(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605285
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】表示装置、測定装置、表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01D 7/08 20060101AFI20191031BHJP
G01D 9/00 20060101ALI20191031BHJP
G01R 13/20 20060101ALI20191031BHJP
G01D 9/28 20060101ALI20191031BHJP
G01D 7/00 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
G01D7/08
G01D9/00 A
G01R13/20 R
G01D9/28
G01D7/00 302Z
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-198731(P2015-198731)
(22)【出願日】2015年10月6日
(65)【公開番号】特開2017-72452(P2017-72452A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2018年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 貴弘
【審査官】
細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−298578(JP,A)
【文献】
特開2006−017508(JP,A)
【文献】
特開2002−340480(JP,A)
【文献】
特開2003−061014(JP,A)
【文献】
特開2007−147530(JP,A)
【文献】
特開2014−085312(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01873619(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0200426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 7/00− 7/12
G01D 9/00− 9/42
G01D 15/00−15/34
G01R 13/00−13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を実行する処理部を備えた表示装置であって、
前記処理部は、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる表示装置。
【請求項2】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を実行する処理部を備えた表示装置であって、
前記処理部は、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、同種類の前記事象が同日に予め決められた回数以上発生したときに、当該各事象に個別に対応する前記各標識に代えて、当該各事象の種類、および当該事象の発生回数を特定可能な1つの標識を表示させる表示装置。
【請求項3】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を実行する処理部を備えた表示装置であって、
前記処理部は、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記標識を表示している状態において当該標識を選択する操作がされたときに、当該標識についての前記事象が発生した時刻を含む予め決められた時間分の前記被測定信号の波形を前記表示部に表示させる表示装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる請求項2または3記載の表示装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記領域における前記時間軸と直交する方向において前記事象の種類毎に表示位置を異ならせて前記標識を表示させる請求項1または4記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の表示装置と、前記被測定信号の被測定量を測定する測定部と、前記事象の発生を検出する検出部と、当該検出部によって検出された前記事象を記憶する記憶部とを備え、
前記処理部は、当該記憶部に記憶された前記事象に基づいて前記処理を実行する測定装置。
【請求項7】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる表示方法であって、
日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる表示方法。
【請求項8】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる表示方法であって、
日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、同種類の前記事象が同日に予め決められた回数以上発生したときに、当該各事象に個別に対応する前記各標識に代えて、当該各事象の種類、および当該事象の発生回数を特定可能な1つの標識を表示させる表示方法。
【請求項9】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる表示方法であって、
