(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態におけるクレーンシステムの例を示す斜視図である。同図において、クレーンシステム1は、タイヤ式門型クレーン100と、ガイド200とを備える。タイヤ式門型クレーン100は、クレーン本体110と、吊下機構160とを備える。クレーン本体110は、梁部111と、脚部121と、脚部122と、タイヤ131を含む走行機構133と、タイヤ132を含む走行機構134と、電気機器箱140と、距離センサ150とを備える。吊下機構160は、トロリ161と、スプレッダ162と、吊下ロープ163と、巻上機164とを備える。
また、線L11、L12は、それぞれ、タイヤ式門型クレーン100の走行レーンの境界を示している。線L11およびL12に挟まれた領域A11が、タイヤ式門型クレーン100の走行レーンとして設定されている。当該走行レーンは、タイヤ式門型クレーン100の走行経路の例に該当する。
【0019】
ガイド200は、タイヤ式門型クレーン100の走行レーンの路面と異なる高さで、走行レーンの延在方向に沿って設けられている。
図2は、ガイド200の例を示す斜視図である。同図において、ガイド200と、線L11とが示されており、ガイド200は線L11に沿って設けられている。上記のように、線L11はタイヤ式門型クレーン100の走行レーンの境界を示しており、ガイド200は、タイヤ式門型クレーン100の走行レーンの路面RS上に、走行レーンの延在方向に沿って設けられている。
なお、線L21は、路面RSの高さを示すために図中に示されている。タイヤ式門型クレーン100の走行レーンにおいて実際に線L21が明示されている必要はない。
【0020】
図2に示されるように、ガイド200は路面RSよりも高くなっている。これにより、タイヤ式門型クレーン100は、路面RSと高さが異なる位置を検出することで、ガイド200の位置を検出することができる。
線L22は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を示している。タイヤ式門型クレーン100は、ガイド200の位置を検出し、ガイド200に沿って走行することで、走行レーンを走行することができる。タイヤ式門型クレーン100は、走行レーンの延在方向とおよそ同じ方向に走行する。
【0021】
鉄など硬い素材のガイド200を用いることで、ガイド200の変形や、経年によるガイド200の消失の可能性を低減させることができる。但し、ガイド200の素材は、ガイド200の高さが路面RSの高さと異なることを検出可能な素材であればよく、様々な素材とすることができる。
また、ガイド200の形状は、
図2に示す四角い棒形状に限らない。ガイド200の形状は、路面RSとの高さの違いによってタイヤ式門型クレーン100の走行経路の方向を示せる形状であればよく、例えば、断面が丸い棒形状であってもよい。
【0022】
また、ガイド200の高さは、ガイド200が路面RSと異なる高さになっていることを検出可能な高さであればよい。例えば、ガイド200の高さが5ミリメートル(mm)であってもよいし、10ミリメートルであってもよい。
ガイド200がある程度の高さを有していることで、タイヤ式門型クレーン100がガイド200を検出できない可能性、および、タイヤ式門型クレーン100がガイド200を誤検出する可能性を低減させることができる。一方、ガイド200が高すぎないことで、タイヤ式門型クレーン100、他の車両または人が、走行レーンに進入する際あるいは走行レーンから退出する際に、邪魔になりにくい。特に、ガイド200の高さが低いことで、人がガイド200につまずく可能性を低減させることができる。
【0023】
ガイド200の幅も、ガイド200が路面RSと異なる高さになっていることを検出可能な幅であればよい。例えば、ガイド200の幅が5ミリメートルであってもよいし、10ミリメートルであってもよい。
ガイド200がある程度の幅を有していることで、タイヤ式門型クレーン100がガイド200を検出できない可能性、および、タイヤ式門型クレーン100がガイド200を誤検出する可能性を低減させることができる。一方、ガイド200の幅が小さいほど、ガイド200に必要な材料の量を少なくすることができる。これにより、ガイド200の製造コストを低減させることができる。また、ガイド200の幅が小さいほど、ガイド200を軽くすることができ、ガイド200の設置が比較的容易になる。
なお、
図1および
