特許第6605449号(P6605449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605449
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】燃焼圧センサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 23/10 20060101AFI20191031BHJP
【FI】
   G01L23/10
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-510428(P2016-510428)
(86)(22)【出願日】2015年3月25日
(86)【国際出願番号】JP2015059137
(87)【国際公開番号】WO2015147061
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2018年2月5日
(31)【優先権主張番号】特願2014-67066(P2014-67066)
(32)【優先日】2014年3月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和生
(72)【発明者】
【氏名】曽我 嘉彦
【審査官】 山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/003965(WO,A1)
【文献】 特開昭62−168685(JP,A)
【文献】 特開2006−308223(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/147260(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 23/10
G01L 19/06
B23K 26/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、先端側に接合面を有する開口部を設けたケース部材と、このケース部材の接合面に面接触することにより当該開口部を閉塞する接合面を有し、かつ燃焼圧が作用する受圧部材と、前記接合面同士を接合する溶接部と、前記ケース部材に収容し、前記受圧部材から伝達される燃焼圧に基づく加圧力を信号に変換する圧電素子とを備えてなる燃焼圧センサにおいて、少なくとも前記一方の接合面における一方の縁辺側に、当該一方の接合面を他方の縁辺から一定の溶接深さに限定し、かつ対向する前記他方の接合面に対して所定の隙間を形成する所定の逃げ部を設けるとともに、前記一方の接合面における前記他方の縁辺から、少なくとも前記限定した接合面を全て含む溶接部を設け、前記逃げ部に接した前記接合面における前記溶接部の幅は、前記逃げ部の前記隙間よりも大きく設定してなることを特徴とする燃焼圧センサ。
【請求項2】
前記逃げ部は、前記受圧部材又は前記ケース部材の少なくとも一方に形成した段差部により設けることを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧センサ。
【請求項3】
前記段差部と前記接合面との間に曲面を設けることを特徴とする請求項2に記載の燃焼圧センサ。
【請求項4】
前記段差部は、前記ケース部材及び前記受圧部材に設け、かつ各段差部に前記曲面を設けるとともに、前記受圧部材に設ける当該曲面は、前記ケース部材に設ける当該曲面に対して曲率を大きく設定することを特徴とする請求項3に記載の燃焼圧センサ。
【請求項5】
前記受圧部材又は前記ケース部材の少なくとも一方に、前記一方の縁辺から突出形成することにより前記逃げ部を覆う突起部を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の燃焼圧センサ。
【請求項6】
前記突起部は、前記受圧部材又は前記ケース部材の他方の縁辺より内側に位置させることを特徴とする請求項5記載の燃焼圧センサ。
【請求項7】
前記受圧部材には、燃焼圧が作用するダイアフラムを用いるとともに、前記ケース部材には、当該ダイアフラムの外周に沿った接合面に対して接合する接合面を有する円筒形状のハウジングを用いることを特徴とする請求項1記載の燃焼圧センサ。
【請求項8】
ケース部材の先端側に有する開口部に設けた接合面に、燃焼圧が作用する受圧部材に設けた接合面を面接触させ、前記接合面同士を、溶接部を介して接合することにより前記開口部を閉塞するとともに、前記ケース部材に、前記受圧部材から伝達される燃焼圧に基づく加圧力を信号に変換して出力する圧電素子を収容することにより、燃焼圧センサを製造する燃焼圧センサの製造方法において、予め、少なくとも前記一方の接合面における一方の縁辺側に、当該一方の接合面を他方の縁辺から一定の溶接深さに限定し、かつ対向する前記他方の接合面に対して所定の隙間を形成する所定の逃げ部を設けるとともに、溶接時に、少なくとも前記限定した接合面を全て含み、かつ前記逃げ部に接した前記接合面における溶接部の幅が前記隙間より大きくなるように、前記一方の接合面における前記他方の縁辺から溶接を行うことを特徴とする燃焼圧センサの製造方法。
【請求項9】
前記受圧部材又は前記ケース部材の少なくとも一方に、前記一方の縁辺から突出する突起部を形成し、接合時に、当該突起部により前記逃げ部を覆うことを特徴とする請求項8記載の燃焼圧センサの製造方法。
【請求項10】
前記溶接には、レーザ溶接方式に基づく溶接ビームを用いることを特徴とする請求項8記載の燃焼圧センサの製造方法。
【請求項11】
前記溶接ビームの強さを設定するに際し、少なくとも前記溶接部の深さが、設定した前記溶接深さを超える強さを設定することを特徴とする請求項10記載の燃焼圧センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃焼室内における燃焼圧を検出する際に用いて好適な燃焼圧センサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の燃焼室内における燃焼圧を検出する燃焼圧センサとしては、特許文献1で開示される圧力センサが知られている。
【0003】
この圧力センサは、一面が被測定圧力を受ける受圧面となっており、この受圧面に被測定圧力を受けて歪む円形状の受圧用ダイアフラムと、一端部が受圧用ダイアフラムの受圧画とは反対側の他面に接触している圧力伝達部材と、圧力伝達部材の一端部とは反対の他端部側に設けられ、受圧用ダイアフラムが受けた被測定圧力に応じた力が圧力伝達部材を介して加えられることで、それに応じた信号を発生する感歪素子が形成されたセンサチップと、圧力伝達部材を囲む円筒状部材とを備え、特に、基本構造として、円筒状部材にて構成されたケースの前端部と受圧用ダイアフラムを溶接により接合するとともに、この受圧用ダイアフラムの中心部後端に位置する圧力伝達部と圧力伝達部材を当接させることにより、圧力伝達部材からの圧力を後端側の感歪素子が形成されたセンサチップに伝達する構造を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−96656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1に開示される圧力センサをはじめ、従来の燃焼圧センサは、次のような問題点があった。
【0006】
即ち、通常、内燃機関の燃焼室内における燃焼圧を検出する圧力検出装置(燃焼圧センサ)は、燃焼室内の高温及び高圧の環境に晒されるとともに、他方、検出精度を高め、受圧部材に予荷重をかける場合もあることから、受圧部材側とケース部材側の溶接による接合部に、燃焼圧及びこれとは逆方向となる予荷重がかかる環境で使用される。したがって、この接合部における接合深さは、全周にわたってムラのない均一性の高い深さが求められるが、従来の燃焼圧センサでは、均一性の確保が容易でなく、結果的に、ダイアフラムの有効受圧半径、更には有効感度にバラツキを生じ、検出精度の高い燃焼圧センサを得にくい問題があった。
