特許第6605605号(P6605605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6605605複数の内蔵式シーラント層付の空気タイヤ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605605
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】複数の内蔵式シーラント層付の空気タイヤ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/12 20060101AFI20191031BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20191031BHJP
   B29C 73/16 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   B60C19/12 A
   B60C1/00 Z
   B29C73/16
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-530383(P2017-530383)
(86)(22)【出願日】2015年8月14日
(65)【公表番号】特表2017-526580(P2017-526580A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】CN2015086915
(87)【国際公開番号】WO2016095542
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年2月23日
(31)【優先権主張番号】14/572,138
(32)【優先日】2014年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517064832
【氏名又は名称】トライアングル タイヤ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIANGLE TYRE CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マジュムダール,ラメンドラ ナス
(72)【発明者】
【氏名】モンゴメリー,エドワード エル.
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チャンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ドン,リンボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ダペン
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−49501(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0084483(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0126953(US,A1)
【文献】 特開2003−276409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00−19/12
B60C 5/00− 5/24
B29C 73/00−73/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵式シーラント層付のタイヤであって、
1の外環状トレッド、
タイヤを支えるカーカスであって、1又は複数のプライ層及び放射状の内層を含むもの、
一対のビード、
側壁であって、トレッド部分のアキシャル方向軸外縁から半径方向内方に延び、各前記ビードに接続するもの、及び
シーラントであって、シーラント外層及びシーラント内層を含み、前記シーラント外層と前記シーラント内層は前記カーカスの前記内層から内部へ設けられるものを含み、
前記シーラント内層と前記シーラント外層は粘度が異なり、
前記シーラントはタイヤのパンクに対して自己封止性能を有するタイヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のタイヤであって、前記シーラント外層の粘度が前記シーラント内層の粘度より高く、前記シーラント内層の粘度が前記シーラント外層の粘度より低いタイヤ。
【請求項3】
内蔵式シーラント層付のタイヤであって、
外環状ゴムトレッド、
タイヤを支えるカーカスであって、内層を有するもの、
オプションインナーライナであって、前記タイヤを支えるカーカスの前記内層から内方に設けられるもの、及び
