(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2成形工程において、前記プリフォームへ供給する前記第1液の圧力を液体ブロー成形された前記プリフォームの内部の圧力よりも高くするとともに、前記プリフォームへ供給する前記第2液の圧力を前記プリフォームへ供給する前記第1液の圧力と同一または該圧力よりも高くする、請求項2に記載の液体ブロー成形方法。
前記第2成形工程の後に、前記ノズルを通して前記プリフォームの内部に所定圧力で前記第1液のみを供給して該プリフォームを液体ブロー成形することにより、前記ノズルの内部から前記第2液を除去するクリーニング工程を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の液体ブロー成形方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に例示説明する。
【0017】
本発明の液体ブロー成形方法は、有底筒状のプリフォームから内容液を収容した液体入り容器を成形する液体ブロー成形方法であって、所定の温度にまで加熱したプリフォームの内部にノズルを通して所定圧力で第1液を供給して該プリフォームを途中形状にまで液体ブロー成形する第1成形工程と、第1成形工程の後に、ノズルを通してプリフォームの内部に所定圧力で第2液を供給して該プリフォームを液体ブロー成形する第2成形工程と、を有することを特徴とするものである。すなわち、本発明の液体ブロー成形方法は、成形後の液体入り容器に収容される内容液が第1液と第2液とを混合した混合液である場合において、まず初めに第1液のみをプリフォームに供給して液体ブロー成形を行い、次いで、第2液をプリフォームに供給して液体ブロー成形を行うようにしたものである。本発明の液体ブロー成形方法は、例えば
図1に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて実施することができる。
【0018】
図1に示す液体ブロー成形装置1は、プリフォーム2を液体ブロー成形することにより、内部に内容液を収容した液体入り容器に成形するものである。なお、液体ブロー成形とは、プリフォーム2に供給する加圧媒体(加圧流体)として、エアブロー成形の際に用いられる加圧エアーに替えて、加圧した液体を用いて行うブロー成形のことである。
【0019】
プリフォーム2に供給される液体L、つまり成形後の液体入り容器に収容される内容液Lは、第1液L1と第2液L2とを混合した混合液である。第1液L1としては熱による変性や失活等の変質を生じづらいもの(熱により変質する成分を含まないもの)を用いるのが好ましく、一方、第2液L2としては熱による変質を生じ易い成分を含む液体を用いることができる。本実施の形態においては、内容液Lとして酵素入り液体洗剤を用いた場合を示す。この場合、第1液L1は酵素を含まない液体(熱に強い液体)であり、第2液L2は酵素を含む液体(熱に弱い液体)である。なお、第1液L1と第2液L2の基本となる液体成分を共通としても、異ならせてもよい。
【0020】
なお、熱に強い第1液L1と熱に弱い第2液L2とを混合した混合液(液体L)としては、上記した酵素入り液体洗剤に限らず、種々の液体を用いることができる。
【0021】
また、プリフォーム2に供給される液体Lとしては、上記のような熱に強い第1液L1と熱に弱い第2液L2とを混合した混合液に限らず、例えば、油分を主成分とした液体(第1液)と、水分を主成分として油分に対して容易に分離する性質を有する液体(第2液)とを混合した調味用ドレッシングなど、液体ブロー成形を行うに際して、第1液と第2液とを混合状態に維持しておくことが困難な液体を用いることもできる。
【0022】
プリフォーム2としては、例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性を有する樹脂材料によって、開口端となる円筒状の口部2aと、口部2aに連なるとともに下端が閉塞された円筒状の胴部2bとを有する有底筒状に形成されたものが用いられる。なお、図中においては、便宜上、胴部2bをその肉厚を省略して記載している。
【0023】
プリフォーム2としては、上記形状のものに限らず、有底筒状であれば、成形後の容器の形状等に応じて種々の形状のものを用いることができる。
【0024】
