(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<歯牙解析装置の構成>
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態に係る歯牙解析装置1の構成について説明する。
歯牙解析装置1は、歯科の患者の歯列を撮影したパノラマ画像から、歯牙状態を解析し、デンタルチャートを生成するものである。なお、
図1では、歯牙解析装置1に接続する装置として、X線撮影装置2と、表示装置3と、位置入力装置4とを図示している。
【0022】
X線撮影装置2は、患者の歯列を撮影する装置である。このX線撮影装置2は、例えば、
図2に示すような、歯列のパノラマ画像を撮影する。歯牙解析装置1は、このX線撮影装置2で撮影されたパノラマ画像から、歯牙状態を解析する。
【0023】
表示装置3は、歯牙解析装置1から出力されるパノラマ画像を表示するものである。この表示装置3は、歯科医師等がパノラマ画像を視認するもので、液晶ディスプレイ等の一般的な表示装置である。
【0024】
位置入力装置4は、歯科医師等の操作者が、表示装置3に表示されたパノラマ画像上の位置指定等の操作を行うものである。例えば、位置入力装置4は、マウス、タッチペン等、表示装置3の画面上のパノラマ画像の位置を指定可能なものであればなんでもよい。
【0025】
以下、歯牙解析装置1の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、歯牙解析装置1は、パノラマ画像記憶手段10と、パノラマ画像表示手段11と、歯牙領域設定手段12と、テンプレート記憶手段13と、歯牙状態分類手段14と、デンタルチャート生成手段15と、を備える。
【0026】
パノラマ画像記憶手段10は、X線撮影装置2で撮影されたパノラマ画像を入力し、記憶するものである。このパノラマ画像記憶手段10は、ハードディスク、半導体メモリ等の一般的な記憶装置で構成することができる。なお、パノラマ画像記憶手段10は、着脱式の記録媒体(DVD等)を読出し可能な記録媒体再生装置としてもよい。
【0027】
パノラマ画像表示手段11は、パノラマ画像記憶手段10に記録されているパノラマ画像を読み出して、表示装置3に出力することで、パノラマ画像を表示するものである。
【0028】
歯牙領域設定手段12は、パノラマ画像上の歯列内に、歯番に対応した歯牙ごとの領域を示す歯牙領域を設定するものである。
この歯牙領域設定手段12は、パノラマ画像上の正中、右端および左端の位置情報を外部から入力されることで、歯牙領域を設定する。ここで、外部から入力される位置情報は、表示装置3に表示されたパノラマ画像において、歯科医師等が、位置入力装置4を介して、画像上の位置を指定することで入力される。
【0029】
ここで、
図3〜
図6を参照(適宜
図1参照)して、歯牙領域設定手段12における歯牙領域の設定処理について具体的に説明する。
図3は、表示装置3に表示されたパノラマ画像上において、上顎歯列と下顎歯列との間の正中位置P
C、右端位置P
Rおよび左端位置P
Lとを指定された状態を示している。すなわち、歯科医師等は、表示装置3に表示されたパノラマ画像を視認して、上顎歯列と下顎歯列との間において、2本の前歯(中切歯)の中間位置を正中位置P
Cとして設定する。また、歯科医師等は、上顎歯列と下顎歯列との間において、歯列の外側端部位置を左端位置P
Lおよび右端位置P
Rとして設定する。この正中位置P
C、右端位置P
Rおよび左端位置P
Lが、歯列の位置情報として歯牙領域設定手段12に入力される。
【0030】
ここで、歯牙領域設定手段12は、入力された3点位置の位置情報に基づいて、3点を曲線で近似する。例えば、歯牙領域設定手段12は、3点の位置情報から、スプライン曲線、円弧等によって、
図4に示すように、正中位置P
C、右端位置P
Rおよび左端位置P