複数の内蔵式シーラントゴム層であって、粘度が異なり、前記タイヤを支えるカーカスから内方に設けられ、前記インナーライナが存在する場合、前記インナーライナから内方に設けられ、最内層の前記インナーライナが前記内蔵式シーラントゴム層から内方に設けられたものを含むタイヤ。
【請求項4】
請求項3に記載のタイヤであって、前記複数の内蔵式シーラントゴム層は粘度が異なり、低粘度シーラント及び高粘度シーラントを含み、前記低粘度シーラントは前記高粘度シーラント層から内方に設けられるタイヤ。
【請求項5】
請求項1に記載のタイヤであって、さらにインナーライナ及びカバー層を含み、前記インナーライナは前記タイヤを支えるカーカスの前記内層に取り付けられ、前記シーラント外層と前記シーラント内層は前記インナーライナと前記カバー層の間に設けられるタイヤ。
【請求項6】
請求項5に記載のタイヤであって、さらにガス透過層を含み、前記ガス透過層は前記シーラント層と前記インナーライナの間に設けられタイヤ。
【請求項7】
請求項5に記載のタイヤであって、前記カバー層は0.5MPa〜2.5Mpaの100%モジュラスを有するタイヤ。
【請求項8】
請求項5に記載のタイヤであって、前記カバー層は1.2MPa〜1.9Mpaの100%モジュラスを有するタイヤ。
【請求項9】
請求項2に記載のタイヤであって、前記高粘度シーラントは、温度が35℃でG’値が0.5MPa〜0.1Mpaの間にあり、いかなる過酸化物又は加硫剤を必要とせずに製造されたタイヤ。
【請求項10】
請求項2に記載のタイヤであって、前記高粘度シーラントは、温度が35℃でG’値が0.5MPa〜0.1Mpaの間にあり、1種類の過酸化物又は加硫剤を使用するだけで製造されたタイヤ。
【請求項11】
請求項2に記載のタイヤであって、前記低粘度シーラントは、温度が35℃でG’値が0.3MPa〜0.02Mpaの間にあり、過酸化物を用いて前駆体から生成されたタイヤ。
【請求項12】
請求項2に記載のタイヤであって、前記粘度が低い前記シーラント内層は、ブチルゴムを主要成分とする前駆体が加熱分解されてなり、ムーニー粘度(ML(1+8)125℃)が5〜25MUの範囲にあるタイヤ。
【請求項13】
請求項2に記載のタイヤであって、前記粘度が高い前記シーラント外層は、ブチルゴムを主要成分とする前駆体が加熱分解されてなり、ムーニー粘度(ML(1+8)125℃)が25〜60MUの範囲にあるタイヤ。
【請求項14】
請求項8に記載のタイヤであって、前記高粘度シーラント層はブタジエンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及び上記三種類の混合物の群から選択されたエラストマを用いて直接に配合して作られたタイヤ。
【請求項15】
請求項1に記載のタイヤであって、前記2又は複数のシーラント層は過酸化物で形成され、過酸化物のSADTが50〜140℃の範囲にあるタイヤ。
【請求項16】
請求項1に記載のタイヤであって、前記シーラントは分解されたブチルゴムを含むタイヤ。
【請求項17】
請求項1に記載のタイヤであって、前記シーラントは2又は複数の平行した環状の帯状体に分れているタイヤ。
【請求項18】
請求項17に記載のタイヤであって、前記2又は複数の平行した環状の帯状体は4つの帯状体を含むタイヤ。
【請求項19】
タイヤの製造方法であって、
生タイヤを成型する、
前記生タイヤに、過酸化物を含む1又は多種類のシーラント前駆体層と過酸化物及び硫化剤を有さない0層又は1層の高粘度シーラント層とを加え、シーラント層及びシーラント前駆体層の合計層数を少なくとも2層にする、及び
前記生タイヤを硫化する工程を含み、
前記生タイヤの硫化の際に,前記1又は複数のシーラント前駆体層は隣接する層が直接的に接触しており、分解されてシーラント層が生成され、前記シーラント層の主要成分は主にブチルゴムを含む方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、ブチルゴムを主要成分としてなる前記シーラント前駆体層のムーニー粘度(ML(1+8)125℃)が30〜60MUの範囲にある方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内蔵式シーラント層を有するタイヤに関し、特に、少なくとも一層のシーラント層がシーラント前駆体層から構成される、複数の内蔵式シーラント層付きタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤのパンクはゴムタイヤに固有の問題である。この問題に対して、シーラントが開発され、タイヤ内部に設けることで、パンクによる影響を低減している。さらに言えば、どんな温度条件でもパンクが発生する恐れがある。低い温度条件である場合、1層の低粘度シーラント層だけで十分であるが、高い温度条件である場合は、シーラントの粘度が極めて低いため、シーラントを使用した場合、タイヤから出てしまうことがある。タイヤ用シーラントが使い切れられると、タイヤのパンクに対して自己封止能力を失う。同様に、高い温度条件である場合、1層の高粘度シーラント層だけで十分であるが、低温では高粘度のシーラントはほぼ固化するので、低い温度条件において流動しないため、タイヤの刺し穴を塞ぐことが不可能になる。
