(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルスタック装置は運転時において高温となるため、仕切板が熱膨張することがある。仕切板は、マニホールドの天板と当接しているため、仕切板が熱膨張することによって、天板を押圧して変形させてしまうおそれがある。天板が変形すると、天板に支持された電気化学セルの基端部や電気化学セルを天板に接合する接合材などにクラックが生じるといったような問題が生じる。このため、天板の変形は抑制することが好ましい。そこで、本発明の課題は、天板の変形を抑制することのできるマニホールド及びセルスタック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に係るマニホールドは、電気化学セルにガスを供給するためのマニホールドである。電気化学セルは、第1及び第2ガス流路を有する。第1及び第2ガス流路は、電気化学セルの基端部から先端部に延び、且つ電気化学セルの先端部で互いに連通する。マニホールドは、第1マニホールド本体と、第2マニホールド本体と、を備える。第1マニホールド本体は、第1ガス流路と連通する第1ガス室を有する。第2マニホールド本体は、第2ガス流路と連通する第2ガス室を有する。第2マニホールド本体は、第1マニホールド本体内に配置されている。
【0006】
この構成によれば、従来のマニホールドのように仕切板でマニホールド本体をガス供給室とガス回収室とに仕切るのではなく、第1マニホールド本体内に第2マニホールド本体を配置することによって、第1ガス室と第2ガス室とに分けている。このように、本願の第1側面に係るマニホールドは、仕切板を有していないため、仕切板の膨張による天板の変形を防止することができる。なお、第1ガス室をガス供給室とし第2ガス室をガス回収室としてもよいし、第1ガス室をガス回収室とし第2ガス室をガス供給室としてもよい。
【0007】
好ましくは、第1マニホールドは、第1天板と、第1底板と、第1側板とを有する。第1天板は、第1ガス流路と第1ガス室とを連通させるための第1貫通孔を含む。第2マニホールドは、第2天板と、第2底板と、第2側板とを有する。第2天板は、第2ガス流路と第2ガス室とを連通させるための第2貫通孔を含む。
【0008】
好ましくは、第2天板は、第1天板の一部によって構成される。この構成によれば、第2側板と第2底板とから構成される箱体を第1天板に取り付けるだけで第1ガス室と第2ガス室とに分けることができる。このため、第1ガス室と第2ガス室とを有するマニホールドを容易に作製することができる。
【0009】
好ましくは、第1底板と第2底板とは、互いに間隔をあけている。この構成によれば、マニホールドの底板となる第1底板は、第1ガス室内のみに露出し、第2ガス室内には露出しないため、第1底板に温度分布が生じることを抑制することができる。これに対して、従来のように仕切板によってガス供給室とガス回収室とに分かれるマニホールドでは、底板はガス供給室内とガス回収室内との両方に露出している。ガス供給室内とガス回収室内とではガスの温度が異なるため、ガス供給室内とガス回収室内との両方に露出する底板に温度分布が生じる。
【0010】
好ましくは、第1側板と第2側板とは、互いに間隔をあけている。
【0011】
好ましくは、マニホールドは、複数の電気化学セルにガスを供給するように構成されている。第1マニホールド本体及び第2マニホールド本体は、電気化学セルの配列方向に延びている。第2マニホールド本体は、第1マニホールド本体内において、マニホールドの幅方向の一方の端部側に寄って配置される。
【0012】
好ましくは、マニホールドは、複数の電気化学セルにガスを供給するように構成されている。第1マニホールド本体及び第2マニホールド本体は、電気化学セルの配列方向に延びている。第2マニホールド本体は、第1マニホールド本体内において、マニホールドの幅方向の中央部に配置される。
【0013】
好ましくは、マニホールドは、第2ガス管と、第2ガスシール部とをさらに備える。第2ガス管は、第1マニホールド本体を貫通し、第2マニホールド本体に取り付けられる。第2ガスシール部は、第1マニホールド本体と第2ガス管との隙間を封止する。第2ガスシール部は、第1マニホールド本体の外側面上に配置される。
【0014】
本発明の第2側面に係るセルスタック装置は、電気化学セルと、上述したいずれかのマニホールドとを備えている。マニホールドは、電気化学セルの基端部を支持する。電気化学セルは、少なくとも1つの第1ガス流路と、少なくとも1つの第2ガス流路と、を有する。第1ガス流路は、第1ガス室と連通する。第1ガス流路は、電気化学セルの基端部から先端部に延びる。第2ガス流路は、第2ガス室と連通する。第2ガス流路は、電気化学セルの基端部から先端部に延びる。第1ガス流路と第2ガス流路とは、電気化学セルの先端部において互いに連通する。
【0015】
本発明の第3側面に係る電気化学セルは、先端部及び基端部を有する電気化学セルである。この電気化学セルは、支持基板と、少なくとも1つの発電素子部と、複数の第1ガス流路と、少なくとも1つの第2ガス流路と、を備える。発電素子部は、支持基板上に配置される。第1ガス流路は、支持基板内を基端部から先端部に向かって延びる。第1ガス流路は、当該電気化学セルの幅方向の両端部に配置される。第2ガス流路は、支持基板内を基端部から先端部に向かって延びる。第2ガス流路は、先端部において第1ガス流路と連通する。第2ガス流路は、当該電気化学セルの幅方向の中央部に配置される。
【0016】
