特許第6605227号(P6605227)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6605227バッテリー・センサ・クランプ・アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605227
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】バッテリー・センサ・クランプ・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/30 20060101AFI20191031BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   H01M2/30 A
   F16B2/08 M
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-95146(P2015-95146)
(22)【出願日】2015年5月7日
(65)【公開番号】特開2015-222717(P2015-222717A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2018年1月31日
(31)【優先権主張番号】61/989,082
(32)【優先日】2014年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/700,653
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ブルース ホースト
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジー. ションツ
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−082455(JP,A)
【文献】 特開平11−026054(JP,A)
【文献】 特開2002−141054(JP,A)
【文献】 特開平10−064611(JP,A)
【文献】 特開2004−186095(JP,A)
【文献】 特開2006−313695(JP,A)
【文献】 特開2002−184387(JP,A)
【文献】 特表2013−506243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/30
H01R 11/00
F16B 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー・センサを車両バッテリーに固定するクランプ・アセンブリであって、
開口を画定し、前記車両バッテリー用のバッテリー電極を少なくとも部分的に囲むための囲い部と、
前記囲い部の対向端から互いにほぼ同一方向に延在する一対のクランプアームと、
前記クランプアームの一方から前記クランプアームの他方に延在し、第1の貫通孔を画定するタブと、
ほぼU型の断面を画定するように、ベースと該ベースから延びる一対の翼を有するウェッジであって、前記ウェッジの前記ベースの幅は、前記の先端での幅より小さく、前記翼のそれぞれは、前記クランプアームのうちの1つによって画定される平面とほぼ平行な平面を画定し、前記ウェッジの前記ベースは、第2の貫通孔を画定するウェッジと、
前記ウェッジが前記クランプアームに適合する締め具であって、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔にねじ締めされる締め具と、
前記ウェッジの前記ベースでの前記幅が、前記クランプアームを互いの方向に強制するように、前記ウェッジを前記クランプアーム上で強制するために前記締め具にねじ締められるナットと、
を具えるクランプ・アセンブリ。
【請求項2】
前記ウェッジの前記ベースは、前記クランプアームの上方側にあり、前記締め具は、前記ウェッジを下方に移動させ、前記クランプアームを締め付ける、
請求項1に記載のクランプ・アセンブリ。
【請求項3】
前記締め具は、前記タブに対する回転から固定される、
請求項2に記載のクランプ・アセンブリ。
【請求項4】
前記ウェッジの前記ベースは、前記クランプアームの下方側にあり、前記締め具は、前記ウェッジを上方に移動させ、前記クランプアームを締め付ける、
請求項1に記載のクランプ・アセンブリ。
【請求項5】
前記締め具は、前記ウェッジの前記ベースに対する回転から固定される、
請求項1に記載のクランプ・アセンブリ。
【請求項6】
前記ナットと、前記タブおよび前記ウェッジの前記ベースの少なくとも1つと、の間に組み立てられるワッシャをさらに具える、
