(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1重畳部に含まれた前記第2平坦化膜と、前記発光素子の前記第1電極、及び前記第2重畳部に含まれた前記第2平坦化膜と、前記発光素子の前記第1電極が、所定の角度で傾斜したことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
前記第1バンクの厚さと前記第2バンクの厚さは均一で、前記第1バンクの厚さと前記第2バンクの厚さが、前記第2平坦化膜の最も厚い部分よりも薄いことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
前記第1バンクと前記第2バンクと重畳する前記発光素子の一部が、前記第1バンクと前記第2バンクの不均一な厚さに該当する角度で傾斜したことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図とともに詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示を完全にして本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されているものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義される。
【0022】
本発明の実施例を説明するために図で開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本発明は、図示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するに当たって、関連する公知技術に対する詳細な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0023】
本明細書で言及した「含む」、「有する」、「なされる」などが用いられている場合は、「〜のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0024】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0025】
位置関係の説明の場合、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜の横に」など2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐ」または「直接」が使用されない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0026】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「〜後に」、「〜に続いて」、「〜次に」、「〜前に」など、時間的前後関係が説明されている場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、連続しない場合も含むことができる。
【0027】
第1、第2など、多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0028】
「X軸方向」、「Y軸方向」および「Z軸方向」とは、互いの関係が垂直方向に成り立った幾何学的な関係だけに解釈してはならず、本発明の構成は、機能的に作用し得る範囲内より広い方向性を有することを意味し得る。
【0029】
「少なくとも一つ」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むことができると理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目の中から少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目または第3項目の各々のみならず、第1項目、第2項目及び第3項目の中から2以上から提示し得るすべての項目の組み合わせを意味し得る。
【0030】
本発明のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的に、または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例は、互いに独立して実施可能であり得、連関関連によって一緒に実施することもできる。
【0031】
以下、添付した図を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。
【0032】
図2は、本発明の一実施例による有機発光表示装置を示した斜視図である。
図3は
図2の第1基板、ゲート駆動部、ソースドライブIC、軟性フィルム、回路基板、およびタイミング制御部を示した平面図である。
【0033】
図2及び
図3を参照すると、本発明の実施例による有機発光表示装置100は、表示パネル110、ゲート駆動部120、ソースドライブ集積回路(integrated circuit、以下「IC」と称する)130、軟性フィルム140、回路基板150、およびタイミング制御部160を含む。
【0034】
表示パネル110は、第1基板111と第2の基板112を含む。第2の基板112は、封止基板であり得る。第1の基板111と第2の基板112は、プラスチックまたはガラス(glass)であり得る。
【0035】
第2基板112と向き合う第1基板111の一面上には、ゲートライン、データライン、および画素(P)が形成される。画素(P)は、ゲートラインとデータラインの交差構造によって定義される領域に設けられる。
【0036】
画素(P)のそれぞれは、薄膜トランジスタと、第1電極、有機発光層、及び第2電極を備える有機発光素子を含むことができる。一般的に、薄膜トランジスタは、他の種類の適切なトランジスタに置き換えることができる。例えば、トランジスタは電界効果トランジスタのソース電極に該当する第1制御電極、電界効果トランジスタのドレイン電極に該当する第2制御電極、および電界効果トランジスタのゲート電極に該当する制御電極を含むことができる。この場合、トランジスタは、第1制御電極と第2制御電極との間に流れる電流を制御することができる。画素(P)のそれぞれは、薄膜トランジスタを用いて、ゲートラインからゲート信号が入力される場合は、データラインのデータ電圧に応じて、有機発光素子に所定の電流を供給する。これにより、画素(P)のそれぞれの有機発光素子は、所定の電流に応じて所定の明るさで発光することができる。画素(P)のそれぞれに対する詳細な説明は、
図4を結びつけて後述する。
【0037】
表示パネル110は、
図3のように画素が形成されて画像を表示する表示領域(DA)と画像を表示しない非表示領域(NDA)に区分することができる。表示領域(DA)には、ゲートライン、データライン、および画素(P)が形成され得る。非表示領域(NDA)には、ゲート駆動部120とパッドが形成され得る。
【0038】
ゲート駆動部120は、タイミング制御部160から入力するゲート制御信号に応じてゲートラインにゲート信号を供給する。ゲート駆動部120は、表示パネル110の表示領域(DA)の一側または両側の外側の非表示領域(DA)にGIP(gate driver in panel)方式で形成することができる。または、ゲート駆動部120は、駆動チップに製作して軟性フィルムに実装してTAB(tape automated bonding)方式で表示パネル110の表示領域(DA)の一側または両側の外側の非表示領域(DA)に付着することもできる。
【0039】
ソースドライブIC130は、タイミング制御部160からデジタルビデオデータとソース制御信号が入力する。ソースドライブIC130は、ソース制御信号に応じて、デジタルビデオデータをアナログデータ電圧に変換してデータラインに供給する。ソースドライブIC130が駆動チップに製作される場合、COF(chip on film)またはCOP(chip on plastic)方式で軟性フィルム140に実装することができる。
【0040】
表示パネル110の非表示領域(NDA)には、データパッドのようなパッドが形成され得る。軟性フィルム140には、パッドとソースドライブIC130を接続する配線、パッドと回路基板150の配線を接続する配線が形成され得る。軟性フィルム140は、異方性導電フィルム(antisotropic conducting film)を用いて、パッド上に付着され、これにより、パッドと軟性フィルム140の配線を接続することができる。
【0041】
回路基板150は、軟性フィルム140に付着することができる。回路基板150は、駆動チップに具現された多数の回路を実装し得る。例えば、回路基板150には、タイミング制御部160が実装され得る。回路基板150は、プリント回路基板(printed circuit board)またはフレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit board)であり得る。
【0042】
タイミング制御部160は、回路基板150のケーブルを通じて外部のシステムボードからデジタルビデオデータとタイミング信号が入力する。タイミング制御部160は、タイミング信号に基づいて、ゲート駆動部120の動作タイミングを制御するためのゲート制御信号とソースドライブIC130を制御するためのソース制御信号を発生する。タイミング制御部160は、ゲート制御信号をゲート駆動部120に供給して、ソース制御信号をソースドライブIC130に供給する。
