特許第6605267号(P6605267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605267
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20191031BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20191031BHJP
   F25D 27/00 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   F25D11/00 101B
   F25D23/00 301Q
   F25D27/00
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-182696(P2015-182696)
(22)【出願日】2015年9月16日
(65)【公開番号】特開2017-58064(P2017-58064A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】金子 尚太
(72)【発明者】
【氏名】長坂 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】真下 拓也
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−178055(JP,A)
【文献】 特開2015−014442(JP,A)
【文献】 特開2013−072581(JP,A)
【文献】 特開2009−257627(JP,A)
【文献】 特開2014−126328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 23/00
F25D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の前面開口部を閉鎖する扉と、
前記扉に設けられ、複数の操作部を有し冷蔵庫の機能に関する操作を行う操作領域部と、
前記操作領域部を照明することで点灯させる表示部と、
人の接近を検知する検知部と、
前記表示部の制御に供される制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検知部が人の接近を検知すると、前記表示部の照明により前記操作領域部の第一操作部を点灯させ、
前記第一操作部が操作されると前記表示部の照明により前記操作領域部の第二操作部を点灯させ、
前記扉が開くと、前記表示部の照明を止めて前記操作領域部の前記第一操作部および前記第二操作部を消灯させ、
前記第二操作部が点灯状態にある前記扉を開いた後に閉めた時には、前記第二操作部は点灯させずに前記第一操作部を点灯させる冷蔵庫。
【請求項2】
前記制御部は、前記扉を閉めた時に、前記操作領域部の一部の前記第一操作部を、予め定めた一定時間点灯させる請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記扉を動作させる扉動作装置と、
開扉動作を検知することで前記扉動作装置の開扉動作をさせるための信号を発生する操作検知部と、
前記操作検知部と前記操作領域部を照明することで点灯させる前記表示部と、を有し、
前記制御部は、前記操作領域部の一部の前記第一操作部を消灯している時には、前記操作検知部も常時消灯させる請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記扉には、前記操作領域部の前記操作部とは異なる別の情報表示装置を備え、
前記制御部は、前記操作領域部の一部の前記第一操作部を消灯している時には、前記情報表示装置をも消灯させる請求項1ないし3のいずれかに記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷蔵庫は、特許文献1に開示されているように、扉の前面には、複数の操作部を有する操作表示装置が配置されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−40960号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような操作表示装置の少なくとも一部の操作部は、扉を開けても、点灯したままの状態を維持している。