(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
弾性バラスト軌道は、専用の装置によって敷設される。しかしながら、弾性バラスト軌道を敷設する場所は、すべて一定の環境ではない。例えば降雪地方では、高さを調整するコンクリートを、通常の弾性バラスト軌道よりも高くして対応する必要がある。また、コーナー等に軌道を敷設する場合、それぞれの軌道の高さ及び角度を変更する必要がある。
【0005】
従来の弾性バラスト軌道を敷設する装置は、軌道の高さ調整と軌道の横ずれ防止をそれぞれ別々の装置で行うものであった。したがって、軌道の高さ調整の装置と軌道の横ずれ防止の装置を、敷設する場所に応じて、それぞれセッティングしなければならなかった。
【0006】
本発明の目的は、敷設する環境及び場所に応じて迅速的確に軌道を敷設することが可能な弾性バラスト軌道敷設装置及び弾性バラスト軌道敷設方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態にかかる弾性バラスト軌道敷設装置は、
軌道及び前記軌道を載置する弾性バラストを備える軌きょうを、高さ調整台を介して基礎に設置する弾性バラスト軌道敷設装置であって、
前記高さ調整台の両外側に離れて位置する支持部と、
前記支持部に支持され、前記軌道を載置する軌道載置部と、
前記支持部に支持され、前記軌道載置部の移動を規制する規制部と、
前記支持部に支持され、前記軌道載置部の高さを調整する高さ調整部と、
前記軌道載置部に支持され、前記軌道の横ずれを調整する横ずれ調整部と、
を備え
、
前記支持部、前記規制部、前記高さ調整部及び前記横ずれ調整部は、前記軌道の両外側に位置するようにそれぞれ設置され、
前記軌道載置部は、前記軌道の下方で前記軌道に交差するように、前記支持部、前記規制部及び前記高さ調整部に支持される梁部を有し、
前記支持部は、
前記規制部及び前記高さ調整部が取り付けられる支持板と、
前記支持板を支持する支柱と、
前記支柱に回転可能に連結されて前記基礎に取り付けられる支柱基部と、
前記支柱と共に前記支持板を支持する補助脚と、
前記支持板及び前記支柱に取り付けられ、前記補助脚を回転可能に連結する補助脚取付部と、
前記補助脚に回転可能に連結されて前記基礎に取り付けられる補助脚基部と、
を有する
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の一実施形態にかかる弾性バラスト軌道敷設装置では、
前記軌道載置部は、前記梁部の両端側において軌道方向に向けて前記梁部から両側にそれぞれ突出する突出部
前記規制部は、
前記突出部と共に前記梁部の移動方向を規制する案内部と、
前記突出部と前記案内部に係合し、前記梁部の位置を決める位置決め部と、
を有する
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施形態にかかる弾性バラスト軌道敷設装置では、
前記軌道載置部は、前記梁部の両端側においてネジが形成されるネジ部を有し、
前記高さ調整部は、
前記ネジ部と螺合し、前記梁部の高さを調整する高さ調整ボルトと、
前記高さ調整ボルトの移動を規制する高さ調整受け部と、
を有する
ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態にかかる弾性バラスト軌道敷設装置では、
前記横ずれ調整部は、
前記梁部の上方において前記軌道の両外側にそれぞれ設置されるナット支持部と、
前記ナット支持部に支持される横ずれ調整ナットと、
前記横ずれ調整ナットに螺合し、前記軌道の横ずれを調整する横ずれ調整ボルトと、
を有する
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態にかかる弾性バラスト軌道敷設方法は、
軌道及び前記軌道を載置する弾性バラストを備える軌きょうを、高さ調整台を介して基礎に設置する弾性バラスト軌道敷設方法であって、
前記高さ調整台の両外側に離れて位置する支持部と、
前記支持部に支持され、前記軌道を載置する軌道載置部と、
