【実施例】
【0050】
例
例1
この例は、レンズマメ、ヒヨコマメおよび乾燥エンドウマメのタンパク質抽出率ならびに抽出ステップから得られたタンパク質溶液の透明度に対する酸性化の効果を評価する。
【0051】
乾燥レンズマメ、ヒヨコマメ、イエロースプリットピー(yellow split pea)およびグリーンスプリットピー(green split pea)を完全な形態で購入し、バミックス(Bamix)チョッパーを使用して比較的細かい粉末の形態になるまで粉砕した。粉砕の程度は、時間または粒径により制御しなかった。粉砕した材料(10g)は、室温で0.15M CaCl2(100ml)を用いて、マグネチックスターラーで30分間抽出した。10,200gで10分間の遠心分離により使用済みの材料から抽出物を分離し、その後、孔径0.45μmのシリンジフィルターを用いた濾過によりさらに透明にした。Leco FP 528窒素測定器(Nitrogen Determinator)を使用して、粉砕した出発原料および透明にした抽出物のタンパク質含量を試験した。600nmでの吸光度(A600)を測定することにより、そのままの濃度(full strength)の抽出物および1倍容量の逆浸透精製(RO)水で希釈した抽出物の透明度を求めた。次いで、そのままの濃度の溶液および希釈した溶液のpHをHClで3に調整し、A600を再び測定した。A600測定により溶液の透明度を評価した、この例および他の例において、分光光度計のブランク測定に水を使用した。
【0052】
各タンパク質源について求めたタンパク質含量および見かけの抽出率を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表1の結果から分かるように、全てのタンパク質源の見かけの抽出率は、非常に良好であった。
【0055】
そのままの濃度の抽出物および希釈した抽出物の試料の酸性化の前および後の透明度を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
表2の結果から分かるように、レンズマメ、ヒヨコマメおよびスプリットピー(かち割りエンドウマメ)からのそのままの濃度の抽出物溶液は、透明からわずかに濁っていた。希釈せずに酸性化することにより、試料中のヘイズレベル(haze level)が増大した。濾過した抽出物を等しい量の水で希釈することにより、著しい沈殿が生じ、対応してA600値が増大した。希釈した溶液の酸性化により、沈殿物がほとんど再可溶化され、それにより、レンズマメおよびヒヨコマメについては透明な溶液が生じ、イエローおよびグリーンスプリットピーについてはわずかに濁った溶液が生じた。
【0058】
例2
この例は、水および塩化ナトリウムが抽出溶液として例1の塩化カルシウム溶液を代替している、酸性化した希釈または未希釈のグリーンスプリットピー抽出物の透明度の評価を含む。
【0059】
乾燥グリーンスプリットピーを完全な形態で購入し、キッチンエイド(KitchenAid)ミキサーのグラインダーアタッチメントを使用して細かい粉末になるまで粉砕した。粉砕の程度は、時間または粒径により制御しなかった。粉砕した材料(10g)は、室温で0.15M NaCl(100ml)またはRO水(100ml)を用いて、マグネチックスターラーで30分間抽出した。10,200gで10分間の遠心分離により使用済みの材料から抽出物を分離し、その後、孔径0.45μmのシリンジフィルターを用いた濾過によりさらに透明にした。600nmで吸光度を測定することにより、そのままの濃度の濾液および1倍容量のRO水で希釈した濾液の透明度を求めた。次いで、そのままの濃度の溶液および希釈した溶液のpHをHClで3に調整し、A600を再び測定した。
【0060】
そのままの濃度の抽出物および希釈した抽出物の試料の酸性化の前および後の透明度を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
表3の結果から分かるように、水または塩化ナトリウム溶液を用いて調製した抽出物は、希釈ステップを利用したかどうかにかかわらず酸性化すると非常に曇っていた。
【0063】
例3
この例は、複数のタイプの乾燥ビーンのタンパク質抽出率および抽出ステップから得られたタンパク質溶液の透明度に対する酸性化の効果を評価する。
【0064】