【0007】
以下、この問題点について、図23及び図24を参照して具体的に説明する。なお、図23は特許文献1に記載される圧力センサを概要図により示し、また、図24(a)は、図23中の円L部の部分抽出拡大図、図24(b)〜(d)は図24(a)中の円X部の部分抽出拡大図をそれぞれ示したものである。
【0008】
図23に示す圧力センサ5jは、中空筒状をなすハウジング31jの前端部に溶接されたダイアフラム40jを備える。これにより、ダイアフラム40jの変位は、この中心部後端に位置する圧力伝達部に当接する圧力伝達部材50j及び金属ステム65jを介して後端側の感歪素子10jの形成されたセンサチップに伝達される。また、ハウジング31jは筐体32jに固定され、筐体32jはネジ部32njによりシリンダヘッド4jに装着される。これにより、燃焼室Cに発生する燃焼圧はダイアフラム40jにて受圧し、圧力伝達部材50jを介して感歪素子10jに伝達される。感歪素子10jでは、歪みによる抵抗値の変化が信号として変換され、制御装置6jに付与される。
【0009】
他方、図24(a)において、10aはダイアフラム40jの圧力伝達部、10bは薄肉の歪み部、10cは内側の凹部、10dは外周壁(溶接部)をそれぞれ示す。また、yには、熱歪みによりダイアフラム40jの全体が変形した位置を一点鎖線で示すとともに、mは、受圧部の有効受圧半径を示している。
【0010】
この場合、ダイアフラム40jとハウジング31jは、一周にわたって溶接することにより全周に沿った接合部を設けるが、一周にわたって溶接する場合、ダイアフラムとハウジングの熱慣性等の問題により、開始時、中間時、終了時により条件が異なり、溶接深さを一定にすることは容易でない。この結果、図24(b)〜(d)に示すようなバラツキを生じる。図24(b)は、溶接深さが不足している場合であり溶接深さをt1で示す。このときのダイアフラムの有効受圧半径はiである。図24(c)は、理想的な溶接深さの場合であり溶接深さをt2で示す。このときのダイアフラムの有効受圧半径はmである。図24(d)は、溶接深さが過剰な場合であり溶接深さをt3で示す。このときのダイアフラムの有効受圧半径はnである。このように、一周を溶接する間に、溶接深さ、更にはダイアフラムの有効受圧半径(i,m,n)にバラツキを生じ、結果的に、燃焼圧の感度にバラツキを生じる懸念があった。
【0011】
このため、特許文献1では、SIM解析を用いることにより受圧部における各部10a、10b、10c、10dの寸法の最適値を求め、熱歪みによる感度のバラツキを低減することを企図しているが、基本的な原因は、溶接工程にあるため、有効感度のバラツキを解消し、検出精度の高い燃焼圧センサを実現する観点から、特許文献1の手法に頼るのは限界がある。
【0012】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した燃焼圧センサ及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る燃焼圧センサ(5,5A…)は、上述した課題を解決するため、少なくとも、先端側に接合面(31a…)を有する開口部を設けたケース部材(31…)と、ケース部材(31…)の接合面(31a…)に面接触することにより当該開口部を閉塞する接合面(41a…)を有し、かつ燃焼圧が作用する受圧部材(40…)と、接合面(31aと41a…)同士を接合する溶接部(J2…)と、ケース部材(31…)に収容し、受圧部材(40…)から伝達される燃焼圧に基づく加圧力を信号に変換する圧電素子(10…)とを備えてなる燃焼圧センサ(5,5A…)を構成するに際し、少なくとも一方の接合面(41a…)における一方の縁辺側に、当該一方の接合面(41a…)を他方の縁辺から一定の溶接深さt…に限定し、かつ対向する他方の接合面(31a…)に対して所定の隙間を形成する所定の逃げ部(90…)を設けるとともに、一方の接合面(41a…)における他方の縁辺から、少なくとも限定した接合面(41a…)を全て含む溶接部(J2…)を設け、逃げ部(90…)に接した接合面(41a…)における溶接部(J2…)の幅は、逃げ部(90…)の隙間よりも大きく設定してなることを特徴とする。
【0014】
この場合、発明の好適な態様により、逃げ部(90…)は、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の少なくとも一方に形成した段差部(41b…)により設けることができる。また、段差部(41b…)と接合面(41a…)との間には、曲面を設けることができる。この際、段差部(41b…)は、ケース部材(31…)及び受圧部材(40…)に設け、かつ各段差部(41b…)に曲面を設けるとともに、受圧部材(40…)に設ける当該曲面は、ケース部材(31…)に設ける当該曲面に対して曲率を大きく設定することが望ましい。さらに、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の少なくとも一方に、一方の縁辺から突出形成することにより逃げ部(90…)を覆う突起部(31b…)を設けることができるとともに、この突起部(31b…)は、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の他方の縁辺より内側に位置させることができる。なお、受圧部材(40…)には、燃焼圧が作用するダイアフラム40を用いるとともに、ケース部材(31…)には、当該ダイアフラム40の外周に沿った接合面41aに対して接合する接合面31aを有する円筒形状のハウジング31を用いることができる。
【0015】
一方、本発明に係る燃焼圧センサの製造方法は、上述した課題を解決するため、ケース部材(31…)の先端側に有する開口部に設けた接合面(31a…)に、燃焼圧が作用する受圧部材(40…)に設けた接合面(41a…)を面接触させ、接合面(31aと41a…)同士を、溶接部(J2…)を介して接合することにより開口部を閉塞するとともに、ケース部材(31…)に、受圧部材(40…)から伝達される燃焼圧に基づく加圧力を信号に変換して出力する圧電素子(10…)を収容することにより、燃焼圧センサを製造するに際し、予め、少なくとも一方の接合面(41a…)における一方の縁辺側に、当該一方の接合面(41a…)を他方の縁辺から一定の溶接深さ(t…)に限定し、かつ対向する他方の接合面(31a…)に対して所定の隙間を形成する所定の逃げ部(90…)を設けるとともに、溶接時に、少なくとも限定した接合面(41a…)を全て含み、かつ逃げ部(90…)に接した接合面(41a…)における溶接部(J2…)の幅が隙間より大きくなるように、一方の接合面(41a…)における他方の縁辺から溶接を行うことを特徴とする。
【0016】
この場合、発明の好適な態様により、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の少なくとも一方には、一方の縁辺から突出する突起部(31b…)を形成し、接合時に、当該突起部(31b…)により逃げ部(90…)を覆うことができる。また、溶接には、溶接ビーム400…を用いることができる。この際、溶接ビーム400…の強さを設定するに際しては、少なくとも溶接部(J2…)の深さが、設定した溶接深さt…を超える強さを設定することが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
このような本発明に係る燃焼圧センサ(5,5A…)及びその製造方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0018】