好ましくは、複数の第1ガス流路の流路断面積の合計値は、少なくとも1つの第2ガス流路の流路断面積の合計値よりも大きい。
【0017】
好ましくは、各第1ガス流路の流路断面積は、各第2ガス流路の流路断面積よりも大きい。
【0018】
好ましくは、第1ガス流路の数は、第2ガス流路の数よりも多い。
【0019】
好ましくは、複数の第1ガス流路の流路断面積の合計値は、少なくとも1つの第2ガス流路の流路断面積の合計値よりも小さい。
【0020】
好ましくは、各第1ガス流路の流路断面積は、各第2ガス流路の流路断面積よりも小さい。
【0021】
好ましくは、第1ガス流路の数は、第2ガス流路の数よりも多い。
【0022】
好ましくは、隣り合う第1ガス流路と第2ガス流路との間のピッチは、隣り合う第1ガス流路間のピッチよりも大きい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、天板の変形を抑制することのできるマニホールド及びセルスタック装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るマニホールド及びセルスタック装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、電気化学セルの一例として燃料電池セル、より具体的には固体酸化物形燃料電池セル(SOFC)を用いて説明する。
図1はセルスタック装置を示す斜視図、
図2はマニホールドの断面図である。なお、
図1及び
図2において、いくつかの燃料電池セルの記載を省略している。
【0026】
[セルスタック装置]
図1に示すように、セルスタック装置100は、マニホールド2と、複数の燃料電池セル10とを備えている。
【0027】
[マニホールド]
マニホールド2は、燃料電池セル10にガスを供給するように構成されている。また、マニホールド2は、燃料電池セル10から排出されたガスを回収するように構成されている。
【0028】
図2及び
図3に示すように、マニホールド2は、第1マニホールド本体2aと、第2マニホールド本体2bとを有している。第1マニホールド本体2aは、第1ガス室20aを有している。本実施形態では、第1ガス室20aは、ガス供給源(図示省略)から供給された燃料ガスを燃料電池セル10に供給する。第1ガス室20aは、後述する燃料電池セル10のガス往路43と連通している。第1ガス室20aは、第1マニホールド本体2aの内部空間のうち、第2マニホールド2bが占める空間を除いた空間である。
【0029】
第1マニホールド本体2aは、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向に延びている)。すなわち、第1ガス室20aは、燃料電池セル10の配列方向に延びている。マニホールド2は、燃料電池セル10の配列方向において、第1端部201と第2端部202とを有している。なお、
図2の中心線Cは、配列方向におけるマニホールド2の中心を示している。
【0030】
詳細には、第1マニホールド本体2aは、第1天板21a、第1底板22a、及び第1側板23aを有している。第1天板21a、第1底板22a、及び第1側板23aによって、第1ガス室20aを画定している。第1マニホールド本体2aは、直方体状である。
【0031】
例えば、第1底板22aと第1側板23aとは1つの部材で構成されている。第1天板21aは、第1側板23aの上端部と接合している。なお、第1天板21aと第1側板23aとが1つの部材で構成されており、第1底板22aが第1側板23aの下端部と接合していてもよい。
【0032】
第1側板23aは、一対の第1側板部231aと、一対の第1連結部232aとを有する。各第1側板部231aは、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)に延びている。各第1連結部232aは、燃料電池セル10の幅方向(y軸方向)に延びている。各第1連結部232aは、一対の第1側板部231aの端部同士を連結している。
【0033】
図4に示すように、第1天板21aは、複数の第1貫通孔211aを有している。各第1貫通孔211aは、第1ガス室20aとガス往路43とを連通させている。各第1貫通孔211aは、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。各第1貫通孔211aの配列方向(z軸方向)は、燃料電池セル10の配列方向と同義である。
【0034】
各第1貫通孔211aは、マニホールド2の幅方向(y軸方向)に延びている。なお、各第1貫通孔211aは、後述する各第2貫通孔211bと一体的に形成されている。
【0035】
図2及び
図3に示すように、第2マニホールド本体2bは、第2ガス室20bを有している。本実施形態では、第2ガス室20bは、燃料電池セル10から排出された燃料ガスを回収する。第2ガス室20bは、後述する燃料電池セル10のガス復路44と連通している。
【0036】
第2マニホールド本体2bは、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)に延びている。すなわち、第2ガス室20bは、燃料電池セル10の配列方向に延びている。
【0037】
第2マニホールド本体2bは、第1マニホールド本体2a内に配置されている。第2マニホールド本体2bは、第1マニホールド本体2a内において、マニホールド2の幅方向(y軸方向)の一方の端部に寄って配置されている。本実施形態では、第2マニホールド本体2bは、第1マニホールド本体2a内において、
図3の右側に寄って配置されている。
