特許第6605106号(P6605106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605106
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】3Dプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/124 20170101AFI20191031BHJP
   B29C 64/314 20170101ALI20191031BHJP
   B29C 64/255 20170101ALI20191031BHJP
   B29C 64/232 20170101ALI20191031BHJP
   B29C 64/236 20170101ALI20191031BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20191031BHJP
【FI】
   B29C64/124
   B29C64/314
   B29C64/255
   B29C64/232
   B29C64/236
   B29C64/241
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-198965(P2018-198965)
(22)【出願日】2018年10月23日
(65)【公開番号】特開2019-142208(P2019-142208A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2018年10月23日
(31)【優先権主張番号】201810154541.8
(32)【優先日】2018年2月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514008930
【氏名又は名称】三緯國際立體列印科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】XYZprinting, Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】511067204
【氏名又は名称】金▲宝▼電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(72)【発明者】
【氏名】李 安修
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 澄富
(72)【発明者】
【氏名】周 金源
(72)【発明者】
【氏名】林 財億
【審査官】 山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−201875(JP,A)
【文献】 特開2015−027738(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/106082(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械プラットフォームと、
液体形成材料を保持するように構成され、前記機械プラットフォームに移動可能に組み立てられる容器と、
前記容器内に配置され、前記容器と共に移動する少なくとも1つの攪拌部材と、
前記機械プラットフォームに固定されて前記容器内に延伸する駆動部材であって、前記駆動部材と前記少なくとも1つの攪拌部材とは、互いの移動経路上に相互に位置し、前記容器の移動プロセスの際に、前記駆動部材と前記少なくとも1つの攪拌部材とは、互いに対して傾斜して前記攪拌部材の動作をトリガし、前記容器内の前記液体形成材料を攪拌する駆動部材と、
を備えたことを特徴とする3Dプリンタ。
【請求項2】
前記攪拌部材は、攪拌部と弾性部とを備え、
前記弾性部は前記攪拌部と前記容器の底部との間に接続され、前記駆動部材が前記攪拌部材を通過する際、前記駆動部材は前記攪拌部に対して傾斜して前記弾性部を変形させ、
前記駆動部材が前記攪拌部材から離間する場合、前記弾性部は、前記攪拌部を元に戻るように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項3】
前記容器の底部に所定の間隔で配置された複数の攪拌部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項4】
前記容器の底部に所定の間隔で配置され、前記駆動部材の前記移動経路上に位置する複数の攪拌部材及び複数のスペーサをさらに備え、
前記容器の底部に対する各前記スペーサの高さは、前記容器の底部に対する前記駆動部材の高さよりも低く、
