特許第6605702号(P6605702)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605702
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20191031BHJP
   G05G 1/08 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   G05G5/03 B
   G05G1/08 Z
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-500088(P2018-500088)
(86)(22)【出願日】2017年2月10日
(86)【国際出願番号】JP2017004984
(87)【国際公開番号】WO2017141834
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2018年7月23日
(31)【優先権主張番号】特願2016-29089(P2016-29089)
(32)【優先日】2016年2月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一成
(72)【発明者】
【氏名】後藤 厚志
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−519099(JP,A)
【文献】 特開2014−181778(JP,A)
【文献】 特開2002−108470(JP,A)
【文献】 実開昭60−149532(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 5/03
G05G 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者の操作により回転動作する操作体を有した操作部材と、
該操作体を回転自在に支持する支持体と、
前記操作体に対して回転負荷を付与する回転負荷付与機構と、を備えた回転型の操作装置であって、
前記操作体には前記回転動作を可能にする回転軸を有し、
前記回転負荷付与機構は、
該回転軸と係合して前記回転動作する軟磁性体からなる可動部材と、
該可動部材と隙間を挟んで対向する磁気発生機構と、
該隙間の少なくとも一部に存在し磁界の強さに応じて粘性が変化する磁気粘性流体と、を備え、
前記磁気発生機構は、
通電により磁界を発生させるコイルと、
該コイルを囲むように設けられ前記可動部材の一方側に配設された第1ヨークと、
可動部材の他方側に前記可動部材と対向して配設された第2ヨークと、を備え、
前記第1ヨークは、前記コイルの一方側、前記コイルの内側側壁、前記コイルの外側側壁及び前記コイルの他方側の一部を覆うように形成され、
前記第1ヨークは、前記コイルの前記他方側であって、前記可動部材と対向する側において、スリットで分割された第1対向部と第2対向部を有し、
前記第1対向部及び前記第2対向部は、それぞれ前記コイルの前記他方側の一部を覆う位置にあり、
該第1対向部及び該第2対向部と前記可動部材との隙間、並びに、前記可動部材と前記第2ヨークとの隙間には、前記磁気粘性流体が充填されており、
前記可動部材には、前記第1ヨークに設けられた前記スリットと対向した位置に、可動部スリットが設けられており、
前記可動部スリットの幅は、前記第1ヨークの前記スリットの幅よりも小さい
ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記第1対向部における前記磁気粘性流体に臨む第1対向面の面積と前記第2対向部における前記磁気粘性流体に臨む第2対向面の面積とが同じである
ことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記可動部スリットの幅の中心位置と、前記第1ヨークに設けられた前記スリットの幅の中心位置とが一致する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記スリットには、合成樹脂で形成されたスリットスペーサが収納されている
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者が操作した際に、操作者に対して操作感触を与えることができる操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、操作者が操作部材を操作した際に、この操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与することにより、操作フィーリングを良好にして所望の操作が確実に行えるようにしたフォースフィードバック機能付きの操作装置が種々提案されている。特に、エアコンやオーディオあるいはナビゲーション等の車載用制御機器の操作においては、視認しながら操作するのではなく、ブラインド操作する場合が多く、操作部材(操作ノブ)に対して力覚を付与することは、安全性の面からも有効であった。
【0003】
このような操作装置を用いた自動車用の手動入力装置800が特許文献1(従来例1)に提案されている。図10は、従来例1の手動入力装置800を説明する図であって、その基本構成の要部を示す縦断面図である。
【0004】