このため、冷蔵庫の節電を行って冷蔵庫の省エネルギー化を図るための妨げになっている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、扉が開いた時には点灯している部分を消灯することで、冷蔵庫の節電を行って省エネルギー化を図ることができる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態の冷蔵庫は、本体と、前記本体の前面開口部を閉鎖する扉と、前記扉に設けられ、複数の操作部を有し冷蔵庫の機能に関する操作を行う操作領域部と、前記操作領域部を照明することで点灯させる表示部と、人の接近を検知する検知部と、前記検知部が人の接近を検知すると、前記表示部の照明により前記操作領域部の第一操作部を点灯させ、前記第一操作部が操作されると前記表示部の照明により前記操作領域部の第二操作部を点灯させ、前記扉が開くと、前記表示部の照明を止めて前記操作領域部の前記第一操作部を消灯させる制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係わる冷蔵庫の全体を示す正面図である。
図2】操作パネル部の好ましい例を示す正面図である。
図3図1に示す扉の前面板に配置されている操作パネル部の操作領域部や、左側の操作検知部の開扉操作表示部と右側の操作検知部の開扉操作表示部等を示す図である。
図4図1に示す冷蔵庫の動作例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係わる冷蔵庫の全体を示す正面図である。
【0010】
図1に示す冷蔵庫1は、本体1Aを有している。この冷蔵庫1の本体1Aは、断熱性を有するキャビネットにより構成されていて、内部に複数の貯蔵室が形成されている。貯蔵室としては、上から順に冷蔵室2、野菜室3が設けられ、この野菜室3の下には製氷室4と小冷凍室5が左右の並べて設けられ、最下部に主冷凍室6が設けられている。
【0011】
このうち、上部の冷蔵室2と野菜室3は、冷蔵温度帯の貯蔵室であり、約3℃から5℃の温度に調整される。また、製氷室4と小冷凍室5と主冷凍室6は、冷凍温度帯の貯蔵室であり、約−20℃前後の温度に調整される。
【0012】
本体1Aには、図示しないが、冷蔵温度帯の貯蔵室を冷却するための冷蔵用冷却器と、冷凍温度帯の貯蔵室を冷却するための冷凍用冷却器とを含む冷凍サイクルが設けられている。製氷室4には、図示しないが、自動製氷装置が設けられている。
【0013】
図1に示す冷蔵室2の前面には、冷蔵室2の前面開口部を開閉する左右の扉7,8が設けられている。左右の扉7,8は、観音開き式扉である。左側の扉7の左端部が、図示しないヒンジにより回動可能に取り付けられている。同様にして、右側の扉7の右端部が、図示しないヒンジにより回動可能に取り付けられている。野菜室3、製氷室4、小冷凍室5、主冷凍室6の各前面には、各前面開口部を開閉する引出し式の扉9,10,11,12が設けられている。左右の扉7,8と、引出し式の扉9,10,11,12は、内部に断熱材を設けることで断熱性を有している。
【0014】
図1に示すように、左右の扉7,8,と引出し式の扉9,10,11,12の各前面には、好ましくは前面板7A,8A,9A,10A,11A,12Aが配置されている。この前面板7A,8A,9A,10A,11A,12Aは、光の少なくとも一部を通す板、好ましくは透明のガラス板、あるいは透光性を有するガラス板である。これにより、冷蔵庫1の前面側の外観デザイン上の美観を向上している。
【0015】
図1に示すように、操作パネル部15が、例えば左側の扉7の右寄りの位置でかつ下寄りの位置に、設けられている。この操作パネル部15は、好ましくは左側の扉7の前面板7Aの内側に配置されている。
【0016】
図1に示すように、扉動作装置の一例である開扉装置51,52が、例えば本体1Aの上面部に設けられている。開扉装置51,52は、共に例えば電磁ソレノイド等のアクチュエータを使用することができる。開扉装置51が駆動すると、左側の扉7を押して開くことができ、より好ましくは閉じる時に所定量だけ引き込んで扉7を密閉して閉じることができる。同様にして、開扉装置52が駆動すると、右側の扉8を押して開くことができ、より好ましくは閉じる時に所定量だけ引き込んで扉7を密閉して閉じることができる。
