(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非接触コネクタ10では、回転部28が固定部32に対して回転軸12に沿って移動し、回転部28と固定部32とが、光や電磁波を送受信できない程度に離間してしまう可能性がある。そのため、非接触コネクタ10を各種の装置に適用する場合、回転部28と固定部32との離間を抑制する構成が必要になると考えられる。
【0008】
例えば、非接触コネクタ10を適用したトルク測定装置100では、
図22に示すように、回転軸12は、ケーシング118に設置された端部軸受124と中間軸受126とに支持され、固定部32は、ケーシング118の一端側に設けられた負荷装置部120に固定される。これにより、回転部28と固定部32との離間を抑制していると考えられる。
【0009】
しかしながら、回転部28と固定部32とを取り付けるための構成が極めて複雑であり、回転部28と固定部32との組み立てが困難であると考えられる。また、メンテナンスなど必要に応じて、回転部28と固定部32とは、容易に分離できることが望ましい。
【0010】
また、非接触コネクタ10において、回転部28は、回転軸12を中心に回転できるだけである。そのため、パン・チルト動作をする監視カメラや、回転及び屈曲動作をするロボット・アーム装置など、2軸で回転する構造を備えた装置に非接触コネクタ10を適用することが困難である。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能な無線コネクタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る無線コネクタは、
無線で伝送対象を伝送するための第1送受信部と、第1対象物とが取り付けられるプラグと、
前記
第1送受信部との間で無線で前記伝送対象を伝送するための第2送受信部と、第2対象物とが取り付けられるレセプタクルとを備え、
前記プラグと前記レセプタクルとは、
前記第1対象物と前記第2対象物とを第1回転軸を中心に相対的に回転させるための回転機構と、
前記第1対象物と前記第2対象物とを、前記第1回転軸と交差する第2回転軸を中心として相対的に回転できるように接続するための接続機構とを含み、
前記接続機構は、
前記プラグと前記レセプタクルとのうちの一方の部材に設けられ、前記第1回転軸を介して互いに反対の位置から他方の部材に向かって、前記第2回転軸に沿って延びる一対の軸部と、
前記他方の部材に設けられ、前記一対の軸部の先端部が嵌まる少なくとも1つの軸受け部とから構成され、
前記一対の軸部の少なくとも一方は、
先端部にて前記第2回転軸に沿って移動する可動先端部材と、
前記可動先端部材を前記他方の部材に向かう方向へ前記第2回転軸に沿って押す弾性部材とを含む。
【0013】
前記軸受け部は、前記一対の軸部の先端部がそれぞれ嵌まるように一対設けられており、
前記軸受け部の各々は、穴又は貫通孔であり、
前記一方の部材は、
前記一対の軸部を含む接続部と、
前記接続部に前記回転機構を介して接続された回転部とを含んでもよい。
【0014】
前記可動先端部材は、前記一対の軸部の少なくとも一方の先端部にて回転自在に保持された球体であり、
前記軸受け部は、前記第1回転軸を中心とする円環状の溝であり、
前記回転機構は、前記可動先端部材と前記軸受け部とから構成されてもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る無線コネクタは、
無線で伝送対象を伝送するための第1送受信部と、第1対象物とが取り付けられるプラグと、
前記
第1送受信部との間で無線で前記伝送対象を伝送するための第2送受信部と、第2対象物とが取り付けられるレセプタクルと、
前記プラグと前記レセプタクルとを取り外し可能に接続する接続部材とを備え、
前記プラグと前記レセプタクルとのうちの一方の部材は、
回転軸部と、
前記回転軸部の一端に当該回転軸部よりも側方へ張り出して接続しており、先端に部分球面を形成する先端部とを含み、
前記プラグと前記レセプタクルとのうちの他方の部材は、
前記部分球面に沿って移動するように前記先端部と接触する受け台部を含み、
前記接続部材は、前記先端部が前記受け台部に接触して移動するように、前記プラグと前記レセプタクルとを取外し可能に接続する
ことを特徴とする無線コネクタ。
【0016】
前記先端部は、前記回転軸部の一端が接続した球体状の部位であり、
前記受け台部は、前記先端部の一部である前記部分球面と接触する球面状の凹みを有してもよい。
【0017】
前記受け台部は、突起が設けられた外周面部を含み、
前記接続部材は、
前記突起に対応する溝が設けられており、前記外周面部に取外し可能に嵌合する内面部と、
前記回転軸部が貫通しており、前記先端部よりも小さい開口とを含んでもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る無線コネクタは、
無線で伝送対象を伝送するための第1送受信部と、第1対象物とが取り付けられるプラグと、
前記
第1送受信部との間で無線で前記伝送対象を伝送するための第2送受信部と、第2対象物とが取り付けられるレセプタクルとを備え、
前記プラグと前記レセプタクルとは、
前記第1対象物と前記第2対象物とを
、第1回転軸を中心として相対的に回転できるように接続するための接続機構と、
前記第1
対象物と前記第2
対象物とを前記第1回転軸と交差する第2回転軸を中心に相対的に回転させるための回転機構とを備え、
前記回転機構は、
前記プラグと前記レセプタクルとのうちの一方の部材に設けられ、前記第1回転軸を介して互いに反対の位置か
ら前記第2回転軸に沿って延びる一対の軸部と、
前記
一方の部材に設けられ、前記一対の軸部のそれぞれの先端部が嵌まる一対の軸受け部とから構成される。
【0019】
前記接続機構は、
前記プラグと前記レセプタクルとのうちの
他方の部材に設けられる第1嵌合部と、
前記
一方の部材に設けられ、前記第1嵌合部と嵌合することによって取り外し可能に接続される第2嵌合部と、
前記第2嵌合部以外の前記
一方の部材に対して前記第1回転軸を中心として前記第2嵌合部を回転させるための軸受機構とから構成されてもよい。
【0020】
前記接続機構は、
前
記一方の部材に設けられ、周方向に複数の保持孔が設けられた前記第1回転軸を中心とする円筒状の第1嵌合部と、
前記保持孔の各々に回転自在に保持されており、前記第1嵌合部の厚さよりも径が大きい複数の球体と、
前記プラグと前記レセプタクルとのうちの他方の部材に設けられ、前記第1回転軸を中心として前記第1嵌合部の中に嵌まる円柱状の第2嵌合部と、
前記第2嵌合部の周囲に配置されて前記第1回転軸に沿ってスライド移動することによって、前記第1嵌合部に対する前記第1回転軸に沿った前記第2嵌合部の移動が抑止されたロック状態と、当該移動が許容されるアンロック状態とを切り替える中空のスライド部材と、
前記第2嵌合部を前記第1嵌合部に嵌める際の挿入方向に、前記スライド部材を前記第2嵌合部に対して押す弾性部材とから構成され、
前記第2嵌合部は、外周面に周方向に設けられ、前記ロック状態において前記複数の球体が嵌まる円環状の溝部を含み、
前記スライド部材の内面部は、前記ロック状態において前記複数の球体の周囲に位置付けられて前記溝部に嵌まった前記複数の球体と接触し、当該ロック状態における位置から前記弾性部材の力に抗してスライド移動した前記アンロック触状態において前記複数の球体と非接触となる部分を含んでもよい。
【0021】
前記プラグに取り付けられた前記第1送受信部と、
前記レセプタクルに取り付けられた前記第2送受信部とをさらに備えてもよい。
【0022】
前記第1送受信部と前記第2送受信部とは、それぞれ、光又は電磁波を媒体として前記伝送対象を伝送し、
前記伝送対象は、情報又は電力であってもよい。
【0023】
前記プラグに取り付けられ、無線で別の伝送対象を伝送するための第3送受信部と、
前記レセプタクルに取り付けられ、前記第3送受信部との間で無線で別の伝送対象を伝送するための第4送受信部とをさらに備え、
前記第3送受信部と前記第4送受信部とは、それぞれ、前記第1送受信部と前記第2送受信部とは異なる伝送媒体を介して前記別の伝送対象を伝送し、
前記別の伝送対象は、情報又は電力であってもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態に係る無線コネクタについて、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。また、本発明の実施の形態の説明及び図面では、上・下・前・後・右・左の用語を用いるが、これらは、方向を説明するために用いるのであって、本発明を限定する趣旨ではない。
