特許第6605132号(P6605132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6605132ユーザ機器及びメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605132
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】ユーザ機器及びメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/06 20090101AFI20191031BHJP
   H04W 28/14 20090101ALI20191031BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20191031BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   H04W4/06 171
   H04W28/14
   H04W28/18
   H04M11/00 302
【請求項の数】20
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2018-516492(P2018-516492)
(86)(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公表番号】特表2018-530255(P2018-530255A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(86)【国際出願番号】EP2016057108
(87)【国際公開番号】WO2017054935
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2018年5月25日
(31)【優先権主張番号】14/868,614
(32)【優先日】2015年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501431073
【氏名又は名称】ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルソン、マルティン
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、ペータル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ユーン、リカルド
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/096463(WO,A1)
【文献】 特開2014−036442(JP,A)
【文献】 特開2013−098982(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0258418(US,A1)
【文献】 特表2014−533003(JP,A)
【文献】 Intel, Sony Mobile Communications, Telecom Italia S.p.A.,New Study Item on "Mobile-Edge Computing Enhancements for 3GPP Multimedia Services"[online], 3GPP TSG-SA WG4#84 S4-150872,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG4_CODEC/TSGS4_84/Docs/S4-150872.zip>,2015年 7月10日,Pages 1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア・ストリーミング・セッションにおいて無線アクセスネットワークと通信するための無線インターフェース
を含む、ユーザ機器であって、
前記ユーザ機器は、前記無線インターフェースを介して、前記メディア・ストリーミング・セッションを実行するためのネットワーク支援情報を受信するように動作し、当該ネットワーク支援情報が適切なメディア品質を識別することにおいて前記ユーザ機器を支援するものである、
前記ユーザ機器は、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおけるバッファリング中の前記ユーザ機器のバッファに格納されているストリーミング・セッションのデータの量を示すバッファレベルの時間依存変化に基づいて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成し、
前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を、前記無線インターフェース上で前記無線アクセスネットワークに送信し、前記ネットワーク支援情報が前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報に基づくものである
ように動作する、ユーザ機器。
【請求項2】
前記ユーザ機器は、前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を含む格納要求を生成するように動作し、前記格納要求は、前記ユーザ機器から遠隔の記憶媒体に前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を格納させる、請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記格納要求は、前記無線アクセスネットワークのセルラ・ネットワーク・ノードに、前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を前記記憶媒体に格納させる、請求項2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記ユーザ機器は、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおける前記ユーザ機器の最大バッファレベル、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおける前記ユーザ機器の最小バッファレベル、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおける前記ユーザ機器の平均バッファレベル、
ユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間、
1回のバッファ再充填当たりのセグメント数、
バッファアンダーランの回数、
各バッファアンダーランの持続時間、及び
前記メディア・ストリーミング・セッションにおけるQoE指標
のうちの少なくとも1つに基づいて前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記ユーザ機器は、
前記ユーザ機器の識別子、及び
前記ネットワーク支援情報を要求する前記ユーザ機器のアプリケーションモジュールの識別子
のうちの少なくとも1つに基づいて前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記ユーザ機器が受信する前記ネットワーク支援情報は、前記ユーザ機器によって報告された前のメディア・ストリーミング・セッションと関連付けられたメディア・ストリーミング・セッション関連情報、及び/又は前記ユーザ機器とは異なる少なくとも1台の別のユーザ機器によって報告された前記前のメディア・ストリーミング・セッションと関連付けられたメディア・ストリーミング・セッション関連情報に基づくものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記ユーザ機器は、前記ユーザ機器が受信した前記ネットワーク支援情報に基づいて、前記メディア・ストリーミング・セッション中に前記ユーザ機器によって実行されるストリーミングアルゴリズム、であって一連のデータの流れであるストリームを処理するストリーミングアルゴリズムの少なくとも1つのパラメータを設定するように動作する、請求項6に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記ユーザ機器は、前記ユーザ機器が受信した前記ネットワーク支援情報に基づいて、前記メディア・ストリーミング・セッションで行われるバッファリングのバッファリングパラメータを設定するように動作する、請求項6又は7に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記ユーザ機器は、前記ユーザ機器が受信した前記ネットワーク支援情報に基づいて、前記メディア・ストリーミング・セッションの初期メディア品質を設定するように動作する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記ユーザ機器は、前のメディア・ストリーミング・セッション中に少なくとも1台の別のユーザ機器からメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードによって収集された情報に基づくネットワーク支援情報を得るようを求めるネットワーク支援要求を、前記無線インターフェースを介して送信するように動作する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項11】
ユーザ機器のメディア・ストリーミング・セッションと関連付けられたネットワーク支援情報を生成する少なくとも1つのプロセッサと、当該ネットワーク支援情報が適切なメディア品質を識別することにおいて前記ユーザ機器を支援するものである、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおけるバッファリング中の前記ユーザ機器のバッファに格納されているストリーミング・セッションのデータの量を示すバッファレベルの時間依存変化に基づいて、前記ユーザ機器からメディア・ストリーミング・セッション関連情報を受信するインターフェースと
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ユーザ機器から受信した前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を格納させるように動作し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ユーザ機器から受信した前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を使用してメディアストリーミングのためのネットワーク支援情報を提供するように動作する、
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、ユーザ機器の前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報及び複数の別のユーザ機器から受信した別のメディア・ストリーミング・セッション関連情報から統計情報を導出するように動作する、請求項11に記載のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード。
【請求項13】
前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、前記メディア・ストリーミング・セッション中に前記ユーザ機器によって行われたバッファリングにおけるバッファレベルの時間依存変化に関する情報を含む、請求項11又は12に記載のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード。
【請求項14】
前記ネットワーク支援情報は、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおいて前記ユーザ機器によって行われるバッファリング手順、及び
前記メディア・ストリーミング・セッションにおける前記ユーザ機器の初期メディア品質の選択
のうちの少なくとも1つに影響を与える、請求項11〜13のいずれか一項に記載のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード。
【請求項15】
セルラ通信ネットワークの基地局であり、又は前記セルラ通信ネットワークの基地局に結合されている、請求項11〜14のいずれか一項に記載のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、MEC(モバイル・エッジ・コンピューティング)の手法によって前記ネットワーク支援情報を生成するように動作する、請求項11〜15のいずれか一項に記載のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード。
【請求項17】
ユーザ機器が、メディア・ストリーミング・セッションのためのネットワーク支援情報を提供することを要求するステップと、ネットワーク支援情報が適切なメディア品質を識別することにおいて前記ユーザ機器を支援するものである、
前記ユーザ機器が、ネットワーク支援情報を受信するステップと、
前記ユーザ機器が、前記メディア・ストリーミング・セッションを実行するための少なくとも1つのパラメータを、前記受信したネットワーク支援情報の関数として設定するステップと、
前記ユーザ機器が、前記メディア・ストリーミング・セッションにおけるバッファリング中の前記ユーザ機器のバッファに格納されているストリーミング・セッションのデータの量を示すバッファレベルの時間依存変化に基づいて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するステップと、
前記ユーザ機器が、前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を、無線インターフェース上で無線アクセスネットワークに送信するステップと、
無線アクセスネットワークのメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードが、前記ユーザ機器に前記ネットワーク支援情報を提供するために前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を使用するステップと
を含む、メディアストリーミング方法。
【請求項18】
前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおける前記ユーザ機器の最大バッファレベル、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおける前記ユーザ機器の最小バッファレベル、
前記メディア・ストリーミング・セッションにおける前記ユーザ機器の平均バッファレベル、
ユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間、
1回のバッファ再充填当たりのセグメント数、
バッファアンダーランの回数、
各バッファアンダーランの持続時間、及び
前記メディア・ストリーミング・セッションにおけるQoE指標
のうちの少なくとも1つに基づくものである、請求項17に記載のメディアストリーミング方法。
【請求項19】
前記無線アクセスネットワークのメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードが、前記メディア・ストリーミング・セッション関連情報を使用して、前記ユーザ機器とは異なる少なくとも1台の別のユーザ機器にネットワーク支援情報を提供するステップ
をさらに含む、請求項17又は18に記載のメディアストリーミング方法。
【請求項20】