【0038】
第2マニホールド本体2bは、第2天板21b、第2底板22b、及び第2側板23bを有している。第2天板21b、第2底板22b、及び第2側板23bによって、第2ガス室20bを画定している。第2マニホールド本体2bは、直方体状である。
【0039】
例えば、第2底板22bと第2側板23bとは1つの部材で構成されている。第2天板21bは、第2側板23bの上端部と接合している。なお、第2天板21bと第2側板23bとが1つの部材で構成されており、第2底板22bが第2側板23bの下端部と接合していてもよい。
【0040】
第2側板23bは、一対の第2側板部231bと、一対の第2連結部232bとを有する。各第2側板部231bは、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)に延びている。各第2連結部232bは、燃料電池セル10の幅方向(y軸方向)に延びている。各第2連結部232bは、一対の第2側板部231b同士を連結している。
【0041】
第2底板22bは、第1底板22aと間隔をあけて配置されている。このため、第1底板22aと第2底板22bとの間の空間は、第1ガス室20aの一部となっている。また、第2側板23bは、第1側板23aと間隔をあけて配置されている。このため、第1側板23aと第2側板23bとの間の空間は、第1ガス室20aの一部となっている。
【0042】
第2天板21bは、第1天板21aの一部によって構成されている。すなわち、第1天板21aの一部は、第2マニホールド本体2bの第2天板21bとして機能している。詳細には、第2マニホールド本体2bの第2底板22b及び第2側板23bからなる箱体が、第1天板21aに取り付けられている。
【0043】
図4に示すように、第2天板21bは、複数の第2貫通孔211bを有している。各第2貫通孔211bは、第2ガス室20bとガス復路44とを連結させている。各第2貫通孔211bは、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。各第2貫通孔211bの配列方向(z軸方向)は、燃料電池セル10の配列方向と同義である。
【0044】
各第2貫通孔211bは、マニホールド2の幅方向(y軸方向)に延びている。各第2貫通孔211bは、第2ガス室20bと連通している。なお、各第2貫通孔211bは、上述したように、各第1貫通孔211aと一体的に形成されている。
【0045】
図5に示すように、第1及び第2天板21a、21bは、各燃料電池セル10の基端部101を支持している。詳細には、接合材103が第1及び第2天板21a、21bと燃料電池セル10の基端部101とを接合する。接合材103は、燃料電池セル10の基端部101の周囲に沿って環状に形成されている。なお、第1及び第2天板21a、21bは、燃料電池セル10を本実施形態のように直接的に支持してもよいし、燃料電池セル10との間に別の部材を介して燃料電池セル10を間接的に支持していてもよい。
【0046】
[第1ガス管]
図2に示すように、第1ガス管12は、第1ガス室20aにガスを供給するように構成されている。第1ガス管12は、第1ガス室20aと連通している。詳細には、第1ガス管12は、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第1端部201側において、第1ガス室20aと連通している。
【0047】
第1ガス管12は、第1マニホールド本体2aに取り付けられている。詳細には、第1ガス管12は、例えば、第1連結部232aに取り付けられている。なお、第1ガス管12は、第1連結部232aから、燃料電池セル10の配列方向に沿ってガスを供給している。すなわち、第1ガス管12によるガス供給方向は、燃料電池セル10の配列方向に沿っている。
【0048】
[第2ガス管]
第2ガス管13は、第2ガス室20bからガスを回収するように構成されている。第2ガス管13は、第2ガス室20bと連通している。第2ガス管13は、燃料電池セル10の配列方向において、マニホールド2の中心Cよりも第2端部202側において第2ガス室20bと連通している。
【0049】
第2ガス管13は、第2マニホールド本体2bに取り付けられている。詳細には、第2ガス管13は、例えば、第2連結部232bに取り付けられている。なお、第2ガス管13が取り付けられる第2連結部232bは、第1ガス管12が取り付けられる第1連結部232aと反対側に配置されている。
【0050】
第2ガス管13は、第1マニホールド本体2aを貫通している。詳細には、第2ガス管13は、第1マニホールド本体2aの第1側板23aを貫通して延びている。なお、第2ガス管13は、第1マニホールド本体2aの第1側板23aのうち、第1連結部232aを貫通して延びている。
【0051】
第2ガス管13は、第2連結部232bから、燃料電池セル10の配列方向に沿ってガスを回収している。すなわち、第2ガス管13によるガス回収方向は、燃料電池セル10の配列方向に沿っている。
【0052】
第1ガス管12は、第2ガス管13のガス回収方向に沿ってガスを供給している。すなわち、第1ガス管12によるガス供給方向は、第2ガス管13によるガス回収方向と実質的に同じである。
【0053】
[燃料電池セル]
図5に示すように、燃料電池セル10は、マニホールド2から上方に延びている。詳細には、燃料電池セル10は、基端部101がマニホールド2に取り付けられている。本実施形態では、燃料電池セル10の基端部101は下端部を意味し、燃料電池セル10の先端部102は上端部を意味する。