【0027】
本発明の各実施の形態に係る無線コネクタは、第1対象物と第2対象物とを、当該第1対象物と当該第2対象物との間で伝送対象を伝送しつつ相対的に回転可能に接続するコネクタであり、この点は、一般的なコネクタと同様である。本発明の各実施の形態に係る無線コネクタは、伝送対象を無線で伝送するコネクタであり、互いに交差する2つの回転軸を中心に回転可能に、かつ、取り外し可能に接続することを特徴とする。
【0028】
本発明の各実施の形態に係る無線コネクタは、第1対象物と第2対象物とのそれぞれが取り付けられるプラグとレセプタクルとを備える。プラグとレセプタクルとの各々は、例えば金属製であるが、適宜の材料で作られてよい。
【0029】
第1対象物と第2対象物とは、図示していないが、プラグとレセプタクルとのそれぞれが取り付けられる物であればよい。
【0030】
第1対象物と第2対象物とのそれぞれは、360度全方位を監視できる監視カメラ装置に無線コネクタを適用する場合、例えば、カメラ或いはその構成部品と、当該カメラが設置される天井、壁或いはそこに設置するための取付具である。ロボット・アーム装置に無線コネクタを適用する場合、第1対象物と第2対象物とのそれぞれは、例えば、アームの構成部品と、他のアーム或いは本体の構成部品である。
【0031】
また、プラグ及びレセプタクルのそれぞれには、全図を通じて共通の符号で示すように、第1送受信部U1及び第2送受信部U2が取り付けられる。第1送受信部U1及び第2送受信部U2は、無線で伝送対象を伝送するための電子部品などである。第1送受信部U1と第2送受信部U2のうちのいずれか一方が送信部、他方が受信部として機能する。
【0032】
無線での伝送に採用される媒体(以下、「伝送媒体」という。)は、例えば、電磁波、光などである。伝送対象は、例えば、情報、電力である。このような伝送媒体と伝送対象との組み合わせにおける第1送受信部U1及び第2送受信部U2の例は、次の通りである。
【0033】
伝送媒体が電磁波であり、伝送対象が情報である場合、第1送受信部U1及び第2送受信部U2の各々は、例えばアンテナを含む。伝送媒体が電磁波であり、伝送対象が電力である場合、第1送受信部U1及び第2送受信部U2の各々は、例えばコイルを含む。
【0034】
伝送媒体が光であり、伝送対象が情報である場合、第1送受信部U1と第2送受信部U2との一方及び他方は、それぞれ、例えば発光素子及び受光素子を含む。伝送媒体が光であり、伝送対象が電力である場合、第1送受信部U1と第2送受信部U2との一方及び他方は、それぞれ、例えば発光素子及び光発電素子を含む。
【0035】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る無線コネクタ100は、
図1の斜視図及び
図2の前方から見た断面図に示すように、プラグ101とレセプタクル102とを備える。
【0036】
プラグ101とレセプタクル102とは、回転機構R1と接続機構C1とを備える。回転機構R1は、第1対象物と第2対象物とを第1回転軸A1を中心に相対的に回転させるための機構である。接続機構C1は、第1対象物と第2対象物とを、第2回転軸A2を中心として相対的に回転できるように接続するための機構である。接続機構C1は、取り外しができるように接続するための機構を含む。
【0037】
第1回転軸A1と第2回転軸A2とは、互いに交差する第1回転軸と第2回転軸との一例であって、互いに直交している。
【0038】
詳細には、プラグ101は、
図1及び2に示すように、接続部103と、回転部104と、複数の移動体105とを含む。
【0039】
接続部103は、レセプタクル102に対して第2回転軸A2を中心として相対的に回転できるようにレセプタクル102と接続する部材であって、第1基部106と、一対の軸部107とを含む。
【0040】
第1基部106は、回転部104及び複数の移動体105が収容される部位であって、概ね円柱状の中空を含む。本実施の形態に係る第1基部106は、有底の円筒状であり、その底部には貫通孔が設けられている。
【0041】
一対の軸部107の各々は、第2回転軸A2に沿って突き出た部位である。一対の軸部107は、第1基部106の外面において第1回転軸A1を介して互いに反対の位置から、レセプタクル102に向かって突き出す。
【0042】
本実施の形態に係る一対の軸部107の各々は、棒状であって、固定軸部108と、可動先端部材109と、弾性部材110とを含む。
【0043】
固定軸部108は、第1基部106の外面において第1回転軸A1を介して対称な位置に固定されており、第2回転軸A2に沿って延びる中空を含む部位である。本実施の形態に係る固定軸部108は、第2回転軸A2に沿って延びる棒状をなし、円柱状の中空を含む。
【0044】
固定軸部108の中空は、固定軸部108の先端部に設けられた円形の開口を通じて外部に開放されている。固定軸部108の先端部は、開口の径が中空の径よりも小さくなるように内方へ突き出た部分を含む。
【0045】
本実施の形態では、固定軸部108のうち、レセプタクル102と対向する部分、本実施の形態では固定軸部108の下部に、第1送受信部U1が取り付けられている。
【0046】
可動先端部材109は、軸部107の先端部を構成する部材であって、少なくとも一部が固定軸部108の中に配置されることにより第2回転軸A2に沿って移動する。可動先端部材109の一部は、固定軸部108の先端部の開口を通じて固定軸部108の中と外とを出入りする。
【0047】
本実施の形態に係る可動先端部材109は、第2回転軸A2に沿って配置されるピンであり、第1基部106から遠い先端部と第1基部106に近い基端部とを含む。可動先端部材109の先端部は、球面をなす。可動先端部材109の基端部は、外方へ張り出した部分を含んでおり、固定軸部108の中に配置される。
【0048】
可動先端部材109の基端部の張り出した部分と固定軸部108の先端部の突き出た部分とは、互いに係わり合って止める係止構造を構成する。これにより、可動先端部材109が固定軸部108の先端部の開口を通じて固定軸部108の外へ脱落することが防止される。
【0049】
弾性部材110は、弾性を有する部材であって、第2回転軸A2に沿って可動先端部材109をレセプタクル102に向かう方向へ押す。本実施の形態に係る弾性部材110は、固定軸部108の中に配置されるバネであって、可動先端部材109の基端部をレセプタクル102に向かう方向へ押す。
【0050】
このように、弾性部材110が可動先端部材109を押すことにより、可動先端部材109は、外力が加えられていない状態では固定軸部108の先端部から外へ突き出す。弾性部材110の力に抗する外力が加わると、可動先端部材109は、外に突き出していた部分の少なくとも一部が固定軸部108の中に入り込む。
【0051】
なお、可動先端部材109は、先端が曲面、平面などのピンであってもよく、球体であってもよい。
【0052】
また、接続部103は、可動先端部材109と弾性部材110とを固定軸部108の中に配置できるように構成されるとよい。例えば、固定軸部108は、第1基部106とは別の部材として構成され、ネジ構造などにより第1基部106に嵌め付けられるとよい。
【0053】
回転部104は、複数の移動体105を介して第1基部106に接続される部材である。
【0054】
本実施の形態に係る回転部104は、第1回転軸A1方向に延びる円筒状の部材である。回転部104の中空には、例えば各種の電気回路、第1対象物に接続される配線などが配置される(図示せず)。回転部104の中空の端部は開放しており、第1基部106の底部の貫通孔に接続している。
【0055】
本実施の形態に係る回転部104は、一端に嵌合部111を含む。回転部104の図示しない端部には、例えば、第1取付対象が取り付けられる。嵌合部111は、回転部104の他の部分よりも、外径が小さい円筒状の部位であり、第1基部106の中に嵌められる。
【0056】
複数の移動体105は、嵌合部111と第1基部106とを第1回転軸A1を中心として相互に回転させるための部材である。本実施の形態に係る複数の移動体105の各々は、嵌合部111と第1基部106との間で回転自在に保持される球体である。なお、移動体105は、例えば円柱状のコロなどであってもよい。
【0057】
本実施の形態では、嵌合部111が複数の移動体105を介在させて第1基部106に緩やかに嵌め合わされている。このように、第1基部106と嵌合部111と複数の移動体105とは、ラジアル玉軸受と同様に構成され、回転機構R1を構成する。すなわち、接続部103と回転部104とは回転機構R1を介して接続されている。