前記ネットワーク支援情報は、前記ユーザ機器がバッファリング手順及び/又は初期メディア品質の少なくとも1つのパラメータを選択するのを支援する、請求項17〜19のいずれか一項に記載のメディアストリーミング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信に関する。本発明の実施形態は、特に、ネットワーク支援情報によりメディア・ストリーミング・セッションにおいてユーザ機器を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体音声データ通信の普及に伴い、高速データ通信の需要は絶えず増加している。通信ネットワークに接続するように動作するユーザ機器、例えば、スマートフォンやポータブルコンピュータは、高度な処理能力を備えている。多くのユーザが、ビデオ・ストリーミング・セッションでビデオを取得できる機能をユーザ機器の大きな利点と考えている。ビデオ・ストリーミング・セッションにおいてユーザ機器で行われる再生プロセスの遅延が長引くことは、フラストレーションを引き起こす可能性があり、多くのユーザの技術的期待を考慮すると満足のいくものではない。QoE(Quality of Experience)に悪影響を与えるそのような遅延その他の要因は、ビデオをユーザ機器にストリーミングするために行われているビデオ・ストリーミング・セッションにあまり適さないバッファリング戦略又は他のストリーミングアルゴリズムによって生じ得る。
【0003】
ビデオ・ストリーミング・セッションにおいて、ユーザ機器は、セルラ無線アクセスネットワークを介して、インターネットなどの広域ネットワークに接続されたストリーミング・メディア・コンテンツ・サーバに接続され得る。ビデオ・ストリーミング・プロトコルは、ユーザ機器とコンテンツサーバとの間のエンドツーエンド接続プロトコルを提供することができる。このエンドツーエンド通信では、適応ビットレート(ABR)プロトコル、例えば、MPEG DASHを使用する場合がある。このプロトコル内で、ユーザ機器は、エンドツーエンド通信リンクで利用可能な様々なデータ転送速度と一致する、ダウンロードされるビデオセグメントごとのビデオ品質を動的に選択するよう要求される。これらの変動のかなりの部分が、無線アクセスネットワークにおける動的側面に由来し得る。無線アクセスネットワークは、セルラネットワークの場合も、Wi−Fiアクセスネットワークの場合も、任意の他の無線ネットワークの場合もあるであろう。ネットワーク支援プロトコルの旧来の実施態様は、ユーザ機器が適切なデータ転送速度を選択するのを支援することができる。そのようなネットワーク支援プロトコルでは、無線アクセスネットワークは、現在の無線アクセスネットワーク条件と一致する適切なメディアデータ転送速度を識別するプロセスにおいてユーザ機器を支援するために、無線アクセスネットワークによって収集された情報を共有することができる。
【0004】
ビデオストリーミングのための従来のネットワーク支援には様々な欠点がある。例えば、ネットワーク支援は、無線アクセス・ネットワーク(RAN)・ノードによって決定された特性に基づくものである。そのような情報に基づいて提供できるネットワーク支援は、ビデオ・ストリーミング・セッションのためのユーザ機器におけるパラメータ設定を支援するには限られた価値しかないものである可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当分野では、ユーザ機器がメディア・ストリーミング・セッションのパラメータを設定するのを支援する装置、システム、及び方法が絶えず必要とされている。特に、ユーザ機器に、無線アクセスネットワークで行われる測定に基づくものだけではない支援を提供できる装置、システム、及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッションでモニタされた特性に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成する。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、ユーザ機器によって提供されたメディアセッション関連情報を格納し、任意選択で処理することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、ユーザ機器、及び任意選択で、他のユーザ機器によって提供されたメディアセッション関連情報を使用して、その後のメディア・ストリーミング・セッションでネットワーク支援を提供することができる。
【0007】
メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、適切なバッファ戦略に関連する情報、例えば、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最小バッファレベル、最大バッファレベル、又は平均バッファレベルを含むことができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、この情報を使用して、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を提供したユーザ機器又は少なくとも1台の他のユーザ機器がバッファリングに適切なパラメータを設定することを可能にするネットワーク支援を提供することができる。そのようなパラメータの一例は、ユーザ機器の光出力部でのメディア出力が開始される前に到達されなければならないバッファレベルである。
【0008】
メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、適切なストリーミング・アルゴリズム・パラメータ、例えば、メディア・ストリーミング・セッションのQoE(Quality of Experience)及び関連付けられるメディア品質を含むことができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、この情報を使用して、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を提供したユーザ機器又は少なくとも1台の他のユーザ機器が適切な初期メディア品質を設定することを可能にするネットワーク支援を提供することができる。例えば、メディアは、異なる画像解像度に対応し得る少なくとも2つの異なる品質レベルで利用可能であり、ネットワーク支援は、ユーザ機器によって報告されたメディア・ストリーミング・セッション関連情報を使用して、それら少なくとも2つの異なる品質レベルの中から最適なメディア品質を識別するのを支援することができる。
【0009】
以下でより詳細に説明するように、様々な実施形態は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードによるメディア・ストリーミング・セッション関連情報の収集を行うように動作する。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、少なくともとりわけ、先のメディア・ストリーミング・セッションでユーザ機器によって報告されたメディア・ストリーミング・セッション関連情報に基づくものであり得る支援情報を提供することができる。この情報が提供する支援によって、ユーザ機器が、バッファリング戦略、メディア品質選択、又は他のストリーミング・アルゴリズム・パラメータの適切なパラメータ値、さらには最適なパラメータ値を選択することが可能になる。
【0010】
一実施形態によるユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッションにおいて無線アクセスネットワークと通信するための無線インターフェースを含む。本ユーザ機器は、無線インターフェースを介して、メディア・ストリーミング・セッションを実行するためのネットワーク支援情報を受信するように動作する。本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッション中にモニタされた特性からメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成し、その無線ストリーミングセッション関連情報を、格納するために無線インターフェースを介して無線アクセスネットワークに送信するように動作する。
【0011】
そのような構成を有するユーザ機器は、動作に際して、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を格納のためにノードに送信し、これによりそのノードが、ユーザ機器によってモニタされた特性に基づいてネットワーク支援情報を生成することが可能になる。
【0012】
本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を含む格納要求を生成するように動作することができる。格納要求は、ユーザ機器から遠隔の記憶媒体にメディア・ストリーミング・セッション関連情報を格納させることができる。
【0013】
記憶媒体は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードに含まれていてよく、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、基地局若しくは他の無線アクセス・ネットワーク・ノードとして、又は1以上の無線アクセス・ネットワーク・ノードへの情報共有接続を有する別個のノードとして実施することができる。
【0014】
格納要求は、セルラ通信ネットワーク又は別の無線アクセスネットワークのセルラ・ネットワーク・ノードにメディア・ストリーミング・セッション関連情報を格納させることができる。モバイル・エッジ・コンピューティング、MECを、基地局、例えばeNodeBにおいて、又は、別の無線アクセス・ネットワーク・ノード若しくはごく短い処理遅延でネットワーク支援を提供する1以上の無線アクセス・ネットワーク・ノードへの情報共有接続を有する別個のノードにおいて使用することもできる。
【0015】
本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるバッファリング中のバッファレベルの時間依存変化に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することができる。
【0016】
本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッション中にモニタされるバッファレベル及び/又はメディア・ストリーミング・セッションの適切なメディア品質設定に関する情報に基づいて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することができる。
【0017】
本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最大バッファレベルに基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することができる。
【0018】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最小バッファレベルに基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0019】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の平均バッファレベルに基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0020】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、ユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0021】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、1回のバッファ再充填当たりのセグメント数に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0022】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、バッファアンダーランの回数に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0023】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、各バッファアンダーランの持続時間に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0024】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるQoE指標に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0025】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、ユーザ機器の識別子及び/又はネットワーク支援情報を要求するユーザ機器のアプリケーションモジュールの識別子に基づいてメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するように動作することもできる。
【0026】
本ユーザ機器が受信するネットワーク支援情報は、本ユーザ機器によって報告された前のメディア・ストリーミング・セッションと関連付けられた情報、及び/又は本ユーザ機器とは異なる少なくとも1台の別のユーザ機器によって報告されたその前のメディア・ストリーミング・セッションと関連付けられた情報に基づくものとすることができる。1又は複数のユーザ機器からの情報を、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードが集約し、さらに処理し、それを使用してユーザ機器は、ネットワーク支援によってメディア・ストリーミング・セッションに適した設定を識別することができる。
【0027】
によって実行されるストリーミングアルゴリズムの少なくとも1つのパラメータを設定するように動作する本ユーザ機器は、ユーザ機器が受信したネットワーク支援情報に基づくメディア・ストリーミング・セッション中の機器であってよい。
【0028】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、本ユーザ機器が受信したネットワーク支援情報に基づいて、メディア・ストリーミング・セッションで行われるバッファリングのバッファリングパラメータを設定するように動作することもできる。
【0029】
代替として又は加えて、本ユーザ機器は、本ユーザ機器が受信したネットワーク支援情報に基づいて、メディア・ストリーミング・セッションの初期メディア品質を設定するように動作することもできる。
【0030】
本ユーザ機器は、前のメディア・ストリーミング・セッション中に少なくとも1台の別のユーザ機器からメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードによって収集された情報に基づくネットワーク支援を得るようを求めるネットワーク支援要求を、無線インターフェースを介して送信するように動作することができる。
【0031】
