(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605332
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】コーティング剤を偏向するための偏向装置を有するコーティング装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/075 20060101AFI20191031BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20191031BHJP
B41J 2/025 20060101ALI20191031BHJP
B41J 2/08 20060101ALI20191031BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
B41J2/075
B05D1/02 Z
B41J2/025
B41J2/08
B41J2/01 401
B41J2/01 109
【請求項の数】32
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-556427(P2015-556427)
(86)(22)【出願日】2014年2月10日
(65)【公表番号】特表2016-513027(P2016-513027A)
(43)【公表日】2016年5月12日
(86)【国際出願番号】EP2014000362
(87)【国際公開番号】WO2014121951
(87)【国際公開日】20140814
【審査請求日】2016年11月24日
(31)【優先権主張番号】102013002411.0
(32)【優先日】2013年2月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘルレ、フランク
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、ハンス−ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェール、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】バイル、ティモ
(72)【発明者】
【氏名】クライナー、マルクス
【審査官】
島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/138048(WO,A1)
【文献】
実開平04−091758(JP,U)
【文献】
特開2010−201699(JP,A)
【文献】
特開平11−165406(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第10307055(DE,A1)
【文献】
特開2003−311971(JP,A)
【文献】
特開昭55−140981(JP,A)
【文献】
特表昭64−500341(JP,A)
【文献】
特開2006−024896(JP,A)
【文献】
特開昭61−173950(JP,A)
【文献】
実開昭57−187744(JP,U)
【文献】
特開昭57−059777(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02208542(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング剤、特に塗料、封止剤、分離剤、機能層、又は接着剤の、自動車の車体、及び/又はその付属部品である部品(B)への塗布のためのコーティング装置(1)であって、
少なくとも1つの吹き出し口(11)を有し、かつ、粘着性の噴射として部品(B)に衝突する少なくとも1つのコーティング剤噴射(S1、S2)を放出するように構成される塗布器(10)を備え、
前記吹き出し口(11)の中心軸からずれるように前記コーティング剤噴射(S1、S2)の中心軸を偏向する偏向手段(20)を備え、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)は、その分解長さに到達する前に粘着性のある形態で部品(B)に接触する、
ことを特徴とするコーティング装置(1)。
【請求項2】
コーティング剤、特に塗料、封止剤、分離剤、機能層、又は接着剤の、部品(B)、特に自動車の車体、及び/又はその付属部品への塗布のためのコーティング装置(1)であって、
少なくとも1つの吹き出し口(11)を有し、かつ、少なくとも1つのコーティング剤噴射(S1、S2)、好ましくは少なくとも部分的に粘着性であるコーティング剤噴射(S1、S2)を放出するように構成される塗布器(10)を備え、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)を偏向する偏向手段(20)を備え、
前記偏向手段(20)は少なくとも2つの偏向ユニット(21−22)を備え、前記コーティング剤噴射(S1、S2)へのその偏向作用は、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)の偏向された部分が、前記部品(B)においてコーティング剤噴射(S1、S2)の偏向されない部分と1つにまとめられるように、又は、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)の偏向された部分が、前記部品(B)に第1のコーティングを形成し、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の偏向されない部分が前記部品(B)に第2のコーティングを形成し、前記第1のコーティング及び前記第2のコーティングは互いに分離されており、そのため個々のコーティングを構成する、
ような振幅変調を有する、
ことを特徴とするコーティング装置(1)。
【請求項3】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の横向きの偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング装置(1)。
【請求項4】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の音響的偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項5】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の静電的偏向に適するように構成される、
ことを特徴する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項6】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の空気的偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項7】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の少なくとも一時的な連続的偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項8】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の少なくとも一時的なパルス状の偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項9】
前記偏向手段(20)は、前記部品(B)にパターン、絵文字、又は会社のロゴを作り出すように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項10】