図2では、ガイド200がタイヤ式門型クレーン100の走行レーン内に設置されている場合の例を示しているが、ガイド200が走行レーンの外に設置されていてもよい。あるいは、走行レーンの境界が明確に定まっていなくてもよい。
【0024】
タイヤ式門型クレーン100は、ガイド200に基づいて走行方向を決定し、自走する。
タイヤ式門型クレーン100は、移動体の例に該当する。また、タイヤ式門型クレーン100の走行は、移動体の移動の例に該当し、タイヤ式門型クレーン100の走行経路は、移動体の移動経路の例に該当する。但し、本実施形態における移動体はタイヤ式門型クレーンに限らず、移動方向を制御可能な、様々な機器または乗物とすることができる。例えば、自走する自動車やロボットを、移動体の例として挙げることができる。
【0025】
クレーン本体110において、脚部121、122の各々が、おおよそ鉛直に配置され、脚部121と122との上端間に梁部111が設けられて門型のフレームを形成している。また、脚部121、122の下部には、それぞれ、走行機構133、134が設けられている。走行機構133および134のタイヤ131および132が回転することで、タイヤ式門型クレーン100が走行する。タイヤ式門型クレーン100が走行する際、タイヤ131と132とが異なる速度で回転することで、タイヤ式門型クレーン100の走行方向が変化する。
【0026】
但し、本実施形態における移動体の移動方向を変化させる方法は、複数のタイヤの回転速度を調整する方法に限らない。例えば、タイヤを備えた移動体が、タイヤの向きを変えることで移動方向を変化させるようにしてもよい。あるいは、二足歩行する移動体が、足を出す向きを変えることで移動方向を変化させるようにしてもよい。
【0027】
また、脚部121および122には、電気機器箱140が設置されている。電気機器箱140は、タイヤ式門型クレーン100の走行を制御する移動制御装置、電気品、および発電機などを格納している。
但し、電気機器箱140の設置位置は、脚部121や122に限らない。例えば、電気機器箱140が、脚部121および122に加えて、あるいは少なくともいずれか一方に代えて、梁部111に設置されていてもよい。
また、電気機器箱140の数は、
図1に示す2つに限らず1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。あるいは、タイヤ式門型クレーン100が電気機器箱140に代えて機器設置用の台を備えるなど、タイヤ式門型クレーン100が電気機器箱140を備えていなくてもよい。
また、移動制御装置が、タイヤ式門型クレーン100の外部に設けられ、タイヤ式門型クレーン100と通信を行うようにしてもよい。
【0028】
また、走行機構134の横に、距離センサ150が設置されている。距離センサ150は、下向き(すなわち、路面側)に距離を測定する。これにより、距離センサ150は、路面RSの高さやガイド200の高さを測定する。
図3は、距離センサ150の走査範囲の例を示す説明図である。同図は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向から距離センサ150の側を見た様子を示しており、距離センサ150は、線L31で示されるレーザ光を出力する向きを変えて、タイヤ式門型クレーン100の走行方向に対して横方向に、領域A21の範囲を走査する。
【0029】
かかる走査により、距離センサ150は、走査範囲の各位置について、レーザ光を反射する測定対象物までの距離を測定する。距離センサ150がレーザ光を出力する方向には路面RSやガイド200があり、距離センサ150は、距離センサ150自らと路面RSとの距離や、距離センサ150自らとガイド200との距離を測定する。
そして、距離センサ150は、距離の測定結果を示す距離情報を、電気機器箱140に格納されている移動制御装置へ出力する。距離センサ150が出力する距離情報は、タイヤ式門型クレーン100の走行経路の延在方向と交差する方向における複数の位置の各々と距離センサ150との間の距離を示す情報である。
【0030】
但し、距離センサ150は、レーザ光を用いる方式のセンサに限らず、距離センサ150自らと複数の位置の各々との距離を測定可能なセンサであればよい。例えば、距離センサ150が、レーザ光に代えて超音波を出力して距離を測定するようにしてもよい。あるいは、距離センサ150が下向きに3次元画像を撮像して画像解析を行うなど、画像処理によって被写体までの距離を測定するようにしてもよい。