インゲンマメ(pinto bean)、小白インゲンマメ(small white bean)、小アズキマメ(small red bean)、ロマノインゲンマメ(romano bean)、グレートノーザンビーン(great northern bean)およびライマメ(lima bean)を完全な乾燥した形態で購入し、Bamixチョッパーを使用して比較的細かい粉末の形態になるまで粉砕した。粉砕の程度は、時間または粒径により制御しなかった。黒マメ粉も購入した。粉砕した材料または粉(10g)は、室温で0.15M CaCl2(100ml)を用いて、マグネチックスターラーで30分間抽出した。10,200gで10分間の遠心分離により使用済みの材料から抽出物を分離し、その後、孔径0.45μmのシリンジフィルターを用いた濾過によりさらに透明にした。Leco FP 528窒素測定器を使用して、粉砕した出発原料または粉および透明にした抽出物のタンパク質含量を試験した。600nmで吸光度を測定することにより、そのままの濃度の抽出物および1倍容量のRO水で希釈した抽出物の透明度を求めた。次いで、そのままの濃度の溶液および希釈した溶液のpHをHClで3に調整し、A600を再び測定した。
【0065】
各タイプの乾燥ビーンについて求めたタンパク質含量および見かけの抽出率を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】
表4の結果から分かるように、全ての豆のタイプのタンパク質が容易に抽出された。
【0068】
そのままの濃度の抽出物および希釈した抽出物の試料の酸性化の前および後の透明度を表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】
表5の結果から分かるように、全ての豆からのそのままの濃度の抽出物溶液が非常に透明であった。希釈せずに酸性化することにより、試料中のヘイズレベルがわずかに増大したが、試料は依然として透明であった。濾過した抽出物を等しい倍容量の水で希釈することにより沈殿物が形成することはなかった。このことは、例1において試験した豆類の希釈時に見られた沈殿とは対照的であった。希釈した豆タンパク質溶液は、酸性化しても透明なままであった。
【0071】
例4
この例は、水および塩化ナトリウムが抽出溶液として例3の塩化カルシウム溶液を代替している、酸性化した希釈または未希釈の小白インゲンマメ抽出物の透明度の評価を含む。
【0072】
乾燥小白インゲンマメを完全な形態で購入し、Bamixチョッパーを使用して細かい粉末になるまで粉砕した。粉砕の程度は、時間または粒径により制御しなかった。粉砕した材料(10g)は、室温で0.15M NaCl(100ml)またはRO水(100ml)を用いて、マグネチックスターラーで30分間抽出した。10,200gで10分間の遠心分離により使用済みの材料から抽出物を分離し、その後、孔径0.45μmのシリンジフィルターを用いた濾過によりさらに透明にした。Leco FP528窒素測定器を使用して濾液のタンパク質含量を求めた。600nmで吸光度を測定することにより、そのままの濃度の抽出物および1倍容量のRO水で希釈した抽出物の透明度を求めた。次いで、そのままの濃度の溶液および希釈した溶液のpHをHClで3に調整し、A600を再び測定した。
【0073】
水および塩化ナトリウム溶液を用いた抽出により、それぞれ45.9%および61.5%の見かけの抽出率を得た。そのままの濃度の抽出物および希釈した抽出物の試料の酸性化の前および後の透明度を表6に示す。
【0074】
【表6】
【0075】
表6の結果から分かるように、水または塩化ナトリウム溶液を用いて調製した抽出物は、希釈ステップを利用したかどうかにかかわらず、酸性化すると非常に曇った。
【0076】
例5
この例は、卓上規模でのグリーンピースタンパク質単離物の製造を例示する。
【0077】
KitchenAidミキサーグラインダーアタッチメントを使用して、180gの乾燥グリーンスプリットピーを細かく粉砕した。150gの細かく粉砕したグリーンスプリットピー粉を周囲温度で1,000mlの0.15M CaCl2溶液と合わせ、30分間撹拌して、タンパク質水溶液を生成した。残留固体を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離および濾過により透明にして、1.83重量%のタンパク質含量を有する濾過タンパク質溶液を得た。655mlの濾過タンパク質溶液を655mlのRO水に添加し、試料のpHをHCl溶液で3.03まで低下させた。
【0078】