Lを曲線Lで近似し、上顎歯列と下顎歯列との間に境界を設定する。
【0031】
また、歯牙領域設定手段12は、
図5に示すような、正中位置P
C、右端位置P
Rおよび左端位置P
Lに対して予め歯の横幅の割合を定義したテンプレート(歯幅テンプレートT
W)を予め準備しておく。この歯幅テンプレートT
Wは、例えば、予め複数の歯列から得られる歯列の左右幅に対する平均的な歯幅とする。
なお、歯幅テンプレートT
Wは、大人用と小児用のテンプレートを用意することとする。そして、歯牙領域設定手段12は、別途入力されるパノラマ画像を撮影した患者の年齢に応じて、テンプレートを切り替える。例えば、13歳以上であれば大人用のテンプレート、それ未満であれば小児用のテンプレートを用いる。
【0032】
そして、歯牙領域設定手段12は、
図6に示すように、曲線Lに、
図5の歯幅テンプレートを適用し、各歯の幅の割合に応じた間隔で、曲線Lから垂線を設定することで、歯牙領域D
Rを設定する。歯牙領域設定手段12は、この歯牙領域D
Rを歯科医師等が視認できるように、表示装置3において、パノラマ画像に重畳して表示する。
【0033】
なお、この歯幅テンプレートは、平均的な歯列の幅を規定するもので、すべての患者の歯列に対応するものではない。
そこで、歯牙領域設定手段12は、位置入力装置4を介して、歯牙領域の補正(補正情報)を受け付け、領域変更を行う。この歯牙領域の変更を行うインタフェースは、特に限定するものではなく、種々の手法を用いることができる。
【0034】
例えば、位置入力装置4が個々の垂線を選択し、曲線L上で左右に移動させることで、歯牙領域設定手段12は、歯幅の変更を行う。また、例えば、位置入力装置4が個々の垂線で、曲線Lと反対側の端点を選択し移動させることで、歯牙領域設定手段12は、個々の歯牙領域の傾きの変更を行う。また、例えば、位置入力装置4がパノラマ画像上の歯列以外の領域を選択し、その選択位置を右方向あるいは左方向に位置を移動させることで、歯牙領域設定手段12は、歯牙領域全体で右側の歯幅の割合を大きくしたり、左側の歯幅の割合を大きくしたり等の変更を行う。
図1に戻って、歯牙解析装置1の構成について説明を続ける。
【0035】
歯牙領域設定手段12は、歯牙領域を確定後、その歯牙領域(大人用または小児用の識別を含む)を歯牙状態分類手段14に出力する。なお、ここで、歯牙領域の確定とは、歯牙領域設定手段12が、歯牙領域を表示装置3に表示し、必要に応じて歯牙領域を補正した後、表示装置3の図示を省略したメニュー等によって、歯科医師等が歯牙領域の確定を指示した状態をいう。
【0036】
テンプレート記憶手段13は、後記する歯牙状態分類手段14において、歯牙の種類や治療状態を判定するための複数の歯牙のテンプレート画像を予め記憶するものである。このテンプレート記憶手段13は、ハードディスク、半導体メモリ等の一般的な記憶装置で構成することができる。
このテンプレート記憶手段13には、大人用テンプレート画像131と小児用テンプレート画像132とが記憶される。このテンプレート記憶手段13に記憶されているテンプレート画像を参照することで、歯牙状態分類手段14が歯牙の状態を分類する。
【0037】
ここで、
図7を参照して、テンプレート記憶手段13に記憶するテンプレート画像(大人用テンプレート画像131)の一例について説明する。
図7に示すように、大人用テンプレート画像131には、歯根部分テンプレート131aと、歯牙テンプレート131bとが含まれる。
【0038】
歯根部分テンプレート131aは、歯冠と歯根とで構成される歯牙のうちで歯根部分に相当する画像である。この歯根部分テンプレート131aは、歯の種類(大臼歯、小臼歯、犬歯、前歯等)ごとに、複数のテンプレート画像で構成される。
この歯根部分テンプレート131aは、歯牙状態分類手段14の欠損判定手段141によって、欠損歯を判定するために用いられる。