また、距離センサ150が距離の測定を行う走査方向は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向に対して真横に限らず、距離センサ150による距離の測定結果に基づいて、ガイド200とタイヤ式門型クレーン100との相対的な位置関係を検出可能な方向であればよい。具体的には、距離センサ150が距離の測定を行う走査方向は、タイヤ式門型クレーン100の走行経路の延在方向と交差する方向であればよい。
【0031】
また、距離センサ150がレーザ光を出力する場合、距離センサ150が出力するレーザ光は、タイヤ式門型クレーン100の走行経路の延在方向と交差する方向に走査可能なものであればよい。例えば、距離センサ150はスリット式の光学距離計であり、スリットで絞られたレーザ光を出力するようにしてもよい。あるいは、距離センサ150が点光源からレーザ光を出力するようにしてもよい。
また、距離センサ150による走査方法は、レーザ光または超音波等を出力する向きを変える方法に限らない。例えば、距離センサ150がレーザ光を出力する場合、レーザ光を出力する向きを固定したまま光源を水平方向に移動させることで走査を行うようにしてもよい。
また、距離センサ150の設置位置は、
図1に示す走行機構134の横に限らず、ガイド200を含む範囲を走査可能な位置であればよい。例えば、距離センサ150が、脚部122の横に設置されていてもよい。
【0032】
吊下機構160は、コンテナCを吊下げて把持する。吊下機構160がコンテナCを吊下げた状態でタイヤ式門型クレーン100が走行することで、タイヤ式門型クレーン100はコンテナCを運搬する。
トロリ161は、梁部111に、当該梁部111に沿って移動可能に設けられている。スプレッダ162は、コンテナCを把持する。吊下ロープ163は、トロリ161からスプレッダ162を吊下げる。巻上機164は、トロリ161に設けられ、吊下ロープ163の巻上および巻出を行う。巻上機164が吊下ロープ163を巻き上げることで、スプレッダ162が上昇する。また、巻上機164が吊下ロープ163を巻き出すことで、スプレッダ162が下降する。
【0033】
図4は、移動制御装置300の機能構成の例を示す概略ブロック図である。上記のように、移動制御装置300は、電気機器箱140に格納されている。
図4において、移動制御装置300は、距離情報取得部310と、ガイド位置特定部320と、移動制御部330とを備える。
また、
図4には、距離情報取得部310へ距離情報を出力する距離センサ150と、移動制御部330が回転速度を制御する走行用モータ411および412とが図示されている。走行用モータ411は、タイヤ131を回転させる。走行用モータ412は、タイヤ132を回転させる。
上記のように、距離センサ150は、走行機構134の横に設置されている。また、移動制御装置300は、電気機器箱140に格納されている。走行用モータ411、412は、それぞれ、タイヤ131、132の近くに設置されている。
【0034】
距離情報取得部310は、距離センサ150が出力する距離情報を取得する。
ガイド位置特定部320は、距離情報取得部310が取得した距離情報に基づいて、距離センサ150の走査範囲におけるガイド200の位置を特定する。例えば、ガイド位置特定部320は、距離センサ150からの距離の変化が所定の閾値よりも大きい位置を、ガイド200の角部分(edge)の位置として検出し、2つの角部分の中央をガイド200の位置として特定する。
【0035】
移動制御部330は、ガイド位置特定部320が特定したガイド200の位置が所定の位置に近付くように、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を制御する。
図5は、移動制御部330が、タイヤ式門型クレーン100の走行方向の制御のために算出する、ガイド200の位置の基準位置からのずれの例を示す説明図である。同図は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向から距離センサ150の走査範囲におけるガイド200を見た様子を示しており、ガイド200と路面RSとが図示されている。
【0036】
図5の横軸はタイヤ式門型クレーン100の進行方向に対して横方向における位置を示す。
図5に向かって左側がタイヤ式門型クレーン100に近い側となっており、右側がタイヤ式門型クレーン100から遠い側になっている。従って、タイヤ式門型クレーン100から遠くなるほど、横軸にて示される座標値(位置の値)が大きくなる。
