特許第6605013号(P6605013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6605013アレルゲンを検出および定量するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605013
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】アレルゲンを検出および定量するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/62 20060101AFI20191031BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20191031BHJP
   C12Q 1/37 20060101ALI20191031BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20191031BHJP
   G01N 30/72 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   G01N27/62 V
   G01N27/62 X
   G01N33/68
   C12Q1/37
   G01N33/53 Q
   G01N30/72 C
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】72
(21)【出願番号】特願2017-237514(P2017-237514)
(22)【出願日】2017年12月12日
(62)【分割の表示】特願2014-528696(P2014-528696)の分割
【原出願日】2012年9月4日
(65)【公開番号】特開2018-66751(P2018-66751A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2017年12月12日
(31)【優先権主張番号】61/530,612
(32)【優先日】2011年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510075457
【氏名又は名称】ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイ. ロック
(72)【発明者】
【氏名】サブハシシュ プルカヤスタ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エル. ウィリアムソン
(72)【発明者】
【氏名】ケリング ドン
【審査官】 佐藤 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−508118(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0064515(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0219838(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/125186(WO,A1)
【文献】 特開2004−196707(JP,A)
【文献】 J.Heick et. al.,First screening method for the simultaneous detection of seven allergens by liquid chromatography mass spectrometry, Journal of Chromatography A,2011年,Vol.1218 (2011) ,pages 938-943
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J20/281−20/292
G01N27/62
30/00−30/96
33/48−33/98
H01J49/00−49/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物試料中のアレルゲンとしてミルクを検出する方法であって、該方法は、
該食物試料にタンパク質分解酵素を添加して、該食物試料中に存在するミルクタンパク質の少なくとも一部分を複数のペプチドへと分解するステップと;
液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を利用して、該複数のペプチドを分析し、以下:
i)配列番号24、約533/853、533/754または533/641のm/z値;
ii)配列番号25、約458/803、458/688または458/504のm/z値;
iii)配列番号26、約1158/1453、1158/1581、1158/1255、772/1026、772/977または772/912のm/z値;
iv)配列番号27、約623/573、623/918、623/819または623/1047のm/z値;
v)配列番号28、約561/806、561/935または561/692のm/z値;および
vi)配列番号29、約419/653、419/556または419/425のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングすることによって、ミルクタンパク質が存在するか否かを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
食物試料中のアレルゲンとしてミルクを検出する方法であって、該方法は、
該食物試料にタンパク質分解酵素を添加して、該食物試料中に存在するミルクタンパク質の少なくとも一部分を複数のペプチドへと分解するステップと;
液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を利用して、該複数のペプチドを分析し、以下:
i)配列番号12、約693/921、693/992または693/1091のm/z値;
ii)配列番号13、約584/763、584/706、584/650または438/600のm/z値;
iii)配列番号14、約416/488、416/587または416/702のm/z値;
iv)配列番号15、約634/771または634/935のm/z値;
v)配列番号16、約880/1325、880/1495、880/1438、880/436、587/758、587/871または587/790のm/z値;
vi)配列番号17、約345/590、345/476または345/573のm/z値;
vii)配列番号18、約416/488、416/587または416/702のm/z値;
viii)配列番号19、約373/534または373/437のm/z値;
ix)配列番号20、約598/912、598/701、598/814または598/436のm/z値;
x)配列番号21、約438/629、438/558または438/445のm/z値;
xi)配列番号22、約490/648、490/761または490/833のm/z値;および
xii)配列番号23、約694/1187、694/811または694/940のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングすることによって、ミルクタンパク質が存在するか否かを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項3】
前記特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのモニタリングが、以下:
i)配列番号27、約623/573、623/918、623/819または623/1047のm/z値;
ii)配列番号14、約416/488、416/587または416/702のm/z値;
iii)配列番号15、約634/771または634/935のm/z値;
からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記タンパク質分解酵素がトリプシンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のペプチドを分析するためのLC−MS/MSの利用が、配列番号14、15または27を有する該複数のペプチドのうちの1つの量を定量することを含み、該定量が、配列番号14、15または27を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドと、該複数のペプチドのうちの1つの定量を較正するための既知の濃度の配列番号14、15または27を有するペプチドを含む標準とを利用することによってなされる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ミルクタンパク質についての試料の質量分析試験において使用するためのキットであって、
ラクトグロブリンを複数のペプチドへと断片化するための少なくとも1つのタンパク質分解酵素と;
質量分析計を使用して該複数のペプチドのうち少なくとも1つを定量するための少なくとも1つの試薬であって、該複数のペプチドのうちの該少なくとも1つが、配列番号24〜29のアミノ酸配列を有するペプチドを含み、該少なくとも1つの試薬が、配列番号24〜29のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドを含む、少なくとも1つの試薬と;
を含む、キット。
【請求項7】
ミルクタンパク質についての試料の質量分析試験において使用するためのキットであって、
カゼインを複数のペプチドへと断片化するための少なくとも1つのタンパク質分解酵素と;
質量分析計を使用して該複数のペプチドのうち少なくとも1つを定量するための少なくとも1つの試薬であって、該複数のペプチドのうちの該少なくとも1つが、配列番号12〜23のアミノ酸配列を有するペプチドを含み、該少なくとも1つの試薬が、配列番号12〜23のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドを含む、少なくとも1つの試薬と;
を含む、キット。
【請求項8】
前記複数のペプチドのうちの前記少なくとも1つが、配列番号14、15または27のアミノ酸配列を有するペプチドを含み、前記少なくとも1つの試薬が、配列番号14、15または27のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドを含む、請求項6または7に記載のキット。
【請求項9】
前記少なくとも1つの試薬が、選択された濃度の、配列番号14、15または27のアミノ酸配列を有するペプチドを含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載のキット。
【請求項10】
アルキル化剤、還元剤、質量分析計を使用してミルクタンパク質の一部分を定量するための指示書、または、質量分析計における設定として使用されるトランジション対に関する情報をさらに含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析法を使用して、食物試料などの試料中のアレルゲンを検出および定量するためのキットおよび方法に一般に関する。
【背景技術】
【0002】
食物アレルギーは、例えば、皮膚炎、喘息、胃腸管機能障害、アナフィラキシーショックなどの有害な免疫応答を惹起し得る。食物試料中のアレルゲンを検出および/または定量するための従来の方法は、多数の欠点を被り得るイムノアッセイを一般に使用する。例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)として公知の1つのかかる方法は、高価なキットの使用を必要とし、良くても半定量的である。さらに、従来のイムノアッセイは、各スクリーニングにおいて単一のアレルゲンに一般に制限され、特異性の欠如に起因する偽陽性を生じることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、食物試料中のアレルゲンを検出および定量するための改良されたキットおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
種々の実施形態によれば、質量分析法を使用して試料中のアレルゲンを検出および/または定量するための方法およびキットが、本明細書中に提供される。以下に記載するように、これらの方法およびキットは、対象のアレルゲンに特異的な1つまたは複数のアミノ酸配列を利用することにより、試料中の少なくとも1つのアレルゲン(例えば、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高分子量および低分子量グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ)の検出および/または定量を可能にできる。例えば、アレルゲン特異的トリプシンペプチドは、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を使用して検出され得る。多くの実施形態では、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションが、例えば食物試料中のアレルゲンの信頼性のある定量を可能にするために、各ペプチドについて観察され得る。
【0005】
種々の実施形態によれば、種々のアレルゲンに特異的なペプチドのセットが開示される。例えば、アレルゲンのオボアルブミン、リゾチーム、カゼイン(アイソフォームS1およびS2)、ラクトグロブリン、高分子量グルテニンおよび低分子量グルテニンを含むグルテン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびに種々のナッツの各々は、そのアレルゲンに特異的な単離されたペプチドを使用して検出および/または定量され得る。いくつかの場合には、これらのアレルゲンという用語は、異なるタンパク質由来の種々の型のペプチド、ならびにいくつかの場合には異なる属および/または種のアレルゲンを包含する広い定義である。例えば、用語カラシナは、共にカラシナの形態であることが理解される、Brassica属およびSinapis属の両者における種から得られるアレルゲンを包含する。例として、ニワトリ卵中に見出されるアレルゲンであるオボアルブミンに特異的な単離されたペプチドは、配列番号1〜7のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。これもまたニワトリ卵中に見出されるアレルゲンであるリゾチームに特異的な単離されたペプチドは、配列番号8〜11のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ミルクタンパク質カゼインS1に特異的な単離されたペプチドは、配列番号12〜18のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ミルクタンパク質カゼインの別のアイソフォームであるカゼインS2に特異的な単離されたペプチドは、配列番号19〜23のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ミルク中に見出される別のアレルゲンであるラクトグロブリンに特異的な単離されたペプチドは、配列番号24〜29のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。オオムギタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号30〜33のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。低分子量グルテニンに特異的な単離されたペプチドは、配列番号34〜59のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。高分子量グルテニンに特異的な単離されたペプチドは、配列番号60〜79のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。カラシナとして分類される種々の種のタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号80〜112のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。カラスムギタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号113〜116のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ライムギタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号117〜123のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ゴマタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号124〜132のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。コムギタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号133〜138のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ブラジルナッツタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号139〜155のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ヘーゼルナッツタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号156〜172のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。マカダミアナッツタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号173〜181のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ラッカセイタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号182〜187のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。ピスタチオナッツタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号188〜203のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得、最後に、クルミタンパク質に特異的な単離されたペプチドは、配列番号204〜212のアミノ酸配列のうち1つまたは複数を有し得る。