前記パターンが少なくとも以下の1つ、
少なくとも1つのストライプ、好ましくは複数の直線からなるストライプ、曲線状のストライプ、及び/又は、少なくとも1つのオフセットを有するストライプ、
少なくとも1つの長方形、好ましくは市松模様、
少なくとも1つの多角形、
少なくとも1つの多角形領域、
少なくとも1つの円形リング、
少なくとも1つの円形領域、
前記偏向手段(20)により生成された円形又はアーチ状の動きと、塗布器(10)の直線的な動きと、を含む動きの重ね合わせによる少なくとも1つの渦巻き塗布、
を備える、
ことを特徴とする請求項9に記載のコーティング装置(1)。
【請求項11】
前記パターン、前記絵文字、又は前記会社のロゴは、所定の縁のコースから最大3mm、1mm、0.5mm、0.2mm、又は最大0.1mmの最大ずれを伴う鋭い縁を有する、
ことを特徴する請求項9又は10に記載のコーティング装置(1)。
【請求項12】
前記コーティング剤に振動を付加するための、好ましくは、前記コーティング剤噴射(S1、S2)を飛沫に分解するための振動生成器を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項13】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の少なくとも一次元偏向に適するように構成され、かつ、好ましくは、少なくとも2つの偏向ユニット(21−22)を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項14】
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の二次元偏向に適するように構成され、かつ、好ましくは、少なくとも4つの偏向ユニット(21−24)を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項15】
前記偏向手段(20)により、前記コーティング剤噴射(S1、S2)に生成される偏向作用の振幅及び/又は振動数は、塗布及び偏向工程の間、可変である、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項16】
前記塗布器(10)は、いくつかの吹き出し口(11)を備え、かつ、直に隣接する吹き出し口(11)の間の距離は、隣接するコーティング剤噴射が前記塗布器(10)と前記部品(B)の間では重ならず、隣接するコーティング剤噴射からの前記コーティング剤が前記部品(B)で混合するように位置決めされる、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項17】
前記塗布器(10)は、特定のノズル内径と特定のノズル距離とを有するいくつかの吹き出し口(11)を備え、前記ノズル距離は、少なくとも前記ノズル内径の3倍、4倍、又は6倍と等しい、
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項18】
前記コーティング装置(1)は、好ましくは塗布及び/又は偏向工程の間に、前記部品(B)に対して前記塗布器(10)を移動するように構成された移動ユニット(30)を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項19】
前記塗布器(10)、前記偏向手段(20)、及び前記移動ユニット(30)は、
塗布及び偏向工程の間に、前記塗布器(10)が前記移動ユニット(30)により前記部品(B)に対して所定の経路に沿って少なくとも一時的に移動され、及び/又は、
塗布及び偏向工程の間に、前記塗布器(10)が前記移動ユニット(30)により少なくとも一時的に静的又は静止した状態に保たれ、前記部品(B)が前記塗布器(10)に対して移動される、
ように構成される、
ことを特徴とする請求項18に記載のコーティング装置(1)。
【請求項20】
前記塗布器(10)は固定した状態で据え付けられる、
ことを特徴する請求項1乃至19のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項21】
前記コーティング装置(1)は、前記部品(B)に対して前記塗布器(10)を移動するように構成された移動ユニット(30)を備え、前記塗布器(10)及び前記移動ユニット(30)は、前記移動ユニット(30)が前記部品(B)に対して前記塗布器(10)を移動する間、コーティング剤の放出が一時的に中断され、ついで、コーティング剤の放出が他の部品位置において再開されるように構成される、
ことを特徴とする請求項18乃至20のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項22】
前記コーティング装置(1)は前記部品(B)のための操縦ユニットを備え、かつ、前記塗布器(10)、前記偏向手段(20)、及び前記操縦ユニットは、
塗布及び偏向工程の間、前記部品(B)が前記操縦ユニットにより前記塗布器(10)に対して所定の経路に沿って少なくとも一時的に移動され、及び/又は、
塗布及び偏向工程の間、前記部品(B)が前記操縦ユニットにより少なくとも一時的に静的又は静止した状態に保たれる、
ように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項23】
前記コーティング装置(1)は、前記部品(B)に対して前記塗布器(10)を移動するように構成された移動ユニット(30)を備え、前記塗布器(10)及び前記操縦ユニットは、前記移動ユニット(30)が前記塗布器(10)に対して前記部品(B)を移動させている間、コーティング剤の放出が一時的に中断され、それからコーティング剤の放出が他の部品位置において再開されるように構成される、
ことを特徴とする請求項22に記載のコーティング装置(1)。
【請求項24】
前記コーティング剤の放出は、70ミリ秒、50ミリ秒、10ミリ秒、5ミリ秒、又は1ミリ秒未満の切替え期間でオン又はオフに切替えられる、
ことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項25】
前記塗布器(10)は少なくとも部分的に粘着性のコーティング剤噴射(S1、S2)を放出するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項26】
前記偏向手段(20)は2つの第1の対向偏向ユニット(21−22)と、2つの第2の対向偏向ユニット(23−24)とを備え、前記2つの第1の対向偏向ユニット(21−22)と、前記2つの第2の対向偏向ユニット(23−24)とは、互いに横方向に向けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項27】
前記第1の対向偏向ユニット(21−22)は前記コーティング剤噴射(S1、S2)にサイン波形状の偏向作用を作り出すように構成され、かつ、前記第2の対向偏向ユニット(23−24)は前記コーティング剤噴射(S1、S2)にコサイン波形状の偏向作用を生成するように構成される、
ことを特徴とする請求項26に記載のコーティング装置(1)。
【請求項28】
前記塗布器(10)は、前記コーティング剤の放出速度が、好ましくは前記コーティング剤が前記部品(B)から跳ね返ることを防ぐために、最大30m/秒、20m/秒、又は10m/秒であるように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項29】
前記偏向手段(20)は前記吹き出し口(11)の下流に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項30】