(1) 本発明に係る燃焼圧センサ(5,5A…)は、少なくとも一方の接合面(41a…)における一方の縁辺側に、当該一方の接合面(41a…)を他方の縁辺から一定の溶接深さt…に限定し、かつ対向する他方の接合面(31a…)に対して所定の隙間を形成する所定の逃げ部(90…)を設けるとともに、一方の接合面(41a…)における他方の縁辺から、少なくとも限定した接合面(41a…)を全て含む溶接部(J2…)を設けてなるため、溶接深さt…を全ての溶接位置において一定にすることができる。この結果、受圧部材(40…)の有効受圧径を一定にすることが可能となり、感度ズレや有効感度のバラツキを抑制した高精度の圧力信号を得ることができ、検出精度及び信頼性の高い燃焼圧センサ(5,5A…)を提供できる。
【0019】
(2) 本発明に係る燃焼圧センサの製造方法は、予め、少なくとも一方の接合面(41a…)における一方の縁辺側に、当該一方の接合面(41a…)を他方の縁辺から一定の溶接深さt…に限定し、かつ対向する他方の接合面(31a…)に対して所定の隙間を形成する所定の逃げ部(90…)を設けるとともに、溶接時に、一方の接合面(41a…)における他方の縁辺から溶接することにより、少なくとも限定した接合面(41a…)を全て含む溶接部(J2…)を設けるようにしたため、上述した燃焼圧センサ(5,5A…)を容易かつ確実に製造することができる。
【0020】
(3) 好適な態様により、逃げ部(90…)を、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の少なくとも一方に形成した段差部(41b…)により設ければ、一定の溶接深さt…を確保するに際し、切削等の少ない製造工数により容易に実施できる。
【0021】
(4) 好適な態様により、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の少なくとも一方に、一方の縁辺から突出形成することにより逃げ部(90…)を覆う突起部(31b…)を設ければ、溶接スパッタの飛散を逃げ部(90…)内のみに留めることができるため、圧力検出部内に飛散した溶接スパッタによる活電部の絶縁不良など、溶接スパッタに起因して発生する不良を排除できる。
【0022】
(5) 好適な態様により、本発明に係る燃焼圧センサ(5,5A…)は、受圧部材(40…)に、燃焼圧が作用するダイアフラム40を用いるとともに、ケース部材(31…)に、当該ダイアフラム40の外周に沿った接合面41aに対して接合する接合面31aを有する円筒形状のハウジング31を用いることができる。即ち、本発明に係る燃焼圧センサ(5,5A…)は、内燃機関の燃焼室に単独で装着できる形態の燃焼圧センサとして構成できるなど、汎用性及び応用性の高い燃焼圧センサ(5,5A…)及びその製造方法として提供できる。
【0023】
(6) 好適な態様により、溶接に、溶接ビーム400…を用いれば、本発明における溶接部(J2…)を設けるに際し、最適な形態として実施できる。
【0024】
(7) 好適な態様により、溶接に、溶接ビーム400…を用いれば、溶接深さt…を超える強さ(溶接能力)に設定する条件などにも柔軟に対応でき、溶接工程の最適化を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態を適用する内燃機関の概略構成図、
図2図1中のA領域の拡大図、
図3】第1実施形態に係る燃焼圧センサの分解斜視図、
図4】第1実施形態に係る燃焼圧センサの断面図、
図5】第1実施形態に係る実施例1の燃焼圧センサの一部を示す断面図、
図6図5中のD領域の抽出拡大図、
図7】第1実施形態に係る実施例2の燃焼圧センサの一部を示す断面図、
図8図7中のF領域の抽出拡大図、
図9】第1実施形態に係る実施例3の燃焼圧センサを示す部分断面図、
図10図9中のG領域の抽出拡大図、
図11】第1実施形態に係る実施例4の燃焼圧センサの部分断面図、
図12図11中のH領域の抽出拡大図、
図13】本発明の第2実施形態を適用する内燃機関の概略構成図、
図14図13中のB領域の抽出拡大図、
図15図14に示す圧力検出部を機能部品(インジェクタ)に装着する際の説明用斜視図、
図16図15に示す圧力検出部の分解斜視図、
図17】第2実施形態に係る実施例5の燃焼圧センサの部分断面図、
図18図17中のI領域の抽出拡大図、
図19】第2実施形態に係る実施例6の燃焼圧センサの部分断面図、
図20図19中のM領域の抽出拡大図、
図21】第2実施形態に係る実施例7の燃焼圧センサの部分断面図、
図22図21中のK領域の抽出拡大図、
図23】背景技術に係る圧力センサの構成を示す概要断面図、
図24図23に示すL領域の拡大図、
【符号の説明】
【0026】
(5,5A…):燃焼圧センサ,(10…):圧電素子,(31…):ケース部材,31:ハウジング,(31a…):ケース部材の接合面,31a:ハウジングの接合面,(31b…):突起部,(40…):受圧部材,40:ダイアフラム,(41a…):受圧部材の接合面,41a:ダイアフラムの接合面,(41b…):段差部,(90…):逃げ部,(J2…):溶接部,t…:溶接深さ,501:内燃機関,511A:外側筺体,511a:外側筺体の接合面,512A:内側筺体,512a:内側筺体の接合面,514A:受圧リングブロック,514a:受圧リングブロックの接合面,400…:溶接ビーム
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明に係る最良実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。なお、例示する実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための燃焼圧センサの例示であり、例示の構成に限定されるものではない。特に各実施形態に記載する寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは本発明の範囲を限定する趣旨ではなく単なる説明例である。また、同一部品(同一構成要素)には同一の名称,符号を付すことにより適宜詳細な説明は省略する。
【0028】
最初に、本実施形態の概要について説明する。本実施形態に係る燃焼圧センサは、燃焼圧を受圧する受圧部材と受圧部材及び圧力検出部を保持するケース部材との接合の改良に関するものである。本実施形態に係る溶接構造によれば、溶接深さを一定にすることができるとともに、溶接スパッタの飛散を防止して圧力検出部の活電部への絶縁不良などの不具合を排除できる。例示する第1実施形態は、内燃機関の燃焼室に単独で付設する形態、所謂シリンダ型の燃焼圧センサにおける溶接部を対象とするものであり、他方、例示する第2実施形態は、インジェクタや点火プラグ等の機能部品に装着して燃焼室に付設する形態、所謂リング型の燃焼圧センサにおける溶接部を対象とするものである。
【第1実施形態】
【0029】
まず、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る燃焼圧センサ5を一例として示す一般的な内燃機関1に組み込んだ状態を示すとともに、図2は、図1のA領域の拡大図を示す。
【0030】
内燃機関1は、シリンダ2aを含むシリンダブロック2と、このシリンダ2a内を往復動するピストン3と、シリンダヘッド4とから構成され、燃焼室Cが形成されている。また、内燃機関1は、ガソリンエンジンの場合、通常、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内の混合気を爆発させるための点火プラグ(図示なし)と、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内に燃料を噴射するインジェクタ(図示なし)とを備えている。
【0031】
