(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収容部が、通過する気流を受け入れるように構成された流路を画定し、前記伸長部の少なくとも一部分が、前記流路内に配置される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
照明要素の照明構成を制御することを含み、任意選択により、前記制御することが、検出された前記気流の速度に基づいて、前記照明要素の色、照明パターン、照明持続時間、及び輝度のうちの少なくとも1つを変更することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、電子喫煙物品及び同様の個人用デバイスなどのエアロゾル送達デバイスにおいて有用な材料、及びそれらの組み合わせに関する。具体的には、本開示は、デバイスの少なくとも一部分を通る気流を検出するように、特に気流、かかる気流速度または体積の1つ以上の特性を検出するように構成されているセンサを含む、エアロゾル送達デバイスに関する。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示で有用なセンサは、撓み/曲がりセンサであり得る。例えば、撓み/曲がりセンサは、電気接続部及び伸長部を備え得る。伸長部は、気流、特に伸長部の長さに沿った軸に対して実質的に平行でない気流に供されたときなどの、角変位に対して構成され得る。このような曲がり/撓みセンサ(または連続検出信号の出力に適合された他のアナログ測定デバイス)の伸長部の角変位は、気流の特性に基づいて連続的な範囲にわたって変動し得る可変信号出力の根拠を形成し得る。センサによって出力された可変信号は、マイクロプロセッサなどの制御器によって解釈され得、エアロゾル送達デバイスの1つ以上の機能的要素、例えば加熱部材、流体送達部材、または感覚フィードバック部材などの動作の制御のための根拠を形成する。
【0007】
既知のエアロゾル送達デバイスは、デバイスの吸引を検出するためのセンサを含み得るが、かかる既知のセンサは、閾値に達すると生成され、かつ可変出力を提供しない「トリガ」信号を提供するように構成されている。例えば、エレクトレットマイクロフォンは、エアロゾル送達デバイス内でセンサとして使用されることで知られ、かかるセンサは、ユーザがエアロゾル送達デバイスを吸う(すなわち、「一服」する)と生じる差圧に応答して動くダイヤフラムを使用する。このセンサは、デバイスの吸引がダイヤフラムを動かすのに十分に大きい差圧を引き起こすのに十分になるまで信号が形成されないように設計される。ダイヤフラムが動くと、デバイスを作動させる、例えば、電池から加熱要素への電力送達を引き起こすトリガ信号として機能する、小さな電荷が生成される。かかるセンサは、閾値における気流の存在を検出し、スイッチと同様のオン/オフ信号を出力するのに好適であり得るが、かかるセンサは、例えば気流の強度、より具体的には気流速度、体積など、気流の任意の特性の指標を提供することができない。
【0008】
しかしながら、本開示によるエアロゾル送達デバイス内に用いられるセンサは、エアロゾル送達デバイスを通る気流の特定の特性を検出し、かつ測定された気流の特性に関連して変動する信号を連続的な範囲にわたって出力するように構成され得る。例えば、出力信号は、ユーザによるデバイスの吸引の強度に対応し得る、気流の速度に関する情報を関連付けることができ、本デバイスは、センサからの出力信号を用いて、その出力信号に対して定義された様式で加熱器を作動させるように構成された、制御要素を含んでもよい。換言すれば、いくつかの実施形態では、エアロゾル送達デバイスを通る気流速度が上昇するにつれて、加熱部材に送達される電流が増大し、したがって加熱部材による加熱を向上させることができる。同様の動作の相対変化は、エアロゾル送達デバイスの1つ以上のさらなる機能的要素に関連して制御され得る。この様式で、エアロゾル送達デバイスは、適合性の機能を提供するように構成され、したがってデバイスの出力一貫性を改善させるか、または別様にデバイスを用いるユーザ体験を改善させることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル送達デバイスであって、収容部と、収容部の少なくとも一部分を通る気流を検出し、気流の1つ以上の特性に基づいて変動する可変信号を出力するように構成された、収容部内のセンサと、センサから可変信号を受信し、センサからの可変信号に基づいて、デバイスの少なくとも1つの機能的要素の動作を制御するように構成された、制御器と、を備える、エアロゾル送達デバイスを提供する。特に、センサは撓み/曲がりセンサであり得、かかる撓み/曲がりセンサは、電気接続部及び伸長部を備え得る。センサによって出力される可変信号は、センサの伸長部の曲げ半径の変化などの、伸長部の角変位に対応し得る。
【0010】
本エアロゾル送達デバイスは、電子回路基板をさらに備えてもよく、センサの電気接続部が電子回路基板に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、電子回路基板は、伸長部及び収容部を通る気流と位置整列された開口を備えてもよい。同様に、収容部は、通過する気流を受け入れるように構成された流路を画定し得、センサの伸長部の少なくとも一部分が、流路内に配置されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、伸長部の長手方向の長さは、収容部の長手方向の長さに対して非平行方向に配向されてもよい。さらなる実施形態では、伸長部の長手方向の長さは、収容部を通る気流に対して非平行方向に配向されてもよい。
【0012】
本エアロゾル送達デバイスは、センサによって出力される可変信号が気流速度に基づいて変動するように構成されてもよい。さらに、センサからの可変信号に基づいて制御される少なくとも1つの機能的要素は、加熱部材、流体送達部材、感覚フィードバック部材、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0013】
さらなる実施形態では、本開示は、エアロゾル送達デバイスの動作を制御するための方法も提供し得る。いくつかの実施形態では、一方法は、エアロゾル送達デバイスを通る気流の1つ以上の特性を検出することと、気流の1つ以上の特性に基づいて変動する可変信号を出力することと、可変出力信号に基づいて、エアロゾル送達デバイスの少なくとも1つの機能的要素の動作を制御することと、を含み得る。
【0014】
エアロゾル送達デバイスを通る気流の1つ以上の特性を検出することは、センサの一部分の動きを検出することを含み得る。具体的には、この検出は、センサの伸長部の角変位または伸長部の曲げ半径の変化を検出することに関連し得る。
【0015】
本方法は特に、エアロゾル送達デバイスの加熱部材の動作を制御すること、エアロゾル送達デバイスの流体送達部材の動作を制御すること、及びエアロゾル送達デバイスの感覚フィードバック部材の動作を制御することのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、加熱部材に供給される電流の少なくとも1つの特性を制御することを含み得る。具体的には、本方法は、検出された気流の速度に比例して、加熱部材に電流を供給することを含み得る。他の実施形態では、本方法は、液溜めから噴霧器へのエアロゾル前駆体組成物の供給速度を制御することを含み得る。具体的には、本方法は、検出された気流の速度に比例して、エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に供給することを含み得る。さらなる実施形態では、本方法は、照明要素の照明構成を制御することを含み得る。具体的には、本方法は、検出された気流の速度に基づいて、照明要素の色、照明パターン、照明持続時間、及び輝度のうちの少なくとも1つを変更することを含み得る。
【0016】
本発明は、以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
【0017】
実施形態1:エアロゾル送達デバイスであって、収容部と、収容部の少なくとも一部分を通る気流を検出し、気流の1つ以上の特性に基づいて変動する可変信号を出力するように構成された、収容部内のセンサと、センサから可変信号を受信し、センサからの可変信号に基づいて、デバイスの少なくとも1つの機能的要素の動作を制御するように構成された、制御器と、を備える、エアロゾル送達デバイス。
【0018】
実施形態2:センサが、曲がり/撓みセンサである、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0019】
実施形態3:センサが、電気接続部及び伸長部を備える、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0020】
実施形態4:センサによって出力される可変信号が、伸長部の角変位に対応する、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0021】
実施形態5:電子回路基板をさらに備え、センサの電気接続部が電子回路基板に取り付けられる、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0022】
実施形態6:電子回路基板が、伸長部及び収容部を通る気流と位置整列された開口を備える、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0023】