請求項1に記載のクランプ・アセンブリ。
【請求項7】
前記締め具のヘッドが前記囲い部の下端と同一平面上にあるように、前記クランプアームおよび前記囲い部によって画定されるステップをさらに具える、
請求項1に記載のクランプ・アセンブリ。
【請求項8】
前記ナットを前記締め具に締め付ける前、前記クランプアームは、互いにほぼ平行である、
請求項1に記載のクランプ・アセンブリ。
【請求項9】
バッテリー・センサ・クランプを組み立てる方法において、
囲い部を提供し、前記囲い部は、前記囲い部の対向端から互いにほぼ同一方向に延在する一対のクランプアームと、前記クランプアームの一方から前記クランプアームの他方に延在し、第1の貫通孔を画定するタブと、を有し、
締め具を前記第1の貫通孔にねじ締めし、
ほぼU型の断面を画定するように、ベースと該ベースから延びる一対の翼を有するウェッジを前記クランプアームに適合し、前記ウェッジの前記ベースの幅は、前記の先端での幅より小さく、前記翼のそれぞれは、前記クランプアームのうちの1つによって画定される平面とほぼ平行な平面を画定し、前記ウェッジの前記ベースは、第2の貫通孔を画定し、
前記締め具を前記第2の貫通孔にねじ締めし、
ナットを前記締め具にねじ締め、前記ウェッジを前記クランプアームに保持する、
方法。
【請求項10】
開口を画定し、車両バッテリー用のバッテリー電極を少なくとも部分的に囲むための前記囲い部を前記バッテリー電極に配置し、
記ウェッジの前記ベースでの前記幅、前記クランプアームを互いの方に強制するように前記ウェッジを前記クランプアーム上で強制するために前記締め具に前記ナットを締め付け、クランプ力を前記バッテリー電極の周りに与えるために前記開口のサイズを減少させる
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ウェッジの前記ベースを前記クランプアームの上側に組み立て、
前記締め具および前記ナットが前記クランプアームを締め付けるとき、前記ウェッジを下方に移動させる、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記締め具を、前記タブに対する回転から固定する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ウェッジの前記ベースを、前記クランプアームの下側に組み立て、
前記締め具および前記ナットが前記クランプアームを締め付けるとき、前記ウェッジを上方に移動させる、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記締め具を前記ウェッジに対する回転から固定する、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ナットと、前記タブおよび前記ウェッジの前記ベースの少なくとも1つと、の間にワッシャを組み立てる、
請求項9に記載の方法。
【請求項16】
バッテリー・センサを車両バッテリーに固定するクランプ・アセンブリであって、
開口を画定し、前記車両バッテリー用のバッテリー電極を少なくとも部分的に囲むための囲い部と、
前記囲い部の対向端から互いにほぼ同一方向に延在する一対のクランプアームと、
前記クランプアームの一方から前記クランプアームの他方に延在し、第1の貫通孔を画定するタブと、
ほぼU型の断面を有するウェッジであって、前記ウェッジのベースの幅は、前記U型の断面の先端での幅より小さく、前記ウェッジの前記ベースは、第2の貫通孔を画定するウェッジと、
前記ウェッジが前記クランプアームに適合する締め具であって、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔にねじ締めされる締め具と、
前記ウェッジの前記ベースでの前記幅が、前記クランプアームを互いの方向に強制するように、前記ウェッジを前記クランプアーム上で強制するために前記締め具にねじ締められるナットと、
前記締め具のヘッドが前記囲い部の下端と同一平面上にあるように、前記クランプアームおよび前記囲い部によって画定されるステップを具えるクランプ・アセンブリ。
【請求項17】
バッテリー・センサ・クランプを組み立てる方法において、
囲い部を提供し、前記囲い部は、前記囲い部の対向端から互いにほぼ同一方向に延在する一対のクランプアームであって、当該クランプアームおよび前記囲い部によってステップが画定される、一対のクランプアームと、前記クランプアームの一方から前記クランプアームの他方に延在し、第1の貫通孔を画定するタブと、を有し、
締め具を前記第1の貫通孔にねじ締めし、
ほぼU型の断面を有するウェッジを前記クランプアームに適合し、前記ウェッジのベースの幅は、前記U型の断面の先端での幅より小さく、前記ウェッジの前記ベースは、第2の貫通孔を画定し、