10,000ダルトンの分画分子量(molecular weight cutoff)を有するPES膜での濃縮により、希釈し酸性化したタンパク質抽出物溶液の体積を1250mlから99mlまで減少させた。次いで、同じ膜で480mlのRO水を用いて、96mlの濃縮タンパク質溶液のアリコートを透析濾過した。得られた酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液は、7.97重量%のタンパク質含量を有しており、その後さらに処理した最初の濾過タンパク質溶液の65.5wt%の収率を示した。酸性化し、透析濾過した濃縮タンパク質溶液を乾燥させて、生成物(95.69%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが判明した。)を得た。この生成物は、GP701−01タンパク質単離物と名付けた。
【0079】
8.30gのGP701−01を製造した。0.48gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を15mlのRO水に溶解することによりGP701−01の溶液を調製し、そのpHをpHメーターで測定し、ハンターラボ カラークエスト エックスイー(HunterLab ColorQuest XE)測定器を透過モード(transmission mode)で操作しながら使用してその色および透明度を評価した。結果を以下の表7に示す。
【0080】
【表7】
【0081】
表7の結果から分かるように、GP701−01の溶液は、半透明であり、淡い色を有していた。
【0082】
GP701−01の溶液を95℃まで加熱し、この温度で30秒間保持し、その後、直ちに氷浴中で室温まで冷却した。HunterLab測定器を用いて透明度を再度測定し、その結果を表8に示す。
【0083】
【表8】
【0084】
表8の結果から分かるように、熱処理により、明度が改善され、溶液のヘイズレベルが低減し、同時に、溶液の緑色が濃くなり、黄色が薄くなることが分かった。溶液中のヘイズのレベルは低減したが、タンパク質溶液は、依然として透き通っておらず半透明であった。
【0085】
例6
この例は、卓上規模でのグリーンピースタンパク質単離物の製造を例示するが、濾過ステップは希釈および抽出物の酸性化の後に移動させた。
【0086】
KitchenAidミキサーグラインダーアタッチメントを使用して、180gの乾燥グリーンスプリットピーを細かく粉砕した。150gの細かく粉砕したグリーンスプリットピー粉を周囲温度で1,000mlの0.15M CaCl2溶液と合わせ、30分間撹拌して、タンパク質水溶液を生成した。遠心分離により残留固体を除去して、2.49重量%のタンパク質含量を有する遠心分離液(centrate)を得た。800mlの遠心分離液を800mlの水に添加し、試料のpHを希HClで3.00まで低下させた。希釈し酸性化した遠心分離液を濾過によりさらに透明にして、1.26重量%のタンパク質含量を有する透明なタンパク質溶液を得た。例5において希釈し酸性化した濾液のA600が0.093であったのに対して、希釈および酸性化後の溶液を濾過することにより、この実験における膜処理前の溶液のA600は0.012であった。
【0087】
10,000ダルトンの分画分子量を有するPES膜での濃縮により、濾過タンパク質溶液の体積を1292mlから157mlまで減少させた。次いで、同じ膜で600mlのRO水を用いて、120mlの濃縮タンパク質溶液のアリコートを透析濾過した。得られた酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液は、7.70重量%のタンパク質含量を有しており、その後さらに処理した最初の遠心分離液の42.5wt%の収率を示した。酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液を乾燥させて、生成物(94.23%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが判明した。)を得た。この生成物は、GP701−02タンパク質単離物と名付けた。
【0088】
8.55gのGP701−02を製造した。0.48gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を15mlのRO水に溶解することによりGP701−02の溶液を調製し、そのpHをpHメーターで測定し、HunterLab ColorQuest XE測定器を透過モードで操作しながら使用してその色および透明度を評価した。結果を以下の表9に示す。
【0089】
【表9】
【0090】
表9の結果から分かるように、GP701−02溶液は半透明であり、淡い色を有していた。ヘイズのレベルは、例5においてGP701−01の溶液について求めたものより低かった。
【0091】
GP701−02の溶液を95℃まで加熱し、この温度で30秒間保持し、その後、直ちに氷浴中で室温まで冷却した。次いで、HunterLabを用いて透明度を再度測定し、その結果を以下の表10に示す。