日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記標識を表示している状態において当該標識を選択する操作がされたときに、当該標識についての前記事象が発生した時刻を含む予め決められた時間分の前記被測定信号の波形を前記表示部に表示させる表示方法。
【請求項10】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を処理部に実行させるプログラムであって、
日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる処理を前記処理部に実行させるプログラム。
【請求項11】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を処理部に実行させるプログラムであって、
日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、同種類の前記事象が同日に予め決められた回数以上発生したときに、当該各事象に個別に対応する前記各標識に代えて、当該各事象の種類、および当該事象の発生回数を特定可能な1つの標識を表示させる処理を前記処理部に実行させるプログラム。
【請求項12】
被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を処理部に実行させるプログラムであって、
日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記標識を表示している状態において当該標識を選択する操作がされたときに、当該標識についての前記事象が発生した時刻を含む予め決められた時間分の前記被測定信号の波形を前記表示部に表示させる処理を前記処理部に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる表示装置、測定装置、表示方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、下記特許文献1に開示されたデータ収集装置が知られている。このデータ収集装置は、収集した測定データに関する情報を表示する装置であって、カレンダー表示部とファイル統合表示部とで構成された表示画面を表示可能に構成されている。カレンダー表示部には、測定データのサンプリング期間が線分で表示され、アラーム(事象)が発生したときには、その発生時刻に対応する線分上の位置にアラームマークが表示される。ファイル統合表示部には、ファイル統合情報が表示される。この場合、アラームの発生時刻がファイル統合情報として表示される。このような表示がされることで、このデータ収集装置では、いつアラームが発生したかを知ることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−298578号公報(第5−6頁、第1,3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した従来のデータ収集装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、上記のデータ収集装置では、アラームが発生したことを示すアラームマークが、カレンダー表示部におけるサンプリング期間を示す線分上に表示され、アラームの発生時刻がファイル統合表示部に表示される。しかしながら、アラーム(ディップ、スウェルおよび瞬停等の事象)の種類までは表示されないため、アラームの種類を知るには、表示を波形表示に切り替えて波形から種類を判断する必要がある。この場合、ファイル統合表示部にアラームの種類を表示させる構成も考えられる。しかしながら、この構成を採用した場合であっても、アラームマークの表示位置とファイル統合表示部に表示されるアラームの種類の双方を見ないと、どの日にどのような種類のアラームが発生したのかを一目で(直感的に)確認することは困難である。また、この構成を採用した場合であっても、1日に数多くのアラームが発生していたときには、アラームの種類を一目で確認することはさらに困難となる。このように、従来のデータ収集装置では、アラームの発生日や種類を容易に確認することが困難となっており、この点の改善が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、被測定信号に発生した事象の発生日および種類を容易に確認し得る表示装置、測定装置、表示方法およびプログラムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の表示装置は、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を実行する処理部を備えた表示装置であって、前記処理部は、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ
、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させる
と共に、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる。
また、請求項2記載の表示装置は、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を実行する処理部を備えた表示装置であって、前記処理部は、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、同種類の前記事象が同日に予め決められた回数以上発生したときに、当該各事象に個別に対応する前記各標識に代えて、当該各事象の種類、および当該事象の発生回数を特定可能な1つの標識を表示させる。