【0006】
上記ペプチドの各々は、アレルゲン特異的ペプチドに関連する特異的MRMトランジションを使用して検出および/または定量され得る。種々の実施形態によれば、ペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションは、表1〜19中で以下に議論される。
【0007】
一態様では、アレルゲンについて試料をスクリーニングする方法が提供される。この方法は、試料を取得するステップ、およびこの試料を少なくとも1つのタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)で消化して、存在する場合には試料中に存在する少なくとも1つのアレルゲンを、複数のペプチドへと断片化するステップを含む。このアレルゲンは、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高および低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々の型のナッツから得られるタンパク質のうち少なくとも1つであり得る。この方法はさらに、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を使用して、これらのペプチドのうち少なくとも1つの量を決定することによって、これらのアレルゲンのうち少なくとも1つを定量するステップを含む。複数のペプチドのうち少なくとも1つが、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる配列表中に示される配列番号1〜212のアミノ酸配列を有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、2つ以上の上記アレルゲンが、LC−MS/MSを介して、上で議論したものなどの複数のペプチドを検出することによって検出および/または定量され、各ペプチド断片について、上で議論したものなどの複数のMRMトランジションがモニタリングされる。アレルゲン(例えば、卵タンパク質、例えばオボアルブミン、リゾチーム、またはミルクタンパク質、例えばカゼインおよびラクトグロブリン、高および低グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマおよび種々のナッツから得られるタンパク質)の正確な同定および/または定量は、アレルゲン(例えば、本明細書中に開示されるもの)の特異的ペプチドのセットのうち少なくとも1つおよび好ましくはいくつか(例えば全て)、ならびに各ペプチド(例えば、本明細書中に開示されるもの)についての特異的MRMトランジションをLC−MS/MSを使用してモニタリングおよび定量することによって達成され得ることが発見された。
【0009】
一実施形態では、少なくとも1つの選択されたMRMトランジションが、複数のペプチドのそれぞれについてモニタリングされ得る。例えば、2つ、3つまたは任意の他の数のMRMトランジションが、前記ペプチドの各々についてモニタリングされ得る。一実施形態では、2つ以上のアレルゲンが、例えばタンデム質量分析計の同じ実施を使用して、検出および/または定量され得る。別の実施形態では、2つ以上のペプチドの量が、対象のアレルゲンを定量するために決定される。
【0010】
いくつかの実施形態では、この方法は、試料を消化する前に、既知の量の、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高および低グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツ由来のタンパク質のうち少なくとも1つを添加するステップを含み得る。例えば、既知の量の、オボアルブミン、リゾチーム、カゼインおよびラクトグロブリンの各々が、試料を消化する前に試料に添加され得る。
【0011】
試料中のオボアルブミンを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するオボアルブミンの少なくとも一部分を、配列番号1〜7のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0012】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、オボアルブミンの選択されたペプチドを検出および/または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、1つの選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号1〜7に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表1に提供する。任意の数の、オボアルブミンのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0013】
試料中のリゾチームを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するリゾチームの少なくとも一部分を、配列番号8〜11のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0014】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、リゾチームの選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号8〜11に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表2に提供する。任意の数の、リゾチームのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0015】
試料中のカゼイン(例えば、カゼインアイソフォームS1またはS2)を検出する方法もまた、本明細書中に開示される。一実施形態では、この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するカゼインアイソフォームS1の少なくとも一部分を、配列番号12〜18のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。別の実施形態では、この方法は、この試料にタンパク質分解酵素を添加して、存在する場合には試料中に存在するカゼインアイソフォームS2の少なくとも一部分を、配列番号19〜23のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0016】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、カゼインの選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号12〜23に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表3または4に提供する。任意の数の、カゼインのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0017】
試料中のラクトグロブリンを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するラクトグロブリンの少なくとも一部分を、配列番号24〜29のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0018】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、ラクトグロブリンの選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号24〜29に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表5に提供する。任意の数の、ラクトグロブリンのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0019】
試料中のオオムギを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するオオムギのタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号30〜33のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0020】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、オオムギタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号30〜33に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表6に提供する。任意の数の、オオムギのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0021】
試料中の高分子量および低分子量グルテニンを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。一実施形態では、この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在する高分子量または低分子量グルテニンの少なくとも一部分を、配列番号34〜79のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0022】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、低分子量または高分子量グルテニンの選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号34〜79に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表7および8に提供する。任意の数の、高分子量または低分子量グルテンのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションが、高分子量または低分子量グルテニンについてモニタリングされ得る。
【0023】
試料中のカラシナを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するカラシナタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号80〜112のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0024】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、カラシナタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号80〜112に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表9に提供する。任意の数の、カラシナのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0025】
試料中のカラスムギを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するカラスムギタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号113〜116のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0026】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、カラスムギタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号113〜116に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表10に提供する。任意の数の、カラスムギのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0027】
試料中のライムギを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するライムギタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号117〜123のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0028】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、ライムギタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号117〜123に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表11に提供する。任意の数の、ライムギのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0029】
試料中のゴマを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するゴマタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号124〜132のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0030】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、ゴマタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号124〜132に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表12に提供する。任意の数の、ゴマのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0031】
試料中のコムギを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するコムギタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号133〜138のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0032】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、コムギタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号133〜138に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表13に提供する。任意の数の、コムギのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0033】
試料中のブラジルナッツを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するブラジルナッツタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号139〜155のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0034】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、ブラジルナッツタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号139〜155に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表14に提供する。任意の数の、ブラジルナッツのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0035】
試料中のヘーゼルナッツを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するヘーゼルナッツタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号156〜172のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0036】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、ヘーゼルナッツタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号156〜172に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表15に提供する。任意の数の、ヘーゼルナッツのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0037】
