(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、規制部の第2方向における強度を低くできるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1
〜請求項3に記載のシフト装置は、回動されてシフト位置が変更されるシフト体と、前記シフト体の第1方向への回動を許容すると共に、前記シフト体が回動径方向側において接触されて前記シフト体の第2方向への回動を規制する規制部と、を備えている。
【0007】
請求項7に記載のシフト装置は、請求項1
〜請求項6の何れか1項に記載のシフト装置において、前記シフト体がシフト位置間で第2方向に回動される際に前記規制部が前記シフト体の第1方向への回動を規制する。
【0008】
請求項3に記載のシフト装置は
、前記シフト体及び前記規制部の少なくとも一方に設けられると共に、前記シフト体と前記規制部とが接触され、前記シフト体の第1方向への回動周方向において湾曲されると共に前記シフト体の第2方向への回動周方向に沿って湾曲されない湾曲部を備えている。
【0009】
請求項4に記載のシフト装置は、請求項3に記載のシフト装置において、前記シフト体の前記湾曲部が当接されて前記シフト体の第1方向への回動を規制する当接部を備えている。
【0010】
請求項5に記載のシフト装置は、請求項3又は請求項4に記載のシフト装置において、前記シフト体の前記湾曲部設置位置に配置され、前記シフト体に付勢力を作用させる付勢部を備えている。
【0011】
請求項6に記載のシフト装置は、請求項3〜請求項5の何れか1項に記載のシフト装置において、前記シフト体に設けられ、支持されることで前記シフト体が回動可能に支持される支持部と、前記シフト体の前記湾曲部及び前記支持部に結合され、当該湾曲部を補強する補強部と、を備えている。
【0012】
請求項2に記載のシフト装置は
、前記シフト体の一側の一側部材と前記シフト体の他側の他側部材とが設けられると共に、前記シフト体を収容し、前記一側部材と前記他側部材とに前記規制部が設けられる収容体を備えている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1
〜請求項3に記載のシフト装置では、シフト体が回動されて、シフト位置が変更される。また、規制部が、シフト体の第1方向への回動を許容すると共に、シフト体の第2方向への回動を規制する。
【0014】
ここで、シフト体が回動径方向側において規制部に接触されて、シフト体の第2方向への回動が規制される。このため、シフト体の第2方向への回動を規制するために規制部に作用される第2方向への荷重を小さくでき、規制部の第2方向における強度を低くできる。
【0015】
請求項7に記載のシフト装置では、シフト体がシフト位置間で第2方向に回動される際に、規制部がシフト体の第1方向への回動を規制する。このため、第2方向におけるシフト位置間でシフト体の第1方向への回動を規制する部材を別途設ける必要をなくすことができる。
【0016】
請求項3に記載のシフト装置では、シフト体及び規制部の少なくとも一方に湾曲部が設けられており、湾曲部においてシフト体と規制部とが接触される。
【0017】
ここで、湾曲部が、シフト体の第1方向への回動周方向において湾曲されると共に、シフト体の第2方向への回動周方向に沿って湾曲されない。このため、規制部が、シフト体の第1方向への回動を許容できると共に、シフト体の第2方向への回動を規制できる。
【0018】
請求項4に記載のシフト装置では、シフト体の湾曲部が当接部に当接されて、当接部がシフト体の第1方向への回動を規制する。このため、シフト体に湾曲部とは別に当接部に当接される部分を設ける必要をなくすことができる。
【0019】
請求項5に記載のシフト装置では、シフト体に付勢部が配置されており、付勢部がシフト体に付勢力を作用させる。
【0020】
ここで、シフト体の湾曲部設置位置に付勢部が配置される。このため、シフト体の湾曲部設置位置とは別の位置に付勢部を配置する必要をなくすことができる。
【0021】
請求項6に記載のシフト装置では、シフト体に支持部が設けられており、支持部が支持されることで、シフト体が回動可能に支持される。さらに、シフト体の湾曲部に補強部が結合されており、補強部が当該湾曲部を補強する。
【0022】
ここで、補強部が支持部に結合される。このため、補強部が当該湾曲部を効果的に補強できる。
【0023】
請求項2に記載のシフト装置では、収容体にシフト体の一側の一側部材とシフト体の他側の他側部材とが設けられると共に、収容体がシフト体を収容する。
【0024】
