特許第6605254号(P6605254)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605254
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】シリンダ錠装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 29/06 20060101AFI20191031BHJP
【FI】
   E05B29/06
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-161932(P2015-161932)
(22)【出願日】2015年8月19日
(65)【公開番号】特開2017-40084(P2017-40084A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 浩
【審査官】 野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−239242(JP,A)
【文献】 特開2010−168867(JP,A)
【文献】 特開2007−146585(JP,A)
【文献】 実開平05−014436(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0230125(US,A1)
【文献】 特開2002−188331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に開口する筒状のボディと、
内周面から窪むタンブラ係合部が形成され、前記ボディ内に後方から挿入して回転可能に収容されるスリーブと、
径方向に形成されたタンブラ収容孔内に弾性的に突出可能なタンブラを収容した状態で、前記ボディ内に前方から挿入して前記スリーブ内に収容されるロータと、
を備えており、
前記ボディは、前記ロータを挿入する過程で、前記タンブラの突出端部が弾性的に当接して前記ロータの前記タンブラ収容孔内に一時的に没入しながら前記スリーブの前記タンブラ係合部に向けて案内誘導される案内誘導部を備え
前記ロータは、前記タンブラの突出端部を前記案内誘導部に当接する高さに仮保持する治具が挿入可能とされている、ことを特徴とするシリンダ錠装置。
【請求項2】
前記治具は、前記タンブラの形状にかかわらず、前記ロータのキー挿入孔内に差し込むことが可能であり、前記タンブラの突出端部を前記ロータのタンブラ収容孔の開口端から外方側へ突出した状態に仮保持するダミーキーである、ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ錠装置。
【請求項3】
前記ボディの内周面には、前記スリーブの開口端面に当接して前記スリーブの引き抜きを阻止する隔壁が設けられ、
前記案内誘導部は、前記隔壁に設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダ錠装置。
【請求項4】
前記案内誘導部は、前記タンブラの突出端部を前記スリーブの前記タンブラ係合部に向かう方向に挿入可能な傾斜面又は湾曲面を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシリンダ錠装置。
【請求項5】
前記ロータの後端部に移動可能に設けられたクラッチ部材を有し、前後方向の移動により前記ロータと前記クラッチ部材との係合状態又は係合解除状態を切り換えるクラッチ機構を備えており、
前記ボディに対して前記ロータ及び前記スリーブが一体回転したとき、前記スリーブの回転により前記クラッチ機構が前記ロータと前記クラッチ部材との係合を解除する構成を備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のシリンダ錠装置。
【請求項6】
内周面から窪むタンブラ係合部が形成され、前後に開口する筒状のボディ内に後方から挿入して回転可能にスリーブを収容するスリーブ組立工程と、
前記ボディ内に前方から挿入して前記スリーブ内に収容されるロータに、径方向に形成されたタンブラ収容孔内に弾性的に突出可能なタンブラを収容するロータ組立工程と、
前記ロータに前記タンブラの突出端部を前記案内誘導部の高さ以下に仮保持する治具を挿入する治具挿入工程と、