図10に示す手動入力装置800は、運転者(操作者)により手動操作され回転するノブ880(操作部材)と、ノブ880と一体的に設けられたキャリア軸851を有する遊星歯車機構と、遊星歯車機構のリングギア862を常に固定する円筒状のリングギアケース860(固定部材)と、遊星歯車機構のサンギア832と係合した出力軸811を有するモータ810と、モータ810の出力軸811の回転を検出するエンコーダ830(検出手段)と、エンコーダ830の検出結果に応じてモータ810の回転を制御する制御手段と、を備えて構成されている。そして、手動入力装置800は、所定のタイミングでモータ810を回転させ、この回転力を遊星歯車機構を介してノブ880に伝達し、所定の操作感触を操作者に与えるようにしている。
【0005】
しかしながら、この手動入力装置800は、良好な操作感触を与えることができるが、モータ810を用いているので、更なる小型化の要望に対して対応が難しいものであった。そこで、モータ810を用いないで、操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与する方法が模索されてきた。
【0006】
特許文献2(従来例2)では、自身の流動性が磁場発生手段により影響を受ける磁界応答材料(磁気粘性流体)を用いた手動ブレーキ911が提案されている。図11は、従来例2の手動ブレーキ911を説明する図であって、長手方向断面図である。
【0007】
図11に示す手動ブレーキ911は、第1のハウジング室915及び第2のハウジング室917を有するハウジング913と、ハウジング913の開放端側を塞ぐ閉じ板919と、第2のハウジング室917を貫通して第1のハウジング室915に延設しているシャフト923と、シャフト923の端部に一体に設けられ第1のハウジング室内に並設されたロータ921と、第1のハウジング室915内に設けられロータ921の外周辺部のすぐそばにある磁界発生器929と、第1のハウジング室915に設けられロータ921を取り囲むように充填された磁界応答材料941と、第2のハウジング室917に設けられブレーキ動作を制御及び監視する制御手段925と、を備えて構成されている。また、磁界発生器929は、コイル931と、コイル931の三方を囲むようにして配設された極片933と、を備えている。
【0008】
そして、コイル931に通電を行うと、図11に破線で示す磁束J37が発生し、この磁束J37の発生に伴って、磁界応答材料941中の軟磁性または磁化可能な粒子が磁束J37に沿って配列するようになる。このため、この配列を切断する方向、つまり回転動作するロータ921の回転方向に対して、磁界応答材料941によりロータ921に与える抵抗が増大するようになる。従って、この手動ブレーキ911は、この磁界応答材料941とロータ921とを用いて、シャフト923の回転動作を止めるブレーキ作用を有することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−50639号公報
【特許文献2】特表2005−507061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した磁界応答材料941(磁気粘性流体)の作用を利用することにより、モータを用いないで、操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与する方法が考えられる。しかしながら、手動ブレーキ911のような装置に適用する場合は、ロータ921の直径が大きいことが多く、充分な外力がロータ921(可動部材)に付与できるが、操作者が操作するような操作装置では、可動部材が小さく、充分な外力が可動部材に付与できないという課題があった。しかも、可動部材に付与する外力の制御を精度良く行い、操作者に対する良好な操作感触を与えるようにしたいという要望も強まってきた。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するもので、磁気粘性流体を用いて良好な操作感触が得られる操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために、本発明の操作装置は、操作者の操作により回転動作する操作体を有した操作部材と、該操作体を回転自在に支持する支持体と、前記操作体に対して回転負荷を付与する回転負荷付与機構と、を備えた回転型の操作装置であって、前記操作体には前記回転動作を可能にする回転軸を有し、前記回転負荷付与機構が、該回転軸と係合して前記回転動作する軟磁性体からなる可動部材と、該可動部材と隙間を挟んで対向する磁気発生機構と、該隙間の少なくとも一部に存在し磁界の強さに応じて粘性が変化する磁気粘性流体と、を備え、前記磁気発生機構が、通電により磁界を発生させるコイルと、該コイルを囲むように設けられ前記可動部材の一方側に配設された第1ヨークと、可動部材の他方側に前記可動部材と対向して配設された第2ヨークと、を備え、前記第1ヨークは、前記コイルの一方側、前記コイルの内側側壁、前記コイルの外側側壁及び前記コイルの他方側の一部を覆うように形成され、前記第1ヨークは、前記コイルの前記他方側であって、前記可動部材と対向する側において、スリットで分割された第1対向部と第2対向部を有し、前記第1対向部及び前記第2対向部は、それぞれ前記コイルの前記他方側の一部を覆う位置にあり、該第1対向部及び該第2対向部と前記可動部材との隙間、並びに、前記可動部材と前記第2ヨークとの隙間には、前記磁気粘性流体が充填されており、前記可動部材には、前記第1ヨークに設けられた前記スリットと対向した位置に、可動部スリットが設けられており、前記可動部スリットの幅が、前記第1ヨークの前記スリットの幅よりも小さいことを特徴としている。
【0013】