前記容器の底部に対する各前記攪拌部材の高さは、前記容器の底部に対する前記駆動部材の高さよりも高い、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項5】
前記攪拌部材及び前記スペーサは、波構造を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載の3Dプリンタ。
【請求項6】
前記攪拌部材及び前記スペーサは、モノリシック構造を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載の3Dプリンタ。
【請求項7】
前記攪拌部と前記容器の底部との間にスペースが存在し、前記攪拌部が前記駆動部材によって押圧されない場合、前記容器内の前記液体形成材料の一部が前記スペース内に流れ込み、前記攪拌部が前記駆動部材によって押圧される場合には、前記スペース内の前記液体形成材料が前記攪拌部によって絞り出される、ことを特徴とする請求項2に記載の3Dプリンタ。
【請求項8】
前記機械プラットフォーム上に移動可能に配置され、前記容器内に移動し、または前記容器内から離間するよう適合された成形プラットフォームをさらに備え、
前記容器の底部は、成形エリアと非成形エリアとに分割され、前記成形プラットフォームは、前記容器内に移動して前記成形エリアに位置し、前記攪拌部材は、前記非成形エリアに位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項9】
前記容器は、円形の筒であり、前記少なくとも1つの攪拌部材は、前記円形の筒の最外周縁を包囲する、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項10】
前記容器は、角形の筒であり、前記少なくとも1つの攪拌部材は、前記角形の筒の少なくとも一の側に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項11】
前記攪拌部材は、前記容器の底部から離間あるいは接近する動作モードをさらに有し、前記容器の移動プロセスの際に、前記駆動部材及び前記少なくとも1つの攪拌部材は、互いに対して傾斜して前記攪拌部材の動作モードをトリガし、前記容器の底部から離間あるいは接近させる、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、三次元(3D)プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援製造(CAM)の進歩に伴い、製造産業においては、迅速にオリジナルデザインプロトタイプを生成可能なラピッドプロトタイピング(RP)技術が開発されてきた。RP技術は、幾何学的形状に制限がなく、プリントされるパーツがより複雑であるほど、当該技術はより優れたものとなり、またRP技術はマンパワーと処理時間を大幅に節約し、最短時間の要求という点では、3DCAD上に真のデザインパーツが表現され、これは、触れられるだけでなく、その幾何学的な曲線が真に感じられるものであり、パーツの組み立て性がテストでき、また可能性のある機能性テストも行うことができる。
【0003】
フォトポリマーは、多くの3Dプリンタや、ステレオリソグラフィ装置(SLA)、デジタル光処理(DLP)、連続的液体結合製造(CLIP)等の技術に共通して用いられる液体の形成材料であり、全て、液体形成材料、例えばフォトポリマーをプリンティング材料として用いる。
【0004】
SLA技術を例にすると、プラットフォームが、液体形成材料と接するように容器内に上から下まで移動された後、容器の下の硬化光源は、容器を通過してプラットフォームと容器との間に位置する液体形成材料を硬化させて形成層を形成する光を照射し、次に、形成層は、容器の底部から剥がされ、形成材料がプラットフォームへ取り付けられ、その後、3Dオブジェクトを構築するために層毎にプラットフォーム上で形成層が積層される。
【0005】
硬化処理の間に、硬化光のエネルギーは、連続的にフォトポリマーに蓄積され、形成層へと硬化されるべきでないフォトポリマーであってもエネルギーの蓄積の影響を受けて質的変化を生じ、時間の経過とともに、フォトポリマーのこの部分が、また硬化される機会を有している。フォトポリマーのこの部分が実質的に硬化されなくても、質的変化によって生じた物理的性質及び化学的性質の変化に伴い、続く3Dプリンティングに影響を与え得る。