(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
電源コネクタは、電子製品に広く使用されており、ワイヤを接続するための端子と、端子を受容する絶縁ハウジングと、を備える。
【0003】
図1は、既存の電源コネクタの分解図であり、
図2は、
図1の既存の電源コネクタの組み立て概略図であり、これらは、米国特許第5,458,511号に開示されている。
図1を参照すると、既存の電源コネクタは、絶縁ハウジングA1及び端子A3を備え、端子A3は、止め部分A31を備える。
図2を参照すると、絶縁ハウジングA1は、止め壁A11を備える。端子A3が絶縁ハウジングA1に取り付けられるとき、端子A3が端子A3の止め部分A31が止め壁A11に当接することによって固定される。
図3及び
図4は、既存の電源コネクタの端子A3の概略図である。
図3は、端子A3がワイヤをクランプする前の状態を示し、
図4は、端子A3がワイヤをクランプした後の状態を示す。
図3及び
図4を参照すると、端子A3がワイヤをクランプする前は、止め部分A31の2つの前端縁A311が水平であり、端子A3がワイヤをクランプした後は、屈曲及びワイヤ加圧処理により、止め部分A31の2つの前端縁A311が前方に突出し、突出量は端子に対する屈曲及びワイヤ加圧処理の変化に伴って変化し、2つの前端縁A311の突出量も変化し得る。端子A3が絶縁ハウジング内A1に取り付けられるとき、まず絶縁ハウジングA1の止め壁A11に当接するのは、前方に突出する2つの前端縁A311であるため、これにより結果として、端子A3を正しい位置に取り付けることができない。
【0004】
図5は、中国特許出願第01109445.1号(中国特許公開第100428577C)に開示されている、既存の電源コネクタセットを示す分解概略図である。
図5を参照すると、既存の電源コネクタセットは、第1の絶縁ハウジングB1、第2の絶縁ハウジングB2、及びロックアセンブリB11を備える。第1の絶縁ハウジングB1は、例えば、レセプタクルコネクタの絶縁ハウジングであり、第2の絶縁ハウジングB2は、例えば、プラグコネクタの絶縁ハウジングである。ロックアセンブリB11は、第1の絶縁ハウジングB1の外面に取り付けられている。第2の絶縁ハウジングB2は、突出ブロックB21を備える。第1の絶縁ハウジングB1及び第2の絶縁ハウジングB2は、ロックアセンブリB11と第2の絶縁ハウジングB2の突出ブロックB21とが互いにラッチされることによって互いに組み立てられる。
図6は、第1の絶縁ハウジングB1及びロックアセンブリB11を示す概略構成図である。
図6を参照すると、ロックアセンブリB11は、2つの脚B111、押圧ハンドルB112、2つの弾性アームB113、及びラッチアームB114を備える。ロックアセンブリB11は、押圧ハンドルB112の剛性を増加させ、相互のラッチ力を適切に強化し、コネクタの機械的強度を改善させる。しかしながら、既存の電源コネクタでは、弾性アームB113が押圧ハンドルB112から外方に延在し、次に第1の絶縁ハウジングB1に下方に直接接続され、これにより結果として、ロックアセンブリB11の可撓性が劣り、押圧ハンドルB112を押し下げて操作することが困難になる。加えて、既存の電源コネクタのラッチアームB114は、全体が硬く、ラッチアームB114の厚さが厚いため、製造が困難になり、その結果、特に金型注入工程で壁厚が不均一になり、続いてひけの問題が生じる結果になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
背景技術の上の記載を考慮し、本開示は、以下の目的、すなわち、既存の電源コネクタにおける曲げ及びワイヤ加圧処理による端子の止め部分の前端縁の突出の問題を改善し、その結果、端子を絶縁ハウジング内の正しい位置に取り付けることができるようにすることと、既存の電源コネクタにおけるロックアセンブリの柔軟性が劣るという問題を改善し、その結果、ロックアセンブリの弾性及び可撓性を改善しながら機械的強度を維持することと、端子のクランプアーム及び絶縁ハウジングのリブ部分の設計によって雄端子の固定を強化し、電源コネクタの良好な接触性能を保証すること、を含む。
【0006】
本開示の実施形態は、絶縁ハウジングと、端子とを備えている、電源コネクタを提供する。絶縁ハウジングは、内部に端子受容溝を画定し、絶縁ハウジングは、止め壁を備える。端子は、絶縁ハウジングの端子受容溝内に位置決めされ、端子は、嵌合部分、止め部分、及びワイヤ接続部分を備える。止め部分は、嵌合部分と接続し、止め部分は、絶縁ハウジングの止め壁に当接し、かつ第1の水平部分、第2の水平部分、第1の垂直部分、第2の垂直部分、第1の屈曲部分、及び第2の屈曲部分を備える。第1の水平部分は、第1の前端縁と、第1の前端縁と対向する第1の後端縁であって、第1の前端縁及び第1の後端縁が前後方向に位置決めされる、第1の後端縁と、第1の前端縁と第1の後端縁とを接続し、かつ前後方向に延在する第1の自由端縁と、を備える。第2の水平部分は、第1の水平部分と対向し、第1の水平部分及び第2の水平部分が左右方向に位置決めされ、第2の水平部分が第2の前端縁と、第2の前端縁と対向する第2の後端縁であって、第2の前端縁及び第2の後端縁が前後方向に位置決めされる、第2の後端縁と、第2の前端縁と第2の後端縁とを接続し、かつ前後方向に延在する、第2の自由端縁と、を備える。第1の垂直部分は、第1の水平部分に対して垂直であり、かつ上下方向に延在する。第2の垂直部分は、第2の水平部分に対して垂直であり、かつ上下方向に延在し、第1の垂直部分及び第2の垂直部分は、左右方向に位置決めされる。第1の屈曲部分は、第1の水平部分と第1の垂直部分とを接続する。第2の屈曲部分は、第2の水平部分と第2の垂直部分とを接続する。ワイヤ接続部分は、止め部分と接続する。第1の水平部分の第1の前端縁及び第2の水平部分の第2の前端縁は、互いに対して平行に延在するか、又はそれぞれ後方に延在し、端子の止め部分の第1の垂直部分と第2の垂直部分との間の距離は、後方に徐々に狭くなり、端子の止め部分の第1の自由端縁と第2の自由端縁との間の距離が、後方に徐々に狭くなる。
