(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態1に係るシート構造体1000について説明する。シート構造体1000は、例えば、通信シートや電力供給シートとして用いられるシート状の媒体である。シート状とは、2次元の面としての広がりを持ち、厚さが薄い形状をいう。通信シートは、通信機器間で通信するときに電波が伝搬するシート状の媒体である。この場合、例えば、一方の通信機器が、コネクタなどを介して通信シートの誘電層に接続され、他方の通信機器が、通信シートの表面に接触又は近接して配置される。あるいは、両方の通信機器が、通信シートの表面に接触又は近接して配置される。
【0022】
電力供給シートは、電源装置からセンサなどの電気機器に電力を供給するときに電力が伝搬するシート状の媒体である。この場合、例えば、電源装置が、コネクタなどを介して電力供給シートの誘電層に接続され、センサなどの電気機器が、電力供給シートの表面に接触又は近接して配置される。あるいは、電源装置とセンサなどの電気機器との双方が、電力供給シートの表面に接触又は近接して配置される。
【0023】
通信シートや電力供給シートは、例えば、導電層と誘電層とシールド層とが順に重ねられて構成される。導電層は、例えば、金属などの導電体を含んで構成される。導電層は、通信装置や電源装置から供給された電波が、シートが広がる面方向に効率よく伝搬し、シート上の通信機器やセンサに効率よく供給されるように、例えば、網目状に形成される。誘電層は、例えば、合成樹脂や布などの絶縁体により構成される。シールド層は、例えば、金属などの導電体を含んで構成される。
【0024】
ここで、通信シートや電力供給シートは、人体に容易に装着可能であること、つまり、ウェアラブルであることが望まれることがある。例えば、人体に関する情報を検知するセンサに電力を供給する電力供給シートは、ウェアラブルであることが望まれる。しかしながら、従来の通信シートや電力供給シートは、金属などにより構成される導電層やシールド層を含むこともあり、柔軟性に乏しく、ウェアラブルではないか、通信特性が劣化する場合があった。そこで、本発明の実施形態1に係るシート構造体1000は、各層の柔軟性が高められることにより、ウェアラブルな構成となっているとともに通信特性も良好なものとなっている。
【0025】
ここで、柔軟性に関連する性質として、ドレープ性や伸縮性などがある。ドレープ性は、ウェアラブルにおける、人体への追随性や密着性に関連する性質である。ドレープ性を示す指標として、ドレープ係数がある。ドレープは、布が自重により垂下した視感覚的な状態をいうが、主としてスカートやワンピースなどに現れる凹凸に注目した外観である。ドレープを考える場合、布が垂下しやすいか、しにくいかというドレープの大小と、垂下状態が美しいか、美しくないかというドレープの良否との、2つの側面がある。本実施形態では、量的なドレープ、つまり、ドレープの大小に注目する。量的なドレープを評価する方法には、上述したドレープ係数がある。ドレープ係数は、以下に示す式(1)により求めることが可能である。
ドレープ係数(%)=(S
2−S
0)/(S
1−S
0)×100・・・(式1)
【0026】
ここで、S
0は試料台の面積、S
1は試料の面積、S
2は試料の垂直投影面積(ドレープ面積)である。ドレープ係数は、茶筒のような円柱台に、それよりも大きい円形の布をおけば測定できる。JIS(Japanese Industrial Standards)規格では、試料台の直径を12.7cm(5インチ)、試料の直径を25.4cm(10インチ)と定めている。ドレープ係数の大きいものは垂下しにくく、ドレープ係数の小さいものは垂下しやすい。ドレープ係数は、例えば、綿帆布で87%、絹タフタで82%、綿デニムで68%、毛ジャージィで55%、綿ブロードで52%、毛サージで50%、絹羽二重で38%、トリコット裏地で30%、絹デシンで24%である。なお、ドレープ係数に関しては、JIS L1096:2010 8.21.7 G法(ドレープ係数法)に詳細に定義されている。
【0027】
本実施形態では、シート構造体1000のドレープ性に注目し、シート構造体1000のドレープ性を高める(シート構造体1000のドレープ係数を小さくする)ための構成について説明する。シート構造体1000のドレープ係数は、シート構造体1000を構成する各層のドレープ係数により決定される。そして、シート構造体1000を構成する各層のドレープ係数が小さい程、シート構造体1000のドレープ係数が小さくなる。そこで、シート構造体1000のドレープ係数を小さくするためには、布10のドレープ係数を初めとして、各層のドレープ係数をなるべく小さくすることが好適である。シート構造体1000のドレープ係数は、例えば、95%以下であることが好適である。このように、シート構造体1000は、ベースの生地となる布10などのドレープ性を生かしつつ、導電性を有する層を付したものである。
【0028】
図1に、本発明の実施形態1に係るシート構造体1000の分解斜視図を示す。
図1に示すように、シート構造体1000は、カバー層200と、混合層100と、誘電層300と、シールド層400と、カバー層500とが、順に重ねられて構成される。
【0029】