これによれば、本発明の操作装置は、コイルへの通電により磁界が発生し、第1ヨークの第1対向部から第2対向部にかけて磁路が可動部材側に広がって形成されて、磁気粘性流体における磁性粒子が磁束に沿って揃うこととなる。このため、第1対向部と可動部材及び可動部材と第2対向部にかけて形成された磁束を横切る方向に回転動作する可動部材に対して、磁気粘性流体により回転負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材及び回転軸を介して操作体に回転負荷がかかるようになる。従って、良好な操作感触が得られる操作装置を提供することができる。
【0014】
上記操作装置は、前記可動部材が軟磁性体からなる
これによれば、第1ヨークの第1対向部から可動部材に、可動部材から第1ヨークの第2対向部にかけて磁路が確実に形成されて、磁気粘性流体における磁性粒子が第1ヨーク
と可動部材と互いに対向する対向面方向に揃うこととなる。このため、磁性粒子が揃った対向面方向を横切る方向に回転動作する可動部材に対して、より強い回転負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材及び回転軸を介して操作体により強い回転負荷がかかるようになり、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0015】
上記操作装置は、前記磁気発生機構が前記可動部材の他方側に前記可動部材と対向して配設された第2ヨークを有する
これによれば、第1ヨークの第1対向部から第2ヨークに、第2ヨークから第1ヨークの第2対向部にかけて磁路が確実に形成される。このため、可動部材の回転動作する方向と垂直な方向に磁性粒子を揃えることができ、より強い回転負荷をかけることができる。このことにより、可動部材及び回転軸を介してより強い回転負荷を操作体にかけることができる。
【0016】
上記操作装置は、前記可動部材と前記第2ヨークとの隙間に前記磁気粘性流体が充填されている
これによれば、磁束を横切る方向に回転動作する可動部材に対して、更なる回転負荷を付与することができる。このことにより、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0017】
上記操作装置は、前記可動部材が軟磁性体からなり、前記可動部材には、前記第1ヨークに設けられた前記スリットと対向した位置に、可動部スリットが設けられている
これによれば、コイルから発生した磁束が、可動部材により閉じ込められることがなく、第1ヨーク及び可動部材を介して第2ヨークへ、第2ヨークから可動部材を介して第1ヨークへと、確実に貫くことができるようになる。このため、第1ヨークから第2ヨークまで誘導されず上側の磁気粘性流体や可動部材だけを通るようにショートカットして第1ヨークへ導かれる磁束を少なくすることができ、コイルから発生した磁界を磁気粘性流体に作用させることができる。
【0018】
上記操作装置は、前記可動部スリットの幅が前記第1ヨークの前記スリットの幅よりも小さい
これによれば、第1ヨークからの磁束の広がりを可動部材で捕捉することができ、第2ヨークまで導くことができる。このことにより、コイルが発生した磁界を磁気粘性流体により確実に作用させることができる。
【0019】
また、本発明の操作装置は、前記第1対向部における前記磁気粘性流体に臨む第1対向面の面積と前記第2対向部における前記磁気粘性流体に臨む第2対向面の面積とが同じであってよい。
【0020】
これによれば、磁束の入口と出口とで磁束密度が同等になり、磁界を効率的に粘性の制御に作用させることができる。このことにより、可動部材に対して均等に回転負荷を付与することができ、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0021】
また、本発明の操作装置は、前記可動部スリットの幅の中心位置と、前記第1ヨークに設けられた前記スリットの幅の中心位置とが一致してよい。
【0022】
また、本発明の操作装置は、前記スリットには、合成樹脂で形成されたスリットスペーサが収納されていてよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の操作装置は、コイルへの通電により磁界が発生し、第1ヨークの第1対向部から第2対向部にかけて磁路が可動部材側に広がって形成されて、磁気粘性流体における磁性粒子が磁束に沿って揃うこととなる。このため、第1対向部と可動部材及び可動部材と第2対向部にかけて形成された磁束を横切る方向に回転動作する可動部材に対して、磁気粘性流体により回転負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材及び回転軸を介して操作体に回転負荷がかかるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の上方斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態の操作装置を説明する図であって、図3(a)は、図1に示すZ1側から見た上面図であり、図3(b)は、図1に示すY2側から見た正面図である。
図4】本発明の第1実施形態の操作装置を説明する図であって、図3(a)に示すIV−IV線における断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の回転負荷付与機構を説明する図であって、図4に示すP部分の拡大断面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の回転負荷付与機構を説明する図であって、図6(a)は、回転負荷付与機構の上方斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示すY2側から見た正面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の回転負荷付与機構を説明する図であって、図7(a)は、図6に示す第2ヨークを省略した下方斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に示す可動部材を更に省略した下方斜視図である。