【0043】
図4は、表示領域の画素の一例を詳細に示した平面図である。
図5は
図4のI−I’を示した断面図である。
【0044】
図4及び
図5を参照すると、第2基板112と向き合う第1基板111の一面上には、バッファ膜210が形成される。バッファ膜210は、透湿に脆弱な第1基板111を通じて浸透する水分から薄膜トランジスタ220と、有機発光素子280を保護するために、第1基板111の一面上に形成される。バッファ膜210は、交互に積層された複数の無機膜からなり得る。たとえば、バッファ膜210は、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、SiONのいずれかひとつ、または複数の無機膜が交互に積層された多重膜で形成することができる。バッファ膜210は、省略することができる。
【0045】
バッファ膜210上には、薄膜トランジスタ220が形成される。薄膜トランジスタ220のそれぞれは、アクティブ層221、ゲート電極222、ソース電極223およびドレイン電極224を含む。
図5では、薄膜トランジスタ220がゲート電極222がアクティブ層221の上部に位置する上部ゲート(トップゲート、top gate)方式で形成された例を示したが、これに限定されないことに注意しなければならない。つまり、薄膜トランジスタ220は、ゲート電極222がアクティブ層221の下部に位置する下部ゲート(ボトムゲート、bottom gate)方式またはゲート電極222がアクティブ層221の上部と下部の両方に位置するダブルゲート(double gate)方式で形成することができる。
【0046】
バッファ膜210上には、アクティブ層221が形成される。アクティブ層221は、シリコン系半導体物質や酸化物系半導体物質で形成することができる。バッファ膜210と、アクティブ層221との間には、アクティブ層221に入射する外部光を遮断するための遮光層が形成され得る。
【0047】
アクティブ層221上には、ゲート絶縁膜220が形成され得る。ゲート絶縁膜230は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはこれらの多重膜で形成することができる。
【0048】
ゲート絶縁膜220上には、ゲート電極222とゲートラインが形成され得る。ゲート電極222とゲートラインは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成することができる。
【0049】
ゲート電極222とゲートライン上には、層間絶縁膜240が形成され得る。層間絶縁膜240は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはこれらの多重膜で形成することができる。
【0050】
層間絶縁膜240上には、ソース電極223、ドレイン電極224、およびデータラインが形成され得る。ソース電極223とドレイン電極224のそれぞれは、ゲート絶縁膜230と層間絶縁膜240を貫通するコンタクトホール(C1)を通じてアクティブ層221に接続することができる。ソース電極223、ドレイン電極224、およびデータラインは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)と銅(Cu)のいずれか、またはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成することができる。
【0051】
ソース電極223、ドレイン電極224、およびデータライン上には、薄膜トランジスタ220を絶縁するための保護膜250が形成され得る。保護膜250は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはこれらの多重膜で形成することができる。
【0052】
保護膜250上には、薄膜トランジスタ220による段差を平坦にするための第1平坦化膜260が形成され得る。第1平坦化膜260は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成することができる。
【0053】
保護膜250と第1平坦化膜260には、保護膜250と第1平坦化膜260を貫通して薄膜トランジスタ220のドレイン電極224を露出させるコンタクトホール(CNT)が形成される。コンタクトホール(CNT)は、
図4に示したように、発光部(EA)と重畳するように形成される。
図4ではコンタクトホール(CNT)の一部が発光部(EA)に重畳する例を示したが、これに限定されず、コンタクトホール(CNT)のすべてが発光部(EA)に重畳することができる。
【0054】
第1平坦化膜260上には、補助電極281aが形成される。補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)を通じて薄膜トランジスタのドレイン電極224に接続することができる。
図5では、補助電極281aが薄膜トランジスタ220のドレイン電極224に接続された例を示したが、薄膜トランジスタ220のソース電極223に接続することもできる。また、
図5において、補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)の一部に部分的に充たされる。
図5に示したように、補助電極281aは、発光素子280の電極と薄膜トランジスタ220の電極に直接接続することができる。
【0055】
補助電極281a上には、第2平坦化膜270が形成され得る。第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)による段差を平坦にするためにコンタクトホール(CNT)の残っている一部に充たされる。第2平坦化膜270は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成することができる。
【0056】
第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)の段差を埋めるためにコンタクトホール(CNT)を覆うように形成される。これにより、第2平坦化膜270は、
図4に示したようにコンタクトホール(CNT)より広く形成することができる。しかし、本発明の実施例は、これに限定されない。つまり、第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)と同じか狭く形成することができる。本発明の実施例では、コンタクトホール(CNT)の幅は、発光部(EA)の幅よりも広いことがあり得る。または、コンタクトホール(CNT)の幅は、発光部(EA)の幅よりも狭いことがあり得る。また、本発明の実施例では、コンタクトホール(CNT)は、発光部(EA)と、様々な範囲で重畳することができる。例えば、コンタクトホール(CNT)の10%〜95%が発光部(EA)と重畳することができる。
【0057】
また、第2平坦化膜270は、
図4に示したように、発光部(EA)より広く形成することができる。この場合、発光部(EA)で第1電極281b、有機発光層282、及び第2電極283が第2平坦化膜270上に形成されるので、発光部(EA)で有機発光層282が均一な厚さに形成され得るので、発光部(EA)は、均一な光を出力することができる。
【0058】
第2平坦化膜270の製造工程上の特徴によって、第2平坦化膜270の厚さ(t2)は、第1平坦化膜260の厚さ(t1)よりも厚く形成することができる。したがって、第2平坦化膜270の一部、例えば中央部の厚さは、第1平坦化膜260の厚さよりも厚いことがあり得る。第2平坦化膜270の厚さ(t2)が第1平坦化膜260の厚さ(t1)より厚く形成される理由に対する詳細な説明は、
図8a及び
図8bを結びつけて後述する。
【0059】
第2平坦化膜270上には、有機発光素子280が形成される。有機発光素子280は、第1電極281b、有機発光層282、及び第2電極283を含む。第1電極281b、有機発光層282、及び第2電極283が積層された領域は、発光部(EA)と定義される。第1電極281bは、アノード電極であり、第2電極283は、カソード電極であり得る。
【0060】
第1電極281bは、第2平坦化膜270上に形成することができる。
図4に示したように、第1電極281bは、補助電極281aより広く形成され得、これにより、第2平坦化膜270によって覆われない補助電極281aは、第1電極281bと接続することができる。
図4では、第1電極281bと補助電極281aがコンタクトホール(CNT)の両側面の外側で接続される例を示したが、これに限定されない。つまり、第1電極281bと補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)の少なくともいずれか一側面の外側で相互に接続することができる。
【0061】
補助電極281aと、第1電極281bは、互いに同一の物質からなり得る。または、補助電極281aと、第1電極281bのそれぞれは、1つの金属層または2層以上の金属層からなり得る。
【0062】