一実施形態によるメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、ユーザ機器のメディア・ストリーミング・セッションと関連付けられたネットワーク支援情報を生成する少なくとも1つのプロセッサを含む。本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、ユーザ機器からメディア・ストリーミング・セッション関連情報を受信するインターフェースを含む。本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、ユーザ機器から受信したメディア・ストリーミング・セッション関連情報を格納する記憶媒体を含む。少なくとも1つのプロセッサは、ユーザ機器から受信したメディア・ストリーミング・セッション関連情報を使用してメディアストリーミングのためのネットワーク支援情報を提供するように動作することができる。
【0032】
そのような構成を有するメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、動作に際して、1又は複数のユーザ機器からメディア・ストリーミング・セッション関連情報を受信し、これにより、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードが、ユーザ機器によってモニタされた特性に基づいてネットワーク支援情報を生成することが可能になる。
【0033】
本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、ユーザ機器のメディア・ストリーミング・セッション関連情報及び複数の別のユーザ機器から受信した別のメディア・ストリーミング・セッション関連情報から統計情報を導出するように動作することができる。
【0034】
メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッション中にユーザ機器によって行われたバッファリングにおけるバッファレベルの時間依存変化に関する情報を含むことができる。
【0035】
本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、バッファリングにネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最大バッファレベルを取得するように動作することができる。
【0036】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、バッファリングにネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最小バッファレベルを取得するように動作することもできる。
【0037】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、バッファリングにネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の平均バッファレベルを取得するように動作することもできる。
【0038】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、バッファリングにネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間を取得するように動作することもできる。
【0039】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、バッファリングにネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおける1回のバッファ再充填当たりのセグメント数を取得するように動作することもできる。
【0040】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、バッファリングにネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおけるバッファアンダーランの回数を取得するように動作することもできる。
【0041】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、バッファリングにネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおけるバッファアンダーランの持続時間を取得するように動作することもできる。
【0042】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から、適切な初期メディア品質の選択にネットワーク支援を提供するためにメディア・ストリーミング・セッションにおけるQoE指標を取得するように動作することもできる。
【0043】
本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードの少なくとも1つのプロセッサは、ユーザ機器のメディア・ストリーミング・セッション関連情報及び別のユーザ機器から受信した別のメディア・ストリーミング・セッション関連情報を処理することによって統計情報を導出するように動作することができる。これにより、ネットワーク支援の提供のために複数のユーザ機器によってモニタされた特性を考慮に入れることができる。
【0044】
本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、メディア・ストリーミング・セッションにおいてユーザ機器によって行われるバッファリング手順に影響を与えるネットワーク支援情報を提供することができる。
【0045】
代替として又は加えて、本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の初期メディア品質の選択に影響を与えるネットワーク支援情報を提供することもできる。
【0046】
本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、セルラ通信ネットワークの基地局であってもよく、基地局に統合されていてもよく、基地局に直接的又は間接的に結合されていてもよい。基地局は、eNodeBであってもよい。
【0047】
本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、MEC(モバイル・エッジ・コンピューティング)の手法によってネットワーク支援情報を生成するように動作することができる。これによりネットワーク支援提供の遅延を低減させることができる。
【0048】
本メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、メディア・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたデータを他のネットワークノード又は広域ネットワークに接続された他のサーバと共有するための別のインターフェースを含むことができる。
【0049】
一実施形態によるシステムは、一実施形態によるユーザ機器と、一実施形態によるメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードとを含む。
【0050】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードは、セルラ・ネットワーク・ノードであってよい。
【0051】
本システムは、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードからリモートのメディア・ストリーミング・サーバをさらに含むことができる。
【0052】
メディア・ストリーミング・セッション中に、ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・サーバへの通信リンクを確立することができ、ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードへの別の通信リンクを確立することができる。
【0053】
一実施形態によるメディアストリーミング方法は、ユーザ機器が、メディア・ストリーミング・セッションのためのネットワーク支援を要求するステップを含む。本方法は、ユーザ機器が、ネットワーク支援情報を受信するステップを含む。本方法は、ユーザ機器が、メディア・ストリーミング・セッションを実行するための少なくとも1つのパラメータを、受信したネットワーク支援情報の関数として設定するステップを含む。本方法は、ユーザ機器が、メディア・ストリーミング・セッション中にモニタされた特性からメディア・ストリーミング・セッション関連情報を生成するステップを含む。本方法は、ユーザ機器が、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を、格納のために無線インターフェース上で無線アクセスネットワークに送信するステップを含む。
【0054】
メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最大バッファレベルに基づくものとすることができる。
【0055】
代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最小バッファレベルに基づくものとすることもできる。
【0056】
代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の平均バッファレベルに基づくものとすることもできる。
【0057】
代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間に基づくものとすることもできる。
【0058】
代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、1回のバッファ再充填当たりのセグメント数に基づくものとすることもできる。
【0059】
代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、バッファアンダーランの回数に基づくものとすることもできる。
【0060】
代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、各バッファアンダーランの持続期間に基づくものとすることもできる。
【0061】
代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるQoE指標に基づくものとすることもできる。
【0062】
本メディアストリーミング方法は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードが、メディア・ストリーミング・セッション関連情報を使用して、ユーザ機器及び/又は該ユーザ機器とは異なる少なくとも1台の別のユーザ機器にネットワーク支援を提供するステップをさらに含むことができる。
【0063】
ネットワーク支援情報は、ユーザ機器がバッファリング手順及び/又は初期メディア品質の少なくとも1つのパラメータを選択するのを支援することができる。
【0064】
本方法は、一実施形態によるユーザ機器、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード、又はシステムによって行われ得る。
【0065】
実施形態による装置、システム及び方法は、ビデオストリーミングと関連付けて使用することができる。この場合、メディアはビデオであり、ストリーミングサーバはメディア・ストリーミング・サーバであり、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードはメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードである。ビデオは、画像シーケンス及び、任意選択で、音を含むことができる。
【0066】
実施形態による装置、システム及び方法は、オーディオストリーミングと関連付けて使用することができる。この場合、メディアはオーディオであり、ストリーミングサーバはオーディオ・ストリーミング・サーバであり、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードはオーディオ・ストリーミング・ネットワーク支援ノードである。
【0067】
実施形態による装置、システム及び方法は、ユーザ機器にネットワーク支援を提供するように動作し、提供されるネットワーク支援は、他のユーザ機器又は同じユーザ機器によって前に報告されたメディア・ストリーミング・セッション関連情報に基づくものである。実施形態による装置、システム及び方法は、ユーザ機器が、メディアの再生が開始される前にバッファがそこまで充填されなければならないバッファレベル、他のバッファリングパラメータ、ユーザ機器によって設定される初期メディア品質の選択、又はユーザ機器によって実行されるストリーミングアルゴリズムの他のパラメータを設定するのを支援するために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。図面において、同じ又は類似した参照符号は、同じ又は類似した要素を指定する。
【0069】
図1】一実施形態によるシステムの概略図である。
図2】一実施形態によるシステムの概略図である。
図3】一実施形態による方法の流れ図である。
図4】一実施形態による方法の流れ図である。
図5】一実施形態による方法の流れ図である。
図6】一実施形態による方法の流れ図である。
図7】一実施形態によるシステムの概略図である。
図8】一実施形態によるシステムの概略図である。
図9】一実施形態によるシステムにおけるシグナリングを示す図である。
図10】一実施形態によるシステムにおけるシグナリングを示す図である。
図11】一実施形態によるシステムにおけるシグナリングを示す図である。
図12】一実施形態によるユーザ機器の処理装置の機能ブロック図である。
図13】一実施形態による方法の流れ図である。
図14】一実施形態による方法の流れ図である。
図15】一実施形態による方法の流れ図である。
図16】一実施形態による方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。いくつかの実施形態を特定の適用分野の文脈で、例えば例示的な無線アクセス技術の文脈で説明するが、実施形態はこの適用分野だけに限定されない。様々な実施形態の特徴は、特に指示しない限り、互いに組み合わされてもよい。
【0071】
実施形態をビデオストリーミングの文脈で説明するが、実施形態による装置、システム及び方法は、オーディオストリーミング又は他のメディア若しくはデータストリーミングと関連付けて使用されてもよい。
【0072】
ビデオ・ストリーミング・セッション支援ノードがセルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)と統合されているいくつかの実施形態を説明するが、ビデオ・ストリーミング・セッション支援ノードの他の実施態様も使用されてよい。例えば、実施形態によるビデオストリーミング支援は、非セルラネットワーク、メッシュネットワーク、又は他のネットワークにおいて提供されてもよい。実施形態によるビデオストリーミング支援は、Wi−Fiインターフェース又は他の無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)・インターフェースを介して実施されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態を、ユーザ機器が、ビデオ・ストリーミング・セッションにおいて適切なバッファリング戦略又は適切な初期ビデオ品質を設定するのを支援する文脈で説明するが、実施形態はこれらの例示的な実施形態だけに限定されない。むしろ、ユーザ機器がビデオ・ストリーミング・セッションを実行するのに使用する多種多様な他のパラメータを、このユーザ機器又は他のユーザ機器によってビデオ・ストリーミング・セッション支援ノードに報告された特性に基づいて決定することができる。
【0074】