【0054】
図1に示すように、各燃料電池セル10は、主面同士が対向するように並べられている。また、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に沿って間隔をあけて並べられている。すなわち、燃料電池セル10の配列方向は、マニホールド2の長さ方向に沿っている。なお、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向に沿って等間隔に配置されていなくてもよい。
【0055】
図5及び
図6に示すように、燃料電池セル10は、支持基板4と、複数の発電素子部5と、連通部材3と、を有している。各発電素子部5は、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。なお、第1主面45に形成される発電素子部5の数と第2主面46に形成される発電素子部5の数とは、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。また、各発電素子部5の大きさは、互いに異なっていてもよい。
【0056】
[支持基板]
支持基板4は、マニホールド2から上下方向に延びている。詳細には、支持基板4は、マニホールド2から上方に延びている。支持基板4は、扁平状であり、基端部41と先端部42とを有している。基端部41及び先端部42は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)における両端部である。本実施形態では、支持基板4の基端部41は下端部を意味し、支持基板4の先端部42は上端部を意味する。
【0057】
支持基板4の基端部41は、マニホールド2に取り付けられる。例えば、支持基板4の基端部41は、接合材103などによってマニホールド2の第1及び第2天板21a、21bに取り付けられる。詳細には、支持基板4の基端部41は、第1及び第2天板21a、21bに形成された第1及び第2貫通孔211a、211bに挿入されている。なお、支持基板4の基端部41は、第1及び第2貫通孔211a、211bに挿入されていなくてもよい。
【0058】
支持基板4は、複数のガス往路43(第1ガス流路の一例)と、複数のガス復路44(第2ガス流路の一例)とを有している。ガス往路43は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、ガス往路43は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。ガス往路43は、支持基板4を貫通している。各ガス往路43は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各ガス往路43は、等間隔に配置されていることが好ましい。支持基板4は、長さ方向(x軸方向)よりも幅方向(y軸方向)の寸法の方が長くてもよい。
【0059】
図5に示すように、隣り合うガス往路43のピッチp1は、例えば、1〜5mm程度である。この隣り合うガス往路43のピッチp1は、ガス往路43の中心間の距離である。例えば、ガス往路43のピッチp1は、基端部41、中央部、及び先端部42のそれぞれにおいて測定したピッチの平均値とすることができる。
【0060】
ガス往路43は、燃料電池セル10の基端部101から先端部102に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、ガス往路43は、基端部101側において、第1マニホールド本体2aの第1ガス室20aと連通している。
【0061】
ガス復路44は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、ガス復路44は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。ガス復路44は、ガス往路43と実質的に平行に延びている。
【0062】
ガス復路44は、支持基板4を貫通している。各ガス復路44は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各ガス復路44は、等間隔に配置されていることが好ましい。
【0063】
隣り合うガス復路44のピッチp2は、例えば、1〜5mm程度である。この隣り合うガス復路44のピッチp2は、ガス復路44の中心間の距離である。例えば、ガス復路44のピッチp2は、基端部41、中央部、及び先端部42のそれぞれにおいて測定したピッチの平均値とすることができる。なお、各ガス復路44間のピッチp2は、各ガス往路43間のピッチp1と実質的に等しいことが好ましい。
【0064】
ガス復路44は、燃料電池セル10の基端部101から先端部102に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、ガス復路44は、基端部101側において、第2マニホールド本体2bの第2ガス室20bと連通している。
【0065】
隣り合うガス往路43とガス復路44とのピッチp0は、例えば、1〜10mm程度である。この隣り合うガス往路43とガス復路44とのピッチp0は、ガス往路43の中心とガス復路44の中心との距離である。例えば、ピッチp0は、支持基板4の基端面411において測定することができる。
【0066】
隣り合うガス往路43とガス復路44とのピッチp0は、隣り合うガス往路43のピッチp1よりも大きい。また、隣り合うガス往路43とガス復路44とのピッチp0は、隣り合うガス復路44のピッチp2よりも大きい。
【0067】