【0092】
【表10】
【0093】
表10の結果から分かるように、GP701−02溶液の熱処理により、非常に透明な溶液が生じた。
【0094】
例7
この例は、卓上規模での小白インゲンマメタンパク質単離物の製造を例示する。
【0095】
KitchenAidミキサーグラインダーアタッチメントを使用して、約150gの小白インゲンマメを細かく粉砕した。120gの細かく粉砕した小白インゲンマメ粉を周囲温度で1,000mlの0.15M CaCl
2溶液と合わせ、30分間撹拌して、タンパク質水溶液を生成した。残留固体を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離および濾過により透明にして、2.02重量%のタンパク質含量を有する濾過タンパク質溶液を得た。600mlの濾過タンパク質溶液を600mlのRO水に添加し、試料のpHを希HClで3.01まで低下させた。pH調整後の試料中に多少の微粒子が見られ、孔径25μmの濾紙に試料を通すことによりこれらを除去した。
【0096】
次いで、10,000ダルトンの分画分子量を有するPES膜での濃縮により、希釈し酸性化したタンパク質抽出物溶液の試料の体積を1110mlから82mlまで減少させた。次いで、同じ膜で395mlのRO水を用いて、79mlの保持液のアリコートを透析濾過した。得られた酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液は、10.37重量%のタンパク質含量を有しており、その後さらに処理した最初の濾過タンパク質溶液の67.6wt%の収率を示した。酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液を乾燥させて、生成物(93.75%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが判明した。)を得た。この生成物は、SWB701タンパク質単離物と名付けた。
【0097】
8.26gのSWB701を製造した。0.48gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を15mlのRO水に溶解することによりSWB701の溶液を調製し、
そのpHをpHメーターで測定し、HunterLab ColorQuest XE測定器を透過モードで操作しながら使用してその色および透明度を評価した。結果を以下の表11に示す。
【0098】
【表11】
【0099】
表11の結果から分かるように、SWB701の溶液は半透明であり、淡い色を有していた。
【0100】
SWB701の溶液を95℃まで加熱し、この温度で30秒間保持し、その後、直ちに氷浴中で室温まで冷却した。HunterLab測定器を用いて透明度を再度測定し、その結果を表12に示す。
【0101】
【表12】
【0102】
表12の結果から分かるように、熱処理により、明度が改善され、溶液のヘイズレベルが低減し、同時に、溶液の緑色が濃くなり、黄色が薄くなることが分かった。溶液中のヘイズのレベルは低減したが、タンパク質溶液は、依然として透き通っておらず半透明であった。
【0103】
例8
この例は、例6の方法により製造したGP701−02および例7の方法により製造したSWB701の水への溶解度の評価を含む。溶解度は、Morrら、J.Food Sci.50:1715-1718の手順の改良版を使用して試験した。
【0104】
0.5gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を計量してビーカーに入れ、その後、約45mlの逆浸透(RO)精製水を添加した。マグネチックスターラーを使用してビーカーの内容物を60分間ゆっくりと撹拌した。タンパク質の分散直後にpHを求め、希NaOHまたはHClで適切なレベル(2、3、4、5、6または7)に調整した。天然のpHの試料も調製した。pHを調整した試料については、60分間の撹拌の間にpHを測定し、定期的に補正した。60分間の撹拌後、RO水で試料の体積を合計で最大50mlとし、1%w/vタンパク質分散液を得た。Leco FP528窒素測定器を使用して分散液のタンパク質含量を測定した。次いで、分散液のアリコートを7,800gで10分間遠心分離し、それにより、不溶性材料が沈降した。次いで、上澄み液のタンパク質含量をLeco分析により求めた。
【0105】
次いで、以下の反応式を使用してタンパク質の溶解度を算出した。
【0106】
溶解度(%)=(上澄み液中のタンパク質%/最初の分散液中のタンパク質%)×100