【0017】
図2は、操作パネル部15の好ましい例を示す正面図である。
【0018】
図1図2に示すように、操作パネル部15は、操作領域部20と、表示領域部21を有している。図2では、操作領域部20と表示領域部21は、2点鎖線で区分けしており、操作領域部20は右側であり、表示領域部21は左側であり、それぞれ上下方向に沿って長い領域になるように設けられている。表示領域部21の下部の一部は、操作領域部20の下方に位置されている。
【0019】
まず、図2を参照して、操作パネル部15の操作領域部20の構成例を説明する。
【0020】
図2に示すように、操作領域部20は、操作部31と、操作部32と、中間位置の操作部33,34,35,36を有している。各操作部は、操作ボタンともいう。操作部31は、最も下部の位置に配置されており、操作部32は、最も上部の位置に配置されている。その他の操作部33,34,35,36は、操作部32と操作部31の間において、上下方向(Z方向)に沿って、間隔をおいて配列されている。
【0021】
図2に示す操作部31は、操作部32から操作部36とは別に、主操作部あるいは、ホームスイッチ等とも呼ぶことができる。操作部32は、「冷蔵」ボタンである。操作部33は、「冷凍」ボタンであり、操作部34は、「冷凍機能」ボタンである。操作部35は、「製氷」ボタンであり、操作部36は、「節電」ボタンである。
【0022】
次に、図2に示す操作パネル部15の表示領域部21の構成例を説明する。
【0023】
図2に示すように、表示領域部21には、冷却強さ表示部40と、冷凍機能表示部41と、製氷機能表示部42と、節電機能表示部43と、エコモード表示部44と、半ドア表示部45と、キーロック表示部46と、自動扉オフ表示部47と、キーロック説明用表示部37が設けられている。
【0024】
図2に示す冷却強さ表示部40は、Z方向に関して、操作部(冷蔵操作ボタン)32と、操作部(冷凍操作ボタン)33の中間の位置に対応する位置に配置されている。この冷却強さ表示部40は、冷蔵温度帯の貯蔵室もしくは冷凍温度帯の貯蔵室の冷却強さを、グラフィック的に点灯表示するもので、操作部(冷蔵操作ボタン)32と、操作部(冷凍操作ボタン)33についての共用の表示部分になっている。
【0025】
図2に示す冷凍機能表示部41は、操作部(冷凍機能ボタン)34の左横に配置され、複数の冷凍機能(一気冷凍、熱のも冷凍、野菜冷凍、ドライの各モード)を表示しており、各冷凍機機能は、操作部34の操作を繰り返すことで、切り替えることができる。ここで、「一気冷凍モード」では、食材のうま味を逃がさないように、食材の水分が凍る−1℃〜−5℃の温度帯を急速に通過することで、冷凍時の細胞損傷を抑制する。「熱のも冷凍モード」では、炊き立てのご飯等を、熱いまま冷凍できる。「野菜冷凍モード」では、野菜を冷凍する。「ドライ(野菜そのまま冷凍)モード」では、野菜を使い易い大きさにカットしてそのまま冷凍する。
【0026】
図2に示す製氷機能表示部42は、操作部(製氷機能ボタン)35の左横に配置され、複数の製氷機能(一気製氷、製氷オフの各モード)を表示しており、各冷凍機機能は、操作部35の操作を繰り返すことで、切り替えることができる。「一気製氷モード」では、おいしい氷をスピーディに作る。「製氷オフモード」では、製氷機能を停止する。
【0027】
節電機能表示部43は、操作部(節電機能ボタン)36の左横に配置され、複数の節電機能(節電、おでかけ、ピークシフトの各モード)を表示しており、各冷凍機機能は、操作部36の操作を繰り返すことで、切り替えることができる。「節電モード」では、例えば通常運転よりも、約10%節電する。「おでかけモード」では、旅行等の長期の外出時に通常運転よりも、約20%節電する。「ピークシフトモード」では、電力需要のピーク時に、一番消費電力のかかる冷却器の霜取り運転を回避する。
【0028】
図2に示すエコモード表示部44は、エコモードの際に表示される。半ドア表示部45は、上述した各扉のいずれかが所定時間「開」状態であることを検出した時に、点灯表示され、「閉」状態のときには消灯される。キーロック表示部46は、例えば主操作部である操作部31が3秒以上長押し操作されることに基づいて表示され、操作部33,34,35,36の操作が無効状態になる。