前記ロータに前記治具を挿入した状態で、前記タンブラの突出端部を前記スリーブの前記タンブラ係合部に向けて案内誘導される案内誘導部に弾性的に当接させて、前記ロータの前記タンブラ収容孔内に一時的に没入させながら前記ロータを前記ボディ内に組み立てるシリンダ錠組立工程と、を有するシリンダ錠装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカニカルキーの回転操作によって施錠及び解錠するシリンダ錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシリンダ錠装置の一例としては、車両のドアに設けられるドアロック機構のロック状態及びアンロック状態を切り換えるためのシリンダ錠が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記特許文献1に記載されたシリンダ錠は、軸方向に延びるキー挿通孔が形成されると共に、径方向に延びる複数のタンブラ配置溝が軸方向に並列に形成されてなるキーロータと、キーロータの外周面に回転可能に設けられており、タンブラ配置溝に連通する複数のタンブラ係合溝が形成されたスリーブと、正規キーの挿抜によってタンブラ配置溝内及びタンブラ係合溝内を径方向に弾性的に移動するタンブラとを備えている。
【0004】
上記特許文献1に記載のシリンダ錠は、一端部がキーロータに組み付けられると共に、他端部がドアロック機構に連結されてなるリアロータと、キーロータ及びリアロータを連係状態又は連係解除状態に切り換えるクラッチ機構とを更に備えており、キーロータ、スリーブ、タンブラ、リアロータ及びクラッチ機構がロータケースの内部に収納されている。
【0005】
クラッチ機構は、ロータ側連係部及びリアロータ側連係部に跨がる形態で径方向に移動可能に設けられており、各連係部に一体回転可能に係合する係合位置又は係合が解除される解除位置に配置される連係部材と、連係部材を係合位置又は解除位置に移動させる連係解除機構とを備えている。
【0006】
連係解除機構は、スリーブの回転により径方向に移動する移動部材をロータケースに設けており、移動部材の径方向外側の移動により、連係部材を径方向外側の解除位置に移動させることで、キーロータ及びリアロータの係合を解除するように構成されている。
【0007】
この種のシリンダ錠は、キーロータ及びスリーブからなる内外二重ロータ構造であり、正規キーがキー挿通孔内に差し込まれていない場合は、タンブラの端部がキーロータのタンブラ配置溝の開口端からスリーブのタンブラ係合溝に突出した状態で配置される。この端部がスリーブのタンブラ係合溝に係合していることから、キーロータ及びスリーブが一体回転可能とされている。
【0008】
正規キーがキー挿通孔内に差し込まれた状態では、全てのタンブラがスリーブのタンブラ係合溝からキーロータのタンブラ配置溝内へ退避する。これにより、全てのタンブラがスリーブに干渉することなく、スリーブに対してキーロータが回転操作可能な状態となる。正規キーを回転させると、スリーブが回転しないことから、クラッチ機構を介してキーロータ及びリアロータが一体回転することで、これらのロータの回転がドアロック機構に伝達される。
【0009】
一方、正規キー以外の不正キーやドライバ等の異物をキー挿通孔に挿入した状態でシリンダ錠を強引に回転させた場合は、タンブラの端部がスリーブのタンブラ係合溝に係合したままの状態であることから、ロータケースに対してキーロータ及びスリーブが一体回転する。
【0010】
正規キー以外の異物でシリンダ錠を強引に回転させると、スリーブの回転によりクラッチ機構がロータ及びリアロータの係合を解除することから、キーロータはスリーブと一緒に空回りする回転フリー状態となる。従って、キーロータの回転は、リアロータを介してドアロック機構に伝達されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−4378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、この種のシリンダ錠の組立作業では、ロータケースの内周面に組み付けられたスリーブに対して、キーロータの複数のタンブラ配置溝のそれぞれにばね部材を介してタンブラを収容したロータユニットを押し込むことで、タンブラの端部がスリーブのタンブラ係合溝内に組み付けられる。
【0013】
このような組立作業においては、ばね部材及びタンブラがキーロータのタンブラ配置溝から抜け落ちないようにすることが重要である。ばね部材及びタンブラの脱落を防止するために、全てのタンブラの端部をキーロータのタンブラ配置溝内へ退避させることが可能な正規キーを用いると、正規キーはロータユニット毎に1対1で対応して形成されるため、正規キーとロータユニットとを1組として取り扱う必要がある。複数種類のシリンダ錠を組み立てる場合は、シリンダ錠の組立作業が煩雑であり、作業効率も悪い。
【0014】
この組立作業の煩雑さを改善するため、正規キーの代わりに、ばね部材及びタンブラの脱落を防止するためのダミーキーが用いられる。ダミーキーは、複数種類のシリンダ錠を組み立てることが可能な共通の治具であり、ロータユニットのキー挿通孔内に差し込んだ状態でタンブラの端部をキーロータのタンブラ配置溝の開口端から外方側へ突出した状態に仮保持する治具である。
【0015】