シリンダヘッド4には、本実施形態に係る燃焼圧センサ5を装着する燃焼室Cと外部とを連通する連通孔4aを有し、この連通孔4aに燃焼圧センサ5を取り付ける。この場合、燃焼圧センサ5は、シリンダヘッド4との間に介在し、燃焼室C内の気密を保つためのシール部材7とともに、連通孔4aに形成したネジによって固定する。また、内燃機関1には、燃焼圧センサ5が検出した圧力信号を伝送するための伝送ケーブル8と、送られた圧力信号を処理し、内燃機関1に所定の制御信号を送る制御装置6を備えている。
【0032】
次に、燃焼圧センサ5をシリンダヘッド4に取り付ける際の具体的な構造について、図2を参照して説明する。図2中、4aは、シリンダヘッド4に形成した燃焼室Cと外部とを連通する前述した連通孔を示す。連通孔4aの形状は、燃焼室C側から、第1の孔部4bと、第1の孔部4bの孔径から徐々に径が拡大している傾斜部4cと、第1の孔部4bの孔径よりも大きい第2の孔部4dとを有する。第2の孔部4dを形成する周囲の孔壁には雌ネジ部4eを形成し、燃焼圧センサ5の筐体に形成した雄ネジをネジ込むことにより、第1のシール部材71を介して締め付け固定する。
【0033】
燃焼圧センサ5は、その先端の圧力検出部100が受圧部となり、燃焼室Cに臨む位置にダイアフラム40を配する。この際、燃焼圧センサ5の圧力検出部100の突き当て部とシリンダヘッド4に形成した連通孔4aの傾斜部4cとの間には、第2のシール部材72を介在させている。これにより、燃焼室C側から混合気や燃焼ガスが漏れないように気密を保つことができる。また、シリンダヘッド4の外側部には、信号処理部200を配したコネクタ部233を備える。コネクタ部233は、コネクタ8a及び圧力信号を伝送する伝送ケーブル8を介して制御装置6に接続する。なお、コネクタ8aに設けたフックをコネクタ部223に形成した孔233aに係合しロックする。
【0034】
次に、第1実施形態に係る燃焼圧センサの構成について、図3及び図4を参照して具体的に説明する。なお、図3中、左側に位置するダイアフラム40側が燃焼圧センサ5の先端側となり、右側に位置する信号処理部200側が燃焼圧センサ5の後端側となる。
【0035】
燃焼圧センサ5は、燃焼室C内に発生する燃焼圧を電気信号に変える圧電素子を有する圧力検出部100と、この圧力検出部100からの信号を伝達し処理する信号処理部200を備える。図3中、ダイアフラム40を有する圧力検出部100を保持する部材は筐体32となる。この筐体32は、外部に、シリンダヘッド4に固定するためのネジ部及び六角ナット部を有するとともに、他方、内部には、貫通孔を有し、回路基板部21を収容する絶縁部材23の先端部を収容する。また、絶縁部材23の内部に形成した貫通孔には圧力検出部100との電気的接続を行う伝導部材22を収容する。さらに、筐体32の先端側の孔には圧力検出部100を挿入し、筐体32に対して溶接により固定する。後端側の孔には回路基板部21を収容する絶縁部材23の先端側を、回路基板部21とともに挿入した保持部材300を挿入し、筐体32の後端側の溝に加締めることにより固定する。この際、Oリング24を絶縁部材23の溝部に挿入することにより回路基板部21の密閉を保つことができる。
【0036】
一方、図4に示すように、伝導部材22の先端側は、後述するコイルスプリングにより圧力検出部100と電気的に接続するとともに、後端側では伝導部材22の接続部22bを回路基板部21のパターン部にハンダ付けすることにより電気的に接続し、かつ固定する。また、第1の接続ピン21bを回路基板部21に接続し、回路基板部21を筐体32に接地する。さらに、3つの第2の接続ピン21cを回路基板部21のパターン部にハンダ付けし、この接続ピン21cをコネクタ8に挿入する(図2参照)。これにより、基板回路部21と制御装置6を電気的に接続する。
【実施例1】
【0037】
次に、第1実施形態の実施例1に係る燃焼圧センサ5Aの構成について、図5及び図6を参照して説明する。
【0038】
図5は、図4の圧力検出部100の拡大図を示す。圧力検出部100は、この圧力検出部100の枠体となるハウジング31と、このハウジング31の先端側の開口部を塞ぐように設けて燃焼室Cの圧力(燃焼圧)を受けるダイアフラム40と、このダイアフラム40に形成した突出部42aの後端面42cが接することにより圧力によるダイアフラム40の変位を伝達する圧力伝達部材50と、圧力伝達部材50に接することにより圧力伝達部材50から圧力(加圧力)を受けて電荷を発生する圧電素子10と、この圧電素子10を支持し、かつ発生した電荷を電気信号として受ける第2の電極部55と、この第2の電極部55を支持し、かつ絶縁する絶縁リング60と、この絶縁リング60を支持する支持部材65と、一端を圧力伝達部材50に固定するとともに、他端を支持部材65に固定することにより、固定部間が筒状部よりなる加圧部材80とから構成する。
【0039】
また、ハウジング31の先端側には端面31aを形成するとともに、この端面31aの内周面側には、図6(b)に示すように、周方向に沿ったリング状の突起部31bを当該端面31aから突出形成する。一方、ダイアフラム40は、円筒状の円筒状部41と、その内側に形成された内側部42とを有する。円筒状部41の後端側に形成された端面(接合面)41aは、ハウジング31の先端側に形成した端面(接合面)31aに当接する。この端面41aの中心側には、図6(b)に示すように、先端側に凹んだ切欠状となり、かつ周方向に沿ったリング状の段差部41bを形成する。これにより、端面41aの径方向における実質的な幅寸法、即ち、溶接距離はtとなる。なお、内側部42は、円筒状部41における先端側の開口を塞ぐように設けた円盤状の薄肉部材となり、中央部に後端面から圧電素子10側に突出する突出部42aを設ける。また、内側部42の、先端側の中央部には凹部42bを有する。
【0040】
次に、圧力検出部100を製造する際における溶接方法について、図5及び図6を参照して説明する。なお、図6(a)は図5のD領域の拡大図、図6(b)、(c)は、図6(a)のE領域の拡大図を示す。
【0041】
圧力検出部100は、各溶接部を所定の順番により、かつ所定の方法により溶接し、固定することにより、所定の性能を得ることができる。図5において、各溶接部J1…を●印により示す。この●印は溶接の形を表すものではなく、単に溶接の位置を示すものである。また、溶接は、レーザ溶接方式を用いることにより、一周(全周)にわたって連続的に溶接し、溶接面を封止する。この溶接方法については、後述する他の実施例においても同様に適用できる。
【0042】
まず、溶接部J1の溶接を行う。この場合、支持部材65の後端側から加圧部材80の筒状部を通す。この際、支持部材65の外周に形成したリング状の突起65aに対して、加圧部材80の内周に形成したリング状の突起80aが掛止するまで押し込む。支持部材65に形成した突起65aの外径は対応する加圧部材80の内径よりも大きく形成し、所謂しまりばめにより嵌合(圧入)する。次に、加圧部材80の先端側から絶縁リング60、第2の電極部55、圧電素子10、圧力伝達部材50の順で挿入する。次いで、圧電素子10の感度及び直線性を高めるために、予荷重を作用させる。この場合、加圧部材80の突起部80aと圧力伝達部材50とに、圧電素子10を挟み込む方向に所定の荷重を加え、加圧部材80の先端側を圧力伝達部材50との係合部(周面)に溶接して固定する。これにより、溶接部J1を設けることができ、圧電素子部を得ることができる。
【0043】
次に、溶接部J2,J3の溶接を行う。上述した圧電素子部は、ハウジング31に対して組付ける。この場合、圧電素子部は、ハウジング31の先端側から挿入し、最奥まで仮挿入しておく。次いで、ハウジング31の接合面31aとダイアフラム40の接合面41aを当接させる。この際、図6(a)に示すように、ハウジング31の接合面31aに形成した突起部31bに対し、ダイアフラム40をガイドにして、所謂すきまばめにより嵌合する。そして、この状態において、接合面に対して溶接部J2の溶接を溶接ビーム400により行う。
【0044】