試料中のマカダミアナッツを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するマカダミアナッツタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号173〜181のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0038】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、マカダミアナッツタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号173〜181に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表16に提供する。任意の数の、マカダミアナッツのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0039】
試料中のラッカセイを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するラッカセイタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号182〜187のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0040】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、ラッカセイタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号182〜187に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表17に提供する。任意の数の、ラッカセイのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0041】
試料中のピスタチオナッツを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するピスタチオナッツタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号188〜203のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0042】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、ピスタチオナッツタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号188〜203に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表18に提供する。任意の数の、ピスタチオナッツのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0043】
試料中のクルミを検出する方法もまた、本明細書中に開示される。この方法は、試料にタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を添加して、存在する場合には試料中に存在するブラジルナッツタンパク質の少なくとも一部分を、配列番号203〜212のアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを有する複数のペプチドへと分解するステップを含み得る。次いで、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)が、この少なくとも1つのペプチドが試料中に存在するか否かを決定するために利用される。
【0044】
一態様では、選択されたMRMトランジションが、クルミタンパク質の選択されたペプチドを検出または定量するためにモニタリングされ得る。例えば、選択されたプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションがモニタリングされ得る。配列番号203〜212に対応するペプチドの各々についての最適化されたMRMトランジションを、以下の表19に提供する。任意の数の、クルミのペプチドについての最適化されたトランジションが、LC−MS/MSを介してモニタリングされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたは任意選択で全ての最適化されたMRMトランジションがモニタリングされ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、上記方法は、そのペプチドの定量を較正するために、選択されたペプチドのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドを利用し得る。いくつかの実施形態では、既知の濃度の選択されたペプチドを有する標準が、その選択されたペプチドの定量を較正するために利用され得る。いくつかの実施形態では、既知の量の対象のアレルゲン(例えば、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高および低グルチネン(glutinen)、またはコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質)が、対象の選択されたペプチドおよび/またはタンパク質の定量を較正するために、タンパク質分解酵素を添加する前に試料に添加され得る。いくつかの実施形態では、既知の量の、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高および低グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質の各々が、タンパク質分解酵素を添加する前に試料に添加され得る。
【0046】
この試料は、種々の供給源由来であり得る。一実施形態では、例えば、この試料は食物試料であり得る。
【0047】
別の実施形態では、この方法は、i)配列番号113、約989/998、989/1085または989/1234のm/z値;ii)配列番号114、約777/984、777/1112または777/1226のm/z値;iii)配列番号115、約627/642または627/1013のm/z値;iv)配列番号116、約419/642のm/z値からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む。
【0048】
なお別の実施形態では、この方法は、i)配列番号124、約465/472、465/728、または465/815のm/z値;ii)配列番号125、約397/679、397/417、または397/580のm/z値;iii)配列番号126、約717/743、717/957または717/372のm/z値;iv)配列番号127、約380/589、380/476、または380/377のm/z値;v)配列番号128、約419/522、419/637、または419/409のm/z値;vi)配列番号129、約582/795、582/866、または582/980のm/z値;vii)配列番号130、約806/869、806/1070、または806/957のm/z値;viii)配列番号132、約685/901、685/1089、または685/1238のm/z値からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む。
【0049】
なお別の実施形態では、この方法は、i)配列番号156、約582/666、582/852、または582/999のm/z値;ii)配列番号157、約514/729、514/800、または514/914のm/z値;iii)配列番号158、約882/1033、882/580、または882/806のm/z値;iv)配列番号159、約567/449、567/684、または567/799のm/z値;v)配列番号160、約539/763、539/948、または539/635のm/z値;vi)配列番号161、約374/619、374/490、または374/304のm/z値;vii)配列番号162、約576/689、576/852、または576/588のm/z値;viii)配列番号163、約721/900、721/1014、または721/484のm/z値;ix)配列番号164、約502/703、502/816、または502/575のm/z値;x)配列番号165、約807/874、807/988、または807/1089のm/z値;xi)配列番号166、約700/984、700/464、または700/365のm/z値;xii)配列番号167、約679/841、679/600、または679/713のm/z値;xiii)配列番号168、約815/906、815/835、または815/724のm/z値;xiv)配列番号169、約424/589、424/718、または424/488のm/z値;xv)配列番号170、約601/973、601/616、または601/731のm/z値;xvi)配列番号171、約791/935、または791/1212のm/z値;およびxvii)配列番号172、約528/614のm/z値からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む。
【0050】
なお別の実施形態では、この方法は、i)配列番号173、約729/921、または729/1050のm/z値;ii)配列番号174、約438/626、または438/725のm/z値;iii)配列番号175、約585/892、または585/763のm/z値;iv)配列番号176、約545/821、または545/952のm/z値;v)配列番号177、約537/786、または537/935のm/z値;vi)配列番号178、約493/743、または493/580のm/z値;vii)配列番号179、約344/500、または344/401のm/z値;viii)配列番号180、約392/566、または392/437のm/z値;およびix)配列番号181、約500/743、または500/580のm/z値からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む。
【0051】
なお別の実施形態では、この方法は、i)配列番号188、約397/515、397/572、または397/416のm/z値;ii)配列番号189、約518/556、または518/797のm/z値;iii)配列番号190、約802/1078、802/802、または802/931のm/z値;iv)配列番号191、約746/1157、746/941、または746/683のm/z値;v)配列番号192、約569/821、569/557、569/658のm/z値;vi)配列番号193、約713/1012、または713/470のm/z値;vii)配列番号194、約502/703、502/816、または502/575のm/z値;viii)配列番号195、約479/680、479/809、または479/381のm/z値;ix)配列番号196、約702/790、702/904、または702/1088のm/z値;x)配列番号197、約838/1020、838/835、または838/906のm/z値;xi)配列番号198、約961/1027、961/899、または961/671のm/z値;xii)配列番号199、約790/1054、790/492、または790/925のm/z値;xiii)配列番号200、約777/694、777/807、または777/579のm/z値;xiv)配列番号201、約279/500、または279/274のm/z値;xv)配列番号202、約837/1080、837/966、837/753のm/z値;およびxvi)配列番号203、約598/747、598/848、598/634のm/z値からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む。
【0052】
なお別の実施形態では、この方法は、i)配列番号204、約813/1142のm/z値;ii)配列番号205、約805/900、805/623、または805/345のm/z値;iii)配列番号206、約698/820、698/949、または698/461のm/z値;iv)配列番号207、約683/1136、683/796、683/925、683/1039、または683/569のm/z値;v)配列番号208、約515/729、515/487、または515/616のm/z値;vi)配列番号209、約955/692、955/905、または955/577のm/z値;vii)配列番号210、約502/703、502/816、または502/575のm/z値;viii)配列番号211、約792/904、または792/1017のm/z値;ix)配列番号212、約529/1017のm/z値からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む。
【0053】
アレルゲンについての試料の質量分析試験において使用するためのキットもまた、本明細書中に開示される。このキットは、存在する場合には試料中に存在する少なくとも1つのアレルゲンを複数のペプチドへと断片化するための、少なくとも1つのタンパク質分解酵素(例えば、トリプシン)を含み得る。このアレルゲンは、例えば、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高分子量および低分子量グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質であり得、複数のペプチドのうち少なくとも1つは、配列番号1〜212のアミノ酸配列を有するペプチドであり得る。このキットは、質量分析計を使用して前記複数のペプチドのうち少なくとも1つを定量するための少なくとも1つの試薬もまた含み得る。
【0054】
一態様では、複数のペプチドのうち少なくとも1つを定量するための試薬は、複数のペプチドのうち1つのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する同位体濃縮されたペプチドであり得る。一実施形態では、この同位体濃縮されたペプチドは、例えばC13またはN15のうち少なくとも1つを含み得る。別の態様では、少なくとも1つの前記複数のペプチドを定量するための試薬は、選択された濃度の、質量分析計を較正するための複数のペプチドのうち少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの前記複数のペプチドを定量するための試薬は、質量分析計を較正するための、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高分子量または低分子量グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質のうち少なくとも1つを含み得る。例えば、このキットは、既知の量の、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高分子量または低分子量グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質の各々を含み得る。他の実施形態では、アレルゲンのうちいくつかのみが含まれる。
【0055】
このキットは、質量分析計を使用して分析される試料を調製する際、LCカラムを通じて調製された試料を流す際、または質量分析法を実施する際に使用される種々の薬剤をさらに含み得る。非限定的な例として、このキットは、例えば標準として使用される、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質のうち1つを含み得る。このキットは、アルキル化剤(例えば、メタンチオスルホン酸メチル(MMTS)、ヨードアセトアミド)および/または還元剤もまた含み得る。
【0056】
一態様では、このキットは、質量分析計を使用して少なくとも1つのアレルゲンを定量するための指示書を含み得る。例として、このキットは、質量分析計における設定として使用されるトランジション対または予測される断片イオンに関する情報を含み得る。
【0057】
種々の態様によれば、本明細書中に記載される処理を制御できるおよび/または計算を実施できるソフトウェアが、提供される。例えば、このソフトウェアは、1つまたは複数の特異的プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションまたは断片イオンをモニタリングするために、質量分析計に指示を提供し得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
試料中のアレルゲンを検出する方法であって、前記アレルゲンは、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高分子量グルテニン、低分子量グルテニン、コムギタンパク質、ライムギタンパク質、カラスムギタンパク質、オオムギタンパク質、カラシナタンパク質、ゴマタンパク質、マカダミアナッツタンパク質、ピスタチオナッツタンパク質、ブラジルナッツタンパク質、クルミタンパク質、ラッカセイタンパク質およびヘーゼルナッツタンパク質からなる群より選択され、前記方法は、
前記試料にタンパク質分解酵素を添加して、前記試料中に存在する前記アレルゲンの少なくとも一部分を複数のペプチドへと分解するステップ;および
液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を利用して、前記少なくとも1つのペプチドが前記試料中に存在するか否かを決定するステップ、
を含む、方法。
(項目2)
前記アレルゲンがオボアルブミンであり、前記方法が、
i)配列番号1、約391/504、391/667、または391/433のm/z値;
ii)配列番号2、約762/1036、762/487、または762/1150のm/z値;
iii)配列番号3、約605/419、605/621、または605/749のm/z値;
iv)配列番号4、約673/1096、673/1024、673/1209、449/526、449/608、または449/639のm/z値;
v)配列番号5、約791/1052、791/951、または791/1239のm/z値;
vi)配列番号6、約844/666、844/1332、または844/1121のm/z値;および
vii)配列番号7、約930/1017、930/1118、930/1303、930/888のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記アレルゲンがカゼインであり、前記方法が、
i)配列番号12、約693/921、693/992、または693/1091のm/z値;