前記締め具のヘッドが前記囲い部の下端と同一平面上にあるように、前記締め具を前記第2の貫通孔にねじ締めし、
前記ウェッジを前記クランプアームに保持するために、ナットを前記締め具にねじ締めする、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2014年5月6日に出願され、本願明細書に参照によって組み込まれた米国仮出願第61/989082号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、自動車に関するものであり、特に自動車用のバッテリー・センサに関するものである。
【背景技術】
【0003】
自動車用の従来のバッテリーは、12Vの鉛蓄電池であり、車両に対するバッテリーのマイナスおよびプラスの接続のための標準接続電極を有する。バッテリー・センサを用いて、電流、充電状態、性能、老朽化等を含むバッテリー特性に関する重要な情報を提供することができる。バッテリー・センサを用いて、バッテリーが自動エンジン始動停止システムをサポート可能か否かに関する情報を提供することもできる。
【0004】
バッテリー・センサは、典型的には、バッテリー近傍の陰極に固定される。クランプは、一般に、センサ用のハウジングから延在するアームを含み、少なくとも部分的に陰極を囲む。水平に配向された締め具は、アームの先端部に配置され、クランプのアームを互いに近づける。水平に配向された締め具は、陰極周辺で締め付けられるので、アームにクランプ力を与える。
【0005】
本明細書で提供されている背景技術の説明は、本発明の内容を一般化することを目的とする。背景技術の項目に記載されている発明者の仕事および出願時の従来技術として認定されていない説明の態様は、本発明に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められてはならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
バッテリー・センサを車両バッテリーに固定するクランプ・アセンブリは、開口を画定し、車両バッテリー用のバッテリー電極を少なくとも部分的に囲むための囲い部と、囲い部の対向端から延在する一対のクランプアームと、を具える。タブは、クランプアームの一方からクランプアームの他方に延在し、第1の貫通孔を画定する。ウェッジは、ほぼU型の断面を有し、ウェッジのベースの幅は、U型の断面の先端での幅より小さく、ウェッジのベースは、第2の貫通孔を画定する。ウェッジは、クランプアームに適合し、締め具は、第1の貫通孔および第2の貫通孔にねじ締めされる。ナットは、締め具にねじ締められ、ウェッジのベースでの幅が、クランプアームを互いの方向に強制するように、ウェッジをクランプアーム上で強制する。
【0007】
バッテリー・センサ・クランプを組み立てる方法は、囲い部を提供し、囲い部は、囲い部の対向端から互いにほぼ同一方向に延在する一対のクランプアームと、クランプアームの一方からクランプアームの他方に延在するタブと、を有する。タブは、第1の貫通孔を画定し、締め具は、第1の貫通孔にねじ締めされる。ほぼU型の断面を有するウェッジは、クランプアームに適合し、ウェッジのベースの幅は、U型の断面の先端での幅より小さい。ウェッジのベースは、第2の貫通孔を画定し、締め具は、第2の貫通孔にねじ締めされる。ナットは、締め具にねじ締めされ、ウェッジをクランプアームに保持する。
【0008】
開口を画定し、車両バッテリー用のバッテリー電極を少なくとも部分的に囲むための囲い部は、バッテリー電極に配置され、ナットは、締め具に締め付けられ、ウェッジをクランプアーム上で強制し、ウェッジのベースでの幅は、クランプアームを互いの方に強制し、開口のサイズを減少させ、クランプ力をバッテリー電極の周りに与える。
【0009】
本発明が適用されるさらなる分野は、以下の詳細な説明から明らかになる。詳細な説明および具体例は、本発明の好適実施形態を示すが、例示目的であって、本発明の範囲を制限することを意図としないことを理解すべきである。
【0010】
本発明は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のバッテリー・クランプ・アセンブリの概略側面図であり、クランプ力は底部から上方に与えられる。
図2図1のバッテリー・クランプ・アセンブリの概略斜視図であり、クランプ力は底部から上方に与えられる。
図3】本発明のバッテリー・クランプ・アセンブリの他の実施形態の概略側面図であり、クランプ力は最上部から下方に与えられる。