【0058】
なお、接続部103と回転部104とは、第1回転軸A1を中心として相互に回転可能に接続されればよい。例えば、接続部103と回転部104とは、例えば、スラスト軸受などその他の軸受けと同様の構成で接続されてもよい。
【0059】
レセプタクル102は、
図1及び2に示すように、プラグ101が収容される収容空間を形成する部材である。本実施の形態に係るレセプタクル102は、概ね、上端が開放した有底の円筒状であって、底部112と側壁部113とを含む。
【0060】
本実施の形態に係る底部112は、平板状の部位であって、概ね中央に上下の貫通孔が設けられている。底部112の貫通孔は、回転部104を予め定められた方向に向けると、回転部104の中空と第1回転軸A1に沿って相互に対応付けられる。また、底部112の内面には、第2送受信部U2が設けられている。
【0061】
側壁部113は、底部112の外縁に接続しており、底部112に対して垂直な上方へ延びる。これにより、側壁部113は、第2基部として収容空間を形成する。側壁部113は、一対の軸受け部114と、一対の着脱用溝部115とを含む。
【0062】
本実施の形態に係る一対の軸受け部114は、一対の軸部107のそれぞれの先端部が嵌まる部位であって、側壁部113に設けられた第2回転軸A2に沿う貫通孔を形成する。一対の軸受け部114は、第1回転軸A1を介して互いに反対の位置に設けられる。
【0063】
本実施の形態に係る一対の軸受け部114の各々では、外力が加わらずに固定軸部108の先端部から外へ突き出た可動先端部材109の先端部が嵌まる。なお、一対の軸受け部114の各々は、軸部107の先端部が嵌まればよく、例えば側壁部113の内面に設けられた貫通していない穴であってもよい。
【0064】
一対の着脱用溝部115の各々は、側壁部113の内面において上下方向に延び、側壁部113の上端と軸受け部114との間を接続する溝を形成する。
【0065】
上述のように、外力が加えられていない状態の可動先端部材109は軸受け部114に嵌まる。これにより、プラグ101は、レセプタクル102に対して予め定められた範囲で第2回転軸A2を中心として回転することができる。
【0066】
また、可動先端部材109が軸受け部114に嵌まった状態からプラグ101を上方へ移動させると、可動先端部材109は、その球面をなす先端部が軸受け部114から力を受けて、少なくとも一部が固定軸部108の中に入り込む。可動先端部材109が固定軸部108の中に入り込むことによって、軸受け部114との嵌合が解かれる。その後、可動先端部材109の先端部を側壁部113の内面に接触させつつ上方へ移動させることによって、プラグ101をレセプタクル102から容易に取り外すことができる。このとき、可動先端部材109の先端部を着脱用溝部115に沿わせることで、プラグ101をレセプタクル102からより容易に取り外すことができる。
【0067】
すなわち、本実施の形態に係る接続機構C1は、一対の軸部107(これに、可動先端部材109、弾性部材110が含まれる。)及び一対の軸受け部114から構成される。
【0068】
これまで、本発明の実施の形態1に係る無線コネクタ100の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る無線コネクタ100の動作について説明する。
【0069】
無線コネクタ100において、プラグ101をレセプタクル102から取り外す方法は、上述した通りである。ここでは、プラグ101をレセプタクル102に取り付ける方法について説明する。
【0070】
一対の可動先端部材109を押すことによって固定軸部108の中に入り込ませる。この状態で、
図3の正面から見た断面図に示すように、接続部103を側壁部113の中に配置し、プラグ101を下方へ押し下げる。このとき、一対の可動先端部材109のそれぞれを一対の着脱用溝部115に嵌めて着脱用溝部115に沿って下方へ移動させることで、プラグ101を容易に押し下げて軸受け部114に位置付けることができる。一対の可動先端部材109は、それぞれが一対の軸受け部114に到達すると、弾性部材110によって外へ押し出されて、軸受け部114に嵌まる。これにより、プラグ101がレセプタクル102に接続される。
【0071】
なお、可動先端部材109及び弾性部材110は、一対の軸部107の少なくとも1つに設けられればよく、これによっても、本実施の形態で説明した方法と同様の方法で、プラグ101をレセプタクル102から容易に着脱することができる。また、着脱用溝部115が設けられることでプラグ101とレセプタクル102との着脱が容易になるが、プラグ101とレセプタクル102とが着脱できればよく、着脱用溝部115が設けられていなくてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施の形態1について説明した。
【0073】
本実施の形態によれば、無線コネクタ100は、回転機構R1と接続機構C1とを備える。これにより、第1対象物と第2対象物とを2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能になる。
【0074】
なお、回転機構R1と接続機構C1を構成するプラグ101の構成要素が、レセプタクル102に設けられてもよい。この場合、回転機構R1と接続機構C1を構成するレセプタクル102の構成要素は、プラグ101に設けられるとよい。これによっても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0075】
また、第1送受信部U1及び第2送受信部U2の各々は、伝送対象を伝送するための電気回路を適宜含んでもよい。また、第1送受信部U1と第2送受信部U2とは、プラグ及びレセプタクルのそれぞれに伝送可能に取り付けられればよく、これらが取り付けられる場所は、実施の形態1で例示した場所に限られない。これによっても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0076】
さらに、プラグ101及びレセプタクル102のそれぞれには、図示しない、第3送受信部及び第4送受信部がさらに取り付けられてもよい。第3送受信部及び第4送受信部は、第1送受信部U1及び第2送受信部U2とは異なる伝送媒体を介して別の伝送対象を伝送するための電子部品などである。第3送受信部と第4送受信部のうちのいずれか一方が送信部、他方が受信部として機能する。
【0077】
ここで、異なる伝送媒体は、例えば、第1送受信部U1及び第2送受信部U2の伝送媒体が電磁波の場合、周波数が異なる電磁波又は光である。また、異なる伝送媒体は、例えば、第1送受信部U1及び第2送受信部U2の伝送媒体が光の場合には、電磁波である。
【0078】
別の伝送対象は、例えば、第1送受信部U1及び第2送受信部U2の伝送対象が情報の場合、異なる情報又は電力である。また、別の伝送対象は、例えば、第1送受信部U1及び第2送受信部U2の伝送対象が電力の場合、情報である。
【0079】
このような第3送受信部及び第4送受信部をさらに設けることで、第1対象物と第2対象物との間で種々の伝送対象を伝送することができる。これにより、種々の第1対象物と第2対象物との接続に無線コネクタを適用することが可能になる。
【0080】
これらの変形例は、以下の実施の形態にも適用することができる。
【0081】
(実施の形態2)
実施の形態1では、プラグ101が一対の軸部107を備え、レセプタクル102が一対の軸受け部114を備える例を説明した。本実施の形態では、プラグが一対の軸受け部を備え、レセプタクルが一対の軸部を備える例を説明する。
【0082】
本発明の実施の形態2に係る無線コネクタ200は、
図4の斜視図及び
図5の前方から見た断面図に示すように、プラグ201とレセプタクル202とを備える。
【0083】
プラグ201とレセプタクル202とは、実施の形態1と同様の回転機構R1及び接続機構C1を備える。
【0084】
詳細には、プラグ201は、
図4及び5に示すように、実施の形態1とは異なる接続部203と、実施の形態1と同様の回転部104及び複数の移動体105とを含む。
【0085】
接続部203は、実施の形態1と同様に、レセプタクル202に対して第2回転軸A2を中心として相対的に回転できるように、レセプタクル202に接続する部材である。本実施の形態に係る接続部203は、実施の形態1と同様の第1基部106と、一対の軸受け部214とを含む。
【0086】
一対の軸受け部214の各々は、後述する一対の軸部207のそれぞれの先端部が嵌まる部位であって、第1基部106の外面において第1回転軸A1を介して互いに反対の位置に凹みを形成する。