ガス往路43とガス復路44とは、燃料電池セル10の先端部102側において互いに連通している。詳細には、ガス往路43と、ガス復路44とが、連通部材3の連通流路30を介して連通している。
【0068】
ガス往路43及びガス復路44は、ガス往路43内におけるガスの圧力損失がガス復路44内におけるガスの圧力損失よりも小さくなるように構成されている。なお、本実施形態のようにガス往路43及びガス復路44のそれぞれが複数本ある場合、各ガス往路43内におけるガスの圧力損失の平均値が、各ガス復路44内におけるガスの圧力損失の平均値よりも小さくなるように、ガス往路43及びガス復路44が構成される。
【0069】
例えば、各ガス往路43の流路断面積は、各ガス復路44の流路断面積よりも大きくすることができる。なお、ガス往路43の数とガス復路44との数とが異なる場合は、各ガス往路43の流路断面積の合計値が、各ガス復路44の流路断面積の合計値よりも大きくすることができる。
【0070】
特に限定されるものではないが、各ガス復路44の流路断面積の合計値は、各ガス往路43の流路断面積の合計値の20〜95%程度とすることができる。なお、ガス往路43の流路断面積は、例えば、0.5〜20mm
2程度とすることができる。また、ガス復路44の流路断面積は、例えば、0.1〜15mm
2程度とすることができる。
【0071】
なお、ガス往路43の流路断面積は、ガス往路43が延びる方向(x軸方向)と直交する面(yz平面)で切断した切断面におけるガス往路43の流路断面積を言う。また、ガス往路43の流路断面積は、基端部41側の任意の箇所における流路断面積と、中央部の任意の箇所における流路断面積と、先端部42側の任意の箇所における流路断面積との平均値とすることができる。
【0072】
また、ガス復路44の流路断面積は、ガス復路44が延びる方向(x軸方向)と直交する面(yz平面)で切断した切断面におけるガス復路44の流路断面積を言う。また、ガス復路44の流路断面積は、基端部41側の任意の箇所における流路断面積と、中央部の任意の箇所における流路断面積と、先端部42側の任意の箇所における流路断面積との平均値とすることができる。
【0073】
図6に示すように、支持基板4は、第1主面45と、第2主面46とを有している。第1主面45と第2主面46とは、互いに反対を向いている。第1主面45及び第2主面46は、各発電素子部5を支持している。第1主面45及び第2主面46は、支持基板4の厚さ方向(z軸方向)を向いている。また、支持基板4の各側面47は、支持基板4の幅方向(y軸方向)を向いている。各側面47は、湾曲していてもよい。
図1に示すように、各支持基板4は、第1主面45と第2主面46とが対向するように配置されている。
【0074】
図6に示すように、支持基板4は、発電素子部5を支持している。支持基板4は、電子伝導性を有さない多孔質の材料によって構成される。支持基板4は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成される。または、支持基板4は、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY
2O
3(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl
2O
4(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板4の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。この気孔率は、例えば、アルキメデス法、又は微構造観察により測定される。
【0075】
支持基板4は、緻密層48によって覆われている。緻密層48は、ガス往路43及びガス復路44から支持基板4内に拡散されたガスが外部に排出されることを抑制するように構成されている。本実施形態では、緻密層48は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。なお、本実施形態では、緻密層48は、後述する電解質7と、インターコネクタ91とによって構成されている。緻密層48は、支持基板4よりも緻密である。例えば、緻密層48の気孔率は、0〜7%程度である。
【0076】
[発電素子部]
複数の発電素子部5が、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている。詳細には、各発電素子部5は、支持基板4上において、基端部41から先端部42に向かって互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に沿って、間隔をあけて配置されている。なお、各発電素子部5は、後述する電気的接続部9によって、互いに直列に接続されている。
【0077】
発電素子部5は、支持基板4の幅方向(y軸方向)に延びている。発電素子部5は、支持基板4の幅方向において第1部分51と第2部分52とに区画される。なお、第1部分51と第2部分52との厳密な境界はない。例えば、燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、支持基板4の長さ方向視(x軸方向視)において、第1ガス室20aと第2ガス室20bとの境界と重複する部分を、第1部分51と第2部分52との境界部とすることができる。
【0078】