前記支持部に支持され、前記軌道載置部の移動を規制する規制部と、
前記支持部に支持され、前記軌道載置部の高さを調整する高さ調整部と、
前記軌道載置部に支持され、前記軌道の横ずれを調整する横ずれ調整部と、
を備え
、
前記支持部、前記規制部、前記高さ調整部及び前記横ずれ調整部は、前記軌道の両外側に位置するようにそれぞれ設置され、
前記軌道載置部は、前記軌道の下方で前記軌道に交差するように、前記支持部、前記規制部及び前記高さ調整部に支持される梁部を有し、
前記支持部は、
前記規制部及び前記高さ調整部が取り付けられる支持板と、
前記支持板を支持する支柱と、
前記支柱に回転可能に連結されて前記基礎に取り付けられる支柱基部と、
前記支柱と共に前記支持板を支持する補助脚と、
前記支持板及び前記支柱に取り付けられ、前記補助脚を回転可能に連結する補助脚取付部と、
前記補助脚に回転可能に連結されて前記基礎に取り付けられる補助脚基部と、
を有する
弾性バラスト軌道敷設装置を用い、
前記支持部及び前記弾性マクラギを前記基礎に並べ、
前記支持部を前記基礎に取り付け、
前記規制部及び前記高さ調整部を前記支持部に取り付け、
前記支持部又は前記高さ調整部に前記軌道載置部を置き、
前記軌道を前記軌道載置部に置き、
前記軌道と前記弾性マクラギを組み立てて、前記軌きょうを形成し、
前記高さ調整部によって前記軌道載置部の高さを調整し、
前記横ずれ調整部によって前記軌道の横ずれを調整し、
前記高さ調整部及び前記横ずれ調整部による調整が終了した後、前記軌道載置部を前記規制部に対して位置決めし、
前記軌きょうを支持する前記高さ調整台を
前記支持部より内側に打設する
各工程を有する
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施形態にかかる弾性バラスト軌道敷設方法は、
前記支持部を前記基礎に取り付ける工程では、前記支持部の支柱を鉛直方向に調整し、
前記高さ調整部によって前記軌道載置部の高さを調整する工程では、前記高さ調整部の高さ調整ボルトを前記軌道載置部の梁部に形成されたネジ部に対して回転させることによって前記梁部の高さを調整し、
前記横ずれ調整部によって前記軌道の横ずれを調整する工程では、前記横ずれ調整部の横ずれ調整ボルトを前記梁部に取り付けられた横ずれ調整ナットに対して回転させることによって前記軌道の横ずれを調整する
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態にかかる弾性バラスト軌道敷設方法は、
前記軌道の敷設後、前記規制部、前記高さ調整部及び前記横ずれ調整部を前記軌道載置部から外し、
前記軌道載置部を前記軌道の下方から引き抜き、
前記規制部及び前記高さ調整部を前記支持部から取り外し、
前記支持部を前記基礎から取り外す
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る一実施形態によれば、敷設する環境及び場所に応じて迅速的確に軌道を敷設することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1及び弾性バラスト軌道敷設方法について、説明する。本実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1は、軌道R及び軌道Rを載置する弾性バラスト11を備える軌きょう10を、高さ調整台12を介して基礎Cに設置する。なお、本実施形態の高さ調整台12は、コンクリートによって形成されているが、他の材料によって形成されてもよい。また、本実施形態の基礎Cは、コンクリートによって形成されているが、地面又は他の材料によって形成されてもよい。
【0019】
図1は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の正面図を示す。
図2は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の上面図を示す。
【0020】