詳細は図示しないが、口部2aの外壁面には、成形後の液体入り容器の口部2aに閉塞キャップ(不図示)を打栓(アンダーカット係合)によって装着するための係合突起が設けられている。なお、口部2aの外壁面に係合突起に替えて雄ネジを設けて閉塞キャップを口部2aにねじ結合により装着する構成とすることもできる。
【0025】
液体ブロー成形装置1は、ブロー成形用の金型10を有している。この金型10は、例えばボトル形状などの容器の最終形状に対応した形状のキャビティ11を有している。キャビティ11は金型10の上面において上方に向けて開口している。プリフォーム2は、胴部2bが金型10のキャビティ11の内部に配置されるとともに口部2aが金型10から上方に突出した状態となって金型10に装着される。
【0026】
詳細は図示しないが、金型10は左右に型開きすることができるようになっており、プリフォーム2を液体入り容器に成形した後に金型10を左右に開くことで、当該液体入り容器を金型10から取り出すことができる。
【0027】
金型10の上方には、プリフォーム2の内部に液体を供給するためのノズルとして機能するノズルユニット20が設けられている。ノズルユニット20は本体ブロック21を有し、この本体ブロック21は金型10に対して上下方向に相対移動自在となっている。本体ブロック21の下端には支持ブロック21aが設けられ、この支持ブロック21aにより支持されて本体ブロック21の下端にはブローノズル22が装着されている。ブローノズル22は略円筒状に形成されており、本体ブロック21が下方側のストローク端にまで下降したときに金型10に装着されたプリフォーム2の口部2aに上方側から係合する。また、ブローノズル22の上面には、下方に向かうに連れて縮径状に傾斜する円錐面状のシール面22aが設けられている。
【0028】
本体ブロック21の内部には上下方向に延びる供給路23が設けられている。この供給路23はブローノズル22に第1液L1や第2液L2を供給するための流路であり、その下端においてブローノズル22に連通している。また、本体ブロック21には、供給路23の上端に連通する第1供給ポート24、供給路23の下端側に連通する第2供給ポート25及び供給路23の中間部分に連通する循環用ポート26が設けられている。
【0029】
供給路23の内部にはブローノズル22を開閉するためのシール体27が配置されている。シール体27はノズルユニット20に上下方向に移動自在に設けられた軸体28の下端に固定され、供給路23の内部で上下方向に移動自在となっている。シール体27は円柱状に形成され、その下端面の外周縁部はテーパー状の当接面27aとなっている。当接面27aは、ブローノズル22のシール面22aと同一の傾斜角度を有しており、シール体27が下方側のストローク端位置である閉位置にまで移動するとシール面22aに密着するようになっている。したがって、シール体27が閉位置となると、当該シール体27によってブローノズル22が閉塞され、ブローノズル22と供給路23との間の連通が遮断される。一方、シール体27が閉位置から上方に向けて移動すると、ブローノズル22は開かれて供給路23と連通される。
【0030】
図示するように、液体ブロー成形装置1は延伸ロッド29を備えた構成とすることもできる。この場合、プリフォーム2を延伸ロッド29により軸方向に延伸させつつ口部2aから供給される加圧した液体により径方向に延伸させる二軸延伸ブロー成形を行うことができる。なお、液体ブロー成形装置1は、延伸ロッド29を備えない構成とすることもできる。
【0031】
第1供給ポート24には第1配管P1により第1液体供給部30が接続されている。第1液体供給部30は、第1タンク31と第1タンク31の下流側に接続された第1加圧源32とを有している。第1タンク31は、第1液L1を収容するとともに第1液L1を所定温度にまで加熱して当該温度に保持することができる構成としてもよい。第1加圧源32は、第1タンク31に収容されている第1液L1を吸引することができるとともに吸引した第1液L1を所定圧力にまで加圧し、第1供給ポート24を介して供給路23に供給することができる。
【0032】
第2供給ポート25には第2配管P2により第2液体供給部33が接続されている。第2液体供給部33は、第2タンク34と第2タンク34の下流側に接続された第2加圧源35とを有している。第2タンク34は第2液L2を収容している。第2加圧源35は、第2タンク34に収容されている第2液L2を吸引することができるとともに吸引した第2液L2を所定圧力にまで加圧し、第2供給ポート25を介して供給路23に供給することができる。
