(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理実行部は、前記第2の補充操作が前記操作受付部により受け付けられた場合であって前記第2の補充処理を実行しないとき、前記第2の補充処理を実行できないことを報知部により報知する、
ことを特徴とする請求項2に記載の貨幣処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
以下の実施形態には、紙幣の入出金等を行う紙幣処理装置が、本発明に係る貨幣処理装置の一つの実施形態として例示されている。
【0015】
本実施形態において、一括収納部109および金種別収納部110a〜110cが特許請求の範囲に記載の「収納部」に対応する。また、操作表示部201が特許請求の範囲に記載の「操作受付部」、「報知部」および「表示部」に対応する。さらに、端末制御部202および機器制御部116が特許請求の範囲に記載の「処理実行部」に対応する。さらに、紙幣検知部130が特許請求の範囲に記載の「検知部」に対応する。
【0016】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、特許請求の範囲の構成と後述する変更例の構成の対応付けについても同様である。
【0017】
図1は、本実施形態に係る、紙幣処理装置1の外観を示す斜視図である。
【0018】
紙幣処理装置1は、紙幣処理機10と、操作端末20と、プリンタ30とを備えている。紙幣処理装置1は、たとえば、銀行に設置され、顧客から預けられた紙幣の入金処理を行ったり、顧客に払い出される紙幣の出金処理を行ったりする。なお、紙幣処理装置1に、硬貨の入出金等を行う硬貨処理機が付加されることが多く、この場合には出納システムが構成される。
【0019】
紙幣処理機10と操作端末20とは通信ケーブル41で接続されており、操作端末20とプリンタ30とは通信ケーブル42で接続されている。なお、このような有線方式ではなく無線方式により、紙幣処理機10、操作端末20およびプリンタ30が接続されてもよい。
【0020】
紙幣処理機10は、外郭を構成する筐体11を備えている。筐体11の正面には、中央部に入金口12および出金口13が上下に並んで設けられており、上部に束出金口14が設けられている。出金口13は、上下開きのシャッター13aによって開閉され、束出金口14は、左右開きのシャッター14aにより開閉される。入金口12にはバラ紙幣が投入され、出金口13にはバラ紙幣が払い出される。束出金口14には、束紙幣が払い出される。束紙幣は、所定の枚数(たとえば、100枚の)紙幣が帯封によって結束されることにより生成される。さらに、筐体11の正面には、下部に扉15が設けられている。
【0021】
操作端末20には、正面に操作表示部201が設けられている。操作表示部201は、操作のための画面を表示するとともに、表示された画面への操作を受け付ける。
【0022】
図2(a)は、本実施形態に係る、紙幣処理機10の内部構成を示す概要図であり、
図2(b)は、本実施形態に係る、一括収納部109および金種別収納部110a〜110cに備えられた紙幣検知部130の構成を示す図である。
【0023】
図2(a)を参照して、紙幣処理機10は、入金部101と、入金リジェクト部102と、出金部103と、束出金部104と、搬送部105と、識別部106と、表裏揃え部107と、一時保留部108と、一括収納部109と、3つの金種別収納部110a〜110cと、2つの集積部111a、111bと、結束部112と、揚送部113と、束搬送部114と、4つの束金種別収納部115a〜115dと、を備えている。
【0024】
入金部101は、入金口12に設けられる。入金部101は、繰出機構を備え、投入されたバラ紙幣を一枚ずつ搬送部105へ繰り出す。入金リジェクト部102および出金部103は、出金口13に設けられる。入金リジェクト部102は、主に、識別部106により属性(真偽、金種、表裏、等)が識別できす、正常な紙幣と見做されない紙幣を受け取る。出金部103は、主に、一時保留部108から返却された紙幣や金種別収納部110a〜110cから繰り出された紙幣を受け取る。束出金部104は、束出金口14に設けられ、主に、束金種別収納部115a〜115dから繰り出された束紙幣を受け取る。
【0025】
搬送部105は、入金部101と、入金リジェクト部102と、出金部103と、一時保留部108と、一括収納部109と、3つの金種別収納部110a〜110cと、2つの集積部111a、111bとの間に巡らされる。搬送部105は、入金部101から繰り出された紙幣を、一時保留部108、一括収納部109および金種別収納部110a〜110cに搬送する。また、搬送部105は、金種別収納部110a〜110cから繰り出された紙幣を出金部103に搬送する。さらに、搬送部105は、一時保留部108から繰り出された紙幣を一括収納部109および金種別収納部110a〜110cに搬送する。さらに、搬送部105は、入金部101および金種別収納部110a〜110cから繰り出された紙幣を集積部111a、111bに搬送する。
【0026】
識別部106は、搬送部105を流れる紙幣の属性(真偽、金種、表裏、等)を識別し、識別結果を後述する機器制御部に出力する。表裏揃え部107は、搬送部105を流れる紙幣の表裏を揃える。表裏揃え部107は、搬送部105の一部を構成する反転経路107aおよび非反転経路107bを含む。反転経路107aは、紙幣を表裏反転させる機構を含む。たとえば、表向きの紙幣が非反転経路107bを流され、裏向きの紙幣が反転経路107aを流されることにより、表裏揃え部107を通過した後の紙幣は全て表向きに揃えられる。
【0027】
一時保留部108は、入金部101に投入され、識別部106により属性が識別された正常な紙幣を、一時的に保留する。一時保留部108は、繰出機構を備えており、保留された紙幣を搬送部105へ繰り出すことができる。一時保留部108は、扉15が開放されると、外部に露出する。これにより、ユーザは、一時保留部108の取出口から紙幣を直接取り出すことができる。
【0028】
一括収納部109は、一時保留部108から繰り出された紙幣であって、識別部106により金種が識別できなかった紙幣や、2千円札など、金種別収納部110a〜110cが割り当てられていない紙幣を収納する。また、一括収納部109は、一時保留部108に振り分けられるべき紙幣のうち、収納すべき金種別収納部110a〜110cがフルまたはニヤフル状態になって収納できない紙幣(オーバーフロー紙幣)を収納する。なお、一括収納部109は、繰出機構を備えていないため、収納された紙幣を搬送部105へ繰り出せない。
【0029】