図5の縦軸は、路面RSからの高さを示している。この高さは、距離センサ150が出力する距離情報から得られる。
【0037】
また、範囲A21は、距離センサ150の走査範囲を示す。範囲A22は、ガイド200が位置する範囲を示す。
位置P11は、距離センサ150の走査範囲において予め設定されている基準位置の例を示す。
図5の例では、距離センサ150の走査範囲(範囲A22)の中央が基準位置(位置P11)としてとして設定されている。この基準位置は、移動制御部330の制御における所定の位置の例に該当する。
位置P12は、ガイド位置特定部320が特定するガイド200の位置の例を示す。
図5の例では、ガイド位置特定部320は、ガイド200の中央(ガイド200の上面の2つの角部分の中央)をガイド200の位置として特定している。
偏差D11は、位置P12の座標値から位置P11の座標値を引いた値である。偏差D11は、基準位置(位置P11)に対するガイド200の位置(位置P12)のずれの向きおよび大きさを示している。
【0038】
移動制御部330は、偏差D11に基づいて、ガイド200の位置(位置P12)が基準位置(位置P11)に近付くように制御する。具体的には、偏差D11の値が0より大きい場合、ガイド200は、タイヤ式門型クレーン100から見て基準位置よりも遠い位置にある。そこで、移動制御部330は、タイヤ式門型クレーン100がガイド200に近付くようにタイヤ式門型クレーン100の走行方向を制御する。一方、偏差D11の値が0より小さい場合、ガイド200は、タイヤ式門型クレーン100から見て基準位置よりも近い位置にある。そこで、移動制御部330は、タイヤ式門型クレーン100がガイド200から遠ざかるようにタイヤ式門型クレーン100の走行方向を制御する。
【0039】
移動制御部330は、走行用モータ411および412の回転速度の制御により、タイヤ131および132の回転速度を制御することで、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を制御する。具体的には、移動制御部330は、ガイド200から遠い側のタイヤ131の回転速度を、ガイド200に近い側のタイヤ132の回転速度よりも速くすることで、タイヤ式門型クレーン100をガイド200に近付ける。また、移動制御部330は、ガイド200から遠い側のタイヤ131の回転速度を、ガイド200に近い側のタイヤ132の回転速度よりも遅くすることで、タイヤ式門型クレーン100をガイド200から遠ざける。
【0040】
なお、距離センサ150の走査範囲における基準位置は、
図5に示される操作範囲の中央に限らず、距離センサ150の走査範囲内における様々な位置とすることができる。また、ガイド位置特定部320が特定するガイド200の位置は、
図5に示されるガイド200の中央に限らない。例えば、ガイド位置特定部320が、ガイド200のタイヤ式門型クレーン100に近い側の角部分の位置を、ガイド200の位置として特定するようにしてもよい。あるいは、ガイド位置特定部320が、ガイド200のタイヤ式門型クレーン100から遠い側の角部分の位置を、ガイド200の位置として特定するようにしてもよい。
あるいは、ガイド200の形状が、断面が丸い棒形状である場合、ガイド位置特定部320が、高さの最も高い位置をガイド200の位置として特定するようにしてもよい。高さが最も高い位置は、距離センサ150からの距離が最も短い位置として検出することができる。
【0041】
次に、
図6を参照して、移動制御装置300の動作について説明する。
図6は、移動制御装置300がタイヤ式門型クレーン100の走行方向を制御する処理手順の例を示すフローチャートである。移動制御装置300は、タイヤ式門型クレーン100が走行する間、
図6の処理を繰り返し実行する。
同図の処理において、距離情報取得部310は、距離センサ150が出力する距離情報を取得する(ステップS101)。
次に、ガイド位置特定部320は、距離情報取得部310が取得した距離情報に基づいて、距離センサ150の走査範囲におけるガイド200の位置を特定する(ステップS102)。
【0042】
そして、移動制御部330は、ガイド位置特定部320が特定したガイド200の位置に基づいて、基準位置に対するガイド200の位置のずれを算出する(ステップS103)。
次に、移動制御部330は、ステップS103で得られたずれをタイヤ131と132との回転速度の差に反映させるように、走行用モータ411、412それぞれの回転速度を設定する(ステップS104)。