本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1は、少なくとも、支持部2と、支持部2に支持され、敷設される軌道を載置する軌道載置部3と、支持部2に支持され、軌道載置部3の移動を規制する規制部4と、支持部2に支持され、軌道載置部3の高さを調整する高さ調整部5と、軌道載置部3に支持され、軌道Rの横ずれを調整する横ずれ調整部6と、を備える。
【0021】
支持部2、規制部4、高さ調整部5及び横ずれ調整部6は、敷設される軌道Rの略直角方向の両外側にそれぞれ設置される。軌道載置部3は、軌道Rの下方で軌道Rに交差するように、支持部2、規制部4及び高さ調整部5に支持される。支持部2は、下方を基礎Cに取り付けられ、規制部4及び高さ調整部5を支持する。なお、軌道載置部3は、支持部2に直接的に支持されてもよく、高さ調整部5を介して支持部2に間接的に支持されてもよい。
【0022】
図3は、
図1の一部を拡大した図を示す。
図4は、
図2の一部を拡大した図を示す。
【0023】
支持部2は、規制部4及び高さ調整部5が取り付けられる支持板21と、支持板21を支持する支柱22と、支柱22に回転可能に連結されて基礎Cに取り付けられる支柱基部23と、支柱22と共に支持板21を支持する補助脚24と、支持板21及び支柱22に取り付けられ、補助脚24を回転可能に連結する補助脚取付部25と、補助脚24に回転可能に連結されて基礎Cに取り付けられる補助脚基部26と、を有する。
【0024】
支持板21は、上方に支持する規制部4、高さ調整部5及び軌道載置部3を支持する板状の部材が好ましい。本実施形態の支持板21は、板状の金属から形成される。また、軌道載置部3を昇降させる際に使用することが可能なジャッキJを載置するのに十分な面積を有することが好ましい。
【0025】
支柱22は、軌道載置部3を支持可能な強度を有し、支持板21を下方から支持する。本実施形態の支柱22は、H型鋼から形成され、強度を有すると共に軽量化を図っている。支柱22の下端は、支柱基部23に対して回転可能に連結される。
【0026】
支柱基部23は、上方を支柱22の下端に対して回転可能に連結され、下方をアンカー23a等によって基礎Cに取り付けられる。したがって、基礎Cが排水勾配又はカント角を持っている場合であっても、支柱22を鉛直方向に設定することが可能となる。
【0027】
補助脚24は、支柱22と共に軌道載置部3を下方から支持する。補助脚24は、支柱22に対して角度を変更可能である。本実施形態の補助脚24は、L型鋼から形成され、強度を有すると共に軽量化を図っている。
【0028】
補助脚取付部25は、支持板21及び支柱22に固着され、補助脚24を移動可能に取り付ける。本実施形態では、補助脚取付部25に一端側の支持点Pにおいて、ボルト等によって回転可能に補助脚24が取り付けられる。補助脚取付部25には、支持点Pを中心とした円弧状の長孔が形成される。補助脚24に取り付けられたボルト等を長孔に挿通することによって、補助脚24は、支持点Pを中心として回転可能な構造となる。
【0029】
補助脚基部26は、上方を補助脚24の下端に対して回転可能に連結され、下方をアンカー26a等によって基礎Cに取り付けられる。したがって、基礎Cが排水勾配又はカント角を持っている場合であっても、補助脚24を所定の角度に設定することが可能となる。
【0030】
軌道載置部3は、敷設される軌道Rが載置される梁部31と、梁部31の両端側において軌道方向の両側にそれぞれ突出する突出部32と、梁部31の両端側においてネジが形成されるネジ部33と、を有する。
【0031】
梁部31は、軌道Rを下方から支持する。本実施形態の梁部31は、H型鋼から形成され、強度を有すると共に軽量化を図っている。
【0032】
突出部32は、梁部31の両端側において軌道方向に向けて梁部31から両側に突出する。本実施形態の突出部32は、後述する規制部4の案内部41を挟むように突出する。したがって、本実施形態の突出部32は、梁部31の両端側で軌道方向の両側にそれぞれ2つずつで、あわせて8つ形成される。なお、突出部32は、必ず設ける必要はない。
【0033】