なお、歯根部分テンプレート131aには、インプラントIの健全歯の歯根部分に相当するインプラント体の画像I
Gを含ませることができる。また、歯根部分テンプレート131aには、永久歯が顎の歯茎の中で止まっている埋伏歯の画像E
Tを含ませることができる。
これによって、歯牙状態分類手段14の欠損判定手段141の欠損判定時に、歯牙の欠損歯の例外として、インプラント、埋伏歯の判定が可能になる。
【0039】
歯牙テンプレート131bは、歯牙の画像であって、歯の種類ごとに、歯根部分と歯冠部分とからなる健全歯を含む治療状態の異なる複数のテンプレート画像で構成される。
例えば、歯牙テンプレート131bは、大臼歯、小臼歯、犬歯、前歯等の歯牙の種類ごとに、健全歯、修復歯(部分)、修復歯(全部)、歯髄治療歯等といった歯牙の治療状態を表す複数のテンプレート画像で構成される。
この歯牙テンプレート131bは、歯牙状態分類手段14の治療状態判定手段142によって、歯牙の治療状態を判定するために用いられる。
【0040】
なお、歯根部分テンプレート131aの歯牙の歯根部分の画像は、歯牙テンプレート131bの画像と一部重複する画像であるため、重複画像については、歯牙テンプレート131bと共通化しても構わない。
【0041】
また、テンプレート記憶手段13には、小児用テンプレート画像132が記憶されるが、小児用テンプレート画像132は、大人用テンプレート画像131に対して、歯の種類(大人用では大臼歯、小臼歯が、小児用では乳臼歯等)と、その画像が小児用の画像である点が異なるのみであるため、図示および説明を省略する。
図1に戻って、歯牙解析装置1の構成について説明を続ける。
【0042】
歯牙状態分類手段14は、歯牙領域設定手段12で設定されたパノラマ画像上の歯牙領域の画像と、テンプレート記憶手段13に記憶されているテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、歯牙領域内の歯牙ごとに、欠損歯、治療状態等の歯牙状態を分類するものである。なお、歯牙状態分類手段14が、大人用テンプレート画像131を参照するか、小児用テンプレート画像132を参照するかは、歯牙領域設定手段12から通知される大人用または小児用の識別に応じて行うこととする。
ここでは、歯牙状態分類手段14は、欠損判定手段141と、治療状態判定手段142と、を備える。
【0043】
欠損判定手段141は、パノラマ画像上の歯牙領域の画像と、歯根部分のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、当該歯牙領域における歯牙の欠損の有無を判定するものである。すなわち、欠損判定手段141は、
図8に示すように、個々の歯牙領域および歯牙領域の周辺において、複数のテンプレート(歯根部分テンプレート131a(
図7参照))とパターンマッチングを行い、歯牙の欠損の有無を判定する。このとき、欠損判定手段141は、欠損していない歯牙の位置を、図示を省略したメモリ等に記憶しておく。
【0044】
ここでは、欠損判定手段141は、上顎歯列と下顎歯列とのそれぞれについて、個々の歯牙領域において、大人用テンプレート画像131または小児用テンプレート画像132の歯根部分テンプレート(大人用であれば歯根部分テンプレート131a)の画像を、大きさ、縦横比、傾き等を順次変えてパターンマッチングを行うこととする。このパターンマッチングの手法は、特に限定しないが、例えば、SSD(Sum of Squared Difference)、正規化相互相関(NCC:Normalized Cross-Correlation)等、一般的な手法を用いることができる。そして、欠損判定手段141は、パターンマッチングで、予め定めた類似度を超過するテンプレートが存在した場合、当該歯牙領域に歯牙が存在すると判定し、すべてのパターンに対して、予め定めた類似度を超過しなかった場合、当該歯牙領域に歯牙が存在しないと判定する。