また、請求項3記載の表示装置は、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を実行する処理部を備えた表示装置であって、前記処理部は、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記標識を表示している状態において当該標識を選択する操作がされたときに、当該標識についての前記事象が発生した時刻を含む予め決められた時間分の前記被測定信号の波形を前記表示部に表示させる。
【0007】
また、請求項
4記載の表示装置は、請求項
2または3記載の表示装置において、前記処理部は、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる。
【0008】
また、請求項
5記載の表示装置は、請求項1または
4記載の表示装置において、前記処理部は、前記領域における前記時間軸と直交する方向において前記事象の種類毎に表示位置を異ならせて前記標識を表示させる。
【0011】
また、請求項6記載の測定装置は、請求項1から5のいずれかに記載の表示装置と、前記被測定信号の被測定量を測定する測定部と、前記事象の発生を検出する検出部と、当該検出部によって検出された前記事象を記憶する記憶部とを備え、前記処理部は、当該記憶部に記憶された前記事象に基づいて前記処理を実行する。
【0012】
また、請求項7記載の表示方法は、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる表示方法であって、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ
、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させる
と共に、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる。
また、請求項8記載の表示方法は、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる表示方法であって、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、同種類の前記事象が同日に予め決められた回数以上発生したときに、当該各事象に個別に対応する前記各標識に代えて、当該各事象の種類、および当該事象の発生回数を特定可能な1つの標識を表示させる。
また、請求項9記載の表示方法は、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる表示方法であって、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記標識を表示している状態において当該標識を選択する操作がされたときに、当該標識についての前記事象が発生した時刻を含む予め決められた時間分の前記被測定信号の波形を前記表示部に表示させる。
【0013】
また、請求項
10記載のプログラムは、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を処理部に実行させるプログラムであって、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ
、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させる
と共に、前記領域における予め決められた方向を時間軸として前記事象が発生した時刻に対応する当該時間軸上の位置に前記標識を表示させる処理を前記処理部に実行させる。
また、請求項11記載のプログラムは、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を処理部に実行させるプログラムであって、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、同種類の前記事象が同日に予め決められた回数以上発生したときに、当該各事象に個別に対応する前記各標識に代えて、当該各事象の種類、および当該事象の発生回数を特定可能な1つの標識を表示させる処理を前記処理部に実行させる。
また、請求項12記載のプログラムは、被測定信号の被測定量について発生した事象を示す情報を表示部に表示させる処理を処理部に実行させるプログラムであって、日別の領域を時系列で配列したカレンダー画像を前記表示部に表示させ、かつ前記事象の種類を識別可能な標識を前記カレンダー画像における当該事象が発生した日に対応する前記領域内に前記情報として表示させると共に、前記標識を表示している状態において当該標識を選択する操作がされたときに、当該標識についての前記事象が発生した時刻を含む予め決められた時間分の前記被測定信号の波形を前記表示部に表示させる処理を前記処理部に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1
から3記載の表示装置、請求項6記載の測定装置、請求項7
から9記載の表示方法、および請求項
10から12記載のプログラムによれば、事象の種類を識別可能な標識をカレンダー画像における事象が発生した日に対応する領域内に表示させることにより、どの日にどのような種類の事象が発生したのかを一目で容易に確認することができる。したがって、この表示装置、測定装置、表示方法およびプログラムによれば、例えば、事象の発生時期や発生頻度に基づく被測定信号の良否判定を容易に行うことができる。
【0015】
請求項
1および4記載の表示装置
、請求項6記載の測定装置
、請求項7記載の表示方法、および請求項10記載のプログラムによれば、領域における予め決められた方向を時間軸として事象が発生した時刻に対応する時間軸上の位置に標識を表示させることにより、1日のうちのどの時間帯に事象が発生したかを容易に把握することができる。
【0016】
また、請求項
