(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1枚の板材で形成された板状部材、および複数枚の板材を積層して形成された板状部材のいずれかの板状部材を前記第2方向に沿って複数重ね合わせて構成されている請求項1記載の構造材料。
前記第2相欠き面には、前記第1直線と当該第2相欠き面との各交点を通って前記第3方向に沿った各第6直線上における当該第1相欠き面から第5の長さだけ離間した位置に配置されて前記第4の隙間および前記第5の隙間の幅と同じ幅でかつ当該第2相欠き面から前記第2の長さだけ突出するk個の第7突起部が設けられ、
前記第6突起部には、前記第7突起部との嵌合が可能な切り欠きが形成されている請求項1または2記載の構造材料。
前記1つの側面に直交する側面を平面視した状態において前記第1突起部と前記第2突起部との間に前記第1方向に沿って第7の隙間が生じるように当該第1突起部および当該第2突起部が設けられている請求項1から3のいずれかに記載の構造材料。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した従来の建築材料ユニットには、以下の問題点がある。すなわち、この建築材料ユニットでは、凹凸部を他の建築材料ユニットの凹凸部に差し込んで嵌合させ、嵌合させた部分に釘を打って接合することで、2つの建築材料ユニットを連結している。しかしながら、凹凸部を他の凹凸部に差し込んで嵌合させただけでは、長さ方向に直交する方向の荷重等の外力が建築材料ユニットに作用したときには、継手部自体がこれらの外力に対抗する(外力を支える)ことができず、この部分に打った釘の剛性だけでこれらの外力に対抗する(外力を支える)こととなる。したがって、この建築材料ユニットには、この建築材料ユニットを用いて建築した建築構造物の十分な強度を確保することが困難であるという問題点が存在する。また、この建築材料ユニットには、凹凸部同士を嵌合させた後に釘を打つ必要があるため、建築効率が悪いという問題点も存在する。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、構造体の十分な強度を確保しつつ連結効率を向上し得る構造材料を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の構造材料は、断面が矩形に形成されて一端部側に相欠き部を備えた構造材料であって、前記相欠き部は、当該構造材料の1つの側面に対向する第1相欠き面と、当該構造材料の先端面よりも当該構造材料の他端部側に位置して当該先端面に平行でかつ前記第1相欠き面と交差する第2相欠き面とを有し、前記第1相欠き面における前記先端面側と前記第2相欠き面側との中間位置よりも当該先端面側の領域には、当該第1相欠き面から第1の長さだけ突出すると共に当該第1相欠き面の長さ方向である第1方向に沿って延在しかつ前記先端面から第2の長さだけ当該第1方向に沿って延出部分が延出するリブ状のm個(mは、3以上の任意の正の奇数であるnを2で除した値以上の整数のうちの最小の整数)の第1突起部が当該第1相欠き面の幅方向である第2方向に互いに離間する状態で設けられ、前記第1相欠き面における前記中間位置よりも前記第2相欠き面側の領域には、隣接する前記各第1突起部の間の第1の隙間における前記第2方向の中心を通って前記第1方向に沿った第1直線上に延在すると共に対応する当該各第1の隙間の幅とそれぞれ同じ幅でかつ当該第1相欠き面から前記第1の長さだけそれぞれ突出するリブ状のk個(kは、n−m)の第2突起部が設けられ、前記第2相欠き面には、前記第1相欠き面における前記各第1突起部の前記第2方向の中心を通って前記第1方向に沿った第2直線と当該第2相欠き面との各交点を通って前記1つの側面に直交する第3方向に沿った各第3直線上における当該第1相欠き面から第3の長さだけ離間した位置にそれぞれ配置されて対応する当該第1突起部の幅とそれぞれ同じ幅でかつ当該第2相欠き面から前記第2の長さだけそれぞれ突出するm個の第3突起部と、前記各第3直線上における前記各第3突起部から第4の長さだけ離間した位置にそれぞれ配置されて当該配置された各々の当該第3直線上に位置する当該第3突起部の幅とそれぞれ同じ幅でかつ当該第2相欠き面から前記第2の長さだけそれぞれ突出するm個の第4突起部とが設けられ、前記先端面には、前