【0087】
本実施の形態では、第1基部106の底部外面に第1送受信部U1が取り付けられている。
【0088】
接続部203と回転部104とのそれぞれは、実施の形態1と同様の第1基部106と嵌合部111とを含み、これらの間に複数の移動体105が介在する。従って、本実施の形態においても、接続部203と回転部104とは、第1基部106と嵌合部111と複数の移動体105とから構成される回転機構R1を介して接続されている。
【0089】
レセプタクル202は、
図4及び5に示すように、プラグ201が収容される収容空間を形成する部材である。本実施の形態に係るレセプタクル202は、実施の形態1と同様の底部112と、側壁部213と、一対の軸部207とを含む。
【0090】
側壁部213は、実施の形態1と同様に、底部112の外縁に接続し、底部112に対して垂直な上方へ延びることによって、収容空間を形成している。
【0091】
一対の軸部207は、実施の形態1と同様に、第2回転軸A2に沿って延びる棒状の部位である。本実施の形態に係る一対の軸部207は、側壁部213の内面において第1回転軸A1を介して互いに反対の位置から、プラグ201に向かって突き出している。
【0092】
本実施の形態に係る一対の軸部207の各々は、固定軸部208と、可動先端部材209と、弾性部材210とを含む。
【0093】
固定軸部208は、側壁部213の内面において第1回転軸A1を介して対称な位置に固定されており、第2回転軸A2に沿って延びる中空を含む部位であり、実施の形態1に係る固定軸部108と概ね同様に構成される。本実施の形態に係る固定軸部208では、内部の中空が側壁部213にまで延びている。なお、本実施の形態では第1送受信部U1は、固定軸部208には設けられていない。
【0094】
可動先端部材209は、固定軸部208の先端部を構成しており、実施の形態1に係る可動先端部材109と概ね同様に構成される。また、弾性部材210は、プラグ201に向かう方向へ可動先端部材209を押す部材であり、実施の形態1に係る弾性部材110と概ね同様に構成される。
【0095】
本実施の形態においても、弾性部材210が可動先端部材209を押すことにより、可動先端部材209は、外力が加えられていない状態では固定軸部208の先端部から外へ突き出す。弾性部材210の力に抗する外力が加わると、可動先端部材209は、外に突き出していた部分の少なくとも一部が固定軸部208の中に入り込む。
【0096】
そのため、外力が加えられていない状態で固定軸部208の先端部から外へ突き出した可動先端部材209は、軸受け部214に嵌まる。また、プラグ201を上方へ移動させると、可動先端部材209は、その球面をなす先端部が軸受け部214から力を受けて、固定軸部208の中に入り込む。可動先端部材209が固定軸部208の中に入り込むことによって、軸受け部214との嵌合が解かれる。その後、可動先端部材209を接続部203に接触させつつ上方へ移動させることによって、プラグ201をレセプタクル202から容易に取り外すことができる。
【0097】
すなわち、本実施の形態においても接続機構C1は、実施の形態1と同様に、一対の軸部207(これに、可動先端部材209、弾性部材210が含まれる。)及び一対の軸受け部214から構成される。
【0098】
これまで、本発明の実施の形態2に係る無線コネクタ200の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る無線コネクタ200の動作について説明する。
【0099】
無線コネクタ200において、プラグ201をレセプタクル202から取り外す方法は、上述した通りである。ここでは、プラグ201をレセプタクル202に取り付ける方法について説明する。
【0100】
一対の可動先端部材209を押すことによって固定軸部208の中に入り込ませる。この状態で、
図6の正面から見た断面図に示すように、一対の可動先端部材209の間に接続部203を配置する。そして、プラグ201をさらに下方へ押し下げることで、一対の軸受け部214のそれぞれが一対の可動先端部材209に到達する。このとき、一対の可動先端部材209は、弾性部材210によって固定軸部208の外へ押し出されて、軸受け部214に嵌まる。これにより、プラグ201がレセプタクル202に接続される。
【0101】
以上、本発明の実施の形態2について説明した。
【0102】
本実施の形態によれば、無線コネクタ200は、回転機構R1と接続機構C1とを備える。これにより、第1対象物と第2対象物とを2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能になる。
【0103】
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、接続機構C1が、一対の軸部107,207(可動先端部材109,209、弾性部材110,210)及び軸受け部114,214から構成され、回転機構R1が、第1基部106と嵌合部111と複数の移動体105とから構成される例を説明した。本実施の形態では、接続機構C1と回転機構R1との全体が、可動先端部材、弾性部材及び軸受け部から構成される例を説明する。
【0104】
本発明の実施の形態3に係る無線コネクタ300は、
図7の斜視図及び
図8の前方から見た断面図に示すように、プラグ301とレセプタクル302とを備える。
【0105】
プラグ301とレセプタクル302とは、実施の形態1と同様の接続機構C1及び回転機構R1を備える。
【0106】
詳細には、プラグ301は、
図7及び8に示すように、接続部303と、回転部304とを含む。
【0107】
接続部303は、レセプタクル302に対して第1回転軸A1と第2回転軸A2との各々を中心として相対的に回転できるように、レセプタクル302と接続する部材である。本実施の形態に係る接続部303は、実施の形態1と同様の第1基部106と、一対の軸部307とを含む。
【0108】
一対の軸部307の各々は、実施の形態1と同様に、第2回転軸A2に沿って突き出た部位である。一対の軸部307は、第1基部106の外面において第1回転軸A1を介して互いに反対の位置から、レセプタクル302に向かって突き出す。
【0109】
本実施の形態に係る一対の軸部307の各々は、棒状であって、実施の形態1と同様の固定軸部108及び弾性部材110と、可動先端部材309と、保持部材316とを含む。
【0110】
可動先端部材309は、実施の形態1と同様に、軸部107の先端部を構成する部材であって、少なくとも一部が固定軸部108の中に配置されることにより第2回転軸A2に沿って移動する。従って、可動先端部材309の一部は、固定軸部108の先端部の開口を通じて固定軸部108の中と外とを出入りする。
【0111】
本実施の形態に係る可動先端部材309は、固定軸部108の先端部にて回転自在に保持された球体である。可動先端部材309は、実施の形態1と同様に、固定軸部108の先端部の突き出た部分と互いに係わり合って止める係止構造を構成する。これにより、可動先端部材309が固定軸部108の先端部の開口を通じて固定軸部108の外へ脱落することが防止される。
【0112】
保持部材316は、固定軸部108の中で可動先端部材309と弾性部材110との間に配置される部分球面状の部材である。保持部材316は、凹面が可動先端部材309と球面で接触するように配置され、その反対の凸面が弾性部材110に接触して押される。これにより、可動先端部材309が弾性部材110で押されつつ円滑に回転できる。
【0113】
本実施の形態においても、可動先端部材309は、弾性部材110によって押されるので、実施の形態1と同様に、外力が加えられていない状態では固定軸部108の先端部から外へ突き出す。弾性部材110の力に抗する外力が加わると、可動先端部材309は、外に突き出していた部分の少なくとも一部が固定軸部108の中に入り込む。
【0114】
回転部304は、第1基部106に接続される部材であって、実施の形態1に係る回転部104と概ね同様に構成される。ただし、回転部304は、移動体105が介在せずに第1基部106に接続される。本実施の形態に係る回転部304は、第1基部106の中空に嵌められる円柱状の嵌合部311を含む。嵌合部311は、実施の形態1とは異なり、締まり嵌めなどによって嵌合部311が第1基部106に対して回転しないように接続される。
【0115】
レセプタクル302は、実施の形態1と同様に、プラグ301が収容される収容空間を形成する部材である。本実施の形態に係るレセプタクル302は、