従って、3Dプリンティングプロセスの間、あるいは3Dプリントプロセス間で生じる硬化を回避するため、3Dプリンティングに求められる物理的性質及び化学的性質に応じた容器内のフォトポリマーをどのように維持するかが、この分野に関連する技術者によって解決されるべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、駆動部材及び攪拌部材が共働で用いられて容器内の液体形成材料を攪拌する効果を得る三次元(3D)プリンタに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の実施の形態は、機械プラットフォームと、容器と、少なくとも1つの攪拌部材と、駆動部材とを備える3Dプリンタを提供する。容器は液体形成材料を保持することに用いられ、この容器は、機械プラットフォームと、に移動可能に組み立てられる。攪拌部材は、容器内に配置されて容器と共に移動し、この攪拌部材は、さらに、容器の底部から離間あるいは接近する動作モードを有する。駆動部材は機械プラットフォーム上に固定されて容器内に延伸する。駆動部材及び攪拌部材は、互いの移動経路上に相互に位置する。容器の移動プロセスの際、駆動部材及び攪拌部材は互いに対して傾斜して攪拌部材の動作モードをトリガして容器の底部から離間あるいは近接させ、これによって容器内の液体形成材料を攪拌する。
【発明の効果】
【0008】
要約すると、本開示の実施の形態においては、光エネルギー蓄積が容器内の液体形成材料に影響する状況を回避するため、少なくとも1つの攪拌部材が容器の非成形エリアに設けられ、駆動部材が、機械プラットフォーム上に配置されて容器内に延伸し、駆動部材及び攪拌部材が、互いの移動経路上に相互に配置され、駆動部材は攪拌部材に対して傾斜して攪拌部材の動作、例えば、容器の底部から離間あるいは接近する動作モードをトリガし、これによって容器内の液体形成材料に対する攪拌効果が与えられる。
【0009】
本開示の前述した、及び他の特徴及び利点についての理解を容易にするため、添付の図面とともにいくつかの例示的な実施の形態について以下に詳細に説明する。
【0010】
添付の図面は本開示についての更なる理解のために供され、本明細書に取り込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は本開示の実施の形態を図示し、詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態に係る3Dプリンタの概略図である。
【0012】
図2】別の状態における図1の3Dプリンタの概略図である。
【0013】
図3図1の3Dプリンタの構成要素の一部の電気的接続を示す図である。
【0014】
図4図2の容器の上面図である。
【0015】
図5】本開示の別の実施の形態に係る3Dプリンタの部分的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の好ましい実施の形態について、詳細に説明する。それらの例を添付の図面に示す。可能な限り、同一あるいは同様の部分については図面において同一の参照番号を付す。
【0017】
図1は、本開示の実施の形態に係る3Dプリンタの概略図である。図2は、別の状態における3Dプリンタの概略図であり、理解を容易にするため一部が省略されている。図3は、図1の3Dプリンタの構成要素の一部の電気的接続を示す図である。構成要素の説明を容易にするため、XYZ座標系を採用する。図1から3を参照し、本実施の形態では、3Dプリンタ100は、例えば、機械プラットフォーム110と、成形プラットフォーム120と、容器130と、硬化モジュール140と、駆動モジュール150と、制御モジュール160とを含むステレオリソグラフィ装置(SLA)である。図1に示すように、駆動モジュール150は、機械プラットフォーム110上に配置されたガントリ移動プラットフォームを備え、成形プラットフォーム120は、ガントリ移動プラットフォーム上に配置されて駆動され、XZ面上の移動を実行する。また、駆動モジュール150は、機械プラットフォーム110上に配置された循環機構をさらに備え、容器130は循環機構上に配置され、回転軸C1(回転軸C1はZ軸と平行)を中心にして成形プラットフォーム120に対して回転するよう適用される。駆動モジュール150は、既存の移動機構によって具現されてよく、従って詳細については省略する。駆動モジュール150は、制御モジュール160に電気的に接続され、上記の駆動動作を実行するように制御モジュール160によって制御される。
【0018】