【0003】
従来技術として、内蔵式シーラント層付のタイヤが知られている。通常、タイヤシーラントは過酸化物を含むブチルゴム前駆体であって、例えば、米国特許第4,895,610号、米国特許第6,962,181号、米国特許第7,073,550号、米国特許第7,674,344号、米国特許第8,293,049号、及び米国特許出願公開第2005/0113502号並びに米国特許出願公開第2005/021568号に記載されており、これらはいずれも本願に組み込まる。シーラントには黒色以外の色のものもあり、且つポリエステル又はポリウレタン繊維等の短繊維及びその他の充填重合体を含み、刺し穴を塞ぐのに有用である。
【0004】
複数の層を用いたタイヤは知られており、例えば米国特許第8,387,672号(Majumdar)においては、複数の層を用い、これら層は非織物層を組み込んだポリウレタン製のシーラント前駆体をベースとしている。ポリウレタン製のシーラントの漏れを防止し、刺し穴を塞ぐために非織物材料を用いることが教示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,895,610号明細書
【特許文献2】米国特許第6,962,181号明細書
【特許文献3】米国特許第号7,073,550号明細書
【特許文献4】米国特許第7,674,344号明細書
【特許文献5】米国特許第8,293,049号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0113502号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/021568号明細書
【特許文献8】米国特許第8,387,672号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
内蔵式シーラント層付のタイヤであって、1の外環状トレッド、タイヤを支えるカーカスであって、1又は複数のプライ層及び放射状の内層を含むもの、一対のビード、側壁であって、トレッド部分のアキシャル方向軸外縁から半径方向内方に延び、各前記ビードに接続するもの、及びシーラントであって、シーラント外層及びシーラント内層を含み、前記シーラント外層と前記シーラント内層は前記カーカスの前記内層から内部へ設けられるものを含み、前記シーラント内層と前記シーラント外層は粘度が異なり、前記シーラントはタイヤのパンクに対して自己封止性能を有する。
【0007】
本発明の前述した及び他の特徴及び利点は、図面を参考に下述の説明を読み進めることにより、本発明に関連する分野の当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1はシーラント層とシーラントカバー層の横断面図である。
図2図2は本発明を用いたタイヤの横断面図である。
図3図3は本発明の実施例の変形に係るタイヤの横断面図である。
図4図4は本発明の実施例の変形に係るタイヤの横断面図である。
図5図5はパンクのタイヤ及び従来の技術を説明する横断面図である。
図5A図5Aパンクのタイヤ及び従来の技術を説明する横断面図である。
図6図6は本発明を用いたパンクしたタイヤの横断面である。
図7図7は本発明の実施例の変形に係るのタイヤの横断面である。
図8図8は本発明実施例の他の変形に係るタイヤの横断面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は複数の内蔵式シーラント層付のタイヤに関する。前記タイヤは、1の外環状トレッド、タイヤを支えるカーカスであって、1又は複数のプライ層及び放射状の内層を含むもの、一対のビード、側壁であって、トレッド部分のアキシャル方向軸外縁から半径方向内方に延び、各前記ビードに接続するもの、及びシーラントであって、インナーライナ、2又は複数のシーラント層及び前記タイヤカーカスの一番内層に設けられるカバー層を有するものを含み、前記インナーライナは前記タイヤカーカスの最内層に取り付けられ、前記2又は複数のシーラント層は前記インナーライナと前記カバー層の間に位置し、前記2又は複数のシーラント層は内層と外層を含み、粘度が異なり、前記シーラント層はタイヤのパンクに対して自己封止能力を有する。
【0010】