【0007】
一部の実施形態では、端子の止め部分の第1の後端縁及び第2の後端縁が、それぞれ前方に延在する。
【0008】
一部の実施形態では、絶縁ハウジングが、勾配を更に備え、勾配が、絶縁ハウジングの端子受容溝の底部分で位置決めされ、かつ前後方向において後ろから前へ上昇し、絶縁ハウジングの止め壁が、端子受容溝の上部分で位置決めされ、端子受容溝の上部分及び底部分が、上下方向に位置決めされる。
【0009】
一部の実施形態では、端子の嵌合部分が、係合開口部を更に画定し、絶縁ハウジングが、絶縁ハウジングの端子受容溝内に位置決めされた弾性アームを更に備え、弾性アームが、絶縁ハウジングに接続された第1の端部と、自由端である第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に形成され、かつ端子受容溝内に突出する係合突出部であって、端子の嵌合部分の係合開口部とラッチされる、係合突出部と、を備える。
【0010】
一部の実施形態では、端子の嵌合部分が、係合開口部を更に画定し、絶縁ハウジングが、絶縁ハウジングの端子受容溝内に位置決めされた弾性アームを更に備え、弾性アームが、絶縁ハウジングに接続された第1の端部と、絶縁ハウジングに接続された第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に形成され、かつ端子受容溝内に突出する係合突出部であって、端子の嵌合部分の係合開口部とラッチされる、係合突出部と、を備える。
【0011】
一部の実施形態では、絶縁ハウジングの止め壁が、端子受容溝の上部分で位置決めされ、絶縁ハウジングの弾性アームが、端子受容溝の底部分で位置決めされ、端子受容溝の上部分及び底部分が、上下方向に位置決めされる。
【0012】
本開示の別の実施形態は、電源コネクタを提供し、電源コネクタは、絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングの上面に設けられ、かつ上下方向に絶縁ハウジングと共に位置決めされる、ロックアセンブリと、を備える。ロックアセンブリは、フレーム、第1の脚、第2の脚、第1の弾性アーム、及び第2の弾性アームを備える。フレームは、内部に開口部を画定し、フレームは、前部ブラケットと、前部ブラケットと対向し、かつ開口部によって前部ブラケットから離間した後部ブラケットであって、前部ブラケット及び後部ブラケットが前後方向に位置決めされる、後部ブラケットと、前後方向に延在し、かつ前部ブラケットと後部ブラケットとを接続する第1の側部ブラケットと、第1の側部ブラケットと対向し、開口部によって第1の側部ブラケットから離間し、かつ前部ブラケットと後部ブラケットとを接続する第2の側部ブラケットであって、第1の側部ブラケット及び第2の側部ブラケットが左右方向に位置決めされ、開口部が前部ブラケット、後部ブラケット、第1の側部ブラケット、及び第2の側部ブラケットによって形成される、第2の側部ブラケットと、フレームの前部ブラケットと後部ブラケットとの間に位置決めされ、上下方向においてフレームの第1の側部ブラケットから絶縁ハウジングに延在し、かつ絶縁ハウジングを接続する、第1の脚と、を備える。第2の脚は、フレームの前部ブラケットと後部ブラケットとの間に位置決めされ、上下方向においてフレームの第2の側部ブラケットから絶縁ハウジングに延在し、かつ絶縁ハウジングを接続する。第1の弾性アームは、左右方向においてフレームの後部ブラケットの第1の端部から外方に延在し、次いで前後方向においてフレームの前部ブラケットに向かって延在し、次いで上下方向において絶縁ハウジングに延在し、かつ絶縁ハウジングと接続する。第2の弾性アームは、左右方向においてフレームの後部ブラケットの第2の端部から外方に延在し、次いで前後方向においてフレームの前部ブラケットに向かって延在し、次いで上下方向において絶縁ハウジングに延在し、かつ絶縁ハウジングと接続する。
【0013】
一部の実施形態では、絶縁ハウジングは、前後方向において外部電源コネクタの外部絶縁ハウジングと対応して組み立てられ、突出ブロックが外部絶縁ハウジングの外面に設けられ、かつ絶縁ハウジングのロックアセンブリの開口部にラッチされる。
【0014】
一部の実施形態では、絶縁ハウジングが、左右方向に位置決めされた2つの側壁を更に備え、上下方向に位置決めされた2つのラッチブロックが、2つの側壁の各々に設けられ、前後方向を延長するガイドリブが、2つの側壁の各々の2つのラッチブロックの間に設けられる。
【0015】
一部の実施形態では、フレームの前部ブラケット、後部ブラケット、第1の側部ブラケット、及び第2の側部ブラケットは、薄肉円筒であり、そのサイズによりフレームの製造における金型注入の不均一な壁厚によるひけを回避することができる。
【0016】