例6および7において製造したタンパク質単離物の天然のpH値を以下の表13に示す
。
【0107】
【表13】
【0108】
得られた溶解度の結果を以下の表14に示す。
【0109】
【表14】
【0110】
表14の結果から分かるように、両方の701製品はpH範囲2から4にわたって非常に可溶性であった。
【0111】
例9
この例は、例6の方法により製造したGP701−02および例7の方法により製造したSWB701の水中での透明度の評価を含む。
【0112】
HunterLab ColorQuest XE測定器を透過モードで操作しながら試料を分析してパーセンテージヘイズ読み取り値(percentage haze reading)を得ることにより、例8に記載の通り調製した1%w/vタンパク質分散液の透明度を評価した。スコアが低いほど透明度が高いことを示している。
【0113】
透明度の結果を以下の表15に示す。
【0114】
【表15】
【0115】
表15の結果から分かるように、GP701−02の溶液は、pH範囲2から4において実質的に透明またはわずかに濁っていた。GP701−02の溶液は、より高いpH値(溶解度が低減した。)では曇っていた。SWB701の溶液は、pH2では検出可能なヘイズを有していなかったが、pHが増大するにつれて著しく濁った。溶液が透明ではなくても、pH範囲3から4においてタンパク質溶解度は依然として非常に高かったことに留意されたい。
【0116】
例10
この例は、卓上規模での黒マメタンパク質製品の製造を例示する。
【0117】
50gの黒マメ粉を周囲温度で500mlの0.15M CaCl
2溶液と合わせ、30分間撹拌して、タンパク質水溶液を生成した。残留固体を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離および濾過により透明にして、1.18重量%のタンパク質含量を有する濾過タンパク質溶液を得た。450mlの濾過タンパク質溶液を450mlのRO水に添加し、試料のpHを希HClで3.09まで低下させた。
【0118】
次いで、10,000ダルトンの分画分子量を有するPES膜での濃縮により、希釈し酸性化したタンパク質抽出物溶液の体積を900mlから50mlまで減少させた。次いで、同じ膜で200mlのRO水を用いて、40mlの保持液のアリコートを透析濾過した。得られた酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液は、6.23重量%のタンパク質含量を有しており、その後さらに処理した最初の濾過タンパク質溶液の約46.9wt%の収率を示した。酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液を乾燥させて、生成物(86.33%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが判明した。)を得た。この生成物は、BB701と名付けた。
【0119】
2.19gのBB701を製造した。0.48gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を15mlのRO水に溶解することによりBB701の溶液を調製し、そのpHをpHメーターで測定し、HunterLab ColorQuest XE測定器を透過モードで操作しながら使用してその色および透明度を評価した。結果を以下の表16に示す。
【0120】
【表16】
【0121】
表16の結果から分かるように、BB701の溶液は半透明であり、淡い色を有していた。
【0122】
BB701の溶液を95℃まで加熱し、この温度で30秒間保持し、その後、直ちに氷浴中で室温まで冷却した。HunterLab測定器を用いて透明度を再度測定し、その結果を表17に示す。
【0123】
【表17】
【0124】
表17の結果から分かるように、熱処理により、明度が改善され、溶液のヘイズレベルが低減し、同時に、溶液の赤色が薄くなり、黄色が薄くなることが分かった。溶液中のヘイズのレベルは低減したが、タンパク質溶液は、依然として透き通っておらず濁っていた。
【0125】
例11
この例は、パイロット規模でのイエローピータンパク質単離物の製造を例示する。
【0126】
20kgのイエロースプリットピー粉を周囲温度で200Lの0.15M CaCl
2溶液と合わせ、30分間撹拌して、タンパク質水溶液を生成した。遠心分離により残留固体を除去して、1.53重量%のタンパク質含量を有する遠心分離液を得た。180.4Lの遠心分離液を231.1LのRO水に添加し、試料のpHを希HClで約3まで低下させた。希釈し酸性化した遠心分離液を濾過によりさらに透明にして、0.57重量%のタンパク質含量および2.93のpHを有する透明なタンパク質溶液を得た。