ダミーキーを用いた場合は、タンブラの端部がキーロータのタンブラ配置溝の開口端から外方側へ突出したままの状態で、ロータユニットをロータケースの内周面からスリーブの内周面に沿って押し込む組立作業となる。ロータユニットを押し込むためには、タンブラの端部を逃がすためのタンブラ逃がし溝をロータケースに形成するだけでなく、スリーブにもタンブラ逃がし溝を形成する必要がある。
【0016】
しかしながら、タンブラ係合溝に余分なタンブラ逃がし溝を加えた凹部をスリーブに形成しなければならなくなる。この凹部を形成するためには、スリーブの径方向の肉厚を厚くすることでスリーブの強度を高めることも必要となる。その結果、スリーブの外径が大きくなり、シリンダ錠装置全体の体積が増大してしまうこととなり、シリンダ錠装置全体が大型化するという問題があった。
【0017】
従って、本発明の目的は、装置全体の大型化を伴わずに組立可能な構造を有するシリンダ錠装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[1]本発明は、前後に開口する筒状のボディと、内周面から窪むタンブラ係合部が形成され、前記ボディ内に後方から挿入して回転可能に収容されるスリーブと、径方向に形成されたタンブラ収容孔内に弾性的に突出可能なタンブラを収容した状態で、前記ボディ内に前方から挿入して前記スリーブ内に収容されるロータと、を備えており、前記ボディは、前記ロータを挿入する過程で、前記タンブラの突出端部が弾性的に当接して前記ロータの前記タンブラ収容孔内に一時的に没入しながら前記スリーブの前記タンブラ係合部に向けて案内誘導される案内誘導部を備えたことを特徴とするシリンダ錠装置にある。
【0019】
[2]上記[1]に記載の前記ボディの内周面には、前記スリーブの開口端面に当接して前記スリーブの引き抜きを阻止する隔壁が設けられ、前記案内誘導部は、前記隔壁に設けられたことを特徴とする。
【0020】
[3]上記[1]又は[2]に記載の前記案内誘導部は、前記タンブラの突出端部を前記スリーブの前記タンブラ係合部に向かう方向に挿入可能な傾斜面又は湾曲面を有することを特徴とする。
【0021】
[4]上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の前記ロータの後端部に移動可能に設けられたクラッチ部材を有し、前後方向の移動により前記ロータと前記クラッチ部材との係合状態又は係合解除状態を切り換えるクラッチ機構を備えており、前記ボディに対して前記ロータ及び前記スリーブが一体回転したとき、前記スリーブの回転により前記クラッチ機構が前記ロータと前記クラッチ部材との係合を解除する構成を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、装置全体の大型化を伴わずに組立可能な簡単な構造を有するシリンダ錠装置が効果的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に好適な第1の実施の形態に係るシリンダ錠装置を概略的に示す分解斜視図である。
図2】シリンダ錠装置の内部構造を説明するための模式図であって、(a)は正規キー挿入時における縦断面図であり、(b)は正規キー以外の異物挿入時におけるフリーホイール作動を説明するための縦断面図である(第1の実施の形態)。
図3】シリンダ錠装置のボディを模式的に示す正面図である(第1の実施の形態)。
図4】シリンダ錠装置のボディを模式的に示す斜視図である(第1の実施の形態)。
図5A】シリンダ錠装置のボディ内にロータユニットを挿入するときの過程の一例を説明するための断面模式図である(第1の実施の形態)。
図5B図5Aの次の過程を説明するための断面模式図である(第1の実施の形態)。
図5C図5Bの次の過程を説明するための断面模式図である(第1の実施の形態)。
図5D図5Cの次の過程を説明するための断面模式図である(第1の実施の形態)。
図6】第2の実施の形態に係るシリンダ錠装置の内部構造を説明するための縦断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下の説明においては、シリンダ錠装置のキー挿入孔側を前部、キー挿入孔の後側を後部といい、キー挿入孔を正面からみて上下左右という。
【0025】
[第1の実施の形態]
(シリンダ錠装置の全体構成)
図1において、全体を示す符号1は、第1の実施の形態における典型的なシリンダ錠装置の一構成例を例示している。このシリンダ錠装置1は、図示しない車体のドアパネルに組み付けられるボディ2を備えている。ボディ2の構成材料としては、例えば亜鉛ダイキャストなどの前後に開口する筒状の金属材が用いられる。
【0026】