ネジ部33は、後述する高さ調整部5の高さ調整ボルト51に螺合するように梁部31の両端側にそれぞれ形成される。本実施形態のネジ部33は、梁部31を上下方向に貫通するように形成される。
【0034】
規制部4は、突出部32と共に梁部31の移動方向を規制する案内部41と、突出部32と案内部41に係合し、梁部31の位置を決める位置決め部42と、を有する。
【0035】
案内部41は、支持板21から上方に向けて取り付けられる。本実施形態の案内部41は、軌道方向に間隔をあけた2つの部材を含み、梁部31を軌道方向に少し間隔をあけて挟む。したがって、案内部41は、梁部31の移動を上下方向及び軌道に対して略直角方向に規制する。本実施形態の案内部41は、C型鋼から形成され、強度を有すると共に軽量化を図っている。
【0036】
位置決め部42は、案内部41に対して梁部31を移動不能にする。本実施形態の位置決め部42は、案内部41と、梁部31から突出する突出部32と、の間に打ち込まれる楔から形成される。
【0037】
高さ調整部5は、ネジ部33と螺合し、軌道載置部3の梁部31の高さを調整する高さ調整ボルト51と、高さ調整ボルト51の移動を規制する高さ調整受け部52と、を有する。
【0038】
本実施形態では、高さ調整ボルト51は、下端を高さ調整受け部52で回転可能且つ移動不能に支持され、梁部31に形成されたネジ部33に螺合している。高さ調整受け部52は、支持板21に対してボルト等によって下方を支持され、上端で高さ調整ボルト51を支持している。したがって、高さ調整ボルト51を回転させることによって、梁部31及び軌きょう10が上下に移動する。
【0039】
なお、高さ調整受け部52は、必ず設置するものではなく、軌道Rを設置する高さに応じて使用すればよい。高さ調整受け部52を設置しない場合には、高さ調整ボルト51は、支持板21で回転可能且つ移動不能に支持される。
【0040】
横ずれ調整部6は、軌道Rの横ずれを調整する横ずれ調整ボルト61と、梁部31の上方において敷設される軌道Rの略直角方向の両外側にそれぞれ設置されるナット支持部62と、ナット支持部62に支持され横ずれ調整ボルト61と螺合する横ずれ調整ナット63と、を有する。
【0041】
横ずれ調整ボルト61は、横ずれ調整ナット63に螺合される。したがって、横ずれ調整ボルト61を回転させると軌道Rに直角又は略直角な方向に移動する。ナット支持部62は、横ずれ調整ボルト61に螺合される横ずれ調整ナット63を支持する。本実施形態のナット支持部62は、梁部31の上方に取り外し可能に、ボルトによって取り付けられる。横ずれ調整ナット63は、横ずれ調整ボルト61が軌道に直角又は略直角な方向に移動するように、ナット支持部62に固着される。
【0042】
横ずれ調整ボルト61の先端は軌道Rに接触することができる。したがって、横ずれ調整ボルト61を回転させることによって、軌道R及び軌きょう10が水平方向に移動する。
【0043】
なお、ナット支持部62は、梁部31の上下どちらの面にも取り付けられるようにすることが好ましい。梁部31の上下どちらかの面に荷重による歪みで塑性変形等が生じた場合、逆の面を使用することが可能となる。
【0044】
このような弾性バラスト軌道敷設装置1によって、敷設する環境及び場所に応じて迅速的確に軌道Rを敷設することが可能となる。また、弾性バラスト軌道敷設装置1は繰り返し使用することができ、施工コストを低減させることが可能となる。
【0045】
次に、弾性バラスト軌道敷設装置1を用いた弾性バラスト軌道敷設方法について説明する。
【0046】
図5は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の支持部2を設置した図を示す。
図6は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の支持部2の設置過程を示す。
図6(a)は支持部2の設置前の状態、
図6(b)は持部2の設置前の状態を示す。
【0047】
まず、支持部2及び弾性マクラギ11を運搬し、基礎C上に並べる。支持部2及び弾性マクラギ11は、
図5に示すように、それぞれ一定の間隔ごとに並べて置くことが好ましい。この時点では、