前記偏向手段(20)は前記吹き出し口(11)の上流に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至29のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項31】
前記偏向手段(20)は前記吹き出し口(11)を有する少なくとも1つの偏向ノズルを備え、偏向ノズルのコーティング剤放出方向は可変である、
ことを特徴とする請求項1乃至30のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
【請求項32】
コーティング剤、特に塗料、封止剤、分離剤、機能層、又は接着剤の、自動車の車体、及び/又はそのための付属部品である部品(B)への塗布のためのコーティング方法であって、好ましくは請求項1乃至31のいずれか1項に記載されたコーティング装置(1)を用いて実行され、
粘着性の噴射として部品(B)に衝突する少なくとも1つのコーティング剤噴射(S1、S2)が、塗布器(10)の少なくとも1つの吹き出し口(11)から放出され、
前記吹き出し口(11)の中心軸からずれるように前記コーティング剤噴射(S1、S2)の中心軸が偏向手段(20)により偏向され、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)は、その分解長さに到達する前に粘着性のある形態で部品(B)に接触する、
ことを特徴とするコーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、コーティング剤、例えば、塗料、封止剤、分離剤、機能層、又は接着剤の、部品、特に自動車の車体及び/又はそのための付属部品への噴霧化しない(zerstaubungsfreien)塗布のためのコーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、いわゆる回転噴霧器が自動車の車体をコーティングするために用いられる。回転噴霧器は、幅広なスプレーパターンを生じさせ、そのため自動車の車体に塗装層を迅速かつ均一にコーティングできるという利点を有する。しかしながら、回転噴霧器は、拡散したスプレーの集合体(wolke)の形態でコーティング剤を塗布するため、パターンを作り出す、又はシャープに縁取りされた塗布を生成するのに適していない。
【0003】
特許文献1は、自動車の車体をコーティングするための塗布器を開示する。塗布器は、噴霧により塗布するのではなく、振動に晒される粘着性のコーティング剤噴射を放出する。粘着性のあるコーティング剤は、付加される振動のため、塗布器と自動車の車体の間において飛沫に分解する。これは、回転噴霧器を用いて可能になるよりも、シャープに縁取りされた塗布を生じさせるが、特にパターンを作り出すことができないか、又は少なくとも最適でない。これは特に、パターンを生じさせるには、塗布器を運搬するロボットが、非常に正確な動きを実行しなければならないと共に、有効性を確保するために非常に迅速でなければならないためである。例えば、これらは、公差が存在しているため技術的に到達し得ないか、又は損失を被るほどの高額な費用でのみ達成されるであろう。一般的な先行技術には、特許文献2〜4も含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102010019612号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第2452684号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10307055号明細書
【特許文献4】米国特許第6224180号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、特にパターン、会社のロゴ、又は絵文字の、部品、例えば自動車の車体及び/又はその付属部品への塗布に適したコーティング装置を作り出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項の特徴で達成され得る。本発明の有利な改良は、下位クレームにおいて、又は以下の明細書において与えられる。
【0007】
本発明は、好ましくはコーティング剤、例えば塗料、封止材、分離剤、機能層、又は接着剤の、部品、特に自動車の車体(例えば、車体の1つ又はそれ以上の部分領域)、及び/又はその付属部品(例えば、バンパー、衝突用ストリップ、窓ガラス等)への噴霧化しない塗布のためのコーティング装置を作り出す。コーティング装置は、少なくとも1つの吹き出し口を有する塗布器を備え、かつ、少なくとも1つのコーティング剤噴射、好ましくは、少なくとも部分的に粘着性のあるコーティング剤噴射、少なくとも部分的に飛沫に分解されるコーティング剤噴射(例えば、振動の付加による)、及び/又は個々の飛沫から形成されるコーティング剤飛沫噴射を放出するように構成される。
【0008】
機能層のカテゴリーは、表面機能化を導く層、例えば、接着促進剤、下塗剤、又は透過低減層を含む。
【0009】
コーティング装置は、特にコーティング剤噴射を偏向するよう構成されている偏向手段によって特徴付けられる。偏向手段によって、コーティング剤噴射は、例えば、デザイン塗布、ディテール塗布、パターン、会社のロゴ、及び/又は絵文字が部品上に作り出されるように偏向され得る。
【0010】
偏向手段は、好ましくは、部品におけるコーティング剤噴射の接触点が吹き出し口の中心軸の理論的な接触点からずれるように、言い換えるとコーティング剤噴射の中心軸が方向の変化を経験し、例えば、吹き出し口の中心軸からずれるように、例えば、外側に向けて横向きにコーティング剤噴射を偏向するように特に構成されている。
【0011】
偏向手段は、コーティング剤噴射の音響的、静電的、及び/又は空気的偏向(例えば、ガス又は空気の流れによる)のために構成され得る。
【0012】
好ましくは、偏向手段は、少なくともコーティング剤噴射の一時的な連続的偏向のために構成される。代わりに又は加えて、偏向手段は、少なくともコーティング剤噴射の一時的なパルス状の、周期的な(zyklischen)、又は間欠的(periodischen)な偏向のために構成され得る。コーティング剤噴射の偏向の影響は、例えば、長方形、三角形、パルス状、サイン波形状、及び/又はコサイン波であり得る。
【0013】
既に言及したように、偏向手段は、好ましくはディテール塗布、デザイン塗布、パターン、絵文字、及び/又は会社のロゴを部品に作り出すように構成される。パターンは、特に少なくとも以下に示すものの1つで構成され得る。少なくとも1つのストライプ、好ましくは複数の直線からなるストライプ、曲線状のストライプ、及び/又は少なくとも1つのオフセットを有するストライプ、少なくとも1つの長方形、好ましくは市松模様(例えば、フィニッシュフラッグパターン)、少なくとも1つの多角形、少なくとも1つの多角形領域、少なくとも1つの円形リング、少なくとも1つの円形領域、及び/又は、動きの重ね合わせによる少なくとも1つの渦巻き塗布。ここで動きの重ね合わせは、偏向手段により生成されたコーティング剤噴射の円形又はアーチ状の動きと、塗布器の直線的な(linienformige)、特に複数の直線(geradlinige)を含む。
【0014】
ディテール塗布、デザイン塗布、パターン、絵文字、及び/又は会社のロゴは、予め規定された縁のコースからの最大ずれが最大3mm、1mm、0.5mm、0.2mm、又は最大0.1mmとなるように好適にシャープに縁取りされている。ここで、ディテール塗布、デザイン塗布、パターン、絵文字、及び/又は会社のロゴの外側には、好ましくはコーティング剤スプレーのしぶきは存在しない。
【0015】
コーティング装置、特に塗布器は、コーティング剤に振動を付加するために構成された振動発生器を備え得る。このようにして、部品に衝突する前に、初期のうちに粘着性のコーティング剤噴射を個々の飛沫に分解することが実用的に可能になる。