金種別収納部110a〜110cには、一時保留部108から繰り出された紙幣であって、識別部106により金種が識別された紙幣が、金種ごとに振り分けて収納される。たとえば、金種別収納部110aに1万円札が割り当てられ、金種別収納部110bに5千円札が割り当てられ、金種別収納部110cに千円札が割り当てられる。金種別収納部110a〜110cは、繰出機構を備えており、収納された紙幣を搬送部105へ繰り出すことができる。
【0030】
図2(b)に示すように、一括収納部109および金種別収納部110a〜110cには、収納された紙幣を検知するための紙幣検知部130が設けられている。紙幣検知部130は、紙幣を昇降させるステージ131に形成された貫通孔131aと、ステージ131が最も下方の初期位置にあるときに、発せられた光が貫通孔131aを通るように配置された発光部132と、貫通孔131aを通過した光を受ける受光部133と、を含む。一括収納部109や金種別収納部110a〜110c、即ちステージ131上に紙幣が存在するときには、発光部132からの光が紙幣で遮られ、受光部133で受光されない(
図2(b)の実線矢印参照)。一方、一括収納部109や金種別収納部110a〜110cが空であり、ステージ131上に紙幣が存在しないときには、発光部132からの光を遮るものがないため、受光部133で受光される(
図2(b)の破線矢印参照)。受光部133が受光すると、紙幣検知部130から、一括収納部109や金種別収納部110a〜110cに紙幣がないことを示す検知信号が出力される。
【0031】
集積部111a、111bは、搬送部105により搬送された紙幣を、帯封により結束される所定枚数(通常は、100枚)となるまで集積する。結束部112は、アーム機構、結束機構および搬送機構を備え、集積部111a、111bに集積された紙幣の束をアーム機構により取り出し、取り出した紙幣の束に、結束機構により帯封を掛けて束紙幣を生成し、生成した束紙幣を搬送機構により揚送部113へ送り込む。揚送部113は、上下方向に搬送路が形成されるとともに搬送路内にリフト機構を備え、結束部112から送り込まれた束紙幣をリフト機構によって揚送部113の上部に配置された束搬送部114へ送る。
【0032】
束搬送部114は、揚送部113から送られてきた束紙幣を、4つの束金種別収納部115a〜115dのうち、その束紙幣の金種に対応する束金種別収納部へ搬送する。また、束搬送部114は、各束金種別収納部115a〜115dから繰り出された束紙幣を束出金部104へ搬送する。
【0033】
束金種別収納部115a〜115dは、それぞれに割り当てられた金種の束紙幣を収納する。たとえば、2つの束金種別収納部115a、115bに1万円札が割り当てられ、束金種別収納部115cに5千円札が割り当てられ、束金種別収納部115dに千円札が割り当てられる。束金種別収納部115a〜115dは、繰出機構を備えており、収納された束紙幣を束搬送部114へ繰り出すことができる。
【0034】
図3は、本実施形態に係る、紙幣処理装置1の主たる構成を示すブロック図である。
【0035】
紙幣処理機10は、上述した各部101〜115dの他、機器制御部116および機器記憶部117を備えている。
【0036】
機器制御部116は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、機器記憶部117に記憶されたプログラムに従って、各部101〜115dを制御する。機器記憶部117は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶媒体を備え、機器制御部116の動作プログラムを記憶し、また、機器制御部116の制御処理の際にワーク領域として利用される。
【0037】
操作端末20は、上述した操作表示部201の他、端末制御部202および端末記憶部203を備えている。
【0038】
操作表示部201は、ディスプレイ211とタッチセンサ212とからなるタッチパネルで構成される。ディスプレイ211は、各種の画像(画面)を表示する。タッチセンサ212は、ディスプレイ211に重ねられディスプレイ211に対するユーザのタッチ操作を検出する。プリンタ30は、入出金された紙幣の枚数、金額等、処理結果の情報を、ジャーナルとして用紙に印字する。
【0039】
端末制御部202は、CPU等の演算回路を備え、端末記憶部203に記憶されたプログラムに従って、操作表示部201、プリンタ30等を制御する。端末記憶部203は、ROM、RAMやハードディスク等の記憶媒体を備え、端末制御部202の動作プログラムを記憶し、また、端末制御部202の制御処理の際にワーク領域として利用される。
【0040】
端末制御部202は、後述する紙幣の補充処理において、操作表示部201へのユーザの操作に応じて補充処理に係る各種の指示(保留補充処理の指示、ダイレクト補充処理の指示等)を機器制御部116に対して行う。機器制御部116は、端末制御部202からの指示に従い、補充処理に係る制御を各部101〜110cに対して行った後、補充処理に係る各種の通知(一時保留完了の通知、振り分け完了の通知、等)を端末制御部202に対して行う。
【0041】
さて、紙幣処理装置1では、バラ紙幣を入金するバラ紙幣入金処理、バラ紙幣を出金するバラ紙幣出金処理および束紙幣を出金する束紙幣出金処理が行われる。また、紙幣処理装置1では、バラ紙幣から束紙幣を生成し払い出す束紙幣生成処理が行われる。
【0042】
バラ紙幣入金処理では、入金部101に投入されたバラ紙幣が、金種等の識別、計数および表裏揃えが行われた後に一時保留部108に保留される。保留されたバラ紙幣は、ユーザの承認操作に基づいて一時保留部108から繰り出され、識別された金種に応じて、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納される。
【0043】
バラ紙幣出金処理では、ユーザにより指定された金額の紙幣が、各金種別収納部110a〜110cから繰り出され、金種等の識別および計数が行われた後に出金部103に払い出される。
【0044】
束紙幣出金処理では、ユーザにより指定された金種および束数の束紙幣が、各束金種別収納部115a〜115dから繰り出され、束出金部104に払い出される。
【0045】
束紙幣生成処理では、入金部101に投入されたバラ紙幣が、金種等の識別、計数および表裏揃えが行われた後に集積部111a、111bに集積される。集積部111a、111bで所定枚数に束ねられた紙幣は、結束部112で結束されて束紙幣とされ、揚送部113および束搬送部114を経由して束出金部104に払い出される。
【0046】