図8】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の磁気粘性流体について説明する模式図であって、図8(a)は、磁界が印加されていない状態の磁気粘性流体の図であり、図8(b)は、磁界が印加されている状態の磁気粘性流体の図である。
図9】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の回転負荷付与機構を説明する図であって、磁気発生機構に流す電流と操作体にかかるトルクとの関係の一例を表したグラフである。
図10】従来例1の手動入力装置を説明する図であって、その基本構成の要部を示す縦断面図である。
図11】従来例2の手動ブレーキを説明する図であって、長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置100の上方斜視図である。図2は、操作装置100の分解斜視図である。図3(a)は、図1に示すZ1側から見た上面図であり、図3(b)は、図1に示すY2側から見た正面図である。図4は、図3(a)に示すIV−IV線における断面図である。
【0030】
本発明の第1実施形態の操作装置100は、図1及び図3に示すような外観を呈し、図2に示すように、操作者の操作により回転動作する操作体11を有した操作部材1と、操作体11を回転自在に支持する支持体3と、操作体11に対して回転負荷を付与する回転負荷付与機構F5と、を備えて主に構成されている。
【0031】
また、第1実施形態の操作装置100では、上述の構成要素に加え、本体の側壁の一部を構成する側壁スペーサS17と(図2を参照)、回転負荷付与機構F5の中に配設されるスリットスペーサS57と(図4を参照)、を有している。そして、この回転型の操作装置100は、図示しない操作部材1の操作部(操作ノブや操作つまみ等)が操作体11の一端側に係合され、操作者により操作部が把持されて操作され、操作体11が両方向に回転動作するようになっている。
【0032】
また、この操作装置100に、操作体11の回転動作を検出、例えば操作体11の回転角度を検出する回転検出手段(図示していない)を備えると、操作装置100は、回転角度を入力することができる回転型の入力装置として用いることができる。そして、例えば、この回転検出手段として、抵抗体パターンが形成された基板と抵抗体パターンを摺接する摺動子とから構成された、所謂、回転型可変抵抗器を用いると、この回転型可変抵抗器を操作体11に係合させることで、容易に操作体11の回転動作を検出することができる。なお、回転検出手段として、回転型可変抵抗器に限るものではない。例えば、永久磁石と磁気検出センサを用いた磁気式の角度回転検出装置であっても良い。
【0033】
先ず、操作装置100の操作部材1について説明する。操作部材1は、操作者が把持する操作部(図示していない)と、操作部が係合され操作部の回転操作に伴って回転動作する操作体11と、を有している。
【0034】
操作部材1の操作部は、操作者により把持されて操作される操作ノブや操作つまみ等の部材であり、操作体11の一端側に係合されて用いられる。また、その形状は、操作し易いような形状等を考慮され、適用される製品によって任意に決められる。
【0035】
操作部材1の操作体11は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、poly butylene terephtalate)等の合成樹脂を用い、図2に示すように、円柱形状の柱部11cと、柱部11cの中心を貫き回転中心を中心とした回転軸11jと、操作体11の他端側に設けられ柱部11cより一回り大きいサイズのリング部11rと、を有して、一体に射出成形されて作製されている。そして、そして、操作体11は、回転軸11jを回転中心として回転(回動)するように構成されている。また、図4に示すように、OリングR7が、柱部11cに挿通されて、柱部11cとリング部11rとの繋ぎ目部分に配設されている。ここに装着されているOリングR7は、可動部材55が収容される収容空間を閉じる機能も有している。これにより、この収容空間に充填された磁気粘性流体75が収容空間から漏れ出すのを防止している。
【0036】
次に、操作装置100の支持体3について説明する。支持体3は、図4に示すように、操作体11の回転軸11jの端部が当設される軸受け部3jと、操作体11の柱部11cが挿通されて柱部11cを案内する軸支持部3sと、軸支持部3sを押さえて安定させるための蓋部3uと、から主に構成されている。そして、この支持体3が、操作体11の回転が自在になるように操作体11(操作部材1)を支持している。
【0037】
また、支持体3の軸受け部3jは、図4に示すように、操作体11の回転軸11jと対向する側が凹形状となっている。そして、軸受け部3jは、操作装置100が組み立てられた際には、この軸受け部3jの凹形状部分に回転軸11jの端部が当接されて支持され、操作体11の回転動作が容易に行われることを許容している。
【0038】