図6(a)に示すように、支持部2の支柱22は、傾斜した状態で置かれている。
【0048】
続いて、
図6(b)に示すように、支持部2の支柱22が鉛直方向Vに平行になるように調整する。支柱22の角度の調整は、補助脚24の角度によって調整する。支柱22を鉛直方向に調整した後、補助脚24を補助脚取付部25及び補助脚基部26に対してボルト等によって取り付ける。続いて、支柱基部23と補助脚基部26をアンカー等によって基礎Cに取り付ける。
【0049】
図7は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の軌道載置部3を設置した図を示す。
【0050】
次に、規制部4の案内部41及び高さ調整部5の高さ調整受け部52を支持部2にボルト等によって取り付ける。続いて、支持板21又は高さ調整受け部52に梁部31を仮置きする。仮置きの際は、
図4に示すように、梁部31が案内部41に挟まれ、且つ、案内部41が突出部32に挟まれるように置く。また、高さ調整ボルト52を梁部31のネジ部33に螺合してもよい。なお、この時点で、梁部31の高さを、予め設置される軌道Rの高さにあわせておいてもよい。
【0051】
図8は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の軌道Rを設置した図を示す。
【0052】
次に、軌道Rを梁部31の上方に仮置きする。続いて、軌道Rと弾性マクラギ11を組み立てて、軌きょう10を形成する。すなわち、この段階では、軌きょう10は、梁部31に吊されているような状態となる。
【0053】
図9は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の軌道Rを調整する状態を示す。
【0054】
次に、軌道R及び軌きょう10の位置を調整する。軌道R及び軌きょう10の位置調整は、高さ調整部5及び横ずれ調整部6により行う。
【0055】
高さ調整部5は、軌道載置部3の梁部31を介して軌道R及び軌きょう10の高さを調整する。梁部31の高さの調整は、高さ調整ボルト51を回転させることによって行う。高さ調整ボルト51は、高さ調整受け部52によって移動が規制されている。したがって、高さ調整ボルト51を回転させると、高さ調整ボルト51はその場で回転し、ネジ部33で螺合している梁部31が上下方向Hに移動する。梁部31の高さは、ゲージ等によって確認すればよい。なお、高さ調整の際に
図1に示したジャッキJを使用した後、高さ調整ボルト51を回転させてもよい。
【0056】
高さ調整部5は、軌道Rを挟んで、両側に設置されている。したがって、一方の高さ調整部5と他方の高さ調整部5をそれぞれ同じ高さに調整すれば、軌道に直角な方向で、軌きょう10は水平状態となる。また、一方の高さ調整部5と他方の高さ調整部5をそれぞれ異なる高さに調整すれば、軌道に直角な方向で、軌きょう10は傾斜状態となる。
【0057】
横ずれ調整部6は、軌道Rに接触して軌道R及び軌きょう10の横ずれを調整する。軌道R及び軌きょう10の横ずれ調整は、横ずれ調整ボルト61を回転させることによって行う。横ずれ調整ボルト61は、梁部31に取り付けられた横ずれ調整ナット63に螺合されている。したがって、横ずれ調整ボルト61を回転させると、横ずれ調整ボルト61が軌道Rに対して直角又は略直角な方向に押圧する。
【0058】
横ずれ調整部6は、軌道Rを挟んで、両側に設置されている。したがって、軌道Rを押圧する方向へ一方の横ずれ調整ボルト61を締め込み、軌道Rから離間する方向へ他方の横ずれ調整ボルト61を緩解させれば、一方側から他方側へ軌きょう10が移動する。また、軌道Rを押圧する方向へ他方の横ずれ調整ボルト61を締め込み、軌道Rから離間する方向へ一方の横ずれ調整ボルト61を緩解させれば、他方側から一方側へ軌きょう10が移動する。
【0059】
高さ調整部5及び横ずれ調整部6による調整が終了した後、位置決め部42によって、梁部31を規制部4に対して位置決めする。本実施形態では、位置決め部42としての楔を、案内部41と、梁部31から突出する突出部32と、の間に打ち込むことにより位置決めを行う。