【0029】
図1に戻ると、図1には、冷蔵庫1の電気的な構成要素の接続例を示しており、左右の開扉装置51,52と、左右の扉7,8用の左右の操作検知部61,62と、操作パネル部15と、人感センサ77と、情報表示装置80は、制御部100に対して電気的に接続されている。
【0030】
図1に示す人感センサ77は、人の接近を検出できる例えば赤外線センサや静電容量センサを用いることができる。人感センサ77は、例えば右側の扉8の前面板8Aの内側に取り付けられている。この人感センサ77は、使用者等の人が冷蔵庫1の前面に近づくと、人が冷蔵庫1の前面に近づいたことを知らせるために、制御部100に対して人検出信号を送る。
【0031】
図1に示す情報表示装置80は、操作パネル部15と、左右の操作検知部61,62とは、別に設けられており、必要な情報内容を表示できる。情報表示装置80は、例えば液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス等を用いることができるが、特に限定されない。
【0032】
図1に示す例では、情報表示装置80は、好ましくは右側の扉8の前面板8Aの内側に配置されている。情報表示装置80は、制御部100の指令により、任意の種類の情報内容を表示ができ、情報表示装置80は、例えば日時等のカレンダー機能等を含む情報内容を点灯して表示したり、冷蔵庫1の節電のために消灯できるようになっている。
【0033】
次に、図1を参照して、操作検知部61,62について、説明する。
【0034】
左右の操作検知部61,62は、開扉装置51,52を動作させるために行われる使用者の指のスライド操作を、例えば静電容量の変化により検知して、図1に示す開扉装置51,52にそれぞれ開扉動作信号を与える開扉操作部の一例である。
【0035】
図1に示すように、左側の操作検知部61は、好ましくは左側の扉7の前面板7Aの内側に配置されており、左側の扉7の右端部寄りの位置でかつ下辺部において、横方向に沿って設けられている。同様にして、図1に示すように、右側の操作検知部62は、好ましくは左側の扉8の前面板8Aの内側に配置されており、右側の扉8の左端部寄りの位置でかつ下辺部において、横方向に沿って設けられている。
【0036】
これにより、左右の操作検知部61,62は、使用者が指でスライド操作し易い高さ位置において、互いに寄せた位置に配置されている。
【0037】
使用者が扉7,8を自動で開ける際に、どこの部分を指でスライド操作するのかを明確に示すために、図1に示す左側の操作検知部61の開扉操作マーク部61Aと、右側の操作検知部62の開扉操作マーク部62Aが、前面板7A,8Aの表面に、それぞれ配置されている。左側の開扉操作マーク部61Aは、複数の左向きの矢印マーク61Bを有している。図1において、開扉操作マーク部61Aの矢印マーク61Bは、使用者が指で左方向にタッチしたままでスライド操作させることで、左側の扉7を自動的に開扉操作できることを、使用者に認識させる図形である。
【0038】
同様にして、右側の開扉操作マーク部62Aは、複数の右向きの矢印マーク62Bを有している。図1において、開扉操作マーク部62Aの矢印マーク62Bは、使用者が指で右方向にタッチしたままでスライド操作させて右側の扉8を自動的に開扉操作できることを、使用者に認識させる図形である。
【0039】
これにより、使用者は、指で、左側の開扉操作マーク部61Aを左方向にタッチしたままでスライド操作させることで、制御部100は、左側の操作検知部61からの開扉信号を受けて、制御部100は、開扉装置51を動作させて左側の扉7を自動的に開扉できる。同様にして、使用者は、指で、右側の開扉操作マーク部62Aを右方向にタッチしたままでスライドさせることで、制御部100は、右側の操作検知部62からの開扉信号を受けて、制御部100は、開扉装置52を動作させて右側の扉8を自動的に開扉できる。
【0040】
次に、図3を参照する。
【0041】
図3は、図1に示す扉7,8の前面板7A,8Aに配置されている操作パネル部15の操作領域部20や、左側の操作検知部61の開扉操作マーク部61Aと右側の操作検知部62の開扉操作マーク部62A等を示している。図3においては、前面板7A,8Aの左側が、扉の表側であり、前面板7A,8Aの右側が扉の内側である。