5記載の表示装置、および請求項6記載の測定装置によれば、領域における時間軸と直交する方向において事象の種類毎に表示位置を異ならせて標識を表示させることにより、上下方向の表示位置から事象の種類を直感的に把握することができる。また、このように表示位置を異ならせることにより、同日に複数種類の事象が発生したときに、そのことを直感的に把握することができる。
【0017】
また、請求項
2記載の表示装置
、請求項6記載の測定装置
、請求項8記載の表示方法、および請求項11記載のプログラムによれば、同種類の事象が同日に予め決められた回数以上発生したときに、各事象に個別に対応する各標識に代えて、各事象の発生回数を特定可能な1つの標識を表示させることにより、1つの領域内に数多くの標識が表示されて事象の発生の時期や種類を判別するのが困難となる事態を確実に防止しつつ、事象の発生の種類や回数を確実に把握することができる。
【0018】
また、請求項
3記載の表示装置
、請求項6記載の測定装置
、請求項9記載の表示方法、および請求項12記載のプログラムによれば、標識を表示している状態において標識を選択する操作がされたときに、選択された標識についての事象が発生した時刻を含む予め決められた時間分の被測定信号の波形を表示させることにより、事象が発生した時刻を含む発生前後における被測定信号の被測定量の変化を容易な操作で素早く確認することができるため、事象の詳細な内容を被測定量の変化から把握する必要があるときの利便性を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】ディップが発生している被測定信号Smの波形図である。
【
図4】スウェルが発生している被測定信号Smの波形図である。
【
図5】瞬停が発生している被測定信号Smの波形図である。
【
図6】測定結果画像Gmの内容を示す第1の表示画面図である。
【
図7】測定結果画像Gmの内容を示す第2の表示画面図である。
【
図8】測定結果画像Gmの内容を示す第3の表示画面図である。
【
図9】測定結果画像Gmの内容を示す第4の表示画面図である。
【
図10】測定結果画像Gmの内容を示す第5の表示画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、表示装置、測定装置、表示方法およびプログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
最初に、
図1に示す測定装置1の構成について説明する。測定装置1は、測定装置の一例であって、入力した被測定信号Sm(例えば、
図2に示す交流電圧)の波形を示す波形データDwの記憶、被測定信号Smの被測定量(例えば、電圧値)の測定、被測定信号Smの被測定量についての予め決められた事象であるディップ、スウェルおよび瞬停等のイベント(事象の一例)の検出、および後述する表示方法による測定結果画像Gm(
図6参照)の表示等の処理を実行可能に構成されている。具体的には、測定装置1は、
図1に示すように、信号処理部11、操作部12、記憶部13、表示部14および処理部15を備えて構成されている。この場合、表示部14および処理部15によって表示装置が構成される。
【0022】
信号処理部11は、処理部15の制御に従い、図外のサンプリングクロック生成回路によって生成される予め決められたサンプリング周期のサンプリングクロックに同期して被測定信号Smをサンプリングして被測定信号Smの波形を示す波形データDwを出力する出力処理を実行する。
【0023】
操作部12は、各種のスイッチを備えて構成され、それらが操作されたときに操作信号を出力する。
【0024】
記憶部13は、処理部15によって実行される各処理のプログラム(測定用プログラムや表示用プログラム(プログラム))を記憶する。また、記憶部13は、処理部15の制御に従い、信号処理部11から出力された波形データDwを記憶する。また、記憶部13は、処理部15によって生成されるイベントデータDe(イベントの種類や発生時刻等を示すデータ)を記憶する。
【0025】
表示部14は、処理部15の制御に従い、
図6に示す測定結果画像Gm等の各種の画像を表示する。
【0026】
処理部15は、操作部12から出力される操作信号、および記憶部13に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。具体的には、処理部15は、信号処理部11から出力された波形データDwに基づいて被測定信号Smの被測定量(例えば、電圧値)を測定する測定処理を実行する。また、処理部15は、検出部として機能し、被測定信号Smの被測定量についてのイベントの発生を検出して、イベントデータDeを生成する。また、処理部15は、信号処理部11から出力された波形データDwやイベントデータDeを記憶部13に記憶させると共に、波形データDwに基づく被測定信号Smの波形やイベントデータDeに基づくイベントの検出結果を含んだ測定結果画像Gmを表示部14に表示させる表示処理を実行する。
【0027】
次に、測定装置1の使用方法について説明する。
【0028】
この測定装置1は、例えば、
図2に示す被測定信号Sm(一例として、交流電圧)の被測定量を任意の期間(例えば、数日から数ヶ月)測定する際に用いられる。このような測定を行う際には、操作部12を操作して測定開始を指示する。この際に、操作部12が操作信号を出力し、処理部15が操作信号に従って測定用プログラムを記憶部13から読み出し、読み出した測定用プログラムに従って測定処理を実行する。この測定処理では、信号処理部11を制御して、入力した被測定信号Smをサンプリングして被測定信号Smの波形を示す波形データDwを出力する出力処理を実行させる。次いで、処理部15は、信号処理部11から出力された波形データDwを記憶部13に記憶させる。
【0029】
また、処理部15は、波形データDwに基づいて被測定信号Smの被測定量(電圧値)を測定し、測定値の変化から、被測定量についてのディップ、スウェルおよび瞬停等のイベント(事象)が発生したか否かを監視し、これらのイベントを検出したときには、そのイベントの種類および発生日時の情報を含むイベントデータDeを生成して、記憶部13に記憶させる。