そして、移動制御部330は、ステップS104で設定した回転速度に基づいて、走行用モータ411、412それぞれの回転速度を制御する(ステップS105)。
ステップS105の後、
図6の処理を終了する。
【0043】
以上のように、ガイド200は、タイヤ式門型クレーン100の走行経路の路面RSと異なる高さで、タイヤ式門型クレーン100の走行経路の延在方向に沿って設けられている。また、距離センサ150は、タイヤ式門型クレーン100の走行経路の延在方向と交差する方向における複数の位置の各々と距離センサ150自らとの間の距離を示す距離情報を生成し、移動制御装置300へ出力する。移動制御装置300では、ガイド位置特定部320が、距離センサ150からの距離情報に基づいて、ガイド200の位置を特定する。そして、移動制御部330は、ガイド位置特定部320が特定したガイド200の位置が基準位置に近付くように、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を制御する。
これにより、クレーンシステム1では、ガイド200を検出できなくなる可能性や、ガイド200の位置を誤検出する可能性を低減させ、かつ、磁石方式の場合よりも高い分解能でガイド200の位置を検出することができる。
【0044】
具体的には、ガイド位置特定部320は、距離センサ150から路面RS、ガイド200それぞれまでの距離に基づいて(すなわち、ガイド200の高さに基づいて)ガイド200の位置を特定する。ガイド200が汚れた場合、ガイド200の上にゴミ等が乗った場合、および、雨や雪などの場合でも、距離センサ150から路面RSまでの距離、距離センサ150からガイド200までの距離を検出可能であることが考えられる。この点において、ガイド位置特定部320が、ガイド200を検出できなくなる可能性や、ガイド200の位置を誤検出する可能性を低減させることができる。
【0045】
また、レーザ光を用いる、あるいは、撮像画像を解析するなど、光学的な方法で距離を測定する方式や、超音波を用いて距離を測定する方式のほうが、磁石からの磁力を磁石検出センサで検出する方式よりも、分解能を高め易い。この点において、クレーンシステム1では、磁石方式による場合よりも、高い分解能でガイド200の位置を検出することができる。高い分解能でガイド200の位置を検出することにより、クレーンシステム1では、タイヤ式門型クレーン100の直進性を高めることができる(すなわち、タイヤ式門型クレーン100の蛇行を低減させることができる)。
また、鉄など硬い素材のガイド200を用いることで、ガイド200の変形や、経年によるガイド200の消失の可能性を低減させることができる。
【0046】
なお、ガイド200は、その高さが路面RSとの高さが異なっていればよい。特に、ガイド200は、
図1に示されるように路面RSから突出して設けられるものに限らず、路面RSから窪んで設けられていてもよい。
図7は、路面RSから窪んで設けられたガイド200の例を示す斜視図である。同図において、ガイド200と、線L11とが示されており、ガイド200は線L11に沿って設けられている。線L11はタイヤ式門型クレーン100の走行レーンの境界を示しており、ガイド200は、タイヤ式門型クレーン100の走行レーンの路面RSから窪んで、走行レーンの延在方向に沿って設けられている。
なお、線L41は、路面RSの高さを示すために図中に示されている。タイヤ式門型クレーン100の走行レーンにおいて実際に線L41が明示されている必要はない。
【0047】
図7に示されるように、ガイド200は路面RSよりも低くなっている。これにより、タイヤ式門型クレーン100は、路面RSと高さが異なる位置を検出することで、ガイド200の位置を検出することができる。
また、ガイド200が路面RSよりも低くなっていることで、人がガイド200につまづく可能性を低減させることができるなど、ガイド200が邪魔になる可能性を低減させることができる。
線L22は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を示している。
図2の場合と同様、タイヤ式門型クレーン100は、ガイド200の位置を検出し、ガイド200に沿って走行することで、走行レーンを走行することができる。
【0048】
なお、ガイド200の形状は、
