャネルの中への設置のためにサイズを決定される。動作時、電磁(EM)センサ194を含む位置特定可能ガイド192が、EWC196の中に挿入され、センサ194がEWC196の遠位先端193を越えて所望の距離に延びるように、定位置に係止される。電磁場発生器176によって生成される電磁場内のEMセンサ194の場所、したがって、EWC196の遠位端の場所は、追跡モジュール172およびワークステーション180によって導出されることができる。カテーテルガイドアセンブリ100、190は、異なる動作機構を有するが、ハンドル191は、回転および圧縮によって操作され、EWC196の中に挿入される位置特定可能ガイド192の遠位先端193を操縦することができる。カテーテルガイドアセンブリ190は、SUPERDIMENSION(登録商標) Procedure Kitsの名称でCovidien LPによって現在市場化および販売されており、同様に、カテーテルガイドアセンブリ100は、EDGETM Procedure Kitsの名称でCovidien LPによって現在販売されており、両キットは、ハンドル191と、延長された作業チャネル196と、位置特定可能ガイド192とを含む。カテーテルガイドアセンブリ100、190のより詳細な説明については、Ladtkow et al.によって2013年3月15日に出願された共同所有の米国特許出願第13/836,203号を参照されたい(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)。
【0030】
図1に図示されるように、患者は、気管支鏡150が患者の口を通して患者の気道の中に挿入された状態で手術台140上に横たえられて示される。気管支鏡150は、照明源と、ビデオ撮像システム(明示的に図示せず)とを含み、気管支鏡150のビデオ撮像システムから受信されたビデオ画像を表示するための監視機器160、例えば、ビデオディスプレイに結合される。
【0031】
位置特定可能ガイド192およびEWC196を含むカテーテルガイドアセンブリ100、190は、気管支鏡50の作業チャネルを通して患者の気道の中に挿入するために構成される(但し、カテーテルガイドアセンブリ100、190は、代替として、気管支鏡50を伴わずに使用され得る)。位置特定可能ガイド192およびEWC196は、係止機構199を介して、互いに対して選択的に係止可能である。6自由度電磁追跡システム170(例えば、米国特許第6,188,355号ならびに公開PCT出願第WO00/10456号および第WO01/67035号に開示されるものに類似する(それらの各々の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)、または任意の他の好適な位置付け測定システム)が、ナビゲーションを行うために利用されるが、他の構成もまた想定される。追跡システム170は、以下に詳述されるように、患者の気道を通してEWC196と連動して移動する場合、EMセンサ194の位置を追跡するために、カテーテルガイドアセンブリ100、190とともに使用するために構成される。
【0032】
図1にさらに示されるように、電磁場発生器176は、患者の真下に位置付けられる。電磁場発生器176および複数の基準センサ174は、6自由度において各基準センサ174の場所を導出する追跡モジュール172と相互接続される。基準センサ174のうちの1つ以上のものは、患者の胸部に取り付けられる。基準センサ174の6自由度座標は、アプリケーション181を含むワークステーション180に送信され、そこで、センサ174からのデータは、患者座標系を計算するために使用される。
【0033】
図1にさらに示されるのは、標的へのナビゲーションおよび位置特定可能ガイド192の除去に続いて、カテーテルガイドアセンブリ100、190の中に挿入可能なカテーテル生検ツール102である。生検ツール102は、1つ以上の組織サンプルを標的組織から収集するために使用される。以下に詳述されるように、生検ツール102はさらに、標的組織への生検ツール102のナビゲーション、組織サンプルを得るために生検ツール102が標的組織に対して操作されているときのそれの場所の追跡、および/または組織サンプルが得られた場所のマーキングを促進するために、追跡システム170とともに使用するために構成される。
【0034】
ナビゲーションは、位置特定可能ガイド192内に含まれるEMセンサ194に関して上で詳述されたが、EMセンサ194はまた、生検ツール102内に埋め込まれるか、または組み込まれ得ることも想定され、その場合、生検ツール102は、代替として、位置特定可能ガイド192または位置特定可能ガイド192の使用が要求する必要ツール交換の必要なく、ナビゲーションのために利用され得る。種々の使用可能生検ツールは、DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR NAVIGATING A BIOPSY TOOL TO A TARGET LOCATION AND OBTAINING A TISSUE SAMPLE USING THE SAMEと両方ともが題され、2013年11月20日に出願された米国仮特許出願第61/906,732号および61/906,762号、ならびに同一題名を有し、2014年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/955,407号に説明されており、それらの各々の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれ、本明細書に説明されるように、EMNシステム110とともに使用可能である。