【0016】
偏向手段は、既に飛沫に分解した粘着性のコーティング剤噴射、又はコーティング剤噴射に作用するように構成され得る。
【0017】
偏向手段は、コーティング剤噴射の少なくとも一次元偏向のために構成され、例えば、少なくとも1つの偏向ユニットを有し、しかしながら好ましくは2つの偏向ユニットを有し得る。2つの偏向ユニットは互いに向かい合って好適に配置される。
【0018】
静電的偏向を除いて、コーティング剤噴射を中心軸(噴射軸)に対して1つの側に偏向するためには1つの偏向ユニットで十分である。もし2つの偏向ユニットが用いられるならば、塗布器はより意のままに用いられ得る。
【0019】
しかしながら、偏向手段は、コーティング剤噴射の二次元偏向のために構成され、好ましくは少なくとも4つの偏向ユニット、例えば、2つの第1の対向偏向ユニットと、2つの第2の対向偏向ユニットとを有し得る。これらの対向偏向ユニットの作動方向は、好ましくは直交するように交差している。
【0020】
しかしながら、偏向ユニットの数は、組み合わされた配置に限定されない。例えば3つ又は5つといった奇数の偏向ユニットが用いられ得る。
【0021】
偏向ユニットは、必ずしも互いに対向するように置かれる必要はなく、例えば互いに下方に配置され得る。
【0022】
また、偏向手段によりコーティング剤噴射に作り出される偏向作用の振幅及び/又は振動数は、好ましくは塗布及び/又は偏向工程の間でさえ可変であり得る。これには、例えば、コーティング剤噴射に作用し、調和振動のように振る舞う偏向作用が、例えばより高い振動数又はより低い振動数の少なくとも1つの追加的な振動によって重ね合わされる形態が含まれる。このように、例えば、基準振動に対する重ね合わせ振動の位相シフトが達成され得る。
【0023】
塗布器はいくつかの吹き出し口を備え得る。ここで好ましくは隣接するコーティング剤噴射が塗布器と部品との間で重なることがなく、隣接するコーティング剤噴射からのコーティング剤が部品上で混合する、例えば、溶け込むように、互いにじかに隣接する吹き出し口の間の距離が位置決めされる。
【0024】
同様にして、塗布器は、特定のノズル内径と特定のノズル距離を有するいくつかの吹き出し口を備え得る。ここで、ノズル距離は、ノズル内径の少なくとも3倍、4倍、又は6倍である。
【0025】
コーティング装置は、好ましくは塗布及び/又は偏向工程の間に、部品に対して塗布器を移動するように構成された移動ユニットを有し得る。移動ユニットは、例えば多軸ロボットであり得る。
【0026】
多軸ロボットは、好ましくは少なくとも3つのプログラムで制御可能な軸を有している。
【0027】
好ましくは、移動ユニット、塗布器、及び偏向手段は、塗布及び/又は偏向工程の間、塗布器が移動ユニットにより部品に対して所定の経路に沿って少なくとも一時的に移動されるように構成される。代わりに又は加えて、塗布器、偏向手段、及び移動ユニットは、塗布及び変更工程の間、塗布器が移動ユニットにより少なくとも一時的に静的(statisch)、又は静止(ortsfest)して保たれ、例えば、部品が塗布器に対して移動するように構成され得る。後者の形態は、自動車の車体への窓ガラスの接着に適している。
【0028】
また、塗布器自体は、例えば塗装ブースに静止して据え付けられ、部品が塗布器に対して動かされ得る。
【0029】
塗布器と移動ユニットは、移動ユニットが部品に対して塗布器を移動させる間、コーティング剤の放出が一時的に中断され、ついで、他の部品位置においてコーティング剤の放出が再開されるように構成され得る。
【0030】
コーティング装置は、塗布器に対して部品を操作する操縦ユニットをも有し得る。
【0031】
塗布器、偏向手段、及び操縦ユニットは、塗布及び/又は偏向工程の間に、操縦ユニットによって、部品が塗布器に対して所定の経路に沿って少なくとも一時的に動かされるように構成され得る。代わりに又は加えて、塗布器、偏向手段、及び操縦ユニットは、塗布及び/又は偏向工程の間に、部品が操縦ユニットにより少なくとも一時的に静的又は静止して保たれるように構成され得る。後者の形態は、特に、自動車の車体への窓ガラスの接着に適している。
【0032】
塗布器と操縦ユニットは、例えば、操縦ユニットが部品を塗布器に対して移動させる間に、コーティング剤の放出が一時的に中断され、それからコーティング剤の放出が他の部品位置において再開されるように構成され得る。
【0033】
塗布器は、コーティング剤の放出が、70ミリ秒、50ミリ秒、25ミリ秒、10ミリ秒、5ミリ秒、又は1ミリ秒未満の切替え期間でオン又はオフに切替えられ得るように構成され得る。
【0034】
塗布器は、好ましくは少なくとも1つの粘着性のコーティング剤噴射を放出するよう構成されている。本発明の文脈において、粘着性のコーティング剤噴射は、比較的短い、例えば、吹き出し口からの長さが5mm未満、4mm未満、3mm未満、2mm未満、又は1mm未満でさえあり得る。
【0035】
塗布器は、特に、少なくとも初期の粘着性のコーティング剤噴射を放出するように構成される。塗布器は、好ましくは、初期の粘着性のコーティング剤噴射が、例えば、振動発生器により生成され得る結合振動(Schwingungseinkopplung)ゆえに、個々の飛沫を含む飛沫噴射として部品に衝突するように構成され得る。しかしながら、塗布器はまた、コーティング剤噴射が少なくとも部分的に粘着性のコーティング剤噴射として部品に衝突するように構成され得る。
【0036】
塗布器は、コーティング剤噴射を形成する個々の飛沫を放出するように構成され得る。そのため、コーティング剤噴射は例えば飛沫噴射として記述され得る。
【0037】
偏向手段は、例えば少なくとも2つの偏向ユニットを備え得る。コーティング剤噴射への偏向ユニットの偏向作用は、コーティング剤噴射の偏向された部分が部品においてコーティング剤噴射の偏向されない部分と1つにまとめられるような振幅変動を有する。代わりに、コーティング剤噴射の偏向された部分が部品において第1のコーティングを作り出し、コーティング剤噴射の偏向されない部分が部品において第2のコーティングを作り出し得る。ここで、第1のコーティングと第2のコーティングは互いに分離されており、それゆえに個々のコーティングを構成する。
【0038】
偏向手段は2つの第1の対向偏向ユニットと2つの第2の対向偏向ユニットとを備え得る。ここで、2つの第1の対向偏向ユニットと2つの第2の対向偏向ユニットとは、互いに横方向、好ましくは互いに垂直となるように向けられている。
【0039】
第1の偏向ユニットは、例えば、コーティング剤噴射においてサイン波形状の偏向作用を作り出し得る。また、第2の偏向ユニットは、コーティング剤噴射に対してコサイン波形状の偏向作用を作り出すように構成され得る。
【0040】
塗布器は、例えばコーティング剤の放出速度が最大30m/秒、20m/秒、又は10m/秒となるように構成され得る。この放出速度は、例えば、コーティング剤が、部品から跳ね返り、そのためにコーティング剤のしぶきが生じることを防ぎ得る。
【0041】
偏向手段は吹き出し口の下流に配置され得る。
【0042】
しかしながら、偏向手段が、吹き出し口の上流、例えば塗布器の内部に配置され、及び/又は、揺動プレート、曲面プレート又はカム構造も備え得る。
【0043】
また、偏向手段は、吹き出し口を備える少なくとも1つの偏向ノズルを備え得る。偏向ノズルのコーティング剤排出方向は、コーティング剤を偏向するために変化され得る。偏向ノズルは、好ましくは塗布器の一部である。
【0044】
それゆえ、本発明は、例えば遠隔の偏向作用(例えば、空気、音、静電)によって外見上(quasi)機能する偏向手段だけでなく、コーティング剤への物理的機械的作用のために構成された偏向手段をも備える。