【0042】
図3に示すように、操作領域部20の操作部31と、その他の操作部32から36の表示は、それぞれ前面板7Aの表面7C上に、例えば印刷により配置されている。なお、操作部31と、その他の操作部32から36の表示は、印刷に代えて粘着シールでも良い。
【0043】
検出部75は、前面板7Aの内面7D側であって、操作部31と、その他の操作部32から36の対面する位置に、対応して配置されている。検出部75の背部側には、表示部60が配置されている。この表示部60は、好ましくは複数個のLED(発光ダイオード)素子を有している。
【0044】
図3に示す表示部60では、操作部31と、その他の操作部32から36にそれぞれ対面する位置に、LED素子が配置されている。制御部100が表示部60を制御することで、各LED素子は、操作部31と、その他の操作部32から36を、後側(背面側)から別々に照明することができる。また、表示部60では、図1に示す操作パネル部15の表示領域部21を後側(背面側)から照明するためのLED素子が配置されている。
【0045】
図3の表示部60の各LED素子は、制御部100の指令により、点灯したり、消灯したりあるいは点滅することができる。これにより、表示部60は、操作パネル部15の操作部31と、その他の操作部32から36を個別に後側から照明することで、表示内容を投影して表示することができる。同様にして、表示部60は、操作パネル部15の表示領域部21を後側から照明することで、表示内容を投影して表示することができる。
【0046】
図3に示す検出部75は、好ましくは透明電極であり、静電容量式のいわゆるタッチ検出部である。検出部75は好ましくは透明電極であるので、表示部60が発生する照明用の光は、この検出部75を通過して、操作パネル部15の操作領域部20の操作部31と、その他の操作部32から36を照明することができる。
【0047】
この検出部75は、使用者の指が、前面板7Aの表面7C上で、操作領域部20の操作部31と、その他の操作部32から36に触れるか近接することにより、操作部31と、その他の操作部32から36のいずれかの操作部がオン操作されたことを検出して、制御部100に対して検出信号を送るようになっている。
【0048】
図3に示すように、前面板7A,8Aの表面7C,8Cには、左側の操作検知部61の開扉操作マーク部61Aと、右側の操作検知部62の開扉操作マーク部62Aがそれぞれ、例えば印刷により配置されている。なお、左側の操作検知部61の開扉操作マーク部61Aと、右側の操作検知部62の開扉操作マーク部62Aは、印刷に代えて粘着シールでも良い。
【0049】
左側の開扉操作の検出部95は、前面板7Aの内面7D側であって、左側の操作検知部61の開扉操作マーク部61Aに対面する位置に、配置されている。開扉操作の検出部95は、好ましくは透明電極であり、静電容量式のいわゆるタッチ検出部である。
【0050】
開扉操作の検出部95の背部側には、表示部97が配置されている。この表示部97は、好ましくは複数個のLED素子を有している。表示部97の複数個のLED素子は、制御部100の制御により、点灯することで後側から開扉操作マーク部61Aを照明したり、消灯することができる。開扉操作の検出部95は好ましくは透明電極であるので、表示部97が発生する照明用の光は、この開扉操作の検出部95を通過して、開扉操作マーク部61Aの矢印の表示内容を投影する。
【0051】
同様にして、右側の開扉操作の検出部96は、前面板8Aの内面8D側であって、右側の操作検知部62の開扉操作マーク部62Aに対面する位置に、配置されている。開扉操作の検出部96は、好ましくは透明電極であり、静電容量式のいわゆるタッチ検出部である。
【0052】
開扉操作の検出部96の背部側には、表示部98が配置されている。この表示部98は、好ましくは複数個のLED素子を有している。表示部98の複数個のLED素子は、制御部100の制御により、点灯することで後側から開扉操作マーク部62Aを照明したり、消灯することができる。開扉操作の検出部96は好ましくは透明電極であるので、表示部98が発生する照明用の光は、この開扉操作の検出部96を通過して、開扉操作マーク部62Aの矢印の表示内容を投影する。
【0053】