図7及び8に示すように、概ね上端が開放した有底の円筒状であって、実施の形態1と同様の底部112と側壁部313とを含む。
【0116】
側壁部313は、実施の形態1と同様に、底部112の外縁に接続しており、底部112に対して垂直な上方へ延びる。本実施の形態に係る側壁部313は、第1回転軸A1を中心とする円柱状の中空を形成する内周面を含み、この内周面に軸受け部314が設けられている。
【0117】
軸受け部314は、実施の形態1と同様に、一対の軸部307のそれぞれの先端部が嵌まる部位である。本実施の形態に係る軸受け部314は、側壁部3の内周面に、周方向の溝、すなわち第1回転軸A1を中心とする円環状の溝を形成する。
【0118】
軸受け部314には、外力が加わらずに固定軸部108の先端部から外へ突き出た可動先端部材309の先端部が嵌まる。これにより、プラグ301は、レセプタクル302に対して予め定められた範囲で第2回転軸A2を中心として回転することができる。
【0119】
また、可動先端部材309が軸受け部314に嵌まった状態からプラグ301を上方へ移動させると、可動先端部材309は、その球面が軸受け部314から力を受けて、固定軸部108の中に入り込む。可動先端部材309が固定軸部108の中に入り込むことによって、軸受け部314との嵌合が解かれる。これにより、可動先端部材309を側壁部113の内周面に接触させつつ上方へ移動させることによって、プラグ301をレセプタクル302から容易に取り外すことができる。
【0120】
すなわち、本実施の形態においても、接続機構C1は、実施の形態1と同様に、一対の軸部307(これに、可動先端部材309、弾性部材110が含まれる。)及び一対の軸受け部314から構成される。
【0121】
これに加えて、本実施の形態では、可動先端部材309は球体である。また、固定軸部108の先端から突き出た可動先端部材309が嵌まる軸受け部314は円環状の溝を形成している。従って、本実施の形態では、回転機構R1は、可動先端部材309及び軸受け部314から構成される。
【0122】
このように、本実施の形態では、回転機構R1及び接続機構C1を統合した機構が、可動先端部材309及び弾性部材110を含む一対の軸部307と、一対の軸受け部314とから構成される。
【0123】
これまで、本発明の実施の形態3に係る無線コネクタ300の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る無線コネクタ300の動作について説明する。
【0124】
無線コネクタ300において、プラグ301をレセプタクル302から取り外す方法は、上述した通りである。ここでは、プラグ301をレセプタクル302に取り付ける方法について説明する。
【0125】
一対の可動先端部材309を側壁部313の内面上端に当てて、さらに下方へプラグ301を押すと、一対の可動先端部材309は、その球面が側壁部313から力を受けて、固定軸部108の中に入り込む。この状態で、
図9の正面から見た断面図に示すように、プラグ301をさらに下方へ押し下げることで、一対の可動先端部材309のそれぞれを一対の軸受け部314に位置付けることができる。このとき、可動先端部材309は弾性部材110によって固定軸部108の外へ押し出され、軸受け部314に嵌まる。これにより、プラグ301がレセプタクル302に接続される。
【0126】
以上、本発明の実施の形態3について説明した。
【0127】
本実施の形態によれば、無線コネクタ300は、回転機構R1と接続機構C1とを備える。これにより、第1対象物と第2対象物とを2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能になる。
【0128】
(実施の形態4)
本実施の形態では、突出部の先端に球面を設けた突出部と、突出部の球面が接触して移動できるように受ける受け台部とにより、互いに直交する2つの回転軸A1,A2を中心に回転可能に、かつ、取り外し可能に接続する無線コネクタの例について説明する。
【0129】
本発明の実施の形態4に係る無線コネクタ400は、
図10の斜視図及び
図11の前方から見た断面図に示すように、プラグ401とレセプタクル402と接続部材417とを備える。なお、
図10では、分かり易くするため、第1送受信部U1及び第2送受信部U2は省略している。
【0130】
プラグ401とレセプタクル402と接続部材417とは、回転接続機構RC2を備える。回転接続機構RC2は、第1回転軸A1及び第2回転軸A2の各々を中心に相対的に回転可能に、かつ、取り外しができるように、第1対象物と第2対象物とを接続するための機構である。
【0131】
詳細には、プラグ401は、
図10及び11に示すように、回転軸部418と、先端部419とを含む。
【0132】
回転軸部418は、前後左右の任意の方向へ傾く棒状の部位である。
【0133】
先端部419は、回転軸部418の一端に接続する部位であって、回転軸部418よりも側方へ張り出している。本実施の形態に係る先端部419は、回転軸部418の一端が接続した球体状の部位である。
【0134】
なお、先端部419は、その先端に部分球面を形成すればよく、例えば球体を一平面で切断した形状であってもよい。この場合、例えば、その平面の中心に回転軸部418が接続するとよい。
【0135】
レセプタクル402は、
図10及び11に示すように、先端部419の部分球面に沿って回転できるようにプラグ401を保持する部材である。本実施の形態に係るレセプタクル402は、上方が開放した有底円筒状の部材であって、第2基部としての底部112と、側壁部413と、受け台部420とを含む。
【0136】
底部112は、実施の形態1と同様に構成されてよい。側壁部413は、軸受け部114及び着脱用溝部115が設けられていない点を除いて、実施の形態1に係る側壁部113と同様に構成されてよい。本実施の形態では側壁部413の内面に第2送受信部U2が設けられている。
【0137】
受け台部420は、底部112から上方へ突き出た部位である。本実施の形態に係る受け台部420は、概ね円柱状である。
【0138】
受け台部420は、上端部(先端部)に設けられた凹みを有する。先端部419は、受け台部420の凹みに嵌まるように配置されており、先端部419の部分球面と受け台部420の凹みとを接触させつつ移動する。これにより、先端部419は、その部分球面に沿って受け台部420に対して移動することになるので、第1回転軸A1及び第2回転軸A2を中心とした回転が可能になる。
【0139】
本実施の形態では、受け台部420に設けられた凹みは球面状である。受け台部420の凹みと先端部419の部分球面との曲率は概ね同じであることが望ましく、これによって、先端部419は、円滑にかつ安定して、受け台部420に対して回転することができる。
【0140】
また、本実施の形態に係る受け台部420は、外周面部に設けられた雄ネジを構成する突起と、上下に貫通した孔とを含む。受け台部420の孔は、底部112に設けられた貫通孔に接続している。
【0141】
なお、受け台部420は、先端部419がその部分球面に沿って移動するように先端部419と接触できればよく、例えば上端が平らな円筒状であってもよい。
【0142】
接続部材417は、プラグ401とレセプタクル402とを取り外し可能に接続する部材である。詳細には、接続部材417は、先端部419が受け台部420に接触して先端部419の部分球面に沿って移動するように、プラグ401とレセプタクル402とを取外し可能に接続する。
【0143】
本実施の形態に係る接続部材417は、受け台部420との間に先端部419を保持する部材である。接続部材417は、概ね、受け台部420の外周面部に取り外し可能に嵌合する円筒状の部位と、この部位に接続して次第に細くなるように湾曲した部位とを含む。
【0144】
接続部材417の円筒状の部位の内面には、受け台部420の外周面部に設けられた突起に対応する溝が設けられており、この溝は雌ネジを構成する。これにより、接続部材417は、ネジ構造によって受け台部420の外周面部に取り外し可能に嵌合している。
【0145】
接続部材417の湾曲した部位は、内面が先端部419と接触する球面を形成している。また、湾曲した部分の上端には開口OPが形成されている。開口OPは、回転軸部418が貫通する孔であって、先端部419よりも小さい。
【0146】
このような接続部材417により、受け台部420との間に保持された先端部419が開口OPを通じて抜け出ることを防ぎつつ、受け台部420の上端部に接触するように先端部419を上方から抑えることができる。
【0147】