タイヤ断面構造は外から内へ順に以下を含む。最も外側はトレッド層であり、次に順に従来のタイヤカーカス(プライ層とベルト層を含む)、インナーライナ、シーラント外層、シーラント内層であり、最も内側は保護用カバー層である。インナーライナとタイヤカーカスの最内層の間にオプションとしてガス透過層を設けることができる。インナーライナは永久的にタイヤカーカスの内表面に付着、固着又は接続される。シーラントの内層及び外層は相対的なものであり、シーラント内層とシーラント外層はタイヤ内部構造の一部をなす。即ち、シーラント外層の全体又は一部はタイヤの外部/外側に位置しない。
【0011】
本発明は、複数の内蔵式パンクシーラント層を含むシーラントを使用する。前記パンクシーラント層はシーラント外層とシーラント内層で構成される。同等厚さの1層のシーラント層に比べ、複数のシーラント層を使用する場合はよりよい性能を発揮する。本発明により、シーラント外層が高粘度シーラント層でありシーラント内層が低粘度シーラント層である場合(即ち、高粘度シーラント層がタイヤの外側トレッドの外表面の近い位置に位置し、低粘度シーラント層がタイヤ/タイヤ回転軸に近接して位置する場合)、パンクに対してよりよい自己密封効果が得られる。シーラント内層とシーラント外層は主に分解されたブチルゴムを含む。
【0012】
本願に使用している用語の「シーラント前駆体」とは、それ自体がシーラントではないが、タイヤ製造の高温タイヤ硫化工程において熱分解によりシーラントに変換可能な化合物のことである。「前駆体層」はシーラント前駆体の層である。前駆体層は、100%のブチルゴム、あるいは主要成分がブチルゴムであって、ブチルゴムが80%〜90%を占め、ジエンエラストマーを最大5%程度まで含むものであってもよい。高温条件でのタイヤ硫化の際、ブチルゴムが分解され、低分子量の粘性シーラントが形成される。タイヤインナーライナの内方に複数のシーラント層を配置することができ、シーラント保護層を採用してタイヤ硬化ブラダ汚染を防止することもできる。タイヤインナーライナとタイヤカーカスの間に複数のシーラント層を配置することができ、タイヤインナーライナがタイヤ硬化ブラダ汚染を防止できるため、シーラント保護層は必要でない。しかし、プライ層とシーラント層の間にゴムスキージー層を設け、シーラントがタイヤコードとプライ層の間を流れることを防止する必要がある。
【0013】
ゴムスキージー層は、どんなゴムベース成分からなるものであってもよく、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムをベース成分とすればよい。便宜のため、ゴムスキージー層の成分はインナーライナと同じ成分でもよいが、バリア性能は必要ないので、ゴムスキージー層の厚さは相対的に薄くなる。通常,ゴムスキージー層の厚さは0.5mmから1mmまでにする必要がある。乗用車タイヤの場合、従来のブロモブチルゴムベースのインナーライナの厚さは約1.5mmであり、トラックタイヤ等の大型タイヤの場合、従来のブロモブチルゴムベースのインナーライナの厚さは4mmに達する。
【0014】
低粘度/シーラント内層は、貯蔵弾性率(G’)がかなり低く、タイヤ成型の際に圧延又は簡便に直接的に塗布することが難しい。その対策として、タイヤ成型開始時に,G’値が高いシーラント前駆体層を使用し、タイヤ硫化期間で適切な過酸化物(後述)を触媒とすれば、前駆体層はインサイチュ分解され、G’値が低くなったシーラント層が形成される。同様に、高粘度/シーラント外層はシーラント前駆体層からインサイチュ成型することができる。しかし、高粘度シーラント層のG’値は十分に高いので、タイヤ成型の際に直接的に塗布でき、過酸化物で熱分解させる必要がない。過酸化物の量を変更又は抑制すれば、粘度もそれに応じて変わる。
【0015】
バリア層は、インナーライナ(図2)とゴムスキージー層(図3)のどちらであってもよく、シーラントがタイヤトレッドを補強するための繊維材料に吸収されるのを防ぐために用いられる。該バリア層を使用することが望ましいが、必須ではない。
【0016】
どんな商用ブチルゴムでもシーラント前駆体層として使用することができる。不飽和レベルが0.90〜2.25mol%であり且つムーニー粘度(ML(1+8)125℃)が33〜51MU(ムーニー単位)の範囲にあるブチルゴムなら何でも使用でき、例えばドイツのランクセス(Lanxess)のブチルゴム等を使用することができる。過酸化物触媒の存在下で加熱することにより、ブチルゴムはムーニー粘度(ML(1+8)125℃)の低いゴムに分解され、ムーニー粘度が5〜25MUの範囲になる。
【0017】
ブチルゴム以外に、過酸化物で分解されたその他のゴム又はブチルゴムを組み合わせることによりシーラント前駆体として使用することができる。例えば、臭素化イソブテン−イソプレン共重合体、ドイツのランクセス(Lanxess)のX_BUTYL(登録商標)I4565P等を使うことができる。この共重合体のムーニー粘度(ML(1+8)125℃)は52〜60MUの範囲内にある。過酸化物触媒の存在下で加熱することにより、X_BUTYL(登録商標)I4565Pゴムがムーニー粘度(ML(1+8)125℃)の低いゴムに分解され、ムーニー粘度が10〜35MUの範囲になる。