実施形態7:収容部が、通過する気流を受け入れるように構成された流路を画定し、伸長部の少なくとも一部分が、流路内に配置される、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0024】
実施形態8:伸長部の長手方向の長さが、収容部の長手方向の長さに対して非平行方向に配向される、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0025】
実施形態9:伸長部の長手方向の長さが、気流に対して非平行方向に配向される、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0026】
実施形態10:センサによって出力される可変信号が、気流速度に基づいて変動する、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0027】
実施形態11:少なくとも1つの機能的要素が、加熱部材、流体送達部材、感覚フィードバック部材、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行または後続の実施形態のいずれかに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0028】
実施形態12:エアロゾル送達デバイスの動作を制御するための方法であって、エアロゾル送達デバイスを通る気流の1つ以上の特性を検出することと、気流の1つ以上の特性に基づいて変動する可変信号を出力することと、可変出力信号に基づいて、エアロゾル送達デバイスの少なくとも1つの機能的要素の動作を制御することと、を含む、方法。
【0029】
実施形態13:エアロゾル送達デバイスを通る気流の1つ以上の特性を検出することが、センサの一部分の動きを検出することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0030】
実施形態14:センサの一部分の動きを検出することが、センサの伸長部の角変位を検出することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0031】
実施形態15:エアロゾル送達デバイスの加熱部材の動作を制御すること、エアロゾル送達デバイスの流体送達部材の動作を制御すること、及びエアロゾル送達デバイスの感覚フィードバック部材の動作を制御することのうちの1つ以上を含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0032】
実施形態16:加熱部材に供給される電流の少なくとも1つの特性を制御することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0033】
実施形態17:検出された気流の速度に比例して、加熱部材に電流を供給することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0034】
実施形態18:液溜めから噴霧器へのエアロゾル前駆体組成物の供給速度を制御することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0035】
実施形態19:検出された気流の速度に比例して、エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に供給することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0036】
実施形態20:照明要素の照明構成を制御することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0037】
実施形態21:検出された気流の速度に基づいて、照明要素の色、照明パターン、照明持続時間、及び輝度のうちの少なくとも1つを変更することを含む、先行または後続の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0038】
このように本開示を前述の概括的な用語で説明したところで、これより添付の図面を参照することとなるが、これらは必ずしも縮尺どおりに描かれてはいない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
これより、本開示を、その例示的な実施形態を参照して以下により十分に説明する。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えることとなるように記載される。実際には、本開示は多くの異なる形態で具現されてよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすことになるように提供されている。本明細書、及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」という単数形は、文脈が別途明確に規定しない限り、複数の指示対象を含む。
【0041】
本開示は、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送達デバイスまたは喫煙物品の説明を提供する。その機構、構成要素、特徴、及び方法は、多くの異なる形態で具現され、様々な物品に関連してもよいことを理解されたい。
【0042】
この点で、本開示は、材料を加熱して(好ましくは、材料をいかなる著しい程度までも燃焼または熱分解させることなく)吸入可能な物質を形成するために電気エネルギーを使用する、エアロゾル送達デバイスの説明を提供し、かかる物品は、「手持ち式」デバイスと見なされるのに十分に小型であることが最も好ましい。エアロゾル送達デバイスは、その物品またはデバイスのいずれの構成要素もいかなる著しい程度に燃焼または熱分解させることなく、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙感覚(例えば、吸入及び吐出習慣、味または風味の種類、感覚刺激作用、物理的感覚、使用習慣、目に見えるエアロゾルによって提供されるものなどの視覚的刺激など)の一部または全部を提供し得る。本エアロゾル送達デバイスは、タバコの燃焼または熱分解の副生成物に起因するエアロゾルという意味での煙を生成するのではなく、むしろ、本物品またはデバイスが、本物品またはデバイスのある特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気(煙様として説明されると見なされ得る、目に見えるエアロゾルであると見なされ得る、エアロゾル中の蒸気を含む)をもたらし得るという意味での煙を生成し得る。極めて好ましい実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、タバコ及び/またはタバコ由来の成分を組み込み得る。
【0043】
本開示のエアロゾル送達デバイスはまた、蒸気生成物品、喫煙物品、または薬物送達物品であることを特徴としてもよい。したがって、かかる物品またはデバイスは、1つ以上の物質(例えば、風味及び/または薬学的活性成分)を吸入可能な形態または状態で提供するように適合されてよい。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点未満の温度で気相にある物質)であり得る。代替的に、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、ガス中の固体微粒子または液滴の浮遊物)であってもよい。簡潔性を目的として、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、目に見えるか否かにかかわらず、また煙様であると見なされ得る形態のものであるか否かにかかわらず、ヒトによる吸入に好適な形態または種類の蒸気、ガス、及びエアロゾルを含むことが意図される。
【0044】
使用中、本開示のエアロゾル送達デバイスは、従来型の喫煙物品(例えば、タバコに着火し吸入することによって用いられる紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ)の使用において個人が用いる物理的行為の多くに供され得る。例えば、本開示のエアロゾル送達デバイスのユーザは、従来型の喫煙物品と同じように本物品を持ったり、本物品により生成されるエアロゾルの吸入のために本物品の一端を吸ったり、選択された時間間隔で吹かしたりすることができる。
【0045】