紙幣処理装置1では、さらに、金種別収納部110a〜110cへ紙幣を補充する補充処理が行われる。補充処理は、紙幣処理装置1を最初に使用する際に行われる(初期補充)。また、補充処理は、金種別収納部110a〜110c内の紙幣が不足したときに行われる(追加補充)。さらに、補充処理は、定期的に行われる精査のために紙幣処理機10から全ての紙幣を回収し、その回収した全ての紙幣を紙幣処理機10へ戻すときに行われる(精査後補充)。
【0047】
紙幣の補充処理において、端末制御部202と機器制御部116は、共同して処理実行部として機能し、補充のために入金部101に投入された紙幣を一時保留部108に一時的に保留した後、保留された紙幣を一時保留部108から繰り出し一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納する保留補充処理と、補充のために入金部101に投入された紙幣を、一時保留部108を経由することなく、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納するダイレクト補充処理と、を選択的に実行する。なお、保留補充処理は、特許請求の範囲に記載の「第1の補充処理」に対応し、ダイレクト補充処理は、特許請求の範囲に記載の「第2の補充処理」に対応する。
【0048】
以下、端末制御部202と機器制御部116とにより実行される補充処理について、
図4ないし
図11を参照して詳細に説明する。
【0049】
図4および
図5は、本実施形態に係る、端末制御部202が実行する補充処理の制御動作を示すフローチャートである。
図6は、本実施形態に係る、機器制御部116が実行する保留補充処理の制御動作を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態に係る、機器制御部116が実行するダイレクト補充処理の制御動作を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態に係る、保留補充処理が実行される場合に操作表示部201に表示される画面の遷移について例示した図である。
図9は、本実施形態に係る、ダイレクト補充処理が実行される場合に操作表示部201に表示される画面の遷移について例示した図である。
図10(a)は、本実施形態に係る、保留補充処理を構成する一時保留処理における紙幣処理機10内での紙幣の流れを示す図であり、
図10(b)は、本実施形態に係る、保留補充処理を構成する振り分け処理における紙幣処理機10内での紙幣の流れを示す図である。
図11は、本実施形態に係る、ダイレクト補充処理における紙幣処理機10内での紙幣の流れを示す図である。
【0050】
端末制御部202は、操作表示部201(ディスプレイ211)に、初期画面として、バラ紙幣入金処理、バラ紙幣出金処理、束紙幣出金処理、束紙幣生成処理、補充処理等の各種処理を選択できるメニュー画面を表示する。かかるメニュー画面から補充処理が選択されると、
図4および
図5に示す、端末制御部202による補充処理が開始される。なお、補充処理が行われるに際し、補充のための紙幣がユーザにより入金部101に投入される。
【0051】
端末制御部202は、操作表示部201(ディスプレイ211)に選択画面を表示する(S101)。
図8および
図9の「画面A」に示すように、選択画面は、現在実行中の処理が表示される処理名表示領域R11と、主となる情報が表示される情報表示領域R12と、操作ボタンが表示される操作領域R13とを含む。選択画面では、処理名表示領域R11に、現在の処理が補充処理であることを示す「補充」の表示がなされる。また、情報表示領域R12に、保留補充処理を選択するための保留補充ボタンB11と、ダイレクト補充処理を選択するためのダイレクト補充ボタンB12とが表示される。さらに、操作領域R13に、実行操作を行うための実行ボタンB13と、戻る操作を行うための戻るボタンB14とが表示される。
【0052】
端末制御部202は、保留補充処理の選択後に実行操作がなされたか、あるいは、ダイレクト補充処理の選択後に実行操作がなされたか、あるいは、戻る操作がなされたかを監視する(S102、S103、S104)。
【0053】
本実施形態では、紙幣処理装置1を最初に使用する際の紙幣の補充(初期補充)や、精査での全ての紙幣を戻すための補充(精査後補充)など、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れにも紙幣がない場合にダイレクト補充処理を行うことができる。一方で、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れかに紙幣が残っている場合はダイレクト補充処理を行うことができない。
【0054】
ユーザは、金種別収納部110a〜110cの紙幣が不足したので紙幣を補充する場合やダイレクト補充処理が可能であるがこれを希望しない場合、保留補充ボタンB11により保留補充処理を選択した後に実行ボタンB13により実行操作を行う。これら保留補充ボタンB11と実行ボタンB13の操作が、特許請求の範囲に記載の「第1の補充操作」に対応する。
【0055】
保留補充処理の選択後に実行操作がなされた場合(S102:YES)、端末制御部202は、機器制御部116に対して保留補充処理の実行を指示する(S105)。そして、端末制御部202は、計数明細画面を操作表示部201に表示する(S106)。
図8の「画面B」に示すように、計数明細画面は、選択画面と同様、処理名表示領域R11、情報表示領域R12および操作領域R13を含む。計数明細画面では、処理名表示領域R11に、現在の処理が保留補充処理であることを示す「保留補充」の表示がなされる。また、情報表示領域R12に、金種ごとの枚数と金額、および、合計金額が表示される。さらに、操作領域R13に、承認操作を行うための完了ボタンB15と、返却操作を行うための返却ボタンB16とが表示される。なお、紙幣処理機10側で保留補充処理が開始されておらず、金種の通知が開始されていないときは、枚数および金額は、全て「0」の表示となる。紙幣処理機10側で保留補充処理が開始され、金種の通知が開始されると、端末制御部202で金種ごとに枚数が計数され、
図8の「画面C」に示すように、リアルタイムに金種ごとの枚数と金額、および、合計金額の表示が更新される。
【0056】
端末制御部202により保留補充処理の実行が指示されると、
図6に示す、機器制御部116による保留補充処理が開始される。
【0057】
機器制御部116は、まず、S201ないしS207の処理からなる一時保留処理を行い、
図10(a)に示す紙幣の流れにて、入金部101に投入された紙幣を一時保留部108に一時的に保留する。
【0058】