【0045】
偏向手段は少なくともコーティング剤噴射に略直交して作用し得るよう好ましくは構成されることが言及されるべきである。
【0046】
コーティング装置は、主に、例えば回転噴霧器にとっては当たり前のように、部品の全ての側をコーティングする完全表面層を作り出すように構成されない。
【0047】
コーティング装置は好ましくはシャープに縁取りされたコーティングを作り出すよう構成されることが強調される。
【0048】
コーティングは、特に、デザイン塗布、ディテール塗布、ロゴ、パターン、絵文字、ストライプ、リング、文字、及び/又は文章であり得る。
【0049】
その上、コーティング装置、特に塗布器は、好ましくは既に少なくとも部分的に塗装された部品の塗装層にコーティング剤を塗布することが強調されるべきである。
【0050】
本発明は、コーティング装置に限定されず、コーティング剤、例えば、塗料、封止剤、分離剤、機能層または接着剤の、部品、例えば自動車の車体及び/又はそのための付属部品への塗布のためのコーティング方法をも含む。コーティング方法は、好ましくは、ここで記述されたようなコーティング装置を用いて実行される。コーティング方法は、少なくとも1つのコーティング剤噴射を塗布器の少なくとも1つの吹き出し口から放出する工程を含み、とりわけコーティング剤噴射が偏向手段により偏向されるという特徴を有する。さらに本発明に係るコーティング方法の特徴は、本発明に係るコーティング装置の機能及び構造の記述から生じる。
【0051】
上記の本発明の好ましい形態は、任意に組み合わせられ得る。本発明のその他の有利な改良は、下位クレームにて開示されるか、又は添付された図面と関連する本発明の好ましい形態に関する以下の記述から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明の1つの形態に係るコーティング装置の概略図を示す。
【
図2】
図1におけるコーティング装置に関して偏向作用曲線、塗布器の経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図3】本発明の1つの形態に係る偏向手段の概略図を示す。
【
図4】
図3の偏向手段に関して偏向作用曲線、塗布器の位置、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図5】
図3の偏向手段に関して偏向作用曲線、塗布器の経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図6】本発明の他の形態に係るコーティング装置の概略図を示す。
【
図7】
図6のコーティング装置に関して偏向作用曲線、塗布器の経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図8】本発明のさらなる他の形態に係る偏向手段の概略図を示す。
【
図9】
図8の偏向手段に関して偏向作用曲線、塗布器の位置、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図10】
図8の偏向手段に関して偏向作用曲線、塗布器の経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図11】本発明のさらに別の形態に係るコーティング装置の概略図を示す。
【
図12】
図11のコーティング装置に関して偏向作用曲線、塗布器の経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図13】本発明のさらに別の形態に係る偏向手段の概略図を示す。
【
図14】
図13の偏向手段に関して偏向作用曲線、塗布器の位置、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図15】
図13の偏向手段に関して偏向作用曲線、塗布器の経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図16】本発明のさらに別の形態に係る偏向手段の概略図を示す。
【
図17】
図16の偏向手段に関して偏向作用曲線、塗布器の経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【
図18】本発明の他の形態に係るコーティング装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図面を参照して記述される本発明の形態は、部分的に相互に関係がある。ここで、類似又は同一の部分には、同じ参照符号が付される。説明のために、参照符号は、繰り返しを避けるように他の形態の記述、又は図面に付される。
【0054】
図1は、コーティング剤、特に塗料の、部品B、特に自動車の車体及び/又はそのための付属部品への塗布のためのコーティング装置1を示す。
【0055】
コーティング装置1は、少なくとも1つの吹き出し口11を有しており、かつ、少なくとも1つのコーティング剤噴射S1を放出するように構成される塗布器10を備える。また、塗布器10は、コーティング剤噴射S1を飛沫に分解するためにコーティング剤に振動を付加するための振動発生器(図示せず)を備える。
【0056】
塗布器10は、初期に粘着性の連続的なコーティング剤噴射の形式でコーティング剤を放出し、それから振動の付加により、部品Bに衝突する前に飛沫に分解されるように構成される。そのため、コーティング剤噴射S1は、初期の粘着性の領域(開口部11のすぐ後ろの領域を参照)と、飛沫を備える続く領域とを含む。粘着性の領域は、極めて短い、例えば、5mm未満、又は1mm未満でさえあり得ることに言及されるべきである。
【0057】
さらに、コーティング装置1は、コーティング剤噴射S1の音響的な一次元偏向のための偏向手段20を備える。偏向手段20は吹き出し口11の下流に配置され、コーティング剤噴射S1に対して少なくともほぼ直角に作用するように構成される。このような目的で、偏向手段20は、少なくとも1つ、好ましくは2つの相互に対向する偏向ユニット21−22を備える。
【0058】
偏向手段20はコーティング剤噴射S1を横向きに外側に偏向する。これにより部品Bへのコーティング剤噴射S1の接触点が吹き出し口11の中心軸Mの理論的な接触点からずれる。言い換えれば、コーティング剤噴射S1の中心軸は方向変化して、およびそれゆえに、
図1においてオフセットLによって示されるように、吹き出し口11の中心軸Mからずれる。
【0059】
コーティング装置1は、移動ユニット30、例えば多軸ロボットを備え、それによって、塗布器10が部品Bに対して移動され得る。
【0060】
移動ユニット30は、特に、偏向及び塗布工程の間に、部品Bに対して塗布器10を移動させる機能を有する。それゆえ、塗布器10、偏向手段20及び移動ユニット30は、塗布及び偏向工程の間に、要求に応じて、塗布器10が移動ユニット30により所定の経路に沿って部品10に対して移動され、そして、代わりに又は加えて、要求に応じて一時的に静的又は静止して保たれ得るように構成される。
【0061】
図2は、
図1の偏向手段20により作り出され得る偏向作用曲線、
図1に示される塗布器10用の
図1の移動ユニット30により生成され得る塗布器の経路、及び、そこから得られる塗布の概略図を示す。
【0062】
期間t1からt3において、塗布器10は移動ユニット30により部品Bの上を直線的に移動させられる。
【0063】
期間t1において、コーティング剤噴射S1の偏向がない間に、塗布器10はコーティング剤噴射S1を部品Bに塗布する。これは複数の直線からなる(geradlinige)ストライプ塗布を生成する。
【0064】