補助電極281aと、第1電極281bのそれぞれは、透明な金属物質または不透明な金属物質で形成することができる。透明な金属物質はITO、IZOのようなTCO(Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)であり得る。不透明な金属物質は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、またはAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)であり得る。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である。
【0063】
例えば、第1電極281bは、アルミニウム(Al)または銀(Ag)のように反射率の高い金属物質と透明な金属物質を含む2層以上の積層構造からなり、補助電極281aはモリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、またはアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)のように抵抗が低い金属物質からなり得る。また、反射面積を最大限に広く形成するために、第1電極281bは、透明な金属物質からなり、補助電極281aは、アルミニウム(Al)または銀(Ag)のように反射率の高い金属物質からなり得る。
【0064】
バンク284は、発光部(EA)を区画するための第1平坦化膜260上で第1電極281bの端部を覆うように形成することができる。バンク284が形成された領域は、光を発光しないので、非発光部として定義することができる。例えば、第1バンク(左側バンク)は、補助電極281aの第1重畳部(左側端)、第2平坦化膜270、および発光素子の第1電極281b上に形成され得る。また、第2バンク(右側バンク)は、補助電極281aの第2重畳部(右側端)、第2平坦化膜270、および発光素子の第1電極281b上に形成することができる。つまり、発光部(EA)を定義する役割をする。バンク284の厚さ(t3)は、第1平坦化膜260と、有機発光層282との間の距離(t4)よりも厚く形成することができる。また、
図5に示された実施例では、バンク284の厚さは均一であり得る。
【0065】
一方、第2平坦化膜270は、凸状に形成される。第2平坦化膜270が、
図5に示したように、凸に形成されるため、第2平坦化膜は不均一な厚さを有する。また、有機発光層282は、ステップカバレッジ(step coverage)特性が良くない蒸発蒸着法のような方法で形成されるため、第2平坦化膜270の傾斜部で薄く形成され得る。これにより、第2平坦化膜270の傾斜部で、第1電極281aまたは有機発光層282の電荷生成層と第2電極283が短絡し得る。ステップカバレッジは、所定の蒸着方法により蒸着された膜が、段差が形成された部分でも切れずにつながるように形成されていることを指す。しかし、本発明の実施例ではバンク284は、第2平坦化膜270の傾斜部を覆うように形成されるので、第2平坦化膜270の傾斜部で、第1電極281aまたは有機発光層282の電荷生成層と第2電極283が短絡することを防止することができる。
【0066】
第1電極281bとバンク284上には、有機発光層282が形成される。有機発光層282は、正孔輸送層(hole transporting layer)、発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。この場合、第1電極281bと第2電極283に電圧が印加されると正孔と電子がそれぞれ正孔輸送層と電子輸送層を通じて発光層に移動するようになり、発光層で互いに結合して発光することになる。
【0067】
有機発光層282は、白色光を発光する白色発光層であり得る。この場合、有機発光層282は、
図5に示したように、第1電極281bとバンク284を覆うように形成することができる。また、この場合、カラーフィルタ321、322、323が発光部(EA)に重畳するように形成することができる。
【0068】
または、有機発光層282は、赤色光を発光する赤色発光層、緑色光を発光する緑色発光層、及び青色光を発光する青色発光層を含むことができる。この場合、発光部(EA)は、赤色発光層を含む赤色発光部、緑色発光層を含む緑色発光部、および青色発光層を含む青色発光部に区分することができ、赤色発光部、緑色発光部、および青色発光部のそれぞれは、カラーフィルタを含まないことがあり得る。赤色発光層は、赤色発光部の第1電極281b上に形成され、緑色発光層は、緑色発光部お第1電極281b上に形成され、青色発光層は、青色発光部の第1電極281b上に形成され得る。
【0069】
第2電極283は、有機発光層282上に形成される。第2電極283は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成することができる。第2電極283上にキャッピング層(capping layer)が形成され得る。
【0070】
第2電極283上には、封止膜290が形成される。封止膜290は、有機発光層282と第2電極283に酸素または水分が浸透することを防止する役割をする。このため、封止膜290は、少なくとも一つの無機膜と少なくとも一つの有機膜を含むことができる。
図5では、封止膜290が第1無機膜291、有機膜292及び第2無機膜293を含む例を示したが、これに限定されない。
【0071】
第1無機膜291は、第2電極283を覆うように、第2電極283上に形成される。有機膜292は、第1無機膜291を覆うように、第1無機膜291上に形成される。有機膜292は、異物(particles)が第1無機膜291を突破し、有機発光層282と第2電極283に投入されることを防止するために、これを考慮して、十分な厚さに形成することが好ましい。第2無機膜293は、有機膜292を覆うように有機膜292上に形成される。
【0072】
第1及び第2無機膜のそれぞれは、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。有機膜は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)で形成することができる。
【0073】
第1基板111と向き合う第2基板112上には、カラーフィルタ321、322、323とブラックマトリックス310が形成され得る。赤色発光部には赤色カラーフィルタ323が形成され、青色発光部には青色カラーフィルタ322が形成され、緑色発光部には、緑色カラーフィルタ321が形成され得る。ブラックマトリックス(BM)は、カラーフィルタ321、322、323との間に配置され得る。有機発光層282が赤色光を発光する赤色発光層、緑色光を発光する緑色発光層、青色光を発光する青色発光層を含む場合、カラーフィルタ321、322、323とブラックマトリックス310は省略することができる。
【0074】
第1基板111の封止膜290と第2基板112のカラーフィルタ321、322、323は、接着層330を用いて接着され、これにより、第1基板111と第2基板112は、合着され得る。接着層330は、透明な接着レジンであり得る。
【0075】
以上で説明したように、本発明の実施例は、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成し、コンタクトホール(CNT)の段差を平坦化するために、コンタクトホール(CNT)に第2平坦化膜270を充たす。これにより、本発明の実施例は、有機発光層を第2平坦化膜270上に均一な厚さで形成することができるので、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成しても発光部(EA)から光を均一に出力することができる。
【0076】
また、有機発光素子は、時間の経過とともに劣化するため、有機発光表示装置で有機発光素子の寿命を延ばすことは非常に重要である。有機発光層が発光する発光部の面積を広げる場合、有機発光素子の寿命を延長することができる。本発明の実施例は、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成することができるので、発光部(EA)の面積をコンタクトホール(CNT)の面積に依存しないようにすることができる。その結果、本発明の実施例は、コンタクトホール(CNT)の面積に拘ることなしに、発光部(EA)の面積を設計することができるので、発光部(EA)の面積を最大化することができ、有機発光層の寿命を改善することができる。
【0077】
また、本発明の実施例は、発光部(EA)の面積を最大化することにより、非発光部の面積を最小限に抑えることができる。これにより、本発明の実施例は、ヘッドマウントディスプレイに適用する場合、非発光部が格子形状に見えることを防止することができる。
【0078】
図6は、本発明の一実施例による有機発光表示装置の製造方法を示した流れ図である。
図7a〜
図7gは、本発明の一実施例による有機発光表示装置の製造方法を説明するためのI−I’の断面図である。
【0079】
図7a〜
図7gに示された断面図は、前述した
図5に示された有機発光表示装置の製造方法に関するもので、同一の構成に対しては同一の符号を付与した。以下では、
図6及び
図7a〜
図7gを結びつけて、本発明の一実施例による有機発光表示装置の製造方法を詳細に説明する。
【0080】
最初に、
図7aに示したように、第1基板111上に薄膜トランジスタ220、保護膜250、及び第1平坦化膜260を形成する。
【0081】