ボディ2は、図1に示すように、シリンダ錠装置1の構成部品を収容する円筒部20と、円筒部20の前部開口端部に一体形成されたフランジ状のフロント部21とを有している。ボディ2の円筒部20は、ドアパネルの表面に形成された挿通孔を介してドアの内部に配置されるとともに、ボディ2のフロント部21がドアパネルの表面に露出した状態で固定されるようになっている。
【0027】
ボディ2の内部には、図示しない正規のメカニカルキー(以下、単に「正規キー」という。)と機械的な認証が可能なロータユニット3と、ロータユニット3及びドアロック機構を連結状態又は連結解除状態に切り換えるクラッチ機構を有するフリーホイール機構4とが収容される。
【0028】
ボディ2の前部開口部と反対側の後部開口端部には、ドアロック機構の一構成部品であるレバー100に連結されるホルダレバー10が装着される。ホルダレバー10の連結孔には、レバー100の基端部に形成された連結片101が連結ピン14を介して連結される。ロータユニット3の回転はフリーホイール機構4を介してホルダレバー10に伝達され、ホルダレバー10の回転が、レバー100の先端部に形成された結合部102を介してドアロック機構のロック状態及びアンロック状態を切り換える。
【0029】
(ロータユニットの構成)
ロータユニット3は、図1図2(a)、及び図2(b)に示すように、ボディ2の内部に回転可能に収容される円柱状のロータ30と、ロータ30の内部に収容されたタンブラ35とを備えている。ロータユニット3は、ボディ2の前部開口部側から挿入される。
【0030】
ロータ30は、大径ロータ部31と小径ロータ部32とが段差部33を介して一体に連結された段部形状を有している。大径ロータ部31及び小径ロータ部32には、キー挿入孔30aが回転軸線CL方向に沿って形成されている。ロータ30の段差部33がボディ2の内周面に形成された円環状の隔壁22に当接することで、ロータ30がボディ2の後部開口部側から抜け出ることが阻止されている。
【0031】
大径ロータ部31の前部開口部には、キー挿入口を有するフロントカバー34が固定されている。一方の小径ロータ部32の内部には、長い板状をなす複数のタンブラ35が弾性的に出没可能に収容されている。小径ロータ部32よりも径が小さい小径部36には、ホルダレバー10が装着されている。小径部36に形成されたEリング溝37に嵌め込まれるEリング15によりホルダレバー10の脱落が防止されている。
【0032】
小径ロータ部32のキー挿入孔30aには、所定の間隔をもって回転軸線CL方向に配置された仕切壁38が連通して形成されており、仕切壁38を挟んで複数のタンブラ収容孔39が並べられている。タンブラ収容孔39には、2個一組のタンブラ35のそれぞれが図示しないコイルばねを介して径方向に互い違いに収容されている。
【0033】
タンブラ35には、正規キーの挿入・抜脱により、径方向に移動させるための図示しないタンブラ突起と、小径ロータ部32のタンブラ収容孔39から出没可能な突出端部35aとが突出して形成されている。正規キーに形成されたキー溝がタンブラ突起と機械的に照合されることで、タンブラ35は、タンブラ収容孔39内の所定の位置に弾性的に保持される。なお、「弾性的に保持」とは、タンブラ35がコイルばねによって弾性的に付勢された状態保持されていることをいう。
【0034】
(フリーホイール機構の構成)
フリーホイール機構4は、図1図2(a)、及び図2(b)に示すように、ロータ30の回転軸線CLを中心としてロータ30の外周面及びボディ2の内周面の間に形成された空間に配置されており、ボディ2の後部開口部から挿入して回転可能に収容される円筒状の第1スリーブ5と、第1スリーブ5がボディ2に対して回転することでホルダレバー10側へ向けて移動する円筒状のスライダ6と、スライダ6がホルダレバー10側へ向けて移動することでロータ30に係合する円筒状の第2スリーブ7とを備えている。
【0035】
このフリーホイール機構4は、スライダ6の移動に伴って第2スリーブ7がロータ30と係合するホルダレバー10側へ向けて移動することでロータ30との係合が解除されるクラッチ部材である円筒状の第3スリーブ8と、スライダ6、第2スリーブ7、及び第3スリーブ8をホルダレバー10側とは反対側に向けて付勢する機能、及び回転方向に付勢する機能を有するコイルスプリング9とを更に備えている。
【0036】
上記第1スリーブ5の径方向両側には、回転軸線CL方向に長いタンブラ係合部51が貫通して形成されている。タンブラ係合部51は、正規キーの挿入によりタンブラ35の突出端部35aを離脱させるとともに、正規キーの抜取によってタンブラ35の突出端部35aを係合させる孔を構成している。
【0037】
第1スリーブ5の前部開口端面がボディ2の内周面に形成された円環状の隔壁22に当接することで、第1スリーブ5がボディ2の前部開口部から引き抜かれることが阻止されている。第1スリーブ5の後部開口端面には、所定の傾斜角をもつ先細り状の一対の係合突片52が突出して形成されている。この係合突片52は、スライダ6の前部開口端面に係脱可能に配置されている。