本開示の別の実施形態は、内部に端子受容溝を画定する、絶縁ハウジングを備える、電源コネクタを提供する。絶縁ハウジングは、絶縁ハウジングから端子受容溝内に突出するリブ部分と、絶縁ハウジングの端子受容溝内に位置決めされる端子とを備える。端子は、嵌合部分、クランプ部分、及びワイヤ接続部分を備える。クランプ部分は、嵌合部分と接続し、クランプ部分は、第1の側壁と、第1の側壁と対向する第2の側壁であって、第1の側壁及び第2の側壁が左右方向に位置決めされている、第2の側壁と、2つの第1の端部部分及び2つの第1の端部部分の間に位置決めされた第1の中間部分を有する第1のクランプアームであって、2つの第1の端部部分が第1の側壁にそれぞれ接続され、第1の中間部分が第2の側壁に向かって突出する、第1のクランプアームと、2つの第2の端部部分及び2つの第2の端部部分の間に位置決めされた第2の中間部分を有する、第2のクランプアームであって、2つの第2の端部部分が第2の側壁にそれぞれ接続され、第2の中間部分が第1の側壁に向かって突出する、第2のクランプアームと、を備える。第1のクランプアームの第1の中間部分及び第2のクランプアームの第2の中間部分は、絶縁ハウジングのリブ部分をクランプし、かつそれに固定される。ワイヤ接続部分は、クランプ部分と接続する。
【0017】
一部の実施形態では、絶縁ハウジングは、左右方向に位置決めされた2つの側壁を更に備え、端子受容溝内に延在する止めブロックが、2つの側壁の各々に設けられ、2つの側壁の止めブロックが、端子を支持する。
【0018】
本開示の一実施形態では、第1の前端縁及び第2の前端縁は、第1の水平部分の前端の一部及び第2の水平部分の前端の一部をそれぞれ切断することによって形成される。したがって、端子がワイヤをクランプするとき、第1の前端縁及び第2の前端縁は、前方に突出するように前方及び外方に広がらないが、互いに対して平行に延在するか、又はそれぞれ後方に延在し、これにより、第1の前端縁及び第2の前端縁が前方に突出する場合に、端子の止め部分の第1の前端縁及び第2の前端縁が、第1の絶縁ハウジングの止め壁にまず当接することを避けることができる。したがって、本開示の端子を、第1の絶縁ハウジングの正しい位置に取り付けることができる。
【0019】
本開示の一実施形態では、止め部分における第1の水平部分及び第1の屈曲部分の切断部分と、第2の水平部分及び第2の屈曲部分の切断部分とは、第1の屈曲部分と第2の屈曲部分の前縁の左右の根元部分をそれぞれ起点にし、互いに向かって後方に延在する。第1の水平部分の一部及び第2の水平部分の一部のみを切断することと比べて、本実施形態はまた、第1の前端縁及び第2の前端縁が、ワイヤをクランプする端子の曲げ及びワイヤ加圧処理により、前方に突出するように前方及び外方に広がることをより効果的に回避し、かつまた、端子を第1の絶縁ハウジング内の正しい位置に取り付けることができる。
【0020】
本開示の一実施形態では、本開示は、第1の弾性アーム及び第2の弾性アームを通るロックアセンブリの機械的強度及び可撓性の両方を増加させる。先行技術と異なり、第1の弾性アーム及び第2の弾性アームは、ロックアセンブリの後部ブラケットの左右の端部からそれぞれ外方に延在せず、次いで第1の絶縁ハウジングに下方に直接接続されるが、第1の弾性アーム及び第2の弾性アームは、ロックアセンブリの後部ブラケットの左右の端部からそれぞれ外方に延在し、次いでまず一定距離だけ前方に延在し、その後、第1の絶縁ハウジングと下方に接続する。この設計は、ロックアセンブリの柔軟性を増加させ、かつ先行技術におけるロックアセンブリの押圧ハンドルが押し下げにくいという問題を回避することができる。すなわち、本開示によれば、第1の絶縁ハウジングと第2の絶縁ハウジングとの組み立て又は分解が容易になる。
【0021】
本開示の一実施形態では、ロックアセンブリのフレームの開口部は、上下方向においてフレームの比較的大きな面積を占める。加えて、フレームの前部ブラケット、後部ブラケット、第1の側部ブラケット、及び第2の側部ブラケットは、薄肉円筒である。したがって、この設計は、フレームを製造する際の金型注入の不均一な壁厚によるひけを回避することができる。先行技術におけるロック部材は、壁厚が厚すぎるために厚くて硬いブロック(例えばラッチアーム)であるか、又は小さな開口部を有し、金型注入中に不均一な充填が起こり、後続の熱膨張を伴う不均一な充填及び収縮によりロック部材が変形しやすくなる。
【0022】
本開示の一実施形態では、端子は、雄端子であってもよい。一般に、電源コネクタの設計において、良好な接触性能を確保するために、雌端子は、プラスチック本体内を移動可能であり、プラグ端子は、可能な限り移動可能ではない。本開示は、端子の固定を強化するために、端子の第1のクランプアーム及び第2のクランプアームと、第2の絶縁ハウジングのリブ部分との協働を利用する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の様々な観点は、添付図面に関連する以下の詳細な説明によって最もよく理解されるであろう。本業界の標準的な実施態様によれば、特徴は尺度どおり描写されていないことに留意されたい。実際には、明確な説明のために、様々な特徴の寸法を任意に拡大又は縮小してもよい。
【0024】
【
図1】既存の電源コネクタを示す分解概略図である。
【
図2】
図1の既存の電源コネクタを示す組み立て概略図である。
【
図3】ワイヤをクランプする前の
図1の既存の電源コネクタの端子を示す概略図である。
【
図4】ワイヤをクランプした後の
図1の既存の電源コネクタの端子を示す概略図である。
【
図5】既存の電源コネクタセットを示す分解概略図である。
【
図6】
図5の電源コネクタセットの絶縁ハウジング及びロックアセンブリを示す構成概略図である。
【
図7】本開示の一実施形態による電源コネクタセットを示す分解斜視概略図である。
【
図8】別の角度から見た
図7の電源コネクタセットを示す分解斜視概略図である。
【
図9】
図7の電源コネクタセットを示す組み立て斜視概略図である。
【
図10】別の角度から見た
図7の電源コネクタセットを示す組み立て斜視概略図である。
【
図11】
図7の電源コネクタセットの一部を示す断面概略図である。