容器130は、液体の形成材料(例えば、フォトポリマー)を保持するために用いられ、硬化モジュール140は、機械プラットフォーム110の下に配置されて制御モジュール160に電気的に接続され、成形プラットフォーム120が駆動されて容器130内の液体形成材料に浸された際、制御モジュール160は硬化モジュール140を駆動して容器130の底部を通過する硬化光(例えば、紫外線光)を供給し、液体形成材料を硬化させ、硬化した液体形成材料が成形プラットフォーム120上に形成層を形成し、成形プラットフォーム120と容器130との間の引っ張り動作(つまり、成形プラットフォーム120が駆動されて正のZ方向に移動して容器130の底部から離間する)とともに、形成層が容器130の底部から剥がされ、成形プラットフォーム120上に形成層を形成する効果が達成される。このようにして、形成層が成形プラットフォーム120上に層毎に上記の手順に従って積層されることで、3Dオブジェクトがプリントされる。3Dオブジェクトを形成する方法、及び3Dプリンタ100の対応する構成要素については、ステレオリソグラフィ装置(SLA)の技術から理解可能なので、ここでは詳細については省略する。
【0019】
本実施の形態の3Dプリンタ100は、さらに、少なくとも1つの攪拌部材170と、駆動部材180とを備え、攪拌部材170は、容器130内に配置されて容器130に沿って回転軸C1を中心にして回転し、攪拌部材170は、さらに、容器130の底部から離間あるいは接近する動作モードを有する。駆動部材180は、機械プラットフォーム110上に固定されて容器130内で延伸し、駆動部材180及び少なくとも1つの攪拌部材170とは、それぞれの移動経路上に相互に配置される。このようにして、容器130が駆動モジュール150によって駆動されて回転軸C1を中心にして回転する際、駆動部材180及び攪拌部材170は互いに対して傾斜して攪拌部材170の動作モード、つまり、攪拌部材170が容器170の底部から離間あるいは接近する動作モードがトリガされ、容器130内の液体形成材料が撹拌される。本実施の形態では、駆動部材180はガントリ移動プラットフォーム上に配置されて容器内に延伸するが、その位置はこの例に限定されない。本実施の形態の攪拌部材170及び駆動部材180のデザインに基づいて、容器130内の液体形成材料を攪拌する動作は、成形プラットフォーム120と容器130との間の引っ張り動作と同時に行われてよい。つまり、成形プラットフォーム120が駆動されてZ軸方向に移動して容器130の底部から離間する際、容器は、一般に、回転されて引っ張り動作をアシストし、本実施の形態の攪拌部材170及び駆動部材180のデザインに基づいて、容器130の回転は、攪拌部材170の動作となり、容器130内の液体形成材料に対する攪拌効果が得られ、攪拌を行うための追加のステップに要する時間が効果的に節約される。
【0020】
図2に示すように、本実施の形態では、複数の攪拌部材170が用いられ、攪拌部材170は、所定の間隔で容器130の底部に配置される。容器130は円形の筒であり、攪拌部材170は、円形の筒の底部の最外周縁に位置し、容器130の回転に伴って、固定位置の駆動部材180が連続して攪拌部材170を通過する。また、各攪拌部材170は、攪拌部と弾性部174とを備え、弾性部174は、攪拌部と容器130との間に接続され、攪拌部172は、Z軸に沿って容器130に対して移動するように適合された構成と考えることができる。つまり、攪拌部材170は、容器130とともにZ軸を中心に回転し、駆動部材180が攪拌部172を通過して当該攪拌部に対して傾斜すると、駆動部材180は、攪拌部172を押圧して攪拌部174を変形させ、これにより、攪拌部172は容器130の底部に接近する。駆動部材180が攪拌部材170から離間すると、弾性部174の弾性力が、攪拌部172を元に戻るように駆動、つまり、容器130の底部から離間させる。換言すると、容器130の回転に伴って、駆動部材180は、少なくとも一度攪拌部材170を傾斜させ/リリースし、容器170内の液体形成材料に対する攪拌効果が得られ、容器170内の液体形成材料が不変の状態が回避され、ひいては、上記の光エネルギー蓄積が回避される。攪拌部材170のデザインは、上記の実施の形態のものに限定されず、当業者は攪拌部材170を調整あるいは設計可能であり、例えば、攪拌部材170のデザインにおいて、弾性部174を省略してもよく、弾性を有するスプリングシートを、攪拌部172として採用してよく、これによっても同様あるいは同一の効果が得られる。
【0021】