本開示のエアロゾル送達デバイスは、概して、収容部と称され得る外側本体または外郭内に提供される、いくつかの構成要素を含む。外側本体または外郭の全体的設計は様々であり得、エアロゾル送達デバイスの全体的なサイズ及び形状を画定し得る外側本体のフォーマットまたは構成は様々であり得る。典型的には、紙巻きタバコまたは葉巻の形状に似た細長い本体が、単一の一体型収容部から形成されてもよく、あるいは、細長い収容部が、2つ以上の分離可能な本体で形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達デバイスは、実質的に管形状であるために従来の紙巻きタバコまたは葉巻の形状に似てもよい、細長い外郭または本体を備えることができる。一実施形態では、本エアロゾル送達デバイスの構成要素の全てが、1つの収容部内に含まれる。代替的に、エアロゾル送達デバイスは、接合され分離可能である2つ以上の収容部を備えてもよい。例えば、エアロゾル送達デバイスは、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、再充電可能な電池、及び本物品の動作を制御するための種々の電子装置)を含む収容部を備える制御体を一端に保有し得、もう一端では、使い捨ての部分(例えば、使い捨ての風味含有カートリッジ)を含む外側本体または外郭が、それに取り外し可能に取り付けられ得る。単一外郭型のユニット内または多部品の分離可能な外郭型のユニット内における、構成要素のより具体的なフォーマット、構成、及び配置は、本明細書に提供されるさらなる開示内容を踏まえれば明確となるであろう。さらに、種々のエアロゾル送達デバイスの設計及び構成要素の配置は、本開示の背景技術の節に列挙した代表的な製品など、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すれば理解され得る。本開示で有用な構成要素を備える複数の外側本体を有するエアロゾル送達デバイスは、2014年2月3日出願のBlessらへの米国出願第14/170,838号に記載されており、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0046】
本開示のエアロゾル送達デバイスは、電源(すなわち、電力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電流その電源を物品の他の構成要素へ制御することなどにより、発熱のために電力を作動させ、制御し、調節し、停止させるための手段、例えばマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ)、加熱器または発熱部材(例えば、単独または1つ以上のさらなる要素との組み合わせで「噴霧器」と一般的に称され得る、電気抵抗加熱要素または他の構成要素)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、一般的には、「スモークジュース(smoke juice)」、「Eリキッド(e−liquid)」、及び「Eジュース(e−juice)」と一般に称される成分など、十分な熱が適用されるとエアロゾルを生むことができる液体)、及びエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達デバイスを吸うことを可能にする吸い口領域すなわち先端(例えば、吸われると、生成されたエアロゾルがそこから引き出され得るように、物品を通る画定された気流路)の何らかの組み合わせを備えることが最も好ましい。本開示により使用され得るエアロゾル前駆体材料の例示的な配合は、Zhengらへの米国特許公開第2013/0008457号、Chongらへの米国特許公開第2013/0213417号、及びSebastianらへの米国特許公開第2014/0000638号に記載されており、これらの開示内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0047】
本エアロゾル送達デバイス内の構成要素の配列は様々であり得る。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザへのエアロゾル送達を最大化するようにユーザの口元に対して近位にあり得る、物品の一端付近(例えば、ある特定の状況では交換可能かつ使い捨てであり得るカートリッジ内)に配置され得る。しかしながら、他の構成が除外されるわけではない。概して、加熱部材は、加熱部材からの熱が、エアロゾル前駆体(ならびに、ユーザへの送達のために同様に提供され得る1つ以上の風味剤、薬物など)を揮発させ、かつユーザへの送達のためのエアロゾルを形成し得るように、エアロゾル前駆体組成物の十分に近くに配置され得る。加熱部材がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に好適な物理的形態でエアロゾルが形成、放出、または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出している(releasing)、放出する(releases)、または放出された(released)への言及が、形成する(form)または生成する(generate)、形成している(forming)または生成している(generating)、形成する(forms)または生成する(generates)、及び形成された(formed)または生成された(generated)を含むように、互換的であるよう意図されることに留意されたい。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾル、またはそれらの混合物の形態で放出される。さらに、種々のエアロゾル送達デバイス構成要素の選択は、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すれば理解することができる。
【0048】
エアロゾル送達デバイスは、電池または他の電力源を組み込んで、加熱部材による加熱、制御システムへの給電、インジケータへの給電など、物品に種々の機能性を提供するのに十分な電流の流れを提供する。電源は種々の実施形態を呈し得る。電源は、加熱部材を急速に加熱してエアロゾル形成を提供し、所望の期間の使用中、物品に給電するのに十分な電力を送達するように構成されるのが好ましい。電源は、エアロゾル送達デバイスを容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達デバイス内に簡便に収まるように寸法決定されることが好ましく、さらに、電源は、望ましい喫煙体験を損なうことがないように、十分に軽量なものであることが好ましい。
【0049】
エアロゾル送達デバイス100の例示的な一実施形態を
図1に提供する。図に示される断面に見られるように、エアロゾル送達デバイス100は、機能的な関係で恒久的または着脱可能に配列され得る、制御体102及びカートリッジ104を備え得る。ねじ式係合が
図1に示されているが、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などのさらなる係合手段が用いられてもよいことは理解される。具体的には、本明細書にさらに記載されるものなどの接続部品が使用され得る。例えば、制御体は、カートリッジ上の接続器に係合するように適合される連結器を含み得る。
【0050】
特定の実施形態では、制御体102及びカートリッジ104の一方または両方は、使い捨てであるもの、または再利用可能であるものと称され得る。例えば、制御体は、交換可能な電池または再充電可能な電池を有してもよく、したがって、典型的な電気コンセントへの接続、車の充電器(すなわち、シガーソケットレセプタクル)への接続、及びユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む、任意の種類の再充電技術と組み合わされることができる。例えば、一端にUSBコネクタを、そして対向する端部に制御体コネクタを含むアダプタが、2013年3月15日出願のNovakらへの米国特許出願第13/840,264号に開示されており、この特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、いくつかの実施形態では、2012年9月5日出願のChangらへの米国特許出願第13/603,612号に開示されているように、カートリッジは単回使用カートリッジを含んでもよく、この特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0051】
例示された実施形態では、制御体102は、制御構成要素106(例えば、マイクロコントローラ)、センサ108、及び電池110を含み、これらは可変的に配列され得、かつ外側収容部116の遠位端114に複数のインジケータ112を含み得る。インジケータ112は、様々な数で提供されてよく、異なる形状をとることができ、さらには(かかるインジケータが存在する場合に音の放出などのために)本体内の開口部であってもよい。例示された実施形態では、触覚フィードバック構成要素101が、制御構成要素106と共に含まれる。したがって、触覚フィードバック構成要素は、振動または使用もしくは状態の同様の触覚的指標をユーザに提供するために、喫煙物品の1つ以上の構成要素と一体化されてもよい。例えば、全体において参照により本明細書に組み込まれる、2013年7月19日出願のGallowayらへの米国特許出願第13/946,309号の開示内容を参照されたい。
【0052】
吸気口118が、制御体102の外側収容部116内に配置されてもよい。連結器120がまた、制御体102の近位取り付け端122にて含まれ、かつ、カートリッジ104が制御体に取り付けられるとき、噴霧器またはその構成要素、例えば抵抗加熱要素(以下に記載)などとの電気接続を容易にするように、制御体突出部124内に延在してもよい。吸気口118は外側収容部116内に提供されるものとして示されているが、別の実施形態では、吸気口は、例えば、全体において参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月15日出願のDePianoらへの米国特許出願第13/841,233号、または2014年2月28日出願のWormらへの米国特許出願第14/193,961号に記載されるように、連結器内に提供されてもよい。
【0053】
カートリッジ104は、本体の吸い口130に口元開口部128を有する外側収容部126を含んで、空気及び同伴蒸気(すなわち、吸入可能な形態のエアロゾル前駆体組成物の成分)が、エアロゾル送達デバイス100の吸引中にカートリッジから消費者へと通過することを可能にする。エアロゾル送達デバイス100は、いくつかの実施形態では、実質的に棒状、または実質的に管形状、または実質的に円筒形状であってもよい。他の実施形態では、さらなる形状及び寸法(例えば、長方形または三角形の断面など)が包含される。