カバー層200は、混合層100の表面を保護する役割を果たす層である。カバー層200は、例えば、水などの液体が混合層100の表面に付着することや、過度な圧力が混合層100の表面に加わることを抑制する。カバー層200は、例えば、樹脂シート(樹脂フィルム)や繊維構造体である布により構成される。樹脂シートの材料として、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステルがある。また、布としては、織物、編み物、レース、フェルト、不織布などがある。このような布を構成する糸として、天然繊維、再生繊維、合成繊維などがある。天然繊維は、例えば、木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミアである。再生繊維は、例えば、アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステルである。合成繊維は、例えば、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、フィストップである。カバー層200の厚みは、好ましくは、0.05mmから10mm、より好ましくは、0.1mmから0.3mm程度である。
【0030】
混合層100は、繊維構造体である布10と、メッシュ状の開口部を有する導電層50と、を含む層である。つまり、混合層100は、導電性を有する布である。布10は、導電層50を構成する糸状部材20が固定される布である。つまり、布10は、導電層50の土台となる層を構成する。布10は、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものであり、例えば、織物、編み物、レース、フェルト、不織布である。布10としては、柔軟性が高い素材、例えば、伸縮性を有する編み物、伸縮性を有する織物が好適である。伸縮性を有する編み物、織物としては、編み物密度、織物密度が疎であって、織物組織変形の自由度がある編み物、織物、或いは、仮撚加工糸や弾性糸など伸縮性を有する糸で構成された編み物、織物、またはこれらの複合形態を例示できる。
【0031】
仮撚加工糸を用いる場合、仮撚加工糸にこれに更に撚り加工を施した撚糸としてもよいが、その際の撚数は、少なすぎても多すぎても布帛としたときの伸縮性が低下する傾向がある。そこで、撚数は、300T/Mから700T/Mが好ましい。また、仮撚加工糸は、2本以上を合糸して用いることで、撚り加工なしでも糸の収束性と伸長性を両立でき、柔軟性に優れた布を得ることができる。
【0032】
また、布10は、柔軟性向上のため、アルカリ処理や熱処理(リラックス処理/熱セット)を施したものであってもよい。なお、アルカリ処理や熱処理は、布10が形成される前の糸の形態で施されてもよいが、布10が形成された後の布の形態で施された方が好ましい。アルカリ処理は、NaOH10g/リットルからNaOH30g/リットルの水溶液を用い60℃から100℃で処理されることが好ましい。リラックス処理は、60℃から120℃で処理されることが望ましく、熱セットは、150℃から200℃で処理されることが望ましい。熱媒は、温水、蒸気、ヒータ等を用いることが好適である。
【0033】
仮撚加工糸を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミドなどの芳香族ポリアミド、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)などがある。一方、弾性糸を構成する繊維としては、ポリエーテル・エステルエラストマー繊維、ウレタン繊維などがある。
【0034】
布10は、1本のフィラメントの繊度が、0.5dtexから30dtexであることが好ましく、0.5dtexから10dtexであることがより好ましい。布10が織物や編み物である場合、総繊度が、好ましくは10dtexから1000dtex、より好ましくは20dtexから500dtex、さらに好ましくは20dtexから200dtexのマルチフィラメント糸を用いることが望ましい。布10が織物の場合、織物密度が、経糸密度、緯糸密度が共に、15本/inchから200本/inchであることが好ましく、30本/inchから150本/inchであることがより好ましい。なお、経糸密度と緯糸密度は、同じであっても異なっていてもよい。
【0035】
布10を構成する繊維として、丸断面繊維や中空断面繊維の他、C字断面、H字断面、I字断面、L字断面、T字断面、十字断面、Y字断面、三角断面、四角断面、扁平断面等の異型断面繊維を採用することができる。また、布10を構成する繊維として、サイドバイサイド型や、偏心芯鞘型断面を有する複合捲縮繊維、紡糸における異方冷却により捲縮を発現する繊維、機械的に捲縮を付与した繊維等を採用することができる。これにより、布10の空隙率を高くし、伝送効率を上げて通信性能を向上させることができる。布10の厚みは、好ましくは0.02mmから1.2mm、より好ましくは0.05mmから0.6mmである。布10の目付けは、好ましくは50g/m
2から300g/m
2、より好ましくは100g/m
2から250g/m
2である。
【0036】
導電層50は、メッシュ状の開口部を有する層である。導電層50は、糸状部材20により構成される。導電層50は、等間隔に配置された複数の第1直線部21と、等間隔に配置された複数の第2直線部22とが、相互に直交することにより構成される。第1直線部21は、糸状部材20のうちの第1方向に伸びる部分である。また、第2直線部22は、糸状部材20のうちの第1方向と直交する第2方向に伸びる部分である。本実施形態では、シート構造体1000の各層が重ねられる方向がZ軸方向であり、第1方向はZ軸方向と直交するX軸方向であり、第2方向はX軸方向及びZ軸方向と直交するY軸方向である。導電層50を布10に固定する手法については後述する。導電層50の電気抵抗値は、1m