ここで、一側部材と他側部材とに規制部が設けられる。このため、一側部材と他側部材とを組付けることで、一側部材の規制部と他側部材の規制部との間にシフト体を配置でき、組付性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図6には、本発明の実施形態に係るシフト装置としてのシフトレバー装置10の左側部分が右方から見た側面図にて示されており、
図7には、シフトレバー装置10の右側部分が左方から見た側面図にて示されている。なお、図面では、シフトレバー装置10の前方を矢印FRで示し、シフトレバー装置10の右方を矢印RHで示し、シフトレバー装置10の上方を矢印UPで示す。
【0027】
本実施形態に係るシフトレバー装置10は、フロア式のものにされて、車両(自動車)の車室の床部(車体側)における車幅方向中央部に設置されており、シフトレバー装置10の前方、左方及び上方は、それぞれ車両の前方、左方及び上方に向けられている。
【0028】
図6及び
図7に示す如く、シフトレバー装置10には、収容体としての樹脂製で略直方体形箱状のプレート12(ハウジング)が設けられており、プレート12は、車室の床部に設置(固定)されている。
【0029】
プレート12の左側部分には、一側部材としての略直方体形箱状の左プレート12Aが設けられており、左プレート12A内は、左側に開放されている。プレート12の右側部分には、他側部材としての略直方体形箱状の右プレート12Bが設けられており、右プレート12B内は、左側に開放されている。左プレート12Aと右プレート12Bとは、左右方向において組付けられており、左プレート12A内と右プレート12B内とは、連通されている。
【0030】
プレート12には、シフト体としての樹脂製で長尺略円柱状のレバー14(
図1参照)が配置されている。レバー14の上下方向(長手方向、軸方向)中間部には、支持部としての略球状の球軸16が一体に設けられており、球軸16の中心は、レバー14の中心軸線上に配置されている。球軸16は、プレート12の上壁(左プレート12Aの上壁と右プレート12Bの上壁との間)に回転可能に支持されており、レバー14の下側部分は、プレート12内に配置されている。
【0031】
球軸16には、円筒状(円柱状でもよい)の回動軸16Aが一対一体に設けられており、一対の回動軸16Aは、それぞれ球軸16から左方及び右方に突出されている。一対の回動軸16Aは、それぞれ球軸16の中心を通過する左右方向線と同軸上に配置されており、一対の回動軸16Aは、プレート12の上壁に対する中心軸線周りの回転及び上下方向への回動を許可されている。このため、レバー14は、球軸16の回転及び一対の回動軸16Aの中心軸線周りの回転によって、第1方向としての前後方向(シフト方向)に回動可能にされると共に、球軸16の回転及び一対の回動軸16Aの上下方向への回動によって、第2方向としての左右方向(セレクト方向)に回動可能にされている。
【0032】
レバー14の上側部分は、プレート12の上側に延出されており、レバー14は、上端部において、車両の乗員(例えば運転手)が回動操作可能にされている。レバー14は、シフト位置としての「H」位置(ホーム位置)に配置されており、レバー14は、「H」位置から後方に回動操作されて、シフト位置としての「B」位置(ブレーキ位置)に配置されると共に、「H」位置から左方(右方でもよい)に回動操作されて、シフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置)に配置される。さらに、レバー14は、「N」位置から後方に回動操作されて、シフト位置としての「D」位置(ドライブ位置)に配置されると共に、「N」位置から前方に回動操作されて、シフト位置としての「R」位置(リバース位置)に配置される。
【0033】
レバー14の下端には、湾曲部としての略湾曲矩形板状のフランジ18(
図2参照)が一体に設けられており、フランジ18は、レバー14から前後方向両側及び左右方向両側に突出されている。フランジ18は、レバー14と一体回動可能にされており、レバー14が前方、後方、左方及び右方に回動操作されることで、それぞれフランジ18が後方、前方、右方及び左方に回動される。フランジ18の下面は、湾曲面としての湾曲矩形状の回動湾曲面18Aにされており、回動湾曲面18Aの中央(重心)は、レバー14の中心軸線上に配置されている。回動湾曲面18Aは、レバー14の前後方向への回動中心軸線周りの回動周方向に沿って湾曲されており、回動湾曲面18Aは、左右方向において湾曲されていない。
【0034】
レバー14の下側部分には、前後方向両側及び左右方向両側において、補強部としての略台形板状のリブ20(
図6及び