【0127】
約30℃の温度で操作しながら100,000ダルトンの分画分子量を有するPES膜で濃縮することにより、濾過タンパク質溶液の体積を431Lから28Lまで減少させた。この時点で、6.35重量%のタンパク質含量を有する酸性化タンパク質溶液を252LのRO水で透析濾過した(透析濾過操作は約30℃で実行した。)。次いで、得られた透析濾過した溶液をさらに濃縮して、7.62重量%のタンパク質含量を有する21kgの酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液を得たが、この溶液は、その後さらに処理した最初の遠心分離液の58.0wt%の収率を示した。酸性化し透析濾過した濃縮タンパク質溶液を乾燥させて、生成物(103.27wt%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが判明した。)を得た。この生成物は、YP01−D11−11A YP701タンパク質単離物と名付けた。
【0128】
例12
この例は、例11の方法により製造したイエローピータンパク質単離物およびプロパルス(Propulse)(Nutripea、Portage la Prairie、MB)と呼ばれる市販のイエローピータンパク質製品のタンパク質およびフィチン酸含量ならびにトリプシン阻害剤活性の評価を含む。
【0129】
タンパク質含量は、レコ トルスペック エヌ(LecoTruSpec N)窒素測定器を使用した燃焼法により求めた。フィチン酸含量は、LattaおよびEskin(J.Agric.Food Chem.,28:1313-1315)の方法を使用して求めた。トリプシン阻害剤活性(TA)は、市販のタンパク質試料についてはAOCS法Ba 12−75、YP701製品(水で再び戻すと(when rehydrated)低いpHを有する。)についてはこの方法の改良版を使用して求めた。
【0130】
得られた結果を以下の表18に示す。
【0131】
【表18】
【0132】
表19に示した結果から分かるように、YP701は、市販の製品と比較して非常にタンパク質含量が高く、フィチン酸含量が低かった。両方の製品におけるトリプシン阻害剤活性は非常に低かった。
【0133】
例13
この例は、例11の方法により製造したイエローピータンパク質単離物およびPropulse(Nutripea、Portage la Prairie、MB)と呼ばれる市販のイエローピータンパク質製品の乾燥状態での色および溶液中での色の評価を含む。
【0134】
HunterLab ColorQuest XE測定器を反射モード(reflectance mode)で使用して乾燥粉末の色を評価した。色値を以下の表19に示す。
【0135】
【表19】
【0136】
表19から分かるように、YP0l−D11−11A YP701粉末は、市販のイエローピータンパク質製品と比較して、明るく、赤色が薄く、黄色が薄かった。
【0137】
0.48gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を15mlのRO水に溶解することによりイエローピータンパク質製品の溶液を調製した。pHメーターを用いて溶液のpHを測定し、HunterLab ColorQuest XE測定器を透過モードで操作しながら使用してその色および透明度を評価した。塩酸溶液をPropulse試料に添加してpHを3まで低下させ、その後、測定を繰り返した。結果を以下の表20に示す。
【0138】
【表20】
【0139】
表20の結果から分かるように、YP0l−D11−11A YP701溶液は透き通っていたが、一方、Propulse溶液はpHに関係なく非常に曇っていた。YP0l−D11−11A YP701溶液は、また、そのpHに関係なく、Propulse溶液よりもずっと明るく、赤色が薄く、黄色が薄かった。
【0140】
例14
この例は、例11の方法により製造したイエローピータンパク質単離物およびPropulse(Nutripea、Portage la Prairie、MB)と呼ばれる市販のイエローピータンパク質製品の水中での熱安定性の評価を含む。
【0141】
YP0l−D11−11A YP701およびPropulseの2%w/vタンパク質溶液をRO水において調製した。各溶液の天然のpHをpHメーターで求めた。各試料をそれぞれ2つの部分に分割し、一方の部分のpHをHCl溶液で3.00まで低下させた。HunterLab ColorQuest XE測定器を透過モードで操作しながら用いるヘイズ測定により、対照およびpHを調整した溶液の透明度を評価した。次いで、各溶液を95℃まで加熱し、この温度で30秒間保持し、その後、直ちに氷浴中で室温まで冷却した。次いで、熱処理した溶液の透明度を再び測定した。