【0054】
カートリッジ104は、熱を生成するように構成された抵抗加熱要素134(例えば、ワイヤコイル)、及び液体を輸送するように構成された液体輸送要素136(例えばウィック)を備える、噴霧器132をさらに含む。材料を通して電流が印加されると熱を生成するように構成された材料の種々の実施形態を用いて、抵抗加熱要素134を形成してもよい。ワイヤコイルを形成し得る例示的な材料としては、Kanthal(FeCrAl)、Nichrome、二珪化モリブデン(MoSi
2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムでドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)
2)、及びセラミック(例えば、正温度係数セラミック)が挙げられる。
【0055】
加熱要素134の両端における導電性加熱器端子138(例えば、正端子及び負端子)は、加熱要素を通して電流を導くように構成され、かつ、カートリッジ104が制御体102に接続されるときに加熱要素と電池110との電気接続を形成するように、適切な配線または回路(図示せず)に取り付けられるように構成される。具体的には、プラグ140が、カートリッジ104の遠位取り付け端142に配置され得る。カートリッジ104が制御体102に接続されると、プラグ140が連結器120に係合して、電流が電池110から連結器及びプラグを通って加熱要素134まで制御可能に流れるように電気接続を形成する。カートリッジ104の外側収容部126は、遠位取り付け端142を横断して続いてよく、それにより、カートリッジのこの端部が、そこから突出するプラグ140で実質的に閉鎖される。
【0056】
液体輸送要素は、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化ゾーンに輸送するために、液溜めと組み合わされてよい。
図1に示される実施形態では、カートリッジ104は、この実施形態では、カートリッジの外側収容部126の内側を取り巻く管の形状に形成された不織繊維の層を備える液溜め層144を含む。エアロゾル前駆体組成物が液溜め層144内に保持される。例えば、液体成分は、液溜め層144によって吸着的に保持され得る。液溜め層144は、液体輸送要素136と流体連通している。液体輸送要素136は、液溜め層144内に蓄えられたエアロゾル前駆体組成物を、毛管作用によってカートリッジ104のエアロゾル化ゾーン146に輸送する。示されるように、液体輸送要素136は、この実施形態では金属ワイヤコイルの形態である加熱要素134と直接接触している。
【0057】
本開示により製造され得るエアロゾル送達デバイスが、電子エアロゾル送達デバイスの形成に有用な構成要素の様々な組み合わせを包含し得ることは理解される。例えば、Sebastianらへの米国特許出願公開第2014/0000638号に開示されている、電子喫煙物品において複数のエアロゾル化可能な材料を制御可能に送達するための液溜め及び加熱器システムが参照され、この出願公開は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、2012年9月4日出願のCollettらへの米国特許出願第13/602,871号は、マイクロヒータを含む電子喫煙物品を開示しており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0058】
本開示によるある特定の実施形態では、加熱器は、ウィックなどの液体輸送要素の周りに様々なピッチで巻き付けられ得る金属ワイヤを備えてもよい。本開示により使用され得る例示的な可変的ピッチ加熱器は、2013年3月14日出願のDePianoらへの米国特許出願第13/827,994号に記載されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0059】
本開示によるある特定の実施形態では、液溜めは、具体的には、液体材料を吸収または吸着することができる繊維性マットまたは管などの繊維性材料で形成され得る。例えば、酢酸セルロース材料が使用され得る。
【0060】
別の実施形態では、カートリッジの実質的に全体が1つ以上の炭素材料から形成されてもよく、このことは、生分解性及びワイヤの欠如という観点で利点を提供し得る。この点で、加熱要素は泡状炭素を含んでもよく、液溜めは炭化布帛を含んでもよく、電池及び制御器と電気接続を形成するために黒鉛が用いられてもよい。かかる炭素カートリッジは、いくつかの実施形態では、カートリッジの照明を提供するために、本明細書に記載される1つ以上の要素と組み合わされてもよい。炭素系カートリッジの例示的な実施形態は、Griffith Jr.らへの米国特許公開第2013/0255702号、及び2013年8月28日出願のDavisらへの米国特許出願第14/011,192号に提供されており、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
使用中、ユーザが物品100を吸うと、センサ108によって気流が検出され、加熱要素134が作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分がエアロゾル化ゾーン146内で気化される。物品100の吸い口130を吸うことで、周囲空気が吸気口118に進入して、連結器120内の中央開口部及びプラグ140内の中央開口部を通過する。カートリッジ104内では、引き込まれた空気が通気路管150内の通気路148を通過し、エアロゾル化ゾーン146で形成された蒸気と組み合わさってエアロゾルを形成する。このエアロゾルは、エアロゾル化ゾーン146からすぐに移動し、通気路管154内の通気路152を通過し、物品100の吸い口130内の口元開口部128から出る。
【0062】
本開示によるエアロゾル送達デバイスの種々の構成要素は、当該技術分野において説明され、かつ市販されている構成要素から選択され得る。本開示により使用され得る電池の例は、Peckerarらへの米国特許出願公開第2010/0028766号に記載されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0063】
吸入作動能力を提供することができる例示的な機構としては、Honeywell,Inc.(Freeport,Ill)のMicroSwitch部門製造のモデル163PC01D36のシリコンセンサが挙げられる。本開示に従う加熱回路に用いられ得る要求作動式(demand−operated)電気スイッチのさらなる例は、Gerthらへの米国特許第4,735,217号に記載されており、この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本エアロゾル送達デバイスにおいて有用であり得るマイクロコントローラを含む電流調節回路及び他の制御構成要素のさらなる説明は、全てBrooksらへの米国特許第4,922,901号、同第4,947,874号、及び同第4,947,875号、McCaffertyらへの米国特許第5,372,148号、Fleischhauerらへの米国特許第6,040,560号、ならびにNguyenらへの米国特許第7,040,314号に提供されており、これらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。かかるデバイスは、本明細書に記載される可変出力センサと組み合わせて、またはそれに加えて用いられ得る。例えば、上に参照されたセンサが、エアロゾル送達デバイスの1つ以上の機能を作動させるために用いられてもよく、本明細書に記載される可変出力センサが、エアロゾル送達デバイスの1つ以上の異なる機能を作動させるために用いられてもよい。
【0064】
Talonへの国際公開第WO 2013/098396号、Talonへの同第WO 2013/098397号、及びTalonへの同第WO 2013/098398号も参照され、これらは、加熱器の温度、加熱器を通る気流、及び加熱器付近のエアロゾル形成材料の存在などのデバイスの状態を監視するための手段として、電源から加熱器要素に供給される電力を制御するように構成された制御器を記載する。特定の実施形態では、本開示は、制御体内のマイクロコントローラとカートリッジ構成要素内のマイクロコントローラまたは他の電子部品との通信などによって、状態インジケータを監視するように適合された、様々な制御システムを提供する。
【0065】
エアロゾル前駆体、または蒸気前駆体組成物は、様々であってよい。最も好ましくは、エアロゾル前駆体は、種々の成分もしくは構成成分の組み合わせまたは混合物から構成される。具体的なエアロゾル前駆体成分の選択、及び使用されるこれらの成分の相対量は、エアロゾル生成部品により生成される主流エアロゾルの全体的な化学的組成を制御するために改変されてもよい。本質的に概して液体であることを特徴とし得るエアロゾル前駆体が、特に着目される。例えば、概して液体である代表的なエアロゾル前駆体は、液体溶液、粘性ゲル、混和性成分の混合物、または懸濁もしくは分散された成分を組み込む液体の形態を有し得る。典型的なエアロゾル前駆体は、本開示に特徴的なエアロゾル生成部品の使用中に経験されるような条件下で熱に曝されると気化することができ、故に、吸入されることができる蒸気及びエアロゾルをもたらすことができる。