ii)配列番号13、約584/763、584/706、584/650、または438/600のm/z値;
iii)配列番号14、約416/488、416/587、または416/702のm/z値;
iv)配列番号15、約634/992、634/771、または634/935のm/z値;
v)配列番号16、約880/1325、880/1495、880/1438、880/436、587/758、587/871、または587/790のm/z値;
vi)配列番号17、約345/590、345/476、または345/573のm/z値;
vii)配列番号18、約416/488、416/587、または416/702のm/z値;
viii)配列番号19、約373/534または373/437のm/z値;
ix)配列番号20、約598/912、598/701、598/814、または598/436のm/z値;
x)配列番号21、約438/629、438/558、または438/445のm/z値;
xi)配列番号22、約490/648、490/761、490/833のm/z値;および
xii)配列番号23、約694/1187、694/811、または694/940のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記アレルゲンがラクトグロブリンであり、前記方法が、
i)配列番号24、約533/853、533/754、または533/641のm/z値;
ii)配列番号25、約458/803、458/688、または458/504のm/z値;
iii)配列番号26、約1158/1453、1158/1581、1158/1255、772/1026、772/977、または772/912のm/z値;
iv)配列番号27、約623/573、623/918、623/819、623/1047のm/z値;
v)配列番号28、約561/806、561/935、または561/692のm/z値;および
vi)配列番号29、約419/653、419/556、または419/425のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記アレルゲンが高分子量グルテニン、低分子量グルテニンまたはコムギタンパク質であり、前記方法が、
a)配列番号34、約448/693、448/533、448/808、448/491、または448/590のm/z値;
b)配列番号35、約609/686、609/757、609/1072、609/631、または609/845のm/z値;
c)配列番号36、約905/994、905/1093、905/954、または905/1085のm/z値;
d)配列番号37、約924/994、924/1093、または924/1242のm/z値;
e)配列番号38、約983/1057、983/1080、983/1119または983/1185のm/z値;
f)配列番号39、約399/699、399/498、または399/611のm/z値;
g)配列番号40、約825/1237、825/884、825/1012、825/1140または825/1062のm/z値;
h)配列番号41、約1009/1237、1009/1135、または1009/1140のm/z値;
i)配列番号42、約880/1085、880/1184、880/998、880/911、または880/1127のm/z値;
j)配列番号43、約1050/1183、1050/1061、1050/1137または1050/1189のm/z値;
k)配列番号44、約431/548、431、647、431/451、または431/761のm/z値;
l)配列番号45、約567/891、567/791、567/660、または557/1020のm/z値;
m)配列番号46、約640/790、640/1106、640/890、640/693、または640/1049のm/z値;
n)配列番号47、約676/861、676/890、676/1106、676/1205、または676/764のm/z値;
o)配列番号48、約757/1025、757/890、または757/780のm/z値;
p)配列番号49、約832/1108、832/948、または832/1116のm/z値;
q)配列番号50、約876/954、876/1067、または876/1195のm/z値;
r)配列番号51、約827/850、827/914、または827/1248のm/z値;
s)配列番号52、約594/928、594/814、594/686、594/757、または594/601のm/z値;
t)配列番号53、約623/871、623/743、623/814、623/644、623/985のm/z値;
u)配列番号54、約672/1084、672/971、672/914、672/842、または672/1141のm/z値;
v)配列番号55、約918/989、918/1089、または918/1224のm/z値;
w)配列番号56、約1110/1181、1110/1199、または1110/1243のm/z値;
x)配列番号57、約494/620、494/641、494/571、または494/507のm/z値;
y)配列番号58、約859/974、859/1103、859/1231、859/1018、または859/1214のm/z値;
z)配列番号59、約743/865、743/1001、743/1100、743/1187、または743/986のm/z値;
aa)配列番号60、約523/674、523/802、523/545、または523/432のm/z値;
bb)配列番号61、約524/543、524/656、524/814、524/743、524/901、524/234、または524/392のm/z値;
cc)配列番号62、約579/898、579/711、579/899、579/1045、または579/541のm/z値;
dd)配列番号63、約608/898、608/711、608/1045、608/654、または608/541のm/z値;
ee)配列番号64、約657/697、657/1054、657/868、657/811、または657/1201のm/z値;
ff)配列番号65、約682/705、682/833、682/1178、682/772、または682/592のm/z値;
gg)配列番号66、約686/1054、686/697、686/868、または686/1201のm/z値;
hh)配列番号67、約718/1049、718/833、718/962、718/1121、または718/592のm/z値;
ii)配列番号68、約729/1018、729/946、729/875、729/1131、または729/747のm/z値;
jj)配列番号69、約459/730、459/560、459/659、459/473、または459/829のm/z値;
kk)配列番号70、約557/886、557/787、557/672、または557/986のm/z値;
ll)配列番号71、約661/822、661/951、661/735、661/1079、または661/535のm/z値;
mm)配列番号72、約735/1143、735/745、735/975、735/873、735/1046、または735/632のm/z値;
nn)配列番号73、約713/822、713/951、713/735、713/948、または713/884のm/z値;
oo)配列番号74、約762/1076、762/1029、762/793、762/979、または762/857のm/z値;
pp)配列番号75、約1048/1237、1048/1121、1048/1140、1048/894、1048/770、または1048/761のm/z値;
qq)配列番号76、約967/1167、967/995、967/1109、967/1209、または967/1038のm/z値;
rr)配列番号77、約414/513、414/428、または414/699のm/z値;
ss)配列番号78、約537/656、537/543、537/769、または537/840のm/z値;
tt)配列番号79、約566/713、566/600、566/826、または566/897のm/z値;
uu)配列番号133、約459/730、または459/560のm/z値;
vv)配列番号134、約538/547、538/776、または538/705のm/z値;
ww)配列番号135、約557/886、または557/787のm/z値;
xx)配列番号136、約579/898、または579/711のm/z値;
yy)配列番号137、約595/792、595/978、または595/539のm/z値;および
zz)配列番号138、約664/850、または664/779のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記アレルゲンがオオムギタンパク質であり、前記方法が、
i)配列番号30、約835/948、835/1097または835/1228のm/z値;
ii)配列番号31、約336/515、336/554または336/497のm/z値;
iii)配列番号32、約820/1097、820/548または820/713のm/z値;および
iv)配列番号33、約499/785、499/575または499/393のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記アレルゲンがライムギタンパク質であり、前記方法が、
i)配列番号117、約937/1178のm/z値;
ii)配列番号118、約625/942、または625/1178のm/z値;
iii)配列番号119、約852/1200、852/1072、または852/1210のm/z値;
iv)配列番号120、約997/1226のm/z値;
v)配列番号121、約665/1226、または665/1129のm/z値;
vi)配列番号122、約988/1101、または988/1198のm/z値;
vii)配列番号123、約659/1198のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記アレルゲンがカラシナタンパク質であり、前記方法が、
i)配列番号80、約323/476、323/547、323/470、または323/419のm/z値;
ii)配列番号81、約492/757、492/660、492/814、または492/886のm/z値;
iii)配列番号82、約586/666、586/767、または586/896のm/z値;
iv)配列番号83、約483/650、483/737、483/836、または483/818のm/z値;
v)配列番号84、約547/778、547/865、または547/965のm/z値;
vi)配列番号85、約365/519のm/z値;
vii)配列番号86、約442/658、442/715、442/786、または442/737のm/z値;
viii)配列番号87、約738/1144、738/990、または738/1087のm/z値;
ix)配列番号88、約554/1087のm/z値;
x)配列番号89、約600/694、600/795、または600/924のm/z値;
xi)配列番号90、約401/694のm/z値;
xii)配列番号91、約547/778、547/865、または547/964のm/z値;
xiii)配列番号92、約365/519のm/z値;
xiv)配列番号93、約774/1062、774/964、または774/1175のm/z値;
xv)配列番号94、約517/964のm/z値;
xvi)配列番号95、約838/1190、838/965、または838/1093のm/z値;
xvii)配列番号96、約559/965のm/z値;
xviii)配列番号97、約1059/1121、1059/1249、または1059/1064のm/z値;
xix)配列番号98、約706/1064のm/z値;
xx)配列番号99、約600/1087のm/z値;
xxi)配列番号100、約274/419、274/476、274/322、または274/373のm/z値;
xxii)配列番号101、約422/672、422/771、422/668、または422/555のm/z値;
xxiii)配列番号102、約736/882、736/1011、736/1139、または736/1196のm/z値;
xxiv)配列番号103、約380/499、380/659、380/584、または380/487のm/z値;
xxv)配列番号104、約490/519、490/679、または490/792のm/z値;
xxvi)配列番号105、約327/519のm/z値;
xxvii)配列番号106、約593/1056、593/752、または593/909のm/z値;
xxviii)配列番号107、約396/752のm/z値;
xxix)配列番号108、約377/553、377/624、377/578、または377/465のm/z値;
xxx)配列番号109、約550/739、550/867、550/1027、または550/924のm/z値;
xxxi)配列番号110、約739/1219、739/999、739/1127のm/z値;
xxxii)配列番号111、約555/999のm/z値;
xxxiii)配列番号112、約600/694、600/795、600/924、または600/1087のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記アレルゲンがラッカセイタンパク質であり、前記方法が、
i)配列番号182、約543/858、543/430、または543/633のm/z値;
ii)配列番号183、約571/913、571/669、または571/506のm/z値;
iii)配列番号184、約628/855、628/742、628/514、または628/970のm/z値;
iv)配列番号185、約689/833、689/930、または689/1078のm/z値;
v)配列番号186、約695/700、695/814、または695/978のm/z値;および
vi)配列番号187、約787/804、787/989の、または787/1118のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記アレルゲンがブラジルナッツタンパク質であり、前記方法が、
i)配列番号139、約525/661、525/792、または525/548のm/z値;
ii)配列番号140、約847/1085、847/843、または847/972のm/z値;
iii)配列番号141、約350/568、350/437、または350/307のm/z値;
iv)配列番号142、約589/660、589/789、または589/917のm/z値;
v)配列番号143、約450/586、450/715または450/786のm/z値;
vi)配列番号144、約434/603、434/490、または434/403のm/z値;
vii)配列番号145、約537/688、537/816、または537/575のm/z値;
viii)配列番号146、約416/584、416/699、416/507、または416/455のm/z値;
ix)配列番号147、約432/600、432/487、または432/400のm/z値;
x)配列番号148、約404/529、404/586、404/657、404/519、または404/430のm/z値;
xi)配列番号149、約500/723、500/886、または500/461のm/z値;
xii)配列番号150、約602/771、602/919、または602/658のm/z値;
xiii)配列番号151、約645/806、645/920、または645/693のm/z値;
xiv)配列番号152、約749/880、749/1084、または749/692のm/z値;
xv)配列番号153、約826/1090、826/904、または826/571のm/z値;
xvi)配列番号154、約615/863、615/963、または615/707のm/z値;および
xvii)配列番号155、約610/804、610/904、または610/691のm/z値
からなる群より選択される、特定のアミノ酸配列と関連する特定のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記タンパク質分解酵素がトリプシンを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
LC−MS/MSを利用して、前記少なくとも1つのペプチドが前記試料中に存在するか否かを決定するステップが、前記試料中の前記少なくとも1つのペプチドの量を定量すること、前記少なくとも1つのペプチドのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドを利用して、前記少なくとも1つのペプチドの定量を較正することを含み、既知の濃度の前記少なくとも1つのペプチドを含む標準を利用して、前記少なくとも1つのペプチドの定量を較正する、項目1に記載の方法。
(項目13)
アレルゲンについての試料の質量分析試験において使用するためのキットであって、
前記試料中に存在する、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高分子量グルテニン、低分子量グルテニンならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマ、マカダミアナッツ、ピスタチオナッツ、ブラジルナッツ、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツ由来のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1つのアレルゲンを、複数のペプチドへと断片化するための少なくとも1つのタンパク質分解酵素と;
質量分析計を使用して前記複数のペプチドのうち少なくとも1つを定量するための少なくとも1つの試薬と、
を含み、前記複数のペプチドのうち前記少なくとも1つが、配列番号1〜212のアミノ酸配列を有するペプチドを含む、キット。
(項目14)
少なくとも1つの前記複数のペプチドを定量するための前記少なくとも1つの試薬が、前記複数のペプチドのうち前記少なくとも1つのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドを含み、少なくとも1つの前記複数のペプチドを定量するための前記少なくとも1つの試薬が、選択された濃度の、前記質量分析計を較正するための前記複数のペプチドのうち前記少なくとも1つを含む、項目13に記載のキット。