即ち、機器制御部116は、入金部101から一枚ずつ紙幣を繰り出させ(S201)、繰り出した紙幣の属性(真偽、金種、表裏、等)を識別部106により識別する(S202)。そして、機器制御部116は、識別部106での識別結果に基づき、識別された紙幣が正常な紙幣であるか否かを判定する(S203)。たとえば、機器制御部116は、金種が識別できる場合に、その紙幣を正常な紙幣であると判定する。
【0059】
識別した紙幣が正常な紙幣である場合(S203:YES)、機器制御部116は、端末制御部202に金種ごとの計数を行わせるため、その紙幣の金種を端末制御部202に通知するとともに(S204)、搬送部105を制御して、その紙幣を一時保留部108へ送り込む(S205)。なお、紙幣が裏を向いている場合には、その紙幣は、表裏揃え部107の反転経路107aを通され、表を向くように反転される。
【0060】
一方、識別した紙幣が正常な紙幣でない場合(S203:NO)、機器制御部116は、搬送部105を制御して、その紙幣を入金リジェクト部102へ送り込む(S206)。
【0061】
機器制御部116は、入金部101に投入された全ての紙幣が繰り出されるまで(S207:NO)、S201ないしS206の処理を繰り返す。そして、全ての紙幣が繰り出されると(S207:YES)、機器制御部116は、全ての紙幣の一時保留部108への一時保留あるいは入金リジェクト部102への送り込みが完了したことを端末制御部202へ通知する(S208)。
【0062】
図4に戻り、機器制御部116から一時保留の完了が通知されると、端末制御部202は、S107において、一時保留部108への全ての紙幣の受け入れが完了したと判定する(S107:YES)。このとき、計数明細画面の情報表示領域R12には、
図8の「画面C」のように、最終的な金種ごとの枚数と金額、および合計金額が表示されている。
【0063】
端末制御部202は、完了ボタンB15による承認操作がなされたか、あるいは、返却ボタンB16による返却操作がなされたかを監視する(S108、S109)。
【0064】
ユーザは、最終的な金種ごとの枚数と金額、および合計金額を確認し、今回の紙幣の補充を承認する場合に承認操作を行い、今回の紙幣の補充を承認せず、紙幣の返却を行う場合に返却操作を行う。
【0065】
承認操作が行われると(S108:YES)、端末制御部202は、機器制御部116に対して、振り分け処理の実行を指示する(S110)。そして、端末制御部202は、
図8の「画面D」に示すように、計数明細画面上に、振り分け処理の動作中であることを示す通知ウィンドウW11をポップアップ表示する(S111)。その後、機器制御部116から振り分け処理の完了が通知されると(S112:YES)、端末制御部202は、計数明細画面を閉じて、操作表示部201に、再び、選択画面を表示する(S101)。
【0066】
一方、返却操作が行われると(S109:YES)、端末制御部202は、機器制御部116に対して、返却処理の実行を指示する(S113)。そして、端末制御部202は、
図8の「画面D」に示すように、計数明細画面上に、返却処理の動作中であることを示す通知ウィンドウW11をポップアップ表示する(S114)。その後、機器制御部116から返却処理の完了が通知されると(S115:YES)、端末制御部202は、計数明細画面を閉じて、操作表示部201に、再び、選択画面を表示する(S101)。
【0067】
図6に戻り、S208で一時保留の完了を通知した後、機器制御部116は、端末制御部202からの振り分け処理の指示を受けたか、あるいは、返却処理の指示を受けたかを監視する(S209、S210)。
【0068】
振り分け処理の指示を受けた場合(S209:YES)、機器制御部116は、振り分け処理を行い(S211)、
図10(b)に示す紙幣の流れにて、一時保留部108に保留された紙幣を一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納する。
【0069】
即ち、機器制御部116は、一時保留部108から一枚ずつ紙幣を繰り出させ、繰り出した紙幣の金種を識別部106により識別し、搬送部105を制御して、識別された紙幣を、その金種に対応する金種別収納部110a〜110cに収納する。一時保留部108への搬送時には金種が識別できたが、搬送状態等何らかの原因により、振り分け処理の際に金種が識別できなかった場合や、金種別収納部110a〜110cに対応しない金種(たとえば、2千円)であった場合、機器制御部116は、搬送部105を制御し、金種が不明の紙幣や対応しない金種の紙幣を一括収納部109に収納する。また、オーバーフロー紙幣も、一括収納部109に収納する。なお、一時保留部108から繰り出される紙幣は、既に表裏が揃っているため、表裏揃え部107の反転経路107aを通らない。
【0070】
全ての紙幣を一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに収納し終えると、機器制御部116は、振り分け処理が完了したことを端末制御部202へ通知し(S212)、保留補充処理を終了する。
【0071】
一方、端末制御部202から返却処理の指示を受けた場合(S210:YES)、機器制御部116は、返却処理を行い(S213)、一時保留部108に保留された紙幣を繰り出し、搬送部105によって出金部103へ送り込む。全ての紙幣を出金部103へ送り終えると、機器制御部116は、返却処理が完了したことを端末制御部202へ通知し(S214)、保留補充処理を終了する。
【0072】
さて、ダイレクト補充処理が実行できる状況下にある場合であって、ダイレクト補充処理を希望する場合に、ユーザは、選択画面上において、ダイレクト補充ボタンB12によりダイレクト補充処理を選択した後に実行ボタンB13により実行操作を行う。これらダイレクト補充ボタンB12と実行ボタンB13の操作が、特許請求の範囲に記載の「第2の補充操作」に対応する。
【0073】
ダイレクト補充処理の選択後に実行操作がなされた場合(S103:YES)、端末制御部202は、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに備えられた紙幣検知部130の検知結果と、各収納部109、110a〜110cに対する入出金時等での紙幣のカウントにより端末記憶部203に記憶された、これら収納部109、110a〜110cの在高との双方から、これら収納部109、110a〜110cの何れかに紙幣があるか否かを判定する(S116)。なお、紙幣検知部130による検知結果のみから、収納部109、110a〜110c内の紙幣の有無が検知されてもよい。あるいは、端末記憶部203に記憶された、収納部109、110a〜110cの在高(ソフトカウントによる検知結果)のみから収納部109、110a〜110c内の紙幣の有無が検知されてもよい。ソフトカウントによる検知の場合は、機器制御部116と端末制御部202とが、特許請求の範囲に記載の「検知部」に対応することとなる。