【0038】
上記スライダ6の前部開口端面は、第1スリーブ5の後部開口端面に接触した状態で配置されている。スライダ6の前部開口端面には、一対のガイド片61が突出して形成されている。ガイド片61は、ボディ2の内周面に回転軸線CL方向に沿って形成されたガイド溝23にスライド可能に嵌合している。
【0039】
スライダ6の前部開口端面には、外方に向かって拡開する所定の傾斜角をもつ一対の切欠孔62がガイド片61と90度の位相差をもって切欠して形成されている。切欠孔62の対向側面は、第1スリーブ5の係合突片52と接触するカム面とされている。
【0040】
従って、第1スリーブ5がボディ2に対して回転すれば、スライダ6の切欠孔62と第1スリーブ5の係合突片52とにより、スライダ6のガイド片61がボディ2のガイド溝23に沿ってホルダレバー10側へ向けて移動する。このスライダ6の移動に伴い、第2スリーブ7はホルダレバー10側へ向けて移動することとなる。
【0041】
上記第2スリーブ7の前部開口部の内周面には、ロータ30の小径部36に突出して形成された突部36aに係合する嵌合凹部71が形成されている。嵌合凹部71は、第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動しなければ、ロータ30の突部36aと係合しないので、第2スリーブ7はロータ30の回転に追従しない。この第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動すれば、第2スリーブ7の嵌合凹部71とロータ30の突部36aとが係合し、第2スリーブ7はロータ30の回転に追従して一体回転する。
【0042】
第2スリーブ7の前部開口端面には、複数の係合突片72が突出して形成されている。係合突片72は、第1スリーブ5の内周面に形成された係合段部53に対して回転軸線CL方向に移動可能であり、周方向に係合可能とされている。この係合突片72と係合段部53とにより、第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動しても、あるいは第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動しなくても、第2スリーブ7は常に、第1スリーブ5と一体回転可能な状態に維持されている。
【0043】
従って、第1スリーブ5の回転に伴いスライダ6がホルダレバー10側へ向けて移動することで、第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動すれば、第1スリーブ5、第2スリーブ7、及びロータ30が一体回転する。第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動すると、クラッチ部材である第3スリーブ8がホルダレバー10側へ向けて移動する。
【0044】
上記第3スリーブ8は、第2スリーブ7の後部開口端面に接触した状態でロータ30の小径部36の外周面に嵌め込んで配置されている。第3スリーブ8の前部開口端面には、ロータ30の小径部36に突出して形成された突部36aに係合する一対の切欠凹部81が形成されている。
【0045】
第3スリーブ8の後部開口端面には、ホルダレバー10側に向けて延びる複数の連結片82が形成されている。この連結片82は、ホルダレバー10に形成された挿通孔11を介して、ホルダレバー10に対して移動可能及び一体回転可能に配置されている。
【0046】
第3スリーブ8は、コイルスプリング9により前方に付勢される。第3スリーブ8の前部開口端面が第2スリーブ7の後部開口端面に圧接されるとともに、第3スリーブ8の切欠凹部81がロータ30の突部36aに嵌まり込んで係合した状態になる。
【0047】
第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動することで、コイルスプリング9のばね力に抗して第3スリーブ8がホルダレバー10側へ向けて移動すれば、第3スリーブ8の切欠凹部81とロータ30の突部36aとの係合状態を解除させ、ロータ30と第3スリーブ8との一体回転が禁止される。
【0048】
従って、第1スリーブ5の回転に伴いスライダ6及び第2スリーブ7がホルダレバー10側へ向けて移動することで、第3スリーブ8、ホルダレバー10及びレバー100を介してドアロック機構は作動しない。
【0049】
以上のように構成されたフリーホイール機構4によれば、第3スリーブ8、コイルスプリング9、及びロータ30により、ロータ30と第3スリーブ8との係合を解除してロータ30をホルダレバー10に対して空回りさせる係合解除機能を有するクラッチ機構が構成される。なお、コイルスプリング9は、第3スリーブ8が回転したときに初期位置に戻すように付勢力を作用させる。
【0050】