【0018】
高粘度シーラント層は主にブチルゴム、臭素化イソブテン−イソプレン共重合体及びこれらの組み合わせにより構成される。前記高粘度シーラント層のムーニー粘度(ML(1+8)125℃)は25〜60MUの範囲にあり、このシーラント層の粘度は低粘度シーラント層より高い(例えば,高粘度シーラント層の粘度が25MUの場合、低粘度シーラント層の粘度は24MU又はそれより小さい値になる)。
【0019】
本発明は標準のタイヤ成型プロセスに適用される。生タイヤ(未硫化)成型後に、前記最内層の頂部にオプションの保護フィルムを塗布することができる。前記保護フィルムの幅はシーラント層の幅より少し大きくする必要がある(シーラント層の両側より約2インチ以上出すべきである)。最内層のシーラント層にモールド内で破れ又は裂けが発生した場合、該保護フィルムはタイヤ硬化ブラダを保護して且つ硬化ブラダの清潔性を保つことができる。このような保護フィルムは従来技術として既に知られている。このようなフィルムは2ミルの未延伸ナイロン6,6であって、例えばCoveris High Performance Packaging社のDARTEK(登録商標)C900である。タイヤ硫化後に、フィルム端部で約1”(インチ)重ね、引き手とすることにより、取り外しやすくなる。米国特許第7,332,047号(Majumdar、Logan和Lukich)にこのようなシステムが記載されており、本願は該特許を参照して組み込む。該保護フィルムはさらにタイヤ成型ドラムでの第一フィルムとすることができる。簡便のために、選択的に感圧接着剤(PSA)の塗布された熱成型可能フィルムを該フィルムの両端部にコーティングしてもよい。米国特許第7,419,557号(Majumdar和Page)に該システムが記載されており、本願は該特許を参照して組み込む。該フィルムは必須ではないが、動的硫化合金(DVA)のひずみ弾性率が非常に低いため、小さい力で延ばすことができるので、タイヤ成型ドラムのナイロン−6,6フィルムにおいて動態硫化合金フィルムを使用することが好ましい。米国特許第8,776,851号(Majumdar)にこのような材料が記載されており、本願は該特許を参照して組み込む。その他、米国特許第8,021,730号と米国特許第8,158,721号にも他の実施例が記載されている。シーラント成分に過酸化物活性剤を添加することができ、これにより分解がスピードアップする。米国特許第7,674,344号(D’Sidockyet等)に該方法が記載されており、本願は該特許を参照して組み込む。
【0020】
本発明はインナーライナとシーラントの前駆体を含む。前記インナーライナは、ブロモブチルゴム、カーボンブラック、ナフテン油、ステアリン酸、石炭酸樹脂増粘剤、黒色芳香族樹脂混合物(アメリカのStruktol社が製造したSTRUKTOL(登録商標)40 MS樹脂にある)、MgO、ZnO、硫黄及び2,2’−ジスルフィド(ベンゾチアゾール)(販売名はMTBS)を含む。前記シーラント前駆体は、第一の非生産性(NP)混合ステップにおいては、ブチルゴム、ブロモブチル、ポリブタジエン、パラフィン油、二酸化ケイ素、粘土、二酸化チタン、タルクパウダー、フタロ/アニリン色濃縮染料/顔料(Akrochem社の製造したAKROSPERSE(登録商標)E2295緑色等)、橙色顔料(Akrochem社の製造したAKROSPERSE(登録商標)E6615橙色等)、脂肪酸誘導体加工助剤混合物(アメリカのStruktol社の製造したSTRUKTOL(登録商標)HPS 11加工助剤等)を含む。最後の製造(PR)ステップにおいて、有機過酸化物、例えば正ブチル4,4−ビス(t−ブチル−ペルオキシ)吉草酸塩(AkzoNobel製TRIGONOX(登録商標)17−40B−GR等)を入れることができる。
【0021】
以下のように本発明のタイヤを製造することが好ましい。
1.表1に示した配合を有するシーラントカバー層を混合して厚さが1mmになるまで圧延し、幅をインナーライナの幅に等しくする。
2.表2に示した配合を有する低粘度前駆体を混合して厚さが3mmになるまで圧延し、幅をトレッド幅より15mm小さくする(即ちトレッド幅から15mm引いた幅とする)。
3.次に、表2に示した配合を有する高粘度前駆体を混合して厚さが3mmになるまで圧延し、幅をインナーライナの幅に等しくする。
4.タイヤ成型ドラムにおいてシーラントカバー層(上記第1項目)を塗布する。
5.タイヤ成型ドラムにおいて低粘度前駆体(上記第2項目)を塗布する。
6.タイヤ成型ドラムにおいて高粘度前駆体(上記第3項目)を塗布する。
7.典型的なタイヤ成型過程と同様に、タイヤ成型ドラムにおいてインナーライナを塗布し、続いて通常のタイヤ成型過程において使用される他の層を塗布する。