図1は、一実施形態による通信システム1の概略図である。通信システム1は、ユーザ機器2を含む。通信システム1は、少なくとも1台の別のユーザ機器3、4を含むことができる。通信システム1は、セルラ通信ネットワークを含む。セルラ通信ネットワークは、無線アクセスネットワーク(RAN)を備える。無線アクセスネットワークは、複数の基地局11を含む。基地局11は、コアネットワーク12にそれぞれ動作可能に結合されている。セルラ通信ネットワークと、基地局11と、セルラ通信ネットワークのその他のノードの具体的な構成は、通信規格に依存する。セルラ通信ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)ネットワークとすることができる。この場合、RANはeUTRAN(evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)であり、基地局11は各々、コアネットワーク12におけるMME(Mobility Management Entity)及び/又はS−GW(Serving Gateway)に接続されたeNodeB(evolved Node B)である。セルラ通信ネットワークは、LTEアドバンスト通信ネットワークとすることができる。
【0075】
ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・サーバ14とのビデオ・ストリーミング・セッションを確立するように動作する。メディア・ストリーミング・サーバ14は、広域ネットワーク13、例えばインターネットに接続されていてよい。メディア・ストリーミング・サーバ14は、ユーザ機器2に向けてビデオストリーミングを行うように構成されていてよい。ユーザ機器2とメディア・ストリーミング・サーバ14とは、ビデオ・ストリーミング・セッション中にエンドツーエンド通信リンクによって結合され得る。ユーザ機器2は、ビデオ・ストリーミング・セッションのためにメディア・ストリーミング・サーバ14とエンドツーエンド通信リンクを選択的に確立するように動作することができる。
【0076】
2以上のメディア・ストリーミング・サーバ14を設けることもできる。例えば、ビデオストリームを異なる解像度で格納するいくつかの異なるメディア・ストリーミング・サーバ14があってもよく、エンドツーエンドリンクは、ユーザ機器2と、ビデオがユーザ機器2にストリーミングされるべきビデオ品質に従って選択されたメディア・ストリーミング・サーバ14との間で確立される。
【0077】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、セルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワーク又はコアネットワーク12に統合されていてよい。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、基地局11に統合されてもよい。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1以上の無線アクセス・ネットワーク・ノードとの情報共有のためのインターフェースを備える別個のノードとして実装されてもよい。
【0078】
以下でより詳細に説明するように、ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34にビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を提供するように動作する。ユーザ機器2は、無線インターフェースを介して、ネットワーク支援情報を受信するように動作する。受信されるネットワーク支援情報は、ユーザ機器2及び/又は1若しくは複数のユーザ機器3、4によってメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34に前に提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に基づいてメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって生成され得る。
【0079】
ユーザ機器2は、受信したネットワーク支援情報に従ってビデオ・ストリーミング・セッションの少なくとも1つのパラメータを設定するように動作することができる。ユーザ機器2は、受信したネットワーク支援情報に従って、ビデオの再生が開始される前に到達されなければならないバッファレベルを設定するように動作することができる。代替として又は加えて、ユーザ機器2は、受信したネットワーク支援情報に基づいて、要求したビデオストリームに利用可能なビデオ品質の既定のセットの中からビデオ品質を選択してもよい。代替として又は加えて、ユーザ機器2は、ストリーミングサーバ14とのエンドツーエンドリンクとは異なる別の通信リンクを介してメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34から受信したネットワーク支援情報に基づいて、エンドツーエンドリンク上でストリーミングサーバ14とストリーミングを行うためにユーザ機器2によって実行されるストリーミング手順の別のパラメータ値を設定してもよい。
【0080】
以下でより詳細に説明するように、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器2からビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を受信するように動作することができる。ユーザ機器から受信するビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ビデオ・ストリーミング・セッション中にユーザ機器2によってモニタされるユーザ機器2のバッファレベルの時間依存変動に依存していてよい。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器2におけるユーザ入力又は他のユーザ行動から導出され得るQoE(Quality of Experience)指標に依存していてよい。
【0081】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、少なくとも1台の別のユーザ機器3、4から別のビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を受信するように動作することができる。
【0082】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、後続のビデオ・ストリーミング・セッション中にネットワーク支援情報を生成する際に使用するために、1又は複数のユーザ機器2〜4から受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を格納し、任意選択で処理することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ビデオ・ストリーミング・セッションで使用するために、1又は複数のユーザ機器2〜4にネットワーク支援情報を提供するように動作することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1又は複数のユーザ機器2〜4から受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に基づいて、また任意選択で追加情報に基づいて、ネットワーク支援情報を生成するように動作することができる。追加情報は、基地局11によって行われた測定、無線アクセスネットワーク内の他のエンティティによって行われた測定、基地局11又はセルラ通信ネットワークの他のノードの動作パラメータを含むことができる。追加情報は、セルラ通信ネットワークの別のセルに位置するユーザ機器のためのビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を収集、処理する別のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードから受信したデータを含むことができる。
【0083】
ビデオ・ストリーミング・セッションでは、ユーザ機器2は、第1の通信リンク上でメディア・ストリーミング・サーバ14と通信し、第2の通信リンク上でメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34と通信するように動作することができる。第1の通信リンクと第2の通信リンクとは、異なるプロトコルを使用することができる。第1の通信リンクは、適応ビットレート(ABR)プロトコル、例えばMPEG DASHを使用することができる。第2の通信リンクは、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によるビデオ・ストリーミング・セッション関連情報の収集をサポートし、ユーザ機器2へのネットワーク支援情報の提供をサポートするネットワーク支援プロトコルを使用することができる。
【0084】
実施形態では、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34の様々な実施態様を使用することができる。
【0085】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ビデオ・ストリーミング・セッションに関する情報及びデータが格納され得る記憶ユニットを含むことができる。情報及びデータは、ユーザ機器2〜4によって提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を含むが、追加情報を含んでいてもよい。
【0086】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1台のネットワーク支援サーバであってもよく、複数のネットワーク支援サーバを含んでいてもよい。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、データベースを含むことができる。データベースはクラウドベースのものであってもよい。データベースは、別個のハードウェア記憶媒体として実装されてもよく、例えば、eNodeB11、パケットゲートウェイ、進化したパケットゲートウェイ又は他のネットワークノードなどにおける既存のレジスタ機能の一部であってもよい。データベースは、ユーザ機器及びストリーミングサーバの識別情報とは無関係にデータを格納することもでき、格納された情報をユーザ機器2及び/又はストリーミングサーバ14の識別子にマップすることもできる。データベースは、ビデオストリーミング関連情報をIMEI、UICC又はIP情報などの識別子と関連付けて格納することができる。
【0087】
無線アクセスネットワーク内の記憶及びユーザ機器フィードバック機構の機能は、いわゆるモバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)・ソリューションによって実装することもできる。MECアーキテクチャでは、判断論理及び機能性がモバイルネットワークのエッジに含まれ、例えば、アプリケーション及びクラウドコンピューティング機能はモバイル・ネットワーク・アーキテクチャ内のシステムノードに含まれる。これにより、短い待ち時間と上述の論理装置への迅速なアクセスが可能になる。
【0088】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって格納される情報は、ユーザ機器2〜4からビデオ・ストリーミング・セッション関連情報として収集することができる。加えて又は代替として、ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34が格納するための特定の情報を送信することもできる。
【0089】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、IMEIなどのユーザ機器識別情報、ユーザ機器のオペレーティングシステムからのユーザ機器プロファイル、UICC ID、又は別のユーザ機器識別子を含むことができる。
【0090】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、代替として又は加えて、ユーザ機器によって実行されている間にネットワーク支援を要求する特定のサービスを識別するサービス/アプリケーション識別情報を含むこともできる。
【0091】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、代替として又は加えて、メディア記述情報、例えば、セグメント長、オーディオ/ビデオ品質レベル、又はユーザ機器によってメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードに報告される他のメディア関連情報も含むことができる。
【0092】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、代替として又は加えて、ユーザ機器バッファの最大バッファレベル、最小バッファレベル、及び/又は平均バッファレベルを含むこともできる。バッファレベルは、ユーザ機器バッファ内のローカルに格納されたストリーミングメディアの残りの再生時間の量を指示する。
【0093】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、代替として又は加えて、連続したユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間も含むこともできる。
【0094】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、代替として又は加えて、1回のバッファ再充填当たりのセグメント数に関する統計を含むこともできる。
【0095】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、代替として又は加えて、バッファアンダーランの回数及び/又は各アンダーランの持続時間を含むこともできる。アンダーラン状態は、バッファレベルがビデオの再生を一時停止させる閾値に到達し、又はそれを下回ると発生する。
【0096】
ストリーミングアルゴリズムの実行時のユーザ機器の特性に関する追加又は代替の情報要素をビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に含めることもできる。
【0097】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34が格納するための特定の情報がユーザ機器2から送信される場合、この情報は、以下でより詳細に説明するように、特定のストレージ・プロトコル・メッセージで送信される上記のセッション関連情報のいずれかであり得る。モバイル・エッジ・コンピューティング機能によって実装されたメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34では、例えば、eNodeBにおいて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を、低アクセス待ち時間と、低総システム制御シグナリング負荷でローカルに格納することができる。