図7のみに図示)が設けられており、リブ20は、レバー14側端全体がレバー14と一体にされると共に、上端全体が球軸16と一体にされている。リブ20は、下端全体がフランジ18と一体にされると共に、下端のフランジ18周面側端がフランジ18の周面位置に配置されており、リブ20は、フランジ18を補強している。
【0035】
プレート12とレバー14との間には、付勢手段としての節度機構22(
図6及び
図7のみに図示)が設けられている。
【0036】
節度機構22には、付勢部を構成する移動部材としての略円柱状のディテントピン24が設けられており、ディテントピン24は、レバー14の下端部内に同軸上に挿入(嵌入)されている。ディテントピン24の下側部分は、レバー14から下側に突出されており、ディテントピン24の下端面は、半球面状に突出されている。
【0037】
レバー14の下端部内には、ディテントピン24の上側において、付勢部を構成する付勢部材としてのディテントスプリング(コイルスプリング、図示省略)が設けられており、ディテントスプリングは、圧縮されて、ディテントピン24を下側に付勢している。
【0038】
節度機構22には、節度部材としてのディテントスロープ(図示省略)が設けられており、ディテントスロープは、ディテントピン24の下側において、プレート12内に固定されている。ディテントスロープの上面には、ディテントピン24の下端面がディテントスプリングの付勢力により当接されており、これにより、レバー14にディテントスプリングの付勢力が作用されている。ディテントスロープの上面は、傾斜されており、レバー14は、ディテントスプリングの付勢力により「H」位置に配置されている。レバー14は、ディテントスプリングの付勢力に抗して「H」位置から前後方向及び左右方向に回動可能にされており、レバー14が「H」位置以外に配置された状態でレバー14への回動力の作用が解除された際には、レバー14がディテントスプリングの付勢力により「H」位置に回動(復帰)される。
【0039】
プレート12内の左端かつ後端には、当接部としての略矩形柱状のHストッパ26(
図2及び
図6参照)が設けられており、Hストッパ26は、プレート12(左プレート12A)の左壁及び後壁と一体にされている。Hストッパ26の前面は、レバー14のフランジ18の左端部後面の後側直近に配置されており、フランジ18の左端部後面がHストッパ26の前面に当接(例えば面接触)されて、フランジ18の後方への回動が規制されることで、レバー14の「H」位置から前方への回動操作が規制される(
図3(A)及び
図3(B)参照)。
【0040】
また、レバー14が「H」位置の周囲(「H」位置を含む)で左右方向に回動操作される際には、Hストッパ26がフランジ18の左右方向への回動を許容する(
図3(A)参照)。このため、Hストッパ26がレバー14の「H」位置周囲での左右方向への回動操作を許容する。さらに、レバー14が「N」位置より「R」位置側(前側)で前後方向に回動操作される際には、フランジ18の後端部左面がHストッパ26の右面の右側直近に配置される(
図5(B)参照)。このため、Hストッパ26がレバー14の「N」位置より「R」位置側での前後方向への回動操作を許容する。
【0041】
プレート12内の左端かつ前端には、規制部としての略矩形柱状のB規制部28(
図2及び
図6参照)が設けられており、B規制部28は、プレート12(左プレート12A)の左壁及び前壁と一体にされている。B規制部28は、フランジ18の左端部の前側直近に配置されており、B規制部28の上面は、湾曲部(規制湾曲面)としてのB湾曲面28Aにされている。B湾曲面28Aは、フランジ18の左端部前面の前側直近に配置されると共に、レバー14が「H」位置より「B」位置側(後側)で前後方向に回動操作される際におけるフランジ18の回動湾曲面18Aの前後方向への回動軌跡に沿って湾曲されている(
図3(A)参照)。
【0042】
このため、レバー14が「H」位置より「B」位置側で前後方向に回動操作される際には、回動湾曲面18AがB湾曲面28Aに摺動されつつ前後方向に回動されて(B湾曲面28Aの上側直近を前後方向に回動されてもよい)、B湾曲面28Aが回動湾曲面18Aの前後方向への回動を許容することで、レバー14の「H」位置より「B」位置側での前後方向への回動操作が許容される。一方、レバー14が「H」位置より「B」位置側に回動操作された状態で、レバー14が左右方向に回動操作される際には、回動湾曲面18Aが回動径方向側においてB湾曲面28Aに接触(面接触)されて、B湾曲面28Aが回動湾曲面18Aの左右方向への回動を規制することで、レバー14の「H」位置より「B」位置側での左右方向への回動操作が規制される。
【0043】
また、レバー14が「H」位置の周囲(「H」位置を含む)で左右方向に回動操作される際には、B規制部28がフランジ18の左右方向への回動を許容する(