期間t2において、偏向手段20が横向きに外側にコーティング剤噴射S1を偏向するよう作動する間、塗布器10はコーティング剤噴射S1を部品Bに塗布する。これは複数の直線からなる(geradlinige)ストライプ塗布を与えるが、期間t1に生成されたストライプ塗装に対してオフセットしている。
【0065】
期間t3において、偏向手段20が作動を停止する間、塗布器10はコーティング剤噴射S1を部品Bに塗布する。これは再び複数の直線からなる(geradlinige)ストライプ塗装を与えるが、t2において生成されたストライプ塗布に対してオフセットしている。
【0066】
図1及び2に示される形態により、例えば少なくとも1つのオフセットを有する連続装飾ストライプが生成され得る。
【0067】
図3は本発明のさらなる形態に係る偏向手段20の概略図を示す。この偏向手段20は、
図1に示される偏向手段20の代わりに用いられ得る。
【0068】
図3に示される偏向手段20は、当初はコーティング剤噴射S1の音響的偏向のためにも構成されるが、4つの偏向ユニット21−24を備えており、このためコーティング剤噴射S1を一次元だけでなく二次元にも偏向させることができる。
【0069】
偏向ユニット21−22は第1のペアを形成し、互いに対向するように配置される。偏向ユニット23−24は第2のペアを形成し、互いに対向するように配置される。第1のペア21−22及び第2のペア23−24は、互いに直角に配置され、コーティング剤噴射S1に対して少なくとも略直角に作用する。
【0070】
図4は、塗布器10の静的、静止状態の間に
図3の偏向手段20により生成され得る偏向作用曲線と、そこから得られる塗布の概略図を示す。
【0071】
t1からt4までの全ての期間を通して、塗布器10はコーティング剤噴射S1を部品Bに塗布する。
【0072】
t1からt4までの全ての期間を通して、偏向ユニット21−22は、コーティング剤噴射S1にサイン波形状の偏向作用を作り出す。一方、偏向ユニット23−24は、コーティング剤噴射S1にコサイン波形状の偏向作用を生成する。
【0073】
また、t0からt4までの全ての期間を通して、塗布器10は静的、静止した状態で保たれる。例えばこれにより、塗布及び変更工程の間に、移動ユニット10が塗布器10を固定した状態に保持することが達成され得る。代わりに、塗布器10が塗装ブースに静止して据え置かれることが達成され得る。
【0074】
図3及び4に示される形態により、例えば連続的な装飾リングが作り出され得る。
【0075】
図5は、
図3の偏向手段20により生成され得る偏向作用曲線、塗布器10のための塗布器経路、及びその結果としての塗布の概略図を示す。
【0076】
t0からt4までの全期間を通して、塗布器10は、最初は
図4と同じようにコーティング剤噴射S1を部品Bに塗布する。
【0077】
また、最初は
図4と同じように、偏向ユニット21−22は、t0からt4までの全期間を通して、コーティング剤噴射S1にサイン波形状の偏向作用を作り出す。一方、偏向ユニット23−24は、t0からt4までの全期間を通して、コーティング剤噴射S1にコサイン波形状の偏向作用を加える。
【0078】
しかしながら、
図5に示される形態において、塗布器10は、塗布及び偏向工程の間には静的に保たれず、移動ユニット30により部品Bの上を直線的に(linienformige)移動される。
【0079】
それゆえ、移動の重ね合わせは、偏向手段20(
図4の下部を参照)により作り出されるコーティング剤噴射S1の円形運動と、移動装置30により生成される塗布器10の直線的な移動とを引き起こす。移動の重ね合わせは、
図5の下部において示される渦巻き塗布を作り出す。
【0080】
上記の本発明の形態を用いて、比較的シンプルな幾何学パターンが生成される。もちろん他にも、より複雑なパターン及び好適なデザイン、又はディテール塗布、例えば、フィニッシュフラグパターン、又はいくつかの装飾線を含む線パターン、又は会社のロゴや絵文字でさえ生成され得る。それゆえ、例えば個々の塗布及び偏向工程の間に、塗布器10はオフに切り替えられ得てコーティング剤の放出が妨げられ得て、塗布器10は移動ユニット30により部品Bの上にある次なるコーティング位置に移動させられ得て、それからさらなる塗布及び偏向工程が実行され得る。コーティング剤の放出は、50ミリ秒、20ミリ秒、10ミリ秒、5ミリ秒、又は1ミリ秒未満の切替え間隔でオン及びオフに切替えられ得る。また、偏向手段20によりコーティング剤噴射S1に生成される偏向作用の振幅及び振動数は、塗布及び変更工程の間に、必要に応じて変更され得る。このため、より複雑な偏向作用が、生成されるパターン、絵文字、又は会社のロゴに一致するように得られ得る。
【0081】
作り出されるパターン、絵文字、及び会社のロゴ、及び/又は、ディテール/デザイン塗布は、それらの輪郭のシャープさによって特に区別される。この輪郭のシャープさは、もはや肉眼で把握することのできない、所定の輪郭のコースからの最大ずれを有する。また、コーティング剤の放出速度は、コーティング剤のしぶきにつながり得るような部品Bとの接触での跳ね返りがないように位置決めされる。
【0082】
図6から10を参照して記述される本発明の形態は、
図1から5を参照して記述される形態に大部分一致している。しかしながら、特別な特徴は、偏向手段20が、例えば空気又は気体の流れによるコーティング剤噴射S1の空的偏向のために構成されることである。さらなる特別な特徴は、塗布器10がコーティング剤飛沫噴射S1を作り出す個々の飛沫を排出するよう構成されていることである。
【0083】
図11から15を参照して記述される本発明の形態は、
図1から10を参照して記述される形態に大部分一致している。しかしながら、特別な特徴は、偏向手段20がコーティング剤噴射S1の静電的偏向のために構成されていることである。
【0084】
図16は、例えば
図1に示されるコーティング装置1において用いられ得る偏向手段20の概略図を示す。
図17は
図16に示される偏向手段20のための偏向作用曲線、移動ユニット30により誘導される割り当てられた塗布器10用の塗布器経路、及び得られる塗布の概略図を示す。
【0085】
t0からt4までの全期間を通して、塗布器10は移動ユニット30により部品Bの上を直線的に(linienformige)移動され、同時に部品Bにコーティング剤を塗布する。
【0086】
t0からt1への期間において、塗布器10は、コーティング剤噴射S1の偏向がない間に、部品Bにコーティング剤噴射S1を塗布する。これは複数の直線からなる(geradlinige)ストライプ塗布を与える。
【0087】
t1からt2への期間において、偏向手段20が作動する間に、コーティング剤噴射S1を横向き外側に偏向するために、かつ、コーティング剤噴射S1の偏向された部分が部品Bの上でコーティング剤噴射S1の偏向されない部分と一つにまとめられるような振幅変調により、塗布器10はコーティング剤噴射S1を部品Bに塗布する。これはt0からt1への期間におけるよりも、幅の広いストライプ塗布を生成する。
【0088】
t2からt3の期間において、コーティング剤噴射S1の偏向がない間、塗布器10は部品Bにコーティング剤噴射S1を塗布する。これはt0からt1までの期間のような複数の直線からなる(geradlinige)ストライプ塗布を与える。
【0089】
t3からt4の期間において、偏向手段20を作動させる間に、コーティング剤噴射S1を横向き外側に偏向させるため、かつ、互いに平行に伸びる3つの分離されたストライプ塗布が部品Bの上に生成されるような振幅変調により、塗布器10はコーティング剤噴射S1を部品Bに塗布する。
【0090】
図18は本発明のさらなる形態に係るコーティング装置1の概略図を示す。
【0091】