【
図12】
図7の電源コネクタセットの一部を示す断面を示す斜視概略図である。
【
図13】ワイヤをクランプした後の
図7の端子を示す概略図である。
【
図14】ワイヤをクランプする前の
図7の端子を示す概略図である。
【
図15】ワイヤをクランプした後の本開示による別の実施形態の端子を示す概略図である。
【
図16】ワイヤをクランプする前の
図15の端子を示す概略図である。
【
図17】端子が第1の絶縁ハウジングに通常の向きで組み立てられた状態を示す断面概略図である。
【
図18】端子が第1の絶縁ハウジングに逆向きに組み立てられた状態を示す断面概略図である。
【
図19】
図7の電源コネクタセットの第1の絶縁ハウジング及び第2の絶縁ハウジングを示す斜視概略図である。
【
図20】
図7の電源コネクタセットを示す組み立て斜視概略図である。
【
図21】
図9の電源コネクタセットを示す上面概略図である。
【
図22】
図7の組み立てられた端子及び第2の絶縁ハウジングを示す背面図である。
【
図23】組み立てられた端子及び線Y−Yに沿って切断した第2の絶縁ハウジングを示す断面図である。
【
図24】
図7の組み立てられた端子及び第2の絶縁ハウジングを示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の開示内容は、本開示の様々な特徴を実施するために使用される様々な実施形態又は例示を提供する。本開示の開示内容を簡略化するために、構成要素及び構成の特定の例を以下に説明する。これらは確実に単なる例であり、本開示を限定するために使用されるものではない。例えば、以下の説明において、第1の特徴が第2の特徴上又はその上部に形成されることは、第1の特徴及び第2の特徴が互いに直接接触するように形成される実施形態を含んでもよく、他の特徴が第1の特徴と第2の特徴との間に形成され、このため、第1の特徴と第2の特徴は互いに直接接触しない実施形態を含んでもよい。更に、本開示は、異なる例において構成要素の記号及び/又は文字が繰り返されてもよい。繰り返しは、簡略化及び明確化のために使用されるが、様々な実施形態及び/又は考察される構造の間の関係の優位性を示すために使用されるものではない。
【0028】
更に、本開示は、「下方」、「より低い」、「相対的に低い」、「より高い」、「相対的に高い」の簡単な表現などの空間的に対応する用語を使用して、任意の構成要素又は特徴と別の構成要素又は特徴との関係を記述してもよい。空間的に対応する用語は、図に例解する向きの他に、使用又は動作中のデバイスの様々な向きを含むために使用される。デバイスの向きを変えてもよく(90度、又は他の向きに回転させる)、本開示において対応する空間の記述について、対応して説明してもよい。任意の特徴が別の特徴又は基板の上に形成されるとき、それらの間に他の特徴が提示され得ることを理解されたい。
【0029】
図7は、本開示の一実施形態による電源コネクタセット10を示す分解斜視概略図である。
図8は、別の角度から見た
図7の電源コネクタセット10を示す分解斜視概略図である。
図9は、
図7の電源コネクタセット10を示す組み立て斜視概略図である。
図10は、別の角度から見た
図7の電源コネクタセット10を示す組み立て斜視概略図である。
図7〜
図10を参照すると、電源コネクタセット10は、第1の絶縁ハウジング1、ロックアセンブリ13、第2の絶縁ハウジング2、複数の端子3、複数の端子4、複数のワイヤ7、複数の端子固定部分5、及び複数の端子固定部分6を備える。第1の絶縁ハウジング1、ロックアセンブリ13、複数の端子3、及び複数の端子固定部分5は、レセプタクルコネクタの一部を形成する。第2の絶縁ハウジング2、複数の端子4、及び複数の端子固定部分6は、プラグコネクタの一部を形成する。本開示の特徴が記載されるとき、本明細書で使用される実施形態は、プラグコネクタ又はレセプタクルコネクタであり得るが、各特徴は、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタに所望されるように適用され得ることに留意されたい。
【0030】
本開示では、端子3及び端子4などの電源コネクタセット10の各構成要素は、複数であってもよいが、説明の便宜上、各構成要素は、適切な場合、単一の要素として説明する。第1の絶縁ハウジング1及び第2の絶縁ハウジング2は、複数の端子受容溝12及び複数の端子受容溝22をそれぞれ有する。端子受容溝12及び端子受容溝22は、端子3及び端子4をそれぞれ受容するために使用される。より具体的には、端子3を例にとると、端子3が、前後方向D1において端子受容溝22にそれぞれ受容される。
【0031】
図11は、
図7の電源コネクタセット10の一部を示す断面概略図である。
図12は、
図7の電源コネクタセット10の一部を示す断面を示す斜視概略図である。
図11及び
図12を参照すると、第1の絶縁ハウジング1は、止め壁16及び弾性アーム14を備える。止め壁16は端子3を止めるために使用され、これについては以下で詳細に説明する。弾性アーム14は、第1の絶縁ハウジング1の端子受容溝12内に位置決めされる。弾性アーム14は、第1の端部142、第2の端部144、及び係合突出部1442を備え、係合突出部1442は、第1の端部142と第2の端部144との間に形成され、端子受容溝12内に突出し、その結果、端子3の係合開口部322にラッチされる。一実施形態では、第1の端部142と第2の端部144の両方が第1の絶縁ハウジング1に接続される。別の実施形態では、第1の端部142は、第1の絶縁ハウジング1に接続され、第2の端部144は、第1の絶縁ハウジング1に接続されないが、端子受容溝内に延在する自由端であり、その結果、弾性アーム14が片持ち梁を形成する。