(項目15)
アルキル化剤、還元剤、質量分析計を使用して前記アレルゲンのうちの前記少なくとも1つを定量するための指示書、または質量分析計における設定として使用されるトランジション対に関する情報をさらに含む、項目13に記載のキット。
【0058】
(詳細な説明)
当業者は、本明細書中に記載される方法およびキットが非限定的な例示的実施形態であること、出願人の開示の範囲が特許請求の範囲によってのみ規定されることを理解するであろう。出願人の教示は、種々の実施形態と合わせて記載されているが、出願人の教示がかかる実施形態に限定されることは意図していない。対照的に、出願人の教示は、当業者に理解されるとおりの、種々の代替、修飾および等価物を包含する。1つの例示的な実施形態と合わせて説明または記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされ得る。かかる修飾および変形も、出願人の開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0059】
種々の実施形態によれば、対象のアレルゲンに特異的な1つまたは複数のアミノ酸配列を検出することによって、質量分析法を使用してオボアルブミン、リゾチーム、カゼイン(アイソフォームS1およびS2)、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質の存在または量について試料をスクリーニングするための方法が提供される。例えば、アレルゲン特異的ペプチドは、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を使用して検出され得る。選択されたMRMトランジションが、試料中のアレルゲンの定量を可能にするために、各ペプチドについて観察され得る。
【0060】
これらの方法は、当該分野で公知の種々の質量分析法技術を利用できる。例えば、この質量分析法技術は、タンデム質量分析法(MS/MS)技術および/または液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)技術であり得る。いくつかの実施形態では、この技術は、LC−MS/MS技術ならびに三連四重極型機器および多重反応モニタリング(MRM)の使用を含む。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、オボアルブミンに特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド、例えば、本明細書中で同定された配列番号1〜7のアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによって、試料中のオボアルブミンを検出および/または定量するステップを含み得る。例えば、LC−MS/MSが、試料中のオボアルブミン特異的ペプチドの存在および/または量を決定するために使用され得る。1つの例示的な実施形態では、三連四重極型質量分析計が、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションをモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、このオボアルブミン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号1のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約391/504、391/667または391/433のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得、ここで用語「約」は、本明細書中で使用する場合、+/−1の原子質量単位の範囲内を意味する。他の実施形態では、このオボアルブミン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号2のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約762/1036、762/487、762/1150のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオボアルブミン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号3のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約605/419、605/621、または605、749のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオボアルブミン特異的ペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約673/1096、673/1024、673/1209、449/526、449/608、または449/639のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオボアルブミン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号5のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約791/1052、791/951、または791/1239のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオボアルブミン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号6のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約844/666、844/1332、または844/1121のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオボアルブミン特異的ペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約930/1017、930/1118、930/1303、または930/888のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。
【0062】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、各オボアルブミン特異的ペプチドに関連する複数のプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。例として、配列番号1のアミノ酸配列を有するオボアルブミン特異的ペプチドは、約391/504、391/667または391/433のm/z値を有するプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち任意の2つをモニタリングすることによって同定され得る。一実施形態では、3つ全ての同定されたプレカーサー−プロダクトイオン対がモニタリングされ得る。
【0063】
一実施形態では、試料中のオボアルブミンを検出または定量するための方法は、複数のオボアルブミン特異的ペプチドを検出するステップを含み得る。非限定的な例として、オボアルブミンは、本明細書中で同定された配列番号1〜7のアミノ酸配列を有するペプチドの任意の組合せまたは全てを使用することによって定量され得る。上で議論したように、各ペプチドについて、プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち1つまたは複数がモニタリングされ得る。
【0064】
以下の表1は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションと共に、出願人の教示に従って決定された、オボアルブミンに特異的なペプチドの配列、配列番号1〜7を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するオボアルブミンの信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。オボアルブミンに特異的なさらなるMRMトランジションは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、付録A、BおよびDに示される。
【0065】
以下の表では、断片イオンは、電荷ならびに従来の断片化命名法に対する言及を有する。例えば、2y4の標識は、二重に荷電した、y4断片(C末端由来の4つのユニット)である断片を示す。同様に、2b4の標識は、二重に荷電した、b4断片(N末端由来の4つのユニット)である断片を示す。これらの命名法規則は当業者に公知である。
【0066】
【表1】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、リゾチームに特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド、例えば、本明細書中で同定された配列番号8〜11のアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによって、試料中のリゾチームを検出および/または定量するステップを含み得る。例えば、三連四重極型質量分析計は、試料中のリゾチーム特異的ペプチドの存在および/または量を決定するために、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションをモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、このリゾチーム特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号8のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約438/737、438/452、または438/680のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このリゾチーム特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号9のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約497/621、497/847、または497/807のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このリゾチーム特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号10のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約715/804、715/951、または715/1065のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このリゾチーム特異的ペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約878/901、878/1064、または878/1178のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。
【0067】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、各リゾチーム特異的ペプチドに関連する複数のプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。例として、配列番号8のアミノ酸配列を有するリゾチーム特異的ペプチドは、約438/737、438/452または438/680のm/z値を有するプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち任意の2つをモニタリングすることによって同定され得る。一実施形態では、3つ全ての同定されたプレカーサー−プロダクトイオン対がモニタリングされ得る。
【0068】
一実施形態では、試料中のリゾチームを検出または定量するための方法は、複数のリゾチーム特異的ペプチドを検出するステップを含み得る。非限定的な例として、リゾチームは、本明細書中で同定された配列番号8〜11のアミノ酸配列を有するペプチドの任意の組合せまたは全てを使用することによって定量され得る。上で議論したように、各ペプチドについて、プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち1つまたは複数がモニタリングされ得る。
【0069】
以下の表2は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションと共に、本教示に従って決定された、リゾチームに特異的なペプチドの配列、配列番号8〜11を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するリゾチームの信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。リゾチームに特異的なさらなるMRMトランジションは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、付録A、BおよびDに示される。
【0070】
【表2】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、カゼインに特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド、例えば、本明細書中で同定された配列番号12〜23のアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによって、試料中のカゼインを検出および/または定量するステップを含み得る。例えば、この方法は、カゼインS1に特異的な単離されたペプチド、例えば、本明細書中で同定された配列番号12〜18のアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによって、試料中のカゼインのS1アイソフォームを検出または定量するステップを含み得る。例として、三連四重極型質量分析計は、試料中のカゼインS1特異的ペプチドの存在および/または量を決定するために、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションをモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、このカゼインS1特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号12のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約693/921、693/992、または693/1091のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS1特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号13のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約584/763、584/706、584/650、または438/600のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS1特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号14のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約416/488、416/587、または416/702のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS1特異的ペプチドは、配列番号15のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約634/992、634/771、または634/934のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS1特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号16のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約880/1325、880/1495、880/1438、880/436、587/758、587/871、または587/790のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS1特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号17のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約345/590、345/476、または345/573のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS1特異的ペプチドは、配列番号18のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約416/488、416/587、または416/702のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。
【0071】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、各カゼインS1特異的ペプチドに関連する複数のプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。例として、配列番号12のアミノ酸配列を有するカゼインS1特異的ペプチドは、約693/921、693/992または693/1091のm/z値を有するプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち任意の2つをモニタリングすることによって同定され得る。一実施形態では、3つ全ての同定されたプレカーサー−プロダクトイオン対がモニタリングされ得る。