また、支持体3の軸支持部3sは、中央部に貫通穴を有したリング形状をしており(図2を参照)、図4に示すように、回転負荷付与機構F5(後述する磁気発生機構FM5の第1ヨーク15の上ヨーク15A)の中央の上部に設けられた凹部(後述する図6(a)を参照)に収容されている。そして、操作体11の柱部11cが軸支持部3sの貫通穴に挿通されて、軸支持部3sが柱部11c(操作体11)を回転可能に支持している。
【0039】
また、支持体3の蓋部3uは、平板状で中央部に貫通穴を有した円形形状をしており(図2を参照)、図3(a)に示すように、回転負荷付与機構F5(上ヨーク15A)に載置されている。そして、軸支持部3sと同様に、操作体11の柱部11cが蓋部3uの貫通穴に挿通されている。なお、軸受け部3j、軸支持部3s及び蓋部3uは、操作体11と同様にして、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用い、射出成形されて作製されている。
【0040】
次に、操作装置100の回転負荷付与機構F5について説明する。図5は、図4に示すP部分の拡大断面図である。図6(a)は、回転負荷付与機構F5の上方斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示すY2側から見た正面図である。図7(a)は、図6に示す第2ヨーク25を省略した下方斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に示す可動部材55を更に省略した下方斜視図である。
【0041】
回転負荷付与機構F5は、図4に示すように、回転軸11jと係合して回転動作する可動部材55と、図5に示すように、可動部材55と隙間5gを挟んで一方側に対向する磁気発生機構FM5と、この隙間5gに存在する磁気粘性流体75と、を備えて構成されている。更に、回転負荷付与機構F5の磁気発生機構FM5は、図6(a)に示すような円柱形状を呈し、図5に示すように、通電により磁界を発生させるコイル35と、コイル35を囲むように設けられた第1ヨーク15と、可動部材55と隙間5gを挟んで他方側に対向する第2ヨーク25と、コイル35への通電を制御する操作制御部(図示していない)と、を有して構成されている。そして、回転負荷付与機構F5は、操作者による回転操作を受けて、操作体11に回転負荷付与機構F5からの負荷を与えることにより、操作者に対して操作部材1の操作部(操作ノブや操作つまみ等)へ回転負荷を付与するように構成されている。
【0042】
先ず、回転負荷付与機構F5の磁気発生機構FM5について説明する。磁気発生機構FM5のコイル35は、金属線材が環状に巻回されて形成されており、図4に示すように、可動部材55の一方側(図4に示すZ1側)に配設されている。そして、このコイル35に通電することにより、コイル35の周囲に磁界が発生するようになる。なお、コイル35は、金属線材が巻回されて束ねられた形状となっているが、図2では、簡略化して、表面を平坦にして示している。
【0043】
次に、磁気発生機構FM5の第1ヨーク15は、図4に示すように、コイル35を囲むようにして設けられ、コイル35の一方側(図4に示すZ1側)とコイル35の内側側壁(環状形状の中心側の側壁)とを覆う上ヨーク15Aと、コイル35の外側側壁とコイル35の他方側(図4に示すZ2側)の一部とを覆う横ヨーク15Bと、コイル35の他方側の一部を覆う下ヨーク15Cと、を有して構成されている。そして、第1ヨーク15は、図5に示すように、可動部材55の一方側に配設されて、横ヨーク15Bの一部及び下ヨーク15Cが可動部材55と隙間5g(第1隙間5ga、図5を参照)を挟んで対向している。この第1ヨーク15により、コイル35から発生する磁束が閉じ込められ、効率的に可動部材55側に磁界が作用することとなる。
【0044】
また、第1ヨーク15は、図4及び図7(b)に示すように、可動部材55と対向する側において、横ヨーク15Bと下ヨーク15Cとで形成されたスリット15s(ヨークスリット)を有しており、第1ヨーク15の可動部材55と対向する側が分割された形状となっている。ここで、可動部材55と対向している横ヨーク15Bの部分を、第1ヨーク15の第1対向部TB5とし、可動部材55と対向している下ヨーク15Cの部分を、第2対向部TC5としている。また、図4及び図5に示すように、このスリット15s幅は、第1ヨーク15と可動部材55との隙間5g(第1隙間5ga)より狭くなっている。これにより、コイル35への通電により磁界が発生し、例えば第1ヨーク15の第1対向部TB5から第2対向部TC5にかけて磁路が可動部材55側に広がって形成されるようになる。
【0045】
また、本発明の第1実施形態では、第1ヨーク15のスリット15sの部分には、図7(b)に示すように、リング形状のスリットスペーサS57(図2を参照)が収納されている。このスリットスペーサS57は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて形成されており、第1ヨーク15(横ヨーク15B)の第1対向部TB5と第1ヨーク15(下ヨーク15C)の第2対向部TC5とを磁気回路においても分割している。なお、本発明の第1実施形態では、第1ヨーク15が、上ヨーク15A、横ヨーク15B及び下ヨーク15Cの3つの部品で構成されているが、これに限るものではなく、2つの部品或いは4つ以上の部品で構成されていても良い。
【0046】