【0022】
他の実施例では、上記ステップを含むが、これらのステップを修正し、3又は3を超えた中粘度の中間層によって、低粘度シーラント層と高粘度シーラント層を代替する。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
簡便のため、図面には、タイヤのいくつかの内部構成は省略されている。例えばベルト層及びプライ層は省略されているが、完成品タイヤには存在する。
【0026】
図1はシーラント層とシーラントカバー層を簡略して図示しており、重要なのは各層の順序であり、各層の縮尺、並びに各層の幅及び厚さを具体的に示すものではない。幅はタイヤ全幅からタイヤ中心に沿うストリップまでの範囲に及ぶ幅である。第一シーラント前駆体層101’及び第二シーラント前駆体層又は直接シーラント層102’並びにシーラントカバー層100’の概形が図示されている。好ましい実施例においては、シーラント前駆体内層101’の粘度はシーラント前駆体外層102’の粘度より低い。パンクの際に、シーラント101及び/又は102(図6参照)が刺し穴に流れ込み、該刺し穴を充填する。内部温度及び刺し穴の直径によっては、前記カバー層100はタイヤ内側から延びて刺し穴をカバー/防ぐことができる。
【0027】
図2はタイヤ内部の図1のシーラント層を図示する。インナーライナ108の内側に(タイヤ中心に近いほうに)低粘度シーラント内層101及び高粘度シーラント外層102(図1のように、それぞれ前駆体層101’,102’で形成される)が設けられ、シーラントカバー層100が必要となる。カバー層100はビード113に向ってタイヤ幅で延びる。最外層はタイヤトレッド120である。シーラントカバー層の内側にオプションとしてナイロンフィルム(不図示)を設け、シーラントカバー層の下にあるシーラント層をカバーしてもよい。前記ナイロンフィルムはシーラントカバー層が破れた時に、シーラント漏れを防止するために用いられる。タイヤ硫化後に、前記ナイロンフィルムを取り外す必要がある。
【0028】
図3図2に示した実施例の別例を図示する。この実施例において、インナーライナ108がシーラント層101,102の内側に位置する。上記したように、このような配置にはゴムスキージー層109が必要となる。
【0029】
図4は本発明の他の実施例を図示しており、タイヤに前記シーラント層101,102を嵌設し、前記カバー層100とタイヤ内部とを平らにしている。前記シーラントはブチルゴムで構成され、ブチルゴムはさらによいバリアになるため、シーラントの下側にさらにインナーライナを設ける必要がない。このように配置することにより、材料を節約し、且つタイヤの重量を軽減することができる。
【0030】
低温条件では1層の低粘度シーラントを使うだけで十分であるが、高温条件の場合は、低粘度シーラントが漏れる可能性があり、これを図5に図示している。高温になるとシーラント層301の粘度が低下するため、それによりシーラントがタイヤ刺し穴300を介して漏れ302が発生し、最終的にタイヤの使用期間中にシーラントがタイヤから流れ出し、それにより刺し穴の自己封止能力が損なわれる。これは路面汚染にも至る。同様に、高温条件では一層の高粘度シーラントを使うだけで十分であるが、低温になると、高粘度シーラントがほとんど固化し、低温条件で流れてタイヤの刺し穴を塞ぐことができなくなり、これを図5Aに図示している。低温になるとシーラント層301の粘度が高くなり、この場合は,シーラントが流れず、あるいは少ししか流れないので,シーラント膨張303の程度が小さくなり、空隙が残り、タイヤの刺し穴300を塞ぐことができなくなる。
【0031】
グッドイヤー製DURASEAL(登録商標)タイヤ等のパンクに対して典型的な自己封止型タイヤにおいて、例えば米国特許第4,895,610号、米国特許4359078号、米国特許第6,962,181号、米国特許出願公開第2005/0113502号、米国特許出願公開第2005/0215684号においては、シーラント層が厚いインナーライナとケーシングの間に挟まれている。この場合、インナーライナが非常に厚く、延びて刺し穴を塞ぐことができない。
【0032】
図6に示すように,本発明の一実施例においては、インナーライナ108の内側にシーラント層を用い、低弾性シーラントの薄いカバー層100で保護する。パンク発生時に、高粘度層102と低粘度層101のシーラントが刺し穴300に流れ込む。これによりシーラントプラグ202が生じ、タイヤの空気抜けが防止される。さらに、温度及び刺し穴の直径によっては、カバー層100が延びて永久的に大きいタイヤ刺し穴を防ぐことができる。
【0033】