図7に示す四角い形状に限らない。ガイド200の形状は、路面RSとの高さの違いによってタイヤ式門型クレーン100の走行経路の方向を示せる形状であればよく、例えば、ガイド200の底部(溝の底部)が丸くなっていてもよい。
また、ガイド200の深さは、ガイド200が路面RSと異なる高さになっていることを検出可能な深さであればよい。例えば、ガイド200の深さが5ミリメートル(mm)であってもよいし、10ミリメートルであってもよい。
ガイド200の幅も、ガイド200が路面RSと異なる高さになっていることを検出可能な幅であればよい。例えば、ガイド200の幅が5ミリメートルであってもよいし、10ミリメートルであってもよい。
【0049】
なお、ガイド200にゴミなどの異物が入ることを防止するために、ガイド200に例えばガラスなどレーザ光を透過させる部材を挿入しておいてもよい。
なお、ガイド200の剛性を確保するために、路面RSに大きめの溝を設けて、ガイド200の形状の窪みを有する鉄板をはめ込むようにしてもよい。
【0050】
なお、ガイド200が、路面RSからの高さがガイド200の他の領域と異なる領域を有していてもよい。
図8は、高さが異なる領域を有するガイド200の例を示す説明図である。同図は、ガイド200を横側から見た例を示しており、線L22は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を示している。
また、ガイド200の領域A201では、路面RSからの高さが階段状に変化しており、領域A202が最も高くなっている。タイヤ式門型クレーン100は、ガイド200の高さの変化を検出することで、走行レーンにおける位置を検出することができる。例えば、タイヤ式門型クレーン100の走行停止位置においてガイド200の高さが変化することで、タイヤ式門型クレーン100は、最も高い領域A202の位置で停止するなど、走行停止位置に到達したことを検知して自動停止することができる。
なお、ガイド200が段階的に変化する場合の段数は、
図8に示す4段に限らず、1段以上あればよい。すなわち、ガイド200の高さが変化していれば、タイヤ式門型クレーン100は、走行レーンにおける位置を検出し得る。
【0051】
図9は、距離センサ150の走査範囲におけるガイド200の高さの例を示すグラフである。同図は、ガイド200が
図8に示す形状を有し、タイヤ式門型クレーン100が一定速度で走行する場合の例を示している。
図9の横軸は時刻を示し、縦軸は高さを示す。
タイヤ式門型クレーン100は、時刻T11からT14の間に、
図8の領域A201に対応する位置を通過している。このため、時刻T11からT14の間、ガイド200の高さが段階的に変化している。また、タイヤ式門型クレーン100は、時刻T12からT13の間に、
図8の領域A202に対応する位置を通過している。このため、時刻T12からT13の間、ガイド200の高さが最も高くなっている。
ここでいうガイド200の領域に対応する位置とは、距離センサ150の走査範囲に当該領域が含まれる、タイヤ式門型クレーン100の位置である。例えば、領域A201に対応する位置とは、距離センサ150の走査範囲に領域A201が含まれる、タイヤ式門型クレーン100の位置である。同様に、領域A202に対応する位置とは、距離センサ150の走査範囲に領域A202が含まれる、タイヤ式門型クレーン100の位置である。
【0052】
例えば、領域A202に対応する位置にコンテナを積み下ろす場合など、領域A202に対応する位置で停止するよう指令を受けた場合、移動制御部330が、距離センサ150からの距離情報に基づいて、領域A202に対応する位置に到達したことを検出し、タイヤ式門型クレーン100を停止させることができる。
また、走行レーンの端部においてガイド200の高さが他の領域の高さと異なっていてもよい。これにより、移動制御部330は、走行レーンの端部に到達したことを検出することができ、タイヤ式門型クレーン100が走行レーンの端部からはみ出して走行レーンの外を走行することを防止できる。
【0053】
移動制御部330は、例えば、ガイド200の高さが高くなった後に低くなったことを検出し、ガイド200の高さが低くなる直前の位置に戻って停止することで、最も高い領域である領域A202に対応する位置で、タイヤ式門型クレーン100を停止させる。具体的には、移動制御部330は、ガイド位置特定部320が特定するガイド200の位置について、距離情報が示す距離を読み出し、当該距離の履歴を記憶しておく。そして、移動制御部330は、読み出した距離が小さく(近く)なった後に大きく(遠く)なったことを検出し、タイヤ式門型クレーン100を、距離が大きくなる直前の位置に戻って停止させる。