図6(b)に、ダイアフラム40の接合面41aとハウジング31の接合面31aが当接し、溶接部J2を設けた状態を示している。なお、400は外周側からの溶接ビームを示している。溶接ビーム400は、溶接距離tを少し超える深さまで到達するように設定している。この場合、ダイアフラム40の接合面41aには、段差部41bを形成したため、ダイアフラム40とハウジング31を当接させた際には、接合面31aと段差部41bにより、逃げ部90の隙間が形成される。これにより、ダイアフラム40とハウジング31の溶接部J2は、溶接距離t以上には進行しない。
【0045】
また、図6(c)は溶接ビーム400が、さらに深く到達した状態を示している。この場合であっも、逃げ部90の存在により、溶接部J2は溶接距離t以上は進まないことを示している。
【0046】
このように、溶接深さを設定するに際し、熱慣性などの影響を考慮し、最低でも溶接距離t以上になるように選定すれば、溶接深さとなる溶接距離tを一定に保つことが可能となる。しかも、ハウジング31の接合面31aに設けた突起部31bはダイアフラム40に設けられた段差部41bを挟み溶接部J2に対向するように形成してあるため、溶接時に発生する溶接スパッタ95の飛散を阻止し、逃げ部90内に保持する機能を発揮するため、圧電素子のある空間に飛散する不具合を回避できる副次的効果もある。
【0047】
次いで、ハウジング31内に仮挿入されていた圧電素子部を、図5に示すように、支持部材65の後端面側から先端面側に向けて所定の荷重をかける。そのとき、ダイアフラム40の内側部42の変位量を測定することにより、ダイアフラム40の突出部42cと圧力伝達部材50の突当て面50aが当接し、所定量変位したところでハウジング31と支持部材65の溶接を前述した溶接ビーム400により行う。これにより、溶接部J3を設けることができ、圧力検出部100を得ることができる。
【0048】
次に、溶接部J4の溶接を行う。圧力検出部100は、図5に示すように、筐体32の先端側の内周部に嵌合するが、この際、第2の電極部55の突出部55aにコイルスプリング70を係合することにより、伝導部材22の孔部22aに圧縮した状態で組み込む。なお、伝導部材22は、絶縁部材23の孔に嵌合した状態で絶縁部材23の先端部23aが支持部材65の後端側の孔に嵌合する。この状態で、圧力検出部100のリング状の突起部と筐体32の先端側の端面の溶接を前述した溶接ビーム400により行う。これにより、溶接部J4を設けることができ、圧力検出部100と信号処理部200とが電気的に接続され、燃焼圧センサ5Aが完成する。
【0049】
このように、実施例1に係る燃焼圧センサ5Aは、基本構造として、少なくとも、先端側に接合面31aを有する開口部を設けたハウジング31と、ハウジング31の接合面31aに面接触することにより当該開口部を閉塞する接合面41aを有し、かつ燃焼圧が作用するダイアフラム40と、接合面31aと41a同士を接合する溶接部J2と、ハウジング31に収容し、ダイアフラム40から伝達される燃焼圧に基づく加圧力を信号に変換する圧電素子10とを備えるとともに、本発明に従って、少なくとも一方の接合面41aにおける一方の縁辺側に、当該一方の接合面41aを他方の縁辺から一定の溶接深さtに限定し、かつ対向する他方の接合面31aに対して所定の隙間を形成する所定の逃げ部90を有するとともに、一方の接合面41aにおける他方の縁辺から、少なくとも限定した接合面41aを全て含む溶接部J2を設けたものである。
【0050】
次に、燃焼圧センサ5Aにおける、電気的な接続構成及び動作について、図4及び図5を参照して説明する。
【0051】
図5において、圧電素子10の先端側の端面10aは、金属製の圧力伝達部材50及び金属製のダイアフラム40を介して金属製のハウジング31に対して電気的に接続される。また、図4の信号処理部200において、第1の接続ピン21bの一方は、回路基板部21にハンダ付けされるとともに、他方は、金属製の筐体32に設けられたピン用孔部に圧入される。これにより、回路基板部21のGNDは筐体32に接地される。なお、筐体32とハウジング31は、前述した溶接部J4を介して接合したため、電気的に接続されている。
【0052】
一方、圧電素子10の後端側の端面は、金属製の第2電極部55及びその突出部55aからコイルスプリング70、金属製の伝導部材22を介して回路基板部21に半田付けされ、電気的に接続される。また、第2電極部55及び突出部55aは絶縁体よりなる絶縁リング60により、周囲の支持部材65からは電気的に絶縁されるとともに、加圧部材80の内周面からも離れているため、電気的に絶縁される。そして、燃焼圧センサ5Aをシリンダヘッド4に装着した際は、筐体32はシリンダヘッド4の連通孔4aに形成した雌ネジ部4eを通してシリンダヘッド4に電気的に接続され、更に車体に接地される。
【0053】
これにより、内燃機関1が運転状態となり、燃焼室C内に燃焼圧が発生すれば、この燃焼圧は、燃焼圧センサ5Aの先端のダイアフラム40に作用し、この作用に基づく変位が圧力伝達部材50を介して圧電素子10に伝達される。この結果、燃焼圧に応じた電荷が発生する。そして、圧電素子10に発生した電荷は回路基板部21に供給され、回路基板部21にて増幅処理がなされ、その電荷に応じた電圧が第2の接続ピン21c、伝送ケーブル8を介して制御装置6に供給される。
【0054】
よって、第1実施形態としての実施例1に基づく燃焼圧センサ5Aによれば、燃焼室Cに単独で装着する形態の燃焼圧センサにおいて、ダイアフラム40の接合面41a上に段差部41bを設けたため、ダイアフラム40とハウジング31が当接しない逃げ部90を設けることができる。この結果、逃げ部90により溶接深さ(溶接距離t)を周方向に沿って一定にすることができるため、ダイアフラム40の有効受圧径を一定にすることができ、感度ズレを抑制した高精度の圧力信号を確保できる燃焼圧センサ5Aを提供できる。
【0055】
また、ハウジング31の逃げ部90を挟み、溶接部J2と対向した位置に突起部31bが存在するため、溶接スパッタ95の飛散を阻止し、圧力検出部内の活電部への絶縁不良などの不具合を排除できるとともに、加えて、ダイアフラム40と圧力伝達部材50の当接部に対する溶接スパッタ95の飛散を防止し、当該当接部の摩耗劣化を抑制できるなど、信頼性の高い燃焼圧センサ5Aとして提供できる。
【0056】
なお、レーザ等の溶接ビーム400の強さは、熱慣性等の影響を考慮し、最低でも溶接深さがハウジング31とダイアフラム40の溶接距離tを越えるように設定することが望ましい。実施例1では、ハウジング31に突起部31bを設け、ダイアフラム40に段差部41bを設けた場合を示したが、次に示すように、突起部31bをダイアフラム40に設け、段差部41bをハウジング31に設けてもよい。さらに、突起部31bと段差部41bの双方をハウジング31とダイアフラム40の一方のみ或いは双方に設けることも可能である。
【実施例2】
【0057】
次に、第1実施形態の実施例2に係る燃焼圧センサ5Bについて、図7及び図8を参照して説明する。
【0058】
図7は燃焼圧センサ5Bの圧力検出部100の断面図、図8図7中のF領域の拡大図をそれぞれ示す。図7に示す燃焼圧センサ5Bは、上述した実施例1に係る燃焼圧センサ5Aに示すダイアフラム40側の接合面の構成に加え、ハウジング31の接合面31aにも段差部41bと同様の段差部31cを設けた点が異なる。なお、その他の基本的な構成及び組立手順は実施例1と同じになるため、同一部品(同一構成要素)には同一番号を付し、重複する説明の一部は省略する。なお、同一番号は、同一部品,同一構成要素に付したものであり、番号に添えたアルファベット「B」は実施例2を示している。因に、実施例1では「A」を付している。
【0059】