薄膜トランジスタ220を形成する前に、第1基板111を通じて浸透する水分から保護するために第1基板111上にバッファ膜210を形成することができる。バッファ膜210は、透湿に脆弱な第1基板111を通じて浸透する水分から薄膜トランジスタ220と、有機発光素子260を保護するためのもので、交互に積層された複数の無機膜からなり得る。たとえば、バッファ膜210は、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、SiONのいずれか一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜で形成することができる。バッファ膜210は、CVD法(Chemical Vapor Deposition)を用いて形成することができる。
【0082】
次に、バッファ膜上に薄膜トランジスタのアクティブ層221を形成する。詳細には、スパッタリング法(Sputtering)またはMOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)などを用いて、バッファ膜210上の全面にアクティブ金属層を形成する。そして、フォトレジストパターンを用いたマスク工程でアクティブ金属層をパターニングして、アクティブ層221を形成する。アクティブ層221は、シリコン系半導体物質や酸化物系半導体物質で形成することができる。
【0083】
そして、アクティブ層221上にゲート絶縁膜210を形成する。ゲート絶縁膜210は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはこれらの多重膜で形成することができる。ゲート絶縁膜210は、CVD法を用いて形成することができる。
【0084】
次に、ゲート絶縁膜210上に薄膜トランジスタ220のゲート電極222とゲートラインを形成する。詳細には、スパッタリング法やMOCVD法などを用いて、ゲート絶縁膜210上の全面に第1金属層を形成する。次に、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で、第1金属層をパターニングしてゲート電極222とゲートラインを形成する。ゲート電極222とゲートラインは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成することができる。
【0085】
そして、ゲート電極222上に層間絶縁膜230を形成する。層間絶縁膜230は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはこれらの多重膜で形成することができる。層間絶縁膜230は、CVD法を用いて形成することができる。
【0086】
次に、ゲート絶縁膜210と層間絶縁膜230を貫通して、アクティブ層221を露出させるコンタクトホール(C1)を形成する。
【0087】
次に、層間絶縁膜230上に薄膜トランジスタ220のソース電極223およびドレイン電極224と、データラインを形成する。詳細には、スパッタリング法またはMOCVD法などを用いて層間絶縁膜230上の全面に第2金属層を形成する。次に、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で第2金属層をパターニングして、ソース電極223およびドレイン電極224と、データラインを形成する。ソース電極223およびドレイン電極224のそれぞれは、ゲート絶縁膜210と層間絶縁膜230を貫通するコンタクトホール(C1)を通じてアクティブ層221に接続することができる。ソース電極223およびドレイン電極224と、データラインは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、銅(Cu)のいずれか、またはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成することができる。
【0088】
そして、薄膜トランジスタ220のソース電極223およびドレイン電極224上に保護膜250を形成する。保護膜250は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはこれらの多重膜で形成することができる。保護膜250は、CVD法を用いて形成することができる。
【0089】
そして、保護膜250上に薄膜トランジスタ220による段差を平坦化するための第1平坦化膜260を形成する。第1平坦化膜260は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成することができる(
図6のS101)。
【0090】
第二に、
図7bに示したように保護膜250と第1平坦化膜260を貫通して薄膜トランジスタ220のソース電極223またはドレイン電極224を露出させるコンタクトホール(CNT)を形成する(
図6のS102)。
【0091】
第三に、
図7cに示したように、第1平坦化膜260上に補助電極281aを形成する。補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)を通じて薄膜トランジスタ220のソース電極223またはドレイン電極224に接続することができる。
【0092】
詳細には、スパッタリング法やMOCVD法などを用いて、第1平坦化膜260上の全面に第3金属層を形成する。そして、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で第3金属層をパターニングして補助電極281aを形成する。
【0093】
補助電極281aは、透明な金属物質または不透明な金属物質で形成することができる。透明な金属物質は、ITO、IZOのようなTCO(Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)であり得る。不透明な金属物質は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、またはAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)であり得る。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である(
図6のS103)。
【0094】
第四に、
図7dに示したように補助電極281a上に第2平坦化膜270を形成する。第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)による段差を平坦にするためにコンタクトホール(CNT)に充たされる。
【0095】
詳細には、
図8aに示したように、第1平坦化膜260と補助電極281a上に有機物質270’をコーティングする。有機物質270’は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)であり得る。有機物質270’は、スリットコーティング(slit coating)、スピンコーティング(spin coating)、または蒸発法(Evaporation)を用いて、第1平坦化膜260と補助電極281a上に形成することができる。有機物質270’は、コンタクトホール(CNT)に充たすように形成される。
【0096】
そして、
図8bに示したように、最終的にコンタクトホール(CNT)上にマスク(M)を配置した後、フォトリソグラフィ工程を用いて、マスク(M)が配置されない領域に形成された有機物質270’を現像(development)する。その結果、第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)を覆うように形成することができる。
【0097】
以上で説明したように、
図8a及び
図8bに示したように、フォトリソグラフィ工程を用いて、第2平坦化膜270を形成する場合、第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)に充たされるだけでなく、第1平坦化膜260上に形成された補助電極281aの一部を覆うように形成することができる。したがって、
図8a及び
図8bに示したように、フォトリソグラフィ工程を用いて、第2平坦化膜270を形成する場合、第2平坦化膜270の厚さ(t2)は、第1平坦化膜260の厚さ(t1)より厚く形成することができる。これにより、第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)より広く形成することができる(
図6のS104)。
【0098】
第五に、
図7eに示したように、第2平坦化膜270上に第1電極281bを形成する。第1電極281bは、第1平坦化膜260上で第2平坦化膜270によって覆われていない補助電極281aと接続することができる。
【0099】
詳細には、スパッタリング法やMOCVD法などを用いて、第1及び第2平坦化膜260、270上の全面に第4金属層を形成する。そして、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で、第4金属層をパターニングして第1電極281bを形成する。
【0100】
第1電極281bは、透明な金属物質または不透明な金属物質で形成することができる。透明な金属物質は、ITO、IZOなどのTCO(Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)であり得る。不透明な金属物質は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、またはAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)であり得る。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である(