【0033】
図示する場合では、第1加圧源32及び第2加圧源35は、それぞれプランジャーポンプにより構成されている。なお、第1加圧源32及び第2加圧源35は、それぞれプランジャーポンプに限らず、第1タンク31に収容されている第1液L1または第2タンク34に収容されている第2液L2を所定圧力にまで加圧して供給路23に供給することができるものであれば他の構成の加圧源により構成することもできる。
【0034】
循環用ポート26は循環用配管P3により第1タンク31に接続され、第1加圧源32から供給路23に供給された第1液L1を、循環用配管P3を通して第1タンク31に戻すことができるようになっている。第1タンク31は循環機能を有しており、液体ブロー成形が行われていない待機状態において、第1液L1を供給路23の内部に滞留させることなく、第1タンク31と供給路23との間、つまり第1タンク31とノズルユニット20との間で循環させることができる。
【0035】
第1タンク31と第1加圧源32との間には第1開閉弁36が設けられ、第2タンク34と第2加圧源35との間には第2開閉弁37が設けられている。また、第2加圧源35と第2供給ポート25との間には第3開閉弁38が設けられている。さらに、循環用ポート26と第1タンク31との間には循環制御用開閉弁39が設けられている。これらの開閉弁36〜39は、それぞれ電磁弁により構成され、開閉動作することにより対応する配管P1、P2、P3を遮断状態と開通状態とに切り替えることができる。また、これらの開閉弁36〜39は、それぞれ図示しない制御手段等によって所定のタイミングで開閉制御される。
【0036】
さらに、第1配管P1には第1圧力計40が設けられ、第2配管P2には第2圧力計41が設けられている。これらの圧力計40、41の計測データは図示しない制御手段に入力される。
【0037】
図示しない制御手段は、第1液体供給部30、第2液体供給部33にも接続されており、当該制御手段により液体ブロー成形装置1の作動が統合的に制御される。
【0038】
次に、このような構成の液体ブロー成形装置1を用いてプリフォーム2から所定形状の容器の内部に内容液が収容されてなる液体入り容器を成形する方法(本発明の液体ブロー成形方法)について説明する。
【0039】
まず、予めヒーター等の加熱手段(不図示)を用いて延伸性を発現する程度の所定の温度(例えば80℃〜150℃)にまで加熱しておいたプリフォーム2をブロー成形用の金型10に装着し、型締めする。そして、ノズルユニット20を下降させ、ブローノズル22をプリフォーム2の口部2aに係合させる。
【0040】
次に、
図2に示すように、シール体27を閉じた状態のまま、第1開閉弁36を開くととともに第1加圧源32を引き動作させ、第1タンク31に収容されている第1液L1を第1加圧源32に吸引させて当該第1加圧源32に第1液L1を充填させるとともに、第2開閉弁37を開き、第3開閉弁38を閉じるとともに第2加圧源35を引き動作させ、第2タンク34に収容されている第2液L2を第2加圧源35に吸引させて当該第2加圧源35に第2液を充填させる。そして、この状態で液体ブロー成形が行われるまで液体ブロー成形装置1は待機状態とされる。
【0041】
本発明の液体ブロー成形方法は、上記待機状態において循環工程を行う構成とすることができる。すなわち、上記待機状態において、循環制御用開閉弁39を開くことにより、第1タンク31の循環機能によって第1タンク31とノズルユニット20との間で第1液L1を循環させる構成とすることができる。これにより、液体ブロー成形が行われるまでの待機状態において、供給路23の内部に第1液L1を滞留させることなく、第1タンク31により所定の温度に調整された第1液L1を常に供給路23に循環させるようにして、供給路23における第1液L1の温度を液体ブロー成形に適した所定の温度に保つことができる。
【0042】
次に、液体ブロー成形が行われるが、本発明の液体ブロー成形方法では、液体ブロー成形を第1成形工程と第2成形工程とに分けて行うようにしている。
【0043】
図3に示すように、第1成形工程では、第1開閉弁36、第2開閉弁37、第3開閉弁38及び循環制御用開閉弁39を全て閉じるとともにシール体27を開き、この状態で第1加圧源32を作動させる。このとき、第2加圧源35は停止したままである。これにより、第1加圧源32から第1配管P1、第1供給ポート24、供給路23及びブローノズル22を通して、所定温度にまで加熱したプリフォーム2の内部にキャビティ11の内部よりも高い所定圧力にまで加圧した所定温度の第1液L1のみを供給して当該プリフォーム2を液体ブロー成形することができる。第1成形工程においては、プリフォーム2をキャビティ11に沿った完全な容器形状にまでは成形せず、途中形状にまで成形する。