【0060】
図10は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1による調整後に高さ調整台12を打設した状態を示す。
【0061】
弾性バラスト軌道敷設装置1による調整後、軌きょう10の下方に高さ調整台12を打設する。本実施形態の高さ調整台12は、それぞれの軌道Rの下方に打設される。高さ調整台12は、弾性マクラギ11が横ずれしないように、軌道Rに直角な方向で両側から弾性マクラギ11を支持するように打設されることが好ましい。また、高さ調整台12と弾性マクラギ11の上下方向の間には、弾性材13を挟むことが好ましい。
【0062】
図11は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1の梁部31を撤去した状態を示す。
【0063】
高さ調整台12を打設した後、弾性バラスト軌道敷設装置1を撤去する。軌きょう10は、高さ調整台12及び弾性材13によって支持されている。したがって、弾性バラスト軌道敷設装置1を撤去する際は、規制部4の位置決め部42、高さ調整部5の高さ調整ボルト51及び横ずれ調整部6を梁部31から外し、梁部31を軌道Rの下方から引き抜けばよい。
【0064】
図12は、本発明にかかる一実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1を撤去した状態を示す。
【0065】
その後、規制部4及び高さ調整受け部52を支持部2から取り外す。最後に、支柱基部23及び補助脚基部26を基礎Cから取り外す。取り外した後の基礎Cに残るアンカー23a,26aの孔は、コンクリート等で埋めておくとよい。また、消音バラストBを基礎Cの上方に撒くと、騒音を低減でき、好ましい。
【0066】
以上、本実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1は、弾性バラスト軌道敷設装置1は、軌道R及び軌道Rを載置する弾性バラスト11を備える軌きょう10を、高さ調整台12を介して基礎に設置する弾性バラスト軌道敷設装置1であって、支持部2と、支持部2に支持され、軌道Rを載置する軌道載置部3と、支持部2に支持され、軌道載置部3の移動を規制する規制部4と、支持部2に支持され、軌道載置部3の高さを調整する高さ調整部5と、軌道載置部3に支持され、軌道Rの横ずれを調整する横ずれ調整部6と、を備える。したがって、弾性バラスト軌道敷設装置1によれば、敷設する環境及び場所に応じて迅速的確に軌道Rを敷設することが可能となる。また、弾性バラスト軌道敷設装置1は繰り返し使用することができ、施工コストを低減させることが可能となる。
【0067】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1では、支持部2、規制部4、高さ調整部5及び横ずれ調整部6は、軌道Rの両外側に位置するようにそれぞれ設置され、軌道載置部3は、R軌道の下方で軌道Rに交差するように、支持部2、規制部4及び高さ調整部3に支持される梁部31を有する。したがって、弾性バラスト軌道敷設装置1を安定して設置することができ、より迅速的確に軌道を敷設することが可能となる。
【0068】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1では、支持部2は、規制部4及び高さ調整部5が取り付けられる支持板21と、支持板21を支持する支柱22と、支柱22に回転可能に連結されて基礎Cに取り付けられる支柱基部23と、支柱22と共に支持板21を支持する補助脚24と、支持板21及び支柱22に取り付けられ、補助脚24を回転可能に連結する補助脚取付部25と、補助脚24に回転可能に連結されて基礎Cに取り付けられる補助脚基部26と、を有する。したがって、支柱22を鉛直方向に設置することができるので、弾性バラスト軌道敷設装置1をさらに安定して設置することができ、より迅速的確に軌道を敷設することが可能となる。