図6のS105)。
【0101】
第六に、
図7fに示したようにバンク284、有機発光層282、第2電極283、および封止膜290を順番に形成する。
【0102】
まず、発光部(EA)を区画するために、第1電極281bの端部を覆うようにバンク284を形成する。バンク284は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成することができる。
【0103】
そして、第1電極281bとバンク284上に有機発光層282を形成する。有機発光層282は、蒸着工程または溶液工程で形成することができる。有機発光層282が蒸着工程で形成される場合、蒸発法(Evaporation)を用いて形成することができる。
【0104】
有機発光層262が発光部(EA)に共通して形成される共通層である場合、有機発光層262は、白色光を発光する白色発光層で形成することができる。有機発光層262が白色発光層である場合、2スタック(stack)以上のタンデム構造で形成することができる。スタックのそれぞれは、正孔輸送層(hole transporting layer)、少なくとも一つの発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。また、スタックの間には、電荷生成層が形成され得る。電荷生成層は、下部スタックと隣接して位置するn型電荷生成層とn型電荷生成層上に形成されて、上部スタックと隣接して位置するp型電荷生成層を含むことができる。n型電荷生成層は、下部スタックに電子(electron)を注入して、p型電荷生成層は、上部スタックに正孔(hole)を注入する。n型電荷生成層は、Li、Na、K、またはCsなどのアルカリ金属、またはMg、Sr、Ba、またはRaなどのアルカリ土類金属でドープされた有機層からなり得る。p型電荷生成層は、正孔輸送能力がある有機物質にドーパントがドーピングされてなり得る。
【0105】
次に、有機発光層282上に第2電極283を形成する。第2電極283は、発光部(EA)に共通して形成される共通の層であり得る。第2電極283は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成することができる。第2電極283上にキャッピング層(capping layer)が形成され得る。
【0106】
次に、第2電極283上に封止膜290を形成する。封止膜290は、有機発光層282と第2電極283に酸素または水分が浸透することを防止する役割をする。このため、封止膜290は、少なくとも一つの無機膜と少なくとも一つの有機膜を含むことができる。
【0107】
例えば、封止膜290は、第1無機膜291、有機膜292及び第2無機膜293を含むことができる。この場合、第1無機膜291は、第2電極283を覆うように形成される。有機膜292は、第1無機膜を覆うように形成される。有機膜292は、異物(particles)が第1無機膜291を突破し、有機発光層282と第2電極283に投入されることを防止するために十分な厚さで形成することが好ましい。第2無機膜293は、有機膜を覆うように形成される。
【0108】
第1および第2無機膜291、293のそれぞれは、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。有機膜292は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)で形成することができる。(
図6のS106)
【0109】
第七に、
図7gに示したように接着層330を用いて、第1基板111の封止膜290と第2基板112のカラーフィルタ321、322、323を接着することにより、第1基板111と第2基板112を合着する。接着層330は、透明な接着レジンであり得る。(
図6のS107)
【0110】
図9は、
図4のI−I’の別の例を示した断面図である。
【0111】
図9は、バンク284が第1電極281bとの間で、第2平坦化膜270による段差を埋めるように形成されることを除き、
図5を結びつけて説明したのと実質的に同一である。したがって、
図9は、バンク284を除いた残りの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0112】
バンク284は、発光部(EA)を区画するための第1平坦化膜260上で第1電極281bの端部を覆うように形成することができる。バンク284が形成された領域は、光を発光しないので、非発光部として定義することができる。例えば、第1バンク(左側バンク)は、補助電極281aの第1重畳部(左側端)、第2平坦化膜270、および発光素子の第1電極281b上に形成され得る。また、第2バンク(右側バンク)は、補助電極281aの第2重畳部(右側端)、第2平坦化膜270、および発光素子の第1電極281b上に形成することができる。第1バンクと第2バンクによって覆われない補助電極281bの一部は、発光領域(EA)の幅で定義することができる。つまり、バンク284は、発光領域(EA)を定義する。バンク284の厚さ(t5)は、第2平坦化膜270の厚さ(t2)よりも薄く形成することができる。
図9に示したように、バンク284の厚さは不均一であり得る。また、
図9に示したように、第1重畳部に含まれる発光素子280の第1電極281bと第2平坦化膜270、及び第2重畳部に含まれる発光素子280の第1電極281bと第2平坦化膜270は、第1及び第2バンクの不均一な厚さに該当する角度で傾斜するように形成することができる。
【0113】
一方、第2平坦化膜270は、凸状に形成される。第2平坦化膜270は、
図9に示したように、凸に形成されるため、不均一な厚さを有し得る。また、有機発光層282は、ステップカバレッジ(step coverage)特性が良くない蒸発蒸着法のような方法で形成されるため、第2平坦化膜270の傾斜部で薄く形成され得る。これにより、第2平坦化膜270の傾斜部で、第1電極281aまたは有機発光層282の電荷生成層と第2電極283が短絡し得る。ステップカバレッジは、所定の蒸着方法によって蒸着された膜が段差が形成された部分でも切れずにつながるように形成されていることを指す。しかし、本発明の実施例では、バンク284は、第2平坦化膜270の傾斜部を覆うように形成されるので、第2平坦化膜270の傾斜部で、第1電極281aまたは有機発光層282の電荷生成層と第2電極283が短絡することを防止することができる。
【0114】
図10は、本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法を示した流れ図である。
図11a〜
図11cは、本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法を説明するためのI−I’の断面図である。
【0115】
図10に示された本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法は、
図6のS106工程のバンク284、有機発光層282、第2電極283、および封止膜290を形成する工程を除き、
図6及び
図7a〜
図7gを結びつけて説明したのと実質的に同一である。したがって、以下では、
図10および
図11a〜
図11cを結びつけて、バンク284、有機発光層282、第2電極283、および封止膜290を形成する工程に対して詳細に説明する。
図11a〜
図11cに示された断面図は、前述した
図9に示された有機発光表示装置の製造方法に関するもので、同一の構成に対しては同一の符号を付与した。
【0116】
以下では、
図10および
図11a〜
図11cを結びつけてS201乃至S203の工程を詳細に説明する。
【0117】
まず、
図11aに示したように、第1平坦化膜260と、第1電極281b上に有機物質284’をコーティングする。
【0118】
有機物質284’は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)であり得る。有機物質284’は、スリットコーティング(slit coating)、スピンコーティング(spin coating)、または蒸発法(Evaporation)を用いて、第1平坦化膜260と、第1電極281b上に形成することができる。有機物質284’は、第2平坦化膜260との間を埋めるように形成することができる(
図10のS201)。
【0119】
次に、
図11bに示したように、有機物質284’をドライエッチング(dry etch)してバンク284を形成する。ドライエッチング物質は、有機物質284’をエッチングすることができるが、第1電極281bをエッチングすることができない物質を選択することが好ましい。
【0120】
ドライエッチング工程を用いて、バンク284を形成する場合、バンク284は、第2平坦化膜270との間に充たすように形成することができる。特に、第2平坦化膜270との間に充たされバンク284は、ドライエッチングによって凹に形成することができる。したがって、ドライエッチング工程を用いて、バンク284を形成する場合、バンク284の厚さ(t5)は、発光部(EA)で第1平坦化膜260と、有機発光層282との間の距離(t6)より薄く形成することができる(