記各第2直線と当該先端面との各交点を通って前記第3方向に沿った各第4直線上における前記各第1突起部から前記第3突起部の長さだけ離間した位置にそれぞれ配置されて対応する当該第1突起部とそれぞれ同じ幅で前記第4の長さと同じ長さを有しかつ当該先端面から前記第2の長さだけそれぞれ突出するm個の第5突起部と、当該各第5突起部の間の各第2の隙間における前記第2方向の中心を通って前記第3方向に沿った各第5直線に沿ってそれぞれ延在すると共に対応する当該各第2の隙間の幅とそれぞれ同じ幅でかつ当該先端面から前記第2の長さだけそれぞれ突出するリブ状のk個(kは、n−m)の第6突起部とが設けられ、1つの当該構造材料における前記第1の隙間に他の1つの当該構造材料における前記第2突起部が嵌合し、前記1つの構造材料における前記第3突起部と前記第4突起部との間の第3の隙間に前記他の1つの構造材料における前記第5突起部が嵌合し、前記1つの構造材料における隣接する前記各第3突起部の間の第4の隙間および隣接する前記各第4突起部の間の第5の隙間に前記他の1つの構造材料における前記第6突起部が嵌合し、前記1つの構造材料における前記第1相欠き面と前記第3突起部との間の第6の隙間に前記他の1つの構造材料における前記第1突起部の前記延出部分が嵌合して、前記1つの構造材料における前記相欠き部と前記他の1つの構造材料における前記相欠き部とが係合し、当該各相欠き部の係合によって前記1つの構造材料と前記他の1つの構造材料とが連結される。
【0007】
また、請求項2記載の構造材料は、請求項1記載の構造材料において、1枚の板材で形成された板状部材、および複数枚の板材を積層して形成された板状部材のいずれかの板状部材を前記第2方向に沿って複数重ね合わせて構成されている。
【0008】
また、請求項3記載の構造材料は、請求項1または2記載の構造材料において、前記第2相欠き面には、前記第1直線と当該第2相欠き面との各交点を通って前記第3方向に沿った各第6直線上における当該第1相欠き面から第5の長さだけ離間した位置に配置されて前記第4の隙間および前記第5の隙間の幅と同じ幅でかつ当該第2相欠き面から前記第2の長さだけ突出するk個の第7突起部が設けられ、前記第6突起部には、前記第7突起部との嵌合が可能な切り欠きが形成されている。
【0009】
また、請求項4記載の構造材料は、請求項1から3のいずれかに記載の構造材料において、前記1つの側面に直交する側面を平面視した状態において前記第1突起部と前記第2突起部との間に前記第1方向に沿って第7の隙間が生じるように当該第1突起部および当該第2突起部が設けられている。
【0010】
また、請求項5記載の構造材料は、請求項1から4のいずれかに記載の構造材料において、当該構造材料の前記一端部および前記他端部の双方に前記相欠き部を備えている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の構造材料によれば、相欠き部における第1相欠き面の第1領域にリブ状のm個の第1突起部を設け、第1相欠き面の第2領域にk個の第2突起部を設け、相欠き部における第2相欠き面にm個の第3突起部およびm個の第4突起部を設け、構造材料の先端面にm個の第5突起部およびk個の第6突起部を設けたことにより、2つの構造材料の各相欠き部同士を係合させるだけで、釘打ちを行うことなく、連結した各構造材料の長さ方向に直交する方向(第2方向および第3方向)への各構造材料の相対的な移動を確実に規制することができる。このため、この構造材料によれば、構造材料の長さ方向に直交する方向に外力が作用したとしても、その外力に対抗して各相欠き部同士の係合状態を確実に維持することができるため、構造材料を用いて構成する構造体の十分な強度を確保することができる。また、この構造材料によれば、釘打ちを行う必要がないため、連結効率を十分に向上させることができる。
【0012】
また、請求項2記載の構造材料によれば、板状部材を第2方向に沿って複数重ね合わせて構成したことにより、各板状部材に各突起部を形成することで、数多くの突起部を入り組んだ状態で配置した複雑な形状の相欠き部を容易に作成することができる。
【0013】