図3(A)参照)。このため、B規制部28がレバー14の「H」位置周囲での左右方向への回動操作を許容する。さらに、レバー14が「N」位置より「D」位置側(後側)で前後方向に回動操作される際には、フランジ18の前端部左面がB規制部28の右面の右側直近に配置される。このため、B規制部28がレバー14の「N」位置より「D」位置側での前後方向への回動操作を許容する。
【0044】
プレート12内の左端かつ前端には、B規制部28の上側において、当接部としての略矩形柱状のBストッパ30(
図6参照)が設けられており、Bストッパ30は、B規制部28と一体にされると共に、プレート12(左プレート12A)の左壁及び前壁と一体にされている。Bストッパ30の後面は、B規制部28の後面の前側に配置されており、レバー14が「H」位置から「B」位置(後方)に回動操作されて、フランジ18が前方に回動された際には、フランジ18の左端部前面がBストッパ30の後面に当接(面接触)されて、フランジ18の前方への回動が規制されることで、レバー14の「B」位置から後方への回動操作が規制される。
【0045】
プレート12内の右端かつ前端には、規制部としての略矩形柱状のD規制部32(
図2及び
図7参照)が設けられており、D規制部32は、プレート12(右プレート12B)の右壁及び前壁と一体にされている。D規制部32は、フランジ18の右端部の前側直近かつ右側直近に配置されており、D規制部32の上面は、湾曲部(規制湾曲面)としてのD湾曲面32Aにされている。D湾曲面32Aは、レバー14が「N」位置に配置された際におけるフランジ18の右端部前面の前側直近に配置されると共に、レバー14が「N」位置より「D」位置側(後側)で前後方向に回動操作されてフランジ18が前後方向に回動される際におけるフランジ18の回動湾曲面18Aの回動軌跡に沿って湾曲されている(
図5(A)及び
図5(C)参照)。
【0046】
このため、レバー14が「N」位置より「D」位置側で前後方向に回動操作される際には、回動湾曲面18AがD湾曲面32Aに摺動されつつ前後方向に回動されて(D湾曲面32Aの上側直近を前後方向に回動されてもよい)、D湾曲面32Aが回動湾曲面18Aの前後方向への回動を許容することで、レバー14の「N」位置より「D」位置側での前後方向への回動操作が許容される。一方、レバー14が「N」位置より「D」位置側に回動操作された状態で、レバー14が左右方向に回動操作される際には、回動湾曲面18Aが回動径方向側においてD湾曲面32Aに接触(面接触)されて、D湾曲面32Aが回動湾曲面18Aの左右方向への回動を規制することで、レバー14の「N」位置より「D」位置側での左右方向への回動操作が規制される。
【0047】
また、レバー14が「N」位置の周囲(「N」位置を含む)で左右方向に回動操作される際には、D規制部32がフランジ18の左右方向への回動を許容する(
図5(A)及び
図5(C)参照)。このため、D規制部32がレバー14の「N」位置周囲での左右方向への回動操作を許容する。さらに、レバー14が「H」位置より「B」位置側(後側)で前後方向に回動操作される際には、フランジ18の前端部右面がD規制部32の左面の左側直近に配置される。このため、D規制部32がレバー14の「H」位置より「B」位置側での前後方向への回動操作を許容する。
【0048】
プレート12内の右端かつ前端には、D規制部32の上側において、当接部としての略矩形柱状のDストッパ34(
図7参照)が設けられており、Dストッパ34は、D規制部32と一体にされると共に、プレート12(右プレート12B)の右壁及び前壁と一体にされている。Dストッパ34の後面は、D規制部32の後面の前側に配置されており、レバー14が「N」位置から「D」位置(後方)に回動操作されて、フランジ18が前方に回動された際には、フランジ18の右端部前面がDストッパ34の後面に当接(面接触)されて、フランジ18の前方への回動が規制されることで、レバー14の「D」位置から後方への回動操作が規制される。
【0049】
プレート12内の右端かつ後端には、規制部としての略矩形柱状のR規制部36(
図2及び
図7参照)が設けられており、R規制部36は、プレート12(右プレート12B)の右壁及び後壁と一体にされている。R規制部36は、フランジ18の右端部の後側直近かつ右側直近に配置されており、R規制部36の上面は、湾曲部(規制湾曲面)としてのR湾曲面36Aにされている。R湾曲面36Aは、レバー14が「N」位置に配置された際におけるフランジ18の右端部後面の後側直近に配置されると共に、レバー14が「N」位置より「R」位置側(前側)で前後方向に回動操作されてフランジ18が前後方向に回動される際におけるフランジ18の回動湾曲面18Aの回動軌跡に沿って湾曲されている(
図5(A)、