支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、ガス往路43は、発電素子部5の第1部分51と重複している。また、支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、ガス復路44は、発電素子部5の第2部分52と重複している。なお、複数のガス往路43のうち、一部のガス往路43が第1部分51と重複していなくてもよい。同様に、複数のガス復路44のうち、一部のガス復路44が第2部分52と重複していなくてもよい。
【0079】
図7は、ガス往路43に沿って切断した燃料電池セル10の断面図である。なお、ガス復路44に沿って切断した燃料電池セル10の断面図は、ガス復路44の流路断面積が異なる以外は、
図7と同じである。
【0080】
発電素子部5は、燃料極6、電解質7、及び空気極8を有している。また、発電素子部5は、反応防止膜11をさらに有している。燃料極6は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。燃料極6は、燃料極集電部61と燃料極活性部62とを有する。
【0081】
燃料極集電部61は、凹部49内に配置されている。凹部49は、支持基板4に形成されている。詳細には、燃料極集電部61は、凹部49内に充填されており、凹部49と同様の外形を有する。各燃料極集電部61は、第1凹部611及び第2凹部612を有している。燃料極活性部62は、第1凹部611内に配置されている。詳細には、燃料極活性部62は、第1凹部611内に充填されている。
【0082】
燃料極集電部61は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極集電部61は、NiO(酸化ニッケル)とY
2O
3(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極集電部61の厚さ、及び凹部49の深さは、50〜500μm程度である。
【0083】
燃料極活性部62は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極活性部62は、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部62の厚さは、5〜30μmである。
【0084】
電解質7は、燃料極6上を覆うように配置されている。詳細には、電解質7は、一のインターコネクタ91から他のインターコネクタ91まで長さ方向に延びている。すなわち、支持基板4の長さ方向(x軸方向)において、電解質7とインターコネクタ91とが交互に配置されている。また、電解質7は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。
【0085】
電解質7は、支持基板4よりも緻密である。例えば、電解質7の気孔率は、0〜7%程度である。電解質7は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質7は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質7の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
【0086】
反応防止膜11は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜11は、平面視において、燃料極活性部62と略同一の形状である。反応防止膜11は、電解質7を介して、燃料極活性部62と対応する位置に配置されている。反応防止膜11は、電解質7内のYSZと空気極8内のSrとが反応して電解質7と空気極8との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜11は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O
2(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜11の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
【0087】
空気極8は、反応防止膜11上に配置されている。空気極8は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極8は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O
3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO
3(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O
3(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO
3(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極8は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極8の厚さは、例えば、10〜100μmである。
【0088】
[電気的接続部]
電気的接続部9は、隣り合う発電素子部5を電気的に接続するように構成されている。電気的接続部9は、インターコネクタ91及び空気極集電部92を有する。インターコネクタ91は、第2凹部612内に配置されている。詳細には、インターコネクタ91は、第2凹部612内に埋設(充填)されている。インターコネクタ91は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ91は、支持基板4よりも緻密である。例えば、インターコネクタ91の気孔率は、0〜7%程度である。インターコネクタ91は、例えば、LaCrO