【0044】
なお、延伸ロッド29を設けた構成の場合には、第1成形工程の前または第1成形工程において延伸ロッド29を下方に移動させて当該延伸ロッド29によりプリフォーム2を縦方向へ延伸させる。
【0045】
第1成形工程が完了すると第2成形工程が行われる。
図4に示すように、第2成形工程では、第1開閉弁36、第2開閉弁37及び循環制御用開閉弁39を全て閉じるとともに第3開閉弁38及びシール体27を開き、この状態で第1加圧源32に加えて第2加圧源35を作動させる。これにより、第1加圧源32からプリフォーム2の内部への第1液L1の供給を維持しつつ、第2加圧源35から第2配管P2、第2供給ポート25、供給路23及びブローノズル22を通して途中形状にまで成形されたプリフォーム2の内部に所定圧力にまで加圧した第2液L2を供給して、当該プリフォーム2を第1液L1と第2液L2との2液が混合された液体Lで液体ブロー成形することができる。
【0046】
なお、第2成形工程においては、第2圧力計41で計測される第2液L2の圧力PR2は、第1圧力計40で計測される第1液L1の圧力PR1と同一または第1液L1の圧力PR1よりも高い圧力とされる。なお、プリフォーム2の内部に供給される第1液L1の圧力PR1は、液体ブロー成形されている当該プリフォーム2の内部の圧力PR3よりも高い圧力となっている。これにより、第1液L1と第2液L2とを同時にプリフォーム2に供給するようにしても、所定量の第2液L2を確実にプリフォーム2に供給することができる。
【0047】
また、延伸ロッド29を設けた構成の場合には、第2成形工程においても引き続き延伸ロッド29を下方に移動させて当該延伸ロッド29によりプリフォーム2を縦方向へ延伸させることができる。
【0048】
本発明の液体ブロー成形方法は、第2成形工程の後に、クリーニング工程を行う構成とすることができる。この場合、第2成形工程においては、プリフォーム2をキャビティ11に沿った完全な容器形状にまでは成形せず、途中形状にまで成形する。
【0049】
図5に示すように、クリーニング工程では、第1開閉弁36、第2開閉弁37、第3開閉弁38及び循環制御用開閉弁39を全て閉じるとともにシール体27を開いた状態とし、この状態で第2加圧源35の作動を停止させ、第1加圧源32のみを作動させる。これにより、途中形状にまで成形されたプリフォーム2に第1液L1のみを供給して液体ブロー成形を行うことができる。したがって、ノズルユニット20の供給路23の内部を第1液L1によりクリーニングして、第2成形工程において供給路23に供給された第2液L2を当該供給路23から除去することができる。このように、クリーニング工程を行うことにより、プリフォーム2の液体ブロー成形が完了した後、次のプリフォーム2を液体ブロー成形する際に、第2成形工程において供給路23に残った第2液L2が新たな第1成形工程において所定温度に加熱された状態のプリフォーム2に供給されることを防止して、第2液L2が加熱されることにより生じる内容液の変質等を防止することができる。
【0050】
なお、延伸ロッド29を設けた構成の場合には、クリーニング工程においても引き続き延伸ロッド29を下方に移動させて当該延伸ロッド29によりプリフォーム2を縦方向へ延伸させることができる。
【0051】
クリーニング工程が完了すると、
図6に示すように、シール体27が閉じられて液体ブロー成形が完了する。液体ブロー成形が完了すると、プリフォーム2は、所定形状の容器の内部に第1液L1と第2液L2とが混合された内容液Lを収容した液体入り容器50に成形されることになる。成形後の液体入り容器50に収容される内容液Lの液面つまり内容液Lの量は、延伸ロッド29が内容液Lの内部から抜き出されることにより適切な量に設定される。詳細は図示しないが、成形後の液体入り容器50の口部50aにはキャップが装着され、次いで金型10が開かれて完成した液体入り容器50が金型10から取り出される。なお、液体入り容器50を金型10から取り出した後にキャップを装着してもよい。
【0052】
なお、液体入り容器50が金型10から取り出されると、液体ブロー成形装置1は、