あるいは、移動制御部330が距離の閾値を予め記憶しておき、距離情報から読み出した距離が、閾値よりも小さくなった場合に、停止位置に到達したと判定するようにしてもよい。
あるいは、移動制御部330が距離の閾値とタイヤ式門型クレーン100の速度とを対応付けて予め記憶しておき、距離情報から読み出した距離に応じてタイヤ式門型クレーン100の速度を設定するようにしてもよい。この場合、
図8の例のようにガイド200の高さが段階的に変化することで、移動制御部330は、タイヤ式門型クレーン100の速度を徐々に低下させて停止させることができる。
【0054】
図10は、タイヤ式門型クレーン100を自動停止させる場合の、移動制御装置300がタイヤ式門型クレーン100の走行方向を制御する処理手順の例を示すフローチャートである。移動制御装置300は、タイヤ式門型クレーン100を停止させるよう指示を受けている場合、
図6の処理に代えて
図10の処理を繰り返し行う。タイヤ式門型クレーン100を停止させる指示は、例えば、人またはプログラムが行う。
図10のステップS201、S202は、それぞれ、
図6のステップS101、S102と同様である。
ステップS202の後、移動制御部330は、距離情報取得部310が取得した距離情報から、ガイド位置特定部320が特定したガイド200の位置に対応付けられる距離を読み出す(ステップS203)。
【0055】
そして、移動制御部330は、ステップS203で得られた距離に基づいて、タイヤ式門型クレーン100の走行速度を設定する(ステップS204)。ステップS204において、移動制御部330が、ステップS203で得られた距離に基づいて、タイヤ式門型クレーン100が停止位置に到達したか否かを判定し、停止位置に到達したと判定した場合にタイヤ式門型クレーン100を停止させるようにしてもよい。あるいは、移動制御部330が、距離と走行速度とを対応付けて予め記憶しておき、ステップS203で得られた距離に対応付けられている速度を設定するようにしてもよい。
ステップS205からS207までは、
図6のステップS103からS105までと同様である。ステップS207の後、
図10の処理を終了する。
【0056】
なお、ガイド200の高さの変化は、
図8の例のような段階的な変化に限らない。
図11は、高さがなだらかに変化する領域を有するガイド200の例を示す説明図である。同図は、ガイド200を横側から見た例を示しており、線L22は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を示している。
また、ガイド200の領域A211では、路面RSからの高さがなだらかに変化しており、位置P212において最も高くなっている。タイヤ式門型クレーン100は、ガイド200の高さの変化を検出することで、走行レーンにおける位置を検出することができる。例えば、タイヤ式門型クレーン100の走行停止位置においてガイド200の高さが変化することで、タイヤ式門型クレーン100は、最も高い位置P212で停止するなど、走行停止位置に到達したことを検知して自動停止することができる。
【0057】
ガイド200の高さがなだらかに変化する場合も、ガイド200の高さが段階的に変化する場合と同様、移動制御部330が、ガイド200が最も高くなる位置を検出し、検出した位置でタイヤ式門型クレーン100を停止させるようにしてもよい。具体的には、移動制御部330は、距離が小さくなった後に大きくなったことを検出し、タイヤ式門型クレーン100を、距離が大きくなる直前の位置に戻って停止させるようにしてもよい。
あるいは、移動制御部330が距離の閾値を予め記憶しておき、距離情報から読み出した距離が、閾値よりも小さくなった場合に、停止位置に到達したと判定するようにしてもよい。
【0058】
あるいは、移動制御部330が、距離の閾値とタイヤ式門型クレーン100の速度とを対応付けて予め記憶しておき、距離情報から読み出した距離に応じてタイヤ式門型クレーン100の速度を設定するようにしてもよい。
あるいは、移動制御部330が、距離と速度との関係を示す関数を予め記憶しておき、当該関数に基づいて、距離情報から読み出した距離に応じてタイヤ式門型クレーン100の速度を設定するようにしてもよい。
【0059】
なお、ガイド200が、高さが異なる領域に代えて、あるいは加えて、幅が異なる領域を有していてもよい。
