(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605644
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】動作制御装置及びそれを備えるパーツ組立体
(51)【国際特許分類】
E05B 65/46 20170101AFI20191031BHJP
E05C 21/02 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
A47B88/00 F
E05C21/02
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-32652(P2018-32652)
(22)【出願日】2018年2月27日
(65)【公開番号】特開2019-5541(P2019-5541A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】106121326
(32)【優先日】2017年6月23日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】梁 秀江
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】
七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
再公表特許第2009/050981(JP,A1)
【文献】
特開2006−028781(JP,A)
【文献】
特開2001−020582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
E05C 19/00−21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物体と、該第1の物体に対して可動な第2の物体に適用可能な動作制御装置であって、当該動作制御装置は、
前記第1の物体及び前記第2の物体のうちの一方に配置される第1のブロック部材であって、該第1のブロック部材は第1のブロック部及び第2のブロック部を含む、第1のブロック部材と、
前記第1の物体及び前記第2の物体のうちの他方に固定される支持プレートと、
前記支持プレートに配置されるとともに、前記支持プレートに対して初期位置とブロック位置との間で水平に回動可能な第2のブロック部材と、
を含み、
前記第2のブロック部材は前記初期位置にある場合に第1のブロック部及び第2のブロック部の一方に係止し、前記第2の物体が前記第1の物体に対して第1の方向に沿って動かされた場合に該係止が解消されて前記ブロック位置に回動するように構成され、
前記第2の物体が前記第1の物体に対して第1の方向に沿って動かされ且つ前記第2のブロック部材が前記初期位置から前記ブロック位置に回動されている場合、前記第2のブロック部材は、前記第2の物体が前記第1の物体に対して前記第1の方向に沿って動くのを防止するために前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部のうちの他方をブロックするように構成されている、動作制御装置。
【請求項2】
前記第2の物体が前記第1の物体に対して前記第1の方向と反対の第2の方向に沿って所定の位置に動かされた場合、前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部のうちの前記一方は前記第2のブロック部材を前記ブロック位置から遠ざけるために前記第2のブロック部材と接触する、請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項3】
前記第2のブロック部材は前記第1のブロック部材に対応するストップ部を有する、請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項4】
前記第1のブロック部と前記第2のブロック部との間に空間が定義され、前記第2のブロック部材のブロック位置は該空間内にある、請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項5】
前記支持プレートに固定される第1のパーツと、前記支持プレートに可動に配置される第2のパーツと、該第1のパーツ及び該第2のパーツの間に配置される作動部材とをさらに含み、
前記作動部材は、前記第2のブロック部材を駆動して前記初期位置から前記ブロック位置に動かすために、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの相対的な動きに対応して第1の位置から第2の位置に動くように構成されている、請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項6】
前記第1のパーツと前記第2のパーツとの相対的な動きの方向は前記作動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に動く方向とは異なる、請求項5に記載の動作制御装置。
【請求項7】
前記第2のブロック部材は前記作動部材に対応するガイド部を有し、前記作動部材は前記第2のブロック部材を駆動して該ガイド部を通じて前記初期位置から前記ブロック位置に動かすように構成され、前記第2のブロック部材のガイド部は傾斜面又は弧面を有し、前記作動部材はボールである、請求項5に記載の動作制御装置。
【請求項8】
第1の物体と、
前記第1の物体に対して可動な第2の物体と、
を含むパーツ組立体であって、
前記第1の物体及び前記第2の物体のうちの一方は第1のブロック部及び第2のブロック部を備え、
前記第1の物体及び前記第2の物体のうちの他方は支持プレートと、該支持プレートに配置されるとともに、該支持プレートに対して初期位置とブロック位置との間で水平に回動可能なブロック部材とを備え、
前記ブロック部材は前記初期位置にある場合に第1のブロック部及び第2のブロック部の一方に係止し、前記第2の物体が前記第1の物体に対して第1の方向に沿って動かされた場合に該係止が解消されて前記ブロック位置に回動するように構成され、