なお、欠損判定手段141は、インプラントのテンプレート画像が、予め定めた類似度を超過した場合、例外として、当該歯牙領域に歯牙が存在しないと判定する。
【0045】
このように、欠損判定手段141は、歯牙領域の画像と、歯根部分のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、歯冠部分の治療状態により影響を少なくして、歯牙の有無を判定することができる。
【0046】
なお、欠損判定手段141は、欠損を判定する際に、前歯から臼歯方向に向かって順番に、パターンマッチングを行うことが好ましい。このように、歯牙領域および歯牙領域の周辺に対して、テンプレート画像の大きさ、縦横比、傾き等を順次変えて、前歯から臼歯方向に向かってパターンマッチングを行うことで、欠損判定手段141は、欠損している部分や各領域から歯牙位置がずれている場合でも、そのずれを認識して、次の歯牙位置のずれを把握しつつ、パターンマッチングを行うことが可能になる。
【0047】
治療状態判定手段142は、欠損判定手段141で歯牙が欠損していないと判定された歯牙領域の画像と歯牙のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、当該歯牙領域の治療状態を判定するものである。すなわち、治療状態判定手段142は、
図9に示すように、欠損判定手段141によって記憶された欠損していない歯牙の位置である歯牙が存在する歯牙領域において、複数のテンプレート(歯牙テンプレート131b(
図7参照))とパターンマッチングを行い、歯牙の治療状態を判定する。
【0048】
この治療状態判定手段142は、欠損判定手段141と同様、個々の歯牙領域において、大人用テンプレート画像131または小児用テンプレート画像132の歯牙テンプレートの画像を、大きさ、縦横比、傾き等を順次変えてパターンマッチングを行うこととする。なお、パターンマッチングの手法は、欠損判定手段141と同様、SSD等の任意の手法を用いることができる。
【0049】
この治療状態判定手段142は、歯牙領域ごと、すなわち、歯番ごとの治療状態と、欠損判定手段141によって記憶された歯番ごとの欠損状態とを、デンタルチャート生成手段15に出力する。
【0050】
デンタルチャート生成手段15は、歯牙状態分類手段14で分類された歯牙領域ごとの歯牙状態を図表化したデンタルチャートを生成するものである。このデンタルチャート生成手段15は、例えば、
図10に示すようなデンタルチャートD
Cを生成する。
なお、デンタルチャート生成手段15は、デンタルチャート内の歯牙状態によって変化する内容以外については、予め固定データとして保持しているものとする。
【0051】
図10の例では、右上6番、右下7番、左上6番、左上7番、左下6番、左下7番の歯牙が、口腔内状況「インレー」、すなわち、詰め物を入れた修復歯(部分)であることを示している。
また、右下6番の歯牙が、口腔内状況「FCK(フルキャストクラウン)」、すなわち、歯全体を金属でかぶせた修復歯(全体)であることを示している。
また、右下8番の歯牙が、口腔内状況「埋伏」、すなわち、永久歯が顎の歯茎の中で止まっている埋伏歯であることを示している。また、左下8番の歯牙が、口腔内状況「欠損」、すなわち、歯牙が存在しない欠損歯であることを示している。
また、
図10の口腔内状況で空欄の歯番の歯牙は、健全歯であることを示している。
【0052】
以上説明したように、歯牙解析装置1を構成することで、歯牙解析装置1は、歯科医用画像(パノラマ画像)から、歯牙状態(健全歯、修復歯、欠損歯等)を解析することができる。なお、歯牙解析装置1は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ハードディスク等のハードウェア資源を備えるコンピュータを、前記した各手段として機能させるための歯牙解析プログラムによって実現することもできる。このプログラムは、通信回線を介して配布してもよく、光ディスク、磁気ディスク、フラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