図12は、幅が異なる領域を有するガイド200の例を示す説明図である。同図は、ガイド200を上側から見た例を示しており、線L22は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を示している。
また、ガイド200の領域A221では、幅が階段状に変化しており、領域A222において幅が最も広くなっている。ガイド200の高さが変化する場合と同様、タイヤ式門型クレーン100は、ガイド200の幅の変化を検出することで、走行レーンにおける位置を検出することができる。
ガイド200の幅で走行レーンにおける位置を示すことで、ガイド200の高さを高くする必要がない。これにより、ガイド200が邪魔になる可能性を低減させることができる。
なお、ガイド位置特定部320が、ガイド200の角部分の位置をガイド200の位置として特定する場合、ガイド200の幅が片側のみ変化するようにしてもよい。具体的には、ガイド位置特定部320が位置を特定する角部分と反対側のみ、幅が変化するようにしてもよい。
【0060】
なお、ガイド200の幅の変化は、
図12の例のような段階的な変化に限らない。
図13は、幅がなだらかに変化する領域を有するガイド200の例を示す説明図である。同図は、ガイド200を上側から見た例を示しており、線L22は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を示している。
また、ガイド200の領域A231では、幅がなだらかに変化しており、位置P232において最も広くなっている。ガイド200の高さの変化を検出する場合と同様、タイヤ式門型クレーン100は、ガイド200の幅の変化を検出することで、走行レーンにおける位置を検出することができる。
【0061】
なお、ガイド200の本数で、走行レーンにおける位置を示すようにしてもよい。
図14は、複数のガイド200が配置された例を示す説明図である。同図は、ガイド200を上側から見た例を示しており、線L22は、タイヤ式門型クレーン100の走行方向を示している。
同図の例では、走行レーンが複数の番地に区切られており、領域A31、A32、A33が、それぞれ、1番地、2番地、3番地に対応している。このように、走行レーンの位置に応じてガイド200の本数が異なることで、移動制御部330は、走行レーンにおける位置を検出することができる。
例えば上記のように、移動制御部330は、走行レーンにおける番地を検出することができる。これにより、移動制御部330は、複数の停止位置のうち特定の番地の停止位置でタイヤ式門型クレーン100を停止させることができる。
また、コンテナの積み下ろし場所などの停止位置をガイド200の本数の変化で示すようにしてもよい。これにより、移動制御部330は、停止位置に到達したことを検出することができ、タイヤ式門型クレーン100を停止位置で停止させることができる。
また、走行レーンの端部においてガイド200の本数が変化するようにしてもよい。これにより、移動制御部330は、走行レーンの端部に到達したことを検出することができ、タイヤ式門型クレーン100が走行レーンの端部からはみ出して走行レーンの外を走行することを防止できる。
【0062】
以上のように、移動制御部330は、ガイド200の高さ、幅、および本数の少なくともいずれかに基づいて、タイヤ式門型クレーン100の走行速度を制御する。
これにより、移動制御部330は、走行レーンの延在方向におけるタイヤ式門型クレーン100の位置に基づいてタイヤ式門型クレーン100の速度を制御することができる。例えば、移動制御部330は、タイヤ式門型クレーン100を停止位置で停止させることができる。また、移動制御部330は、タイヤ式門型クレーン100が走行レーンの端部からはみ出して走行レーンの外を走行することを防止できる。
【0063】
また、移動制御部330は、ガイド200の本数に基づいて、タイヤ式門型クレーン100の走行方向におけるタイヤ式門型クレーン100の位置を特定し、特定した位置に基づいて、タイヤ式門型クレーン100の走行速度を制御する。
これにより、移動制御部330は、走行レーンの延在方向におけるタイヤ式門型クレーン100の位置を特定し、特定した位置に基づいてタイヤ式門型クレーン100の速度を制御することができる。例えば、移動制御部330は、複数の停止位置のうち特定の番地の停止位置でタイヤ式門型クレーン100を停止させることができる。
【0064】
なお、移動制御装置300の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。