図5(B)及び
図5(C)参照)。
【0050】
このため、レバー14が「N」位置より「R」位置側で前後方向に回動操作される際には、回動湾曲面18AがR湾曲面36Aに摺動されつつ前後方向に回動されて(R湾曲面36Aの上側直近を前後方向に回動されてもよい)、R湾曲面36Aが回動湾曲面18Aの前後方向への回動を許容することで、レバー14の「N」位置より「R」位置側での前後方向への回動操作が許容される。一方、レバー14が「N」位置より「R」位置側に回動操作された状態で、レバー14が左右方向に回動操作される際には、回動湾曲面18Aが回動径方向側においてR湾曲面36Aに接触(面接触)されて、R湾曲面36Aが回動湾曲面18Aの左右方向への回動を規制することで、レバー14の「N」位置より「R」位置側での左右方向への回動操作が規制される。
【0051】
また、レバー14が「N」位置の周囲(「N」位置を含む)で左右方向に回動操作される際には、R規制部36がフランジ18の左右方向への回動を許容する(
図5(A)、
図5(B)及び
図5(C)参照)。このため、R規制部36がレバー14の「N」位置周囲での左右方向への回動操作を許容する。
【0052】
プレート12内の右端かつ後端には、R規制部36の上側において、当接部としての略矩形柱状のRストッパ38(
図7参照)が設けられており、Rストッパ38は、R規制部36と一体にされると共に、プレート12(右プレート12B)の右壁及び後壁と一体にされている。Rストッパ38の前面は、R規制部36の前面の後側に配置されており、レバー14が「N」位置から「R」位置(前方)に回動操作されて、フランジ18が後方に回動された際には、フランジ18の右端部後面がRストッパ38の前面に当接(面接触)されて、フランジ18の後方への回動が規制されることで、レバー14の「R」位置から前方への回動操作が規制される。
【0053】
また、レバー14が「H」位置と「N」位置との中間に配置された際には、フランジ18の後面の後側直近にHストッパ26及びR規制部36の前面が配置されると共に、フランジ18の前面の前側直近にB規制部28及びD規制部32の後面が配置される(
図4参照)。このため、レバー14が「H」位置と「N」位置との中間で左右方向に回動操作される際には、Hストッパ26、R規制部36、B規制部28及びD規制部32がフランジ18の左右方向への回動を許容することで、レバー14の「H」位置と「N」位置との中間での左右方向への回動操作が許容される。一方、レバー14が「H」位置と「N」位置との中間で前後方向に回動操作される際には、フランジ18の後面と前面とがそれぞれHストッパ26及びR規制部36の前面とB規制部28及びD規制部32の後面とに当接(例えば面接触)されて、フランジ18の前後方向への回動が規制されることで、レバー14の「H」位置と「N」位置との中間での前後方向への回動操作が規制される。
【0055】
以上の構成のシフトレバー装置10では、レバー14が「H」位置より「B」位置側、「N」位置より「D」位置側及び「N」位置より「R」位置側で左右方向に回動操作される際に、それぞれ、レバー14のフランジ18の回動湾曲面18Aが回動径方向側においてB規制部28のB湾曲面28A、D規制部32のD湾曲面32A及びR規制部36のR湾曲面36Aに接触されることで、回動湾曲面18Aの左右方向への回動がB湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aによって規制されて、レバー14の「H」位置より「B」位置側、「N」位置より「D」位置側及び「N」位置より「R」位置側での左右方向への回動操作が規制される。
【0056】
このため、レバー14の左右方向への回動を規制するためにB規制部28、D規制部32及びR規制部36に作用される左右方向(フランジ18の左右方向への回動周方向)への荷重を小さくでき、B規制部28、D規制部32及びR規制部36の左右方向における強度を低くできる。このため、B規制部28、D規制部32及びR規制部36の左右方向寸法を小さくでき、シフトレバー装置10を左右方向において小型化できる。
【0057】
しかも、仮に、レバー14が「B」位置と「D」位置との間で回動周方向のみにおいて規制板に接触されて、レバー14の「B」位置と「D」位置との間での回動が規制される場合において、レバー14が「B」位置と「D」位置との間で必要角度回動される状態を維持しつつ、規制板の左右方向寸法を大きくして規制板の強度を確保するためには、レバー14の回動中心と規制板との上下方向距離を大きくする必要がある。一方、シフトレバー装置10では、B規制部28及びD規制部32の左右方向寸法を大きくするためにレバー14の回動中心(球軸16の中心)とB規制部28及びD規制部32との上下方向距離を大きくする必要がない。このため、レバー14の回動中心とB規制部28、D規制部32及びR規制部36との上下方向距離を小さくできて、シフトレバー装置10を上下方向において小型化できる。