【0032】
端子3は、嵌合部分32、止め部分34、及びワイヤ接続部分36を備える。嵌合部分32、止め部分34、及びワイヤ接続部分36は、前後方向D1に配列され、かつ順次接続される。嵌合部分32は、内部に係合開口部322を画定し、第1の絶縁ハウジング1の係合開口部322及び係合突出部1442が互いにラッチされる。端子固定部分5は、固定シート体52を備える。端子3の止め部分34は、固定シート体52の前端によって支持されて第1の絶縁ハウジング1の止め壁16に当接し、かつそれに固定され、その結果、端子3は、第1の絶縁ハウジング1内で止められる。
【0033】
本開示では、端子の状態が特に指定されない場合、端子の状態は「ワイヤクランプ状態」になる。より具体的には、「ワイヤクランプ状態」とは、端子3のワイヤ接続部分36が、ワイヤ7をクランプするための曲げ及びワイヤ加圧処理を受けた状態を指す。
【0034】
図13は、ワイヤをクランプした後の
図7の端子を示す概略図である。
図14は、ワイヤをクランプする前の
図7の端子を示す概略図である。
図13を参照すると、止め部分34は、互いに対向する第1の水平部分342及び第2の水平部分344と、互いに対向する第1の垂直部分346(
図12参照)及び第2の垂直部分348(
図12参照)と、互いに対向する第1の屈曲部分341及び第2の屈曲部分343と、を備える。
【0035】
第1の水平部分342は、第1の垂直部分346に対して垂直であり、かつ第1の屈曲部分341を介して第1の垂直部分346に接続される。同様に、第2の水平部分344は、第2の垂直部分348に対して垂直であり、かつ第2の屈曲部分343を介して第2の垂直部分348に接続される。一実施形態では、第1の屈曲部分341と第2の屈曲部分343は、それぞれ一定の半径を有する。
【0036】
第1の水平部分342は、第1の前端縁3422、第1の後端縁3424、及び第1の自由端縁3426を備える。第1の自由端縁3426は、一般に、互いに対向し、かつ前後方向D1に位置決めされた第1の前端縁3422と第1の後端縁3424とを接続するために、前後方向D1に延在する。同様に、第2の水平部分344は、第2の前端縁3442、第2の後端縁3444、及び第2の自由端縁3446を備える。第2の自由端縁3446は、一般に、互いに対向し、かつ前後方向D1に位置決めされた第2の前端縁3442と第2の後端縁3444とを接続するために、前後方向D1に延在する。
【0037】
本開示において、「前部」とは前後方向D1の前側を指し、「後部」とは前後方向D1の後側を指す。例えば、第1の前端縁3422は、前後方向D1の後側よりも前後方向D1の前側に近接している。
【0038】
図13に示すように、端子3がワイヤをクランプした後、ワイヤ接続部分36は、曲げ及びワイヤ加圧処理によって止め部分34を曲げかつ締め付け、第1の垂直部分346及び第2の垂直部分348は、締め付けによって前方及び外方に広がり、これにより結果として、左右方向D2における第1の垂直部分346と第2の垂直部分348との距離が後方に徐々に狭くなり、かつこれにより、第1の水平部分342及び第2の水平部分344を前方に押し出す。このとき、止め部分34の第1の後端縁3424及び第2の後端縁3444は、それぞれ前方に延在し、第1の自由端縁3426と第2の自由端縁3446との距離が後方に徐々に狭くなる。しかし、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、前方に突出するように前方及び外方に広がらないが、互いに対して平行に延在するか又はそれぞれ後方に延在する。
【0039】
端子3が第1の絶縁ハウジング1に組み立てられると(
図11及び
図12を参照)、
図14に詳細に示すような、止め部分34の設計のために、端子3がワイヤをクランプした後、端子3の第1の水平部分342の第1の前端縁3422及び第2の水平部分344の第2の前端縁3442は、互いに対して平行に延在し(
図15参照)、又はそれぞれ後方に延在してもよく(
図13参照)、その結果、端子3の第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442が、先行技術で生じるように、前方に突出してまず止め壁16に当接することが本開示では生じず、端子3を正しい位置に取り付けることができる。別の実施形態では、端子3の第1の水平部分342の第1の前端縁3422及び第2の水平部分344の第2の前端縁3442は、第1の垂直部分346及び第2の垂直部分348の前端縁を超えて前方に突出せず、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442がそれぞれ後方に延在するとき、第1の垂直部分346及び第2の垂直部分348の前端縁並びに/又は第1の屈曲部分341及び第2の屈曲部分343の前端縁3413、3433は、止め壁16に当接する。
【0040】