前記第2の物体が前記第1の物体に対して動かされ且つ前記ブロック部材が初期位置からブロック位置に回動されると、前記ブロック部材は前記第2の物体が前記第1の物体に対して動くのを防止するために前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部のうちの他方をブロックするように構成されている、パーツ組立体。
【請求項9】
前記第1の物体は固定レールであり、前記第2の物体は可動レールである、請求項8に記載のパーツ組立体。
【請求項10】
前記第1の物体は固定家具部であり、前記第2の物体は可動家具部である、請求項8に記載のパーツ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動作制御装置(movement control device)に関し、より具体的には、可動な物体と固定された物体との相対的な動き(relative movement)を制御することが可能な動作制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家具パーツ(例えば引き出し、キャビネット、ドア)等の可動な物体又は装置が地震に遭遇すると(又は衝突されるか若しくは傾けられると)、地震の間の振動力又は傾斜角度が大きすぎることによって家具パーツ又は装置の可動部材が固定部材に対してかってに開いてしまうことがある。したがって、安全性の理由から関連製品が開発されてきた。例えば、特許文献1にはヒンジドアの閉鎖装置が開示されている。該ドアは本体(31)、ヒンジドア(32)、ケース(33)、ロック体(38)及び少なくとも1つの球体(37)を含む。少なくとも1つの球体(37)は、ロック体(38)が地震時に上方に動くのを防止してヒンジドア(32)が僅かに開くだけになるようにヒンジドア(32)を制御するためにロック体(38)の上面に配置されている。
【0003】
他方、特許文献2にはプッシュオープン及びセルフクローズ機能を有するスライドレールアセンブリが開示されている。引き出しは一対のスライドレールアセンブリを通じてキャビネットに取り付けることができる。引き出しがキャビネット内に引っ込められている場合、引き出しの前側パネルとキャビネットとの間に明らかな押圧間隙(obvious pushing gap)が形成される。押圧間隙があることで、ユーザーは引き出しを押して引き出しをキャビネットに対して動かすことができる。そのため、スライドレールアセンブリに設けられたプッシュ排出機構によって引き出しをキャビネットに対して開くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6550827号明細書
【特許文献2】米国特許第8172345号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引き出しシステムが揺らされるか、傾けられるか又は衝突されると、プッシュオープン機能を有するそのような引き出しシステムの引き出しは意図せずに引き出され、人又は物体に危害をもたらし得る。
【0006】
リビング空間には様々な種類の家具パーツ又は装置がある。したがって、家具パーツ又は装置が揺らされるか、傾けられるか又は衝突された場合に可動な物体によって人に危害を及ぼすのを防止することが重要である。
【0007】
本発明は、衝撃、傾斜又は衝突が起きた場合に第1の物体に対して第2の物体が予期せずに開くのを防止することが可能な、パーツ組立体(part assembly)のための動作制御装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、動作制御装置は第1の物体と、該第1の物体に対して可動な第2の物体とに適用可能である。当該動作制御装置は第1のブロック部材、支持プレート及び第2のブロック部材を含む。第1のブロック部材は第1の物体及び第2の物体のうちの一方に配置される。第1のブロック部材は第1のブロック部及び第2のブロック部を含む。支持プレートは第1の物体及び第2の物体のうちの他方に固定される。第2のブロック部材は支持プレートに配置されるとともに、支持プレートに対して初期位置とブロック位置との間で動かすことができる。第2の物体が第1の物体に対して第1の方向に沿って動かされ且つ第2のブロック部材が初期位置からブロック位置に動かされている場合、第2のブロック部材は、第2の物体が第1の物体に対して第1の方向に沿って動くのを防止するために第1のブロック部及び前記第2のブロック部のうちの一方をブロックするように構成されている。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、パーツ組立体は第1の物体と、該第1の物体に対して可動な第2の物体とを含む。第1の物体及び第2の物体のうちの一方は第1のブロック部及び第2のブロック部を備える。第1の物体及び第2の物体のうちの他方は可動なブロック部材を備える。第2の物体が第1の物体に対して動かされ且つブロック部材が初期位置からブロック位置に動かされると、ブロック部材は第2の物体が第1の物体に対して動くのを防止するために第1のブロック部及び第2のブロック部のうちの一方をブロックするように構成されている。
【0010】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリに適用された動作制御装置を示す図である。
【
図2】
図2は、スライドレールアセンブリが揺らされるか又は傾けられたときの動作制御装置及びスライドレールアセンブリの動きを示す図である。
【
図3】
図3は、スライドレールアセンブリが揺らされるか又は傾けられたときにスライドレールアセンブリが動くのを防止するように構成された動作制御装置を示す図である。
【
図4】