2あたり5Ω以下であることが望ましく、0.001Ωから3Ωであることがより望ましい。また、導電層50が格子状に形成される場合、格子の幅が0.5mmから1.5mm、格子の間隔が5mmから10mmであることが好適である。
【0037】
布10の表面積(布10をZ軸方向から見たときの面積)に対する導電層50の表面積(導電層50をZ軸方向から見たときの面積)の比率は、8%から45%であることが好適であり、10%から43%であることがさらに好適である。この比率が8%未満である場合、電磁エネルギーが消失してしまい、良好な通信状態を保つことが難しくなる。一方、この比率が45%を超える場合、シート内での電磁エネルギーが相互干渉してしまい、良好な通信状態を保つことが難しくなる。
【0038】
誘電層300は、電波を伝搬する層である。誘電層300は、布や合成樹脂などにより構成される層である。このような布としては、織物、編み物、レース、フェルト、不織布などがある。また、このような合成樹脂として、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステルがある。
【0039】
ここで、誘電層300は、シート媒体内に適切に電磁波を閉じ込め、効率よく電磁波を伝送させる材質であることが好適である。従って、誘電層300は、周波数800MHzから5GHzでの比誘電率が、1.0から15であることが望ましく、1.0から5.0であることがより望ましく、1.0から3.0であることがさらに望ましい。また、誘電層300は、周波数800MHzから5GHzでの誘電正接が、0.01以下であることが望ましく、0.001から0.01であることがより望ましい。誘電層300の比誘電率や誘電正接をこのような値にすることで、シート内で伝搬する電磁波の減衰を少なくすることができ、極めて優れた二次元通信性能が期待できる。
【0040】
また、安定した通信性能を得るために、誘電層300を構成する誘電体として、粗であって厚みが変化しにくい素材を採用することが好適である。誘電層300を構成する誘電体として、立体編みにより構成された生地、例えば、上下の表面層布をモノフィラメントの繋ぎ糸で結節して構成されたダブルラッセル生地や、経編の一種であるトリコット生地を採用することが好適である。誘電層300の厚みは、好ましくは0.2mmから5mm、より好ましくは0.5mmから2mmである。布10の目付けは、好ましくは10g/m
2から600g/m
2、より好ましくは100g/m
2から300g/m
2である。
【0041】
シールド層400は、外部空間から誘電層300にノイズが進入することなどを抑制する層である。シールド層400は、導電体を有しつつ、柔軟性を有する層であることが望まれる。シールド層400は、例えば、伸縮性を有する編み物、伸縮性を有する織物、あるいは、ポリエステルに、アルミ、銅、銀、銅ニッケルなどの金属をメッキしたものであることが好適である。シールド層400の電気抵抗値は、1m
2あたり1Ω以下であることが望ましく、0.001Ωから0.8Ωであることがより望ましい。シールド層の厚みは、好ましくは0.05mmから0.5mm、より好ましくは0.1mmから0.4mmである。シールド層の目付けは、好ましくは50g/m
2から250g/m
2、より好ましくは80g/m
2から200g/m
2である。
【0042】
カバー層500は、シールド層400の表面を保護する役割を果たす層である。カバー層500は、例えば、水などの液体がシールド層400の表面に付着することや、過度な圧力がシールド層400の表面に加わることを抑制する。カバー層500は、カバー層200と同様、樹脂シート(樹脂フィルム)や繊維構造体である布により構成される。カバー層500の厚みは、好ましくは、0.05mmから10mm、より好ましくは、0.1mmから0.3mm程度である。
【0043】
シート構造体1000を構成する各層は、接着剤による接着、或いは、糸による縫合により固定される。例えば、ホットメルト樹脂による熱接着やアクリル樹脂やウレタン樹脂などによる接着、スチレンブタジエンゴム(SBR)やイソプレンゴム(IR)などによる接着が好適である。また、シート構造体1000の全体の目付けは、好ましくは350g/m
2から550g/m
2、より好ましくは365g/m
2から530g/m
2である。350g/m
2未満では、良好な通信を実行することが難しく、550g/m
2を超えると、衣服として使用するのに重すぎることになる。
【0044】
また、JIS L1096:2010 8.26通気性A法 フラジール型試験機を使用して測定した通気度が、1.5cm
3/cm
2・秒以上、より好ましくは30〜200cm
3/cm
2・秒)の範囲内であることが好ましいが、通気度が250cm
3/cm
2・秒以上となるような空隙の大きいメッシュ素材にも適用可能である。該通気度が1.5cm
3/cm
2・秒よりも小さいと、ムレが生ずるおそれがある。通気度はシート構造体1000を構成する各層の構成を変更する、例えば、目付の変更により制御可能である。
【0045】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る混合層100について説明する。
図2は、混合層100の正面図である。混合層100は、糸状部材20により構成されメッシュ状の開口部を有する導電層50が布10の一方の面上に設けられて構成される層である。ここで、混合層100に求められる条件として、(A)面方向に適切に電波を伝搬することが可能なこと、(B)シート構造体1000の柔軟性を著しく低下させないことなどが挙げられる。