【0074】
上述のように、精査における紙幣の補充等、ダイレクト補充処理が行える状況下でダイレクト補充処理を実行する操作がなされた場合は、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れにも紙幣がないと判定されるため(S116:NO)、端末制御部202は、機器制御部116に対してダイレクト補充処理の実行を指示する(S117)。そして、端末制御部202は、計数明細画面を操作表示部201に表示する(S118)。
図9の「画面B」に示すように、ダイレクト補充処理の計数明細画面は、処理名表示領域R11に現在の処理がダイレクト補充処理であることを示す「ダイレクト補充」の表示がなされる点を除いて、保留補充処理の計数明細画面と同様である。紙幣処理機10側でダイレクト補充処理が開始され、金種の通知が開始されると、端末制御部202で金種ごとに枚数が計数され、
図9の「画面C」に示すように、リアルタイムに金種ごとの枚数と金額、および、合計金額の表示が更新される。
【0075】
一方、ダイレクト補充処理が行える状況下でないにもかかわらず、ダイレクト補充処理を実行する操作がなされた場合は、S116で一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れかに紙幣があると判定されるため(S116:YES)、端末制御部202は、
図9の「画面D」に示すように、選択画面上に、ダイレクト補充処理ができないことを示す通知ウィンドウW12をポップアップ表示する(S119)。通知ウィンドウW12は、たとえば、所定時間が経過すると閉じられる。
【0076】
端末制御部202によりダイレクト補充処理の実行が指示されると、
図7に示す、機器制御部116によるダイレクト補充処理が開始される。
【0077】
機器制御部116は、まず、S301ないしS307の振り分け収納処理を行い、
図11に示す紙幣の流れにて、入金部101に投入された紙幣を、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納する。
【0078】
即ち、機器制御部116は、入金部101から一枚ずつ紙幣を繰り出させ(S301)、繰り出した紙幣の属性(真偽、金種、表裏、等)を識別部106により識別する(S302)。そして、機器制御部116は、識別部106での識別結果に基づき、識別された紙幣が正常な紙幣であるか否かを判定する(S303)。
【0079】
識別した紙幣が正常な紙幣である場合(S303:YES)、機器制御部116は、その紙幣の金種を端末制御部202に通知するとともに(S304)、搬送部105を制御して、その紙幣の金種に対応する一括収納部109および金種別収納部110a〜110cへ送り込む(S305)。このとき、一括収納部109には、3つの金種別収納部110a〜110cの何れにも対応しない金種(たとえば、二千円)の紙幣が収納される。また、オーバーフロー紙幣も、一括収納部109に収納する。なお、紙幣が裏を向いている場合には、その紙幣は、表裏揃え部107の反転経路107aを通され、表を向くように反転される。
【0080】
一方、識別した紙幣が正常な紙幣でない場合(S303:NO)、機器制御部116は、搬送部105を制御して、その紙幣を入金リジェクト部102へ送り込む(S306)。
【0081】
機器制御部116は、入金部101に投入された全ての紙幣が繰り出されるまで(S307:NO)、S301ないしS306の処理を繰り返す。そして、全ての紙幣が繰り出されると(S307:YES)、機器制御部116は、全ての紙幣の補充が完了したことを端末制御部202へ通知する(S308)。
【0082】
図5に戻り、機器制御部116から補充の完了が通知されると、端末制御部202は、S120において、全ての紙幣の補充が完了したと判定する(S120:YES)。このとき、計数明細画面の情報表示領域R12には、
図9の「画面C」のように、最終的な金種ごとの枚数と金額、および合計金額が表示されている。
【0083】
端末制御部202は、完了ボタンB15による承認操作がなされたか、あるいは、返却ボタンB16による返却操作がなされたかを監視する(S121、S122)。
【0084】
承認操作が行われると(S121:YES)、端末制御部202は、機器制御部116に対して、ダイレクト補充処理の終了を指示する(S123)。そして、端末制御部202は、計数明細画面を閉じて、操作表示部201に、再び、選択画面を表示する(S101)。
【0085】
一方、返却操作が行われると(S122:YES)、端末制御部202は、機器制御部116に対して、返却処理の実行を指示する(S124)。そして、端末制御部202は、
図8の「画面D」と同様な、返却処理の動作中であることを示す通知ウィンドウW11を、計数明細画面上にポップアップ表示する(S125)。その後、機器制御部116から返却処理の完了が通知されると(S126:YES)、端末制御部202は、計数明細画面を閉じて、操作表示部201に、再び、選択画面を表示する(S101)。
【0086】
図7に戻り、S308で補充の完了を通知した後、機器制御部116は、端末制御部202からダイレクト補充処理の終了の指示を受けたか、あるいは、返却処理の指示を受けたかを監視する(S309、S310)。
【0087】
ダイレクト補充処理の終了の指示を受けた場合(S309:YES)、機器制御部116は、ダイレクト補充処理を終了する。
【0088】
一方、返却処理の指示を受けた場合(S310:YES)、機器制御部116は、返却処理を行い(S311)、各金種別収納部110a〜110cに保留された紙幣を繰り出し、搬送部105によって出金部103へ送り込む。全ての紙幣を出金部103へ送り終えると、機器制御部116は、返却処理が完了したことを端末制御部202へ通知し(S312)、ダイレクト補充処理を終了する。
【0089】
なお、一括収納部109からは紙幣を繰り出せないが、一括収納部109は、扉15を開けて筐体11の外部に引き出せるような構成とされている。このため、返却処理の後は、ユーザが一括収納部109から直接、紙幣を回収する。
【0090】
図4に戻り、保留補充処理やダイレクト補充処理が完了し、ユーザが戻るボタンB14による戻る操作を行うと(S104:YES)、端末制御部202は、補充処理を終了する。選択画面が閉じられ、操作表示部201に、再び、メニュー画面が表示される。