図4は、スライドレールアセンブリがもはや揺らされていないか又は傾けられていないときにスライドレールアセンブリが初期位置に戻るプロセスを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る、引き出しシステムに適用された動作制御装置及びスライドレールアセンブリを示す図であり、引き出しシステムが揺らされるか又は傾けられたときに引き出しは固定されたキャビネットに対してそれらの間に隙間があるだけの状態で僅かに開いている。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る、引き出しシステムに適用された動作制御装置を示す図であり、引き出しシステムが揺らされるか又は傾けられたときに引き出しは固定されたキャビネットに対してそれらの間に隙間があるだけの状態で僅かに開いている。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態に係る、スライドレールアセンブリに適用された動作制御装置を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態に係る、スライドレールアセンブリが揺らされるか又は傾けられているときの動作制御装置及びスライドレールアセンブリの動きを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の別の実施形態に係る、スライドレールアセンブリが揺らされるか又は傾けられているときにスライドレールアセンブリが動くのを防止するように構成された動作制御装置を示す図である。
【
図10】
図10は、スライドレールアセンブリがもはや揺らされていないか又は傾けられていないときにスライドレールアセンブリが初期位置に戻るプロセスを示す図である
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る動作制御装置の分解図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る作動される前の動作制御装置を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係る作動された後の動作制御装置を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係るキャビネットシステムの扉及びキャビネットに適用された動作制御装置を示す図である。
【
図16】
図16は、キャビネットシステムが揺らされるか又は傾けられているときに、キャビネットに対して僅かに開いた扉と作動されている動作制御装置とを示す図である。
【
図17】
図17は、キャビネットシステムが揺らされるか又は傾けられているときに扉がさらに開くのを防止するように構成された動作制御装置を示す図である。
【
図18】
図18は、キャビネットシステムがもはや揺らされていないか又は傾けられていないときにキャビネットに対して閉まった扉を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るパーツ組立体のための動作制御装置24を示す図である。パーツ組立体は第1の物体20と、第1の物体20に対して可動な第2の物体22とを含む。
図1に示すように、第2の物体22は第1の物体20に対して(閉鎖位置等の)所定の位置P0に位置している。第1の物体20及び第2の物体22の一方は第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bを備える。本発明の一実施形態では、動作制御装置24は第1のブロック部材26、第2のブロック部材30及び支持プレート21を含む。第1のブロック部材26は第1の物体20及び第2の物体22のうちの一方に配置されている。本実施形態では、第1のブロック部材26は第2の物体22に固定配置されている。第1のブロック部材26は第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bを有する。第1のブロック部材26の第1のブロック部28aと第2のブロック部28bとの間に空間Sが定義されている。第1の物体20及び第2の物体22のうちの他方には第2のブロック部材30が設けられている。本発明の一実施形態では、第1の物体20は支持プレート21に固定接続され、第2のブロック部材30は、第2のブロック部材30が第1の物体20に可動に配置されているように見なされるように支持プレート21に対して可動になっている。本実施形態では、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26に対応するストップ部32を有する。さらに、第2のブロック部材30は初期位置P1に位置している。
【0013】
第1の物体20は固定レールであり、第2の物体22は可動レールであることが好ましい。
【0014】
図2及び
図3に示すように、パーツ組立体が揺らされるか又は傾けられているとき、第2の物体22はそれに従って第1の物体20に対して第1の方向D1に沿って動く。他方、第2のブロック部材30も、パーツ組立体が揺らされるか又は傾けられることに起因して初期位置P1からブロック位置P2に動く。第2のブロック部材30のブロック位置P2は空間S内にある。第2のブロック部材30がブロック位置P2に位置している場合、第2のブロック部材30のストップ部32は第1のブロック部材26の第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bのうちの一方をブロックするように構成されている。本実施形態では、第2のブロック部材30のストップ部32は、第2の物体22が第1の物体20に対して第1の方向D1に沿ってさらに動くのを防止するために第1のブロック部材26の第1のブロック部28aをブロックするように構成されている。
【0015】
パーツ組立体がもはや揺らされていないか又は傾けられておらず且つ第2のブロック部材30がまだブロック位置P2にある場合、第2の物体22は第1の物体20に対する外力によって(第1の方向D1と反対の)第2の方向D2に沿って所定の位置P0(閉鎖位置)に動かすことができる。そのようなプロセスの間、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bのうちの他方と接触する。