なお、無線コネクタ400は、例えば、先端部419と受け台部420との接触を確実に維持するために、先端部419と接続部材417との間に介在して先端部419を受け台部420に向けて押す弾性部材をさらに含んでもよい。
【0148】
本実施の形態では、先端部419は、上述の通り、受け台部420と接触することによって、先端部419の部分球面に沿って移動することができる。
【0149】
また、受け台部420と接続部材417とはネジ構造で嵌合しているので、例えば接続部材417を受け台部420に対して回転させることで、接続部材417を受け台部420から取り外すことができる。これにより、プラグ401をレセプタクル402から容易に取り外すことができる。従って、本実施の形態に係る回転接続機構RC2は、先端部419と受け台部420と接続部材417とから構成される。
【0150】
これまで、本発明の実施の形態4に係る無線コネクタ400の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る無線コネクタ400の動作について説明する。
【0151】
無線コネクタ400において、プラグ401をレセプタクル402から取り外す方法は、上述した通りである。ここでは、プラグ401をレセプタクル402に取り付ける方法について説明する。
【0152】
図12の正面から見た断面図に示すように、先端部419を受け台部420の凹みに嵌めて、接続部材417を受け台部420の外周面部に嵌め込む。そして、接続部材417を受け台部420に押し付けつつ回転させることによって、接続部材417を受け台部420とはネジ構造により嵌合する。これにより、プラグ401がレセプタクル402に接続される。
【0153】
以上、本発明の実施の形態4について説明した。
【0154】
本実施の形態によれば、無線コネクタ400は、回転接続機構RC2を備える。これにより、第1対象物と第2対象物とを2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能になる。
【0155】
(実施の形態5)
本実施の形態では、レセプタクルが、互いに直交する2つの回転軸A1,A2を中心に回転させる機構を備え、そのレセプタクルにプラグが取り外し可能に接続される例を説明する。
【0156】
本発明の実施の形態5に係る無線コネクタ500は、
図13の斜視図及び
図14の前方から見た断面図に示すように、プラグ501とレセプタクル502とを備える。なお、
図13では、分かり易くするため、第1送受信部U1及び第2送受信部U2は省略している。
【0157】
プラグ501とレセプタクル502とは、接続機構C3と回転機構R3とを備える。接続機構C3は、第1対象物と第2対象物とを、第1回転軸A1を中心として相対的に回転できるように接続するための機構である。接続機構C3は、取り外しができるように接続するための機構を含む。回転機構R3は、第1対象物と第2対象物とを第2回転軸A2を中心に相対的に回転させるための機構である。
【0158】
詳細には、プラグ501は、
図13及び14に示すように、回転部504と、第1嵌合部521とを含む。
【0159】
回転部504は、第1回転軸A1を中心に延びる概ね棒状の部材である。回転部504は、棒状部522と、ツバ部523とを含む。
【0160】
棒状部522は、第1回転軸A1を中心に延びる断面が丸い棒状の部位である。棒状部522には、第1回転軸A1に沿って貫通する孔が設けられている。
【0161】
ツバ部523は、棒状部522の外周面から外方へ向けて張り出した部位である。ツバ部523は、レセプタクル502へ向けて突き出す第1回転防止部524を含む。
【0162】
第1嵌合部521は、棒状部522の周囲に配置される部材であって、棒状部522に沿って移動する。第1嵌合部521は、第1円筒部525と、蓋部526とを含む。
【0163】
第1円筒部525は、内面においてレセプタクル502に近い端部から予め定められた範囲に雌ネジが設けられている。本実施の形態では、円筒部525の外周面に、第1送受信部U1が取り付けられている。
【0164】
蓋部526は、レセプタクル502から遠い円筒部525の端部の一部を塞いでおり、棒状部522と緩やかに嵌る程度の円形の貫通孔を含む。蓋部526は、ツバ部523よりも、レセプタクル502から遠い位置に配置されている。これによって、蓋部526は、ツバ部523と接触して、ツバ部523をレセプタクル502の方へ押すことができる。
【0165】
レセプタクル502は、
図13及び14に示すように、第1基部506と、複数の移動体505と、第2嵌合部527と、一対の軸部507と、側壁部513を含む第2円筒部528とを含む。
【0166】
第1基部506は、棒状部522が内部に嵌まる円筒状の部位である。本実施の形態では、第1基部506の外周面に、第2送受信部U2が取り付けられている。
【0167】
複数の移動体505は、第1基部506と第2嵌合部527とを第1回転軸A1を中心として相互に回転させるための部材である。本実施の形態に係る複数の移動体505の各々は、第1基部506と第2嵌合部527との間で回転自在に保持される球体である。なお、移動体505は、例えば円柱状のコロなどであってもよい。
【0168】
第2嵌合部527は、一端部が複数の移動体505を介して第1基部506の一端部に対応付けて配置される円筒状の部材である。第2嵌合部527は、他端部がツバ部523と接触している。第2嵌合部527は、外周面部529と、第2回転防止部530とを含む。
【0169】
外周面部529は、第2嵌合部527の外周面を形成し、雄ネジが設けられている。外周面部529の雌ネジは、第1円筒部525の内面に設けられた雌ネジと、ネジ構造で嵌り合う。
【0170】
第2回転防止部530は、第2嵌合部527の他端部に設けられており、第1回転防止部524が嵌まる穴を形成する。第1回転防止部524と第2回転防止部530とが嵌合することで、ツバ部523と第2嵌合部527とは、互いに第1回転軸方向A1を中心に回転できなくなる。
【0171】
このように、第2嵌合部527と第1嵌合部521とが、ツバ部523を挟んでネジ構造で嵌り合っており、第2嵌合部527とツバ部523とは、互いに第1回転軸方向A1を中心に回転できないように固定されている。これにより、プラグ501は、第2嵌合部527と一体的に移動することになる。従って、プラグ501は、第2嵌合部527とともに、第1回転軸A1を中心として第1基部506に対して回転する。
【0172】
一対の軸部507の各々は、第2回転軸A2に沿って突き出た部位である。一対の軸部507は、第1基部506の外面において第1回転軸A1を介して互いに反対の位置から、側壁部513に向かって突き出す棒状の部位である。
【0173】
第2円筒部528は、一端が開放した中空を含む部材であって、この中空には、少なくとも第1基部506が収容される。本実施の形態に係る第2円筒部528は、概ね、上端が開放した有底の円筒状であって、底部512と、側壁部513とを含む
【0174】
本実施の形態に係る底部512は、平板状の部位であって、概ね中央に貫通孔が設けられている。底部512の貫通孔は、棒状部522を予め定められた方向に向けると、棒状部522の貫通孔と第1回転軸A1に沿って相互に対応付けられる。
【0175】
側壁部513は、底部512の外縁に接続しており、底部512に対して垂直な上方へ延びる。これにより、側壁部513は、第2基部として、第1基部506などが収容される空間である収容空間を形成する。側壁部513は、一対の軸部507のそれぞれの先端部が嵌まる一対の軸受け部514を含む。
【0176】
本実施の形態に係る一対の軸受け部514は、収容空間を形成する内面において、第1回転軸A1を介して互いに反対の位置に設けられる。本実施の形態に係る一対の軸受け部514の各々は、貫通孔を形成している。なお、一対の軸受け部514の各々は、軸部507の先端部が嵌まればよく、例えば内面に設けられた貫通していない穴であってもよい。
【0177】
なお、軸部507の先端部を軸受け部514に嵌めるために、軸部507は第1基部506にネジ構造で取り付けられていてもよい。或いは、側壁部513は、軸受け部514を通る平面で分割された2つの部材を接合又は接着することで設けられてもよい。
【0178】
このように、一対の軸部507の先端が、それぞれ、一対の軸受け部514に嵌まる。これにより、プラグ501は、レセプタクル502に対して第2回転軸A2を中心として予め定められた範囲で回転することができる。
【0179】
従って、本実施の形態に係る回転機構R3は、一対の軸部507と一対の軸受け部514とから構成されている。
【0180】