【0035】
手技計画中、ワークステーション180は、患者の気道の3次元モデル(「3Dモデル」)を生成および視認するために、DICOMフォーマットにおけるCT画像データまたは他の画像データを利用する。3Dモデルおよび3Dモデルから導出された画像データは、標的組織の識別を可能にし(自動的に、半自動的に、または手動で)、標的組織への患者の気道を通した経路の選択を可能にする。より具体的には、CT走査が、処理され、3D体積に組み立てられ、それは、次いで、患者の気道の3Dモデルを生成するために利用される。3Dモデルは、ワークステーション180に関連付けられたディスプレイモニタ181上に、または任意の他の好適な方式で提示され得る。ワークステーション180を使用して、3D体積の種々のスライスおよび3Dモデルの図が、提示され得、ならびに/または標的の識別および標的にアクセスするために患者の気道を通る好適な経路の選択を促進するように臨床医によって操作され得る。3Dモデルはまた、得られた組織サンプルに関する日付、時間、および他の識別情報を含む、以前の生検が行われた場所のマークを示し得る。これらのマークはまた、経路が計画され得る標的として選択され得る。選択されると、経路は、ナビゲーション手技中の使用のために保存される。
【0036】
ナビゲーション中、EMセンサ194は、追跡システム170とともに、EMセンサ194または生検ツール102が患者の気道を通して前進させられる場合、EMセンサ94および/または生検ツール102の追跡を可能にする。
【0037】
ここで図2に目を向けると、ワークステーション180のシステム略図が、示される。ワークステーション180は、CTデータ214およびユーザインターフェース216を含むアプリケーション181をさらに含むメモリ202と、プロセッサ204と、ディスプレイ206と、ネットワークインターフェース208と、入力デバイス210および/または出力モジュール212とを含み得る。
【0038】
ここで図3を参照すると、本開示による、手技中、気道の外側の標的、すなわち、アクセスが別なふうに制限される標的にナビゲートするための例示的方法のフロー図が、示される。ナビゲーションの開始に先立って、臨床医は、患者の肺の3Dモデルおよび識別された標的までの計画された経路を含むナビゲーション計画を、ネットワークインターフェース208またはUSBドライブを介して、メモリ202からナビゲーションアプリケーション181の中にロードする。ナビゲーションアプリケーションの実施例は、2014年7月2日に出願され、SYSTEM AND METHOD FOR NAVIGATING WITHIN THE LUNGと題された、本発明の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第62/020,240号に見出されることができ、その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0039】
自動位置合わせを行うために、臨床医は、ステップS300において、位置合わせが位置特定可能ガイド192のEMセンサ194の場所とナビゲーション計画内の3Dモデルおよび他のデータとの間で生じるまで、気管支鏡150、位置特定可能ガイド192、およびEWC196を患者の気道の各領域の中に前進させる。この位置合わせの詳細は、2014年7月2日に出願された仮出願第62/020,220号に記載されており、その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。手動を含む、代替位置合わせ技法も、可能性であり、「ENDOSCOPE STRUCTURES AND TECHNIQUES FOR NAVIGATING TO A TARGET IN BRANCHED STRUCTURE」と題された米国特許第7,233,820号に詳細に説明されており、その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0040】
位置合わせされると、臨床医は、ステップS302において、経路計画内で識別された経路を辿って、標的へのナビゲートを継続する。EWC196および位置特定可能ガイド192が標的に接近すると、ステップS304において、臨床医が手動で、またはアプリケーションが自動的に、確率治療域(probability treatment zone「PTZ」)404のモデルの表示を可能にする。可能にされると、臨床医は、図5に示されるように、EWC196を標的403に対してナビゲートする。臨床医が、経路計画を辿って、標的403に接近する場合、EWC196は、PTZ404の表示が表示標的403と相互作用するように位置付けられることができる。具体的には、臨床医は、ステップS306、S308、およびS310において、臨床医が、展開される生検または治療が、周囲組織ではなく、標的403に適切に影響を及ぼすであろうという合理的確実性を有し得るほど、PTZ404が標的403の十分な部分を包含するように、EWC196をナビゲートする。臨床医は、ステップS310において、EWC196を再位置付けし、さらに、増加した量のPTZ404が標的403を包含することを確実にする能力を有する。臨床医は、したがって、標的404と関連したEWC196の再位置付けを通して、PTZ404を再位置付けする。標的403に対するPTZ404の位置に満足すると、臨床医は、随意に、ステップS312において、EWC196の位置および向きをマークし得る。位置特定可能ガイド192(使用される場合)は、ステップS314において、除去され、ステップ316において、生検または治療ツールが、EWC196を通して挿入され、ステップS318において、必要生検または治療を行い得る。