(正規キーによるシリンダ錠動作)
上記のように構成されたフリーホイール機構4によると、正規キーがロータ30のキー挿入孔30aへ挿入されると、全てのタンブラ35は、正規キーのキー溝に係合することでロータ30のタンブラ収容孔39の開口端から内方側へ退避する。全てのタンブラ35と第1スリーブ5との係合が解除され、ロータ30が第1スリーブ5と独立して回転可能な状態となる。
【0051】
この状態で、正規キーを回転させると、第1スリーブ5、スライダ6、及び第2スリーブ7を除いて、ロータ30と係合している第3スリーブ8だけがホルダレバー10と一体回転する。ホルダレバー10の回転は、レバー100を介してドアロック機構のロック状態及びアンロック状態を切り換える。
【0052】
(不正キー等によるシリンダ錠動作)
一方、正規キーがロータ30のキー挿入孔30a内に差し込まれていない施錠状態で、正規キー以外の不正キーやドライバ等の異物をロータ30のキー挿入孔30a内に差し込むことでシリンダ錠を解錠しようとする不正行為が行われる場合は、タンブラ35の突出端部35aは、ロータ30のタンブラ収容孔39の開口端から突出したままの状態であり、この突出端部35aが第1スリーブ5に係合することでロータ30の回転が規制される。
【0053】
ロータ30を強引に回転させると、ボディ2に対して第1スリーブ5が回転することで、スライダ6、第2スリーブ7、及び第3スリーブ8がホルダレバー10側へ向けて移動し、第3スリーブ8とロータ30との係合が解除される。ロータ30及び第1スリーブ5がボディ2に対して空転するだけであり、ロータ30の回転は、第3スリーブ8及びホルダレバー10に伝達されず、レバー100を介してドアロック機構は作動しない。
【0054】
第3スリーブ8とロータ30との係合が解除された状態で、ロータ30を強引に回転させると、第3スリーブ8の切欠凹部81以外の内周面がロータ30の突部36aと摺接する。コイルスプリング9から第3スリーブ8に加わる付勢力はロータ30で受け止められる。なお、第3スリーブ8の外周面には、ボディ2に対して回転を規制するための規制孔83が切欠して形成されている。
【0055】
(ロータユニットの挿入阻害回避手段の構成)
上記のように構成されたフリーホイール機構4を有するシリンダ錠装置1のロータユニット3は、タンブラ35の突出端部35aがコイルばねによりロータ30のタンブラ収容孔39の開口端から外方側へ突出した状態でタンブラ35を収容する構造である。
【0056】
その構造上、ボディ2内にロータユニット3を組み立てる作業にあっては、図5Aに示すように、コイルばね及びタンブラ35がロータ30のタンブラ収容孔39から脱落することを防止するための治具であるダミーキー200が用いられる。ダミーキー200をロータユニット3に差し込んだままの状態で、ボディ2の後部開口部から挿入した第1スリーブ5の内周面に対して、ロータユニット3がボディ2の前部開口部から挿入される。
【0057】
このダミーキー200は、タンブラ35の形状にかかわらず、ロータユニット3のキー挿入孔30a内に差し込むことが可能であり、タンブラ35の突出端部35aをロータ30のタンブラ収容孔39の開口端から外方側へ突出した状態に仮保持する治具である。タンブラ35の突出端部35aの突出寸法は、例えば約1.5mm程度である。
【0058】
よって、ロータユニット3の組立作業時において、ロータ30のタンブラ収容孔39の開口端から外方側へ突出したタンブラ35の突出端部35aが挿入の邪魔にならないように構成することが肝要である。
【0059】
上記シリンダ錠装置1の最も主要なところは、ダミーキー200をロータユニット3に差し込んだままの状態で、タンブラ35の突出端部35aがロータ30内に弾性的に没入しながら第1スリーブ5のタンブラ係合部51に向けて押し込まれることが可能な壁部をボディ2に備えた点にある。
【0060】
この壁部としては、図2(a)、図2(b)、図3図4、及び図5Aに示すように、ロータ30の段差部33が当接してロータ30がボディ2の後側から抜け出ることを阻止するとともに、第1スリーブ5の前部開口端面が当接して第1スリーブ5がボディ2の前側から引き抜かれることを阻止する円環状の隔壁22が用いられる。
【0061】
この隔壁22の隅角部には、ロータユニット3のタンブラ35の突出端部35aを第1スリーブ5のタンブラ係合部51内に向けて挿入可能な案内誘導部24が形成されている。
【0062】
この案内誘導部24は、ロータユニット3を挿入する過程で、ロータ30のタンブラ収容孔39の外方側に向けて弾性的に付勢するコイルばねによりタンブラ35の突出端部35aが弾性的に当接してロータ30のタンブラ収容孔39内に弾性力に抗して一時的に没入しながら、タンブラ35を第1スリーブ5のタンブラ係合部51に向けて案内誘導する案内溝24aを有している。
【0063】