また、請求項3記載の構造材料によれば、第2相欠き面に第7突起部を設け、第7突起部との嵌合が可能な切り欠きを第6突起部に形成したことにより、2つの構造材料の相欠き部同士を係合させたときに、相欠き部における各部の嵌合に加えて、第7突起部と切り欠きとが嵌合するため、構造材料の長さ方向に直交する方向への各構造材料の相対的な移動をより確実に規制することができるため、構造材料を用いて構成する構造体の強度をさらに高めることができる。
【0014】
また、請求項4記載の構造材料によれば、1つの側面に直交する側面を平面視した状態において第1突起部と第2突起部との間に第1方向に沿って第7の隙間が生じるように第1突起部および第2突起部を設けたことにより、2つの構造材料の各相欠き部同士を係合させたときに、第7の隙間によって挿通孔を形成することができるため、この挿通孔に杭を挿入することで、各構造材料同士の長さ方向への移動(離反)を確実に規制して各構造材料を強固に連結させることができる。
【0015】
また、請求項5記載の構造材料によれば、構造材料の一端部および他端部の双方に相欠き部を備えたことにより、各相欠き部と他の構造材料の相欠き部とを係合させることで、3つ以上の構造材料を連結させることができる。このため、この構造材料を用いることで、長尺の構造体を十分な強度を確保しつつ容易に構成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、構造材料の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0018】
最初に、
図1に示す構造材料の一例としての構造材料1の構成について説明する。構造材料1は、構造体(一例として、建築物の駆体)を構成するための構造材料であって、断面が矩形に形成されると共に、一端部2側に相欠き部6を備えて構成されている。
【0019】
また、構造材料1は、複数の板状部材を重ね合わせて構成されている。具体的には、構造材料1は、
図5に示すように、3枚(後述する「m」と同じ数)の第1板状部材11と、2枚(後述する「k」と同じ数)の第2板状部材12(以下、第1板状部材11と第2板状部材12とを区別しないときには「板状部材11,12」ともいう)とを重ね合わせて、各板状部材11,12を接着剤で接着して構成されている。この場合、この構造材料1では、1枚の板材(一例として、厚みが24mmの合板)で形成された板状部材11,12を用いているが、2枚以上の板材を積層して形成された板状部材11,12を用いることもできる。また、この例では、木材で形成された板材を用いているが、木材に限定されず、金属、樹脂(発泡樹脂および無発泡樹脂)、ゴム、コンクリート、石材などで形成された板材を用いることもできる。
【0020】
一方、相欠き部6は、2つの構造材料1の各相欠き部6同士を係合させることによって各構造材料1を連結する継ぎ手として機能する。具体的には、相欠き部6は、
図2に示すように、構造材料1における4つの側面4a〜4dのうちの側面4c(「1つの側面」に相当する)に対向する第1相欠き面61と、構造材料1の先端面5よりも構造材料1の他端部3(
図1参照)側に位置して先端面5に平行でかつ第1相欠き面61と交差する第2相欠き面62とを有している。この場合、相欠き部6は、
図3に示すように、第1相欠き面61が先端面5および第2相欠き面62に対して一例として80°をなすように(傾斜するように)構成されている。また、相欠き部6は、先端面5と第2相欠き面62とが同じ形状となるように構成されている。
【0021】
また、
図2に示すように、第1相欠き面61における先端面5側と第2相欠き面62側との中間位置61cよりも先端面5側の第1領域61aには、3個(3以上の任意の正の奇数であるn(この例では5)を2で除した値以上の整数のうちの最小の整数としてのm個の一例)の第1突起部P1が設けられている。
【0022】
この場合、各第1突起部P1は、
図3に示すように、第1相欠き面61に対して垂直な方向に沿って第1相欠き面61から長さL1(「第1の長さ」に相当し、一例として30mm)だけ突出すると共に、第1相欠き面61の長さ方向である第1方向D1に沿って延在し、かつ先端面5から第1方向D1に沿って長さL2(「第2の長さ」に相当し、一例として30mm)だけ延出する(以下、延出する部分を「延出部分」ともいう)リブ状に形成されている。また、各第1突起部P1は、