【0046】
(A)の条件を満たすためには、導電層50は、導電性を有する必要がある。このため、導電層50は、導電性を有する糸状部材20により構成される。また、(A)の条件を満たすため、導電層50は、メッシュ状の開口部を有することが好適である。このため、導電層50は、第1方向(X軸方向)に伸びる複数の第1直線部21と、第2方向(Y軸方向)に伸びる複数の第2直線部22とが、相互に直交するように、糸状部材20が配置される。ここで、第1直線部21の間隔と第2直線部22の間隔とは等しい。つまり、導電層50は、正方格子状に形成される。なお、
図2においては、理解を容易にするため、1つの第1直線部21及び1つの第2直線部22にのみ符号を付している。しかしながら、
図2において、第1直線部21及び第2直線部22は、それぞれ6つ存在している。
【0047】
また、(A)の条件を満たすため、導電層50は、直線部分が多く湾曲部分が少なくなるように構成される必要がある。ここで、直線部分を多くするために、X軸方向あるいはY軸方向の変位を小さくするだけでなく、Z軸方向の変位を小さくすることが必要である。そこで、糸状部材20を布10に縫い付けて導電層50を布10に固定する手法ではなく、固定用糸30や補助用糸40を用いて糸状部材20を布10に固定して導電層50を布10に固定する手法を採用する。かかる手法によれば、導電層50を構成する糸状部材20のZ軸方向の変位が小さくなり、電波が大きく減衰することを抑制することができる。
【0048】
これに対し糸状部材20を布10に縫い付けて導電層50を布10に固定する手法では、導電層50を構成する糸状部材20のZ軸方向の変位が大きくなり、この変位が大きい部分で電波が大きく減衰してしまう。また、この手法では、第1直線部21と第2直線部22とが交差する部分において、両直線部が布10を挟んで反対側に配置され、両直線部が接触しない可能性がある。その結果、電波の伝達効率が低下したり、電波の伝達ムラが大きくなったりする可能性がある。
【0049】
また、(B)の条件を満たすためには、布10に柔軟性のある素材を採用する他、導電層50にも柔軟性を持たせる必要がある。このため、金属板から開口部をくり抜いて導電層50を構成する手法などではなく、導電性を有し糸状の部材である糸状部材20により導電層50を構成する手法を採用する。以下、(A)、(B)の条件を満たすように、混合層100を形成する手法について説明する。まず、糸状部材20と、固定用糸30と、補助用糸40と、について説明する。
【0050】
糸状部材20は、導電性を有する部材を含み、糸のように細長い形状の部材である。糸状部材20は、例えば、導電糸や金属線である。導電糸は、動植物の繊維や人工繊維により構成された糸に、金属をメッキしたり、金属粉を織り交ぜたりすることで、導電性を持たせた糸である。金属線としては、銅線やニクロム線などの金属を細長く加工したものである。糸状部材20の断面は、円形である必要はなく、細長い直方体のような形状であってもよい。つまり、糸状部材20は、細長い板状の部材であってもよい。本実施形態では、糸状部材20は、導電糸であるものとする。本実施形態では、1本の糸状部材20により導電層50が形成される例について説明する。
【0051】
固定用糸30は、糸状部材20を布10に固定するための糸である。固定用糸30は、布10の一方の面(布10が有する2つの面のうちZ軸における座標が大きい方の面)に糸状部材20が配置された状態において、糸状部材20を跨いで布10に縫い付けられる。固定用糸30は、例えば、人工繊維により構成された糸である。
【0052】
補助用糸40は、固定用糸30による糸状部材20の布10への固定を補助するために用いられる糸である。補助用糸40は、布10の他方の面(布10が有する2つの面のうちZ軸における座標が小さい方の面)の糸状部材20に対向する位置にジグザグに配置される。そして、補助用糸40は、布10の他方の面において、固定用糸30に跨がられて布10に固定される。補助用糸40は、例えば、人工繊維により構成された糸である。
【0053】
次に、
図2、
図3、
図4、
図5を参照して、固定用糸30と補助用糸40とを用いて糸状部材20を布10に固定する手法について説明する。
【0054】
まず、糸状部材20は、
図2に示すように、メッシュ状の開口部が構成されるように布10の一方の面に配置される。つまり、糸状部材20は、X軸方向に伸びる複数の第1直線部21とY軸方向に伸びる複数の第2直線部22とを構成するように、布10の一方の面上に配置される。一方、補助用糸40は、
図4に示すように、布10の他方の面上の糸状部材20に対向する位置に、糸状部材20を跨ぐようにジグザグに配置される。
【0055】
図3に、
図2に示す注目部150の拡大正面図を示す。
図3に示すように、固定用糸30は、布10の一方の面では糸状部材20を跨ぐようにして、布10に縫い付けられる。その結果、固定用糸30は、糸状部材20を布10の一方の面に密着させて固定する。
【0056】
図5に、
図4に示す注目部160の拡大正面図を示す。