3(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO
3(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ91の厚さは、例えば、10〜100μmである。
【0089】
空気極集電部92は、隣り合う発電素子部5のインターコネクタ91と空気極8との間を延びるように配置される。例えば、
図7の左側に配置された発電素子部5の空気極8と、
図7の右側に配置された発電素子部5のインターコネクタ91とを電気的に接続するように、空気極集電部92が配置されている。空気極集電部92は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。
【0090】
空気極集電部92は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O
3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO
3(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電部92の厚さは、例えば、50〜500μm程度である。
【0091】
[連通部材]
図5に示すように、連通部材3は、支持基板4の先端部42に取り付けられている。そして、連通部材3は、ガス往路43とガス復路44とを連通させる連通流路30を有している。詳細には、連通流路30は、各ガス往路43と各ガス復路44とを連通する。連通流路30は、各ガス往路43から各ガス復路44まで延びる空間によって構成されている。連通部材3は、支持基板4に接合されていることが好ましい。また、連通部材3は、支持基板4と一体的に形成されていることが好ましい。連通流路30の数は、ガス往路43の数よりも少ない。本実施形態では、一本の連通流路30のみによって、複数のガス往路43と複数のガス復路44とが連通されている。
【0092】
連通部材3は、例えば、多孔質である。また、連通部材3は、その外側面を構成する緻密層31を有している。緻密層31は、連通部材3の本体よりも緻密に形成されている。例えば、緻密層31の気孔率は、0〜7%程度である。この緻密層31は、連通部材3と同じ材料や、上述した電解質7に使用される材料、結晶化ガラス等によって形成することができる。
【0093】
[発電方法]
上述したように構成されたセルスタック装置100では、第1マニホールド本体2aの第1ガス室20aに水素ガスなどの燃料ガスを供給するとともに、燃料電池セル10を空気などの酸素を含むガスに曝す。すると、空気極8において下記(1)式に示す化学反応が起こり、燃料極6において下記(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O
2+2e
−→O
2− …(1)
H
2+O
2−→H
2O+2e
− …(2)
【0094】
詳細には、第1ガス管12から第1ガス室20aに供給された燃料ガスは、各燃料電池セル10のガス往路43内を流れ、各発電素子部5の燃料極6において、上記(2)式に示す化学反応が起こる。各燃料極6において未反応であった燃料ガスは、ガス往路43を出て連通部材3の連通流路30を介してガス復路44へ供給される。そして、ガス復路44へ供給された燃料ガスは、再度、燃料極6において上記(2)式に示す化学反応が起こる。ガス復路44を流れる過程において燃料極6において未反応であった燃料ガスは、第2マニホールド本体2bの第2ガス室20bへ回収される。そして、第2ガス管13は、第2ガス室20bからガスを回収する。
【0095】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0096】
変形例1
上記実施形態では、ガス往路43が本発明の第1ガス流路に相当し、ガス復路44が本発明の第2ガス流路に相当していたがこれに限定されない。例えば、
図8に示すように、ガス往路43が本発明の第2ガス流路に相当し、ガス復路44が本発明の第1ガス流路に相当していてもよい。すなわち、ガス往路43が第2ガス室20bと連通し、ガス復路44が第1ガス室20aと連通する。この場合、第2ガス管13から第2ガス室20bに燃料ガスが供給される。そして、第2ガス室20bは燃料ガスを燃料電池セル10に供給する。燃料電池セル10から排出された未反応の燃料ガスを第1ガス室20aが回収する。そして、第1ガス管12を介して第1ガス室20aから燃料ガスが排出される。
【0097】
変形例2
上記実施形態では、第2マニホールド本体2bは、第1マニホールド本体2a内においてマニホールド2の幅方向の一方の端部側に寄って配置されているが、これに限定されない。例えば、
図9に示すように、第2マニホールド本体2bは、第1マニホールド本体2a内においてマニホールド2の幅方向の中央部に配置されていてもよい。なお、第2マニホールド本体2bは、マニホールド2の幅方向において、第2マニホールド本体2bの中心と第1マニホールド本体2aの中心とが完全に一致するように配置されている必要はなく、第2マニホールド本体2bの中心が第1マニホールド本体2aの中心からずれていてもよい。
【0098】