この案内溝24aの底面には、キー挿入側壁面の基部から頂部に向けて上り傾斜する傾斜面24bが形成されている。この傾斜面24bは、タンブラ35の突出端部35aがコイルばねによりロータ30のタンブラ収容孔39の開口端から外方側へ突出した状態に仮保持されていることを利用して、タンブラ35の突出端部35aを弾性力に抗して第1スリーブ5のタンブラ係合部51に向かう方向に挿入可能な傾斜度に形成されている。
【0064】
図示例では、隔壁22の頂部と第1スリーブ5の内周面とは、同一面上に配置されている。隔壁22の隅角部には、タンブラ35の突出端部35aを挿入する方向に合わせて、周方向に180°の位相差をもって一対の案内誘導部24が形成されている。この案内誘導部24の傾斜面24bによってロータユニット3の挿入方向性が確保されており、ロータユニット3の組立の作業効率を向上させることができるようになっている。
【0065】
上記のように構成された案内誘導部24によりタンブラ35の突出端部35aを弾性的に逃がすための傾斜面24bが確保されており、ボディ2がタンブラ35の突出端部35aの挿入を阻害することを回避することができる。従って、ボディ2の内周面に形成されたロータ抜出阻止及び第1スリーブ引き抜き阻止の役目を果たす隔壁22を、ロータユニット3の挿入時においてタンブラ35の突出端部35aの挿入を阻害することを回避する手段として効果的に用いることができる。
【0066】
(ロータユニットの組立方法)
ここで、図5A乃至図5Dを参照すると、これらの図には、ボディ2内にロータユニット3を組み立てるときの過程の一例が例示されている。
【0067】
図5A及び図5Bにおいて、ボディ2内にロータユニット3を挿入する過程で、ロータユニット3がボディ2の隔壁22に達すると、径方向に互い違いに配された2個一組のタンブラ35のうち先行のタンブラ35の突出端部35aが案内溝24aの傾斜面24bにコイルばねの弾性力により付勢された状態で当接する。先行のタンブラ35の突出端部35aは、コイルばねの弾性力に抗して案内溝24aの傾斜面24bに沿って摺動され、タンブラ収容孔39内に一時的に没入しながら第1スリーブ5のタンブラ係合部51に向けて誘導案内される。
【0068】
図5B及び図5Cにおいて、先行のタンブラ35の突出端部35bが案内溝24aの傾斜面24bを乗り越えて、弾性力に抗して隔壁22の頂部及び第1スリーブ5の内周面に沿って誘導案内される。このとき、後続のタンブラ35の突出端部35aが案内溝24aの傾斜面24bに弾性的に当接する。
【0069】
後続のタンブラ35の突出端部35aは、弾性力に抗して案内溝24aの傾斜面24bに沿って摺動され、ロータ30のタンブラ収容孔39内に一時的に没入しながら第1スリーブ5のタンブラ係合部51に向けて誘導案内される。
【0070】
図5C及び図5Dにおいて、先行のタンブラ35の突出端部35aは、第1スリーブ5のタンブラ係合部51の開口縁を越えると同時に、弾性力により第1スリーブ5のタンブラ係合部51内に瞬時に入り込む。
【0071】
後続のタンブラ35は、弾性力に抗して隔壁22の頂部及び第1スリーブ5の内周面に沿って誘導案内されており、後続のタンブラ35の突出端部35aが第1スリーブ5のタンブラ係合部51の開口縁を越えると同時に、弾性力により第1スリーブ5のタンブラ係合部51内に瞬時に入り込む。
【0072】
上記操作を繰り返すことで、径方向に互い違いに配された他の2個一組のタンブラ35の突出端部35aのそれぞれが、第1スリーブ5のタンブラ係合部51の開口縁を越えると同時に、弾性力により第1スリーブ5のタンブラ係合部51内に瞬時に入り込む。この一連の操作により、ロータユニット3の全てのタンブラ35の突出端部35aは、図2(b)に示すように、第1スリーブ5のタンブラ係合部51内に収容されることとなり、ロータユニット3がボディ2内に取り付けられる。
【0073】
(第1の実施の形態の効果)
以上のように構成された第1の実施の形態に係るシリンダ錠装置1によれば、上記効果に加えて以下の効果が得られる。
【0074】
(1)上述した従来のタンブラ逃がし溝をボディ2及び第1スリーブ5に形成する必要がないため、従来のスリーブよりも第1スリーブ5の外径を小さくすることが可能であり、シリンダ錠装置1全体を小型化することが可能となる。
(2)ダミーキー200をロータユニット3に差し込んだままの状態でタンブラ35の突出端部35aが弾性力に抗してボディ2の隔壁22に没入しながら乗り越えることで、ロータユニット3を回転軸線CL方向に押し込むことができるため、簡単な組立構造を効果的に得ることができる。
(3)簡単な組立構造が得られるため、組立作業を簡素化することができるとともに、組立性を向上させることができる。
(4)組み立てが容易であり、自動ロボットによる自動化を実現することができるとともに、生産性の向上に貢献することが可能となる。