【0041】
ここで図4Aを参照すると、PTZ404は、3次元体積形状として描写される。この事例では、EWC196または位置特定可能ガイド192の遠位先端193の中心点から出ている円錐形状投影を用いる。円錐長さLは、腹腔鏡下ツール(例えば、生検ツール、マイクロ波または放射焼灼ツール、化学療法ツール、治療用薬剤適用ツール、小線源療法ツール、マーカー設置ツール、または他の類似腹腔鏡下ツール)がEWC196の遠位端を越えて延び得る最大有用または有効距離を示す。円錐直径Dは、EWC196を越えて延長されるときのツールの最大推定分布または偏向を示す。当業者によって理解されるように、ツールが有用または有効である最大長さは、採用されるツールに応じて、変動し得、円錐の長さを変動させるために、選択特徴が、ナビゲーションアプリケーションのユーザインターフェース上で有効にされ得る。EWC192開口部を越えて展開する円錐形オーバーレイとして示されるが、PTZ404は、採用されているツールの物理的属性に応じて、種々の形状を有するように構成され得る。
【0042】
図4Bでは、PTZ404は、EWC196または位置特定可能ガイド192の遠位先端193の中心点から出ている、球状キャップを伴う3次元体積円錐形状投影として描写される。図4Bにおける描写は、治療用薬剤適用ツールの使用を詳述する。球状キャップ(または他の適用可能形状)を伴う円錐形状投影は、EWC196の遠位端を越えて分布させられる治療用薬剤の最大推定分布を示す。そのような実施形態の1つでは、治療用薬剤は、3次元体積小円錐形状において、EWC196または位置特定可能ガイド192の遠位先端193から退出した後、治療用薬剤が分散され続けるにつれて、体積球状形状を形成する。治療用薬剤は、図4Bに示される体積形状を越えて分散され続け得るが、体積形状は、治療用薬剤が有用または有効である最大体積を詳述する。
【0043】
図4Cは、EWC196から見た2つの投影、すなわち、図4Aにおけるものに類似する円錐404と、不均衡楕円406との比較を示す。当業者によって理解されるように、不均衡楕円は、他の方向より多くある方向に曲がるツールの偏向を表し得る。
【0044】
さらなる実施形態では、PTZ404は、異なる色を有し得、標的403のより多くがPTZ404内にあるようになるにつれて、色を変化させ得る。したがって、臨床医は、PTZ404内の標的403の被覆率の充足に関してフィードバックが提供され、PTZ404がPTZ404内に殆どまたは全く標的403がないことを示す赤色から、ある閾値を上回って標的403の部分がPTZ404内にあることを示す緑色に変化するにつれて、標的403への到達のより高い信頼度を有することができる。
【0045】
加えて、PTZ404は、臨床医が、標的403までの距離および標的403に対するEWC196の遠位先端193の向きの両方を決定することを可能にする、種々のインジケータを含み得る。インジケータは、視覚的、触知的、または聴覚的変化を含み、臨床医に、EWC196の遠位先端193が、ツールが標的403と相互作用することを可能にする位置および向きにあることを示し得る。例えば、PTZ404が、図4Cに示されるような図まで操作される場合、インジケータのステータスは、距離L(図4Aに示される)がより理解されることを確実にするために変化し得る。距離LがEWC196の遠位先端193から標的403までの距離を上回ると、インジケータのステータスは、変化し、臨床医に、標的403がPTZ404内にあることを通知する。
【0046】
本開示の実施形態によると、位置合わせが完了すると、ディスプレイ181は、図5に示されるように、いくつかの図502、504、および506とともに、ユーザインターフェース500を臨床医に提示し、臨床医が、位置特定可能ガイド192およびEWC196を標的403にナビゲートするのを補助する。ユーザインターフェース500は、局所図(3Dマップ静的)502と、仮想気管支鏡図504と、3Dマップ動的図506とを含み得る。局所図502はまた、臨床医に、位置特定可能ガイド192の遠位先端193およびEMセンサ194の可視化を提示する。他の図も、本開示の範囲から逸脱することなく、提示され得る。EWC196および位置特定可能ガイド192が前進するにつれて、図502、504、および506の各々は、場所の変化を考慮して更新される。
【0047】
図5に示されるように、PTZ404は、EWC196が標的403に近接する場合、ナビゲーションアプリケーションによって適用されるグラフィックオーバーレイであり得、標的403は、前述の手技の経路計画段階の間に臨床医によって識別されている。PTZ404は、EWC196の最終向きを補助するために、ユーザインターフェース500上に描写される図のいずれか内に提示され得る。前述のように、ユーザインターフェース500は、ユーザ起動式の「確率治療域図有効化」ボタン516を含み、臨床医が、ユーザインターフェース500上に描写される任意の図内に404PTZを表示させることを可能にし得る。いくつかの実施形態ではこれは、特に、3Dマップおよび/または仮想気管支鏡検査図504等の3D視認モードにおいて有用であり得る。
【0048】