【0091】
本実施形態では、補充処理と並行して、補充処理時の異常を検知して異常に応じた対応を行う補充異常処理が、端末制御部202と機器制御部116とで構成される処理実行部により実行される。なお、この補充異常処理は、保留補充処理の中の一時保留処理(S201〜S207)とダイレクト補充処理の中の振り分け収納処理(S301〜S307)が実行されている間だけ実行される。
【0092】
図12は、本実施形態に係る、機器制御部116が実行する補充異常処理の制御動作を示すフローチャートである。
図13は、本実施形態に係る、端末制御部202が実行する補充異常処理の制御動作を示すフローチャートである。
図14(a)、(b)および(c)は、それぞれ、補充異常処理が実行されたときに操作表示部201に表示される、異常通知画面、第1回収完了画面および第2回収完了画面を例示した図である。
【0093】
図12を参照して、機器制御部116は、補充処理中に、停電による紙幣の搬送停止や紙幣の詰まり(ジャム)などの異常が発生したか否かを監視する(S401)。異常が発生すると(S401:YES)、機器制御部116は、異常の発生を端末制御部202に通知する(S402)。このとき、機器制御部116は、異常が発生した場所も通知する。そして、現在実行中の補充処理(保留補充処理、ダイレクト補充処理)を中止する(S403)。
【0094】
図13を参照して、端末制御部202は、機器制御部116から異常の通知があると(S501:YES)、それまで表示していた計数明細画面を閉じて、操作表示部201に異常通知画面を表示する(S502)。
図14(a)に示すように、異常通知画面は、選択画面と同様、処理名表示領域R11、情報表示領域R12および操作領域R13を含む。異常通知画面では、処理名表示領域R11に、現在の処理が補充異常処理であることを示す「補充異常」の表示がなされる。また、情報表示領域R12に、異常の内容や異常が発生した場所を示す画像が表示される。さらに、操作領域R13に、リセット操作を行うためのリセットボタンB17が表示される。次に、端末制御部202は、実行中の補充処理を中止する(S503)。
【0095】
ユーザは、異常通知画面により異常の発生と場所を確認すると、発生場所を開放する等の操作を行って異常を解除する。その後、ユーザは、リセットボタンB17によるリセット操作を行う。リセット操作が行われると(S504:YES)、端末制御部202は、機器制御部116へリセット操作が行われたことを通知する(S505)。
【0096】
図12に戻り、機器制御部116は、端末制御部202からリセット操作の通知を受けると(S404:YES)、実行されていた補充処理が、保留補充処理であったのかダイレクト補充処理であったのかを判定する(S405)。保留補充処理であった場合(S405:保留補充)、機器制御部116は、搬送部105に残っている紙幣を一時保留部108に送り込む。
【0097】
一方、ダイレクト補充処理であった場合(S405:ダイレクト補充)、機器制御部116は、全ての紙幣の回収が必要であるか否かを判定する(S407)。異常が停電による搬送停止である等、全ての紙幣の回収が必要である場合(S407:YES)、機器制御部116は、搬送部105と全ての金種別収納部110a〜110cに残っている紙幣を出金部103に送り込む(S408)。一方、異常が何れかの金種別収納部110a〜110cの入口での紙幣詰まりである等、全ての紙幣の回収が必要でない場合(S407:NO)、機器制御部116は、搬送部105と回収の対象となる金種別収納部に残っている紙幣を出金部103に送り込む(S409)。
【0098】
こうして、一時保留部108への紙幣の回収または出金部103への紙幣の回収が完了すると、機器制御部116は、端末制御部202へ回収が完了したことを通知する(S410)。その後、機器制御部116は、紙幣処理機10側の補充異常処理を終了する。
【0099】
図13に戻り、端末制御部202は、機器制御部116から回収完了の通知があると(S506:YES)、実行されていた補充処理が、保留補充処理であったのかダイレクト補充処理であったのかを判定する(S507)。保留補充処理であった場合(S507:保留補充)、端末制御部202は、
図14(b)のような、第1回収完了画面を操作表示部201に表示して、一時保留部108への紙幣の回収が完了したことを知らせる(S508)。ユーザは、扉15を開けて、直接、一時保留部108から紙幣を取り出す。
【0100】
一方、ダイレクト補充処理であった場合(S507:ダイレクト補充)、端末制御部202は、
図14(c)のような、第2回収完了画面を操作表示部201に表示して、出金部103への紙幣の回収が完了したことを知らせる(S509)。ユーザは、出金部103から紙幣を取り出す。さらに、ユーザは、扉15を開けて一括収納部109を筐体11の外部に引き出し、直接、一括収納部109から紙幣を取り出す。
【0101】
S508またはS509の回収完了の報知が終わると、端末制御部202は、操作端末20側の補充異常処理を終了する。
【0102】
なお、S405の処理とS508の処理とが、特許請求の範囲に記載の「第1の回収処理」に対応する。また、S408の処理またはS409の処理とS509の処理とが、特許請求の範囲に記載の「第2の回収処理」に対応する。
【0103】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0104】
紙幣処理装置1へ紙幣の補充を行う場合に、保留補充処理とダイレクト補充処理とを選択的に実行させることができる。保留補充処理が実行されれば、補充のための紙幣を、一時保留部108に一時的に保留した後に一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納できる。これにより、一時保留部108へ保留する際に、補充される紙幣の計数を行うことができるので、計数が完了する前に紙幣詰まり等の異常が発生し、補充のやり直しが必要となった場合でも、搬送部105と一時保留部108とに存在する、補充のための紙幣のみが回収されればよくなる。一方、ダイレクト補充処理が実行されれば、補充のための紙幣を、一時保留部108を経由することなく、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納できる。これにより、保留補充処理が実行される場合に比べて、補充処理に要する時間を短くすることができる。
【0105】
また、ユーザは、選択画面上での保留補充ボタンB11による操作とダイレクト補充ボタンB12による操作とにより、保留補充処理とダイレクト補充処理とを選択して実行させることができる。