【0072】
一実施形態では、試料中のカゼインのS1アイソフォームを検出または定量するための方法は、複数のカゼインS1特異的ペプチドを検出するステップを含み得る。非限定的な例として、カゼインS1は、本明細書中で同定された配列番号12〜18のアミノ酸配列を有するペプチドの任意の組合せまたは全てを使用することによって定量され得る。上で議論したように、各ペプチドについて、プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち1つまたは複数がモニタリングされ得る。
【0073】
以下の表3は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションと共に、出願人の教示に従って決定された、カゼインのS1アイソフォームに特異的なペプチドの配列、配列番号12〜18を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するカゼインのS1アイソフォームの信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。カゼインのS1アイソフォームに特異的なさらなるMRMトランジションは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、付録A、BおよびDに示される。
【0074】
【表3】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、カゼインS2に特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド、例えば、本明細書中で同定された配列番号19〜23のアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによって、試料中のカゼインのS2アイソフォームを検出および/または定量するステップを含み得る。例として、三連四重極型質量分析計は、試料中のカゼインS1特異的ペプチドの存在および/または量を決定するために、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションをモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、このカゼインS2特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号19のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約373/534または373/437のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS2特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号20のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約598/912、598/701、598/814、598/436のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS2特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号21のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約438/629、438/558、または438/445のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS2特異的ペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約490/648、490/761、490/833のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このカゼインS2特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号23のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約694/1187、694/811、または694/940のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。
【0075】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、各カゼインS2特異的ペプチドに関連する複数のプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。例として、配列番号19のアミノ酸配列を有するカゼインS2特異的ペプチドは、約373/534または373/437のm/z値を有するプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションの両方をモニタリングすることによって同定され得る。配列番号20のアミノ酸配列を有するカゼインS2特異的ペプチドに関して、約598/912、598/701、598/814または598/436のm/z値を有する、任意の2つ、3つまたは全ての同定されたプレカーサー−プロダクトイオン対がモニタリングされ得る。
【0076】
一実施形態では、試料中のカゼインのS2アイソフォームを検出または定量するための方法は、複数のカゼインS2特異的ペプチドを検出するステップを含み得る。非限定的な例として、カゼインS2は、本明細書中で同定された配列番号19〜23のアミノ酸配列を有するペプチドの任意の組合せまたは全てを使用することによって定量され得る。上で議論したように、各ペプチドについて、プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち1つまたは複数がモニタリングされ得る。
【0077】
以下の表4は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションと共に、出願人の教示に従って決定された、カゼインのS2アイソフォームに特異的なペプチドの配列、配列番号19〜23を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するカゼインのS2アイソフォームの信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。
【0078】
【表4】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、ラクトグロブリンに特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド、例えば、本明細書中で同定された配列番号24〜29のアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによって、試料中のラクトグロブリンを検出および/または定量するステップを含み得る。例えば、三連四重極型質量分析計は、試料中のリゾチーム特異的ペプチドの存在および/または量を決定するために、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションをモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、このラクトグロブリン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号24のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約533/853、533/754、または533/641のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このラクトグロブリン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号25のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約458/803、458/688、または458/504のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このラクトグロブリン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号26のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約1158/1453、1158/1581、1158/1255、772/1026、772/977、または772/912のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このラクトグロブリン特異的ペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約623/573、623/918、623/819、623/1047のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このラクトグロブリン特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号28のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約561/806、561/935、または561/692のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このラクトグロブリン特異的ペプチドは、配列番号29のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約419/653、419/556、または419/425のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。
【0079】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、各ラクトグロブリン特異的ペプチドに関連する複数のプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。例として、配列番号24のアミノ酸配列を有するラクトグロブリン特異的ペプチドは、約533/853、533/754または533/641のm/z値を有するプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち任意の2つをモニタリングすることによって同定され得る。一実施形態では、3つ全ての同定されたプレカーサー−プロダクトイオン対がモニタリングされ得る。
【0080】
一実施形態では、試料中のラクトグロブリンを検出および/または定量するための方法は、複数のラクトグロブリン特異的ペプチドを検出するステップを含み得る。非限定的な例として、ラクトグロブリンは、本明細書中で同定された配列番号24〜29のアミノ酸配列を有するペプチドの任意の組合せまたはさらには全てを使用することによって定量され得る。上で議論したように、各ペプチドについて、プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち1つまたは複数がモニタリングされ得る。
【0081】
以下の表5は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションと共に、出願人の教示に従って決定された、ラクトグロブリンに特異的なペプチドの配列、配列番号24〜29を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するラクトグロブリンの信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。ラクトグロブリンに特異的なさらなるMRMトランジションは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、付録A、BおよびDに示される。
【0082】
【表5】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、オオムギに特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド、例えば、本明細書中で同定された配列番号30〜33のアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を有し得る例B1−ホルデインまたはB3−ホルデインなどを検出することによって、試料中のオオムギ(Hordeum vulgare)を検出および/または定量するステップを含み得る。例えば、三連四重極型質量分析計は、試料中のオオムギ特異的ペプチドの存在および/または量を決定するために、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションをモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、このオオムギ特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号30のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約835/948、835/1097、または835/1228のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオオムギ特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号31のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約336/515、336/554、または336/497のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオオムギ特異的ペプチドは、本明細書中で同定された配列番号32のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約820/1097、820/548、または820/713のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。他の実施形態では、このオオムギ特異的ペプチドは、配列番号33のアミノ酸配列を有し得、この方法は、約499/785、499/575、または499/393のm/z値を有する少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。
【0083】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、各オオムギ特異的ペプチドに関連する複数のプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。例として、配列番号30のアミノ酸配列を有するオオムギ特異的ペプチドは、約835/948、835/1097、または835/1228のm/z値を有するプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち任意の2つをモニタリングすることによって同定され得る。一実施形態では、3つ全ての同定されたプレカーサー−プロダクトイオン対がモニタリングされ得る。同様に、配列番号31〜33のアミノ酸配列は、類似の様式で使用され得る。
【0084】
一実施形態では、試料中のオオムギを検出または定量するための方法は、複数のオオムギ特異的ペプチドを検出するステップを含み得る。非限定的な例として、オオムギは、本明細書中で同定された配列番号30〜33のアミノ酸配列を有するペプチドの任意の組合せまたは全てを使用することによって定量され得る。上で議論したように、各ペプチドについて、プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち1つまたは複数がモニタリングされ得る。
【0085】
以下の表6は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションと共に、本教示に従って決定された、オオムギに特異的なペプチドの配列、配列番号30〜33を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するオオムギタンパク質の信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。
【0086】
【表6】
いくつかの場合には、配列中に存在する個々のアミノ酸は、試料調製の過程において従来法の使用を介して修飾され得ることが、当業者に理解される。別の実施形態では、かかる修飾された配列もまた捕捉されることが意図されている。例えば、配列番号30は、試料調製の過程において、メタンチオスルホン酸メチルなどの遮断剤で遮断され得るシステイン部分を含み、遮断によって、システインがさらなる反応から遮断されている配列が生じ得る。他の遮断剤は当該分野で公知であり、ヨードアセトアミドが含まれ得る。従って、配列番号30〜33は、個々のアミノ酸がかかる遮断剤を含むように修飾された、修飾されたペプチド配列もまたその範囲内に含むことを認識すべきである。当業者は、遮断剤の付加があっても、その配列は実質的に類似のものである、質量はしかるべく変化することを認識している。かかる修飾は、本明細書中に開示される全てのアレルゲンの全ての配列にも適用可能である。
【0087】