【0075】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態及び図示例では、ボディ2の内周面に形成された円環状の隔壁22のキー挿入側の隅角部に傾斜面24bを設けることにより構成された案内誘導部24を例示したが、これに限定されるものではない。
【0076】
この案内誘導部24の他の一例としては、図6に示すように、ボディ2の隔壁22のキー挿入側の隅角部に湾曲面24cを、ロータユニット3の挿入時においてタンブラ35の突出端部35aの挿入を阻害することを回避する手段として用いることができる。
【0077】
第2の実施の形態においては、案内誘導部24に湾曲面24cを形成している点で上記第1の実施の形態と異なるが、その他の構造は、上記第1の実施の形態と実質的に変わるところはない。従って、図6において、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を用いることで、これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
【0078】
図6において、案内誘導部24には、ロータ30を挿入する過程で、タンブラ35の突出端部35aが弾性的に当接してロータ30のタンブラ収容孔39内に弾性力に抗して一時的に没入しながら、タンブラ35を第1スリーブ5のタンブラ係合部51に向けて案内誘導する案内溝24aが形成されている。
【0079】
この案内溝24aの底面には、傾斜面が平面ではなく、キー挿入側壁面の基部から頂部に向けて外側に膨出する湾曲面24cが形成されている。この湾曲面24cは、タンブラ35の突出端部35aを第1スリーブ5のタンブラ係合部51内に向かう方向に挿入可能な湾曲度をもって形成されている。
【0080】
(第2の実施の形態の効果)
以上のように構成された第2の実施の形態に係るシリンダ錠装置1によれば、上記第1の実施の形態における効果に加えて、以下の効果が得られる。
【0081】
(1)ダミーキー200をロータユニット3に差し込んだままの状態でタンブラ35の突出端部35aが弾性力に抗してボディ2の隔壁22に没入しながら乗り越えることで、ロータユニット3をボディ2内に押し込むことができるため、案内溝24aの底面形状を変形する自由度が高まる。
(2)タンブラ35の突出端部35aが案内誘導部24の案内溝24a内に誘導案内され、タンブラ35の突出端部35aが第1スリーブ5のタンブラ係合部51内に入り込むタイミングを変更することができるようになり、タンブラ35の配置形態等についての設計の自由度を妨げることはない。
(3)ボディ2の隔壁22に形成された案内溝24aの底面の形状は、例えばタンブラ35の形状や枚数等を考慮して設計することができる。
【0082】
なお、本発明におけるシリンダ錠装置1の代表的な構成例では、自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば建設機械や農業機械などの各種の作業用車両に効果的に適用することができることは勿論である。
【0083】
また、上記各実施の形態にあっては、車両ドアを機械的な操作により施錠及び解錠するシリンダ錠装置を例示したが、これに限定されるものでなく、例えば車両のトランクリッド、住宅のドアやその他の開閉体のシリンダ錠装置に適用することができることは勿論である。
【0084】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る代表的な実施の形態、変形例及び図示例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。従って、上記実施の形態、変形例及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0085】
1…シリンダ錠装置、2…ボディ、3…ロータユニット、4…フリーホイール機構、5…第1スリーブ、6…スライダ、7…第2スリーブ、8…第3スリーブ、9…コイルスプリング、10…ホルダレバー、11…挿通孔、14…連結ピン、15…Eリング、20…円筒部、21…フロント部、22…隔壁、23…ガイド溝、24…案内誘導部、24a…案内溝、24b…傾斜面、24c…湾曲面、30…ロータ、30a…キー挿入孔、31…大径ロータ部、32…小径ロータ部、33…段差部、34…フロントカバー、35…タンブラ、35a…突出端部、36…小径部、36a…突部、37…Eリング溝、38…仕切壁、39…タンブラ収容孔、51…タンブラ係合部、52,72…係合突片、53…係合段部、61…ガイド片、62…切欠孔、71…嵌合凹部、81…切欠凹部、82,101…連結片、83…規制孔、100…レバー、102…結合部、200…ダミーキー、CL…回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6