図14を参照すると、端子3のワイヤ接続部分36は、ワイヤをクランプするための曲げ及びワイヤ加圧処理なしで開いた状態であり、このとき、止め部分34は、曲げ及びワイヤ加圧処理なしで前方に締め付けられない。止め部分34の第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、第1の屈曲部分341の前端縁3413及び第2の屈曲部分343の前端縁3433に沿ってそれぞれ延在せず、したがって、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は互いに対して平行ではない。当然ながら、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、互いに向かってそれぞれ後方に延在し、したがって、端子3がワイヤをクランプするとき、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、前方に突出するように前方及び外方に広がらないが、互いに対して平行に延在するか又はそれぞれ後方に延在し、これにより端子3の止め部分34の第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442が前方に突出する場合、第1の絶縁ハウジング1の止め壁16にまず当接するのを回避することができる。したがって、本開示の端子3を、第1の絶縁ハウジング1の正しい位置に取り付けることができる。一実施形態では、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、第1の水平部分342の前端の一部及び第2の水平部分344の前端の一部をそれぞれ切断することによって形成される。
【0041】
図15は、ワイヤをクランプした後の本開示による別の実施形態の端子3を示す概略図である。
図16は、ワイヤをクランプする前の
図15の端子3を示す概略図である。
図15及び
図16を参照すると、端子3の止め部分34は、
図13及び
図14に示す止め部分34と類似しているが、
図15及び
図16の止め部分34の第1の水平部分342の一部及び第2の水平部分344の一部と、第1の屈曲部分341の一部及び第2の屈曲部分343の一部とが切断される点で異なっている。より具体的には、左右の切断部分が、それぞれ、第1の屈曲部分341及び第2の屈曲部分343の前縁の左右の根元部分3411を起点に、互いに向かって後方に延在する。第1の水平部分342の一部及び第2の水平部分344の一部のみを切断することと比べて、本実施形態はまた、第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442が、ワイヤをクランプする端子3の曲げ及びワイヤ加圧処理により、前方に突出するように前方及び外方に広がることをより効果的に回避することができる。
図15に示すように、止め部分34の第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、水平であり、かつ前方に突出しない。なお、第1の屈曲部分341の一部及び第2の屈曲部分343の一部が、
図15及び
図16の実施形態において切断されるが、
図13及び
図14の実施形態において切断されず、その理由として、これらの2つの部分は、
図13及び
図14の実施形態において止め部分34の左右の根元部分3411で位置決めされ、端子3がワイヤをクランプするときに、これらの2つの部分によって影響を受ける変形量は、
図13及び
図14の実施形態において、ごくわずかであり、このことは
図13及び
図14の実施形態において、第1の絶縁ハウジング1内の端子3の正しい位置決めに影響を及ぼさないことに留意されたい。
【0042】
図17は、端子3が第1の絶縁ハウジング1に通常の向きで組み立てられた状態を示す断面概略図である。
図18は、端子3が第1の絶縁ハウジング1に逆向きで組み立てられた状態を示す断面概略図である。
図17を参照すると、第1の絶縁ハウジング1は、止め壁16に対して上下方向D3において第1の絶縁ハウジング1の端子受容溝12の底部分に位置決めされ、かつ後ろから前に向かって上昇する勾配15を有する。端子3が通常の向きで組み立てられるとき、端子3の止め部分34が勾配15に干渉することがなく、これにより端子3を端子受容溝12内に円滑に挿入することができる。
図18を参照すると、端子3が第1の絶縁ハウジング1に逆向きに組み立てられるとき(すなわち、端子3が通常の向きに対して上下逆になっている)、端子3の止め部分34が勾配15に干渉することになり、この結果、端子3を端子受容溝内12に挿入することができなくなる。本開示では、第1の絶縁ハウジング1の勾配15と端子3の止め部34との協働により、通常の角度(すなわち、通常の向きである)以外の向き(90度/180度/270度など)での、端子3の第1の絶縁ハウジング1への挿入を確実に防止することができる。
【0043】
図19は、
図7の電源コネクタセット10の第1の絶縁ハウジング1及び第2の絶縁ハウジング2を示す斜視概略図である。第1の絶縁ハウジング1は、レセプタクルコネクタの絶縁ハウジングであってもよく、第2の絶縁ハウジング2は、プラグコネクタの絶縁ハウジングであってもよい。
図20は、
図7の電源コネクタセット10を示す組み立て斜視概略図である。
図19及び
図20を参照すると、電源コネクタセット10は、第1の絶縁ハウジング1の上面に設けられたロックアセンブリ13を備える。第2の絶縁ハウジング2の上面に、突出ブロック29が設けられる。第1の絶縁ハウジング1及び第2の絶縁ハウジング2は、ロックアセンブリ13及び突出ブロック29が互いにラッチされることによって互いに組み立てられる。
【0044】
ロックアセンブリ13は、フレーム132、第1の脚134(
図21参照)、第2の脚135、第1の弾性アーム136、及び第2の弾性アーム137を備える。フレーム132は、内部に開口部1321を画定する。第1の絶縁ハウジング1及び第2の絶縁ハウジング2は、フレーム132の開口部132及び突出ブロック29が互いにラッチされることによって互いに組み立てられる。
【0045】