また、本実施の形態では、第1嵌合部521と第2嵌合部527とがネジ構造で嵌り合っている。そのため、第2嵌合部527に対して第1嵌合部521を回転させることで、ネジ構造での嵌り合いを解くことができる。これにより、プラグ501をレセプタクル502から容易に取り外すことができる。
【0181】
さらに、第1基部506と第2嵌合部527と複数の移動体505とは、ラジアル玉軸受と同様に構成される。これにより、第2嵌合部527は、レセプタクル502の残部に対して第1回転軸A1を中心として回転することができる。そのため、第1基部506と第2嵌合部527と複数の移動体505とが軸受機構BMを構成している。本実施の形態に係る軸受機構BMは、レセプタクル502の残部に対して第1回転軸A1を中心として第2嵌合部527を回転させるための機構である。
【0182】
従って、本実施の形態に係る接続機構C3は、第1嵌合部521と軸受機構BM(これに、第1基部506と第2嵌合部527と複数の移動体505が含まれる。)とから構成されている。なお、第1基部506と第2嵌合部527とは、第1回転軸A1を中心として相互に回転可能に接続されればよく、スラスト軸受などその他の軸受けと同様の構成などで接続されてもよい。
【0183】
これまで、本発明の実施の形態5に係る無線コネクタ500の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る無線コネクタ500の動作について説明する。
【0184】
無線コネクタ500において、プラグ501をレセプタクル502から取り外す方法は、上述した通りである。ここでは、プラグ501をレセプタクル502に取り付ける方法について説明する。
【0185】
第2嵌合部527及び第1基部506の中に棒状部522を嵌め込み、第1回転防止部524と第2回転防止部530とを嵌合させてツバ部523を第2嵌合部527の他端部に接触させる。そして、
図15の正面から見た断面図に示すように、第1円筒部525の中にツバ部523と第2嵌合部527の他端部近傍を収容させる。その後、棒状部522と第1嵌合部521とをレセプタクル502の方へ押しつつ、第1嵌合部521のみを第2嵌合部527に対して回転させる。これにより、プラグ501がレセプタクル502に接続される。
【0186】
以上、本発明の実施の形態5について説明した。
【0187】
本実施の形態によれば、無線コネクタ500は、接続機構C3と回転機構R3とを備える。これにより、第1対象物と第2対象物とを2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能になる。
【0188】
(実施の形態6)
本実施の形態では、プラグをその先端からレセプタクルに嵌め込んで、第1回転軸A1に沿った挿入方向に押し付けるだけで、第1回転軸A1を中心として回転可能に接続できる接続機構を採用する例を説明する。
【0189】
本発明の実施の形態6に係る無線コネクタ600は、
図16の斜視図及び
図17の前方から見た断面図に示すように、プラグ601とレセプタクル602とを備える。なお、
図16では、分かり易くするため、第1送受信部U1及び第2送受信部U2は省略している。
【0190】
プラグ601とレセプタクル602とは、接続機構C4と回転機構R4とを備える。接続機構C4は、第1対象物と第2対象物とを、第1回転軸A1を中心として相対的に回転できるように接続するための機構である。接続機構C4は、取り外しができるように接続するための機構を含む。回転機構R4は、第1対象物と第2対象物とを第2回転軸A2を中心に相対的に回転させるための機構である。
【0191】
プラグ601とレセプタクル602との詳細な構成について、理解を容易にするため、本実施の形態ではレセプタクル602から説明する。
【0192】
レセプタクル602は、
図16及び17に示すように、第1基部606と、第1嵌合部621と、複数の球体631と、実施の形態5と同様の一対の軸部507及び第2円筒部528とを含む。
【0193】
第1基部606は、第1回転軸A1を中心とする円筒状の部位である。
【0194】
第1嵌合部621は、その基端が第1基部606に接続した円筒状の部位である。第1嵌合部621の内面は、段差を介して第1基部606よりも大きな径の円柱状の中空を形成する。第1嵌合部621の外面は、基端から先端に向かう途中で径が小さくなっている。そのため、第1嵌合部621は、先端から予め定められた範囲は、薄肉になっている。
【0195】
第1嵌合部621は、薄肉の部分に、周方向に沿って複数の保持孔632が設けられている。本実施の形態では、保持孔632は4つ設けられている。
【0196】
球体631は、保持孔632の各々に回転自在に保持される。球体631の直径は、保持孔632が設けられた第1嵌合部621の厚さよりも大きい。従って、保持孔632は、第1嵌合部621の内周面と外周面との少なくとも一方から内方又は外方へ突き出すことになる。
【0197】
ここで、内方とは、第1回転軸A1に垂直な断面において当該軸A1に向かう方向である。外方とは、第1回転軸A1に垂直な断面において当該第1回転軸A1から離れる方向である。
【0198】
本実施の形態では、第1基部506及び第1嵌合部621の外周面に、第2送受信部U2が取り付けられている。
【0199】
一対の軸部507の各々は、第1基部506に代えて第1基部606に設けられている。この点を除いて、本実施の形態においても、一対の軸部507は実施の形態5と同様に構成される。また、第2円筒部528は、本実施の形態においても実施の形態5と同様に構成される。従って、本実施の形態に係る回転機構R4は、実施の形態5に係る回転機構R3と同様に、一対の軸部507と一対の軸受け部514とから構成されている。
【0200】
プラグ601は、
図16及び17に示すように、棒状部622と、弾性部材610と、ロック状態とアンロック状態とを切り替えるスライド部材633とを含む。ロック状態は、第1嵌合部621に対する第1回転軸A1に沿った棒状部622の移動が抑止された状態である。アンロック状態は、第1嵌合部621に対する第1回転軸A1に沿った棒状部622の移動が許容される状態である。
【0201】
棒状部622は、概ね棒状の部材であって、第1軸方向A1に沿った貫通孔が設けられている。そのため、棒状部622を予め定められた方向に向けると、棒状部622の貫通孔は、底部512の貫通孔と第1回転軸A1に沿って相互に対応付けられる。
【0202】
棒状部622は、基端から先端に向かって、基端部634と、弾性部材取付部635と、ツバ部623と、第2嵌合部627と、先端部619とを含む。棒状部622の基端から先端へ向かう方向は、上述の挿入方向であり、例えば
図17では下方である。
【0203】
基端部634は、上述した他の部位よりも、外周面の径が最も大きく太い部位である。
図16及び17において、基端部634は、その一部が図示されており、適宜の長さで設けられてよい。
【0204】
弾性部材取付部635は、弾性部材610が取り付けられる部位であって、第1回転軸A1の方向に長さを有する周方向の溝が設けられた部位である。
【0205】
ツバ部623は、外周面から外方へ突き出た部位であって、弾性部材取付部635の下端を形成する。弾性部材取付部635の下端は、第1回転軸A1に沿った弾性部材取付部635の両端のうち、挿入方向に位置する端部である。
【0206】
第2嵌合部627は、弾性部材取付部635と概ね同じ太さであり、第1回転軸A1を軸として第1嵌合部621の中に嵌まる円柱状の部位である。第2嵌合部627は、外周面部636と、溝部637とを含む。
【0207】
外周面部636は、溝部637を除いた第2嵌合部627の外周面を形成する部分である。外周面部636は、複数の球体631の内方に位置している場合、複数の球体631に内方から接触し、複数の球体631を第1嵌合部621の外周面よりも外方へ突き出させる。
【0208】
詳細には、外周面部636は、プラグ601をレセプタクル602に接続する際に、複数の球体631の内方を通過する。このとき、外周面部636は、複数の球体631に内方から接触して、複数の球体631を第1嵌合部621の外周面よりも外方へ突き出させる。
【0209】
溝部637は、第2嵌合部627の外周面に、その周方向に設けられた円環状の溝を形成する。溝部637は、
図16及び17に示すように、ロック状態において複数の球体631が嵌まる。
【0210】
先端部619は、棒状部622の先端を形成する部位であり、段差を介して第2嵌合部627に接続している。先端部619は、第1回転軸A1を軸とした第2嵌合部627よりも細い円柱状であり、ロック状態において第1回転軸A1を軸として第1基部606の中に嵌まる。