次に、磁気発生機構FM5の第2ヨーク25は、図2に示すような円盤形状で形成されており、図4図5及び図6(b)に示すように、可動部材55の他方側に配設され、可動部材55と隙間5g(第2隙間5gb、図5を参照)を挟んで対向している。これにより、コイル35から発生した磁束が、第1ヨーク15の第1対向部TB5から第2ヨーク25に、第2ヨーク25から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて確実に貫くこととなる。このため、可動部材55の回転動作する方向(図6(a)に示すX−Y平面を横切る方向)と垂直な方向(図6(b)に示すX−Y平面に垂直なZ方向)に確実に磁路が形成される。
【0047】
また、第1ヨーク15(横ヨーク15B)の外周側と第2ヨーク25の外周側との間には、本体の側壁の一部を構成する側壁スペーサS17が設けられている。この側壁スペーサS17も、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて形成されており、第1ヨーク15(横ヨーク15B)と第2ヨーク25とを磁気回路において分割している。
【0048】
また、図4に示すように、第1ヨーク15と第2ヨーク25と側壁スペーサS17とで、操作体11の回転軸11jに沿った方向(図4に示すZ方向)と直交する方向(X−Y平面の方向)に狭い収容空間を形成している。この狭い収容空間に、回転負荷付与機構F5の可動部材55が配設されている。
【0049】
次に、磁気発生機構FM5の操作制御部は、集積回路(IC、integrated circuit)を用いており、コイル35への通電量、通電のタイミング等を制御している。具体的には、例えば、操作者の操作により回転操作がされた際に、操作体11の操作位置を検出する位置検出手段P6からの検出信号を受けて、操作制御部は、コイル35にある一定量の電流を流したり、操作体11の操作位置に応じて電流量を変化させたりしている。
【0050】
また、操作制御部は、図示していない回路基板に搭載されて、コイル35と電気的に接続されている。なお、操作制御部及び回路基板は、磁気発生機構FM5の近傍に好適に配設されているが、これに限るものではない。例えば、操作制御部は、フレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)等でコイル35と接続され、適用される製品の母基板(マザーボード)に搭載されていても良い。
【0051】
次に、回転負荷付与機構F5の可動部材55について説明する。可動部材55は、鉄等の軟磁性体から形成されており、図2に示すように、回転軸11jの回転中心を中心とした貫通穴を有した基部55dと、基部55dと一体に形成され回転中心を中心とした円盤形状の円盤部55eと、から構成されている。
【0052】
可動部材55の基部55dは、図4に示すように、操作体11のリング部11rの下部側で操作体11の回転軸11jと係合している。これにより、操作体11の両方向への回転動作に伴って、可動部材55の円盤部55eが両方向へ回転移動することとなる。
【0053】
可動部材55の円盤部55eは、操作装置100が組み立てられた際には、図4に示すように、上述した狭い収容空間に収容される。これにより、コイル35から発生した磁束が、第1ヨーク15の第1対向部TB5から可動部材55に、可動部材55から第2ヨーク25に、第2ヨーク25から可動部材55に、可動部材55から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて、確実に貫くこととなる。このため、可動部材55の回転動作する方向と垂直な方向により確実に磁路が形成される。
【0054】
また、円盤部55eには、図2及び図7(a)に示すように、回転軸11jの回転中心を中心とした仮想のリング形状を4つに分割した円弧形状の可動部スリット55sが形成されている。この可動部スリット55sは、図4及び図5に示すように、第1ヨーク15に設けられたスリット15sと対向した位置に設けられている。これにより、コイル35から発生した磁束が、可動部材55により閉じ込められることがなく、第1ヨーク15及び可動部材55を介して第2ヨーク25へ、第2ヨーク25から可動部材55を介して第1ヨーク15へと、確実に貫くことができるようになる。このことにより、第1ヨーク15から第2ヨーク25まで誘導されず上側の磁気粘性流体75や可動部材55だけを通るようにショートカットして第1ヨーク15へ(横ヨーク15Bから第2ヨーク25を介さず下ヨーク15Cへ)導かれる磁束を少なくすることができる。
【0055】
しかも、図5に示すように、可動部スリット55sの幅が第1ヨーク15のスリット15sの幅よりも小さいので、第1ヨーク15からの磁束の広がりを可動部材55で捕捉することができ、第2ヨーク25まで導くことができる。なお、可動部スリット55sの幅の中心位置とスリット15sの幅の中心位置とが一致するようにすると、より好適である。
【0056】
最後に、回転負荷付与機構F5の磁気粘性流体75について説明する。図8は、磁気粘性流体75について説明する模式図であって、図8(a)は、磁界が印加されていない状態の磁気粘性流体75の図であり、図8(b)は、磁界が印加されている状態の磁気粘性流体75の図である。なお、図8(b)には、説明を分かり易くするために磁界(磁束)の流れを2点鎖線で示している。
【0057】
磁気粘性流体75は、図8(a)に示すように、シリコーン樹脂等の合成樹脂有機溶剤等の溶質SV中に、鉄やフェライト等の磁性を有した微細な磁性粒子JRが分散した物質であって、一般的にMR流体(Magneto Rheological Fluid)と呼称されている。この磁気粘性流体75は、磁界の強さに応じて粘性が変化する特性を有しており、同じような磁性流体(Magnetic Fluid)とは区別されている。両者の形態の大きな違いは粉体の粒子径であり、MR流体の方が1μm〜1mm程度で、磁性流体の方が10nm〜1μm程度で、MR流体の方が磁性流体と比べて粒子径が100〜1000倍程度、大きくなっている。