フレーム132は、前部ブラケット1322、後部ブラケット1324、第1の側部ブラケット1326、及び第2の側部ブラケット1328を備える。前部ブラケット1322、後部ブラケット1324、第1の側部ブラケット1326、及び第2の側部ブラケット1328は、開口部1321を形成する。前部ブラケット1322及び後部ブラケット1324は、互いに対向し、開口部1321によって互いに離間し、かつ前後方向D1に位置決めされる。前部ブラケット1322は、第1の側部ブラケット1326の前端と第2の側部ブラケット1328の前端とを接続する。後部ブラケット1324は、第1の側部ブラケット1326の後端と第2の側部ブラケット1328の後端とを接続する。第1の側部ブラケット1326及び第2の側部ブラケット1328は、互いに対向し、開口部1321によって互いに離間し、かつ左右方向D2に位置決めされる。
【0046】
ロックアセンブリ13の第1の脚134(
図21参照)は、フレーム132の前部ブラケット1322と後部ブラケット1324との間に位置決めされ、かつ上下方向D3においてフレーム132の第1の側部ブラケット1326から第1の絶縁ハウジング1の上面に延在し、かつ第1の絶縁ハウジング1の上面と接続する。ロックアセンブリ13の第2の脚135は、フレーム132の前部ブラケット1322と後部ブラケット1324との間に位置決めされ、かつ上下方向D3においてフレーム132の第2の側部ブラケット1328から第1の絶縁ハウジング1の上面に延在し、かつ第1の絶縁ハウジング1の上面と接続する。
【0047】
ロックアセンブリ13の第1の弾性アーム136は、左右方向D2において所定距離だけフレーム132の後部ブラケット1324の左端から外方に延在し、次いで前後方向D1において所定距離だけ前方に延在し、次いで上下方向D3において第1の絶縁ハウジング1の上面に延在し、かつ第1の絶縁ハウジング1の上面と接続する。ロックアセンブリ13の第2の弾性アーム137は、左右方向D2において所定距離だけフレーム132の後部ブラケット1324の右端から外方に延在し、次いで前後方向D1において所定距離だけ前方に延在し、次いで上下方向D3において第1の絶縁ハウジング1の上面に延在し、かつ第1の絶縁ハウジング1の上面と接続する。
【0048】
本開示は、第1の弾性アーム136及び第2の弾性アーム137を介して、ロックアセンブリ13の機械的強度を増加させる。先行技術と異なり、第1の弾性アーム136及び第2の弾性アーム137は、ロックアセンブリ13の後部ブラケット1324の左右の端部からそれぞれ外方に延在せず、次いで第1の絶縁ハウジング1に下方に直接接続されるが、第1の弾性アーム136及び第2の弾性アーム137は、ロックアセンブリ13の後部ブラケット1324の左右の端部からそれぞれ外方に延在し、次いでまず一定距離だけ前方に延在し、その後、第1の絶縁ハウジング1と下方に接続する。この設計は、ロックアセンブリ13の柔軟性を増加させ、かつ先行技術におけるロックアセンブリB11の押圧ハンドルB112を押し下げにくいという問題を回避することができる。すなわち、本開示によれば、第1の絶縁ハウジング1と第2の絶縁ハウジング2の組み立て又は分解が容易になる。
【0049】
加えて、上下方向D3に配列された2つのラッチブロック182が、第1の絶縁ハウジング1の左右の側壁18の各々に設けられ、前後方向D1に延在するガイドリブ184が、2つのラッチブロック182の間に設けられる。端子固定部分5は、開口部51を有する。端子固定部分5が第1の絶縁ハウジング1に組み立てられるとき、端子固定部分5は、ガイドリブ184によって案内され、その結果、端子固定部分5の開口部51が第1の絶縁ハウジング1のラッチブロック182にラッチさせされると共に、端子固定部分5が組み立てられた端子3と第1の絶縁ハウジング1とを固定シート体52を介して固定する(
図11の上記の説明を参照)。同様に、上下方向D3に配列された2つのラッチブロック182が、第2の絶縁ハウジング2の左右の側壁の各々に設けられ、前後方向D1に延在するガイドリブ184が、2つのラッチブロック182の間に設けられる。
【0050】
端子固定部分6と第2の絶縁ハウジング2との組み立ては、端子固定部分5と第1の絶縁ハウジング1との組み立てと同様である。端子固定部分6は、開口部61を有する。端子固定部分6が第2の絶縁ハウジング2に組み立てられるとき、端子固定部分6は、ガイドリブ184によって案内され、その結果、開口部61が、ラッチブロック182にラッチさせられる。加えて、端子固定部分6の固定シート体は
図24に示されていないが、端子固定部分6はまた、端子固定部分6の固定シート体を介して組み立てられた端子4と第2の絶縁ハウジング2とを固定する。本開示では、ラッチブロック182とガイドリブ184との協働により、本開示は、端子固定部分5、6と絶縁ハウジング1、2との組み立ての不整合の問題を回避することができる。
【0051】
図21は、
図9の電源コネクタセット10を示す上面概略図である。
図21を参照すると、フレーム132の開口部1321は、上下方向においてフレーム132の比較的大きな面積を占める。加えて、フレーム132の前部ブラケット1322、後部ブラケット1324、第1の側部ブラケット1326、及び第2の側部ブラケット1328は、薄肉円筒である。したがって、この設計は、フレーム132を製造する際の金型注入の不均一な壁厚によるひけを回避することができる。先行技術におけるロック部材は、壁厚が厚すぎるために厚い中実ブロック(例えばラッチアームB114)であるか、又は小さな開口部を有し、射出成形中に不均一な充填が起こり、後続の熱膨張を伴う不均一な充填及び収縮によりロック部材が変形しやすくなる。
【0052】
図22は、
図7の組み立てられた端子4及び第2の絶縁ハウジング2を示す背面図である。
図23は、組み立てられた端子4及び第2の絶縁ハウジング2を線Y−Yで切断した断面図である。
図22及び