これにより、図8に示すように、ハウジング31側の接合部31aにも段差部31cが形成されるため、ダイアフラム40に形成した前述の段差部41bと組合わさることにより、ダイアフラム40とハウジング31間に、図8に示すような逃げ部90を形成できる。したがって、実施例2の燃焼圧センサ5Bでは、実施例1の逃げ部90に対して略2倍に拡大できるため、逃げ部90による溶接深さ(溶接距離t)を一定にする効果をより確実にすることができる。
【実施例3】
【0060】
次に、第1実施形態の実施例3に係る燃焼圧センサ5Cについて、図9及び図10を参照して説明する。
【0061】
図9は燃焼圧センサ5Cの圧力検出部100の断面図、図10図9中のG領域の拡大図をそれぞれ示す。燃焼圧センサ5Cは、前述した実施例1に係る燃焼圧センサ5Aに対して、前述した突起部31bと同様の突起部41cをダイアフラム40側に設けた点が異なる。その他の基本的な構成は、実施例1と同じになるため、同一部品(同一構成要素)には同一番号を付し、重複する説明の一部は省略する。なお、同一番号は、同一部品,同一構成要素に付したものであり、番号に添えたアルファベット「C」は実施例3を示している。
【0062】
これにより、図10に示すように、ダイアフラム40の円筒状部41は、ハウジング31への当接面41a及び段差部41bに加えて突起部41cを備える。一方、この突起部41cに対応して、ハウジング31の内径側には切り欠き部31dを設け、ダイアフラム40の突起部41cがオーバーラップするように構成している。したがって、実施例3に係る燃焼圧センサ5Cも前述した実施例1に係る燃焼圧センサ5Aと同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0063】
次に、第1実施形態の実施例4に係る燃焼圧センサ5Dについて、図11及び図12を参照して説明する。
【0064】
図11は燃焼圧センサ5Dの圧力検出部100の断面図、図12図11中のH領域の拡大図をそれぞれ示す。図11に示す燃焼圧センサ5Dは、前述した実施例1に係る燃焼圧センサ5Aに対して、ダイアフラム40と圧力伝達部材50を一体化し、この2つの部材の機能が一つとなったダイアフラム45を用いた点が異なる。
【0065】
したがって、図12に示すように、ダイアフラム45の円筒状部41の接合面41a、段差部41bの構成、ハウジング31の接合面31a及び突起部31bの構成は、実施例1と同じになる。また、溶接方法についても同様であり、逃げ部90及び突起部31bを有すため、実施例1に係る燃焼圧センサ5Aの場合と同様の効果を得ることができる。燃焼圧センサ5Dにおける基本的な構成及び組立手順は実施例1と同じになるため、同一部品(同一構成要素)には同一番号を付し、重複する説明の一部は省略する。なお、同一番号は、同一部品,同一構成要素に付したものであり、番号に添えたアルファベット「D」は実施例4を示している。
【第2実施形態】
【0066】
次に、第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態に係る燃焼圧センサ5を一例として示す一般的な内燃機関1に組み込んだ状態を示すとともに、図14図16は、第2実施形態に係る燃焼圧センサ508の構造を示す。
【0067】
図13は、内燃機関501の概略構成図、図14は、図10中B領域の部拡大図をそれぞれ示す。第2実施形態に係る燃焼圧センサ508は、燃焼室Cに付設されるインジェクタや点火プラグなどの機能部品と一体に組合わせた形態の燃焼圧センサである。
【0068】
図13は、第2実施形態に係る燃焼圧センサ508を備えるインジェクタユニット506を装着した内燃機関501を示す。この内燃機関501は、シリンダ502aを有するシリンダブロック502と、ピストン503と、シリンダヘッド504とから構成し、内部に燃焼室Cを備えている。内燃機関501は、ガソリンエンジンの場合、シリンダヘッド504に付設することにより、燃焼室C内に燃料を噴射するインジェクタユニット506と、シリンダヘッド504に付設して燃焼室C内の混合気を燃焼させる一点鎖線により略記した点火プラグ505を備える。また、インジェクタユニット506は、インジェクタ507の先端部に一体的に設けた燃焼圧センサ508を備えている。
【0069】
次に、インジェクタユニット506をシリンダヘッド504に付設する構造について、図14を参照して説明する。図14において、シリンダヘッド504には、インジェクタユニット506を付設するための燃焼室Cと外部とに連通する連通孔504aを有する。この連通孔504aは、燃焼室C側から第1の孔部504bと、第1の孔部504bの孔径よりも大きい第2の孔部504cと、第2の孔部504cの孔径よりも大きい第3の孔部504dとを有する。そして、インジェクタユニット506は、連通孔504aに貫通した状態で取り付け、第1の孔部504bの燃焼室Cの近くに燃焼圧センサ508が位置するように構成し、燃焼圧センサ508の外径は、第1の孔部504bの孔径よりも少し小さくしている。
【0070】
また、第2の孔部504cにはインジェクタユニット506の胴体部506aがガスケット560を介して挿入し、所謂すきまばめにより嵌合する。この際、第3の孔部504dにはインジェクタユニット506のフランジ部506bが配される。インジェクタユニット506は、シリンダヘッド504の外側に設けたクランプ装置(図示なし)によりフランジ部506bの上面がクランプされ、ガスケット560は圧縮される。これにより、燃焼室C側から混合気や燃焼ガスが漏れないように気密性が保たれる。さらに、インジェクタユニット506は、図14に示すように、先端部外周に取り付けた燃焼圧センサ508により検出された圧力信号を外部に伝送するための、接続用の電気コネクタ部570と、インジェクタ507に燃料を供給するための燃料コネクタ部580を備える。
【0071】
他方、内燃機関501は、圧電素子から得られる微弱な電荷である電気信号を受けて増幅処理する信号処理部700と、処理した信号を受け取り、内燃機関に所定の制御信号を送るための制御装置600を備える。
【0072】
次に、第2実施形態に係る燃焼圧センサ508の構成について、図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は燃焼圧センサ508をインジェクタ507に装着する構成を示し、図16は燃焼圧センサ508の分解斜視図を示す。
【0073】
図15は、インジェクタ507の先端部にリング型の燃焼圧センサ508が装着する様子を示しているが、装着後は、両者の接合部が溶接されることにより、一体化されたインジェクタユニット506として構成される。一方、図16において、第2実施形態に係る燃焼圧センサ508は、燃焼室C内に発生する燃焼圧を電気信号に変える圧電素子を有する圧力検出部510と、圧力検出部510からの信号を伝達する伝送ユニット550を備える。なお、以下の説明において、図16の図中左に位置する受圧リングブロック514側は、燃焼圧センサ508の先端側となり、図中右側の伝送ユニット550側は、燃焼圧センサ508の後端側となる。
【実施例5】
【0074】
次に、第2実施形態となる実施例5に係る燃焼圧センサ508A及びこの燃焼圧センサ508Aを装着したインジェクタユニット506Aの構成について、図17及び図18を参照して説明する。
【0075】
図17は燃焼圧センサ508Aをインジェクタ507に組込んだインジェクタユニット506Aの断面図、図18は、図17中のI領域の拡大図をそれぞれ示す。
【0076】
燃焼圧センサ508Aは、図17に示すように、圧力を検出する機能を備えた圧力検出部510Aと、圧力検出部510Aにより検出した圧力を電気信号として外部に伝送する伝送ユニット550を備える。圧力検出部510Aは、全体として円筒形状を有し、内側の開口部510aには、インジェクタ507の先端部を収容する。これにより、インジェクタ507の先端部は、圧力検出部510Aの開口部510aを前端面側から後端面側に貫通する(図16参照)。