【0058】
ここで、この磁気粘性流体75における“磁界の強さに応じて粘性が変化する”ことについて簡単に説明する。先ず、磁気粘性流体75に磁界がかかっていない場合、図8(a)に示すように、磁性粒子JRが不規則に溶質SV中に分散している。この際に、例えば可動部材55が回転動作する(図8(a)に示すZ方向に対して垂直な面(X−Y平面)での回転)と、比較的低い抵抗力を受けながら可動部材55が容易に回転動作する。
【0059】
次に、磁気発生機構FM5のコイル35に電流が流されて磁界が発生すると、図8(b)に示すように、磁気粘性流体75に対して作用する磁界に沿って(図8(b)ではZ方向に沿って)、磁性粒子JRが直鎖状に規則的に揃うようになる。なお、この規則性の度合いは、磁界の強さに応じて変化している。つまり、磁気粘性流体75に対して作用する磁界が強くなればなる程、規則性の度合いが強くなる。そして、この直鎖状に揃った磁性粒子JRの規則性を崩す方向に対して、より強いせん断力が働き、結果として、この方向に対しての粘性が強くなってくる。特に、作用した磁界に対して直交する方向(図8(b)ではX−Y平面方向)に最も高いせん断力が働いている。
【0060】
そして、このような通電状態(図8(b)に示す状態)で、可動部材55が回転動作すると、可動部材55に対して抵抗力が生じ、可動部材55に係合した操作体11に、この抵抗力(回転負荷)が伝達するようになる。これにより、回転負荷付与機構F5は、操作者に対して回転操作の回転負荷を付与することができる。その際に、操作制御部によりコイル35への通電量や通電のタイミング等を制御しているので、操作者に対して任意のタイミングで任意の回転負荷を自由に与えることができる。
【0061】
この“磁界の強さに応じて抵抗力(回転負荷)が強くなる”ことを検証した結果を図9に示す。図9は、磁気発生機構FM5のコイル35に流す電流と操作体11にかかるトルクとの関係の一例を表したグラフである。横軸は電流(A)で縦軸がトルク(Nm)である。このトルクは、操作体11にかかる抵抗力(回転負荷)に相当する。
【0062】
図9に示すように、磁気発生機構FM5のコイル35に流す電流を大きくすると、それに伴って発生する磁界が強くなり、この磁界の強さに伴ってトルク、つまり操作体11にかかる抵抗力(回転負荷)が増大するようになる。このようにして、磁気粘性流体75における“磁界の強さに応じて、粘性が変化して、抵抗力が強くなる”ことを利用して、操作体11(操作部材1)に可変の負荷をかけることができる。
【0063】
本発明の第1実施形態では、上述した特性を有した磁気粘性流体75を好適に用いている。そして、磁気粘性流体75は、図4に示すように、第1ヨーク15と可動部材55との隙間5g(第1隙間5ga、図5を参照)に配設され、特に、図5に示すように、第1ヨーク15の第1対向部TB5及び第2対向部TC5と可動部材55との隙間5gに充填されている。これにより、第1対向部TB5と可動部材55及び可動部材55と第2対向部TC5にかけて形成された磁束を横切る方向に回転動作する可動部材55に対して、磁気粘性流体75により回転負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び回転軸11jを介して操作体11に回転負荷がかかるようになる。従って、良好な操作感触が得られる操作装置100を提供することができる。
【0064】
しかも、本発明の第1実施形態では、図7(b)に示す第1対向部TB5における磁気粘性流体75に臨む第1対向面15rの面積と第2対向部TC5における磁気粘性流体75に臨む第2対向面15tの面積とが同じである。これにより、磁束の入口と出口とで磁束密度が同等になり、コイル35から発生した磁束を磁気粘性流体75の粘性の制御に効率的に作用させることができる。このことにより、可動部材55に対して均等に回転負荷を付与することができ、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0065】
更に、本発明の第1実施形態では、可動部材55と第2ヨーク25との隙間5g(第2隙間5gb)にも磁気粘性流体75が充填されている。ここに充填された磁気粘性流体75にも、第1ヨーク15の第1対向部TB5から可動部材55を介して第2ヨーク25に、第2ヨーク25から可動部材55を介して第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて形成された磁束が作用することとなる。このため、可動部材55の回転動作する方向と垂直な方向に磁性粒子JRを揃えることができ、より強い回転負荷をかけることができる。このことにより、更なる回転負荷を付与することができ、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0066】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置100は、操作部材1の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与する方法として、従来例1のようにモータ810を用いていないので、小型化が図れるとともに、消費電力を低減することができる。しかも、外力(力覚)が付与される際の音も生じることがない。
【0067】
最後に、本発明の第1実施形態の操作装置100における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0068】