第1マニホールド本体2aは、一対の第1ガス室20aを有する。一対の第1ガス室20aは、第1マニホールド本体2内において、マニホールド2の幅方向(y軸方向)の両端部に配置される。そして、第2ガス室20bは、マニホールド2の幅方向において、一対の第1ガス室20aの間に配置される。なお、一対の第1ガス室20aは、連通していてもよいし、連通していなくてもよい。本変形例2では、第1底板22aと第2底板22bとの間の空間を介して、一対の第1ガス室20aが連通している。
【0099】
また、燃料電池セル10において、第1ガス室20aと連通する複数の第1ガス流路(本変形例2ではガス往路43)が燃料電池セル10の幅方向(y軸方向)の両端部に配置されている。そして、第2ガス室20bと連通する第2ガス流路(本変形例2ではガス復路44)は、燃料電池セル10の幅方向の中央部に配置されている。
【0100】
この変形例2では、第1ガス流路はガス往路43であり、第2ガス流路はガス復路44である。このため、第1ガス室20aは、燃料ガス供給源から供給された燃料ガスを燃料電池セル10へと供給する。また、第2ガス室20bは、燃料電池セル10から排出された未反応の燃料ガスを回収する。
【0101】
複数のガス往路43の流路断面積の合計値は、複数のガス復路44の流路断面積の合計値よりも大きくすることができる。この場合、例えば、各ガス往路43の流路断面積を、前記各ガス復路44の流路断面積よりも大きくしてもよいし、ガス流路43の数を、ガス復路44の数よりも多くしてもよい。
【0102】
なお、複数のガス往路43の流路断面積の合計値は、複数のガス復路44の流路断面積の合計値よりも小さくしてもよい。この場合、例えば、各ガス往路43の流路断面積を、各ガス復路44の流路断面積よりも小さくしてもよいし、ガス流路43の数を、ガス復路44の数よりも少なくしてもよい。
【0103】
この変形例2においても、上記実施形態と同様に、隣り合うガス往路43とガス復路44とのピッチは、隣り合うガス往路43のピッチよりも大きい。また、隣り合うガス往路43とガス復路44とのピッチは、隣り合うガス復路44のピッチよりも大きい。
【0104】
なお、本変形例2において、
図10に示すように、第2ガス室20bに燃料ガス供給源から燃料ガスを供給し、第1ガス室20aで燃料電池セル10から排出された未反応の燃料ガスを回収してもよい。この場合、第1ガス室20aと連通する第1ガス流路がガス復路44であり、第2ガス室20bと連通する第2ガス流路がガス往路43である。
【0105】
変形例3
上記実施形態では、ガス往路43とガス復路44とは、連通部材3が有する連通流路30によって連通されていたが、この構成に限定されない。例えば、
図11に示すように、支持基板4が、内部に連通流路30を有していてもよい。この場合、セルスタック装置100は、連通部材3を備えていなくてもよい。この支持基板4内に形成された連通流路30によって、ガス往路43とガス復路44とが連通されている。
【0106】
変形例4
上記実施形態では、支持基板4は、複数のガス往路43を有しているが、1つのガス往路43のみを有していてもよい。同様に、支持基板4は、複数のガス復路44を有しているが、1つのガス復路44のみを有していてもよい。
【0107】
変形例5
図12に示すように、マニホールド2は、ガスシール部24を有していてもよい。ガスシール部24は、第1側板23aと第2ガス管13との隙間を密閉している。詳細には、ガスシール部24は、第1側板23aの貫通孔の内壁面と、第2ガス管13の外周面との隙間を密閉している。第2ガスシール部24は、第2ガス管13の外周面に沿って環状に形成されている。
【0108】
第2ガスシール部24は、第1マニホールド本体2aの外側面上に配置されている。詳細には、第2ガスシール部24は、第1側板23aの外側面上に配置されている。このガスシール部24は、例えば、ガラス、セラミックス、又はろう材などによって構成することができる。その他にも、ガスシール部24は、溶接部によって構成することもできる。
【0109】
変形例6
上記実施形態では、マニホールド2の第1及び第2天板21a、21bが上方を向き、第1及び第2底板22a、22bが下方を向くように配置されているが、マニホールド2の配置はこれに限定されない。例えば、マニホールド2の第1及び第2天板21a、21bが下方を向き、第1及び第2底板22a、22bが上方を向くように配置されていてもよい。この場合、燃料電池セル10は、第1及び第2天板231から下方に延びる。
【0110】
変形例7
上記実施形態の燃料電池セル10は、各発電素子部5が支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている、いわゆる横縞型の燃料電池セルであるが、燃料電池セル10の構成はこれに限定されない。例えば、燃料電池セル10は、支持基板4の第1主面45に1つの発電素子部5が支持された、いわゆる縦縞型の燃料電池セルであってもよい。この場合、支持基板4の第2主面46に一つの発電素子部5が支持されていてもよいし、支持されていなくてもよい。
【0111】
変形例8
上記実施形態では、電気化学セルを固体酸化物形燃料電池セル(SOFC)として用いているが、これに限定されない。例えば、電気化学セルを固体酸化物形電解セル(SOEC)として用いることもできる。
【解決手段】マニホールド2は、第1マニホールド本体2aと、第2マニホールド本体2bとを備える。第1マニホールド本体2aは、第1ガス流路43と連通する第1ガス室20aを有する。第2マニホールド本体2bは、第2ガス流路44と連通する第2ガス室20bを有する。第2マニホールド本体2bは、第1マニホールド本体2a内に配置されている。