【0106】
さらに、ダイレクト補充処理は、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れにも紙幣がない場合に実行可能であり、何れかの収納部に紙幣がある場合には、ユーザにより選択されてもダイレクト補充処理が実行されない。これにより、補充のための紙幣が、一時保留部108を経由せずに、既に紙幣が存在する一括収納部109や金種別収納部110a〜110cに振り分けられることがないので、補充の途中で異常が生じ、補充をやり直す必要が生じたときにも、一括収納部109や金種別収納部110a〜110cに既に収納されている紙幣まで回収が必要となる虞がない。
【0107】
さらに、ダイレクト補充処理が選択された場合に、ダイレクト補充処理が実行できなければ、操作表示部201での表示によって、ダイレクト補充処理が実行できないことが通知されるので、紙幣処理装置1に故障等が生じたとユーザが誤解しないようにすることができる。
【0108】
さらに、保留補充処理の実行中に異常が発生した場合には、搬送部105と一時保留部108とに存在する紙幣を回収するための回収処理(S406、S508)が行われ、ダイレクト補充処理の実行中に異常が発生した場合には、搬送部105と一括収納部109および3つの金種別収納部110a〜110cのうち少なくとも異常に係わる収納部に存在する紙幣を回収するための回収処理(S408、S409、S509)が行われる。これにより、補充中に異常が発生したときに、実行された補充処理(保留補充処理、ダイレクト補充処理)に応じた適正な紙幣の回収を行うことができる。
【0109】
さらに、保留補充処理が実行中であることを示す表示およびダイレクト補充処理が実行中であることを示す表示が操作表示部201で行われるので、ユーザは、何れの補充処理が実行中であるかを容易に把握できる。
【0110】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。以下、各種の変更例について説明する。
【0111】
<変更例1>
図15(a)は、変更例1に係る、端末制御部202が実行する補充処理の制御動作を示すフローチャートであり、
図15(b)は、変更例1に係る、ダイレクト補充処理の受付が禁止される場合の選択画面を例示した図である。
図15(a)の補充処理のフローチャートでは、
図4に示す上記実施形態の補充処理のフローチャートに対して変更および追加された処理(S131ないしS133)を含む一部の処理のみが示されている。また、
図15(a)では、
図4のフローチャートと同じ内容のステップには、同じステップ番号が付されている。
【0112】
上記実施形態では、選択画面上のダイレクト補充ボタンB12によりダイレクト補充処理が選択された場合に、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れかに紙幣があるか否かが判定され、紙幣がある場合には、ダイレクト補充処理が実行されずに、実行できないことが通知ウィンドウW12により通知された。
【0113】
これに対し、本変更例では、選択画面が表示される前に、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れかに紙幣があるか否かが判定され、紙幣がある場合に、選択画面上に配されたダイレクト補充ボタンB12がグレーアウト表示されて、操作表示部201(タッチセンサ212)によるダイレクト補充処理を選択する操作の受付が禁止される。
【0114】
即ち、補充処理が開始されると、端末制御部202は、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れかに紙幣があるか否かを判定する(S131)。何れの収納部109、110a〜110cにも紙幣がない場合(S131:NO)、端末制御部202は、
図8の「画面A」のような、保留補充ボタンB11とダイレクト補充ボタンB12の双方が操作可能な選択画面を操作表示部201(ディスプレイ211)表示する(S101)。一方、何れかの収納部109、110a〜110cに紙幣がある場合(S131:YES)、端末制御部202は、
図15(b)のような、保留補充ボタンB11は操作できるがダイレクト補充ボタンB12はグレーアウト表示されて操作できない選択画面を操作表示部201に表示する(S132)。ダイレクト補充ボタンB12がグレーアウト表示されると、ダイレクト補充ボタンB12の操作が操作表示部201によって受け付けられない。このため、端末制御部202は、ダイレクト補充ボタンB12がグレーアウト表示されていない場合には(S133:NO)、ダイレクト補充処理を選択し実行する操作を監視する(S103)が、ダイレクト補充ボタンB12がグレーアウト表示されている場合(S133:YES)には、ダイレクト補充処理を選択し実行する操作を監視しない。
【0115】
本変更例の構成とすれば、ダイレクト補充処理が実行できる場合のみ、ユーザは選択画面上でダイレクト補充処理の選択が可能となるので、ユーザは無駄な選択操作を行わずに済む。
【0116】
なお、操作表示部201によるダイレクト補充処理の選択操作の受付を禁止するために、グレーアウト表示ではなく、選択画面からダイレクト補充ボタンB12が消される構成が採られてもよい。また、ダイレクト補充処理を実行できない理由を表示してもよい。
【0117】
<変更例2>
図16(a)は、変更例2に係る、端末制御部202が実行する補充処理の制御動作を示すフローチャートであり、
図16(b)は、変更例2に係る、操作画面を例示した図である。
図16(a)の補充処理のフローチャートでは、
図4に示す上記実施形態の補充処理のフローチャートに対して変更および追加された処理(S141ないしS143)を含む一部の処理のみが示されている。また、
図16(a)では、
図4のフローチャートと同じ内容のステップには、同じステップ番号が付されている。
【0118】
上記実施形態では、選択画面上での保留補充ボタンB11とダイレクト補充ボタンB12とによるユーザの選択操作に基づいて保留補充処理またはダイレクト補充処理が実行された。
【0119】
これに対し、本変更例では、操作表示部201に、選択画面に替えて操作画面が表示され、操作画面上で補充処理の実行操作がなされると、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れかに紙幣があるか否かの判定に基づいて、自動的に、保留補充処理またはダイレクト補充処理が実行される。なお、実行ボタンB13による実行操作が、特許請求の範囲に記載の「補充操作」に対応する。
【0120】