【0066】
電子タバコと特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体が、タバコまたはタバコ由来の成分を組み込むことが最も好ましい。1つの点では、タバコは、細かく粉砕、製粉、または粉末化されたタバコ葉片など、タバコの一部または断片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込む噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。代替的に、タバコ抽出物は、ニコチン含有量が比較的高い抽出物の形態を有してもよく、この抽出物は、タバコ由来の他の抽出成分も少量組み込む。別の点では、タバコ由来の成分は、タバコに由来するある特定の風味剤などの比較的純粋な形態で提供されてもよい。1つの点では、タバコに由来し、かつ高度に精製されたもしくは本質的に純粋な形態で用いられ得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品等級のニコチン)である。
【0067】
エアロゾル前駆体は、いわゆる「エアロゾル形成材料」を組み込んでもよい。かかる材料は、本開示に特徴的なエアロゾル生成部品の通常の使用中に経験されるような条件下で熱に曝されて気化すると目に見えるエアロゾルをもたらす能力を有する。かかるエアロゾル形成材料としては、種々のポリオールまたは多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、及びそれらの混合物)が挙げられる。本開示の多くの実施形態は、水、水分、または水性液体として特徴付けられ得るエアロゾル前駆体成分を組み込む。ある特定のエアロゾル生成部品の通常の使用の条件の間、これらの部品内に組み込まれた水が気化して、生成されるエアロゾルの成分をもたらすことができる。したがって、本開示では、エアロゾル前駆体中に存在する水は、エアロゾル形成材料と見なされ得る。
【0068】
本開示のエアロゾル送達システムにより生成された、吸引される主流エアロゾルの感覚の性質または本質を改変する、広範な任意選択の風味剤または材料を用いることが可能である。例えば、かかる任意選択の風味剤は、エアロゾルの風味、香り、及び感覚受容特性を改変するために、エアロゾル前駆体中に使用され得る。ある特定の風味剤は、タバコ以外の供給源から提供され得る。例示的な風味剤は、本質的に天然物であっても人工物であってもよく、濃縮物または風味パッケージとして用いられてもよい。
【0069】
例示的な風味剤としては、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、サクランボ、イチゴ、モモ、ならびにライム及びレモンを含む柑橘類風味)、カエデ、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、チョウジ、ラベンダー、ショウズク、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、白檀、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草、ならびに、紙巻きタバコ、葉巻、及びパイプタバコの風味付けに従来使用される種類及び性質の風味剤ならびに風味パッケージが挙げられる。高果糖コーンシロップなどのシロップも用いられ得る。ある特定の風味剤は、最終的なエアロゾル前駆体混合物の配合の前にエアロゾル形成材料中に組み込まれ得る(例えば、ある特定の水溶性風味剤は水中に組み込まれ得、メントールはプロピレングリコール中に組み込まれ得、ある特定の複合風味パッケージはプロピレングリコール中に組み込まれ得る)。
【0070】
エアロゾル前駆体はまた、酸性または塩基性の特徴を示す成分(例えば、有機酸、アンモニウム塩、または有機アミン)を含んでもよい。例えば、ある特定の有機酸(例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸、及びピルビン酸)は、好ましくは最大で(有機酸の総含有量に基づいて)ニコチンと等モル量で、ニコチンを組み込むエアロゾル前駆体配合物中に含まれ得る。例えば、エアロゾル前駆体は、1モルのニコチン当たり約0.1〜約0.5モルのレブリン酸、1モルのニコチン当たり約0.1〜約0.5モルのコハク酸、1モルのニコチン当たり約0.1〜約0.5モルの乳酸、1モルのニコチン当たり約0.1〜約0.5モルのピルビン酸、またはそれらの種々の順列及び組み合わせを、存在する有機酸の総量がエアロゾル前駆体中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで含み得る。
【0071】
非限定的な一例として、代表的なエアロゾル前駆体は、重量基準で、約70%〜約90%のグリセリン、しばしば約75%〜約85%のグリセリン、約5%〜約20%の水、しばしば約10%〜約15%の水、約1%〜約10%のプロピレングリコール、しばしば約4%〜約8%のプロピレングリコール、約0.1%〜約6%のニコチン、しばしば約1.5%〜約5%のニコチン、及び最大約6%、しばしば約0.1%〜約5%風味剤の量における任意選択の風味剤の混合物の形態を有し得る。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、重量基準で、約76%超のグリセリン、約14%の水、約7%のプロピレングリコール、約1%〜約2%のニコチン、及び約1%未満の任意選択の風味剤を組み込む、配合物の形態を有し得る。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、約75%超のグリセリン、約14%の水、約7%のプロピレングリコール、約2.5%のニコチン、及び約1%未満の任意選択の風味剤を組み込む、配合物の形態を有してもよい。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、重量基準で、約75%超のグリセリン、約5%の水、約8%のプロピレングリコール、約6%のニコチン、及び約6%未満の任意選択の風味剤を組み込む、配合物の形態を有してもよい。
【0072】
別の非限定的な例として、代表的なエアロゾル前駆体は、重量基準で、約40%〜約70%のグリセリン、しばしば約50%〜約65%のグリセリン、約5%〜約20%の水、しばしば約10%〜約15%の水、約20%〜約50%のプロピレングリコール、しばしば約25%〜約45%のプロピレングリコール、約0.1%〜約6%のニコチン、しばしば約1.5%〜約5%のニコチン、約0.5%〜約3%、しばしば約1.5%〜約2%のメントール、及び最大約6%、しばしば約0.1%〜約5%の風味剤の量における任意選択の追加の風味剤の混合物の形態を有し得る。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、重量基準で、約50%のグリセリン、約11%の水、約28%のプロピレングリコール、約5%のニコチン、約2%のメントール、及び約4%の他の風味剤を組み込む、配合物の形態を有してもよい。
【0073】
代表的な種類のエアロゾル前駆体成分及び配合物はまた、Robinsonらへの米国特許第7,217,320号、ならびにZhengらへの米国特許公開第2013/0008457号、Chongらへの同第2013/0213417号、及びCollettらへの同第2014/0060554号に記載されかつ特徴付けられており、これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。用いられ得る他のエアロゾル前駆体としては、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(登録商標)製品、Lorillard TechnologiesによるBLU(商標)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、及びCN Creative LtdによるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから市販されている電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0074】
エアロゾル送達システム内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が、許容可能な感覚及び望ましい性能特性を提供するようなものである。例えば、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリン及び/またはプロピレングリコール)が、多くの点でタバコの煙の見た目に似る目に見える主流エアロゾルの生成を提供するために用いられることが非常に好ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品1つ当たりで所望される吸入の数などの要因に依存し得る。典型的には、エアロゾル送達システム内、特にエアロゾル生成部品内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、約2g未満、概して約1.5g未満、しばしば約1g未満、頻繁には約0.5g未満である。
【0075】