図7は本発明の他の実施例を図示しており、シーラント層101,102は2つの独立した区画内に位置している。このような配置はタイヤ使用中にシーラントの流れ出しを減らすことができる。言い換えれば、シーラントを2又は複数の平行した環状の帯状体に分けている。同様に、シーラント層は4つの区画内に位置させてもよく、それについて図8に記載されている。図7の2又は複数の平行した環状の帯状体は4つの帯状体を含む。通常、釘はトレッド溝からタイヤに入り込むので、シーラントカバー層又はインナーライナはトレッドのラグの下側に取り付けるべきである。このような配置により1本のタイヤの必要となるシーラント総量を減らすことができる。
【0034】
以下の例によって、本発明及び本発明と類似した市販のタイヤとの関連を説明する。
【0035】
例1
シーラントタイヤ成型の好ましい方法
215/17R17.5寸法のトラックバス用ラジアル(TBR)タイヤを成型した。まずはタイヤ成型ドラムに対してインナーライナと同じ幅のシーラントカバー層を塗布し、次に2層の低粘度シーラント前駆体B及び2層の高粘度シーラント前駆体4C014Aを塗布した。シーラント前駆体層の幅はトレッド幅とほぼ同じであった。続けて全幅のインナーライナを塗布した後に、他の通常の層を塗布した。生タイヤ成型後に,シーラント前駆体をカバーするシーラントカバー層の頂部に2mmのDartek C917フィルムを貼付け、続いて硫化を行った。硫化後、試験実施前にDartek C917フィルムを取り外した。タイヤをプレスから取り出す時に,シーラントカバー層は最初膨脹するが、タイヤが冷却されると、膨脹は元に戻る。
【0036】
均一性試験
タイヤ均一性試験はKOKUSAIのFDBRC−6142TD−Rを使用した。シーラント層付のタイヤの均一性はAであった。
【0037】
釘穴シーラント試験
タイヤに116psiまで空気を入れて試験を行った。該タイヤは12d釘と16d釘の釘穴シーラント試験は合格であったが,20d釘の釘穴シーラント試験は不合格であった。12d釘、16d釘と20d釘に対応する直径はそれぞれ0.148インチ、0.162インチ、0.192インチ、即ち3.8mm、4.1mm、4.9mmである。
【0038】
硫化タイヤのシーラント厚さ
該タイヤを切り,タイヤのシーラント厚さが4mmであることを確認した。
【0039】
例2
一層シーラント付タイヤと二層シーラント付タイヤの釘穴による自己封止能力の比較
表3に示すように,一層シーラント層及びこの厚さと合計厚さが同じとなる二層シーラント層を有する215/75R17.5 TBRタイヤを成型した。
【0040】
表3におけるNo.1A及びNo.1Bは合計厚さが4.8mmの2種類の異なるシーラント層(4C014Aと4C014B)組み合わせによる刺し穴に対して自己封止性能を示す。トレッドのラグに20d釘を押し付けることによって、双方の封止穴を穿った。No.1Aではトレッド溝に穿った20d釘による穴を塞ぐことができなかったが、No.1Bではトレッド溝に穿った20d釘による穴の封止に成功した。これは高粘度シーラント層の内側の層として低粘度シーラント層を使用するのが望ましいことを示している。これはさらに低粘度シーラントが高粘度シーラントを釘穴に押し入れ、それにより釘穴を塞ぎ、高粘度シーラントがトレッドの外表面から漏れ出なくなることを示している。
【0041】
表3におけるNo.1C及びNo.1Dは合計厚さが4.8mmの1種類の粘度シーラント(グッドイヤー製Durasealタイヤ及びその他のタイヤ等、1−11参照)を示す。合計厚さが同じであるNo.1AとNo.1Bの2種類の粘度シーラント層の組み合わせに比べ、これら双方のシーラントは釘穴に対して自己封止能力が劣る。
【0042】
【表3】
【0043】
例3
シーラントカバー層
表4に示すように、シーラントカバー層を変えて同様にタイヤを製造した。表5には4C013Aシーラントカバー層を用いた場合、シーラントがトレッドから流れ出すことが記載されている。90BIIR/10CSMシーラントカバー層を用いた場合、シーラントがトレッドから流れ出すことはなかった。ここで、BIIRはブロモブチルゴムであり、CSMはクロロスルホン化ポリエチレンである。90BIIR及び10CSMで100 BIIRに置き換えたほかは、90BIIR/10CSMの成分は表1に記載されている成分と同じであった。タイヤを切断すると、90BIIR/10CSMを使用した場合、シーラントカバー層が延びて釘穴を塞いでいたことが判明した。4C013Aシーラントカバー層を使用した場合、M100粘度が非常に高い(2.99MPa)ため、かなり大きい力でないと延びないので,シーラントカバー層が延びて釘穴を塞ぐことはなかった。
【0044】
表7及び表8に示すように、ブチルゴム又はブロモブチルゴムを含まない、従来のゴムを使用することで低粘度M100シーラントカバー層を合成することもできる。
【0045】