図2,4に示すように、第1相欠き面61の幅方向である第2方向D2に互いに離間する状態で設けられている。具体的には、3個の第1突起部P1のうちの2個の第1突起部P1が第1領域61aにおける第2方向D2の両端部にそれぞれ配置され、3個の第1突起部P1のうちの他の1個の第1突起部P1が第2方向D2の中央部に配置されている。つまり、各第1突起部P1は、第2方向D2に等間隔で配置されている。
【0023】
また、
図2に示すように、第1相欠き面61における中間位置61cよりも第2相欠き面62側の第2領域61bには、2個(n−mとしてのk個の一例(この例では、nが5、mが3))の第2突起部P2が設けられている。
【0024】
この場合、各第2突起部P2は、
図4に示すように、隣接する各第1突起部P1の間の隙間G1(「第1の隙間」に相当する)における第2方向D2(幅方向)の中心を通って第1方向D1に沿った第1直線S1上に延在すると共に、対応する各隙間G1(延在する第1直線S1上に位置する隙間G1)の幅W1とそれぞれ同じ幅で、かつ第1相欠き面61に対して垂直な方向に沿って第1相欠き面61から長さL1(
図3参照:この例では、30mm)だけそれぞれ突出するリブ状に形成されている。
【0025】
また、この構造材料1では、各第1突起部P1と各第2突起部P2とが同じ長さに形成されている。また、この構造材料1では、
図3に示すように、側面4b(「1つの側面に直交する側面」に相当する)を平面視した状態において第1突起部P1と第2突起部P2との間に第1方向D1に沿った隙間G7が生じるように構成されている。この隙間G7は、
図10に示すように、2つの構造材料1(同図における構造材料1x,1y)の各相欠き部6(同図における相欠き部6x,6y)同士を係合させたときに、各構造材料1の長さ方向D4への離反を規制するための図外の杭を挿入可能な挿通孔Hを形成する。
【0026】
また、
図2に示すように、第2相欠き面62には、3個(m個)の第3突起部P3と、3個(m個)の第4突起部P4とが設けられている。
【0027】
この場合、各第3突起部P3は、
図3に示すように、第1相欠き面61における各第1突起部P1の第2方向D2(幅方向:
図4参照)の中心を通って第1方向D1に沿った第2直線S2と第2相欠き面62との各交点I1を通って構造材料1の側面4cに直交する第3方向D3に沿った各第3直線S3上における第1相欠き面61から長さL3(第3の長さに相当する)だけ離間した位置にそれぞれ配置されている。つまり、第1相欠き面61と第3突起部P3との間には、
図3に示すように、長さL3の隙間G6(
図2も参照)が生じている。また、各第3突起部P3は、
図4に示すように、対応する第1突起部P1(第3突起部P3が配置される第3直線S3に繋がる第2直線S2上に位置する第1突起部P1)の幅W2とそれぞれ同じ幅で、かつ
図3に示すように、第2相欠き面62から第1方向D1に沿って長さL2(この例では、30mm)だけそれぞれ突出するように形成されている。なお、
図4に示すように、隣接する各第3突起部P3の間の隙間G4(第4の隙間に相当する)の幅は、上記した隙間G1の幅W1と同じ幅となっている。
【0028】
また、各第4突起部P4は、
図3に示すように、各第3直線S3上における各第3突起部P3から長さL4(「第4の長さ」に相当し、一例として30mm)だけ離間した位置に配置されている。つまり、第3突起部P3と第4突起部P4との間には、長さL4の隙間G3(
図2も参照)が生じている。また、各第4突起部P4は、
図4に示すように、対応する第3突起部P3(第4突起部P4が配置された各々の第3直線S3上に位置する第3突起部P3)の幅W2とそれぞれ同じ幅で、かつ
図3に示すように、第2相欠き面62から第1方向D1に沿って長さL2(この例では、30mm)だけそれぞれ突出するように形成されている。なお、
図4に示すように、隣接する各第4突起部P4の間の隙間G5(第5の隙間に相当する)の幅は、各第3突起部P3の間の隙間G4の幅(つまり、隙間G1の幅W1)と同じ幅となっている。
【0029】
また、
図2に示すように、先端面5には、3個(m個)の第5突起部P5と、2個(k個)の第6突起部P6とが設けられている。
【0030】
この場合、各第5突起部P5は、
図3に示すように、各第2直線S2と先端面5との各交点I2を通って第3方向D3に沿った各第4直線S4上における各第1突起部P1から第3方向D3に沿った第3突起部P3の長さ(以下「長さLa」ともいう)だけ離間した位置に配置されている。また、各第5突起部P5は、