図4図3のバッテリー・クランプ・アセンブリの概略斜視図であり、クランプ力は最上部から下方に与えられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、単に例示的であり、いかなる場合も本発明の開示、応用または用途を制限することを意図していない。図面では、明確にするため、同一の参照符号が、同様の要素を特定するために用いられる。図1図4は、12Vの車両バッテリー12(図示せず)に用いられるバッテリー・クランプ・アセンブリ10、110を例示し、これを以下で詳述する。バッテリー・クランプ・アセンブリ10、110は、バッテリー・クランプ・アセンブリ10、110の囲い部16、116に固定または統合されるバッテリー・センサ14(図示せず)を含む。バッテリー・センサ14は、インテリジェント・バッテリー・センサ(IBS)、単純な電流センサまたは車両バッテリー12用の他のタイプのセンサでもよい。タブは、IBS母線(図示せず)に至ることができる。タブおよびIBS母線のための取り付けのタイプは、車両およびIBSモジュールに従って変化しうる。当業者であれば、車両バッテリー12、バッテリー・センサおよびクランプ・アセンブリ10、110の特定の設定のために最適な構成であって、センサ14をクランプ・アセンブリ10、110に固定するための構成を選択することができる。
【0013】
バッテリー・クランプ・アセンブリ10、110は、囲い部16、116および固定部18、118を含む型打ちした(スタンピングされた)クランプ・アセンブリである。固定部18、118を用いて、囲い部16、116をバッテリー電極20(図示せず)の周りに締め付ける。バッテリー電極20は、車両バッテリー12用の陰極でもよい。
【0014】
固定部18、118は、バッテリー・クランプ・アセンブリ10、110の最上部からアクセスできる締め具22、122を含み、締め具22、122は、バッテリー・クランプ・アセンブリ10、110のクランプ力によってバッテリー電極20を締め付ける。バッテリー・クランプ・アセンブリ10、110の最上部から締め具22、122にアクセスできることにより、1つのバッテリー・クランプ・アセンブリ10、110の設計が、すべての顧客のパッケージング要件に対応可能になる。
【0015】
バッテリー・クランプ・アセンブリ10、110は、クランプの機能、廃棄を最小量にするための平坦なレイアウトおよび反復可能な高品質のためのスタンピング工程の軽減/実現可能性を提供する。
【0016】
図1および図2には、本発明のためのバッテリー・クランプ・アセンブリ10の第1実施形態が詳細に記載されている。バッテリー・クランプ・アセンブリ10は、囲い部16および固定部18を含む。囲い部16は、一般に、開口24を画定し、バッテリー・クランプ・アセンブリ10がバッテリー電極20に組み立てられるとき、バッテリー電極20は、開口24を通過することができる。囲い部16は、バッテリー電極20を少なくとも部分的に囲むように形成される。クランプアーム26は、囲い部16の対向端から延在する。力がクランプアーム26に与えられ、クランプアームが互いの方に付勢されると、囲い部16によって画定される開口24の径は減少する。すなわち、囲い部16の一般の径が減少する。アーム26にかかる力によってサイズが減少した囲い部16は、バッテリー電極20にクランプ力を与える。こうして、バッテリー・クランプ・アセンブリ10は、バッテリー電極20に固定される。
【0017】
ウェッジ28は、クランプアーム26に適合する。ウェッジ28は、ほぼU型の断面を有し、U型のベース30は、U型の先端32より小さい幅を有する。ウェッジ28が下方に強制されると、ウェッジ28の減少している断面幅は、クランプアーム26を互いに近づけるように強制する。このように、クランプ力を囲い部16からバッテリー電極20に与える。
【0018】
締め具22を用いて、ウェッジ28をクランプアーム26上で下方に移動させ、これを以下で詳述する。タブ34は、クランプアーム26の一方からクランプアーム26の他方に、クランプアーム26のほぼ下側に延在することができる。タブ34は、貫通孔36を画定し、この貫通孔36を通って締め具22が組み立てられる。同様の貫通孔38は、ウェッジ28のベース30によって画定される。締め具22がバッテリー・クランプ・アセンブリ10上の底部からバッテリー・クランプ・アセンブリ10の最上部まで貫通孔36、38を通って延在できるように、貫通孔36および貫通孔38は、互いに対向して配置される。一度組み立てられると、締め具22は、バッテリー電極20に対してほぼ平行な配向になる。ほとんどの場合、バッテリー電極20は車両内で垂直に整列配置され、締め具22もほぼ垂直に整列配置される。
【0019】