【0069】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1では、軌道載置部3は、梁部31の両端側において軌道方向に向けて梁部31から両側にそれぞれ突出する突出部32を有し、規制部4は、突出部32と共に梁部31の移動方向を規制する案内部41と、突出部32と案内部41に係合し、梁部31の位置を決める位置決め部42と、を有する。したがって、軌道載置部3を規制部4に対して強固に取り付けることができるので、弾性バラスト軌道敷設装置1をさらに安定して設置することができ、より迅速的確に軌道を敷設することが可能となる。
【0070】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1では、軌道載置部3は、梁部31の両端側においてネジが形成されるネジ部33を有し、高さ調整部5は、ネジ部33と螺合し、梁部31の高さを調整する高さ調整ボルト51と、高さ調整ボルト51の移動を規制する高さ調整受け部52と、を有する。したがって、弾性バラスト軌道敷設装置1の高さ調整の精度を向上させることが可能となる。
【0071】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設装置1では、横ずれ調整部6は、梁部31の上方において軌道Rの両外側にそれぞれ設置されるナット支持部62と、ナット支持部62に支持される横ずれ調整ナット63と、横ずれ調整ナット63に螺合し、軌道Rの横ずれを調整する横ずれ調整ボルト61と、を有する。したがって、弾性バラスト軌道敷設装置1の横ずれ調整の精度を向上させることが可能となる。
【0072】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設方法は、軌道R及び軌道Rを載置する弾性バラスト11を備える軌きょう10を、高さ調整台12を介して基礎に設置する弾性バラスト軌道敷設方法であって、支持部2と、支持部2に支持され、軌道Rを載置する軌道載置部3と、支持部2に支持され、軌道載置部3の移動を規制する規制部4と、支持部2に支持され、軌道載置部3の高さを調整する高さ調整部5と、軌道載置部3に支持され、軌道Rの横ずれを調整する横ずれ調整部6と、を備える弾性バラスト軌道敷設装置1を用い、支持部2及び弾性マクラギ11を基礎Cに並べ、支持部2を基礎Cに取り付け、規制部4及び高さ調整部5を支持部2に取り付け、支持部2又は高さ調整部5に軌道載置部3を置き、軌道Rを軌道載置部3に置き、軌道Rと弾性マクラギ11を組み立てて、軌きょう10を形成し、高さ調整部5によって軌道載置部3の高さを調整し、横ずれ調整部6によって軌道Rの横ずれを調整し、高さ調整部5及び横ずれ調整部6による調整が終了した後、軌道載置部3を規制部4に対して位置決めし、軌きょう10を支持する高さ調整台12を打設する各工程を有する。したがって、弾性バラスト軌道敷設方法によれば、敷設する環境及び場所に応じて迅速的確に軌道を敷設することが可能となる。
【0073】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設方法は、支持部2を基礎Cに取り付ける工程では、支持部2の支柱22を鉛直方向に調整し、高さ調整部5によって軌道載置部3の高さを調整する工程では、高さ調整部5の高さ調整ボルト51を軌道載置部3の梁部31に形成されたネジ部33に対して回転させることによって梁部31の高さを調整し、横ずれ調整部6によって軌道Rの横ずれを調整する工程では、横ずれ調整部6の横ずれ調整ボルト61を梁部31に取り付けられた横ずれ調整ナット63に対して回転させることによって軌道Rの横ずれを調整する。したがって、弾性バラスト軌道敷設装置1の高さ調整及び横ずれ調整の精度を向上させることが可能となる。
【0074】
本実施形態の弾性バラスト軌道敷設方法は、軌道Rの敷設後、規制部4、高さ調整部5及び横ずれ調整部6を軌道載置部3から外し、軌道載置部3を軌道Rの下方から引き抜き、規制部4及び高さ調整部5を支持部2から取り外し、支持部2を基礎Cから取り外す。
【0075】
なお、ここまで本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。