図4に示すように、対応する第1突起部P1(第5突起部P5が配置される第4直線S4に繋がる第2直線S2上に位置する第1突起部P1)の幅W2とそれぞれ同じ幅で、
図3に示すように、上記した長さL4(第3突起部P3と第4突起部P4との離間距離であって、この例では30mm)と同じ長さを有し、かつ先端面5から第1方向D1に沿って長さL2(この例では、30mm)だけそれぞれ突出するように形成されている。なお、上記したように先端面5と第2相欠き面62とが同じ形状であるため(つまり、第3方向D3に沿った両面5,62の長さが同じであるため)、
図3に示すように、各第5突起部P5の側面4c側(同図における右側)の端部から先端面5における側面4c側の縁部までの距離と、第3方向D3に沿った第4突起部P4の長さ(以下「長さLb」ともいう)とが同じ長さとなっている。
【0031】
また、各第6突起部P6は、各第5突起部P5の間の各隙間G2(「第2の隙間」に相当する:
図2,4参照)における第2方向D2の各中心を通って第3方向D3に沿った各第5直線S5(
図3参照)に沿ってそれぞれ延在すると共に、対応する各隙間G2(6突起部P6が延在する第5直線S5上に位置する隙間G2)の幅W3(
図4参照)とそれぞれ同じ幅でかつ先端面5から第1方向D1に沿って長さL2(
図3参照:この例では、30mm)だけ突出するリブ状にそれぞれ形成されている。
【0032】
ここで、構造材料1は、上記したように、3枚の第1板状部材11と、2枚の第2板状部材12とを重ね合わせて構成されており、
図5に示すように、第1突起部P1、第3突起部P3、第4突起部P4および第5突起部P5が各第1板状部材11にそれぞれ形成され、第2突起部P2および第6突起部P6が各第2板状部材12にそれぞれ形成されている。
【0033】
上記のように構成された2つの構造材料1を連結する際には、
図6〜
図10に示すように、一方の構造材料1(以下、「構造材料1x」ともいう)の相欠き部6(以下、「相欠き部6x」ともいう)と他方の構造材料1(以下、「構造材料1y」ともいう)の相欠き部6(以下、「相欠き部6y」ともいう)とを係合させる。
【0034】
具体的には、まず、
図6に示すように、相欠き部6xを上向きにした状態で構造材料1xを配置し、相欠き部6yを下向きにした状態の構造材料1yを構造材料1xの上方に位置させる。次いで、
図7に示すように、相欠き部6yにおける各第1突起部P1および各第5突起部P5の各一端部と、相欠き部6xにおける各第3突起部P3および各第4突起部P4の各一端部とが当接する位置まで構造材料1yを下向きに移動させる(構造材料1yを構造材料1xに近付ける)。
【0035】
続いて、
図8に示すように、相欠き部6xにおける第1突起部P1および第2突起部P2の各一端部が相欠き部6yの第1相欠き面61に当接し、相欠き部6yにおける第1突起部P1および第2突起部P2の各一端部が相欠き部6xの第1相欠き面61に当接する位置まで、構造材料1yを横方向(同図における右向き)に移動させる(構造材料1yを構造材料1xに近付ける)。
【0036】
次いで、
図9に示すように、構造材料1yを下向きに移動させる。この際に、
図10に示すように、相欠き部6xの隙間G1(
図4参照)に相欠き部6yの第2突起部P2が嵌合し、相欠き部6xにおける第3突起部P3と第4突起部P4との間の隙間G3に相欠き部6yの第5突起部P5が嵌合する。また、相欠き部6xにおける隣接する各第3突起部P3の間の隙間G4(
図2,4参照)および隣接する各第4突起部P4の間の隙間G5(
図2,4参照)に相欠き部6yの第6突起部P6が嵌合し、相欠き部6xにおける第1相欠き面61と第3突起部P3との間の隙間G6(第6の隙間)に相欠き部6yの第1突起部P1における先端面5からの延出部分が嵌合する。また、上記した相欠き部6xの各部と相欠き部6yの各部とを逆転した関係で各部が嵌合する。これにより、相欠き部6x,6yが係合して、各構造材料1が連結される。
【0037】
次いで、
図10に示すように、相欠き部6x,6yの係合によって係合部分の中心部に形成された挿通孔Hに図外の杭を挿入する。これにより、各構造材料1同士の長さ方向への移動(離反)が確実に規制されて、各構造材料1がより強固に連結される。
【0038】