【0053】
<歯牙解析装置の動作>
次に、
図11を参照(構成については適宜
図1参照)して、本発明の実施形態に係る歯牙解析装置1の動作について説明する。なお、パノラマ画像記憶手段10には、X線撮影装置2で撮影された歯科患者の歯列を撮影したパノラマ画像が記憶されているものとする。また、テンプレート記憶手段13には、予め大人用テンプレート画像131と小児用テンプレート画像132とが記憶されているものとする。
【0054】
まず、歯牙解析装置1は、パノラマ画像表示手段11によって、パノラマ画像記憶手段10に記録されているパノラマ画像を読み出して、表示装置3に表示する(ステップS1)。
【0055】
そして、歯牙解析装置1は、歯牙領域設定手段12によって、歯科医師等が位置入力装置4を介して指定したパノラマ画像上の歯列の右端位置P
R、正中位置P
Cおよび左端位置P
L(
図3参照)を入力する(ステップS2)。
【0056】
そして、歯牙解析装置1は、歯牙領域設定手段12によって、ステップS2で指定された歯列の右端、正中および左端の各位置(3点位置)に基づいて、歯番に対応した歯牙ごとの歯牙領域D
R(
図6参照)を設定する(ステップS3)。
なお、このステップS3において、歯牙領域設定手段12は、3点位置を曲線L(
図4参照)で近似し、予め歯の横幅の割合を定義した歯幅テンプレートT
W(
図5参照)によって、曲線に歯幅間隔の垂線を設定することで、大人用または小児用の歯牙領域を設定する。このとき、歯牙領域設定手段12は、設定した歯牙領域を、パノラマ画像に重畳して表示装置3に表示し、位置入力装置4を介して、歯牙領域の補正(補正情報)を受け付け、領域変更を行う。
【0057】
そして、歯牙領域確定後、歯牙解析装置1は、歯牙状態分類手段14の欠損判定手段141によって、パノラマ画像上の歯牙領域の画像と、テンプレート記憶手段13に記憶されている大人用または小児用の歯根部分のテンプレート画像(
図7の歯根部分テンプレート131a)とをパターンマッチングすることで、当該歯牙領域における歯牙の欠損の有無を判定する(ステップS4)。
【0058】
さらに、歯牙解析装置1は、歯牙状態分類手段14の治療状態判定手段142によって、ステップS4で歯牙が欠損していないと判定された歯牙領域の画像と、テンプレート記憶手段13に記憶されている大人用または小児用の歯牙のテンプレート画像(
図7の歯牙テンプレート131b)とをパターンマッチングすることで、当該歯牙領域の治療状態を判定する(ステップS5)。
【0059】
そして、歯牙解析装置1は、デンタルチャート生成手段15によって、ステップS4で判定された欠損状態と、ステップS5で判定された治療状態とを反映したデンタルチャートD
C(
図10参照)を生成する(ステップS6)。
【0060】
以上の動作によって、歯牙解析装置1は、パノラマ画像上で、歯列の3点位置(右端、正中および左端)を指定され、必要に応じで歯牙領域を補正されるだけで、歯牙状態(健全歯、修復歯、欠損歯等)を解析し、デンタルチャートを生成することができる。
【0061】
<変形例>
以上、本発明の実施形態に係る歯牙解析装置1の構成および動作について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
例えば、ここでは、歯牙領域設定手段12は、患者の年齢を入力されることで、
図5に示した歯幅テンプレートT
Wを、大人用または小児用に切り替えることとした。しかし、歯牙領域設定手段12は、
図3で説明した右端位置P
Rと左端位置P
Lとの距離によって、当該距離が予め定めた距離以上であれば、大人用のテンプレート、それ未満であれば小児用のテンプレートを用いることとしてもよい。