図4に示すように、本実施形態では、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第2のブロック部28bと接触する。第2の物体22が第1の物体20に対して第2の方向D2に沿ってさらに動かされると、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第2のブロック部28bによって押されて、ブロック位置P2から離れ、
図1に示す初期位置P1に戻る。第2のブロック部材30が初期位置P1に戻ると、第2のブロック部材30は、第2の物体22を第1の物体20に対して第1の方向D1に沿って自由に動かすことができるように第1のブロック部材26をもはやブロックしていない。即ち、第2の物体22を第1の物体20に対して完全に開くか又は伸長することができる。
【0016】
したがって、本発明の動作制御装置は
図5に示す(引き出しシステム等の)家具システムに適用することができる。家具システムは(固定されたキャビネット等の)固定家具部34と、(引き出し等の)可動家具部36とを含む。第1の物体20は固定家具部34に固定取り付けされる固定レールであり、第2の物体22は可動家具部36に取り付けられる可動レールであり得る。家具システムが揺らされるか又は傾けられているとき、可動家具部36は、可動家具部36から物品が落ちるのを防止するために固定家具部34に対してそれらの間に隙間があるだけの状態で僅かに開く。
【0017】
図6に示すように、別の実施形態では、第1の物体20は(引き出しキャビネット等の)固定家具部34であり、第2の物体22は(引き出し等の)可動家具部36であり得る。動作制御装置24の第1のブロック部材26は可動家具部36に配置され、第2のブロック部材30は固定家具部34に配置されている。家具システムが揺らされるか又は傾けられているとき、可動家具部36から物品が落下するのを防止するために、可動家具部36も固定家具部34に対してそれらの間に隙間Gがあるだけの状態で僅かに開く。
【0018】
図7は本発明の別の実施形態を示す。同様に、第2の物体22は第1の物体20に対して可動であり、第2の物体22は第1の物体20に対して(閉鎖位置等の)所定の位置P0に位置している。本実施形態では、第1のブロック部材26は第1の物体20に固定配置されている。第1のブロック部材26は第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bを有し、第1のブロック部材26の第1のブロック部28aと第2のブロック部28bとの間に空間Sが定義されている。本実施形態では、第2の物体22は支持プレート21に固定接続され、第2のブロック部材30は第2のブロック部材30が第2の物体22に可動に設けられているように見なすことができるように支持プレート21に対して可動である。本実施形態では、第2のブロック部材30はストップ部32を有する。さらに、第2のブロック部材30は初期位置P1に位置している。
【0019】
図8及び
図9に示すように、パーツ組立体が揺らさられるか又は傾けられると、第2の物体22はそれに従って第1の物体20に対して第1の方向D1に沿って動く。他方、第2のブロック部材30もパーツ組立体が揺らさられるか又は傾けられることに起因して初期位置P1からブロック位置P2に動く。第2のブロック部材30のブロック位置P2は空間S内にある。第2のブロック部材30がブロック位置P2に位置する場合、第2のブロック部材30のストップ部32は第1のブロック部材26の第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bのうちの一方をブロックするように構成されている。本実施形態では、第2のブロック部材30のストップ部32は、第2の物体22が第1の物体20に対して第1の方向D1に沿ってさらに動くのを防止するために第1のブロック部材26の第2のブロック部28bをブロックするように構成されている。
【0020】
パーツ組立体がもはや揺らさられていないか又は傾けられておらず且つ第2のブロック部材30がまだブロック位置P2にある場合、第2の物体22は第1の物体20に対する外力によって第2の方向D2に沿って所定の位置P0(閉鎖位置)に動かすことができる。そのようなプロセスの間、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bのうちの他方と接触する。
図10に示すように、本実施形態では、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第1のブロック部28aと接触する。第2の物体22が第1の物体20に対して第2の方向D2に沿ってさらに動かされると、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第1のブロック部28aによって押されてブロック位置P2から離れて
図7に示す初期位置P1に戻る。第2のブロック部材30が初期位置P1に戻ると、第2のブロック部材30は第2の物体22を第1の物体20に対して第1の方向D1に沿って自由に動かすことができるように第1のブロック部材26をもはやブロックしていない。即ち、第2の物体22を第1の物体20に対して完全に開くか又は伸長させることができる。
【0021】
本発明の動作制御装置24は機械的機構(mechanical mechanism)により実施できる。
図11〜