【0077】
また、伝送ユニット550は、前端面側における接続端子552の端部を圧力検出部510A内に収容するとともに、後端面側における伝送電線551をインジェクタ507に設けた信号線用の導孔を通してインジェクタ507の電気コネクタ部570に接続する(図14参照)。そして、接続端子552の後端部と伝送電線551の先端面側の導体部は、接続パイプ553を加締めることにより電気的に接続する。伝送ユニット550は、さらに、接続端子552を押圧して電気的に接続するコイルスプリング556と、接続端子552をガイドして絶縁する位置決めチューブ555と、接続パイプ553周辺を封止するOリング557とを備える。
【0078】
一方、圧力検出部510Aは、円筒形状を有するフロント外側筐体511Aと、円筒状の形状を有するフロント内側筐体512Aと、円筒形状を有するリア筐体513と、環状の形状を有する受圧リングブロック514Aとを備える。これにより、フロント外側筐体511A、フロント内側筐体512A、リア筐体513及び受圧リングブロック514Aを組み立てた後に、各溶接部を介して結合することにより、圧力検出部510Aにおける全体としての筐体機能を有する。さらに、受圧リングブロック514Aは、図18に示すように、燃焼室C側に露出することにより燃焼室からの燃焼圧を受ける受圧部514dと、受圧部の背面側において受圧部514dが受けた圧力(変位)を圧力伝達リング515に伝達する伝達部514eとを一体化して構成する。
【0079】
また、圧力検出部510Aには、これらフロント外側筐体511A、フロント内側筐体512A、リア筐体513及び受圧リングブロック514Aによって囲まれる内部空間510bを形成する。そして、この内部空間510bに、受圧リングブロック514Aからの圧力を後端面側に伝達する圧力伝達リング515と、圧力伝達リング515から伝達した圧力を電荷信号に変換する圧電素子群とを配設する。なお、圧電素子群は、圧力伝達リング515の後端面側において円周方向に60°間隔で配し、第1の圧電素子516〜第6の圧電素子516を備えている(図16参照)。さらに、各圧電素子516…は、それぞれが圧力を受けて電荷を発生する圧電機能を有するため、各圧電素子516…の電荷は加算されて出力する。また、図16において圧力検出部510Aには、上述した各圧電素子516…の間にスペーサ517…が円周方向に60°間隔により配設する。
【0080】
次に、実施例5に係る圧力検出部510Aを製造する際における溶接方法について、図17及び図18を参照して説明する。
【0081】
圧力検出部510Aは、各溶接部を所定の順番により、かつ所定の方法により溶接し、固定することにより、所定の性能を得ることができる。
【0082】
まず、圧力検出部510Aの予荷重の付与と溶接構造について、図17を参照して説明する。図17において、フロント外側筐体511Aとフロント内側筐体512Aからなるハウジングユニット(以下の説明において、フロント外側筐体511Aとフロント内側筐体512Aをユニットとして扱う場合はハウジングユニットと呼ぶ)に対して受圧リングブロック514Aを嵌め合わせ、それぞれの接合面を外側及び内側から溶接する。この場合、外側から溶接することにより溶接部J1設けるとともに、内側から溶接することにより溶接部J2を設ける。溶接するに際しては、フロント外側筐体511Aとフロント内側筐体512Aからなるハウジングユニットを、治具により位置決めしておくことが望ましい。これにより、圧力検出部510Aの筐体の前段部を得ることができる。
【0083】
この場合、図18に示すように、円筒形状を有するフロント外側筐体511Aの前端面には、受圧リングブロック514Aを接合する接合面511aを有するとともに、内部空間510b側には、突起部511bを有する。また、同様の円筒形状を有するフロント内側筐体512Aは、外径を、フロント外側筐体511Aの内径よりも小さい。フロント内側筐体512Aの前端面には、受圧リングブロック514Aを接合する接合面512aを有するとともに、内部空間510b側には突起部512bを有する。
【0084】
さらに、受圧リングブロック514Aの端部には接合面514a…と段差部514b…を形成する。これにより、フロント外側筐体511Aとフロント内側筐体512Aに対して、受圧リングブロック514Aを嵌め合わせた際には、フロント外側筐体511Aとフロント内側筐体512Aのそれぞれの接合面511aと512aが、受圧リングブロック514Aとの接合面514a…に当接する。そして、前述した溶接ビーム400により溶接を行うことにより、溶接部J1及び溶接部J2を設けることができる。この際、段差部514b…により、実施例1と同様の逃げ部90が形成されるため、実施例1の場合と同様の機能を発揮するとともに、突起部511b及び512bも、実施例1の突起部31bと同様の機能を発揮する。
【0085】
一方、前述した筐体の前段部に対しては、予め組み立てた素子ユニット530(図16参照)を後端面側から組み込むとともに、更に、接続端子552、コイルスプリング556、位置決めチューブ555を組み込む。そして、最後に、リア筐体513を組み込む。この後、仮組みされた圧力検出部510Aに対して、リア筐体513側から荷重をかけ、フロント外側筐体511Aとリア筐体513との隙間s(図17)を監視し、所定の距離になった位置で溶接する。この場合、外側から溶接することにより溶接部J3を設けるとともに、内側から溶接することにより溶接部J4を設ける。これにより、各圧電素子516…は所定の予荷重を加えられた状態で溶接(固定)され、図17に示す圧力検出部510Aを得ることができる。
【0086】
次いで、インジェクタ507と燃焼圧センサ508Aとが互いに接する2か所に溶接を行うことにより、図17に示すように、溶接部J5を設けるとともに、溶接部J6設ける。この2ヶ所はシール部でもあり、燃焼圧センサ508Aとインジェクタが一周にわたって接している。この2ヶ所を全周に沿って溶接する。これにより、接する部分が封止されるとともに、燃焼圧センサ508Aとインジェクタ507が一体化され、図17に示すインジェクタユニット506Aが完成する。
【0087】
なお、インジェクタ507と燃焼圧センサ508Aが溶接により封止されることにより、燃焼室C内で発生する高圧の混合ガスや燃焼ガスが、2ヶ所の溶接部から燃焼圧センサの内部へ漏れることを防止できるとともに、圧力検出部の内部空間510bに漏出することを防止できる。同時に、インジェクタ507に形成された信号線の導孔を経由してシリンダヘッド504の外側に漏れることを防ぐことができる。
【0088】
次に、インジェクタユニット506Aの電気的な接続構成及び検出動作について、図17を参照して説明する。
【0089】
図17において、各圧電素子516…における後端面側の端面は、それぞれに設けたリア側電極(図示なし)を介して、リア筐体513に設けた接地電極層(図示なし)と電気的に接続され、接地される。他方、各圧電素子516…における前端面側の端面は、それぞれに設けたフロント側電極(図示なし)を介して、圧力伝達リング515の後端面にリング状に形成した出力電極層(図示なし)と電気的に接続される。また、圧力伝達リング515に設けた出力電極層は、接続端子552の突き当て部を介して、コイルスプリング556のバネ圧により接続端子552と電気的に接続される。さらに、接続端子552は、その後端面側の接続部から接続パイプ553を介して、伝送電線551における導体部と電気的に接続される。
【0090】