また、図4図2の容器の上面図である。図2及び図4を参照し、本実施の形態では、複数の攪拌部材170は、複数のスペーサ190を介して接続され、攪拌部材170及びスペーサ190は、容器130の底部に交互に配置され、攪拌部材170及びスペーサ190は、全て、駆動部材180の移動経路上に配置される。換言すると、本実施の形態の攪拌部材170及びスペーサ190は、モノリシック構造と考えることができ、特に、波構造と考えることができる。つまり、容器130の底部に対する各スペーサ190の高さは、容器130の底部に対する駆動部材180の高さより低く、容器130の底部に対する攪拌部材170の高さは、容器130の底部に対する駆動部材180の高さより高い。このように、駆動部材180が攪拌部材170及びスペーサ190を通過した際、駆動部材180は、単に、構造的に攪拌部材170に対して傾斜し得るが、スペーサ190に対して構造的に傾斜しない。そのため、容器130の回転プロセス中に、駆動部材180は間欠的に攪拌部材170に対して傾斜し、容器130内の液体形成材料に対する間欠的なフラップ、攪拌あるいは衝撃効果を生成する。
【0022】
また、図2を参照し、容器130の底面は、互いにオーバーラップしない成形エリアA1と非成形エリアA2とに分割される。成形プラットフォーム120は、容器130内に移動して成形エリアA1に位置し、攪拌部材170は、非成形エリアA2に位置する。換言すると、駆動部材180及び攪拌部材170が非成形エリアA2に位置するので、駆動部材180及び攪拌部材170が互いに傾斜するか否かは、成形プラットフォーム120が3Dプリンティングを実行しているか否かに影響されず、そのようなデザインは、駆動部材180、攪拌部材170及び成形プラットフォーム120の構造的な干渉を回避することができる。
【0023】
一方、図2及び図4を参照し、容器130は、成形エリアA1と非成形エリアA2との間にセグメント相違(段差)を形成する。つまり 非成形エリアA2の底部は、Z軸に沿って成形エリアA1の底部より低く、攪拌部172と容器130の底部との間にスペースSPが存在する。駆動部材180が攪拌部172を押圧しない場合、容器130内の液体形成材料の一部はスペースSPに流れ込み、駆動部材180が攪拌部172を押圧する場合、スペースSP内の液体形成材料が、攪拌部172が押圧されることで絞り出されて成形エリアA1に向かって流れる。このように、攪拌部材の動作モードとともにセグメント相違及びスペースのデザインにより、ポンプが行うような液体形成材料の吸入及び放出効果が得られ、容器130内の液体形成材料は特定のフロー状態を有する。
【0024】
図5は、本開示の別の実施の形態に係る3Dプリンタの部分的な概略図である。上記の実施の形態と異なり、本実施の形態の容器230は、角形の筒で、角形の筒の少なくとも一の側に攪拌部材270が配置され、各攪拌部材270は、攪拌部272と弾性部274とを備え、容器230は横方向において前後に移動する。このように、攪拌部材270の攪拌部272は、駆動部材280の移動経路上に位置し、容器230内の液体形成材料に対する上記の間欠吸入及び放出効果が得られ、それによってフロー効果が形成される。
【0025】
要約すると、本開示の実施の形態において、光エネルギー蓄積が容器内の液体形成材料に影響を及ぼす状況を回避するため、少なくとも1つの攪拌部材が容器の非成形エリアで形成され、駆動部材が機械プラットフォーム上に配置されて容器内に延伸し、駆動部材及び攪拌部材は、互いの移動経路上に相互に位置し、駆動部材が、攪拌部材に対して傾斜して攪拌部材の動作、例えば、容器の底部から離間あるいは接近する動作モードをトリガし、それによって容器内の液体形成材料に対する攪拌効果が得られる。
【0026】
また、複数の攪拌部材が、容器の底部の外縁に配置され、容器の回転プロセス中に、駆動部材は連続して攪拌部材を押圧し、間欠的な攪拌が生じ、これによって液体形成が連続的に攪拌されるだけでなく、容器内の液体形成材料が、攪拌部材と容器の底部との間のスペースが液体形成材料に対する吸入及び放出効果を発揮するので特定のフロー効果を有する。
【0027】
本開示の技術的範囲から逸脱しない範囲において、本開示の構成に様々な応用及び変更を行うことが可能な点、当業者にとって明らかである。以上より、本開示は、特許請求の範囲及びその均等の範囲内における当該開示の応用及び変更も包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の3Dプリンタは、3Dプリンティング装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
100 3Dプリンタ
110 機械プラットフォーム
120 成形プラットフォーム
130、230 容器
140 硬化モジュール
150 駆動モジュール
160 制御モジュール
170、270 攪拌部材
172、272 攪拌部材
174、274 弾性部
180、280 駆動部材
190 スペーサ
A1 成形エリア
A2 非成形エリア
SP スペース
C1 回転軸
XYZ 直交座標系
図1
図2
図3
図4
図5