【0098】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器から受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を分析するように動作することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器から受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を処理してローカル及び/又はグローバル・ビデオ・ストリーミング関連情報にするように動作することができる。ローカル・ビデオ・ストリーミング関連情報は、特定の無線アクセス・ネットワーク・セル10若しくは基地局11に、又はユーザ機器のグループに関連したものとすることができる。ユーザ機器のグループは、ビデオストリーミングを行うそれぞれのセル10に位置するユーザ機器の全部又は一部を含むことができる。ローカル・ビデオ・ストリーミング関連情報は、例えば、セル10内のユーザ機器又は特定のタイプのユーザ機器がビデオ・ストリーミング・セッションにおいてどのようにバッファリングを行うか分析することによって生成され得る。ローカル・ビデオ・ストリーミング関連情報は、前に収集されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に基づいて、どのバッファ戦略がそれぞれのセル10に位置するユーザ機器に適し、さらには最適であるかを定義することができる。グローバル情報は、複数のセル及びユーザ機器からの、例えば、特定の国であってもよい、予め定義された地理的領域に位置するすべてのセル及びユーザ機器からの、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出された統計を含むことができる。
【0099】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、格納されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報をネットワーク特有のパラメータと関連付けるように動作することができる。これを実施するための方法の一例は、データベースが、複数の異なるネットワーク特性それぞれについて、例えば、バッファ使用やビデオ品質設定の統計を収集し、計算することである。これは、セルレベル、無線アクセス技術レベル、又はサービスレベルでセッション関連情報の統計的記述を計算することとして実施することができる。平均化
【数1】


を行うことができ、式中、Bは、ユーザ機器iのバッファレベルであり、Nは、平均化期間中に平均化が行われるユーザ機器の総数であり、μは、重み係数である。重み係数は、
【数2】

を満たすように選択することができる。
【0100】
例えば、各重み係数をμ=1/Nに設定することができる。
【0101】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって平均化が行われる平均化時間は、数分間、数時間程度であってもよく、数時間を超えてもよい。
【0102】
それぞれ求められた平均バッファレベルを、平均化が行われる時間中のネットワーク特性と関連付けることもできる。複数のユーザ機器にわたって平均化されたバッファレベルの時間依存変動を、その時点におけるそれぞれの無線アクセスネットワーク条件と関連付けて、さらに改善されたネットワーク支援を提供することができる。
【0103】
式(1)及び式(2)で指示される平均化は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって行われる統計計算の一例である。ビデオストリーミング関連情報に基づいてメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34が他の統計パラメータ計算することもできる。例えば、報告ビデオ・ストリーミング・セッション関連データの統計的分布の分散、歪度その他の指標を計算することもできる。
【0104】
セルラ通信ネットワークは、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって決定された統計情報を使用することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、他のシステム及びインターフェースにローカル及びグローバルのビデオストリーミング情報を提供することができる。代替として又は加えて、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、(1以上の)ユーザ機器が、適切なバッファ戦略、初期ビデオ品質設定、又は前に収集されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に基づく他のストリーミングパラメータを識別するのを支援する、さらに改善されたセッション関連ネットワーク支援を提供することもできる。
【0105】
このために、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器から受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたデータを共有するための別のインターフェースを備えることができる。例えば、1又は複数の基地局11と関連付けられたメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、他のセルにおいてビデオ・ストリーミング・セッション関連情報をそれぞれ収集し、分析する1又は複数の他のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードとデータを共有することができる。
【0106】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、リソース予約及び/又は割り振りのためにビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたデータを共有するように動作することができる。例えば、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、eNodeBのネットワーク・パケット・データ・スケジューラと論理的に、任意選択で物理的にも、接続されていてもよい。eNodeBパケットスケジューラは、予期されるトラフィック要求、ユーザ機器のバッファステータス、セグメントサイズ、又はスケジューリング負荷推定値を改善し、ユーザ機器のバッファアンダーラン確率を低減させる他の情報に関する情報を取得することができる。
【0107】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器2〜4が適切なストリーミング・アルゴリズム・パラメータを選択するのを支援するように動作することができる。ユーザ機器がネットワーク支援を含むネットワーク又はネットワークの一部にアクセスすると、ネットワークは、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34からの格納された情報を使用して、装置がビデオ・ストリーミング・セッションに適切なパラメータをより迅速に選択するのを支援することができる。例えば、ストリーミング・セッション・セットアップ時に、ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34から、前のビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたネットワーク支援情報を含む応答を取得することができる。例えば、ストリーミングセッションのセットアップ時に提供される応答は、セッション関連情報からの平均ユーザ機器関連統計、例えば、バッファリングレベル(最大、最小、及び/又は平均)、バッファ再充填アクティビティごとにダウンロードされるセグメント数、多種多様な他のパラメータのうちの任意の1つなどを含むことができる。
【0108】
MECアーキテクチャを使用することは、シグナリングを簡素化し、他のクラウドベースのソリューションと比較して待ち時間を低減させる1つの実施態様の例であるが、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、他の場所で、例えば、コアネットワーク12内で実装されてもよい。
【0109】
図2に、図1の通信システム1のブロック図を示す。
【0110】
ユーザ機器2は、無線インターフェース20を備える。無線インターフェース20は、アンテナ21と、受信機パス22と、送信機パス23とを含む。無線インターフェース20は、基地局11、12と通信するように動作する。無線インターフェース20は、eUTRAエアインターフェース上で通信するように構成することができる。無線インターフェース20は、ビデオ・ストリーミング・セッションにおいてメディア・ストリーミング・サーバ14と第1の通信リンクを確立するように動作することができる。無線インターフェース20は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34にビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を提供し、且つ/又はメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34からネットワーク支援情報を受信するために、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34と第2の通信リンクを確立するように動作することができる。
【0111】
ユーザ機器2は、受信機パス22を介してネットワーク支援情報を受信するように動作することができる。ユーザ機器2の少なくとも1つのプロセッサ24は、ネットワーク支援情報を使用して、ストリーミング手順の(1以上の)パラメータを設定することができる。(1以上の)パラメータは、ビデオ信号のバッファリングと関連付けられた1又は複数のパラメータを含むことができる。例えば、ディスプレイ26を介してビデオが出力される前にバッファ25がビデオデータで充填されなければならないバッファレベルを、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって提供された受信したネットワーク支援情報に基づいて決定することができる。高解像度、中解像度、低解像度などの様々なビデオ品質レベルの中から選択される初期ビデオ品質を、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって提供された受信したネットワーク支援情報に基づいて設定することができる。
【0112】
ユーザ機器2は、無線インターフェース20を介してビデオデータのストリームを搬送する信号を受信するように動作することができる。ビデオデータのストリームを搬送する信号は、少なくとも1つのプロセッサ24によって復調され、バッファ25においてバッファされ、ディスプレイ26を介して出力するためにバッファ25から読み出され得る。セグメント長や他のパラメータなどのストリーミング手順のパラメータを、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって提供された受信したネットワーク支援情報に従って設定することができる。
【0113】
ユーザ機器2は、ビデオ・ストリーミング・セッション中の特性をモニタすることができる。特性は、バッファ25のバッファレベルを含んでいてもよく、バッファ25のバッファレベルから導出されてもよい。特性は、ビデオのQoEを指示することができる。QoEは、ユーザにQoEを評価させることができるユーザインターフェース27で受け取ったユーザ入力から導出することができる。QoEは、例えば、バッファ再充填に必要なビデオ再生における一時停止の回数に基づいて、ユーザがビデオ再生を中断若しくは停止したかどうかに基づいて、又は他の基準に基づいて自動的に導出することができる。
【0114】
ユーザ機器2は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報をメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34に送信するように送信パス23を制御するように動作することができる。少なくとも1つのプロセッサ24は、モニタされた特性に基づいてビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を生成することができる。
【0115】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器2の識別子、ビデオストリーミングのネットワーク支援を要求するユーザ機器2によって実行されるアプリケーション若しくはサービスの識別子、及び/又はセグメント長に関する情報若しくは他の情報を含み得るメディアを記述する情報を含むことができる。少なくとも1つのプロセッサ24は、そのようなビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を送信するように送信パス23を制御するように動作することができる。
【0116】
ビデオ・ストリーミング・セッション支援ノード34は、セルラ・ネットワーク・ノード、例えばeNodeBに含まれてもよく、そうではなく、セルラ通信ネットワークに通信可能に結合されていてもよい。ビデオ・ストリーミング・セッション支援ノード34は、無線アクセスネットワーク若しくはコアネットワークに接続されている、又は無線アクセスネットワーク若しくはコアネットワークのノードと統合されているサーバであってもよい。
【0117】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、少なくとも1つのプロセッサ35を含むことができる。少なくとも1つのプロセッサ35は、ユーザ機器2によって提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を処理するように動作することができる。少なくとも1つのプロセッサ35は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34でローカルに提供される、又はメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34からリモートに、例えばクラウドにある記憶媒体36におけるビデオ・ストリーミング・セッション関連情報の格納を制御することができる。
【0118】
少なくとも1つのプロセッサ35は、ユーザ機器、セルラ通信ネットワークノード、又は他のエンティティにネットワーク支援を提供するようにビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を処理することができる。少なくとも1つのプロセッサ35は、複数のユーザ機器によって報告されたバッファレベルから統計情報を導出して、eNodeB11によってサービスされるセル内のユーザ機器がディスプレイ26を介してビデオの出力を開始し得る適切なバッファレベルを決定することができる。少なくとも1つのプロセッサ35は、複数のユーザ機器によって報告されたQoEから統計情報を導出して、例えば、高解像度、中解像度、又は低解像度のどのビデオ品質設定がそれぞれのユーザ機器へのビデオストリーミングに適するか判定することができる。
【0119】
上述の処理は、ユーザ機器のタイプに従って行うことができる。例えば、少なくとも1つのプロセッサ35は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を報告したユーザ機器の無線能力と、ビデオストリーミングのためのネットワーク支援を要求するユーザ機器の無線能力とを考慮に入れることができる。