原則として、連続的なコーティング剤噴射は、塗布器10を出発した後、分解長さに到達するまで、最初に噴射方向に粘着領域を有する。分解長さの後に、コーティング剤噴射は噴射方向に互いに分離された飛沫に分解される。もし塗布器と部品との間の長さが分解長さよりも短いならば、粘着性のコーティング剤噴射が部品に到着する。
【0092】
図18に示される塗布器10は、コーティング剤を吹き出し口11から、粘着性のコーティング剤噴射S2の形態で放出するように構成されている。粘着性のコーティング剤噴射S2は、その分解長さに到達する前に、そのため粘着性のある形態で、部品Bに接触する。それゆえ、本発明の文脈におけるコーティング剤噴射は、少なくとも部分的に粘着性の、及び/又は、少なくとも部分的に飛沫の噴射であり得る。
【0093】
そのため、本発明は、個々の飛沫を備えるコーティング剤噴射S1が部品Bに接触する形態と、粘着性のコーティング剤噴射S2が部品Bに接触する形態と、を含む。
【0094】
本発明は部分的に移動ユニット30に関して以上のとおり記述されてきたことが言及されるべきである。代わりに又は加えて、コーティング装置1は、塗布器10に対して部品Bを移動させるための操縦ユニット(図示せず)、例えば、多軸ロボットを備え得る。塗布器10、偏向手段20、及び操縦ユニットは、塗布及び変更工程の間に、部品Bが操縦ユニットにより塗布器10に対して所定の経路に沿って少なくとも一時的に移動させられ、代わりに又は加えて、塗布及び変更工程の間に、部品Bは操縦ユニットにより少なくとも一時的に静的又は静止した状態に保たれるように構成され得る。さらに、塗布器10及び操縦ユニットは、操縦ユニットが塗布器10に対して部品Bを動かす間に、コーティング剤の放出が一時的に中断され、ついで、コーティング剤の放出が他の部品位置において再開されるように構成され得る。
【0095】
さらに偏向手段20は、好ましくは塗布器10に一体化された偏向ノズルを備え得て、その偏向ノズルのコーティング剤放出方向は、コーティング剤噴射S1、S2を偏向し得るために、塗布器10に対して変更され得ることに言及されるべきである。それゆえ、本発明は、コーティング剤への物理的機械的な動作のために構成される偏向手段20を備える。
【0096】
本発明は上記された好ましい形態に限定されない。むしろ、複数の変形や改良が本発明の概念を用いて可能であり、そのため保護の範囲内に含まれる。加えて、本発明は、それらが言及する特徴及びクレームと関係なく、下位クレームの主題及び特徴に対する保護をも請求する。
[付記]
[付記1]
コーティング剤、特に塗料、封止剤、分離剤、機能層、又は接着剤の、部品(B)、特に自動車の車体、及び/又はその付属部品への塗布のためのコーティング装置(1)であって、
少なくとも1つの吹き出し口(11)を有し、かつ、少なくとも1つのコーティング剤噴射(S1、S2)、好ましくは少なくとも部分的に粘着性であるコーティング剤噴射(S1、S2)を放出するように構成される塗布器(10)を備え、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)を偏向する偏向手段(20)を備える、
ことを特徴とするコーティング装置(1)。
[付記2]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の横向きの偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする付記1に記載のコーティング装置(1)。
[付記3]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の音響的偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする付記1又は2に記載のコーティング装置(1)。
[付記4]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の静電的偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記5]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の空気的偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記6]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の少なくとも一時的な連続的偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記7]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の少なくとも一時的なパルス状の偏向に適するように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記8]
前記偏向手段(20)は、前記部品(B)にパターン、絵文字、又は会社のロゴを作り出すように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記9]
前記パターンが少なくとも以下の1つ、
少なくとも1つのストライプ、好ましくは複数の直線からなるストライプ、曲線状のストライプ、及び/又は、少なくとも1つのオフセットを有するストライプ、
少なくとも1つの長方形、好ましくは市松模様、
少なくとも1つの多角形、
少なくとも1つの多角形領域、
少なくとも1つの円形リング、
少なくとも1つの円形領域、
前記偏向手段(20)により生成された円形又はアーチ状の動きと、塗布器(10)の直線的な動きと、を含む動きの重ね合わせによる少なくとも1つの渦巻き塗布、
を備える、
ことを特徴とする付記8に記載のコーティング装置(1)。
[付記10]
前記パターン、前記絵文字、又は前記会社のロゴは、所定の縁のコースから最大3mm、1mm、0.5mm、0.2mm、又は最大0.1mmの最大ずれを伴う鋭い縁を有する、
ことを特徴とする付記8又は9に記載のコーティング装置(1)。
[付記11]
前記コーティング剤に振動を付加するための、好ましくは、前記コーティング剤噴射(S1)を飛沫に分解するための振動生成器を備える、
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記12]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の少なくとも一次元偏向に適するように構成され、かつ、好ましくは、少なくとも2つの偏向ユニット(21−22)を備える、
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記13]
前記偏向手段(20)は、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の二次元偏向に適するように構成され、かつ、好ましくは、少なくとも4つの偏向ユニット(21−24)を備える、
ことを特徴とする付記1乃至12のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記14]
前記偏向手段(20)により、前記コーティング剤噴射(S1、S2)に生成される偏向作用の振幅及び/又は振動数は、塗布及び偏向工程の間、可変である、
ことを特徴とする付記1乃至13のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記15]
前記塗布器(10)は、いくつかの吹き出し口(11)を備え、かつ、直に隣接する吹き出し口(11)の間の距離は、隣接するコーティング剤噴射が前記塗布器(10)と前記部品(B)の間では重ならず、隣接するコーティング剤噴射からの前記コーティング剤が前記部品(B)で混合するように位置決めされる、
ことを特徴とする付記1乃至14のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記16]