締め具22を、ベース30および/またはタブ34に対する回転から固定することができる。締め具22の回転は、スプライン、延伸加工、溶接、機械的干渉等を用いて固定することができる。囲い部16およびクランプアーム26は、銅材から製造可能であり、ウェッジ28は、鋼から製造可能である。このような場合には、締め具22をヘッドでベース30および/またはタブ34に固定することは、機械的干渉によって最も達成可能である。
【0020】
ナット40は、締め具22の端にねじ締められる。ワッシャ42は、ウェッジ28のベース30とナット40との間に位置し、力をナット40からウェッジ28のベース30に均一に分散させる。ナット40が締め具22にさらに下方にねじ締められると、ウェッジ28はクランプアーム26上で下方に強制され、バッテリー・クランプ・アセンブリが締め付けられる。締め具22がベース30および/またはタブ34に対する回転から固定されるので、1つのツールおよびクランプ・アセンブリ10の一方からのアクセスしか、締め付けトルクをナット40に与えるのに必要ではない。
【0021】
締め具が孔36および38を通って組み立てられた後、および、ナット40(および存在する場合ワッシャ42)が締め具22にねじ締められた後、締め具22の端を変形、例えばステーク(staked)することもできる。締め具の端を変形すると、クランプアーム26(および囲い部16)、ウェッジ28、締め具22、ナット40およびワッシャ32を、パーツの輸送の間、一緒に保持することができる。囲い部16をバッテリー電極20に配置するまで、ナット40を締め具22のねじに締め付けてはならない。
【0022】
一実施形態では、ステップ44を、クランプアーム26の底部と囲い部16の底部との間に画定することができる。ステップを用いて、締め具22のヘッドを収容することができる。一度適所に組み立てられ、締め付けられると、締め具22のヘッドは、囲い部16の端とほぼ同一平面上にある。
【0023】
図3および図4には、本発明のためのバッテリー・クランプ・アセンブリ110の第2実施形態が詳細に記載されている。バッテリー・クランプ・アセンブリ110は、囲い部116および固定部118を含む。囲い部116は、一般に、開口124を画定し、バッテリー・クランプ・アセンブリ110がバッテリー電極20に組み立てられるとき、バッテリー電極20はこの開口124を通過することができる。囲い部116は、バッテリー電極20を少なくとも部分的に囲むように形成される。クランプアーム126は、囲い部116の対向端から延在する。力がクランプアーム126に与えられ、クランプアーム126が互いの方に付勢されると、囲い部116によって画定される開口124の径は減少する。すなわち、囲い部116の一般の径が減少する。アーム116にかかる力によってサイズが減少した囲い部116は、バッテリー電極20にクランプ力を与える。こうして、バッテリー・クランプ・アセンブリ110は、バッテリー電極20に固定される。
【0024】
ウェッジ128は、クランプアーム126に適合する。ウェッジ128は、ほぼU型の断面を有し、U型のベース130は、U型の先端132より小さい幅を有する。ウェッジ128が上方に強制されると、ウェッジ128の減少している断面幅は、クランプアーム126を互いに近づけるように強制する。このように、クランプ力を囲い部116からバッテリー電極20に与える。
【0025】
締め具122を用いて、ウェッジ128をクランプアーム126上で上方に移動させ、これを以下で詳述する。タブ134は、クランプアーム126の一方からクランプアーム126の他方に、クランプアーム126のほぼ上側に延在することができる。タブ134は、貫通孔136を画定し、この貫通孔136を通って締め具122が組み立てられる。同様の貫通孔138は、ウェッジ128のベース130によって画定される。締め具122がバッテリー・クランプ・アセンブリ110の底部からバッテリー・クランプ・アセンブリ110の最上部まで貫通孔136、138を通って延在できるように、貫通孔136および貫通孔138は、互いに対向して配置される。一度組み立てられると、締め具122は、バッテリー電極20に対してほぼ平行な配向になる。ほとんどの場合、バッテリー電極20は車両内で垂直に整列配置され、締め具122もほぼ垂直に整列配置される。
【0026】
締め具122を、ベース130および/またはタブ134に対する回転から固定することができる。締め具122の回転は、スプライン、延伸加工、溶接、機械的干渉等を用いて固定することができる。囲い部116およびクランプアーム126は、銅材から製造可能であり、ウェッジ128は、鋼から製造可能である。このような場合には、締め具122をヘッドでベース130および/またはタブ134に固定することは、機械的干渉によって最も達成可能である。