【0120】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ビデオ・ストリーミング・セッションの適切なパラメータを識別する際にユーザ機器2が使用可能なデータを出力するインターフェースを備えることができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援情報をユーザ機器2に送信させるために、eNodeBの無線インターフェース30の送信パスに論理的に、おそらくはさらに物理的にも結合されていてよい。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたデータを、他のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード、コア・ネットワーク・ノード、又はサーバに共有することを可能にする別のインターフェースを備えることができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、eNodeBのスケジューラと通信して、スケジューラが、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34が受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に従ってリソース予約及び/又は割り振りを行うことを可能にするように動作することができる。
【0121】
ユーザ機器2及び/又はメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、図1のシステムにおいて使用することができる。ユーザ機器2及び/又はメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、図1を参照して説明した処理動作のうちのいずれか1つを行うように動作することができる。
【0122】
図1及び図2には基地局と一体のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34が示されているが、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、別の無線アクセス・ネットワーク・ノードと一体であってもよく、1以上の無線アクセス・ネットワーク・ノードへの情報共有接続を有する別個のノードとして形成されてもよい。
【0123】
図1及び図2にはセルラネットワークが示されているが、ネットワーク支援及びストリーミング関連情報は、加えて又は代替として、他の無線インターフェース上で、例えばWi−Fiインターフェースを使用して送信されてもよい。
【0124】
図3は方法40の流れ図である。方法40は、ユーザ機器2によって行われ得る。
【0125】
41で、ユーザ機器は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報をセルラネットワークに送信することができる。ユーザ機器は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報の格納を要求することができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器のバッファ使用及び/又は体験の品質に関する情報を含むことができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、任意選択で、ユーザ機器の識別子、ユーザ機器タイプ(例えば、モデルやオペレーティングシステム情報)、ネットワーク支援を要求するユーザ機器によって実行されたサービス、及び/又はメディア・ストリーミング・セッションのメディアに関するメディア情報を含むこともできる。
【0126】
42で、ユーザ機器はネットワーク支援を要求することができる。ネットワーク支援は、ユーザ機器がビデオ・ストリーミング・セッションに適する、さらには最適な設定を識別するのを支援するために、セルラ通信ネットワークによってユーザ機器に提供され得る。ユーザ機器が受信したネットワーク支援情報は、ユーザ機器によって、バッファレベルの少なくとも1つの閾値を識別するのに使用され得る。ユーザ機器が受信したネットワーク支援情報は、ユーザ機器によって、メディアの出力が開始される前にバッファレベルが到達しなければならない閾値を識別するのに使用され得る。ユーザ機器が受信したネットワーク支援情報は、ユーザ機器によって、高、中、低などの複数の利用可能なメディア品質レベルのうちのどれを初期ビデオ品質設定とすべきか識別するのに使用され得る。
【0127】
ビデオ・ストリーミング・セッションが進行中の間に、ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34が処理するためにビデオ・ストリーミング・セッション関連情報をセルラ通信ネットワークに報告することができる。
【0128】
図4は、方法45の流れ図である。方法45は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって行われ得る。
【0129】
46で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器2からビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を受信する。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、少なくとも1台の別のユーザ機器3、4から別のビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を受信することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1又は複数のユーザ機器からのビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を能動的にポーリングすることができる。
【0130】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器2とメディア・ストリーミング・サーバ14との間に確立されたエンドツーエンドリンクとは異なる通信リンク上でビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を受信することができる。
【0131】
47で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1又は複数のユーザ機器2〜4から受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を格納することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を無線アクセスネットワーク内のノードにローカルに格納することもでき、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34からリモートに、例えば、クラウドに格納することもできる。
【0132】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1又は複数のユーザ機器2〜4から受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を処理することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、バッファレベル又は適切なビデオ品質設定を指示する情報を処理することができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、平均化又は他の統計的演算によって処理することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、処理の結果をネットワーク内の他のエンティティに提供し、且つ/又はビデオストリーミング関連情報に関する情報を他のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードから取得するように動作することができる。
【0133】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、処理されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を無線アクセスネットワーク条件と相関させるように動作することができる。例えば、平均バッファレベル又は時間当たりのバッファアンダーランの回数又はQoE指標を、無線アクセスネットワーク負荷とそれぞれ比較することができる。これにより、ユーザ機器がネットワーク支援を必要としているセルにおける無線アクセスネットワーク条件を考慮に入れたビデオ・ストリーミング・セッションへのネットワーク支援の提供が円滑に行われる。
【0134】
48で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ビデオ・ストリーミング・セッションにネットワーク支援を提供することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34はユーザ機器2に、ユーザ機器がバッファリング手順の少なくとも1つのパラメータを設定するのを支援する情報を提供することができる。例えば、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34はユーザ機器2に、ユーザ機器が、メディア再生が開始される前にバッファが充填されなければならない閾値レベルを設定するのを支援する情報を提供することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34はユーザ機器2に、ユーザ機器がビデオ・ストリーミング・セッションを開始するための初期ビデオ品質を設定するのを支援する情報を提供することができる。ユーザ機器2は、この提示されたビデオ品質を、後でユーザが変更できるそれぞれのビデオ・ストリーミング・セッションのデフォルトとして使用することができる。
【0135】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって提供されるネットワーク支援は、少なくとも、ネットワーク支援を要求するユーザ機器2によって提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報、及び/又はネットワーク支援を要求するユーザ機器とは異なるユーザ機器3、4によって提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に従うものであってよい。ユーザ機器のタイプ及び/又はユーザ機器のハードウェアセットアップは、ユーザ機器2に提供されるネットワーク支援がそれぞれのユーザ機器2の能力及びハードウェアに適することが保証されるように、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって考慮に入れられてよい。
【0136】
図5は、方法50の流れ図である。この方法は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって行われ得る。
【0137】
51で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1又は複数のUEからビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を受信することができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、それぞれバッファレベル情報を含むことができる。バッファレベル情報は、平均バッファレベル、最大バッファレベル、最小バッファレベル、バッファレベルがビデオ再生の一時停止をトリガするアンダーラン閾値を下回るバッファアンダーランの回数、各バッファアンダーランの持続時間、バッファアンダーランの平均継続時間、又は時間変化するバッファレベルから導出された他の情報に関する情報を含むことができる。
【0138】
52で、バッファレベル情報を格納し、任意選択でさらに処理することができる。処理は、報告されたバッファレベル情報から、平均値、分散、歪度その他の統計値などの統計情報を導出することを含むことができる。例えば、同じセル内及び/又は同じタイプのユーザ機器によって報告されたバッファアンダーランの回数が平均化されてもよい。複数のユーザ機器によって報告された平均バッファレベル、最大バッファレベル又は最小バッファレベルが平均化されてもよい。
【0139】
53で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器2がバッファリングパラメータを設定するのを支援するために、ユーザ機器2に送信するためのネットワーク支援情報を生成することができる。ユーザ機器2は、受信したネットワーク支援情報に従ってメディア出力が開始される前にバッファレベルが到達しなければならない閾値を設定するように構成することができる。
【0140】
図6は、方法55の流れ図である。この方法は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって行われ得る。
【0141】
56で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1又は複数のUEからビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を受信することができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、それぞれQoE指標を含むことができる。QoE指標は、それぞれのビデオ品質のQoEに関する情報、例えば、ユーザから受信したビデオ品質に関するフィードバックを含むことができる。フィードバックは、ユーザがビデオ・ストリーミング・セッションを終了したかどうか、頻繁なバッファアンダーランが発生したかどうか、ユーザが高いビデオ解像度から低いビデオ解像度に変更したかどうか、又は他のQoE指標から導出することができる。
【0142】
57で、QoE指標を格納し、任意選択でさらに処理することができる。処理は、報告されたQoE指標から、平均値、分散、歪度その他の統計値などの統計情報を導出することを含むことができる。
【0143】
58で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器2がストリーミング・アルゴリズム・パラメータを設定するのを支援するために、ユーザ機器2に送信するためのネットワーク支援情報を生成することができる。ユーザ機器2は、受信したネットワーク支援情報に従って初期ビデオ品質を設定するように構成することができる。
【0144】
他のビデオ・ストリーミング・セッション関連情報及び/又は他のネットワーク支援情報を使用することもできる。例えば、ビデオ・ストリーミング・セッションにおけるセグメント長に関する情報が、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34に報告され、ビデオ・ストリーミング・セッションによって処理されてもよい。
【0145】