前記塗布器(10)は、特定のノズル内径と特定のノズル距離とを有するいくつかの吹き出し口(11)を備え、前記ノズル距離は、少なくとも前記ノズル内径の3倍、4倍、又は6倍と等しい、
ことを特徴とする付記1乃至15のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記17]
前記コーティング装置(1)は、好ましくは塗布及び/又は偏向工程の間に、前記部品(B)に対して前記塗布器(10)を移動するように構成された移動ユニット(30)を備える、
ことを特徴とする付記1乃至16のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記18]
前記塗布器(10)、前記偏向手段(20)、及び前記移動ユニット(30)は、
塗布及び変更工程の間に、前記塗布器(10)が前記移動ユニット(30)により前記部品(B)に対して所定の経路に沿って少なくとも一時的に移動され、及び/又は、
塗布及び変更工程の間に、前記塗布器(10)が前記移動ユニット(30)により少なくとも一時的に静的又は静止した状態に保たれ、前記部品(B)が前記塗布器(10)に対して移動される、
ように構成される、
ことを特徴とする付記17に記載のコーティング装置(1)。
[付記19]
前記塗布器(10)は固定した状態で据え付けられる、
ことを特徴とする付記1乃至18のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記20]
前記塗布器(10)及び前記移動ユニット(30)は、前記移動ユニット(30)が前記部品(B)に対して前記塗布器(10)を移動する間、コーティング剤の放出が一時的に中断され、ついで、コーティング剤の放出が他の部品位置において再開されるように構成される、
ことを特徴とする付記17乃至19のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記21]
前記コーティング装置(1)は前記部品(B)のための操縦ユニットを備え、かつ、前記塗布器(10)、前記偏向手段(20)、及び前記操縦ユニットは、
塗布及び変更工程の間、前記部品(B)が前記操縦ユニットにより前記塗布器(10)に対して所定の経路に沿って少なくとも一時的に移動され、及び/又は、
塗布及び変更工程の間、前記部品(B)が前記操縦ユニットにより少なくとも一時的に静的又は静止した状態に保たれる、
ように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至20のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記22]
前記塗布器(10)及び前記操縦ユニットは、前記移動ユニット(30)が前記塗布器(10)に対して前記部品(B)を移動させている間、コーティング剤の放出が一時的に中断され、それからコーティング剤の放出が他の部品位置において再開されるように構成される、
ことを特徴とする付記21に記載のコーティング装置(1)。
[付記23]
前記コーティング剤の放出は、70ミリ秒、50ミリ秒、10ミリ秒、5ミリ秒、又は1ミリ秒未満の切替え期間でオン又はオフに切替えられる、
ことを特徴とする付記1乃至22のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記24]
前記塗布器(10)は少なくとも部分的に粘着性のコーティング剤噴射(S1、S2)を放出するように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至23のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記25]
前記コーティング剤噴射(S1)は個々の飛沫を備える飛沫噴射として前記部品(B)に衝突する、又は
前記コーティング剤噴射(S2)は少なくとも部分的に粘着性のコーティング剤噴射として前記部品(B)に衝突する、
ことを特徴とする付記1乃至24のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記26]
前記偏向手段(20)は少なくとも2つの偏向ユニット(21−22)を備え、前記コーティング剤噴射(S1、S2)へのその偏向作用は、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)の偏向された部分が、前記部品(B)においてコーティング剤噴射(S1、S2)の偏向されない部分と1つにまとめられるように、又は、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)の偏向された部分が、前記部品(B)に第1のコーティングを形成し、前記コーティング剤噴射(S1、S2)の偏向されない部分が前記部品(B)に第2のコーティングを形成し、前記第1のコーティング及び前記第2のコーティングは互いに分離されており、そのため個々のコーティングを構成する、
ような振幅変調を有する、
ことを特徴とする付記1乃至25のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記27]
前記偏向手段(20)は2つの第1の対向偏向ユニット(21−22)と、2つの第2の対向偏向ユニット(23−24)とを備え、前記2つの第1の対向偏向ユニット(21−22)と、前記2つの第2の対向偏向ユニット(23−24)とは、互いに横方向に向けられる、
ことを特徴とする付記1乃至26のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記28]
前記第1の対向偏向ユニット(21−22)は前記コーティング剤噴射(S1、S2)にサイン波形状の偏向作用を作り出すように構成され、かつ、前記第2の対向偏向ユニット(23−24)は前記コーティング剤噴射(S1、S2)にコサイン波形状の偏向作用を生成するように構成される、
ことを特徴とする付記27に記載のコーティング装置(1)。
[付記29]
前記塗布器(10)は、前記コーティング剤の放出速度が、好ましくは前記コーティング剤が前記部品(B)から跳ね返ることを防ぐために、最大30m/秒、20m/秒、又は10m/秒であるように構成される、
ことを特徴とする付記1乃至28のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記30]
前記偏向手段(20)は前記吹き出し口(11)の下流に配置される、
ことを特徴とする付記1乃至29のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記31]
前記偏向手段(20)は前記吹き出し口(11)の上流に配置される、
ことを特徴とする付記1乃至30のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記32]
前記偏向手段(20)は前記吹き出し口(11)を有する少なくとも1つの偏向ノズルを備え、偏向ノズルのコーティング剤放出方向は可変である、
ことを特徴とする付記1乃至31のいずれか1項に記載のコーティング装置(1)。
[付記33]
コーティング剤、特に塗料、封止剤、分離剤、機能層、又は接着剤の、部品(B)、特に自動車の車体、及び/又はそのための付属部品への塗布のためのコーティング方法であって、好ましくは付記1乃至32のいずれか1項に記載されたコーティング装置(1)を用いて実行され、
少なくとも1つのコーティング剤噴射(S1、S2)が、塗布器(10)の少なくとも1つの吹き出し口(11)から放出され、
前記コーティング剤噴射(S1、S2)が偏向手段(20)により偏向される、
ことを特徴とするコーティング方法。