【0058】
さらに、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、レバー14の前後方向への回動中心軸線周りの回動周方向に沿って湾曲されると共に、左右方向において湾曲されていない。このため、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、回動湾曲面18Aの前後方向への回動を許容できて、レバー14の前後方向への回動を許容できる。さらに、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、回動湾曲面18Aの左右方向への回動を規制できて、レバー14の左右方向への回動を規制できる。しかも、回動湾曲面18AがB湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aに面接触でき、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、回動湾曲面18Aの左右方向への回動を効果的に規制できて、レバー14の左右方向への回動を効果的に規制できる。
【0059】
また、レバー14が「H」位置と「N」位置との中間で前後方向に回動操作される際には、Hストッパ26、R規制部36、B規制部28及びD規制部32がフランジ18の前後方向への回動を規制することで、レバー14の「H」位置と「N」位置との中間での前後方向への回動操作が規制される。このため、レバー14の「H」位置と「N」位置との中間での前後方向への回動操作を規制する部材をHストッパ26、R規制部36、B規制部28及びD規制部32とは別に設ける必要をなくすことができ、プレート12内の構成を簡単にできると共に、プレート12を小型化できる。
【0060】
さらに、フランジ18の周面(前面及び後面)がHストッパ26、Bストッパ30、Dストッパ34及びRストッパ38に当接されて、フランジ18の前後方向への回動が規制されることで、レバー14の前後方向への回動が規制される。このため、レバー14にフランジ18とは別にHストッパ26、Bストッパ30、Dストッパ34及びRストッパ38に当接される部分を設ける必要をなくすことができて、レバー14の構成を簡単にできると共に、レバー14を小型化でき、さらに、プレート12内でのレバー14の配置スペースを小さくできてプレート12を小型化できる。しかも、Bストッパ30、Dストッパ34及びRストッパ38をそれぞれB規制部28、D規制部32及びR規制部36に一体にできて、プレート12内の構成を簡単にできると共に、プレート12を一層小型化できる。
【0061】
また、レバー14の下端にフランジ18が設けられると共に、レバー14の下端部内に節度機構22のディテントピン24が配置されて、レバー14の同一位置にフランジ18及びディテントピン24が配置されている。このため、レバー14の別の位置にフランジ18とディテントピン24とを配置する必要をなくすことができて、レバー14の構成を簡単にできると共に、レバー14を小型化でき、さらに、プレート12内でのレバー14の配置スペースを小さくできてプレート12を小型化できる。
【0062】
さらに、リブ20がフランジ18と一体にされてフランジ18を補強しており、リブ20が、レバー14と一体にされるのみならず、球軸16とも一体にされている。このため、リブ20がフランジ18を効果的に補強できる。
【0063】
また、左プレート12Aと右プレート12Bとが組付けられてプレート12が構成されると共に、プレート12内にフランジ18が配置されており、左プレート12A内にHストッパ26、B規制部28及びBストッパ30が設けられると共に、右プレート12B内にD規制部32、Dストッパ34、R規制部36及びRストッパ38が設けられている。このため、左プレート12Aと右プレート12Bとを組付けると共に、プレート12内にフランジ18を配置することで、Hストッパ26、B規制部28、Bストッパ30、D規制部32、Dストッパ34、R規制部36及びRストッパ38の間にフランジ18を配置でき、シフトレバー装置10を容易に組付けることができる。
【0064】
なお、本実施形態では、レバー14のフランジ18設置位置内に節度機構22のディテントピン24を配置した。しかしながら、レバー14のフランジ18設置位置内に節度機構22のディテントスプリングを配置してもよい。
【0065】