図3図6の方法では、1又は複数の異なるメッセージを使用して、UEからメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34にビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を転送することができる。UEは、ネットワーク支援セッション・セットアップ・メッセージにおいてメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34にビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を送信することができる。UEは、例えば、以下で図9図11を参照してより詳細に説明するように、続いて、ネットワーク支援格納要求においてメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34にビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を送信することができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、例えば、以下で図9図11を参照してより詳細に説明するように、ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージにおいて、又はネットワーク支援応答メッセージにおいて支援情報を送信することができる。
【0146】
図1図6を参照して説明した装置、方法及びシステムにおいて、ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・サーバ14とのエンドツーエンド通信リンクを確立することができる。ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34との別の通信リンクをさらに確立することもでき、その上でユーザ機器2に、ユーザ機器2がビデオ・ストリーミング・セッションに適切なパラメータを識別するのを支援するネットワーク支援が提供される。
【0147】
図7は、図1及び図2の通信システム1の概略図である。ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・サーバ14とのエンドツーエンド通信リンク61を確立する。エンドツーエンド通信リンク61は、適応ビットレート(ABR)プロトコル、例えば、MPEG DASHを使用することができる。ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34との第2の通信リンク62を確立し、その上でユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34にビデオストリーミング関連情報を提供する。別の通信リンク62に使用されるプロトコルは、エンドツーエンド通信リンク61上のABRプロトコルと異なっていてよい。ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34から受信したネットワーク支援情報を、ユーザ機器2及び任意選択で他のユーザ機器によって前に報告されたビデオストリーミング関連情報に基づいて、エンドツーエンド通信リンク61上のビデオストリーミングを改善するために利用することができる。
【0148】
エンドツーエンド通信リンク61でデータを搬送する信号及び別の通信リンク62でデータを搬送する信号は、それぞれ、無線アクセスネットワークのエアインターフェース上で送信される無線信号であってもよい。
【0149】
図8は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34の機能ブロック図である。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、図1から図7のシステム及び方法で使用することができる。
【0150】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、セッション関連ネットワーク支援モジュール63を含むことができる。セッション関連ネットワーク支援モジュール63は、ユーザ機器2からビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を収集するように動作することができる。セッション関連ネットワーク支援モジュール63は、ユーザ機器2の適応ストリーミングを支援するためにユーザ機器2にネットワーク支援情報を提供するように動作することができる。
【0151】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、セッション関連ネットワーク支援モジュール63が1又は複数のユーザ機器からビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を収集し、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34が1又は複数のユーザ機器にネットワーク支援を提供するための第1のインターフェース65を含むことができる。
【0152】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、データ収集提供モジュール64を含むことができる。データ収集提供モジュール64は、ユーザ機器2からのビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を格納するように動作することができる。データ収集提供モジュール64は、1又は複数のユーザ機器からのビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を処理することによって導出されたデータを格納するように動作することができる。データ収集提供モジュール64は、適応ストリーミングに際してユーザ機器に支援が提供されるべきときに、セッション関連ネットワーク支援モジュール63に格納されたデータを提供するように動作することができる。
【0153】
セッション関連ネットワーク支援モジュール63は、ネットワーク支援情報を生成するために、データ収集提供モジュール64によって格納されたデータを取得することができる。
【0154】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、データ収集提供モジュール64が、無線アクセスネットワーク内若しくは無線アクセスネットワーク外に設けられている他のメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノードとデータを共有するための第2のインターフェース66を含むことができる。
【0155】
図9は、一実施形態による通信システムにおけるシグナリングを示す図式80である。
【0156】
ビデオ・ストリーミング・セッションが確立されると、ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34に支援を要求することができる。ネットワーク支援セッションを設定するために、ユーザ機器2は、ネットワーク支援セッション・セットアップ・メッセージ81を送信することができる。ネットワーク支援セッション・セットアップ・メッセージ81は、ネットワーク支援及び/又はビデオ・ストリーミング・セッション及び/又はメディアを要求するユーザ機器及び/又はユーザ機器におけるサービスの識別子を含むことができる。ネットワーク支援セッション・セットアップ・メッセージ81は、ユーザ機器のバッファパラメータを含むことができる。代替として又は加えて、ネットワーク支援セッション・セットアップ・メッセージ81は、メディアのセグメント長などのメディアパラメータを含むこともできる。
【0157】
メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82を生成することができる。ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82は、ビデオ・セッション・セットアップのためのACK/NACKを含むことができる。ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82は、任意選択で、ユーザ機器が適応ストリーミングで使用するためのネットワーク支援情報を含むことができる。
【0158】
ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82に含まれるネットワーク支援情報は、1又は複数のバッファパラメータを含むことができる。(1又は複数の)バッファパラメータにより、例えば、ユーザ機器2が、メディアの出力が開始される前に到達されなければならないバッファ充填レベルを決定することが可能になる。
【0159】
ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82に含まれるネットワーク支援情報は、タイミングパラメータ及び/又はセグメントパラメータを含むことができる。タイミングパラメータ及び/又はセグメントパラメータは、ユーザ機器2が適応ストリーミングに適切なメディアのセグメント長及び/又はタイミングを決定するのを支援することができる。
【0160】
ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82に含まれるネットワーク支援情報は、適切な初期ビデオ品質設定の識別子を含むことができる。ユーザ機器2は、ビデオ品質設定を使用して、いくつかの既定のビデオ品質レベルのうちのどれを選択すべきかを決定することができる。
【0161】
ネットワーク支援セッション中に、ユーザ機器2は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34をトリガしてネットワーク支援情報を提供させるためにネットワーク支援要求83を送信することができる。ユーザ機器2は、ネットワーク支援要求83にビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を含めることができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器2によって、ビデオデータがバッファされるバッファの時間変化するバッファレベルから、ユーザ入力から、又はビデオ・ストリーミング・セッション中にモニタされる他の特性から導出され得る。
【0162】
ネットワーク支援要求83に応答して、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、適応ビットレートストリーミングのためのネットワーク支援情報を含むネットワーク支援応答メッセージ84を送信することができる。ネットワーク支援情報は、ユーザ機器2がストリーミングアルゴリズムで使用できる1又は複数のパラメータを含むことができる。またネットワーク支援応答メッセージ84は、ユーザ機器が適切なメディアを選択するのを支援するメディア選択サポートも含むことができる。例えば、異なる品質レベルで利用可能なメディアの場合、メディア選択サポートは、ビデオ・ストリーミング・セッションの開始時又は進行中のビデオ・ストリーミング・セッション中に、ユーザ機器が適切な品質レベルを選択するのを支援することができる。
【0163】
図10は、一実施形態による通信システムにおけるシグナリングを示す図式80である。
【0164】
図9を参照して説明したように行われ得るネットワーク支援セッションがセットアップされた後、ユーザ機器は専用ネットワーク支援格納要求86を送信して、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34にビデオストリーミング関連情報を格納させることができる。
【0165】
ネットワーク支援格納要求86は、進行中のビデオ・ストリーミング・セッションの状況に関係するビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を含むことができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器2によって、ビデオデータがバッファされるバッファの時間変化するバッファレベルから、ユーザ入力から、又はビデオ・ストリーミング・セッション中にモニタされる他の特性から導出され得る。
【0166】
ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最大バッファレベルを指示することができる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最小バッファレベルを指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の平均バッファレベルを指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、1回のバッファ再充填当たりのセグメント数を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、バッファアンダーランの回数を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、各バッファアンダーランの持続期間を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるQoE指標を指示することもできる。
【0167】
ネットワーク支援格納要求86は、ネットワーク支援情報を要求するユーザ機器の識別子及び/又はユーザ機器のアプリケーションモジュールの識別子を含むことができる。
【0168】
ネットワーク支援格納要求86に応答して、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援格納応答メッセージ87を送信することができる。ネットワーク支援格納応答メッセージ87は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を格納するための、ACK/NACKなどの確認応答状況を含むことができる。ネットワーク支援格納応答メッセージ87は、ユーザ機器が適応ストリーミングに使用するネットワーク支援情報を含むことができるが、含まなくてもよい。
【0169】
図11は、一実施形態による通信システムにおけるシグナリングを示す図式90である。図11に示すように、ネットワーク支援セッションが91で確立された後、ユーザ機器は92でネットワーク支援を要求することができる。代替として又は加えて、ユーザ機器は、93でビデオ・ストリーミング・セッション関連情報の格納を要求することもできる。これらのメッセージは、図9及び図10を参照して説明したように実施することができる。
【0170】
図12は、一実施形態によるユーザ機器2のブロック図100である。
【0171】
ユーザ機器は、ビデオ・ストリーミング・セッションにおいてビデオデータを受信する受信パス103を含む。受信パス103は、適応ストリーミングを支援するために、ネットワーク支援セッションにおいてネットワーク支援情報を受信するように動作する。ビデオデータは、バッファ104にバッファすることができる。表示制御部107は、ディスプレイ108を制御するためにバッファ104からビデオデータを取得することができる。
【0172】
ユーザ機器2は、プロセッサによって実行され得るストリーミング・アルゴリズム・モジュール101を含む。ストリーミング・アルゴリズム・モジュール101は、送受信制御部102と通信して、例えば、ストリーミングサーバ14とのエンドツーエンドリンクを確立し、又はエンドツーエンドリンク上でのストリーミングサーバ14とのストリーミングを適合させることができる。
【0173】
ストリーミングの1又は複数のパラメータが、受信パス103において受信されるネットワーク支援情報に従って、ユーザ機器によって設定される。そのようなパラメータの例が、セグメント長、タイミング情報、バッファリングパラメータ又はビデオ品質である。ストリーミング・アルゴリズム・モジュール101は、上記図1から図11を参照して説明したように、受信したネットワーク支援に従ってストリーミングアルゴリズムの1又は複数のパラメータを設定することができる。
【0174】