図2のコンピュータ読み取り可能な媒体に戻って参照すると、メモリ202は、プロセッサ204によって実行可能であり、ワークステーション80の動作を制御するデータおよび/またはソフトウェアを記憶するための任意の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。ある実施形態では、メモリ202は、フラッシュメモリチップ等の1つ以上の固体記憶デバイスを含み得る。代替として、または1つ以上の固体記憶デバイスに加え、メモリ202は、大容量記憶コントローラ(図示せず)および通信バス(図示せず)を通してプロセッサ204に接続される1つ以上の大容量記憶デバイスを含み得る。本明細書に含まれるコンピュータ読み取り可能な媒体の説明は、固体記憶を指すが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサ204によってアクセスされ得る、任意の利用可能な媒体であることができることが当業者によって理解されるはずである。すなわち、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータ等の情報の記憶のための任意の方法もしくは技術に実装される、非一過性、揮発性および不揮発性、取り外し可能なおよび非取り外し可能な媒体を含む。例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他の固体状態メモリ技術、CD−ROM、DVD、Blu−Rayまたは他の光学記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイス、もしくは所望の情報を記憶するために使用され得、かつワークステーション180によってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含む。
【0049】
システムおよび方法のさらなる側面は、「Real−Time Automatic Registration Feedback」と題され、Brown et al.によって2014年7月2日に出願された同時係属中かつ共同所有の米国仮特許出願第62/020,220号、「Methods for Marking Biopsy Location」と題され、Brownによって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,177号、「System and Method for Navigating Within the Lung」と題され、Brown、他によって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,240号、「Intelligent Display」と題され、Kehat、他によって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,238号、「Unified Coordinate System for Multiple CT Scans of Patient Lungs」と題され、Greenburgによって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,242号、「Alignment CT」と題され、Klein、他によって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,245号、「Algorithm for Fluoroscopic Pose Estimation」と題され、Merletによって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,250号、「System and Method for Segmentation of Lung」と題され、Markov、他によって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,261号、「Trachea Marking」と題され、Lachmanovich et al.によって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,253号、および「Dynamic 3D Lung Map View for Tool Navigation Inside the Lung」と題され、Weingarten、他によって2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,262号に説明されており、これらの全内容は全て、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0050】
デバイス、そのようなデバイスを組み込むシステム、およびその使用方法の詳細な実施形態が、本明細書に説明された。しかしながら、これらの詳細な実施形態は、単に、本開示の実施例であって、これは、種々の形態で具現化され得る。したがって、本明細書に開示される具体的構造および機能詳細は、限定ではなく、単に、請求項の基礎として、かつ当業者が事実上任意の適切に詳述される構造において本開示を種々に採用することを可能にするための代表的基礎として解釈されるべきである。前述の実施形態は、患者の気道の気管支鏡検査の観点から説明されたが、当業者は、同一または類似デバイス、システム、および方法が、例えば、血管、リンパ管、ならびに/または胃腸網等の他の管腔網内でも同様に使用され得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5