【0142】
加熱の前および後の各タンパク質溶液の透明度を以下の表21に示す。
【0143】
【表21】
【0144】
表21の結果から分かるように、YP01−D11−11A YP701の溶液は、いずれのpHレベルでも加熱の前および後に透き通っていた。Propulseの溶液は、いずれのpHレベルでも加熱の前および後、非常に曇っていた。
【0145】
例15
この例は、例11の方法により製造したイエローピータンパク質単離物およびPropulse(Nutripea、Portage la Prairie、MB)と呼ばれる市販のイエローピータンパク質製品の水への溶解度の評価を含む。溶解度は、タンパク質溶解度(いわゆるタンパク質法、Morrら、J.Food Sci.50:1715-1718の手順の改良版)および生成物全体の溶解度(いわゆるペレット法)に基づいて試験した。
【0146】
0.5gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を計量してビーカーに入れ、その後、少量の逆浸透(RO)精製水を添加し、滑らかなペーストが形成されるまで混合物を撹拌した。次いで、さらなる水を添加して、体積を約45mlとした。次いで、マグネチックスターラーを使用してビーカーの内容物をゆっくりと60分間撹拌した。タンパク質の分散直後にpHを求め、希NaOHまたはHClで適切なレベル(2、3、4、5、6または7)に調整した。天然のpHの試料も調製した。pHを調整した試料については、60分間の撹拌の間にpHを測定し、定期的に補正した。60分間の撹拌後、RO水で試料の体積を合計で最大50mlとし、1%w/vタンパク質分散液を得た。Leco TruSpec N窒素測定器を使用して分散液のタンパク質含量を測定した。次いで、100℃のオーブンにおいて終夜乾燥させておいた、予め秤量した遠心分離管に分散液のアリコート(20ml)を移し、その後、乾燥器において冷却し、該管に蓋をした。試料を7,800gで10分間遠心分離し、それにより、不溶性の物質が沈降し、透明な上澄み液が生じた。Leco分析により上澄み液のタンパク質含量を測定し、その後、上澄み液および管の蓋を廃棄し、100℃に設定したオーブンにおいてペレット材料を終夜乾燥させた。翌朝、該管を乾燥器に移し、冷却させた。乾燥ペレット材料の重量を記録した。使用した粉末の重量に((100−該粉末の含水率(%))/100)の倍率(factor)を乗算することにより、最初のタンパク質粉末の乾燥重量を算出した。次いで、この生成物の溶解度を2種の異なる方法で算出した。
【0147】
1)溶解度(タンパク質方法)(%)=(上澄み液中のタンパク質%/%最初の分散液中のタンパク質%)×100
2)溶解度(ペレット方法)(%)=(1−(乾燥不溶性ペレット材料の重量/((20mlの分散液の重量/50mlの分散液の重量)×最初の乾燥タンパク質粉末の重量)))×100
例11において製造したタンパク質単離物および市販のイエローピータンパク質製品の水における天然のpH値(1%タンパク質)を表22に示す。
【0148】
【表22】
【0149】
得られた溶解度の結果を以下の表23および24に示す。
【0150】
【表23】
【0151】
【表24】
【0152】
表23および24に示す結果から分かるように、YP01−D11−11A YP701は、2から4のpH範囲において非常に可溶性であり、より高いpH値では可溶性が低かった。Propulseは、試験した全てのpH値で非常に難溶性であった。
【0153】
例16
この例は、例11の方法により製造したイエローピータンパク質単離物およびPropulse(Nutripea、Portage la Prairie、MB)と呼ばれる市販のイエローピータンパク質製品の水中での透明度の評価を含む。
【0154】
600nmで吸光度を測定することにより、例15に記載の通り調製した1%w/vタンパク質溶液の透明度を評価した(吸光度スコアが低いほど透明度が大きいことを示す。)。透過モードのHunterLab ColorQuest XE測定器での試料の分析により、透明度の別の尺度であるパーセンテージヘイズ読み取り値も得た。
【0155】
透明度の結果を以下の表25および26に示す。
【0156】
【表25】
【0157】
【表26】
【0158】