図23を参照すると、第2の絶縁ハウジング2は、内部に端子受容溝22を画定する。第2の絶縁ハウジング2は、リブ部分27及び片持ち梁23を備え、リブ部分27は、第2の絶縁ハウジング2から端子受容溝22内に突出する。端子4は、端子受容溝22内に位置決めされる。端子4は、嵌合部分42、クランプ部分44、及びワイヤ接続部分46を備える。嵌合部分42、クランプ部分44、及びワイヤ接続部分46は、前後方向D1に配列され、かつ順次接続される。クランプ部分44は、第1の側壁442、第2の側壁444、第1のクランプアーム446、及び第2のクランプアーム448を備える。
【0053】
第1のクランプアーム446は、2つの第1の端部部分4462、及び第1の中間部分4464を備える。第1の中間部分4464は、2つの第1の端部部分4462の間に位置決めされ、第2の側壁444に向かって突出する。2つの第1の端部部分4462は、第1の側壁442にそれぞれ接続される。第2のクランプアーム448は、2つの第2の端部部分4482、及び第2の中間部分4484を備える。第2の中間部分4484は、2つの第2の端部部分4482の間に位置決めされ、第1の側壁442に向かって突出する。2つの第2の端部部分4482は、第2の側壁444にそれぞれ接続される。
【0054】
端子4が第2の絶縁ハウジング2と組み立てられるとき、第1のクランプアーム446の第1の中間部分4464と第2のクランプアーム448の第2の中間部分4484とが共に、第2の絶縁ハウジング2のリブ部分27をクランプして端子4を第2の絶縁ハウジング2に固定する。
【0055】
本開示では、端子4は、雄端子であってもよい。一般に、電源コネクタの設計において、良好な接触性能を確保するために、雌端子は、プラスチック本体内を移動可能であり、プラグ端子は、可能な限り移動可能ではない。本開示は、端子4の固定を強化するために、端子4の第1のクランプアーム446及び第2のクランプアーム448と、第2の絶縁ハウジング2のリブ部分27との協働を利用する。
【0056】
図24は、
図7の組み立てられた端子4及び第2の絶縁ハウジング2を示す断面概略図である。
図22及び
図24を共に参照すると、第2の絶縁ハウジング2は、2つの側壁26を更に備える。2つの側壁26は、互いに対向して左右方向D2に位置決めされる。端子受容溝22内に延在し、かつ端子4を支持する止めブロック262が、2つの側壁26のそれぞれに設けられる。一般に、先行技術では、片持ち梁23のみが、端子の位置を絶縁ハウジング内の上下方向D3に支持及び固定するために使用されるが、片持ち梁23は、時間の経過に伴い弾性疲労が生じ、変形すると、これにより上下方向D3における端子の位置が変化する。本開示では、止めブロック262は、端子4の位置を第2の絶縁ハウジング2の上下方向D3に更に固定するために使用される。端子4の上下方向D3における固定を補強するほうが良い。
【0057】
本開示では、端子3の止め部分34における第1の水平部分342の一部及び第2の水平部分344の一部は、一実施形態では切断され、又は第1の水平部分342の一部分、第2の水平部分344の一部、第1の屈曲部分341の一部及び第2の屈曲部分343の一部は、別の実施形態では切断され、その結果、止め部分34の第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442は、端子3が曲げ及びワイヤ加圧処理を受けた後に、前方に突出するように前方及び外方に広がることはなく、その結果、端子3が第1の絶縁ハウジング1と組み立てられたときに、端子3の止め部分34の第1の前端縁3422及び第2の前端縁3442が、第1の絶縁ハウジング1の止め壁16にまず当接することを回避し、それにより、端子3を第1の絶縁ハウジング1の正しい位置に取り付けることができる。
【0058】
先行技術と異なり、ロックアセンブリ13の第1の弾性アーム136及び第2の弾性アーム137が本開示に追加され、第1の弾性アーム136及び第2の弾性アーム137は、ロックアセンブリ13の後部ブラケット1324の左右の端部からそれぞれ外方に延在せず、次いで第1の絶縁ハウジング1に下方に直接接続されるが、第1の弾性アーム136及び第2の弾性アーム137は、ロックアセンブリ13の後部ブラケット1324の左右の端部からそれぞれ外方に延在し、次いでまず一定距離だけ前方に延在し、その後、第1の絶縁ハウジング1と下方に接続される。この設計は、ロックアセンブリ13の柔軟性を増加させ、かつ先行技術におけるロックアセンブリB11の押圧ハンドルを押し下げにくいという問題を回避することができる。
【0059】
本開示は、端子4の固定を強化するために、端子4の第1のクランプアーム446及び第2のクランプアーム448と、第2の絶縁ハウジング2のリブ部分27との設計を利用し、かつ電源コネクタの良好な接触性能を確保する。
【0060】
いくつかの実施形態の特徴は、当業者が本開示の様々な態様をより良好に理解することができるように、上記内容に要約されている。当業者は、本開示が、他の構成を設計又は変更するため、その後、本開示の実施形態と同じ目的を実現し、同じ利点を得るために、容易に使用され得ることを理解されたい。当業者は、このような等価な構成が、本開示の開示内容の趣旨及び範囲から逸脱することはできず、また、当業者は、本開示の開示内容の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、代替及び置換を行うことができることを理解されたい。上記は一例に過ぎず、限定されるものではない。本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない同等の変形又は修正は、添付の特許請求の範囲に含まれるべきである。