【0030】
この場合、被測定信号Smが交流電圧のときの「ディップ」は、
図3に示すように、被測定量としての電圧値が短い時間t1だけ降下する事象であり、「スウェル」は、
図4に示すように、電圧値が短い時間t1だけ上昇する事象であり、「瞬停」は、
図5に示すように、被測定信号Smが短い時間t1だけ停止して電圧値が一時的に0Vとなる事象である。
【0031】
一方、測定装置1によって測定された被測定信号Smにおける被測定量の測定結果を表示させる際には、操作部12を操作して、測定結果画像Gmの表示を指示する。なお、この測定装置1では、処理部15による測定処理が実行されている状態でも、測定処理が終了(または、停止)している状態でも、測定結果画像Gmの指示を行うことが可能となっている。
【0032】
続いて、処理部15は、操作部12から出力される操作信号に従って表示用プログラムを記憶部13から読み出し、読み出した表示用プログラムに従って以下に説明する表示方法による表示処理を実行する。この表示処理では、処理部15は、
図6に示すように、測定処理を実行した日を含む日別の複数の領域Aを月毎に時系列で配列したカレンダー画像Cを測定結果画像Gmとして表示部14に表示させる。この場合、カレンダー画像Cには、「年」および「月」を選択する選択部Bが設けられおり、操作部12の操作(例えば、選択部Bの表示箇所に対向する表示部14の表面の部位に対するタッチ操作や、ポインティングデバイスを用いた選択部Bに対するクリック操作)によってカレンダー画像Cの「年」および「月」を選択することが可能となっている。
【0033】
また、処理部15は、記憶部13からイベントデータDeを読み出して、カレンダー画像Cにおける各領域Aに対応する日において、イベントが発生したか否かを判別する。この際に、処理部15は、イベントが発生していると判別したときには、そのイベントの種類および発生日時を特定する。次いで、処理部15は、
図6に示すように、イベントの種類を特定可能なマーク(標識)を、発生した日に対応する領域A内に表示させる。なお、領域A内に表示されたマークが、「事象を示す情報」に相当する。
【0034】
この測定装置1では、一例として、イベントの種類を表す英字1文字を円で囲んだマークを採用している。具体的には、ディップを示すマークとして、「D」を円で囲んだマーク(
図6参照:以下の説明において「ディップマークMd」ともいう)を採用している。また、スウェルを示すマークとして、「S」を円で囲んだマーク(同図参照:以下の説明において「スウェルマークMs」ともいう)を採用し、瞬停を示すマークとして、「I」を円で囲んだマーク(同図参照:以下の説明において「瞬停マークMi」ともいう)を採用している。
【0035】
また、処理部15は、
図6に示すように、領域Aにおける左右方向(予め決められた方向)を時間軸として、イベントが発生した時刻に対応する時間軸上の位置にマークの中心が位置するようにマークを表示させる。この測定装置1では、同図に示すように、領域Aの左端を午前0時とし、領域Aの右端を午後24時とする時間軸Taを用いている。また、処理部15は、同図に示すように、領域Aの上下方向(時間軸Taと直交する方向)においてイベント(マーク)の種類毎に表示位置を異ならせてマークを表示させる。
【0036】
ここで、同日に数多くのイベントが発生したときには、1つの領域A内に数多くのマークが表示されて、イベントの発生の時期やイベント(マーク)の種類を判別するのが困難となることがある。このため、処理部15は、同種のイベントが同日に予め決められた回数(2以上の任意の数。一例として5回)以上発生したときには、
図7に示すように、それらの同種のイベントの発生回数を特定可能な1つのマークを、各イベントに個別に対応する各マークに代えて表示させる。この測定装置1では、一例として、複数のディップの発生を示すマークとして、「D」と発生回数を示す数字(例えば、「6」)とを楕円で囲んだディップマークMdを採用している。また、複数のスウェルの発生を示すマークとして、「S」と発生回数を示す数字(例えば、「5」)とを楕円で囲んだスウェルマークMsを採用し、複数の瞬停の発生を示すマークとして、「I」と発生回数(例えば、「5」)を示す数字とを楕円で囲んだ瞬停マークMiを採用している。
【0037】
この場合、処理部15は、複数回のイベントの発生を示すマークを表示させる際には、例えば、複数回のイベントのうちの最初にイベントが発生した時刻に対応する時間軸Taの位置にマークの左端部を位置させる。このような表示を行うことにより、少なくとも最初のイベントの発生時期を直感的に把握することができる。
【0038】
この測定装置1では、上記したように、発生したイベントに対応するマークをカレンダー画像Cにおける領域A内に表示させることで、どの日にどのような種類のイベントが発生したのかを一目で(直感的に)確認することが可能となっている。また、イベントに個別に対応するマークを、イベントが発生した時刻に対応する時間軸Ta上の位置に表示させているため、イベントの発生時期を把握することが可能となっている。また、この測定装置1では、同種類のイベントが同日に5回数以上発生したときに、各イベントに個別に対応する各マークに代えて、各イベントの発生回数を特定可能な1つのマークを表示させるため、1つの領域A内に数多くのマークが表示されてイベントの発生の時期や種類を判別するのが困難となる事態を防止することが可能となっている。
【0039】
一方、カレンダー画像Cに表示されるマークからイベントが発生したことを確認したときに、その詳細な内容を被測定信号Smの波形から把握したいことがある。このような使用形態に対応するため、この測定装置1では、イベントの発生時刻前後の被測定信号Smの波形を表示する機能が備えられている。この機能を利用する際には、操作部12の操作(例えば、表示部14の表面に対するタッチ操作や、ポインティングデバイスを用いた操作)により、