視覚的刺激すなわちインジケータをもたらす追加の代表的な種類の構成要素、例えば発光ダイオード(LED)構成要素など、ならびにそれらの構成及び用途は、Sprinkelらへの米国特許第5,154,192号、Newtonへの同第8,499,766号、及びScatterdayへの同第8,539,959号、ならびに2014年2月5日出願のSearsらへの米国特許出願第14/173,266号に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
さらに他の特徴、制御、または本開示のエアロゾル送達システムに組み込まれ得る構成要素は、Harrisらへの米国特許第5,967,148号、Watkinsらへの同第5,934,289号、Countsらへの米国特許第5,954,979号、Fleischhauerらへの同第6,040,560号、Honへの同第8,365,742号、Fernandoらへの同第8,402,976号、Fernandoらによる米国特許出願公開第2010/0163063号、Tuckerらへの2013/0192623号、Levenらへの同第2013/0298905号、Kimらへの同第2013/0180553号、及びSebastianらへの同第2014/0000638号、ならびに2013年3月15日出願のNovakらへの米国特許出願第13/840,264号、及び2013年3月15日出願のDePianoらへの同第13/841,233号に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
本物品の使用に関する前述の説明は、若干の変更によって本明細書に記載される種々の実施形態に適用され得、これは、本明細書に提供されるさらなる開示内容を踏まえれば当業者には明らかとなり得る。しかしながら、使用に関する上記の説明は、本物品の使用の限定を意図するものではなく、本開示の開示内容の必要要件の全てに従うように提供されるものである。
【0078】
図1に例示される物品に示されるか、または別様に上に記載される要素のうちのいずれも、本開示によるエアロゾル送達デバイス内に含まれてよい。具体的には、上に記載及び例示された制御体の構成要素のうちのいずれも、本開示による制御体内に組み込まれてよい。同様に、上に記載及び例示されたカートリッジの構成要素のうちのいずれも、本開示による制御体と組み合わされ得るカートリッジ内に組み込まれてよい。
【0079】
本開示による喫煙物品200の例示的な一実施形態が、
図2に示される。図に示されるように、制御体202は、制御構成要素206、フローセンサ208、電池210、及びLED212を含み得る制御体外郭201から形成され得る。カートリッジ204は、液溜め収容部内に蓄えられたエアロゾル前駆体組成物を加熱器234に逃がすかまたは別様に輸送するように適合された、液体輸送要素236と流体連通している液溜め244を封入する、カートリッジ外郭203で形成されてもよい。形成されたエアロゾルがカートリッジ204から脱出することを可能にする開口部228が、カートリッジ外郭203内に存在してもよい。かかる構成要素は、カートリッジ内に存在し得る構成要素の代表であり、本開示により包含されるカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図しない。
【0080】
制御構成要素206及びフローセンサ208は別々に示されているが、気流センサが直接取り付けられている電子回路基板として、制御構成要素とフローセンサとが組み合わされてもよいことは理解される。さらに、電子回路基板は、電子回路基板が制御体の中心軸に対して長さ方向に平行となり得るという点で、
図2の例示に対して水平に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、気流センサは、それ自体の回路基板、またはそれが取り付けられ得る他の基部要素を備えてもよい。
【0081】
カートリッジ204はまた、集積回路、メモリ構成要素、センサなどを含み得る、1つ以上の電子部品250を含んでもよい。電子部品250は、制御構成要素206と通信するように適合されてもよい。
【0082】
制御体202及びカートリッジ204は、それらの間の流体係合を容易にするように適合された構成要素を含み得る。
図2に示されるように、制御体202は、中に空洞225を有する連結器224を含んでもよい。カートリッジ204は、連結器224に係合するように適合された基部240を含んでもよく、空洞225内に収まるように適合された突出部241を含んでもよい。かかる係合は、制御体内の電池210及び制御構成要素206とカートリッジ内の加熱器234との電気接続を確立するだけでなく、制御体202とカートリッジ204との安定した接続を容易にすることができる。さらに、制御体外郭201は、吸気口218を含んでもよく、吸気口は、連結器224に接続する外郭内の刻み目であってよく、これにより、周囲空気が連結器の周りを通り、外郭内に入ることが可能になり、次いで周囲空気は、連結器の空洞225を通過し、突出部241を通ってカートリッジ内に入る。
【0083】
本開示で有用な連結器及び基部は、2013年3月15日出願のNovakらへの米国特許出願第13/840,264号に記載されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、
図2に見られる連結器は、基部240の内周242と対になるように構成された外周226を画定し得る。一実施形態では、基部の内周は、連結器の外周の半径と実質的に等しいか、またはそれよりもわずかに大きい半径を画定し得る。さらに、連結器224は、基部の内周において画定される1つ以上の陥凹278に係合するように構成された、外周226における1つ以上の突起229を画定し得る。しかしながら、種々の他の実施形態の構造、形状、及び構成要素を用いて、基部を連結器に連結させることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ204の基部240と制御体202の連結器224との間の接続は、実質的に恒久的であってよいが、他の実施形態では、それらの間の接続は解放可能であってもよく、その結果、例えば、制御体が、使い捨てかつ/または再充填可能であり得る1つ以上の追加のカートリッジと共に再使用されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、本開示によるエアロゾル送達デバイス内で使用するためのセンサは、収容部(例えば、制御体収容部、カートリッジ収容部、または制御構成要素及びカートリッジ構成要素を含む単一の収容部)の少なくとも一部分を通る気流を検出するように構成され得る。検出された気流に応答して、センサは、例えば気流の1つ以上の特性に基づいて変動し得る、可変信号を出力するように構成され得る。かかる可変出力センサは、以下に記載されるエアロゾル送達デバイスの様々な実施形態で用いられ得る。さらに、
図1のセンサ108及び/または
図2のセンサ208は、本明細書に記載される可変出力センサであってもよい。
【0085】
気流を検出し可変信号を出力するように適合されたセンサは、本質的にオン/オフスイッチとして機能するセンサとは区別され得る。かかるオン/オフセンサは典型的に、差圧に応答して電流を生成するように構成され、誘導された電流は、制御器に信号を提供して、電池から加熱器への電力の流れを起こす。誘導された電流の欠如は「オフ」状態を示し、誘導された電流の存在は「オン」信号を提供する。「オン」信号は分散を有せず、具体的には、気流の本質に基づいて変動しない。したがって、既知のエアロゾル送達デバイスにおけるセンサは、可変信号ではなく、静的信号のみを提供するように構成されている。
【0086】
本開示による使用のためのセンサは、本明細書に記載される可変信号を提供するために適合された任意のセンサを備えてよい。例えば、いくつかの実施形態では、圧電素子、歪みゲージ、撓み/曲がりセンサ、または他のアナログ測定デバイスが使用され得る。
【0087】
可変信号を提供するように構成されたセンサは、撓み/曲がりセンサに関連して本明細書にさらに記載される。かかる記載は、開示される主題の理解を容易にするために提供されるものであり、本開示を限定するものと解釈されるべきではない。気流速度に対するものなどの可変信号を提供するように構成された同様のセンサも使用され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、撓み/曲がりセンサは、要素に気流が適用されると撓むかまたは曲がるように構成された少なくとも1つの要素を備える、任意のセンサを含み得る。この要素の撓みまたは曲がりは特に、気流の速度が上昇するにつれて増大し得る。
【0089】
本開示で有用である例示的な撓み/曲がりセンサが、
図3に示される。図に見られるように、センサ365は、電気接続部370及び伸長部371を備える。伸長部371は、様々な寸法を有し得、収容部または外郭内に配置されるように選択的に寸法決定される(例えば
図2の要素201を参照されたい)。例えば、伸長部は、約10mm未満、約8mm未満、または約6mm未満(例えば、約3mm〜約8mm、約3.5mm〜約7mm、または約4mm〜約6mm)の長さを有し得る。伸長部は、約0.5mm〜約5mm、約1mm〜約4mm、または約1.5mm〜約3.5mmの幅、及び約0.1mm〜約2mm、約0.2mm〜約1.5mm、または約0.25mm〜約1mmの厚さを有し得る。伸長部は実質的に細長くてよく、したがって、伸長部の幅超かつ伸長部の厚さ超の長さを有し得る。
【0090】
伸長部371は、ポリマー材料などの可撓性または曲げやすい任意の材料で形成され得る基材372を備え得る。例えば、基材372は、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、または、加えられた力(例えば気流)に応答して曲がるかもしくは撓み、加えられた力が除かれると曲がっていない状態もしくは撓んでいない状態に戻るように構成された、任意の同様の材料を含み得る。