図10のS202)。
【0121】
次に、
図11cに示したように、有機発光層282、第2電極283、および封止膜290を順番に形成する。
【0122】
第1電極281bとバンク284上に有機発光層282を形成する。有機発光層282は、蒸着工程または溶液工程で形成することができる。有機発光層282が蒸着工程で形成される場合、蒸発法(Evaporation)を用いて形成することができる。
【0123】
有機発光層282が発光部(EA)に共通して形成される共通層である場合、有機発光層282は、白色光を発光する白色発光層で形成することができる。有機発光層282が白色発光層である場合、2スタック(stack)以上のタンデム構造で形成することができる。スタックのそれぞれは、正孔輸送層(hole transporting layer)、少なくとも一つの発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。また、スタックの間には、電荷生成層が形成され得る。電荷生成層は、下部スタックと隣接して位置するn型電荷生成層とn型電荷生成層上に形成されて上部スタックと隣接して位置するp型電荷生成層を含むことができる。n型電荷生成層は、下部スタックに電子(electron)を注入して、p型電荷生成層は、上部スタックに正孔(hole)を注入する。n型電荷生成層は、Li、Na、K、またはCsなどのアルカリ金属、またはMg、Sr、Ba、またはRaなどのアルカリ土類金属でドープされた有機層からなり得る。 p型電荷生成層は、正孔輸送能力がある有機物質にドーパントをドーピングしてなり得る。
【0124】
そして、有機発光層282上に第2電極283を形成する。第2電極283は、発光部(EA)に共通して形成される共通層であり得る。第2電極283は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成することができる。第2電極283上にキャッピング層(capping layer)が形成され得る。
【0125】
そして、第2電極283上に封止膜290を形成する。封止膜290は、有機発光層282と第2電極283に酸素または水分が浸透することを防止する役割をする。このため、封止膜290は、少なくとも一つの無機膜と少なくとも一つの有機膜を含むことができる。
【0126】
例えば、封止膜290は、第1無機膜291、有機膜292及び第2無機膜293を含むことができる。この場合、第1無機膜291は、第2電極283を覆うように形成される。有機膜292は、第1無機膜を覆うように形成される。有機膜292は、異物(particles)が第1無機膜291を突破し、有機発光層282と第2電極283に投入されることを防止するために十分な厚さで形成することが好ましい。第2無機膜293は、有機膜を覆うように形成される。
【0127】
第1及び第2無機膜291、293のそれぞれは、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。有機膜292は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)で形成することができる(
図10のS203)。
【0128】
図12は、表示領域の画素の別の例を詳細に示した平面図である。
図13は、
図12のII−II’の他の例を示した断面図である。
【0129】
図12及び
図13に示された有機発光表示装置の画素(P)は、第2平坦化膜270、補助電極281a、及び第1電極281bを除き
図4及び
図5を結びつけて説明したのと実質的に同一である。したがって、
図12及び
図13は、第2平坦化膜270、補助電極281a、及び第1電極281bを除いた他の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0130】
補助電極281aは、第1平坦化膜260上に形成される。補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)を通じて薄膜トランジスタのドレイン電極224に接続することができる。
図13は、補助電極281aが薄膜トランジスタ220のドレイン電極224に接続された例を示したが、薄膜トランジスタ220のソース電極223に接続することもできる。
【0131】
補助電極281a上には、第2平坦化膜270が形成され得る。第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)による段差を平坦にするために、コンタクトホール(CNT)に充たされる。第2平坦化膜270の厚さがコンタクトホール(CNT)の厚さよりも薄く、第1平坦化膜260の厚さよりも薄くなるように第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)に充たすことができる。第2平坦化膜270は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成することができる。
【0132】
第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)の段差を埋めるためにコンタクトホール(CNT)を充たすように形成される。
図13は、第2平坦化膜270がコンタクトホール(CNT)と実質的に同じ例を示したが、これに限定されない。つまり、第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)より狭く形成することができる。
【0133】
第2平坦化膜270の製造工程上の特徴により、第2平坦化膜270の厚さ(t7)は、第1平坦化膜260の厚さ(t1)よりも薄く形成することができる。第2平坦化膜270の厚さ(t7)が第1平坦化膜260の厚さ(t1)より薄く形成される理由の詳細な説明は、
図15a及び
図15bを結びつけて後述する。
【0134】
第1電極281bは、第2平坦化膜270上に形成することができる。
図12に示したように、第1電極281bは、補助電極281aより広く形成することができる。また、
図12に示したように補助電極281aと、第1電極281bは、それぞれ、第2平坦化膜270よりも広く形成することができる。第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)だけを充たすように形成されるので、補助電極281aは、第1平坦化膜260上で第1電極281bと接続することができる。
図6は、第1電極281bと補助電極281aがコンタクトホール(CNT)の両側面の外側で接続される例を示したが、これに限定されない。つまり、第1電極281bと補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)の少なくともいずれか一側面の外側で相互に接続することができる。
【0135】
補助電極281aと、第1電極281bは、互いに同一の物質からなり得る。または、補助電極281aと、第1電極281bのそれぞれは、単一の金属層または2層以上の金属層からなり得る。
【0136】
補助電極281aと、第1電極281bのそれぞれは、透明な金属物質または不透明な金属物質で形成することができる。透明な金属物質はITO、IZOなどのTCO(Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)であり得る。不透明な金属物質は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、またはAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)であり得る。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である。
【0137】
例えば、第1電極281bは、アルミニウム(Al)または銀(Ag)のように反射率の高い金属物質と透明な金属物質を含む2層以上の積層構造からなり、補助電極281aはモリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、またはアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)のように抵抗が低い金属物質からなり得る。また、反射面積を最大限に広く形成するために、第1電極281bは、透明な金属物質からなり、補助電極281aは、アルミニウム(Al)または銀(Ag)のように反射率の高い金属物質からなり得る。
【0138】
図14は、本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法を示した流れ図である。
図15a及び
図15bは、本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法を説明するためのII−II’の断面図である。
【0139】
図14に示された本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法は、
図6のS104工程の第2平坦化膜270を形成する工程を除き
図6及び
図7a〜
図7gを結びつけて説明したのと実質的に同一である。したがって、以下では、
図14、
図15a、及び