表25および26の結果から分かるように、YP01−D11−11A YP701の溶液は、pH2から4の範囲において透き通っていたが、より高いpH値では非常に曇っていた。Propulseの溶液は、pHに関係なく非常に曇っていた。
【0159】
例17
この例は、例11の方法により製造したイエローピータンパク質単離物およびPropulse(Nutripea、Portage la Prairie、MB)と呼ばれる市販のイエローピータンパク質製品のソフトドリンク(Sprite)およびスポーツドリンク(Orange Gatorade)への溶解度の評価を含む。pHを補正していない各飲料にタンパク質を添加して溶解度を求め、タンパク質強化飲料のpHを元々の飲料のレベルに調整して再び溶解度を求めた。
【0160】
pHを補正せずに溶解度を評価する場合、1gのタンパク質を供給するのに十分な量のタンパク質粉末を計量してビーカーに入れ、少量の飲料を添加し、滑らかなペーストが形成するまで撹拌した。さらなる飲料を添加して体積を50mlとし、その後、各溶液をマグネチックスターラーで60分間ゆっくりと撹拌して、2%タンパク質w/v分散液を得た。Leco TruSpec N窒素測定器を使用して試料のタンパク質含量を分析し、その後、タンパク質を含有する飲料のアリコートを7800gで10分間遠心分離し、上澄み液のタンパク質含量を測定した。
【0161】
溶解度(%)=(上澄み液中のタンパク質%/最初の分散液中のタンパク質%)×100。
【0162】
pHを補正して溶解度を評価する場合、タンパク質を含まないソフトドリンク(Sprite)(3.42)およびスポーツドリンク(Orange Gatorade)(3.11)のpHを測定した。1gのタンパク質を供給するのに十分な量のタンパク質粉末を計量してビーカーに入れ、少量の飲料を添加し、滑らかなペーストが形成するまで撹拌した。さらなる飲料を添加して体積を約45mlとし、その後、各溶液をマグネチックスターラーで60分間ゆっくりと撹拌した。タンパク質を含有する飲料のpHをタンパク質の分散直後に測定し、その後、必要に応じてHClまたはNaOHを用いて元々のタンパク質を含まないpHに調整した。60分間の撹拌の間にpHを測定し、定期的に補正した。60分間の撹拌後、さらなる飲料を用いて各溶液の体積を合計で50mlとし、2%タンパク質w/v分散液を得た。Leco TruSpec N窒素測定器を使用して試料のタンパク質含量を分析し、その後、タンパク質を含有する飲料のアリコートを7800gで10分間遠心分離し、上澄み液のタンパク質含量を測定した。
【0163】
溶解度(%)=(上澄み液中のタンパク質%/最初の分散液中のタンパク質%)×100
得られた結果を以下の表27に示す。
【0164】
【表27】
【0165】
表27の結果から分かるように、YP01−D11−11A YP701は、スプライト(Sprite)およびオレンジ ゲータレード(Orange Gatorade)に非常に可溶性であった。YP701は酸性化製品であるので、それを添加しても飲料のpHはほとんど変わらなかった。Propulseは、試験した飲料に非常に難溶性であった。Propulseの添加により飲料のpHが増大したが、飲料のpHをその元もとのタンパク質を含まない値に低下させてもタンパク質の溶解度は改善しなかった。
【0166】
例18
この例は、例11の方法により製造したイエローピータンパク質単離物およびPropulse(Nutripea、Portage la Prairie、MB)と呼ばれる市販のイエローピータンパク質製品のソフトドリンクおよびスポーツドリンク中での透明度の評価を含む。
【0167】
例16に記載のA600およびHunterLabヘイズ法を使用して、例17においてソフトドリンク(Sprite)およびスポーツドリンク(Orange Gatorade)において調製した2%w/vタンパク質分散液の透明度を評価した。
【0168】
得られた結果を以下の表28および29に示す。
【0169】
【表28】
【0170】
【表29】
【0171】
表28および29の結果から分かるように、ソフトドリンクおよびスポーツドリンクにYP0l−D11−11A YP701を添加すると、濁りはほとんど増大しないか、全く増大しなかったが、Propulseを添加すると、pHを補正した場合でさえ飲料は非常に曇っていた。
【0172】
本開示の概要
本開示を要約すると、本発明は、タンパク質沈殿をもたらすことなくソフトドリンクおよびスポーツドリンクを含めた水系のタンパク質強化に有用である、完全に可溶性であり、酸性のpHで熱安定性の、好ましくは透明な溶液を形成する、新規の豆類タンパク質製品を提供する。本発明の範囲内で改変が可能である。