図5に示すように、固定用糸30は、布10の他方の面では補助用糸40を跨ぐようにして、布10に縫い付けられる。その結果、固定用糸30は、補助用糸40を布10の他方の面に密着させて固定する。このように、本実施形態では、固定用糸30と補助用糸40とで糸状部材20と布10とを挟み込むようにして、糸状部材20を布10にしっかりと固定している。なお、固定用糸30の布10への縫い付けに、補助用糸40が用いられなくてもよい。この場合、固定用糸30は、布10の他方の面において何も跨がずに縫い付けられる。ただし、この場合、布10の他方の面において固定用糸30により跨がられる部分がほころびやすくなる。このため、本実施形態では、補助用糸40を使用して、固定用糸30を布10に縫い付ける手法を採用している。
【0057】
なお、固定用糸30の布10への縫い付けは、ユーザが手動により実行してもよいし、ユーザがミシンを用いて実行してもよい。このようなミシンは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどを備え、ROMに予め記憶されているプログラムに従って、縫い付け処理を実行する。つまり、このようなミシンは、プログラムに従って、布10、糸状部材20、固定用糸30、補助用糸40の位置関係を調整しながら、固定用糸30を布10に縫い付ける処理を実行する。
【0058】
次に、
図6に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るシート構造体生成処理について説明する。シート構造体生成処理は、例えば、ユーザがミシンや各種の装置を用いて実行する処理である。
【0059】
まず、ユーザは、ミシンの動作を開始させる(ステップS101)。例えば、ユーザは、布10をミシン台に固定し、ミシンに対してプログラムの実行の開始を指示する。
【0060】
ステップS101の処理が完了すると、ミシンは、第1直線部21が構成されるように糸状部材20を固定する(ステップS102)。つまり、ミシンは、布10と糸状部材20と固定用糸30と補助用糸40との相対的な位置関係を少しずつずらしながら、糸状部材20がX軸方向に沿って直線状に伸びた状態で布10の一方の面上に固定されるように、固定用糸30と補助用糸40とを布10に縫い付ける。なお、本実施形態における直線状とは、完全に直線な状態であることを示す概念ではない。つまり、直線状とは、糸状部材20が局所的に伸びる方向と糸状部材20が全体として伸びる方向との差が、予め定められた範囲内(例えば、20°以下)であることをいう。
【0061】
例えば、布10の一方の面上に直線状に配置された糸状部材20が固定用糸30による締め付けにより局所的に変形したとしても、糸状部材20が直線状に配置された状態を維持するものとみなす。一方、固定用糸30などを用いずに、糸状部材20を布10に直接縫い付ける場合、糸状部材20は、布10の一方の面と布の他方の面との間を行き来することになる。この場合、糸状部材20は、直線状であるとはみなされない。
【0062】
ステップS102の処理が完了すると、ミシンは、第2直線部22が構成されるように糸状部材20を固定する(ステップS103)。つまり、ミシンは、布10と糸状部材20と固定用糸30と補助用糸40との相対的な位置関係を少しずつずらしながら、糸状部材20がY軸方向に沿って直線状に伸びた状態で布10の一方の面上に固定されるように、固定用糸30と補助用糸40とを布10に縫い付ける。
【0063】
ステップS103の処理が完了すると、ミシンは、糸状部材20全体が固定済みか否かを判別する(ステップS104)。なお、ミシンは、プログラムに従って、又は、ユーザによる操作に従って、糸状部材20全体が固定済みか否かを判別することができる。ミシンは、糸状部材20全体が固定済みでないと判別すると(ステップS104:NO)、ステップS102に処理を戻す。このように、ステップS102からステップS104までの処理は、ミシンにより自動で実行されてもよい。一方、ステップS102からステップS104までの処理が完了した場合、つまり、糸状部材20全体が固定済みであると判別した場合(ステップS104:YES)、ミシンは、その旨をユーザに報知し、ユーザにステップS105の処理を実行することを促すことができる。
【0064】
ユーザは、ミシンによる報知を受けたことに応答して、混合層100に他の層を合成する(ステップS105)。例えば、ユーザは、接着剤により、ミシンにより生成された混合層100に、予め用意されていた、カバー層200、誘電層300、シールド層400、カバー層500を接着する。あるいは、ユーザは、ミシンを用いて、ミシンにより生成された混合層100に、予め用意されていた、カバー層200、誘電層300、シールド層400、カバー層500を縫い付ける。ステップS105の処理が完了すると、シート構造体生成処理が完了し、シート構造体1000が完成する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態では、糸状部材20の少なくとも一部が直線状になるように、布10の一方の面上に固定される。ここで、糸状部材20の直線状である部分では、電波等が減衰しにくい。また、導電層50は、柔軟性を有する糸状部材20により構成される。このため、本実施形態によれば、良好な電気的特性と高い柔軟性とを有するシート構造体1000を提供することができる。
【0066】
また、本実施形態では、糸状部材20が固定用糸30により布10の一方の面上に固定される。このため、糸状部材20は、布10に直交する方向への変位が小さい状態で、布10の一方の面上に固定される。従って、糸状部材20の直線性が維持され、導電層50における電波の伝達特性が向上する。つまり、本実施形態によれば、シート構造体1000の電気的特性が向上する。
【0067】