この場合、構造材料1x,1yの相欠き部6x,6y同士が係合した状態では、相欠き部6xの隙間G1への相欠き部6yの第2突起部P2の嵌合、および相欠き部6xの隙間G4および隙間G5への相欠き部6yの第6突起部P6の嵌合によって第2方向D2(
図4における左右方向)への構造材料1x,1yの相対的な移動が規制される。また、相欠き部6xの隙間G3への相欠き部6yの第5突起部P5の嵌合、および相欠き部6xの隙間G6への相欠き部6yにおける第1突起部P1の延出部分の嵌合によって第3方向D3(
図3における左右方向)への構造材料1x,1yの相対的な移動が規制される。
【0039】
つまり、この構造材料1では、2つの構造材料1の各相欠き部6同士を係合させるだけで(釘打ちを行うことなく)、連結した各構造材料1の長さ方向D4(
図10参照)に直交する方向(第2方向D2および第3方向D3)に外力が作用したとしても、その外力に対抗して各相欠き部6同士の係合状態(各構造材料1の連結状態)を確実に維持することが可能となっている。また、この構造材料1では、釘打ちの必要がないため、構造材料1を連結する作業の効率、ひいては連結効率を十分に向上させることが可能となっている。
【0040】
このように、この構造材料1によれば、相欠き部6における第1相欠き面61の第1領域61aにリブ状の3個(m個)の第1突起部P1を設け、第1相欠き面61の第2領域61bに2個(k個)の第2突起部P2を設け、相欠き部6における第2相欠き面62に3個(m個)の第3突起部P3および3個(m個)の第4突起部P4を設け、構造材料1の先端面5に3個(m個)の第5突起部P5および2個(k個)の第6突起部P6を設けたことにより、2つの構造材料1の各相欠き部6同士を係合させるだけで、釘打ちを行うことなく、連結した各構造材料1の長さ方向D4に直交する方向(第2方向D2および第3方向D3)への各構造材料1の相対的な移動を確実に規制することができる。このため、この構造材料1によれば、構造材料1の長さ方向に直交する方向に外力が作用したとしても、その外力に対抗して各相欠き部6同士の係合状態を確実に維持することができるため、構造材料1を用いて構成する構造体(建築物の駆体等)の十分な強度を確保することができる。また、この構造材料1によれば、釘打ちを行う必要がないため、連結効率を十分に向上させることができる。
【0041】
また、この構造材料1によれば、複数の第1板状部材11および第2板状部材12を重ね合わせて構成したことにより、各板状部材に各突起部P1〜P6を形成することで、数多くの突起部P1〜P6を入り組んだ状態で配置した複雑な形状の相欠き部6を容易に作成することができる。
【0042】
また、この構造材料1によれば、側面4bを平面視した状態において第1突起部P1と第2突起部P2との間に第1方向D1に沿って隙間G7が生じるように第1突起部P1および第2突起部P2を設けたことにより、2つの構造材料1の各相欠き部6同士を係合させたときに、隙間G7によって挿通孔Hを形成することができるため、この挿通孔Hに杭を挿入することで、各構造材料1同士の長さ方向への移動(離反)を確実に規制して各構造材料1を強固に連結させることができる。
【0043】
なお、構造材料は、上記した構成に限定されない。例えば、上記した相欠き部6に代えて、
図11に示す相欠き部6Aを備えた構造材料1Aを採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した構造材料1と同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0044】
この構造材料1Aの相欠き部6Aでは、
図11に示すように、第2相欠き面62に、2個(k個)の第7突起部P7が設けられている。この場合、各第7突起部P7は、上記した第1直線S1と第2相欠き面62との各交点I3を通って第3方向D3に沿った直線である各第6直線S6上における第1相欠き面61から長さL5(第5の長さに相当する:一例として70mm)だけ離間した位置にそれぞれ配置されている。また、各第7突起部P7は、隙間G4(隣接する第3突起部P3間の隙間)および隙間G5(隣接する第4突起部P4間の隙間)の幅とそれぞれ同じ幅で、かつ第2相欠き面62から第1方向D1に沿って長さL2(
図12参照)だけそれぞれ突出するように形成されている。また、この相欠き部6Aでは、第6突起部P6に、第7突起部P7との嵌合が可能な切り欠きCが形成されている。