【0211】
弾性部材610は、弾性を有する部材であって、棒状部622に対してスライド部材633を挿入方向へ押す。本実施の形態に係る弾性部材610は、弾性部材取付部635に巻き回されたつるまきバネである。
【0212】
スライド部材633は、第2嵌合部627の周囲に配置されて第1回転軸A1に沿ってスライド移動することによって接続状態と解除状態とを切り替える中空の部材である。本実施の形態に係るスライド部材633は、概ね一定の径の外周面を形成する円筒状の部材であって、被覆部638と、被押圧部639と、ロック制御部640とを含む。
【0213】
被覆部638は、ロック状態において弾性部材610の周囲を覆う部位である。
【0214】
被押圧部639は、被覆部638よりも先端に設けられており、内周面から内方へ周方向に連続して突き出した突起である。被押圧部639は、弾性部材取付部635の中に配置され、弾性部材610の先端と接触する。
【0215】
ここで、弾性部材取付部635に配置された弾性部材610は、その基端が弾性部材取付部635に接触する。そして、上述の通り、被押圧部639が弾性部材610の先端と接触する。そのため、被押圧部639は、弾性部材610によって、第2嵌合部627を含む棒状部622に対して挿入方向へ押される。
【0216】
ロック制御部640は、内面部に、第1内周面部641と、第2内周面部642と、ガイド部643とを含む。
【0217】
第1内周面部641は、ロック制御部640の先端から第1回転軸A1を中心として延びる周面を形成する部位である。第1内周面部641は、外周面部636が接触することで外方へ突き出た複数の球体631の周囲を第1回転軸方向A1に沿って移動できる大きさの径を有する。ここで、径とは、第1回転軸A1に垂直な断面における直径である。
【0218】
すなわち、第1内周面部641の径は、第1回転軸A1に垂直な断面において外周面部636に接触して突き出た複数の球体631に外接する円の径よりも大きい。
【0219】
第2内周面部642は、第1内周面部641に対して挿入方向とは反対の方向(すなわち、基端側)に設けられた第1回転軸A1を中心として延びる周面を形成する部位である。第2内周面部642は、第1内周面部よりも小さい径を有しており、ロック状態において複数の球体631の周囲に位置付けられて溝部637に嵌まった複数の球体631と外方から接触する。
【0220】
すなわち、第2内周面部642の径は、第1回転軸A1に垂直な断面において溝部637に嵌まった複数の球体631に外接する円の径と同じか或いはそれよりも僅かに大きい程度である。
【0221】
これにより、第2内周面部642が複数の球体631の周囲に位置していると、複数の球体631は、溝部637から抜け出ることができず、溝部637に嵌まった状態が維持される。そのため、第2内周面部642が複数の球体631の周囲に位置した状態では、プラグ601はレセプタクル602から外れないようにロックされる(ロック状態)。
【0222】
ガイド部643は、第1内周面部641と、第2内周面部642とを接続する面を形成する部位である。本実施の形態に係るガイド部643は、第1内周面部641から第2内周面部642に向かって、次第に径が小さくなるように第1回転軸A1に対して傾斜している。
【0223】
本実施の形態では、ロック状態では、複数の球体631は円環状の溝部637に嵌まっている。複数の球体631は回転自在に保持されているので、第2嵌合部627は、第1回転軸Aを中心として第1嵌合部621に対して回転することができる。すなわち、ロック状態において、プラグ601とレセプタクル602とは第1回転軸Aを中心として相互に回転することができる。
【0224】
また、接続状態における位置からスライド部材633を棒状部622に対して弾性部材610の力に抗して引く。これにより、
図18の正面から見た断面図に示すように、第1内周面部641が複数の球体631の周囲に位置付けられ、第2内周面部642は、複数の球体631と非接触となる。
【0225】
この状態では、複数の球体631が、嵌っていた溝部637から抜け出ることができるため、第2嵌合部627は、第1嵌合部621に対して第1回転軸Aに沿って移動することができるようになる(アンロック状態)。そのため、棒状部622を第1嵌合部621から第1回転軸A1に沿って引き抜くことができるので、プラグ601をレセプタクル602から容易に取り外すことができる。
【0226】
従って、本実施の形態に係る接続機構C4は、第1嵌合部621と、複数の球体631と、第2嵌合部627と、スライド部材633と、弾性部材610とから構成される。
【0227】
これまで、本発明の実施の形態6に係る無線コネクタ600の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る無線コネクタ600の動作について説明する。
【0228】
無線コネクタ600において、プラグ601をレセプタクル602から取り外す方法は、上述した通りである。ここでは、正面から見た断面図である
図19〜21を参照して、プラグ601をレセプタクル602に取り付ける方法について説明する。
【0229】
先端部619を第1嵌合部621の中を通過させて、先端部619と第2嵌合部627とのそれぞれを第1基部606と第1嵌合部621との中に嵌め込むように、棒状部622を挿入方向へ前進させる。これにより、
図19に示すように、先端部619と第2嵌合部627とのそれぞれの一部が、第1基部606と第1嵌合部621との中に嵌まる。このとき、外周面部636は、複数の球体631に内方から接触する。そのため、複数の球体631は、第1嵌合部621の外周面よりも外方に突き出している。
【0230】
さらに棒状部622を挿入方向へ前進させると、第1嵌合部621の外周面よりも外方に突き出した複数の球体631は、
図20に示すように、ガイド部643に接触する。このとき、複数の球体631は、外周面部636と接触しているため、第1嵌合部621の外周よりも外方に突き出した状態が維持される。そのため、棒状部622を挿入方向へ押すと、スライド部材633は、
図21に示すように、弾性部材610の力に抗して、挿入方向とは反対の方向へ移動する。
【0231】
さらに棒状部622を挿入方向へ押すと、やがて、溝部637が複数の球体631の内方に位置付けられる。このとき、スライド部材633は弾性部材610によって挿入方向へ押されているため、ガイド部643は、挿入方向に移動して複数の球体631を溝部637に嵌め込む。
【0232】
詳細には、溝部637が複数の球体631の内方に位置付けられると、複数の球体631は、外周面部636と非接触となるので、内方へ移動することができるようになる。弾性部材610によって押されたガイド部643は、複数の球体631と接触することで、その傾斜に沿って複数の球体631を溝部637へ案内しながら、棒状部622に対して挿入方向に移動する。その結果、複数の球体631は溝部637に嵌め込まれる。
【0233】
スライド部材633は弾性部材610に押されているので、さらに挿入方向に移動し、第2内周面部642が複数の球体631の周囲に位置付けられる。これにより、ロック状態となって、プラグ601がレセプタクル602に接続される。
【0234】
以上、本発明の実施の形態6について説明した。
【0235】
本実施の形態によれば、無線コネクタ600は、接続機構C4と回転機構R4とを備える。これにより、第1対象物と第2対象物とを2軸で相対的に回転でき、かつ、容易に着脱できるように接続することが可能になる。
【0236】
以上、本発明の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、これらに限られるものではない。例えば、本発明のプラグとレセプタクルとの各々は円筒状でなくてもよく、これまで説明した実施の形態及び変形例の一部又は全部を適宜組み合わせた形態、その形態に適宜変更を加えた形態をも含む。
【解決手段】無線コネクタ100は、第1対象物と第2対象物とを第1回転軸A1を中心に相対的に回転させるための回転機構と、第1対象物と第2対象物とを、第2回転軸A2を中心として相対的に回転できるように接続するための接続機構とを含む。接続機構は、例えば、プラグ101に設けられてレセプタクル102に向かって第2回転軸A2に沿って延びる一対の軸部107と、レセプタクル102に設けられて、一対の軸部107の先端部が嵌まる一対の軸受け部114とから構成される。一対の軸部107の少なくとも一方は、先端部にて第2回転軸A2に沿って移動する可動先端部材109と、可動先端部材109をレセプタクル102に向かう方向へ押す弾性部材110とを含む。