あるいは、歯牙領域設定手段12は、大人用と小児用のテンプレートのいずれかを仮に適用し、歯牙状態分類手段14におけるパターンマッチングの類似度の高い方を、正規のテンプレートとして適用することとしてもよい。
【0062】
また、ここでは、歯牙領域設定手段12は、
図5に示した歯幅テンプレートT
Wを用いて、所定の割合で歯の幅を規定することで歯牙領域を設定したが、パノラマ画像から直接歯牙領域を求めてもよい。
その場合、歯牙領域設定手段12は、
図3で説明したように、外部からの指示により、パノラマ画像上に正中位置P
C、右端位置P
Rおよび左端位置P
Lを設定する。そして、歯牙領域設定手段12は、
図4に示すように、3点を曲線近似する。このとき、歯牙領域設定手段12は、円弧によって3点を曲線Lで近似する。
【0063】
そして、歯牙領域設定手段12は、
図12に示すように、曲線(円弧)Lの円の中心Oを基準に、半径を単位画素(例えば、1画素)単位で短くした曲線L
Uを順次生成し、曲線L
Uの画素値(輝度値)の変化を求める。ここで、歯牙領域設定手段12は、予め定めた輝度値より明るい画素を歯に対応する画素と判定し、その後に続く予め定めた輝度値より暗い画素を、隣接する歯牙の隙間(境界位置;図中、黒三角部分)と判定する。そして、歯牙領域設定手段12は、個々の歯牙の境界位置から曲線Lに下ろした垂線によって、上顎歯列の歯牙領域を求める。なお、歯牙領域設定手段12は、歯牙の境界位置と判定した画素が、曲線L
U上で連続する場合、その中の1点、例えば、当該連続画素中の中心を歯牙の境界位置とする。
【0064】
また、歯牙領域設定手段12は、曲線(円弧)Lの円の中心Oを基準に、半径を単位画素(例えば、1画素)単位で長くした曲線L
Dを順次生成し、曲線L
Dの画素値(輝度値)の変化を求める。そして、歯牙領域設定手段12は、上顎歯列の歯牙の境界位置の判定と同様の手法で、下顎歯列の歯牙領域を求める。
これによって、歯牙領域設定手段12は、歯幅テンプレートを用いる場合に比べて、患者の歯列に対応した歯牙領域を素早く設定することができる。
【0065】
また、ここでは、歯牙状態分類手段14が、大人用テンプレート画像131を参照するか、小児用テンプレート画像132を参照するかを、歯牙領域設定手段12からの指示により行うこととした。しかし、歯牙状態分類手段14は、大人用テンプレート画像131および小児用テンプレート画像132のいずれかを仮に適用して、パターンマッチングの類似度の高い方を、正規のテンプレート画像とすることとしてもよい。
【0066】
また、ここでは、欠損判定手段141が歯牙の欠損の有無を自動で判定したが、この判定結果を表示装置3に表示して、判定結果が正しいか否かを歯科医師等の判断により確定することとしてもよい。
【0067】
また、ここでは、治療状態判定手段142が歯牙の治療状態を自動で判定したが、この判定結果を表示装置3に表示して、判定結果が正しいか否かを歯科医師等の判断により確定することとしてもよい。このとき、治療状態判定手段142は、判定に使用したテンプレート画像に彩色して、パノラマ画像上にオーバレイ表示して、歯科医師等に確認できるようにすることとしてもよい。
【0068】
また、ここでは、歯牙解析装置1は、デンタルチャート生成手段15を備え、デンタルチャートを出力することとしたが、デンタルチャート生成手段15を省略して構成しても構わない。例えば、歯牙状態分類手段14の出力である歯番ごとに歯牙状態を、電子カルテシステム等に直接入力することとしてもよい。
【0069】
また、欠損していない歯牙の歯番が明確に特定できていない可能性がある場合、例えば、歯牙の欠損数が予め定めた数よりも多い場合等、歯牙状態分類手段14は、表示装置3に歯牙領域と歯番との対応関係の候補を複数表示し、歯科医師等からの操作により、歯番の指定を受け付けることとしてもよい。