また、本実施形態では、複数の第1直線部21と複数の第2直線部22とが相互に接触することにより、メッシュ状の開口部を有する導電層50が形成される。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性と高い柔軟性とを有し、通信シートや電力供給シートに適用可能なシート構造体1000を提供することができる。
【0068】
また、本実施形態では、導電層50が固定された布10と柔軟性を有する誘電層300と柔軟性を有するシールド層400とが順に積層されてシート構造体1000が構成される。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性と高い柔軟性とを有し、通信シートや電力供給シートに適用可能なシート構造体1000を提供することができる。
【0069】
また、本実施形態では、ドレープ係数が0.95以下になるようにシート構造体1000が構成される。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性と十分に高い柔軟性とを有し、通信シートや電力供給シートに適用可能なシート構造体1000を提供することができる。
【0070】
また、本実施形態では、通気度が、1.5cm
3/cm
2・秒以上になるようにシート構造体1000が構成される。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性と高い柔軟性と高い快適性とを有し、通信シートや電力供給シートに適用可能なシート構造体1000を提供することができる。
【0071】
また、本実施形態では、誘電層300は、立体編みされた編み物を含んで構成される。従って、本実施形態によれば、十分に良好な電気的特性と高い柔軟性とを有し、通信シートや電力供給シートに適用可能なシート構造体1000を提供することができる。
【0072】
また、本実施形態では、シールド層400は、伸縮性を有する編み物、又は、伸縮性を有する織物の少なくとも一方の面に金属をメッキすることにより生成される。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性と十分に高い柔軟性とを有し、通信シートや電力供給シートに適用可能なシート構造体1000を提供することができる。
【0073】
また、本実施形態では、糸状部材20として導電糸が採用されている。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性と高い柔軟性とを有するシート構造体1000を容易に生成することができる。
【0074】
また、本実施形態では、布10は、伸縮性を有する編み物、又は、伸縮性を有する織物である。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性と十分に高い柔軟性とを有するシート構造体1000を提供することができる。
【0075】
(実施形態1の変形例)
上記実施形態では、固定用糸30に加え、補助用糸40を用いて、糸状部材20を布10の一方の面上に固定する例について説明した。以下、
図7を参照して、補助用糸40を用いずに、糸状部材20を布10の一方の面上に固定する例について説明する。
【0076】
図7は、実施形態1の変形例に係るシート構造体の混合層の注目部170の拡大正面図である。なお、注目部170は、実施形態1の変形例に係るシート構造体の混合層のうち、実施形態1に係るシート構造体1000の混合層100の注目部150に対応する部分である。
【0077】
実施形態1と同様に、糸状部材20は、布10の一方の面上に、直線状になるように配置される。一方、固定用糸30は、布10の一方の面上において糸状部材20を跨ぐように布10を縫うとともに、布10の他方の面上においても糸状部材20を跨ぐように布10を縫う。つまり、固定用糸30は、布10と糸状部材20とをかがるようにして、糸状部材20と布10の一方の面とを密着させて固定させる。
【0078】
実施形態1の変形例では、固定用糸30を用いて縫いつけることで、糸状部材20が布10の一方の面上に固定される。このため、実施形態1の変形例によれば、良好な電気的特性と高い柔軟性とを有するシート構造体1000を容易に生成することができる。
【0079】
(実施形態2)
実施形態1では、通信シートや電力供給シートに適用可能なシート構造体1000について説明した。本発明において、タッチパネルに適用可能なシート構造体を採用してもよい。以下、
図8及び
図9を参照して、タッチパネルに適用可能なシート構造体1100について説明する。
図8に示すように、シート構造体1100は、混合層110と、クッション層310と、混合層120と、が順に積層されて構成される。
【0080】
混合層110は、繊維構造体である布10と、糸状部材20によって構成される導電層51と、を含む層である。つまり、混合層110は、導電性を有する布である。布10は、導電層51を構成する糸状部材20が固定される布である。つまり、布10は、導電層51の土台となる層を構成する。布10は、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものであり、例えば、織物、編み物、レース、フェルト、不織布である。布10としては、柔軟性が高い素材、例えば、伸縮性を有する構造である編み物、或いは、仮撚加工糸や弾性糸など伸縮性を有する糸で構成された織物が好適である。布10は、実施形態1で説明したものと同様のものを採用することができる。
【0081】