開扉用の検出部95,96は、静電容量式のいわゆるタッチ検出部である。左側の開扉用の検出部95は、使用者の手指が、前面板7Aの表面7C上で、開扉操作マーク部61Aに触れるか近接して左側方向へ移動することで、図1に示す左側の扉7を開ける開扉信号を制御部100に送る。
【0054】
同様にして、右側の開扉用の検出部96は、使用者の手指が、前面板7Aの表面7C上で、開扉操作マーク部62Aに触れるか近接して右側方向へ移動することで、図1に示す右側の扉8を開ける開扉信号を制御部100に送る。
【0055】
なお、図3に示すこの制御部100は、冷凍サイクル等を制御する本体1A側のメインの図示しない制御部に対して、電気的に接続されている。制御部100は、好ましくは本体1A側に配置されているが、特に配置位置は限定されない。
【0056】
次に、上述した図1に示す冷蔵庫1の動作例を、図4に示すフロー図を参照して説明する。
【0057】
図4は、図1に示す冷蔵庫1の動作例を示すフロー図である。
【0058】
図2に示す操作パネル部15において、使用者が、操作領域部20の操作部31の操作を、所定時間行っていない場合には、冷蔵庫1は、待機モードになっている。この待機モードの状態では、使用者が冷蔵庫1に近づいていないと、図1に示す人感センサ77が検出すれば、図3に示す表示部60と表示部97,98の全部が消灯しており、かつ情報表示装置80も消灯している。
【0059】
このため、図1に示す操作パネル部15と、左右の操作検知部61,62、そして情報表示装置80は、全てが消灯している。図2に示す操作領域部20における操作部31とその他の操作部32から36の表示ための点灯動作と、左右の操作検知部61,62の表示のための点灯動作と、情報表示装置80の表示のための点灯動作は、いずれも行っていない状態である。これにより、冷蔵庫1が待機モードでは、冷蔵庫1の電力消費を軽減でき、冷蔵庫1の省エネルギー化が図れる。
【0060】
図4に示すステップS1では、使用者が図1に示す冷蔵庫1の前面側に近づくと、図1に示す人感センサ77が使用者の接近を検出する。人感センサ77は、人検出信号を制御部100に送り、使用者が接近したことを制御部100に通知して、ステップS2に移る。
【0061】
ステップS2では、制御部100は、使用者が接近したことで冷蔵庫1を使用すると判断して、制御部100は、図3に示す表示部60の操作領域部20の操作部31に対応する照明用の光源であるLED素子を点灯させる。これにより、操作領域部20の操作部31だけを後側から照明させるとともに、制御部100は、図3に示す照明用の光源である表示部97,98を点灯させて、左側の操作検知部61の開扉操作マーク部61Aと、右側の操作検知部62の開扉操作マーク部62Aを後側から照明させる。
【0062】
これにより、使用者は、照明により点灯された操作領域部20の主操作部としての操作部31と、照明により点灯された開扉操作マーク部61Aと開扉操作マーク部62Aの位置を、確実に視認することができる。
【0063】
次に、図4のステップS3では、使用者が照明された操作領域部20の主操作部としての操作部31にタッチしてオン操作すると、ステップS4に移る。
【0064】
図4のステップS4では、制御部100は、好ましくは図3に示す表示部60を点灯させて、図1に示す操作パネル部15の操作領域部20と表示領域部21の全領域を照明する。しかも、制御部100は、図1に示す情報表示装置80も点灯により表示させる。
【0065】
このように、使用者が、指で照明された操作領域部20の主操作部としての操作部31にタッチしてオン操作すると、制御部100は、図1に示す操作パネル部15の操作領域部20と表示領域部21の全領域と、開扉操作マーク部61Aと開扉操作マーク部62Aと、情報表示装置80の全てを照明することで点灯させる。
【0066】
このため、使用者が、指で、照明された操作領域部20の操作部31にタッチすると、使用者は、操作パネル部15の操作領域部20と表示領域部21の全領域と、開扉操作マーク部61Aと開扉操作マーク部62Aと、情報表示装置80の全てを、確実に視認することができるので、冷蔵庫1の操作を行う際の使い勝手が向上する。
【0067】