【0045】
また、この構造材料1Aは、
図11に示すように、3枚(m枚)の第1板状部材11と、2枚(k枚)の第2板状部材12Aとを重ね合わせて、各板状部材11,12Aを接着剤で接着して構成されている。また、この構造材料1Aでは、第1突起部P1、第3突起部P3、第4突起部P4および第5突起部P5が各第1板状部材11にそれぞれ形成され、第2突起部P2、第6突起部P6および第7突起部P7が各第2板状部材12Aにそれぞれ形成されている。
【0046】
この構造材料1Aでは、第2相欠き面62に第7突起部P7を設け、第7突起部P7との嵌合が可能な切り欠きCを第6突起部P6に形成したことにより、2つの構造材料1Aの相欠き部6A同士を係合させたときに、上記した相欠き部6における各部の嵌合に加えて、第7突起部P7と切り欠きCとが嵌合するため、構造材料1Aの長さ方向に直交する方向への各構造材料1Aの相対的な移動をより確実に規制することができるため、構造材料1Aを用いて構成する構造体の強度をさらに高めることができる。
【0047】
また、nを5に規定し、それぞれm個としての3個の第1突起部P1、第3突起部P3、第4突起部P4および第5突起部P5と、それぞれk個としての2個の第2突起部P2、第6突起部P6および第7突起部P7を設けた例について上記したが、これらの各突起部の数としてのm個およびk個は、「mは、3以上の任意の正の奇数であるnを2で除した値以上の整数のうちの最小の整数」との条件、および「kは、n−m」との条件を満たす限り任意に規定することができる。例えば、nを最低値としての3に規定したときには、m個を2、k個を1個に規定することができる。また、nを7に規定したときにはm個を4、k個を3個に規定することができる。この場合、構造材料1,1Aを構成する第1板状部材11や第2板状部材12,12Aの数も各突起部の数に応じて変更することができる。具体的には、第1板状部材11の枚数を、第1突起部P1、第3突起部P3、第4突起部P4および第5突起部P5の数であるm枚とし、第2板状部材12,12Aの枚数を、第2突起部P2、第6突起部P6および第7突起部P7の数であるk枚とすることができる。
【0048】
また、厚みが24mmの1枚の板材で第1板状部材11および第2板状部材12,12Aをそれぞれ形成した例について上記したが、各板状部材の11,12,12Aの厚みは任意に変更することができる。この場合、第1板状部材11と第2板状部材12,12Aとで厚みを異ならせてもよい。また、複数の第1板状部材11を互いに異なる厚みに形成してもよいし、第2板状部材12,12Aが複数枚存在するときには、各第2板状部材12,12Aを互いに異なる厚みに形成してもよい。
【0049】
また、複数の板状部材の11,12,12Aを重ね合わせた構成に代えて、単一の材料(例えば、金属、樹脂(発泡樹脂および無発泡樹脂)、ゴム、コンクリート、石材等)で構成した構造材料を採用することもできる。この場合、単一の材料を用いる構成では、一端部を切削して相欠き部6,6Aを形成する方法や、相欠き部6,6Aをかたどった型枠に樹脂やコンクリートを充填して相欠き部6,6Aを形成する方法を採用することができる。
【0050】
また、第1相欠き面61が先端面5および第2相欠き面62に対して80°をなして傾斜するように構成した例について上記したが、第1相欠き面61の傾斜角度は任意に変更することができる。また、第1相欠き面61が先端面5および第2相欠き面62に対して90°をなすように(傾斜しないように)相欠き部6を構成することもできる。
【0051】
また、2つの構造材料1の各相欠き部6同士を係合させたときに杭を挿入可能な挿通孔Hを形成するため、側面4bを平面視した状態において第1突起部P1と第2突起部P2との間に隙間G7が生じるように構成した例について上記したが、隙間G7を設けない構成(挿通孔Hを形成しない構成)を採用することもできる。
【0052】
また、
図13に示す構造材料1Bを採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した構造材料1,1Aと同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この構造材料1Bは、