導電層51は、第1方向(X軸方向)に伸び、等間隔で配置される複数の糸状部材20により構成される。導電層51は、布10の一方の面(布10が備える2つの面のうち、Z軸における座標が小さい面。つまり、布10が備える2つの面のうち、クッション層310側の面。)に固定される。導電層51を布10に固定する手法については後述する。導電層51を構成する糸状部材50は、例えば、導電糸である。この導電糸の直径は、0.1mmから5mmであることが望ましく、0.5mmから2mmであることがより望ましい。また、導電糸が配置される間隔は、2mmから20mmであることが望ましく、5mmから10mmであることがより望ましい。
【0082】
クッション層310は、混合層110と混合層120との間に配置される層であり、弾力性に富んだ層である。クッション層310は、シート構造体1100の両面から加えられる圧力が閾値未満である場合、混合層110と混合層120とを分離し、シート構造体1100の両面から加えられる圧力が閾値以上である場合、混合層110と混合層120とを接触させる。つまり、クッション層310は、シート構造体1100が両面から押圧されない場合、混合層110が備える糸状部材20と混合層120が備える糸状部材20とを接触させない。一方、クッション層310は、シート構造体1100が両面から押圧された場合、混合層110が備える糸状部材20と混合層120が備える糸状部材20とを接触させる。
【0083】
クッション層310は、メッシュ状の開口部311を備える。開口部311の大きさは、導電層51を構成する糸状部材20の配置間隔と同程度以上であることが好適である。例えば、開口部311の形状が正方形である場合、この正方形の一辺の長さは、2mmから50mmであることが望ましく、5mmから20mmであることがより望ましい。クッション層310の厚さは、0.5mmから20mmであることが望ましく、2mmから5mmであることがより望ましい。クッション層310は、例えば、布や合成樹脂などにより構成される。このような布としては、織物、編み物、レース、フェルト、不織布などがある。また、このような合成樹脂として、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステルがある。クッション層310は、網目の大きい編み物であってもよいし、織物やシート状の合成樹脂に貫通孔を空けたものであってもよい。
【0084】
混合層120は、基本的には、混合層110と同様の構成である。つまり、混合層120は、導電性を有する布である。混合層120は、繊維構造体である布11と、糸状部材20によって構成される導電層52と、を含む層である。布11は、導電層52を構成する糸状部材20が固定される布である。つまり、布11は、導電層52の土台となる層を構成する。布11は、布10と同様のものを採用することができる。
【0085】
導電層52は、第2方向(Y軸方向)に伸び、等間隔で配置される複数の糸状部材20により構成される。導電層52は、布11の一方の面(布11が備える2つの面のうち、Z軸における座標が大きい面。つまり、布11が備える2つの面のうち、クッション層310側の面。)に固定される。導電層52を布11に固定する手法については後述する。導電層52を構成する糸状部材50は、例えば、導電糸である。この導電糸の直径は、0.1mmから5mmであることが望ましく、0.5mmから2mmであることがより望ましい。また、導電糸が配置される間隔は、2mmから20mmであることが望ましく、5mmから10mmであることがより望ましい。
【0086】
次に、
図9を参照して、布10の一方の面上に導電層51を生成する手法について説明する。
図9に示すように、混合層110は、布10と、複数の糸状部材20と、複数の固定用糸30と、により構成される。ここで、布10の一方の面上には、第1直線部23を有し第1方向に伸びる複数の糸状部材20が等間隔で配置される。そして、布10の一方の面上に配置された複数の糸状部材20は、固定用糸30により固定される。ここでは、実施形態1の変形例と同様に、固定用糸30を用いて縫いつけることにより、糸状部材20が布10の一方の面上に固定されるものとする。
【0087】
なお、布11の一方の面上に導電層52を生成する手法は、布10の一方の面上に導電層51を生成する手法と同様である。つまり、布11の一方の面上には、第2直線部24を有し第2方向に伸びる複数の糸状部材20が等間隔で配置される。そして、布11の一方の面上に配置された複数の糸状部材20は、固定用糸30により固定される。ここでは、実施形態1の変形例と同様に、固定用糸30を用いて縫いつけることにより、糸状部材20が布11の一方の面上に固定されるものとする。
【0088】
ここで、
図8に示すように、シート構造体1100は、厳密には、布10と、導電層51と、クッション層310と、導電層52と、布11と、が順に積層されて構成される。シート構造体1100は、両面から押圧されると、押圧された部分(以下「押圧部分」という。)において交差する糸状部材20の組が互いに接触し導通する。なお、糸状部材20の組は、導電層51を構成する複数の糸状部材20のうちのいずれかと導電層52を構成する複数の糸状部材20のいずれかとにより構成される。なお、押圧部分の面積によっては、複数の交差箇所が生じ、複数の組が生じることもある。
【0089】