続いて、図4のステップS5では、使用者が、左右の操作検知部61,62のいずれかもしくは両方を指でスライドして、図3に示す開扉用の検出部95,96がそのスライド操作を検出した場合には、開扉用の検出部95,96は、制御部100に開扉信号を送る。このように、使用者が扉7,8のいずれかもしくは両方を開いた場合には、ステップS6に移る。
【0068】
図4のステップS6では、使用者が扉7,8のいずれかもしくは両方を開いた場合には、図1に示す制御部100は、表示部60の照明を止めて操作領域部20の操作部(第一操作部ともいう)31を消灯させることができる。これにより、冷蔵庫1の扉を開いている場合には、表示部60の照明を止めて操作領域部20の第一操作部31を消灯させることで、第一操作部31が点灯状態を続けるのを防止して、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。
【0069】
あるいは、使用者が扉7,8のいずれかもしくは両方を開いた場合には、図1に示す制御部100は、表示部60と表示部97,98と、情報表示装置80を全て消灯することもできる。このため、第一操作部31だけでなく、操作パネル部15の操作領域部20と表示領域部21の全領域と、開扉操作マーク部61Aと開扉操作マーク部62Aと、情報表示装置80の全てを消灯させる。
【0070】
使用者が、扉7,8のいずれかもしくは両方を開けて、冷蔵庫1の内部の貯蔵物の出し入れを行っている場合には、使用者は、図1に示す操作パネル部15の操作領域部20と表示領域部21の全領域を操作したり、開扉操作マーク部61Aと開扉操作マーク部62Aを操作する可能性が無いか低く、情報表示装置80も見る可能性も無いか低い。このため、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。
【0071】
次に、図4のステップS7において、使用者が、開けた扉7,8を閉めると、ステップS8に移る。
【0072】
図4のステップS8では、制御部100は、開けた扉7,8を閉めると、図3に示す表示部60の操作領域部20の操作部(第一操作部)31に対応する照明用の光源であるLED素子を点灯させて、操作領域部20では操作部31だけを後側から、開けた扉7,8を閉めてから予め定めた一定時間だけ、照明して点灯させる。同時に、制御部100は、開けた扉7,8を閉めると、図3に示す照明用の光源である表示部97,98を点灯させて、左側の操作検知部61の開扉操作マーク部61Aと右側の操作検知部62の開扉操作マーク部62Aを後側から、開けた扉7,8を閉めてから予め定めた一定時間だけ、照明して点灯させる。しかも、制御部100は、開けた扉7,8を閉めると、情報表示装置80を、開けた扉7,8を閉めてから予め定めた一定時間だけ、点灯させる。この予め定めた一定時間とは、例えば数秒間である。
【0073】
これにより、使用者が、開けた扉7,8を閉めた時に、使用者は、操作パネル部15の操作領域部20の操作部(第一操作部)31の位置と、左右の操作検知部61と開扉操作表示部62の位置を、一定時間の範囲では、意識せずとも容易に視認することができる。このため、使用者が、例えば再度扉7,8の少なくとも一方を開けようとする場合等に、便利である。しかも、使用者は、開けた扉7,8を閉めても、一定時間の範囲では、情報表示装置80の表示内容を確認することができる。
【0074】
そして、図4のステップS9では、制御部100は、扉7,8を閉めてから予め定めた一定時間だけ経過すると、操作領域部20の操作部31と左右の操作検知部61と操作検知部62と情報表示装置80は、全て消灯させる。これにより、扉7,8を閉めてから予め定めた一定時間だけ経過すると、操作パネル部15の操作領域部20と表示領域部21の全領域と、開扉操作マーク部61Aと開扉操作マーク部62Aと、情報表示装置80の全てを、消灯状態になるので、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。 ところで、制御部100は、好ましくは図3に示す操作領域部20の一部の操作部(第一操作部)31を消灯している時には、操作検知部61,62も常時消灯させる。これにより、操作検知部61,62だけが点灯状態であることを防ぎ、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。
【0075】