ユーザ機器2は、ビデオ・ストリーミング・セッション中の特性をモニタする情報集約モジュール110を含むことができる。情報集約モジュール110は、バッファレベルの時間依存変動をモニタして、最大バッファレベル、最小バッファレベル又は平均バッファレベルなどの特性を識別するように動作することができる。情報集約モジュール110は、バッファレベルの時間依存変動をモニタして、バッファアンダーランの回数及び/又は各バッファアンダーランの持続時間などの特性を識別するように動作することができる。情報集約モジュール110は、QoE決定モジュール109からQoE指標を取得するように動作することができる。QoE決定モジュール109は、バッファアンダーラン、ユーザ入力、又は他の特性に基づいてQoEの指標を決定するように動作することができる。
【0175】
図13は、方法120の流れ図である。方法120は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって行われ得る。方法120は、ネットワーク支援セッションのセットアップ時に行うことができる。
【0176】
121で、ストリーミングセッションが開始する。ストリーミングセッションは、ネットワーク支援あり又はなしでユーザ機器によって開始され得る。
【0177】
122で、ネットワーク支援セッションセットアップが、例えばユーザ機器によって開始される。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援セッション・セットアップ・メッセージ81を受信することができる。
【0178】
123で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援を要求するユーザ機器によって、又は他のユーザ機器によって提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたデータが格納されているかどうか判定することができる。125で、1又は複数のユーザ機器によって提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたそのような統計データが利用できない場合、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器からのビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に基づくネットワーク支援情報を含まないようにネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82を生成することができる。とは言え、ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82はやはり、例えば、RANパラメータに依存する、ユーザ機器の報告に基づくものではないネットワーク支援情報を含むことができる。
【0179】
124で、1又は複数のユーザ機器によって提供されたビデオ・ストリーミング・セッション関連情報から導出されたそのような統計データが利用できる場合、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援情報を含むようにネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82を生成することができる。ネットワーク支援情報は、ユーザ機器2の適応ストリーミングを支援し、且つ/又はユーザ機器2が適切なメディア、例えば、適切な品質レベルを有するビデオを識別するのを支援する1又は複数のパラメータを含むことができる。
【0180】
図14は、方法130の流れ図である。方法130は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によって行われ得る。方法130は、ネットワーク支援セッションのセットアップの後に行うことができる。図14を参照して説明する様々な動作は、図13の方法120のステップ124、ステップ125の後に行うことができる。
【0181】
131で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援セッションで要求メッセージを受信したかどうか判定することができる。要求メッセージを受信しない場合、方法はループして131に戻ることができる。
【0182】
132で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、受信したメッセージがネットワーク支援格納要求86であるかどうか判定することができる。受信したメッセージがネットワーク支援格納要求86である場合、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援格納要求86からビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を取得することができる。
【0183】
133で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援格納要求86からのビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を格納させることができる。情報は、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34の記憶媒体にローカルに格納することもでき、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34からリモートに、例えば、クラウドに格納することもできる。
【0184】
134で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、任意選択で、受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を処理することもできる。処理は、受信したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を分析することを含むことができる。平均化や分散の決定などの1又は複数の統計的演算を行うこともできる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、処理した統計情報を無線アクセスネットワーク条件及び/又はユーザ機器のタイプ情報と関連付けることができる。統計データは格納することができる。この方法は、131に戻ることができる。
【0185】
135で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、受信したメッセージがネットワーク支援要求83であるかどうか判定することができる。136で、受信したメッセージがネットワーク支援要求83である場合、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1又は複数のユーザ機器からのビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に基づくものであるネットワーク支援情報の集合にアクセスすることができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ユーザ機器が適応ストリーミングのための1又は複数のパラメータを設定することを可能にするネットワーク支援情報を生成することができる。そのようなパラメータの一例は、ビデオ出力が開始されるバッファレベルである。別の例は、適応ストリーミングのためのセグメント長及び/又はタイミング情報である。別の例は、適切なビデオ品質設定である。
【0186】
137で、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、ネットワーク支援情報を含むネットワーク支援応答84を生成することができる。
【0187】
ネットワーク支援応答84の生成は、ネットワーク支援を要求するユーザ機器の位置及び/又はタイプに従って行うことができる。例えば、ユーザ機器が位置しているセルと、要求側ユーザ機器のハードウェア又は能力とに従って、ネットワーク支援応答84は、要求側ユーザ機器と同じセル内のユーザ機器及び/又は要求側ユーザ機器と少なくとも類似したハードウェアを有するユーザ機器から取得したビデオ・ストリーミング・セッション関連情報に基づいて生成され得る。
【0188】
追加の方法ステップを実施することもできる。例えば、ネットワーク支援セッション開始時にメディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34によってタイマが開始されてもよい。タイマのタイムアウトにより、ネットワーク支援セッションを終了させることができる。
【0189】
図15は、方法140の流れ図である。方法140は、ユーザ機器2によって行われ得る。方法140は、ネットワーク支援セッションのセットアップ時に行うことができる。
【0190】
141で、ストリーミングセッションが開始する。ネットワーク支援セッションセットアップが、例えば、ユーザ機器2によって開始される。ユーザ機器2は、ネットワーク支援セッション・セットアップ・メッセージ81を送信することができる。
【0191】
142で、ユーザ機器2は、ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82を受信する。
【0192】
143で、ユーザ機器2は、ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82がネットワーク支援情報を含むかどうかを判定することができる。
【0193】
144で、ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82がネットワーク支援情報を含まない場合、ユーザ機器2は、ネットワーク支援なしでストリーミング・セッション・パラメータを構成することができる。
【0194】
145で、ネットワーク支援セッションセットアップ応答メッセージ82がネットワーク支援情報を含む場合、ユーザ機器2は、ネットワーク支援情報に基づいてストリーミング・セッション・パラメータを構成することができる。例えば、セグメント長、タイミングパラメータ、バッファ戦略、及び/又はメディア選択を、ネットワーク支援情報に従って行うことができる。
【0195】
図16は、方法150の流れ図である。方法150は、ユーザ機器2によって行われ得る。方法150は、ネットワーク支援セッションのセットアップの後に行うことができる。図14を参照して説明する様々な動作は、図15の方法140のステップ144、ステップ145の後に行うことができる。
【0196】
151で、ユーザ機器は、ネットワーク支援を要求するための第1のトリガイベントが発生したかどうか判定することができる。第1のトリガイベントは、第1のタイマのタイムアウト又はメディアストリーミング中の不規則な条件であってよい。
【0197】
152で、第1のトリガイベントが発生した場合、ユーザ機器はネットワーク支援要求83を生成することができる。ネットワーク支援要求83は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を含むことができる。ネットワーク支援要求83は、ユーザ機器識別子、ネットワーク支援を要求するアプリケーションの識別子、ビデオ・ストリーミング・セッションの識別子、又はメディア記述情報を含むことができる。
【0198】
153で、ユーザ機器は、メディア・ストリーミング・セッション関連情報の格納を要求するための第2のトリガイベントが発生したかどうか判定することができる。第2のトリガイベントは、第2のタイマのタイムアウトであっても、ユーザ入力であっても、ユーザ機器上で実行されたビデオ・ストリーミング・アプリケーションによって出された要求であってもよい。
【0199】
154で、第2のトリガイベントが発生した場合、ユーザ機器は、ネットワーク支援格納要求85を生成することができる。ネットワーク支援格納要求85は、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報を含む。ネットワーク支援格納要求85は、ユーザ機器識別子、ネットワーク支援を要求するアプリケーションの識別子、ビデオ・ストリーミング・セッションの識別子、又はメディア記述情報を含むことができる。ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最大バッファレベルを指示することができる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の最小バッファレベルを指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるユーザ機器の平均バッファレベルを指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、ユーザ機器開始のバッファ再充填間の時間を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、1回のバッファ再充填当たりのセグメント数を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、バッファアンダーランの回数を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、各バッファアンダーランの持続期間を指示することもできる。代替として又は加えて、ビデオ・ストリーミング・セッション関連情報は、メディア・ストリーミング・セッションにおけるQoE指標を指示することもできる。
【0200】
155で、新しいネットワーク支援セッションをセットアップすることができる。これは、図15を参照して説明した方法140を行うことによって実施することができる。
【0201】
実施形態による装置、方法及びシステムによって様々な効果が達成される。例えば、適応ストリーミングで使用するためのネットワーク支援をユーザ機器に提供することができ、提供されるネットワーク支援は、他のユーザ機器又は同じユーザ機器によって前に報告されたメディア・ストリーミング・セッション関連情報に基づくものである。
【0202】
図面を参照して例示的な実施形態を説明したが、他の実施形態において改変を実施することもできる。例えば、メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34はeNodeBと統合されている必要はなく、無線アクセスネットワークの別のノードにおいて、又はコアネットワークにおいてさえ設けることができる。メディア・ストリーミング・ネットワーク支援ノード34は、1以上の無線アクセス・ネットワーク・ノードへの情報共有接続を有する別個のノードとして形成されてもよい。
【0203】
さらに別の例として、本明細書に開示する技術は、ネットワーク支援がセルラ通信ネットワークのエアインターフェース上でユーザ機器に提供されることを可能にし、且つ/又はメディア・ストリーミング・セッション関連情報がセルラ通信ネットワークのエアインターフェース上でユーザ機器によって共有されることを可能にするが、ネットワーク支援及びメディア・ストリーミング・セッション関連情報は、加えて又は代替として、他の無線インターフェース、例えばWi−Fi上で送信することもできる。
【0204】
さらに別の例として、本明細書に開示する技術は、ビデオを含むストリーミングメディアと関連付けて使用され得るが、これらの技術は、オーディオストリーミングなどの他のメディアストリーミングにも使用することもできる。
【0205】
本発明をいくつかの好ましい実施形態に関して図示し、説明したが、本明細書を読み、理解すれば、当業者には、均等物及び改変形態が想起されるであろう。本発明は、あらゆるそうした均等物及び改変形態を含み、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16