図2に示すように、第1開閉弁36を開くととともに第1加圧源32を引き動作させて第1加圧源32に第1液L1を充填させるとともに、第2開閉弁37を開き、第3開閉弁38を閉じるとともに第2加圧源35を引き動作させて第2加圧源35に第2液L2を充填させ、次の液体ブロー成形に備えた待機状態とされる。
【0053】
このように、本発明の液体ブロー成形方法では、第1液L1のみをプリフォーム2に供給して当該プリフォーム2を途中形状にまで液体ブロー成形した後に、第2液L2をプリフォーム2に供給して液体ブロー成形を行うようにしているので、内容液Lとして第1液L1に熱に弱い成分を含む第2液L2を混合したものを収容する液体入り容器50を成形する場合であっても、所定温度にまで加熱されたプリフォーム2を第1液L1によって冷却した後に第2液L2をプリフォーム2に供給するようにして、第2液L2に含まれる成分がプリフォーム2の熱によって加熱されて変質することを防止することができる。したがって、成形後の液体入り容器50に収容される内容液Lの品質を確保することができる。すなわち、本発明の液体ブロー成形方法を用いることにより、熱に弱い成分を含んだ内容液Lを収容する液体入り容器50に対しても液体ブロー成形を適用して当該液体入り容器50を容易に製造することが可能となる。
【0054】
また、本実施の形態のように、第2成形工程において、プリフォーム2に第2液L2のみではなく第2液L2に加えて第1液L1をも供給して液体ブロー成形を行う構成とすることにより、第1液L1の供給を停止するための開閉弁や制御等を不要として、より容易かつ簡素な構成でプリフォーム2を液体ブロー成形して液体入り容器50に成形することができる。
【0055】
上記のように、本発明の液体ブロー成形方法においてプリフォーム2に供給される液体Lとしては、本実施の形態における酵素入り液体洗剤のように熱に弱い成分を含まない第1液L1と熱に弱い成分を含む第2液L2とを混合した混合液に限らず、例えば、油分を主成分とした液体と、水分を主成分として油分に対して容易に分離する性質を有する液体とを混合した調味用ドレッシングなど、第1液と第2液とを混合状態に維持しておくことが困難な液体を用いることもできる。この場合においても、本発明の液体ブロー成形方法によれば、第1液と第2液とを別々の系統で規定の割合で所定量ずつプリフォーム2に供給することができる。したがって、第1液と第2液とが規定の割合で混合された内容液を収容する液体入り容器を、液体ブロー成形によって容易に製造することができる。
【0056】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0057】
例えば、前記実施の形態では、
図1に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて本発明の液体ブロー成形方法を行う場合を示したが、他の構成の液体ブロー成形装置等を用いて本発明の液体ブロー成形方法を行うこともできる。
【0058】
また、前記実施の形態では、第1成形工程と第2成形工程に加えて、循環工程及びクリーニング工程を行うようにしているが、これらの工程を行わない構成とすることもできる。
【0059】
また、クリーニング工程の後つまりプリフォーム2が所定形状の容器に液体ブロー成形された後に、サックバック工程を行う構成とすることもできる。サックバック工程は、例えば、延伸ロッド29の先端に設けた吸引口から液体入り容器50の内部に満注されている内容液Lを所定量だけ吸い出すことで行うことができる。
【0060】
さらに、前記実施の形態では、第2成形工程においてプリフォーム2に第2液L2に加えて第1液L1をも供給して液体ブロー成形を行うようにしているが、これに限らず、第2成形工程においては、例えば第1加圧源32の作動を停止させ、あるいは第1配管P1に設けた開閉弁を閉じるなどして第1液L1の供給を完全に停止させ、第2液L2のみを供給するようにしてもよい。
【0061】
さらに、前記実施の形態においては、第1成形工程においてプリフォーム2を途中形状にまで液体ブロー成形するようにしているが、これに限らず、第1成形工程においてプリフォーム2に第1液L1を満量充填して所定形状の容器にまで成形し、第2成形工程の前にサックバックや延伸ロッド29の引き抜きにより当該容器の内部に所定のヘッドスペースを形成し、第2成形工程において容器内にこのヘッドスペース量以下の第2液L2を供給するようにしてもよい。