また、例えば扉8には、操作領域部20の操作部31と操作検知部61.62とは異なる別の情報表示装置80を備えている。この場合には、制御部100は、操作領域部20の一部の操作部(第一操作部)31を消灯している時には、情報表示装置80をも消灯させる。これにより、情報表示装置80だけが点灯状態であることを防ぎ、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。
【0076】
以上説明したように、本発明の実施形態の冷蔵庫1は、本体1Aと、本体1Aの前面開口部を閉鎖する扉7,8と、扉7,8に設けられ、複数の操作部を有し冷蔵庫1の機能に関する操作を行う操作領域部20と、操作領域部20を照明することで点灯させる表示部60と、人の接近を検知する検知部77と、検知部77が人の接近を検知すると、表示部60の照明により操作領域部20の第一操作部31を点灯させ、第一操作部31が操作されると表示部60の照明により操作領域部20の第二操作部32から36を点灯させ、扉7,8が開くと、表示部60の照明を止めて操作領域部20の第一操作部31を消灯させる制御部100と、を備える。
【0077】
これにより、冷蔵庫1の扉7,8を開いている場合には、表示部60の照明を止めて操作領域部20の第一操作部31を消灯させることで、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。
【0078】
制御部100は、扉7,8を閉めた時に、操作検知部61,62と操作領域部20の一部である操作部(第一操作部)31を、予め定めた一定時間点灯させる。これにより、使用者は、扉7,8を閉めても、操作検知部61,62と操作領域部20の一部の操作部(第一操作部)31の位置を、一定時間の範囲では、意識せずとも容易に視認することができる。
【0079】
また、冷蔵庫1は、前記扉を動作させる扉動作装置51,52と、開扉動作を検知することで前記扉動作装置51,52の開扉動作をさせるための信号を発生する操作検知部61,62と、操作検知部61,62と操作領域部20を照明することで点灯させる表示部60,97,98と、を有する。この制御部100は、操作領域部20の一部の操作部(第一操作部)31を消灯している時には、操作検知部61,62も常時消灯させる。これにより、操作検知部61,62だけが点灯している状態を防ぎ、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。
【0080】
扉7,8には、操作領域部20の操作部31と操作検知部61,62とは異なる別の情報表示装置80を備えている場合に、制御部100は、扉動作装置の動作により扉7,8が開くと、操作領域部20の一部の操作部(第一操作部)31を消灯している時には、情報表示装置80をも消灯させる。これにより、冷蔵庫1の電力消費を低減して、省エネルギー化を図ることができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0082】
図1に示す冷蔵庫1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。図1に示す冷蔵庫1は、観音開き式の扉7,8を有しているが、これに限らず片開き式の扉を有する構造であっても良い。
【0083】
図1に示す冷蔵庫1では、左右の扉7,8,と引出し式の扉9,10,11,12の各前面には、透光性を有する前面板7A,8A,9A,10A,11A,12Aが配置されている。しかし、本発明の実施形態の冷蔵庫では、このような前面板を備えないものであっても良い。
【0084】
扉動作装置としての開扉装置51,52は、扉7,8をそれぞれ開ける動作をするが、扉動作装置としては、これに限らず、扉7,8をそれぞれ開閉するための、例えばモータとギヤを組み合わせたモータギヤ方式の扉開閉装置を採用しても良い。
【符号の説明】
【0085】
1 冷蔵庫
1A 本体
7 扉
8 扉
15 操作パネル部
20 操作領域部
21 表示領域部
31 操作領域部の操作部(第一操作部)
32から36 操作領域部の操作部(第二操作部)
60 表示部
61,62 左右の操作検知部
75 検出部
80 情報表示装置
95,96 左右の開扉用の検出部
97,98 左右の表示部
図1
図2
図3
図4