他の実施形態によれば、この方法は、上で開示したアレルゲンに加えて他のアレルゲンを同定および定量するためにも使用され得、かかる他のアレルゲンには、低分子量および高分子量グルテニン、ならびにカラシナ、カラスムギ、ライムギ、ゴマ、コムギ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ラッカセイ、ピスタチオナッツおよびクルミ由来のタンパク質が含まれる。これは、オボアルブミン、リゾチーム、カゼインアイソフォームS1、カゼインアイソフォームS2、ラクトグロブリンおよびオオムギなどのアレルゲンについて上で例示したように、アレルゲンに特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド配列、例えば、以前に記載されたまたは表7〜19に概略が示される特定のアレルゲンに対するアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによっても達成され得る。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、アレルゲンに特異的な少なくとも1つの単離されたペプチド、例えば、特定のアレルゲンについて表7〜19に開示されるアミノ酸配列を有するペプチドのうち1つまたは複数を検出することによって、アレルゲンを検出および/または定量するステップを含み得る。例えば、三連四重極型質量分析計は、試料中のアレルゲン特異的ペプチドの存在および/または量を決定するために、選択された多重反応モニタリング(MRM)トランジションをモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、このアレルゲン特異的ペプチドは、表7〜19に記載されるアミノ酸配列を有し得、この方法は、そのアレルゲンに特異的なm/z値を有する、表7〜19に記載される少なくとも1つのプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得、表7〜19において入手可能な、記載されたそのアレルゲンに特異的な断片イオンをモニタリングするステップもまた含み得る。
【0089】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、各アレルゲン特異的ペプチドが、そのペプチドに関連する1つより多いプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションを有する場合、かかるペプチドに関連する複数のプレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするステップを含み得る。例として、表7〜19に記載されるアミノ酸配列を有するアレルゲン特異的ペプチドは、特定のアレルゲンについて表7〜19に見出される任意の2つの(利用可能な場合)プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングすることによって同定され得る。一実施形態では、利用可能な場合、3つ以上の同定されたプレカーサー−プロダクトイオン対が、利用可能な場合にモニタリングされ得る。
【0090】
一実施形態では、低分子量および高分子量グルチネン、ならびにカラシナ、カラスムギ、ライムギ、ゴマ、コムギ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ラッカセイ、ピスタチオナッツおよびクルミ由来のタンパク質を含む他のアレルゲンを検出または定量する方法は、複数のアレルゲン特異的ペプチドを検出するステップを含み得る。非限定的な例として、このアレルゲンは、本明細書中で同定された表7〜19に記載される特定のアレルゲンについてのアミノ酸配列を有するペプチドの任意の組合せまたは全てを使用することによって定量され得る。上で議論したように、各ペプチドについて、プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションのうち1つまたは複数がモニタリングされ得る。
【0091】
以下の表7〜19は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションおよび断片イオンと共に、低分子量および高分子量グルテニンのアレルゲン、ならびにカラシナ、カラスムギ、ライムギ、ゴマ、コムギ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ラッカセイ、ピスタチオナッツおよびクルミ由来のタンパク質由来のアレルゲンに特異的であることが本教示に従って決定されたペプチドの配列を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するアレルゲンの信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。
【0092】
さらに明確にするために、本教示によれば、表7〜19に記載されるアレルゲンの各々は、それらの最適なMRM Q1トランジション、Q3トランジションおよび断片イオンの情報と共に、そのアレルゲンについての決定されたペプチドの配列を示す。種々の実施形態によれば、これらの観察されたペプチドおよびトランジションは、試料中に存在するそのアレルゲンの信頼性のある定量を可能にするために使用され得る。
【0093】
【表7-1】
【0094】
【表7-2】
【0095】
【表7-3】
【0096】
【表7-4】
【0097】
【表8-1】
【0098】
【表8-2】
【0099】
【表8-3】
【0100】
【表8-4】
【0101】
【表9-1】
【0102】
【表9-2】
【0103】
【表9-3】
【0104】
【表9-4】
【0105】
【表10】
【0106】
【表11】
【0107】
【表12】
【0108】
【表13】
【0109】
【表14-1】
【0110】
【表14-2】
【0111】
【表15-1】
【0112】
【表15-2】
【0113】
【表16】
【0114】
【表17】
【0115】
【表18-1】
【0116】
【表18-2】
【0117】
【表19】
いくつかの実施形態では、2つ以上の上記アレルゲンが、LC−MS/MSを介して、上で議論したものなどの各アレルゲンに特異的な1つまたは複数のペプチドを検出することによって検出および/または定量され得、各ペプチドについて、上で議論したものなどの複数のMRMトランジションがモニタリングされ得る。一実施形態では、例えば、卵タンパク質は、オボアルブミンに特異的な2つのペプチドについて複数のMRMトランジションをモニタリングすること(例えば、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドについて930/1116、930/888および930/1017のMRMトランジションをモニタリングすること、ならびに配列番号7のアミノ酸配列を有するペプチドについてMRMトランジション390/667、390/504および390/433をモニタリングすること)ならびにリゾチームに特異的な1つのペプチドについて複数のMRMトランジションをモニタリングすること(例えば、配列番号8のアミノ酸配列を有するペプチドについて437/452、437/680および437/737のMRMトランジションをモニタリングすること)によって、試料中で検出され得る。一実施形態では、例えば、ミルクタンパク質は、カゼインアイソフォームS1に特異的な2つのペプチドについて複数のMRMトランジションをモニタリングすること(例えば、配列番号12のアミノ酸配列を有するペプチドについて693/920、693/991および693/1090のMRMトランジションをモニタリングすること、ならびに配列番号16のアミノ酸配列を有するペプチドについて880/1324、880/436、587/758、587/871および587/790のMRMトランジションをモニタリングすること)、カゼインアイソフォームS2に特異的な1つのペプチドについて複数のMRMトランジションをモニタリングすること(例えば、配列番号20のアミノ酸配列を有するペプチドについて598/911および598/456のMRMトランジションをモニタリングすること)、ならびにラクトグロブリンに特異的な1つについて複数のMRMトランジションをモニタリングすること(例えば、配列番号27のアミノ酸配列を有するペプチドについて623/1047、623/918、623/819のMRMトランジションをモニタリングすること)によって、試料中で検出され得る。他の実施形態では、表1〜19に開示される任意のアレルゲンの任意の組合せが、類似の手順を使用して、検出および/または定量され得る。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質のうち少なくとも1つについての試料の質量分析試験において使用するためのキットが提供される。このキットは、ニワトリオボアルブミン、ニワトリリゾチーム、ウシカゼインまたはウシラクトグロブリン、高または低グルテニン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツに特異的な1つまたは複数の単離されたペプチドを含み得る。例えば、このキットは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7のアミノ酸配列を有する1つまたは複数の単離されたオボアルブミン特異的ペプチドを含み得る。一態様では、このキットは、配列番号8、配列番号9、配列番号10または配列番号11のアミノ酸配列を有する1つまたは複数の単離されたリゾチーム特異的ペプチドを含み得る。一実施形態では、このキットは、1つまたは複数の単離されたカゼイン特異的ペプチドを含み得る。例えば、このキットは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18のアミノ酸配列を有するペプチドなどの、カゼインのS1アイソフォームに特異的な1つまたは複数の単離されたペプチドを含み得る。あるいはまたはさらに、このキットは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号23のアミノ酸配列を有するペプチドなどの、カゼインのS2アイソフォームに特異的な1つまたは複数の単離されたペプチドを含み得る。一実施形態では、このキットは、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28または配列番号29のアミノ酸配列を有する1つまたは複数の単離されたラクトグロブリン特異的ペプチドを含み得る。いくつかの実施形態では、このキットは、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン(S1および/またはS2)、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質の各々に特異的な少なくとも1つの単離されたペプチドを含み得る。例えば、このキットは、本明細書中で同定された配列番号1〜212に対応する単離されたペプチドの各々のうち1つを含み得る。あるいは、このキットは、配列番号1〜7に対応する群から選択される1つのペプチド、配列番号8〜11に対応する群から選択される1つのペプチド、配列番号12〜18に対応する群から選択されるペプチド、配列番号19〜23に対応する群から選択される1つのペプチド、配列番号24〜29に対応する群から選択される1つのペプチド、および表6〜19中のアレルゲンの各々から選択される1つのペプチドを含み得る。いくつかの実施形態では、これらのペプチドは、(例えば、15N、13Cを使用して)、同位体標識され得る。他の実施形態では、1つまたは複数のペプチドは、本明細書中に開示されるアレルゲンのうち全てではないがそのうちいくつかから選択され得る。
【0119】
いくつかの実施形態によれば、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質のうち少なくとも1つについての試料の質量分析試験において使用するためのキットが提供される。このキットは、例えば、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質のうち1つまたは複数を、複数のペプチドへと断片化するための少なくとも1つのタンパク質分解酵素を含み得る。例えば、このタンパク質分解酵素は、アレルゲンを、そのうち少なくとも1つが配列番号1〜212のアミノ酸配列を有する複数のペプチドへと断片化するのに有効であり得る。このキットは、質量分析計を使用して、配列番号1〜212のアミノ酸配列を有する複数のペプチドのうち少なくとも1つを定量するための少なくとも1つの試薬もまた含み得る。
【0120】
種々の処理および試薬が、質量分析的分析のために試料を調製するためおよび/またはアレルゲンを複数のペプチドへと断片化するために有効であり得る。例えば、1つの例示的な実施形態では、このタンパク質分解酵素は、アレルゲンを複数のペプチドへと分解できるトリプシンであり得る。いくつかの実施形態では、このキットは、トリプシンなどのタンパク質分解酵素が固定化されるLCカラムを含み得る。このキットは、緩衝液酵素、アルキル化剤、還元剤ならびに任意選択で他の試薬および/または成分を含む消化成分もまた含み得る。いくつかの実施形態では、このキットは、例えば、使用者が試料を添加する必要があるだけの均一アッセイを含み得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、このキットは、較正または正規化試薬または標準を含み得る。例えば、このキットは、アレルゲン特異的ペプチドの定量を較正するための、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン(S1および/またはS2)、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質の各々に特異的な少なくとも1つのペプチドを含み得る。非限定的な例として、このキットは、較正曲線が構築できるように、既知の濃度の、アレルゲン特異的ペプチドの各々についての溶液を含み得る。いくつかの実施形態では、このキットは、アレルゲン特異的ペプチドまたはアレルゲン(複数可)自体の定量を較正するための、対象のアレルゲン(例えば、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質)のうち少なくとも1つを含み得る。例えば、このキットは、既知の量の、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高または低グルテニン、ならびにコムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツ由来のタンパク質の各々を含み得る。あるいはまたはさらに、較正は、対象のペプチドと同じアミノ酸配列を有する少なくとも1つの同位体濃縮されたペプチドを用いて試料をスパイクすることによって実施され得る。従って、このキットは、配列番号1〜212の各々またはいくつかに対応する1つまたは複数の同位体濃縮されたペプチドを含み得る。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、異なるトランジションが、種々の要因に依存して、アッセイ結果を測定および評価するために使用され得る。従って、このキットは、試料と1つまたは複数の対照試薬との間の比較測定を可能にするのに有用な、異なるトランジション値および/または示唆された設定を含み得る。このキットは、アレルゲン特異的ペプチドの各々についてのQ1トランジション値およびQ3トランジション値に関する情報を含み得る。例えば、一実施形態では、このキットは、本明細書中で同定された配列番号1〜2の単離されたペプチドの各々を含み得、質量分析計を使用して、これらのペプチドのうち少なくとも1つを定量するための指示書をさらに含み得る。アッセイを実施するために使用され得るまたは使用すべき機器設定に関する情報もまた、このキット中に含まれ得る。試料調製、操作条件、容積測定的量、温度設定などに関する情報が、このキットに含まれ得る。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、異なるトランジションが、種々の要因に依存して、アッセイ結果を測定および評価するために使用され得る。従って、このキットは、試料と1つまたは複数の対照試薬との間の比較測定を行うのに有用な、異なるトランジション値および/または示唆された設定を含み得る。このキットは、トランジション値の特異的対、例えば、Q1/Q3トランジション対、あるいは1つまたは複数の異なるトランジション対の値を測定するための指示書を含み得る。
【0124】
このキットは、1つまたは複数の試薬容器および適切な指示書を含む、密封されたコンテナ中に包装され得る。電子媒体もまたこのキット内に含まれ得、1つまたは複数のアッセイ、測定値、トランジション対、操作指示書、操作を実行するためのソフトウェア、それらの組合せなどに関する電子情報を保存および/または提供できる。
【0125】
いくつかの態様によれば、本明細書中に記載される処理を制御できるおよび/または計算を実施できるソフトウェアが、提供される。例えば、このソフトウェアは、1つまたは複数の特異的プレカーサー−プロダクトイオン対トランジションをモニタリングするために、質量分析計に指示を提供し得る。
【0126】
このソフトウェアは、例えばキットに提供された較正標準の質量分析的分析に基づいて較正データを生成するためのモジュール、ならびに上記ペプチドおよびMRMトランジションのうち1つまたは複数を同定するために質量分析データ(例えば、LC−MS/MSデータ)を受信および分析するためのモジュールを含み得る。上記アレルゲンのうち1つに特異的な1つまたは複数のペプチドの同定に際して、このソフトウェアは、これらのペプチドおよび関連するアレルゲンを定量するために較正データを利用し得る。
【0127】
他の実施形態では、アレルゲンについての試料のスクリーニングが達成され得る方法が提供され、この方法は、以下:試料を取得するステップ;この試料を少なくとも1つのタンパク質分解酵素で消化して、存在する場合には試料中に存在する少なくとも1つのアレルゲンを複数のペプチドへと断片化するステップであって、前記少なくとも1つのアレルゲンは、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高分子量グルテン、低分子量グルテン、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマ、マカダミアナッツ、ピスタチオナッツ、ブラジルナッツ、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツからなる群より選択される、ステップ;ならびに液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を使用して、少なくとも1つの前記複数のペプチドの量を決定することによって、試料中に存在する前記アレルゲンのうち少なくとも1つを定量するステップ、を含み、前記複数のペプチドのうち少なくとも1つは、配列番号1〜212のアミノ酸配列を有するペプチドを含む。他の実施形態では、アレルゲンのうち2つ以上が定量される。別の実施形態では、前記複数のペプチドのうち2つ以上が、前記アレルゲンのうち前記少なくとも1つを定量するために決定される。別の実施形態では、少なくとも1つの選択されたMRMトランジションが、前記複数のペプチドの各々についてモニタリングされる。代替的な実施形態では、2つ以上の選択されたMRMトランジションが、前記複数のペプチドの各々についてモニタリングされる。なお別の実施形態では、このタンパク質分解酵素はトリプシンである。