【0027】
ナット140は、締め具122の端にねじ締められる。ワッシャ142は、ウェッジ128のベース130とナット140との間に位置し、力をナット140からウェッジ128のベース130に均一に分散させる。ナット140が締め具122にさらにねじ締められると、ウェッジ128はクランプアーム126上で上方に強制され、バッテリー・クランプ・アセンブリ110が締め付けられる。締め具122がベース130および/またはタブ134に対する回転から固定されるので、1つのツールおよびクランプ・アセンブリ110の一方からのアクセスしか、締め付けトルクをナット140に与えるのに必要ではない。
【0028】
締め具が孔136および138を通って組み立てられた後、および、ナット140(および存在する場合ワッシャ142)が締め具122にねじ締められた後、締め具122の端を変形、例えばステーク(staked)することもできる。締め具の端を変形すると、クランプアーム126(および囲い部116)、ウェッジ128、締め具122、ナット140およびワッシャ142を、クランプ・アセンブリ110の輸送の間、一緒に保持することができる。囲い部116をバッテリー電極20に配置するまで、ナット140を締め具122のねじに締め付けてはならない。
【0029】
一実施形態では、ステップ144を、クランプアーム126の底部と囲い部116の底部との間に画定することができる。ステップを用いて、締め具122のヘッドを収容することができる。一度適所に組み立てられ、締め付けられると、締め具122のヘッドは、囲い部116の端とほぼ同一平面上にある。
【0030】
図1図4を参照して、バッテリー・センサ・クランプ10、110を組み立てる方法を説明すると、この方法では、囲い部16、116を提供し、囲い部16、116は、囲い部16、116の対向端から互いにほぼ同一方向に延在する一対のクランプアーム26、126と、クランプアーム26、126の一方からクランプアーム26、126の他方に延在するタブ34,134と、を有する。タブ34、134は、第1の貫通孔36、136を画定し、締め具22、122を第1の貫通孔36、136にねじ締めする。ほぼU型の断面を有するウェッジ28、128をクランプアーム26、126に適合し、ウェッジ28、128のベース30、130の幅は、U型の断面の先端32、132での幅より小さい。ウェッジ28、128のベース30、130は、第2の貫通孔38、138を画定し、締め具22、122を第2の貫通孔38、138にねじ締めする。ワッシャ42、142を、タブまたはウェッジのベースの近傍で締め具22、122に組み立てる。バッテリー電極20に組み立てる前、バッテリー・センサ・クランプ・アセンブリ10、110の輸送のために、ナット40、140を締め具22、122にねじ締めし、ウェッジ28、128をクランプアーム26、126に保持する。これと同時に、締め具22、122をベース30、130またはタブ34、134に固定することができる。
【0031】
囲い部16、116は、開口24、124を画定し、車両バッテリー用のバッテリー電極20を少なくとも部分的に囲むための囲い部16、116を、バッテリー電極20に配置し、ナット40、140を締め具22、122に締め付け、ウェッジ28、128をクランプアーム26、126上で強制し、ウェッジ28、128のベース30、130の幅は、クランプアーム26、126を互いの方に強制し、開口24、124のサイズを減少させ、クランプ力をバッテリー電極20の周りに与える。
【0032】
一実施形態では、ウェッジ28、128のベース30、130は、クランプアーム26、126の上側に組み立てられ、締め具22、122およびナット40、140が、クランプアーム26、126を締め付けるとき、ウェッジ28、128は、下方に移動する。この実施形態では、締め具22、122をタブ34、134に対する回転から固定することもできる。
【0033】
一実施形態では、ウェッジ28、128のベース30、130は、クランプアーム26、126の下側に組み立てられ、締め具22、122およびナット40、140がクランプアーム26、126を締め付けるとき、ウェッジ28、128は、上方に移動する。この実施形態では、締め具22、122をウェッジ28、128に対する回転から固定することもできる。
【0034】
本発明の最良の実施形態が詳述されてきたが、開示の範囲は、これに制限されるものではない。なぜなら、本発明が属する技術分野における当業者は、添付の請求の範囲内の本発明を実施するためのさまざまな代替的な設計および実施形態を認識するからである。
図1
図2
図3
図4