図13に示すように、動作制御装置24は支持プレート21に固定される第1のパーツ38、支持プレート21に可動に配置される第2のパーツ40及び第1のパーツ38と第2のパーツ40との間に配置される作動部材42をさらに含む。動作制御装置24が揺らされるか又は傾けられると、第1のパーツ38と第2のパーツ40との相対的な動きの方向は作動部材42が第1の位置K1から第2の位置K2に動かされる方向とは異なる。本実施形態では、第1のパーツ38と第2のパーツ40との相対的な動きの方向は水平方向H1であり、作動部材42の動きの方向は垂直方向L1である。作動部材42はボール又は他の球状物体であり得るが、本発明はそのような構成に限定されない。加えて、第2のブロック部材30は作動部材42に対応するガイド部44を有する。作動部材42は第2のブロック部材30を駆動して、ガイド部44を通じて初期位置P1からブロック位置P2に動かすように構成されている。第2のブロック部材30のガイド部44は傾斜面又は弧面を有することが好ましい。第2のブロック部材30は第1のパーツ38に可動に配置されている。第2のブロック部材30は第1のパーツ38の第2の取り付け部50よりも大きい周囲が囲まれた(bounded)第1の取り付け部48を有し、第1の取り付け部48及び第2の取り付け部50は、第2のブロック部材30が第1のパーツ限られた空間内で第1のパーツ38に対して動くことができるように互いに対応して配置されていることが好ましい。第1のパーツ38と第2のパーツ40との相対的な動きを促進するために、複数の回転部材46を第2のパーツ40と支持プレート21との間に配置することができる。そのような構成によれば、作動部材42は、第2のブロック部材30を動かすためさらに駆動させるために第1のパーツ38と第2のパーツ40との相対的に動きに反応して第1の位置K1から第2の位置K2に動かすことができる。しかしながら、前述の動作制御装置24は本発明の一実施形態に過ぎず、本発明はそのような構成に限定されない。本発明の動作制御装置は異なる設計(機械又は非機械)によっても実施することができる。
【0022】
図14及び
図15に示すように、別の実施形態では、第1の物体20は別の種類の固定家具部52(例えば固定キャビネット)であり、第2の物体22は別の種類の可動家具部54(例えばドアプレート)であり得る。
図14は、固定家具部52に対して(閉鎖位置等の)所定の位置P0に位置する可動家具部54を示す図である。可動家具部54は固定家具部52に対して(開く方向等の)第1の方向D1に沿って開くか又は固定家具部52に対して(閉じる方向に沿って)第2の方向D2に沿って閉じることができる。動作制御装置24の第1のブロック部材26は可動家具部54に配置され、例えば可動家具部54の上端に隣接する位置に配置されている。第2のブロック部材30は固定家具部52に配置され、例えば固定家具部52の上側プレート56に配置されている。動作制御装置24の第1のブロック部材26は第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bを有する。第1のブロック部材26の第1のブロック部28aと第2のブロック部28bとの間に空間Sが定義されている。第2のブロック部材30はストップ部32を有する。さらに、第2のブロック部材30は初期位置P1に位置している。
【0023】
図16及び
図17に示すように、家具システムが揺らされるか又は傾けられると、可動家具部54はそれに従って固定家具部52に対して第1の方向D1(開く方向)に沿って開く。他方、第2のブロック部材30は、家具システムが揺らされるか又は傾けられることに起因して初期位置P1からブロック位置P2に動く。第2のブロック部材30のブロック位置P2は空間S内にある。第2のブロック部材30がブロック位置P2に位置している場合、第2のブロック部材30のストップ部32は第1のブロック部材26の第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bのうちの一方をブロックするように構成されている。本実施形態では、第2のブロック部材30のストップ部32は、可動家具部54が固定家具部52に対してさらに開くのを防止するために第1のブロック部材26の第2のブロック部28bをブロックするように構成されている。したがって、可動家具部54は、可動家具部54から物品が落下するのを防止するために固定家具部52に対してそれらの間に隙間Gがあるだけの状態で僅かに開く。
【0024】
家具システムがもはや揺らされていないか又は傾けられておらず且つ第2のブロック部材30がまだブロック位置P2にある場合、可動家具部54は固定家具部52に対する外力により所定の位置P0(閉鎖位置)に第2の方向D2(閉じる方向)に沿って動かすことができる。そのようなプロセスの間、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第1のブロック部28a及び第2のブロック部28bのうちの他方と接触する。
図18に示すように、本実施形態では、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第1のブロック部26aと接触する。可動家具部54が固定家具部52に対して第2の方向D2に沿ってさらに動かされると、第2のブロック部材30は第1のブロック部材26の第1のブロック部28aによって押されてブロック位置P2から遠ざかり
図14及び
図15に示す初期位置P1に戻る。
【0025】
したがって、本発明の動作制御装置は、可動物体が揺らされるか又は傾けられたときに、予期しない危害を防止するために動作制御装置が瞬間的な保護を提供するように構成されていることを特徴とする。とりわけ、動作制御装置がプッシュオープン型の引き出し等の排出型の可動物体に適用された場合、本発明の動作制御装置は、可動物体が衝突されるか、揺らされるか又は傾けられたときに人又は物への危害を回避するために可動物体が予期せずに排出されるのを防止することができる。
【0026】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0027】
20 第1の物体
21 支持プレート
22 第2の物体
24 動作制御装置
26 第1のブロック部材
28a、28b ブロック部
30 第2のブロック部材
32 ストップ部
34 固定家具部
36 可動家具部
38 第1のパーツ
40 第2のパーツ
42 作動部材
44 ガイド部
46 回転部材
48 第1の取り付け部
50 第2の取り付け部
52 固定家具部
54 可動家具部
56 上側プレート