【0091】
センサ365の伸長部371は、基材371と物理的に接続している導電性アレイ373をさらに備えてもよい。基材372の曲がりまたは撓みに応答して、その1つ以上の電気特性の変化を示すように構成され得る導電性アレイ373。例えば、アレイ373は、電気抵抗、抵抗率、コンダクタンス、または導電性のうちの1つ以上の変化を受けるように構成され得る。導電性アレイの非限定的な例としては、導電性エラストマー、導電性インク、導電性流体、滑り抵抗体、力抵抗体などが挙げられる。例えば、開示内容が参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、Gentileらへの米国特許第5,086,705号、及びMargolinへの米国特許第5,411,789号に記載される材料を参照されたい。
【0092】
導電性アレイ373は、基材372上に積層されても、またはその中に埋め込まれてもよい。例えば、アレイは基材上に印刷されてもよい。いくつかの実施形態では、アレイが2つの層間で挟持され得るように、さらなる層が基材372上の導電性アレイ373の上に提供されてもよい。
【0093】
導電性アレイは、銅、炭素、または材料を通る抵抗を測定するように適合された他の導電性材料を含み得る。例えば、銅回路が伸長部基材の表面上に印刷されてもよい。別の例として、炭素抵抗素子が伸長部基材に埋め込まれるか、または別様に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、抵抗性材料が金属箔層(例えば、銅)間に挟持されてもよい。この積層素子は、熱収縮性管類などのポリマー被覆によって包囲されてもよい。センサの抵抗出力は、伸長部の曲げ半径に対して変化し得る。撓み/曲がりセンサは、一方向性であっても二方向性であってもよい。
【0094】
使用中、撓み/曲がりセンサは、空気がセンサを横断して流れると伸長部が撓むかまたは曲がり得るように、デバイス内に配置され得る。この撓みまたは曲がりは、加えられた力に応答する基材の角変位に関連して定義され得る。撓み/曲がりセンサによって出力される信号は、伸長部の撓みまたは曲がりの程度に基づいて変動し得る。いくつかの実施形態では、センサによって出力される可変信号は、伸長部の角変位、特に伸長部基材の角変位に対応し得る。これは、例示的なエアロゾル送達デバイスの部分断面図を示した
図4aから4dに示される。簡潔性のため
図4には示されていないが、電子回路基板が、本エアロゾル送達デバイスの1つ以上のさらなる要素、例えば電池、制御器、及び/または加熱器などと電気的に接続していてもよいことは理解される。可変出力センサと、本エアロゾル送達デバイスの種々のさらなる要素との組み合わせは、例えば
図5及び
図6に示される。さらに、
図4aから
図4dに示される電子回路基板は、可変出力センサに加えて、制御器、LEDなどの要素を備えてもよい。
【0095】
図4aに見られるように、撓み/曲がりセンサ465aが、収容部401a内に配置され、電子回路基板407aに接続している。この実施形態での電子回路基板407aは、収容部401aの長手方向軸と実質的に平行である。
図4aでは、収容部401aを通過する気流は存在せず、センサ465aは、この実施形態では収容部の長手方向軸に対して実質的に直角である、静止位置にある。
【0096】
図4bでは、収容部401bを通る気流が確立されている。この気流は、撓み/曲がりセンサ465bが気流と同じ方向に撓むかまたは曲がる一方で、電子回路基板407bが気流によって実質的に動かされないままであるような規模である。
【0097】
図4cでは、収容部401cを通る気流の規模は、
図4bの気流に対して増大する。それに応答して、撓み/曲がりセンサ465cは、
図4bにおけるより小さな気流によって引き起こされる撓みまたは曲がりに関連して、より大きな程度に撓むかまたは曲がる。
【0098】
図4dでは、収容部401dを通る気流の規模は、
図4c及び
図4bの気流に対して増大する。それに応答して、撓み/曲がりセンサ465dは、
図4c及び
図4bにおけるより小さな気流によって引き起こされる撓みまたは曲がりに関連して、より大きな程度に撓むかまたは曲がる。
【0099】
撓み/曲がりセンサは、伸長部の撓みまたは曲がりの程度に対する電気特性の変化に基づいて、連続的な範囲にわたる可変出力を提供し得る。したがって、このセンサは、可変アナログ分圧器として特徴付けられ得る。例えば、導電性アレイを横断する抵抗の変化のために構成されたセンサでは、測定される抵抗は、伸長部が撓むかまたは曲がるにつれて連続的な範囲に沿って変化する。具体的には、このセンサは、導電性アレイ内の電気抵抗の変化を測定することによって、伸長部基材の角変位の変化を識別することができる(例えば、基材の角変位が増大するにつれて、導電性アレイを通る電気抵抗が増大する)。導電性アレイを通る抵抗は、例えば約0.1kΩ〜約300kΩ、約1kΩ〜約250kΩ、または約10kΩ〜約200kΩなど、広範囲にわたって変動し得る。
【0100】
撓み/曲がりセンサは、エアロゾル送達デバイスの収容部内に配置され得る電子回路基板に、様々な位置で接続され得る。電子回路基板は、エアロゾル送達デバイスの収容部の長手方向軸に対して実質的に平行であってもよい。代替的な実施形態では、電子回路基板は、収容部の長手方向軸に対して実質的に直角であってもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、電子回路基板は、撓み/曲がりセンサ、特にセンサの伸長部と位置整列され得る、1つ以上の開口を含んでもよい。かかる開口は、特に、空気が望ましい方向で撓み/曲がりセンサの伸長部を横断して流れて、流路を通る気流に対する伸長部の撓みまたは曲がりを促進するように、収容部の少なくとも一部分を通る気流路を少なくとも部分的に画定し得る。
【0102】
例えば、
図5に見られるように、制御体502は、LED512、電池510、制御器506、及びフローセンサ要素508を含む、制御体収容部501を備える。示される実施形態では、フローセンサ要素508は、撓み/曲がりセンサ565が接続されている電子回路基板507を収容するセンサ本体590を備える。フローセンサ要素508は、フローセンサ要素を通り、かつ撓み/曲がりセンサ565を横断する気流の流入及び流出をそれぞれ可能にするように構成された、開口591a及び591bも備える。気流(
図5に破線として見られる)は、吸気口518a及び518bを通って制御体収容部501に流入し、フローセンサ要素508を通過し、連結器524の空洞525を通って制御体502から流出する。いくつかの実施形態では、センサ本体590は存在しなくてもよい。かかる実施形態では、所望の場合、電子回路基板507は、制御器506と組み合わされ得る。例えば、制御器506は、電子回路基板507に接続されたマイクロコントローラであってもよく、撓み/曲がりセンサ565は、電子回路基板に接続されていてもよい。
【0103】
図6に示されるさらなる一実施形態は、これもまた、LED612、電池610、制御器606、及びフローセンサ要素608を含む制御体収容部601を備える、制御体602を示す。示される実施形態では、フローセンサ要素608は、センサ本体690内のフローセンサ要素を通り、かつ撓み/曲がりセンサ665を横断する気流の流入及び流出をそれぞれ可能にするように構成された開口691a及び691bを有する、センサ本体690を備える。撓み/曲がりセンサ665は、撓み/曲がりセンサと、センサ本体690及び電子回路基板607の一方または両方との電気接続のために構成され得る、基部667を含み得る。例えば、基部667は、センサ本体690との電気接続を形成し得、センサ本体は、電子回路基板607に電気的に接続される。代替的に、基部667の電気接続部は、センサ本体690を通って延在し得、電子回路基板607との電気接続のために構成され得る。電子回路基板607は、センサ本体を通過する空気が電子回路基板も通過するように、センサ本体690内の開口691bと実質的に整列され得る開口部607aを含んでもよい。
【0104】
図6では、制御体収容部601は吸気口618を含み、この吸気口は、連結器624に接続する収容部内の刻み目であってよく、これにより、周囲空気が連結器の周りを通ることが可能になる。吸気口618を通ってフローセンサ608に入るように気流を導くことを助けるために、制御体602は、中に(空洞696a及び696bによって集合的に形成された)空洞696を含み得る、密封部材695を含んでもよい。密封部材695内の空洞696は、センサ本体690内で、第1の端部において吸気口618と、そして第2の端部において開口691aと整列され得る。密封部材695は、気流(
図6に破線で示される)が、制御体収容部601の外部から吸気口618を通り、密封部材695内の空洞696を通り、センサ本体690内の開口691aを通り、撓み/曲がりセンサ665を横断し、センサ収容部内の開口691bを通り、電子回路基板内の開口部607aを通り、密封部材内の空洞696bを通り、連結器624内の空洞625を通るように、フローセンサ608及び電子回路基板607の少なくとも一部分を実質的に完全に包囲するのが好ましい。カートリッジが制御体と組み合わされると、連結器625内の空洞625を通って流出する気流が、カートリッジ内に通ることができる。
【0105】
密封部材695が