また、本実施形態では、レバー14の回動中心の下側に、フランジ18、Hストッパ26、B規制部28、Bストッパ30、D規制部32、Dストッパ34、R規制部36及びRストッパ38を配置した。しかしながら、レバー14の回動中心の上側に、フランジ18、Hストッパ26、B規制部28、Bストッパ30、D規制部32、Dストッパ34、R規制部36及びRストッパ38を配置してもよい。
【0066】
さらに、本実施形態において、回動湾曲面18AとB湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aの少なくとも1つとの一方に凸部を設けると共に、回動湾曲面18AとB湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aの少なくとも1つとの他方に凹部を設けて、レバー14が前後方向に回動される際に、凸部が凹部に沿って前後方向に相対回動されてもよい。これにより、凸部の側面と凹部の側面とが左右方向において接触される場合には、回動湾曲面18Aの左右方向への回動を効果的に規制できて、レバー14の左右方向への回動を効果的に規制できる。しかも、凸部の頂面と凹部の底面とがレバー14の回動径方向側において接触される場合にも、回動湾曲面18Aの左右方向への回動を効果的に規制できて、レバー14の左右方向への回動を効果的に規制できる。
【0067】
また、本実施形態では、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、レバー14の前後方向への回動中心軸線周りの回動周方向に沿って湾曲される。しかしながら、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aは、レバー14の前後方向への回動周方向において湾曲されればよい。例えば、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aの少なくとも1つが、レバー14の前後方向への回動中心周りの回動周方向において湾曲されてもよい。
【0068】
さらに、本実施形態では、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、左右方向において湾曲されていない。しかしながら、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aは、レバー14の左右方向への回動周方向に沿って湾曲されなければよい。
【0069】
また、本実施形態では、レバー14を略球状の球軸16によって前後方向及び左右方向に回動可能に支持した。しかしながら、レバー14を他の軸(例えば複数の柱状の軸)によって前後方向及び左右方向に回動可能に支持してもよい。
【0070】
さらに、本実施形態では、レバー14のシフトパターンを、「H」位置及び「B」位置と「R」位置、「N」位置及び「D」位置とがそれぞれ前後方向に配置されると共に、「H」位置と「N」位置とが左右方向に配置されるものにした。しかしながら、レバー14のシフトパターンは、これに限定されない。例えば、レバー14のシフトパターンを、「H」位置、「R」位置、「N」位置、「D」位置及び「B」位置の少なくとも2つと「+」位置(プラス位置)、「M」位置(マニュアル位置)及び「−」位置(マイナス位置)とがそれぞれ前後方向に配置されると共に、例えば「D」位置と「M」位置とが左右方向に配置されるものにしてもよい。これにより、レバー14のシフト位置が「M」位置から「+」位置又は「−」位置に変更されることで、車両の変速機のギヤ段をプラス又はマイナスできる。
【0071】
また、本実施形態では、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、レバー14のシフト方向への回動を許容すると共に、レバー14のセレクト方向への回動を規制する。しかしながら、回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36Aが、レバー14のセレクト方向への回動を許容すると共に、レバー14のシフト方向への回動を規制してもよい。
【0072】
さらに、本実施形態では、レバー14及び規制部(R規制部36、B規制部28及びD規制部32)に湾曲面(回動湾曲面18A、B湾曲面28A、D湾曲面32A及びR湾曲面36A)を設けて、レバー14と規制部とが面接触される。しかしながら、レバー14及び規制部の一方に湾曲面を設けてもよく、しかも、例えば湾曲面に凹部位を設けてレバー14と規制部とが線接触又は点接触されてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、シフトレバー装置10をフロア式のものにして車室の床部に設置した。しかしながら、シフトレバー装置10を車室のインストルメントパネルやステアリングコラムに設置してもよい。