図8に示すように、波形の表示を希望するイベントに対応するマークを選択する。
【0040】
続いて、処理部15が、選択されたマークに対応するイベントの発生時刻を含む予め決められた時間t2(任意の時間に規定することができるが、例えば、100mS)分の波形データDwを記憶部13から読み出す。次いで、処理部15は、
図8に示すように、波形データDwに基づく時間t2分の波形を示す波形画像Gwをカレンダー画像Cの上に重ね合わせて表示させる。
【0041】
また、複数回のイベントの発生を示すマークの中から選択した1つマークに対応するイベントの発生時刻を含む波形を表示させるときには、
図9に示すように、操作部12の操作によって複数回のイベントの発生を示すマークを選択する。続いて、処理部15が、選択されたマークに対応する複数回のイベントの発生時刻をイベントデータDeに基づいて特定し、同図に示すように、各イベントの発生時刻を一覧で示す一覧画像Gtをカレンダー画像Cの上に重ね合わせて表示させる。次いで、
図10に示すように、一覧画像Gtに一覧表示された各イベントの中から波形の表示を希望するイベントを操作部12の操作によって選択する。続いて、処理部15が、選択されたイベントの発生時刻を含む時間t2分の波形データDwを読み出して、同図に示すように、波形データDwに基づく時間t2分の波形を示す波形画像Gwをカレンダー画像Cの上に重ね合わせて表示させる。
【0042】
この測定装置1では、上記したように、マークを選択するだけで、そのマークに対応するイベントの発生時刻を含む時間t2分の被測定信号Smの波形を示す波形画像Gwを表示させるため、イベントが発生した時刻を含む発生前後における被測定信号Smの電圧値の変化を容易な操作で素早く確認することができる。
【0043】
このように、この表示装置、測定装置1、表示方法およびプログラムによれば、イベントの種類を識別可能なマークをカレンダー画像Cにおけるイベントが発生した日に対応する領域A内に表示させることにより、どの日にどのような種類のイベントが発生したのかを一目で容易に確認することができる。したがって、この表示装置、測定装置1、表示方法およびプログラムによれば、例えば、イベントの発生時期や発生頻度に基づく被測定信号Smの良否判定を容易に行うことができる。
【0044】
また、この表示装置、測定装置1、表示方法およびプログラムによれば、領域Aにおける左右方向を時間軸Taとしてイベントが発生した時刻に対応する時間軸Ta上の位置にマークを表示させることにより、1日のうちのどの時間帯にイベントが発生したかを容易に把握することができる。
【0045】
また、この表示装置、測定装置1、表示方法およびプログラムによれば、領域Aにおける上下方向(時間軸Taと直交する方向)においてイベントの種類毎に表示位置を異ならせてマークを表示させることにより、上下方向の表示位置からイベントの種類を直感的に把握することができる。また、このように表示位置を異ならせることにより、同日に複数種類のイベントが発生したときに、そのことを直感的に把握することができる。
【0046】
また、この表示装置、測定装置1、表示方法およびプログラムによれば、同種類のイベントが同日に5回(予め決められた回数)以上発生したときに、各イベントに個別に対応する各マークに代えて、各イベントの発生回数を特定可能な1つのマークを表示させることにより、1つの領域A内に数多くのマークが表示されてイベントの発生の時期や種類を判別するのが困難となる事態を確実に防止しつつ、イベントの発生の種類や回数を確実に把握することができる。
【0047】
また、この表示装置、測定装置1、表示方法およびプログラムによれば、マークを表示している状態においてマークを選択する操作がされたときに、選択されたマークについてのイベントが発生した時刻を含む予め決められた時間t2分の被測定信号Smの波形を示す波形画像Gwを表示させることにより、イベントが発生した時刻を含む発生前後における被測定信号Smの電圧値の変化を容易な操作で素早く確認することができるため、イベントの詳細な内容を電圧値の変化から把握する必要があるときの利便性を十分に高めることができる。
【0048】
なお、表示装置、測定装置、表示方法およびプログラムは、上記の構成および方法に限定されない。例えば、各マークの形態は、上記した形態に限定されず、任意に変更することができる。一例として、イベントの種類毎に色や形状を変えたマークを採用することができる。また、複数回のイベントの発生を示すマークの形態については、回数を数字で表す形態に変えて、例えば、回数と同数の点で回数を表す形態のマークを採用することもできる。
【0049】
また、イベント(事象)の一例としてのディップ、スウェルおよび瞬停を検出する例について上記したが、これら以外の各種のイベント(例えば、トランジェントやフリッカ)を検出する構成を採用することができる。
【0050】
また、被測定信号Smとしての交流電圧における被測定量としての電圧値を測定する測定装置1に適用した例について上記したが、被測定信号Smや被測定量は、これに限定されず、直流電圧の電圧値、交流電流および直流電流の電流値、並びに電力値等の各種の被測定信号Smの被測定量を測定する測定装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 測定装置
11 信号処理部
12 操作部
13 記憶部
14 表示部
15 処理部
A 領域
C カレンダー画像
De イベントデータ
Dw 波形データ
Md ディップマーク
Mi 瞬停マーク
Ms スウェルマーク
Gm 測定結果画像
Gw 波形画像
Sm 被測定信号
t2 時間
Ta 時間軸