図6に示されているが、制御体収容部601の少なくとも一部分を通る流路を画定するための他の構成要素も包含される。例えば、1つ以上の流管が使用され得る。かかる実施形態では、制御体収容部は、通過する気流を受け入れるように構成された流路を画定し得、撓み/曲がりセンサの少なくとも一部分(例えば、センサの伸長部)が、流路内に配置される。
図6では、流路は、空洞696a及び696bならびにセンサ本体690によって画定され得る。撓み/曲がりセンサは、制御体収容部内に配置されるものとして示されているが、本明細書に記載される可変出力を提供するためのセンサが、カートリッジ収容部内、または制御要素及びカートリッジ要素を備える単一の収容部内に配置され得ることは理解される。
【0106】
いくつかの実施形態では、撓み/曲がりセンサは、制御体収容部及び/または制御体収容部を通る気流の方向に相対的に構成されてもよい。例えば、撓み/曲がりセンサの伸長部の長手方向の長さは、収容部の長手方向の長さに対して非平行方向に配向されてもよい。他の実施形態では、撓み/曲がりセンサの伸長部の長手方向の長さは、制御体収容部を通る気流に対して、かつ/または制御体収容部を通過する空気の流路に対して非平行方向に配向されてもよい。
【0107】
図4aから
図4dに見られるように、撓み/曲がりセンサは、気流路内に配置され、制御体収容部を通る気流に比例して撓むかまたは曲がる。センサの撓みまたは曲がりの規模は、静止位置(撓みまたは曲がりがない)と、最大限に撓んだまたは曲がった位置との間の、実質的に連続的な範囲に沿って検出され得る。この範囲内で、センサの撓みまたは曲がりは、撓みまたは曲がりの規模に基づいて変動する出力信号を確立し得る。いくつかの実施形態では、センサによって出力される可変信号は、気流速度に基づいて変動し得る。換言すれば、デバイスの吸引が増大するにつれて、撓み/曲がりセンサを横断する気流の速度が上昇し、センサは、気流速度が上昇または低下するにつれて、多かれ少なかれ撓むかまたは曲がる。したがって、センサから出力される可変信号は、デバイスを通る気流速度に比例し得る。
【0108】
撓み/曲がりセンサから出力される可変信号は、デバイスの動作を制御するために、エアロゾル送達デバイスの1つ以上の制御要素によって使用され得る。かかる動作は、デバイスの様々な機能的要素、例えば加熱部材、流体送達部材、感覚フィードバック部材などを包含し得る。
【0109】
例えば、撓み/曲がりセンサからの可変信号は、液溜めと加熱部材との間の弁の開放及び閉鎖を制御するために、マイクロプロセッサによって使用され得る。デバイスの吸引が増大し、センサの撓みまたは曲がりが増大するにつれて、弁の開放が増大して、より大きな体積のエアロゾル前駆体組成物が液溜めから加熱部材へと通ることを可能にしてもよい。感覚フィードバック部材(例えばLEDまたは振動性要素)が使用される他の実施形態では、センサの撓みまたは曲がりを増大させるデバイスの吸引の増大は、マイクロプロセッサに信号を送って、LEDによる異なる照明パターンを引き起こすか、または振動性要素による異なる振動パターンを引き起こすことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、撓み/曲がりセンサから出力される可変信号は、カートリッジ内の加熱器などのデバイス内の加熱要素のプロファイルを改変するように、デバイスの制御電子装置と結び付けられてもよい。具体的には、加熱プロファイルは、デバイスの吸引の規模によって引き起こされる気流速度に対して実時間で変化させられてもよい。
【0111】
このように、本開示は、エアロゾル送達デバイスの動作を制御するための方法にさらに関する。かかる方法は、エアロゾル送達デバイスを通る気流の1つ以上の特性を検出することを含み得る。かかる検出ステップは、本明細書に記載される、可変信号の出力のために構成されたセンサ(例えば、撓み/曲がりセンサ)を用いることによって実施され得る。例えば、センサの一部分(例えば、撓み/曲がりセンサの伸長部)の動きを検出することは、エアロゾル送達デバイスを通る気流の1つ以上の特性を検出することの根拠となり得る。センサの動きは、例えば、撓み/曲がりセンサの伸長部の角変位であり得る。センサの動きはさらに、例えば、センサの伸長部の曲げ半径の変化を引き起こす動きであってもよい。本方法は、気流の1つ以上の特性に基づいて変動する可変信号を出力することをさらに含んでもよい。具体的には、センサは、本明細書に別様に記載される可変信号を出力してもよい。本方法はまた、可変出力信号に基づいて、エアロゾル送達デバイスの少なくとも1つの機能的要素の動作を制御することを含んでもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、本方法は、加熱部材に供給される電流の少なくとも1つの特性を制御することを含み得る。具体的には、本方法は、検出された気流の速度に比例して、加熱部材に電流を供給することを含み得る。かかる制御は、プログラムコード命令を用いる1つ以上の制御アルゴリズムの実装によって達成され得る。
【0113】
例えば、エアロゾル送達デバイスを通る気流速度は、ユーザによってデバイスが吸引されると、本明細書に記載されるセンサで検出され得、かかる気流速度は、吸引の持続時間にわたって連続的に検出され得る。気流センサは、気流速度に基づいて変動し得る信号を出力することができる。センサから出力された可変信号は、マイクロプロセッサによって制御アルゴリズムに入力されて、それに基づいて定義された計算を行い、センサからの出力信号に対して、加熱部材に供給される電流の1つ以上の特性の必須パラメータを判定することができる。次いでマイクロプロセッサが、デバイスを通る実時間の気流速度に基づいて加熱器の機能を定義する必須パラメータを用いて電流を加熱部材に導く。この様式で、加熱器の機能は連続的に制御され得、必要に応じて、デバイスを通る気流速度に対して改変され得る。これは、
図7に提供される流れ図に示される。
【0114】
図7の動作700では、ユーザが、本明細書に記載されるエアロゾル送達デバイスを吸引することによって加熱を開始し、ユーザによる吸引は、吸引の持続時間にわたって均一であってもよく、または吸引中に強度が変動してもよい。動作710では、デバイスを通る気流の速度が、本明細書に記載されるセンサによって検出される。動作720では、センサが、気流速度と共に変動する信号を出力する。動作730では、マイクロプロセッサが可変信号を受信し、定義済みのプログラミングに従ってアルゴリズムを開始して(動作735)、センサによって検出された気流速度に対して定義済みの加熱器パラメータを確立する。動作740では、マイクロプロセッサが、電流のパラメータが加熱器に送られるように指示する制御信号を出力する。動作750では、定義されたパラメータを有する電流が電池から加熱器に送られる。動作760では、加熱器が、定義されたパラメータに従って加熱し、したがってエアロゾル前駆体組成物を気化する。加熱は、動作770においてデバイスの吸引の休止と共に終了する。プロセス710から760が、デバイスの吸引の持続時間全体にわたって所定の頻度で繰り返し起こることは理解される。この様式で、加熱器性能は、デバイスの吸引中に連続的に調整され得る。より具体的には、フィードバックループが確立され、それによって、ユーザ入力(例えば、デバイスの吸引の強度)が、デバイスの使用中に実時間でデバイスの加熱プロファイルを変更することができる。
【0115】
可変出力センサの使用によって確立されるフィードバックループは、さらなるフィードバック要素を組み込むことができる。例えば、2013年3月15日出願のAmpoliniらへの米国特許出願第13/837,542号は、電源からの平均電力を、エアロゾル前駆体組成物を加熱し、それに応じて加熱期間を開始するように配された加熱デバイスに導くことを含む方法を開示し、この平均電力は、電源に関連する選択された電力セットポイントに対応する。かかる方法は、本開示の方法及びデバイスと組み合わされて、エアロゾル送達デバイスのなおさらなる制御スキームを達成することができる。
【0116】
上記のものと同様に、本開示の方法は、デバイスのさらなる機能を制御することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、液溜めから噴霧器へのエアロゾル前駆体組成物の供給速度を制御することを含み得る。具体的には、本方法は、検出された気流の速度に比例して、エアロゾル前駆体組成物を噴霧器に供給することを含み得る。非限定的な一例として、センサからの可変信号は、エアロゾル前駆体組成物が液溜めから、例えば弁を通して排出される速度を制御するために、制御器によって使用され得る。
【0117】
他の実施形態では、本方法は、照明要素の照明構成を制御することを含み得る。具体的には、本方法は、検出された気流の速度に基づいて、照明要素の色、照明パターン、照明持続時間、及び輝度のうちの少なくとも1つを変更することを含み得る。
【0118】
本開示が関連する技術分野の当業者であれば、前述の説明及び関連する図面において提示された教示を利用して、本開示の多数の変更形態及び他の実施形態を発想するであろう。したがって、本開示が、本明細書において開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更形態及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれるよう意図されるということは理解されるべきである。特定の用語が本明細書で使用されているが、これらは一般的意味及び説明的意味で使用されているに過ぎず、限定を目的とするものではない。