図15bを結びつけて、第2平坦化膜270を形成する工程に対して詳細に説明する。
図15a及び
図15bに示された断面図は、前述した
図13に示された有機発光表示装置の製造方法に関するもので、同一の構成に対しては同一の符号を付与した。
【0140】
以下では、
図14、
図15a及び
図15bを結びつけてS301およびS302工程を詳細に説明する。
【0141】
まず、
図15aに示したように、第1平坦化膜260と補助電極281a上に有機物質270’をコーティングする。有機物質270’は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)であり得る。有機物質270’は、スリットコーティング(slit coating)、スピンコーティング(spin coating)、または蒸発法(Evaporation)を用いて、第1平坦化膜260と補助電極281a上に形成することができる。有機物質270’は、コンタクトホール(CNT)を充たすように形成される。
【0142】
次に、
図15bに示したように、有機物質270’をドライエッチング(dry etch)して、第2平坦化膜270を形成する。ドライエッチング物質は、有機物質270’をエッチングすることができるが、補助電極281aをエッチングすることができない物質を選択することが好ましい。
【0143】
以上で説明したように、ドライエッチング工程を用いて、第2平坦化膜270を形成する場合、第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)にのみ充たすことができる。特に、コンタクトホール(CNT)に充たされた第2平坦化膜270は、ドライエッチングにより、第1平坦化膜260に比べてくぼんで形成することができる。したがって、ドライエッチング工程を用いて、第2平坦化膜270を形成する場合、第2平坦化膜270の厚さ(t7)は、第1平坦化膜260の厚さ(t1)よりも薄く形成され得る。これにより、第2平坦化膜270は、コンタクトホール(CNT)と実質的に同じかコンタクトホール(CNT)より狭く形成することができる。
【0144】
図16は、
図12のII−II’の他の例を示した断面図である。
【0145】
図16は、第2平坦化膜270の代わりに補助電極281aがコンタクトホール(CNT)を充たすように形成されることを除き、
図5を結びつけて説明したのと実質的に同一である。したがって、
図16は、第2平坦化膜270が省略され得る。
図16は、補助電極281aを除いた残りの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0146】
補助電極281aは、第1平坦化膜260上に形成される。補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)を通じて薄膜トランジスタのドレイン電極224に接続することができる。
図5では、補助電極281aが薄膜トランジスタ220のドレイン電極224に接続された例を示したが、薄膜トランジスタ220のソース電極223に接続することもできる。
【0147】
補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)による段差を平坦にするために、コンタクトホール(CNT)に充たされる。つまり、補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)の段差を埋めるためにコンタクトホール(CNT)を完全に埋めるように形成される。(例えば、補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)を覆うように形成される。)これにより、補助電極281aは、
図16のようにコンタクトホール(CNT)より広く形成することができる。しかし、本発明の実施例は、これに限定されない。つまり、補助電極281aは、コンタクトホール(CNT)と同じか狭く形成することができる。
【0148】
また、補助電極281aは、発光部(EA)より広く形成することができる。この場合、発光部(EA)で第1電極281b、有機発光層282、及び第2電極283が補助電極281a上に形成されるので、発光部(EA)で有機発光層282が均一な厚さに形成され得るので、発光部(EA)は、均一な光を出力することができる。
【0149】
補助電極281aは、透明な金属物質または不透明な金属物質で形成することができる。透明な金属物質はITO、IZOなどのTCO(Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)であり得る。不透明な金属物質は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、またはAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)であり得る。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である。
【0150】
以上で説明したように、本発明の実施例は、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成し、コンタクトホール(CNT)の段差を平坦化するために、補助電極281aがコンタクトホール(CNT)を充たすように形成する。これにより、本発明の実施例は、有機発光層282を補助電極281a上に均一な厚さで形成することができるので、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成しても発光部(EA)から光を均一に出力することができる。
【0151】
また、有機発光素子は、時間の経過とともに劣化するため、有機発光表示装置で有機発光素子の寿命を延ばすことは非常に重要である。有機発光層が発光する発光部の面積を広げる場合、有機発光素子の寿命を延長することができる。本発明の実施例は、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成することができるので、発光部(EA)の面積をコンタクトホール(CNT)の面積に依存しないようにすることができる。その結果、本発明の実施例は、コンタクトホール(CNT)の面積に拘ることなく、発光部(EA)の面積を設計することができるので、発光部(EA)の面積を最大化することができ、有機発光層の寿命を改善することができる。
【0152】
また、本発明の実施例は、発光部(EA)の面積を最大化することにより、非発光部の面積を最小限に抑えることができる。これにより、本発明の実施例は、ヘッドマウントディスプレイに適用する場合、非発光部が格子形状に表示されることを防止することができる。
【0153】
図17は、本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法を示した流れ図である。
図18a〜
図18bは、本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法を説明するためのII−II’の断面図である。
【0154】
図17に示された本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法のS401、S402、S405、およびS406の工程は、
図6のS101、S102、S106、およびS107の工程と実質的的に同一である。したがって、
図17に示された本発明のまた他の実施例による有機発光表示装置の製造方法のS401、S402、S405、およびS406工程の詳細な説明は省略する。
図18a〜
図18cに示された断面図は、前述した
図16に示された有機発光表示装置の製造方法に関するもので、同一の構成に対しては同一の符号を付与した。
【0155】
以下では、
図17および
図18a〜
図18cを結びつけてS403、S404の工程を詳細に説明する。
【0156】
まず、
図18aに示したようにコンタクトホール(CNT)を充たす第3金属層281a’を第1平坦化膜260上の全面に形成する。コンタクトホール(CNT)を充たすために、第3金属層281a’は、液体状態の導電層をコーティングして硬化して形成することができる。
【0157】
そして、
図18bに示したように、第4金属層281bを第3金属層281a’上の全面に形成する。第4金属層81b’は、スパッタリング法やMOCVD法などを用いて形成することができる。
【0158】
次に、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で、第3及び第4金属層281a’、281b’を同時にパターニングして補助電極281aと、第1電極281bを形成する。
【0159】
補助電極281aと、第1電極281bのそれぞれは、透明な金属物質または不透明な金属物質で形成することができる。透明な金属物質はITO、IZOなどのTCO(Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)であり得る。不透明な金属物質は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、またはAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)であり得る。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である。