図13に示すように、両端部(一端部および他端部)に相欠き部6Bをそれぞれ備えて構成されている。また、構造材料1Bは、3枚(m枚)の第1板状部材11B(
図14参照)と、2枚(k枚)の第2板状部材12B(
図15参照)とを重ね合わせて構成されている。
【0053】
相欠き部6Bは、
図13に示すように、上記した構造材料1Aの相欠き部6Aに設けられている第1突起部P1〜第7突起部P7を備えると共に、これらに加えて、3個(m個)の第8突起部P8、2個(k個)の第9突起部P9、3個(m個)の第10突起部P10、および2個(k個)の第11突起部P11を備えて構成されている。
【0054】
第8突起部P8は、
図14に示すように、第1板状部材11Bにおける上記した第3直線S3上の第4突起部P4から上記した長さL4だけ離間した位置に形成されている。また、第8突起部P8の幅および突出長は、第4突起部P4の幅および突出長とそれぞれ同じ長さに規定されている。
【0055】
第9突起部P9は、
図15に示すように、第2板状部材12Bにおける上記した第6直線S6上の第7突起部P7から長さL4だけ離間した位置に形成されている。また、第9突起部P9の幅および突出長は、第7突起部P7の幅および突出長とそれぞれ同じ長さに規定されている。
【0056】
第10突起部P10は、
図14に示すように、第1板状部材11Bにおける上記した第4直線S4上の第5突起部P5から上記した長さL4だけ離間した位置に形成されている。また、第10突起部P10の幅および突出長は、第5突起部P5の幅および突出長とそれぞれ同じ長さに規定されている。
【0057】
第11突起部P11は、
図15に示すように、第2板状部材12Bにおける上記した第5直線S5上の第6突起部P6から上記した長さLbだけ離間した位置に形成されている。また、第11突起部P11の幅および突出長は、第6突起部P6の幅および突出長とそれぞれ同じ長さに規定されている。
【0058】
この構造材料1Bでは、両端部に相欠き部6Bが設けられるため、
図16に示すように、各相欠き部6B同士を係合させることで、3つ以上の構造材料1Bを連結させることができる。このため、この構造材料1Bを用いることで、長尺の構造体を十分な強度を確保しつつ容易に構成することができる。
【0059】
なお、上記したように、この構造材料1Bの相欠き部6Bでは、相欠き部6の各第1突起部P1〜第7突起部P7に加えて、第8突起部P8〜第11突起部P11を設けているが、各第3直線S3〜各第6直線S6上にさらに多くの突起部を設ける構成を採用することもできる。
【0060】
また、
図17に示す構造材料1Cを採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した構造材料1,1A,1Bと同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この構造材料1Cは、同図に示すように、両端部にそれぞれ2つの相欠き部6Cを備えて構成されている。具体的には、この構造材料1Cでは、一端部(同図における上端部)における互いに対向する部位に対称の形状となるように2つの相欠き部6Cが設けられ、他端部(同図における下端部)における互いに対向する部位に対称の形状となるように2つの相欠き部6Cが設けられている。つまり、同図に示すように、構造材料1Cを側面視した状態における四隅に相欠き部6Cが設けられている。この場合、各相欠き部6Cは、上記した構造材料1Bの相欠き部6Bと同じ形状、または相欠き部6Bと対称の形状に形成されている。
【0061】
この構造材料1Cでは、両端部にそれぞれ2つの相欠き部6Cが形成されているため、
図18に示すように、各相欠き部6C同士を係合させることで、複数の構造材料1Cを縦方向(上下方向)だけではなく、横方向(左右方向)にも連結させることができる。このため、この構造材料1Cを用いることで、長尺の構造体だけではなく、壁状の構造体も十分な強度を確保しつつ容易に構成することができる。
【0062】
なお、構造材料1,1B,1Cを用いて構造体の一例としての建築物の駆体を構成する例について上記したが、構造体は、建築物の駆体に限定されず、様々なものが含まれる。例えば、土木用の柱状体(棒状体)および壁状体等の構造体はもとより、家庭用品やスポーツ用品に用いる柱状体(棒状体)および壁状体等の構造体に構造材料1,1B,1Cを用いることができる。