現在商用のDurasealタイヤに使われているインナーライナは非常に厚いため、シーラントが延びて釘穴を塞ぐことはできない。本発明はシーラントカバー層を使用し、それは1.6MPa(範囲は0.5〜2.5Mpa、好ましくは1.2〜1.9MPa)の100%モジュラスを有する。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
例4
シーラントRPA測定値
ゴム産業においては、ゴム加工分析機(RPA)が広く使われている。Alpha Technologies社からRPA−2000を購入することができる。該型式のRPAは硫化前、硫化中及び硫化後におけるゴムの特性を測定することができる。
【0052】
下記に4種類のシーラント及びシーラントカバー層のRPA試験条件を記載し、表9と表10にそれぞれの結果を記載する。
【0053】
ステップ1 − 温度が80℃、ひずみが5%、周波数が1Hzの条件で,貯蔵弾性率を確認する
ステップ2 − 温度が170℃、ひずみが5%、周波数が1Hzの条件でサンプルを12分間加熱する
ステップ3 − サンプルを80℃まで冷却し,ステップ1を繰り返す
ステップ4 − サンプルを35℃まで冷却し,ステップ1を繰り返す
【0054】
貯蔵弾性率(G’)は材料の粘度と関係がある。表9において、加熱前は、G’値はシーラント前駆体の値である。加熱後は、G’値はシーラント前駆体の値である。35℃における4つのシーラントのG’値は0.056〜0.406Mpaの範囲にある。80℃における4つのシーラントのG’値は0.01〜0.194Mpaの範囲にある。G’値が0.3〜0.41Mpaである場合に釘穴の封止に最も好ましいので、35℃でパンクが発生したら、RC4C014シーラントが一番よいもの、80℃でパンクが発生したら、4C021Bシーラントが一番よいものになる。このデータにより、異なる温度条件でパンクが発生した場合、2層の粘度の異なるシーラントは1種類の粘度のシーラントより優れることが分る。
【0055】
80℃条件で、加熱前の1種類のシーラントカバー層のG’値(表10)は加熱後の高粘度シーラント層のG’値(0.144MPa対0.194MPa)より低い(表9)。これは過酸化物又は硫化剤なしで高粘度シーラント層を構成できることを示している。表7に示すように,4C022AのNP1はこの種の高粘度シーラント層の一例であり、加硫剤を使用する必要がない。
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
例5
高粘度シーラントと低粘度シーラントの貯蔵弾性率の範囲
表11と12は異なる範囲の高粘度シーラントと低粘度シーラントを用いたタイヤ試験を示す。加熱後のG’値はシーラントの粘度に関係がある。表11と表12に8つの試験項目が記載されている。高粘度シーラントの場合、G’値は0.405〜0.134Mpaの範囲にあり、低粘度シーラントの場合、G’値は0.196〜0.056Mpaの範囲にある。表に示すように、温度が35℃の場合、高粘度シーラントのG’値は0.5〜0.1Mpaの範囲にある。この種の材料は、過酸化物又は加硫剤を必要とせずに製造することができる。温度が35℃の場合,低粘度シーラントのG’値は0.3〜0.02Mpaの範囲にある。この種の材料は他の方法では加工し難しいので、過酸化物を使用して前駆体から生成するしかない。
【0059】
過酸化物活性剤を用いてブチルゴムを低分子量ゴムに分解することができる。しかし、使用する活性剤は室温で安定性を保つものでなければならない。また、この活性剤は150℃のタイヤ硬化温度で分解することができるものでなければならない。言い換えれば、50〜140℃の温度範囲内で自己加速分解温度(SADT)を有する、1又は複数の過酸化物活性物を使用することができる。以下はこのような活性剤の例である。
【0060】
【0061】
表13と表14にシーラント前駆体成分を示す。
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
【表14】
【0066】
以上より分かるように、本発明は米国特許第8,387,672号(Majumdar)等のタイヤパンク封止技術の改良である。対比すると、本発明は非織物繊維層をシーラントの“キャリア”として使用せず、必要としない。代わりに、単なるシーラント層を使用し、非織物のキャリア層を使用する必要がない。
【0067】
本発明の上述した実施例は例示及び説明するために示したものである。これらの説明及び実施例は、本発明を精密に開示した形式に網羅されるものでも限定されるものではなく、上述した開示に照らして、様々な変形及び修正が可能である。本発明の原理及びその実際の応用をよりよく説明するために、これらの実施例を選定して説明しており、それにより本分野の他の当業者が本発明を様々な実施例においてよりよく実施でき、且つ意図する特定の使用に適した様々な修正を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図7
図8