ここで、複数の糸状部材20の少なくとも一端は、図示しない導通状態検出装置に接続される。この導通状態検出装置は、第1方向に沿って配置された複数の糸状部材20と第2方向に沿って配置された複数の糸状部材20とのそれぞれの導通状態を検出する装置である。そして、この導通状態検出装置は、配置された方向が異なる2本の糸状部材20が導通状態であることを検知した場合、この2本の糸状部材20の交差部分が押圧された旨の信号を出力する。なお、布10は、導電層51が備える複数の糸状部材20が互いに電気的に接続されることを防止する保護層としての役割も果たす。同様に、布11は、導電層52が備える複数の糸状部材20が互いに電気的に接続されることを防止する保護層としての役割も果たす。
【0090】
実施形態2に係るシート構造体1100では、互いに直交する方向に配置された2つの糸状部材20の交差部分が押圧された場合、この2つの糸状部材20が交差部分において相互に接触する。このため、実施形態2に係るシート構造体1100によれば、柔軟性が高いタッチパネルに適用可能なシート構造体を提供することができる。なお、実施形態2に係るシート構造体1100では、糸状部材20は、布10や布11に直接縫い付けられるのではなく、固定用糸30により布10や布11に固定される。このため、実施形態2に係るシート構造体1100では、シート構造体1100が押圧された場合、押圧部分において、第1方向に伸びる糸状部材20と第2方向に伸びる糸状部材20とが確実に接触し導通することが期待できる。
【0091】
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0092】
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、本発明において採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施形態において示したものに限定されないことは勿論である。
【0093】
実施形態1では、固定用糸30による1回の縫い付けにより、1本の糸状部材20が布10に固定される例について説明した。本発明において、固定用糸30による1回の縫い付けにより、複数本の糸状部材20がまとめて布10に固定されてもよい。
【0094】
実施形態1では、シート構造体1000の性能として、ドレープ性が考慮される例について説明した。本発明において、シート構造体1000の性能として、種々の性能を考慮することが好適である。このような性能としては、例えば、通気性、伸縮性、軽量性などがある。なお、シート構造体1000の性能は、シート構造体1000を構成する各層の性能により決定される。そこで、シート構造体1000を構成する各層の通気性、伸縮性、軽量性などを向上させることにより、シート構造体1000全体の通気性、伸縮性、軽量性などが向上する。
【0095】
実施形態1では、シート構造体1000は、カバー層200と、混合層100と、誘電層300と、シールド層400と、カバー層500とが、順に重ねられて構成される例について説明した。本発明において、シート構造体1000の構成は、この構成に限定されない。例えば、シート構造体1000には他の層が追加されてもよいし、特定の層が除外されてもよい。例えば、シート構造体1000は、カバー層200とカバー層500とを備えず、混合層100と誘電層300とシールド層400とにより構成されてもよい。また、混合層100を構成する布10が誘電層300の機能を果たす場合、誘電層300はなくてもよい。
【0096】
実施形態1では、1本の糸状部材20により導電層50が形成される例について説明した。本発明において、導電層50を形成する糸状部材20は、複数本であってもよい。この場合、実施形態2のように、第1方向に沿って伸びるように配置される複数本の糸状部材20と、第1方向に直交する第2方向に伸びるように配置される複数本の糸状部材20とが、固定用糸30などにより布10の一方の面に固定される。
【0097】
実施形態1では、固定用糸30により糸状部材20が布10の一方の面に固定される例について説明した。本発明において、糸状部材20を布10の一方の面に固定する手法は、この例に限定されない。例えば、接着剤により糸状部材20を布10の一方の面に固定する手法を採用してもよい。
【0098】
実施形態1では、第1直線部21の間隔と第2直線部22の間隔とが等しく、第1方向と第2方向とが直交する例(正方格子が形成される例)について説明した。しかしながら、本発明において、第1直線部21の間隔と第2直線部22の間隔とは異なっていてもよいし、第1方向と第2方向とが直交しなくてもよい。つまり、導電層50の形状は、三角格子や菱形格子などであってもよい。
【0099】
実施形態2では、実施形態1の変形例と同様に、糸状部材20が固定用糸30のみにより布10や布11に固定される例について説明した。実施形態2において、実施形態1と同様に、糸状部材20が固定用糸30と補助用糸40とにより布10や布11に固定されてもよい。
【0100】
実施形態2では、第1直線部23の間隔と第2直線部24の間隔とが等しく、第1方向と第2方向とが直交する例(正方格子が形成される例)について説明した。しかしながら、本発明において、第1直線部23の間隔と第2直線部24の間隔とは異なっていてもよいし、第1方向と第2方向とが直交しなくてもよい。つまり、導電層51と導電層52とをZ軸方向から重ねてみたときの形状は、長方格子や菱形格子などであってもよい。
【0101】
実施形態2では、本発明を、押圧部分が座標として検知されるタッチパネルに適用する例について説明した。本発明は、少なくとも1箇所が押圧されたことを検知する押圧検出シートに適用可能である。