一方、接続端子552から接続パイプ553に至る電荷信号の伝送経路と、伝送電線551の導体部からインジェクタ507の電気コネクタ部570に至るまでの経路は、絶縁体で構成した位置決めチューブ555、封止部557、伝送電線551の樹脂絶縁層により、フロント外側筐体511A、フロント内側筐体512A、リア筐体513及びインジェクタ507等の金属部に対して電気的に絶縁される。また、インジェクタユニット506Aは、図13に示す内燃機関501のシリンダヘッド504における連通孔504aに取り付けることにより、インジェクタ507の外周部に設けたフランジ部506bがクランプ(図示なし)により固定され、シリンダヘッド504に対して電気的に接続され、かつ車体に接地される。
【0091】
これにより、内燃機関501が運転状態となり、燃焼室Cに燃焼圧が発生すれば、この燃焼圧は燃焼圧センサ508Aの先端に溶接された受圧リングブロック514Aに作用し、この作用(変位)は、圧力伝達リング515を介して各圧電素子516…に伝達され、各圧電素子516…においては燃焼圧に応じた電荷が生じる。各圧電素子516…により発生した電荷は、各圧電素子516…における前端面側の端面から、各フロント側電極を介して、圧力伝達リング515に設けた出力電極層に伝送される。そして、出力電極層に伝送された電荷信号は、圧接された接続端子552から接続パイプ553を介して、伝送電線551の導体部に伝送される。また、導体部に伝送された電荷信号は、インジェクタ507の電気コネクタ部570を経由し、信号処理部700に供給される。さらに、信号処理部700に供給された電荷信号は信号処理がなされ、その電荷に応じた電圧が制御装置600に供給される。これにより、制御装置600は、インジェクタユニット506Aを構成するインジェクタ507等の機能部品を含む内燃機関の各部に対する燃焼圧に応じた所定の制御を行うことができる。
【0092】
よって、第2実施形態となる実施例5に基づく燃焼圧センサ508Aによれば、燃焼室Cに付設する機能部品であるインジェクタ507に装着する燃焼圧センサ508Aであっても、受圧リングブロック514Aと、ハウジングユニット(フロント外側筐体511A及びフロント内側筐体512A)が当接する接合面に、段差部514b…による逃げ部90…が設けられるため、溶接時における溶接深さ(溶接距離t)を周方向に沿って一定、即ち、有効受圧面積を一定にすることができる。これにより、感度ズレを抑制した高精度の圧力信号を確保できる燃焼圧センサ508A及びインジェクタユニット506Aを提供できる。
【0093】
また、ハウジングユニット(フロント外側筐体511A及びフロント内側筐体512A)の逃げ部514b(90)…を挟み、溶接部J1,J2と対向した位置に突起部511b,512bを設けたため、溶接スパッタの飛散を阻止し、圧力検出部内の活電部への絶縁不良などの不具合を排除できるとともに、加えて、受圧リングブロック514Aと圧力伝達リング515の当接部に対する溶接スパッタの飛散を防止し、当該当接部の摩耗劣化を抑制できるなど、信頼性の高い燃焼圧センサ508A及びインジェクタユニット506Aとして提供できる。
【0094】
なお、レーザ等の溶接ビーム400の強さは、熱慣性等の影響を考慮し、最低でも溶接深さがハウジングユニットと受圧リングブロック514Aの溶接距離tを越えるように設定することが望ましい。
【実施例6】
【0095】
次に、第2実施形態の実施例6に係る燃焼圧センサ508Bについて、図19及び図20を参照して説明する。
【0096】
図19は燃焼圧センサ508Bを装着したインジェクタユニット506Bの断面図、図20図19中のM領域の拡大図をそれぞれ示す。実施例6に係る燃焼圧センサ508Bと前述した実施例5に係る燃焼圧センサ508A(図17図18)と異なる点は、燃焼圧センサ508Bの場合、突起部514c…を受圧リングブロック514B側に設けた点にある。
【0097】
即ち、図20に示すように、受圧リングブロック514Bとフロント外側筐体511B、及び受圧リングブロック514Bとフロント内側筐体512Bの各接合部において、受圧リングブロック514B側に、それぞれ突起部514c…を設けたものである。
【0098】
したがって、実施例6に係る燃焼圧センサ508Bも上述した実施例5に係る燃焼圧センサ508Aと同様の逃げ部90…を設けたため、実施例5に係る燃焼圧センサ508Aと同様の効果を得ることができる。その他の基本的な構成は実施例5と同じであるため、同一部品、同一構成要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。なお、同一番号は、同一部品,同一構成要素に付したものであり、番号に添えたアルファベット「B」は実施例6を示している。因に、実施例5では「A」を付している。
【実施例7】
【0099】
次に、第2実施形態の実施例7に係る燃焼圧センサ508Aについて、図21及び図22を参照して説明する。
【0100】
図21は燃焼圧センサ508Aを装着した点火プラグ505(点火プラグユニット509A)の断面図、図22図21中のK領域の拡大図をそれぞれ示す。実施例7に係る燃焼圧センサ508Aと前述した実施例5に係る燃焼圧センサ508A(図17図18)と異なる点は、実施例7は、燃焼圧センサ508Aを、点火プラグ505に設けたものである。即ち、図21に示すように、機能部品としてインジェクタ507の替わりに点火プラグ505を用いたものであり、点火プラグ505の形状に合わせて、圧力検出部510Aとの接合部の形状は異なるものの、基本の構成は同様となる。
【0101】
したがって、実施例7に係る燃焼圧センサ508Aも前述した実施例5に係る燃焼圧センサ508Aと同様の逃げ部90…を設けたため、燃焼圧センサ508Aを装着する対象が異なる場合であっても、実施例5に係る燃焼圧センサ508Aと同様の効果を得ることができる。その他の基本的な構成は実施例5と同じであるため、同一部品、同一構成要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0102】
第2実施形態(実施例5〜実施例7)においては、燃焼圧センサ508A,508Bをインジェクタ507、点火プラグ506にそれぞれ装着することにより、インジェクタユニット506A、点火プラグユニット509Aを構成したが、その他、燃焼圧センサ508A…を、グロープラグ等の様々な機能部品に装着する場合であっても、同様の逃げ部90…を設けることにより同様に実施することができる。なお、突起部511b,512bは、受圧リングブロック514A側に設けてもよい。
【0103】
以上、第1実施形態(実施例1〜実施例4)及び第2実施形態(実施例5〜実施例7)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0104】
例えば、逃げ部(90…)は、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の少なくとも一方に形成した段差部(41b…)により設けた場合を例示したが、この段差部(41b…)の断面形状は、実施例に限定されるものではなく、本発明に係る作用効果を奏するものであれば、各種形状を適用することができる。同様に、突起部(31b…)の形状や大きさも、本発明に係る作用効果を奏するものであれば、各種形態を適用できる。また、溶接品質を確保する観点から、受圧部材(40…)又はケース部材(31…)の溶接のみならず、他の溶接部J1…J6に対しても同様に適用又は応用することができ、広義の技術的思想の観点からは、これらも本発明に含む概念である。溶接方式として、レーザ溶接方式を用いる例を示したが、本発明を実現できる限りにおいて、他の各種溶接方式を利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明に係る燃焼圧センサ及びその製造方法は、内燃機関における燃焼圧をはじめ、様々な燃焼圧を検出する用途に幅広く利用できる。また、燃焼圧センサは単体で利用してもよいし、インジェクタ,点火プラグ,グロープラグ等の様々な機能部品に装着して利用してもよい。
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