即ち、補充処理が開始されると、端末制御部202は、操作表示部201(ディスプレイ211)に操作画面を表示する。
図16(b)に示すように、操作画面には、情報表示領域R12に、保留補充処理またはダイレクト補充を選択するボタンではなく、たとえば、実行操作を促す表示が行われる。端末制御部202は、実行ボタンB13による実行操作を監視し(S142)、実行操作があれば(S142:YES)、一括収納部109および各金種別収納部110a〜110cの何れかに紙幣があるか否かを判定する(S143)。何れかの収納部109、110a〜110cに紙幣がある場合(S143:YES)、端末制御部202は、機器制御部116に対して保留補充処理の実行を指示する(S105)。これにより、機器制御部116によって保留補充処理が実行される。一方、何れの収納部109、110a〜110cにも紙幣がない場合(S143:NO)、端末制御部202は、機器制御部116に対してダイレクト補充処理の実行を指示する(S117)。これにより、機器制御部116によってダイレクト補充処理が実行される。
【0121】
本変更例の構成とすれば、ユーザが選択操作を行わなくとも、保留補充処理およびダイレクト補充処理のうち、補充の際の紙幣処理装置1の紙幣保管状況に応じた適正な補充処理を実行することができる。
【0122】
<その他の変更例>
その他、上記実施形態は、以下のとおり、適宜変更され得る。
【0123】
たとえば、上記実施形態では、一括収納部109および3つの金種別収納部110a〜110cの何れにも紙幣がない場合に、ダイレクト補充処理が実行可能とされた。しかしながら、補充される紙幣の金種がユーザにより操作表示部201に入力されるような場合には、その金種の紙幣の収納対象となる金種別収納部に紙幣がないときに、他の金種の紙幣が機内にあったとしても、ダイレクト補充処理が実行可能とされるようにしてもよい。さらには、一括収納部109および金種別収納部110a〜110cの紙幣の有無に関わらず、ダイレクト補充処理が実行できてもよい。ただし、この場合、ユーザが、ダイレクト補充処理を選択した際に、異常発生時に補充前から紙幣処理装置1に収納されている紙幣の回収が必要となる虞があることを、操作表示部201での表示等により、ユーザに通知することが望ましい。
【0124】
また、上記実施形態では、紙幣処理装置1が、バラ紙幣を結束して束紙幣を生成する機能と、束紙幣を収納するとともに払い出す機能を備えているが、これらの機能を紙幣処理装置1が備えていなくてもよい。即ち、紙幣処理装置1に、束出金部104と、集積部111a、111bと、結束部112と、揚送部113と、束搬送部114と、束金種別収納部115a〜115dと、が備えられていなくてもよい。
【0125】
さらに、紙幣処理装置1に設けられる、一括収納部109と金種別収納部110a〜110cとからなる複数の収納部の個数は、上記実施形態に示された個数に限られない。
【0126】
さらに、上記実施形態では、保留補充処理およびダイレクト補充処理において、金種が識別できない紙幣を、入金リジェクト部102に送り込むようにした。しかしながら、保留補充処理では、識別部106による識別の結果、出金しない紙幣(汚損紙幣、旧券、2千円札、等)と識別された紙幣も、入金リジェクト部102に送り込むようにし、ダイレクト補充処理では、出金しない紙幣を入金リジェクト部102に送り込まない構成が採られてもよい(たとえば、一括収納部109に送り込む)。こうすれば、保留補充処理が選択され得る通常の補充(在高の不足を補う補充)では、出金に適さない無駄な紙幣の収納を避けることができ、ダイレクト補充処理が選択され得る精査(現金監査)の際には、一旦取り出された紙幣を、そのまま紙幣処理装置1へ戻すことができる。
【0127】
さらに、上記実施形態では、ダイレクト補充処理時に異常が発生し、全ての紙幣の回収が必要となった場合に、全ての金種別収納部110a〜110cに残っている紙幣が出金部103に送り込まれた。しかしながら、金種別収納部110a〜110cは、一括収納部109と同様、扉15を開けることにより外部への引き出しが可能であるため、金種別収納部110a〜110cの紙幣が出金部103に送り込まれるのではなく、一括収納部109と同様に、金種別収納部110a〜110cから紙幣が直接取り出されるようにされてもよい。このようにすれば、紙幣が出金部103に送り込まれる場合に比べて、回収時間を短くできる。なお、金種別収納部110a〜110cから紙幣が取り出された後は、紙幣検知部130の検知結果により紙幣が無くなったことを確認することが望ましい。
【0128】
さらに、上記実施形態の紙幣処理装置1に、一時保留部108が使用中であり、次の入金処理に一時保留部108が使用できないときに、入金のために入金部101に投入された紙幣を、一時保留部108を経由せずに、一括収納部109および金種別収納部110a〜110cに収納する機能が備えられ、この機能に係る処理が、端末制御部202と機器制御部116からなる処理実行部で実行されてもよい。
【0129】
さらに、上記実施形態の紙幣処理装置1において、入金のために入金部101に投入された紙幣を一時保留部108に一時的に保留した後、承認操作に基づいて、保留された貨幣を一時保留部108から繰り出し一括収納部109および金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納する保留入金処理と、入金のために入金部101に投入された紙幣を、一時保留部108を経由することなく、一括収納部109および金種別収納部110a〜110cに振り分けて収納するダイレクト入金処理とが、ユーザの選択操作に応じて、端末制御部202と機器制御部116からなる処理実行部で実行されてもよい。このようにすれば、入金処理の時間短縮を図ることが可能となる。この場合、ユーザがダイレクト入金処理を選択した際に、異常発生時に補充前から紙幣処理装置1に収納されている紙幣の回収が必要となる虞があることを、操作表示部201での表示等により、ユーザに通知することが望ましい。
【0130】
さらに、上記実施形態では、本発明の貨幣処理装置が、紙幣処理装置1に適用される例を示したが、本発明は、入金部に投入された貨幣が振り分けられて収納される複数の収納部と、振り分けられる前の貨幣が一時的に保留される一時保留部とを備える構成であれば、如何なる貨幣処理装置に適用することもできる。たとえば、硬貨の入出金等を行う硬貨処理装置、新券の出金を行う新券出金装置、貨幣に加え有価証券(小切手、商品券等)の処理を行う複合処理装置に、本発明を適用することもできる。
【0131】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。