【図面の簡単な説明】
【0128】
図1図1は、パンの例示的な「ブランク」試料から得られる例示的なクロマトグラムを示す。
図2図2は、ミルクでスパイクしたパン試料から得られる、ミルクペプチドを含む例示的なクロマトグラムを示す。
図3図3A、3B、3Cは、3つの特異的ミルクペプチドについて得られたシグナルを示す。
図4図4は、カラシナを含む試料の質量スペクトルを示す。
図5図5は、配列番号20のペプチドについての較正線を示す。
図6図6は、配列番号16のペプチドについての較正線を示す。
図7図7は、配列番号12のペプチドについての較正線を示す。
図8図8は、配列番号27のペプチドについての較正線を示す。
図9図9は、配列番号7のペプチドについての較正線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0129】
(実施例)
出願人の教示は、以下に続く実施例および得られたデータを参照してなおより完全に理解され得る。出願人の教示の他の実施形態は、本明細書の検討および本明細書中に開示される本発明の教示の実施から、当業者に明らかとなろう。これらの実施例は、例示に過ぎないとみなされることが意図されている。
【0130】
(実施例1)
溶液の調製
抽出緩衝液−Tris(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール、3.03g)および尿素(60g)を水(480mL)中に溶解させて、50mM Tris緩衝液/2M尿素抽出溶媒を作製した。得られた溶液は、およそ10のpHを有した。
【0131】
消化緩衝液−炭酸水素アンモニウム(3.16g)を水(400mL)中に溶解させた。得られた溶液は、およそ7.8のpHを有した。
【0132】
酵素溶液−トリプシン(1g)を消化緩衝液(20mL)中に溶解させて、50mg/mLの濃度のストック溶液を作製した。このストック溶液(100μL)を、10mLの消化緩衝液中にさらに希釈して、500μg/mL溶液の最終トリプシン溶液を作製した。全ての酵素溶液を、保存のために−20℃(以下)で凍結し、使用前に解凍した。
【0133】
ヨードアセトアミド溶液−ヨードアセトアミド(0.925g)を10mLの水に添加し、超音波処理して固体を溶解させた。この0.5Mヨードアセトアミド溶液は、使用前に新たに調製し、使用後に廃棄した。
【0134】
混合アレルゲンスパイク溶液の調製−20.0mg(0.0200g)の各タンパク質(卵リゾチーム、卵アルブミン、ミルクα−カゼインおよびミルクβ−ラクトグロブリン)を、15mLポリプロピレン遠心チューブ中で10.0mLの抽出緩衝液中に溶解させて、2000μg/mLの各アレルゲンを含む組み合わされたスパイク溶液を作製する。得られた混合アレルゲンスパイク溶液は、冷蔵庫で保存した場合には1か月間安定である。より長期の安定性は決定していない。
【0135】
試料調製
上で議論したように、これらの試料は、種々の供給源から誘導され得る。この実施例では、試料を、焼いて乾燥させた食料品から得た。微細に粉末化した試料(5.0g)を、遠心チューブ(50mL)中で30mLの抽出緩衝液と混合し、この混合物を、激しく振盪することによって破壊し、ローラーミキサーを使用してさらに撹拌した(60分間)。遠心チューブを5分間3500rpmおよび15℃でスピンダウンした。200μLの1M DTT溶液を、6mLの上清に添加する。試料を混合し、37℃で60分間加熱した。次いで、試料を室温まで冷却し、2.0mLの新たに調製した水中0.5Mのヨードアセトアミド溶液を添加した。試料を振盪して混合し、光から保護して保存した(室温で30分間)。各試料に、6mLの消化緩衝液(0.1M炭酸水素アンモニウム)を添加し、その後400μLのトリプシン酵素溶液を添加した(1試料当たり200μgの総酵素)。試料を37℃で一晩インキュベートした。試料を遠心分離し(3000rpmで5分間、10℃)、0.45μ RCフィルターを介して濾過した。濾液を、0.5mLのギ酸で酸性化した。
【0136】
Strata(商標)X SPEカートリッジを、0.1%ギ酸を含むアセトニトリル6mLで調整し、その後0.5%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む水6mLで調整した。遠心分離した試料由来の上清を、1秒当たり1〜2滴の速度で、SPEカートリッジ上にロードした。SPEカートリッジを、水中0.5%のTFA 3mLで洗浄した。アレルゲンペプチドを、6mLのアセトニトリルで溶出させ、遠心蒸発器を使用して乾燥するまで蒸発させた。
【0137】
試料残渣を、300μLの水/アセトニトリル溶液(5%アセトニトリルおよび0.5%ギ酸を含む95%水)を添加することによって再構成した。試料を20〜30秒間ボルテックスし、30分間超音波処理して、材料の溶解を完了させた。内容物を1.5mL Eppendorfチューブに移し、遠心分離した(13000rpmで5分間)。上清を取り出し、HPLC分析のために、圧入キャップを有する300μLポリプロピレンHPLCバイアルに移した。
【0138】
クロマトグラフィーを、999mlの水中1.00mlのギ酸および999mlのアセトニトリル中1.00mlのギ酸の移動相溶液を使用して、Phenomenex Analytical Column、4μm、Synergi Hydro−RP 80A Column 150×2.1mmを使用するShimadzu Prominence LCシステムを使用して実施した。流量は、30℃のカラムオーブン温度で0.300ml/分であった。
【0139】
試料を、TurboIonSpray(登録商標)イオン源を使用して、Applied Biosystems 4000QTRAP(登録商標)LC/MS/MSシステムで分析した。化合物を、90sのMRM検出ウインドウおよび0.40sの標的スキャン時間でスケジュールMRM(sMRM)を使用して分析した。Q1を低く設定し、Q3をユニット分解能に設定して、最大のシグナル応答を得た。
【0140】
(実施例2)
試料を調製するための別の方法が、この実施例に記載される。NANOSEP 10k OMEGA(100/pk)およびPhenex RCメンブレン、0.45μm、26mmシリンジフィルター。さらに、以下のHPLC溶媒および消耗品を利用した:水、メタノール(MeOH)、アセトニトリル(CAN)、50mLポリプロピレン遠心チューブ、15mLポリプロピレン遠心チューブ、使い捨てガラス培養チューブ(13×100mm)、ポリプロピレン微量遠心チューブ(1.5mL)、コニカルポリプロピレンHPLCバイアルおよびキャップ(300μL)、使い捨てシリンジ、10mL容量、ルアー端。さらに、以下の装置が、抽出および試料処理に必要であった:超遠心のために50mLチューブ、微量遠心のために1.5mLチューブ、試料処理のためにSPEマニフォルド(真空ポンプを備える)、強制空気インキュベーター(37℃に設定)、ローラーシェイカー、遠心蒸発器/濃縮器。
【0141】
溶液の調製
抽出緩衝液−Tris(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン(propance)−1,3−ジオール、3.03g)および尿素(60g)を水(480ml)中に溶解させ、完全に溶解するまで撹拌して、50mM Tris緩衝液/2M尿素抽出溶媒を作製した。
【0142】
消化緩衝液−炭酸水素アンモニウム(3.16g)を水(378mL)中に溶解させた。これに、2mlの1M塩化カルシウムおよび20mlのアセトニトリルを添加した。pHはおよそ7.8であった。
【0143】
酵素溶液−トリプシン(1g)を消化緩衝液(20mL)中に溶解させて、50mg/mLの濃度のストック溶液を作製した。ストック溶液(100μL)を、10mLの消化緩衝液中にさらに希釈して、500μg/mL溶液の最終トリプシン溶液を作製した。全ての酵素溶液を、保存のために−20℃(以下)で凍結し、使用前に解凍した。
【0144】
個々のアレルゲンストック溶液の調製−10mg/mlストック溶液を、5ml Eppendorfチューブ中で、3.0mlの抽出緩衝液中に各30.0mgの卵アルブミン、ミルクカゼインおよびラクトグロブリン(lactoglobulin))を溶解させることによって調製した。得られたアレルゲンストック溶液は、−20℃以下で保存した場合には3か月間安定であったが、より長期の安定性は決定していない。
【0145】
混合アレルゲンスパイク溶液の調製−1.0mlの各アレルゲンストック溶液(10mg/ml)(卵アルブミン、ミルク(mile)カゼインおよびミルクラクトグロブリン)を、5ml Eppendorfチューブ中に移し、これに2.0mlの抽出緩衝液を添加し、混合した。混合アレルゲンストック溶液は、2mg/mlの各アレルゲンを含んでおり、−20℃以下で保存した場合には1か月間安定であるが、より長期の安定性は決定していない。
【0146】
混合アレルゲンスパイク溶液の調製−100μLの混合アレルゲンストック溶液(2mg/ml)を、900μLの抽出緩衝液を含む2mL eppendorfチューブに添加した。得られた溶液は、200μg/mlの各アレルゲンタンパク質を含んでいた。
【0147】
試料調製
1.00gの微細に粉末化した試料を、15ml遠心チューブ中に量り取った。各個々の試料由来の連続添加較正試料を、表20に従って各個々の試料から調製した。
【0148】
【表20】
各混合物を激しく振盪して混合物を破壊し、次いで、ローラーミキサーを使用してさらに60分間撹拌した。遠心チューブを、3500rpmおよび15℃で20分間スピンダウンした。500μLの各上清を2ml eppendorfチューブおよび50μLのTCEP溶液に添加し、60℃で60分間インキュベートしてボルテックス混合した。次いで、チューブを室温まで冷却させ、25μLのMMTSを添加し、再度ボルテックスして混合し、10分間インキュベートした。500μLの消化緩衝液を各試料に添加し、その後20μLのトリプシン酵素溶液(1試料当たり20μfの総酵素を含む)を添加した。溶液をボルテックスによって完全に混合した。次いで、試料を37℃で一晩インキュベートした。次の日に、30μLのギ酸を各試料に添加し、十分に混合した。次いで、試料を13000rpmで5分間遠心分離した。500μLの上清を10K−MwCOフィルター中に取り、13000rpmで20分間遠心分離した。200μLの濾液を、LC/MS/MS分析のために適切なポリプロピレンHPLCオートサンプラーバイアル中に移し、残りは、必要な場合のさらなる分析のために−20℃で保存した。
【0149】
クロマトグラフィーを、999mlの水中1.00mlのギ酸および999mlのアセトニトリル中1.00mlのギ酸の移動相溶液を使用して、Phenomenex Analytical Column、4μm、Synergi Hydro−RP 80A Column 150×2.1mmを使用するShimadzu Prominence LCシステムを使用して実施した。このシステムはまた、システムコントローラ(CBM−20A)、2アイソクラチックポンプLC−20AD(セミミクロ50μLミキサーを備える)、オートサンプラーSIL−20ACおよびカラムオーブンCTO−20ACからなった。さらに、ガードカラム(Phenomenexトラップカートリッジ、4μm、Synergi Hydro−RP 80A Mercury、20×2.0mm)、カートリッジホルダー(Phenomenex MercuryMS 20mm Cartridge Holder)を利用し、95:5(v:v)のアセトニトリル:水+0.05%TFAのニードルリンスを、流量:0.300mL/分、平衡化時間:0.5分、カラムオーブン温度:30℃、および注入体積:30μLで利用した。オートサンプラーニードルリンスシーケンスは、リンス体積:1000μL、ニードルストローク:52mm、リンス速度:35μL/秒、サンプリング速度:2.0μL/秒、リンス浸漬時間:5秒、リンスモード:吸引の前および後、を含んだ。
【0150】
試料を、正の極性を有するTurboIonSpray(登録商標)イオン源を使用して、Applied Biosystems 4000QTRAP(登録商標)LC/MS/MSシステムで分析した。化合物を、90sのMRM検出ウインドウおよび0.40sの標的スキャン時間でスケジュールMRM(sMRM)を使用して分析した。Q1を低く設定し、Q3をユニット分解能に設定して、最大のシグナル応答を得た。利用した他のパラメータは、供給源/ガスパラメータIS:5500、CUR:30psi、TEM:500℃、GS1:35psi、GS2:46psi、Ihe:オンおよびCAD:高、を含んだ。
【0151】
化合物MRMパラメータおよび保持時間は、DP:可変、EP:10、CXP:可変、休止時間:可変、Q1分解能:低、Q3および分解能:ユニットを含んだ。
【0152】
較正曲線を、絶対ピーク面積対連続スパイク試料の名目濃度の最小二乗回帰を使用して、絶対ピーク面積から導出した。回帰直線からの偏差を、回帰方程式を使用して計算して、各スパイクレベルにおける濃度を戻し計算する。標的ペプチドの濃度を、スパイクしていない試料の見かけの濃度から計算した回帰曲線から得る。卵アルブミン、卵リゾチーム、ミルクカゼインおよびラクトグロブリンの各々についての直線範囲は、10μg/gと100μg/gとの間の範囲である。
【0153】
各試料は、定量のための独自の直線範囲を有する。完全な較正曲線中の較正標準は、適用可能な範囲を満たすために回帰から排除すべきである。これらの較正曲線を図5〜9に示す。
【0154】
図5は、パン中に200ppmがスパイクされた場合の、配列番号20のカゼインペプチドについての較正線を示す。図6は、パン中に200ppmがスパイクされた場合の、配列番号16のカゼインペプチドについての較正線を示す。図7は、パン中に200ppmがスパイクされた場合の、配列番号12のカゼインペプチドについての較正線を示す。図8は、パン中に200ppmがスパイクされた場合の、配列番号27のウシペプチドについての較正線を示す。図8は、パン中に200ppmがスパイクされた場合の、配列番号7のオボアルブミンペプチドについての較正線を示す。
【0155】
(実施例3)
カラシナのパッケージを、100mMのTrisおよび2M尿素と合わせた。pHを、水酸化アンモニウムを使用して9および9.5のpHに調節し、関連のタンパク質を抽出した。試料を、システインを遮断するためにヨードアセトアミドを添加するさらなる処理と共に、実施例1または2に記載されるのと類似の調製および分析技術に供した。そのシステインがヨードアセトアミドで修飾されたペプチド配列、配列番号103を単離し、分析した。図4はこの試料の質量スペクトルを示す。明らかなように、質量スペクトルのピークは、2/y4における断片イオンに対応する380/499、2/y5における断片イオンに対応する380/659、2/b5における断片イオンに対応する380/584(マイナーピーク)および2/b4における断片イオンに対応する380/487において同定される。
【0156】
対象のペプチドおよび/またはアレルゲンの定量は、種々の較正技術を利用できる。例えば、既知の量の選択されたペプチドを含む較正標準が、質量分析的分析の前に試料に添加されて、LC−MS/MSを介して引き続き実施される試料の定量を可能にする較正曲線を生成できる。いくつかの実施形態では、既知の量の対象のアレルゲン(複数可)が、質量分析的分析のために試料を調製する前に、試料に添加され得る。例として、既知の量の、オボアルブミン、リゾチーム、カゼイン、ラクトグロブリン、高または低グルチン(glutin)、コムギ、ライムギ、カラスムギ、オオムギ、カラシナ、ゴマならびにマカダミア、ピスタチオ、ブラジル、クルミ、ラッカセイおよびヘーゼルナッツを含む種々のナッツのうち1つまたは複数が、タンパク質分解酵素で試料を消化する前に、試料に添加され得る。既知の濃度の対象のアレルゲン(複数可)で試料をスパイクすることによって、アレルゲン(複数可)またはそれらの特異的ペプチドの定量が較正され得る。いくつかの実施形態では、種々の既知の量の対象のアレルゲン(複数可)でスパイクした複数の試料が、例えば、段階希釈または標準添加方法を使用して、較正曲線を生成するために反復して試験され得る。質量分析的分析から得られるデータの較正曲線が、例えば、「スパイクしていない」試料中のペプチドおよび/またはアレルゲン(複数可)の見かけの濃度を計算するために使用され得る。種々の較正曲線および較正プロトコールの一実施形態に関するさらなる詳細を、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、種々のペプチドについての較正曲線を示す図5〜9にさらに示す。
【0157】
いくつかの実施形態では、ペプチドの量は、例えば、同位体希釈質量分析法によって決定され得、このとき、調製された試料は、同位体濃縮された形態の対象のペプチドでスパイクされる。1つの例示的な実施形態では、較正標準は、異なる実施について種々の濃度(例えば、段階希釈)を使用して、試料中に「スパイク」され得る。質量分析的分析から得られるデータの較正曲線は、例えば、「スパイクしていない」試料の見かけの濃度を計算するために使用され得る。
【0158】
当業者は、上記の実施形態に基づいて、出願人の教示に従う方法およびシステムのさらなる特徴および利点を理解するであろう。従って、出願人の開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除いて、具体的に示され記載されたものに限定されない。本明細書中で引用される全ての刊行物および参考文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]