【0160】
例えば、第1電極281bは、アルミニウム(Al)または銀(Ag)のように反射率の高い金属物質と透明な金属物質を含む2層以上の積層構造からなり、補助電極281aはモリブデン(Mo)、モリブデンとチタンの積層構造(Mo/Ti)、銅(Cu)、またはアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)のように抵抗が低い金属物質からなり得る。また、反射面積を最大限に広く形成するために、第1電極281bは、透明な金属物質からなり、補助電極281aは、アルミニウム(Al)または銀(Ag)のように反射率の高い金属物質からなり得る(
図17のS403、S404)。
【0161】
図19は、表示領域の画素のまた別の例を詳細に示した平面図である。
【0162】
図19に示された表示領域の画素(P)は、正方形の形態に形成したことを除き、
図4を結びつけて説明したのと実質的に同一である。したがって、
図19は、画素(P)の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0163】
本発明の実施例は、画素(P)を
図19に示したように正方形の形態に形成する場合、
図4に示したように長方形形態に形成する場合よりも、発光部(EA)の面積を一方向(上下方向)だけでなく他の方向(左右方向)に拡張することができるので、より一層広げることができる。その結果、本発明の実施例は、有機発光層の寿命を向上させることができるだけでなく、非発光部の面積を最小限に抑えることができる。
【0164】
また、本発明の実施例は、画素(P)を
図19に示したように正方形の形態に形成する場合、第1電極281bをコンタクトホール(CNT)のすべての側面の外側で補助電極281aと接続することができるので、補助電極281a、第1電極281b、およびコンタクトホール(CNT)の形成時に工程誤差が発生した場合にも、第1電極281bをコンタクトホール(CNT)の少なくともいずれか一側面の外側で補助電極281aと接続することができる。
【0165】
一方、
図19のIII−III’の断面構造は、
図5のI−I’の断面図または
図9のI−I’の断面図と実質的に同一であり得る。
【0166】
図20は、表示領域の画素のまた別の例を詳細に示した平面図である。
【0167】
図20に示された表示領域の画素(P)は、正方形の形態に形成されたことを除き、
図12を結びつけて説明したのと実質的に同一である。したがって、
図20は、画素(P)の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0168】
本発明の実施例は、画素(P)を
図20のように正方形形態に形成する場合、
図12に示したように長方形形態に形成する場合よりも、発光部(EA)の面積を一方向(上下方向)だけでなく他の方向(左右方向)にさらに広げることができる。その結果、本発明の実施例は、有機発光層の寿命を向上させることができるだけでなく、非発光部の面積を最小限に抑えることができる。
【0169】
また、本発明の実施例は、画素(P)を
図20のように正方形形態に形成する場合、第1電極281bをコンタクトホール(CNT)のすべての側面の外側で補助電極281aと接続することができるので、補助電極281a、第1電極281b、およびコンタクトホール(CNT)の形成時に工程誤差が発生した場合にも、第1電極281bをコンタクトホール(CNT)の少なくともいずれか一側面の外側で補助電極281aと接続することができる。
【0170】
一方、
図20のIV−IV’の断面構造は、
図13のII−II’の断面図または
図16のII−II’の断面図と実質的に同一であり得る。
【0171】
図21a及び
図21bは、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイを示した例示図である。
【0172】
図21a及び
図21bを参照すると、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、ディスプレイ収納ケース10、左眼レンズ20aと右眼レンズ20b、およびヘッド装着バンド30を含む。
【0173】
ディスプレイ収納ケース10は、ディスプレイ装置を収納し、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bにディスプレイ装置の映像を提供する。ディスプレイ装置は、本発明の実施例による有機発光表示装置であり得る。本発明の実施例による有機発光表示装置は、
図2〜
図20を結びつけて、既に前詳しく説明した。
【0174】
ディスプレイ収納ケース10は、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bに同じ映像を提供するように設計することができる。または、ディスプレイ収納ケース10は、左眼レンズ20aに左眼映像が表示され、右眼レンズ20bに右眼映像が表示されるように設計することができる。
【0175】
ディスプレイ収納ケース10内には、
図22に示したように左眼レンズ20aの前に配置される左眼用有機発光表示装置11と右眼レンズ20bの前に配置される右眼用有機発光表示装置12が収納され得る。
図22は、ディスプレイ収納ケース10を上から眺めた時の断面図を示す。左眼用の有機発光表示装置11は、左眼映像を表示して、右眼用の有機発光表示装置12は、右眼映像を表示することができる。これにより、左眼用有機発光表示装置11に表示される左眼映像は左眼レンズ20aを通じて使用者の左眼(LE)に映り、右眼用の有機発光表示装置11に表示される右眼映像は右眼レンズ20bを通じて使用者の右眼(RE)に映る。
【0176】
また、
図22で左眼レンズ20aと左眼用の有機発光表示装置11との間と、右眼レンズ20bと右眼用有機発光表示装置12との間には、拡大レンズを追加で配置することができる。この場合、拡大レンズにより左眼用の有機発光表示装置11と右眼用有機発光表示装置12に表示される映像は、使用者に拡大して映り得る。
【0177】
ディスプレイ収納ケース10内には、
図23のように左眼レンズ20aと右眼レンズ20bの前に配置されるミラー反射板13と鏡反射板13上に配置される有機発光表示装置14が収納され得る。
図23は、ディスプレイ収納ケース10を横から眺めた時の断面図を示す。有機発光表示装置14は、ミラー反射板13の方向に映像を表示して、ミラー反射板13は、有機発光表示装置14の映像を左眼レンズ20aと右眼レンズ20bの方向に全反射する。これにより、有機発光表示装置14に表示される映像は、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bに提供することができる。
図23は、説明の便宜上、左眼レンズ20aと使用者の左眼(LE)のみ図示した。
図23のように鏡反射板13を用いる場合、ディスプレイ収納ケース10は、薄く形成することができる。
【0178】
また、
図22で左眼レンズ20aと鏡反射板13との間と、右眼レンズ20bと鏡反射板13との間には、拡大レンズを追加で配置することができる。この場合、拡大レンズにより左眼用の有機発光表示装置11と右眼用有機発光表示装置12に表示される映像は、使用者に拡大して映り得る。
【0179】
ヘッド装着バンド30は、ディスプレイ収納ケース10に固定される。ヘッド装着バンド30は、使用者の頭の上面と両側面を囲むように形成された例を示したが、これに限定されない。ヘッド装着バンド30は、使用者の頭にヘッドマウントディスプレイを固定するためのもので、メガネフレームの形態やヘルメットの形態で形成することもできる。
【0180】
一方、従来のヘッドマウントディスプレイは、使用者の目の前にすぐに有機発光表示装置の映像が見えるので、
図1のように、非発光領域が格子形状に見える問題がある。しかし、本発明の実施例は、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成し、コンタクトホール(CNT)の段差を平坦化するために、コンタクトホール(CNT)に第2平坦化膜270を充たす。これにより、本発明の実施例は、有機発光層を第2平坦化膜270上に均一な厚さで形成することができるので、コンタクトホール(CNT)を発光部(EA)と重畳するように形成しても発光部(EA)から光を均一に出力することができる。したがって、本発明の実施例は、発光部(EA)の面積を最大化することにより、非発光部の面積を最小限に抑えることができ、これにより、ヘッドマウントディスプレイに適用する場合、
図24に示したように、非発光部が格子形状に表示されることを防止することができる。
【0181】
以上、添付した図を参照して、本発明の実施例をより詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施することができる。したがって、本発明の開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、これらの実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定的ではないと理解されなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈され、それと同等範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。