本発明の第1実施形態の操作装置100は、操作体11の回転軸11jと係合して回転動作する可動部材55と、可動部材55の一方側に第1ヨーク15を配設し、第1ヨーク15が可動部材55と対向する側にスリット15s(ヨークスリット)で分割された第1対向部TB5と第2対向部TC5を有し、第1対向部TB5及び第2対向部TC5と可動部材55との隙間5g(第1隙間5ga)に磁気粘性流体75が充填されている構成とした。これにより、コイル35への通電により磁界が発生し、第1ヨーク15の第1対向部TB5から第2対向部TC5にかけて磁路が可動部材側に広がって形成されて、磁気粘性流体75における磁性粒子JRが磁束に沿って揃うこととなる。このため、第1対向部TB5と可動部材55及び可動部材55と第2対向部TC5にかけて形成された磁束を横切る方向に回転動作する可動部材55に対して、磁気粘性流体75により回転負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び回転軸11jを介して操作体11に回転負荷がかかるようになる。従って、良好な操作感触が得られる操作装置100を提供することができる。
【0069】
また、第1対向部TB5の第1対向面15rの面積と第2対向部TC5の第2対向面15tの面積とが同じであるので、磁束の入口と出口とで磁束密度が同等になり、コイル35から発生した磁束を磁気粘性流体75の粘性の制御に効率的に作用させることができる。このことにより、可動部材55に対して均等に回転負荷を付与することができ、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0070】
また、可動部材55が軟磁性体からなるので、第1ヨーク15の第1対向部TB5から可動部材55に、可動部材55から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて磁路が確実に形成されて、磁気粘性流体75における磁性粒子JRが第1ヨーク15と可動部材55と互いに対向する対向面方向(図4に示すZ方向)に揃うこととなる。このため、磁性粒子JRが揃った対向面方向を横切る方向に回転動作する可動部材55に対して、より強い回転負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び回転軸11jを介して操作体11により強い回転負荷がかかるようになり、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0071】
また、磁気発生機構FM5が可動部材55の他方側に対向して配設された第2ヨーク25を有するので、第1ヨーク15の第1対向部TB5から第2ヨーク25に、第2ヨーク25から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて磁路が確実に形成される。このため、可動部材55の回転動作する方向と垂直な方向に磁性粒子JRを揃えることができ、より強い回転負荷をかけることができる。このことにより、可動部材55及び回転軸11jを介してより強い回転負荷を操作体11にかけることができる。
【0072】
また、可動部材55と第2ヨーク25との隙間5g(第2隙間5gb)に磁気粘性流体75が充填されているので、磁束を横切る方向に回転動作する可動部材55に対して、更なる回転負荷を付与することができる。このことにより、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0073】
また、可動部材55が軟磁性体からなり、可動部材55には第1ヨーク15のスリット15s(ヨークスリット)と対向した位置に可動部スリット55sが設けられているので、コイル35から発生した磁束が、可動部材55により閉じ込められることがなく、第1ヨーク15及び可動部材55を介して第2ヨーク25へ、第2ヨーク25から可動部材55を介して第1ヨーク15へと、確実に貫くことができるようになる。このため、第1ヨーク15から第2ヨーク25まで誘導されず上側の磁気粘性流体75や可動部材55だけを通るようにショートカットして第1ヨーク15へ導かれる(横ヨーク15Bから第2ヨーク25を介さず下ヨーク15Cへ)磁束を少なくすることができ、コイル35から発生した磁界を磁気粘性流体75に作用させることができる。
【0074】
また、可動部スリット55sの幅が第1ヨーク15のスリット15sの幅よりも小さいので、第1ヨーク15からの磁束の広がりを可動部材55で捕捉することができ、第2ヨーク25まで導くことができる。このことにより、コイル35が発生した磁界を磁気粘性流体75により確実に作用させることができる。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0076】
<変形例1>
上記第1実施形態では、可動部材55が収容される収容空間(第1ヨーク15と第2ヨーク25と側壁スペーサS17とで形成した収容空間)を満たすように磁気粘性流体75が充填されていたが、これに限るものではなく、磁気粘性流体75が隙間5gの少なくとも一部に存在していれば良い。
【0077】
<変形例2>
上記第1実施形態では、可動部材55が好適に軟磁性体から形成されていたが、これに限るものではなく、合成樹脂等の非磁性体であっても良い。
【0078】
<変形例3>
上記第1実施形態では、可動部材55が円盤形状を有して構成されていたが、これに限るものではなく、例えば矩形状や多角形形状であっても良い。
【0079】
<変形例4>
上記第1実施形態では、軟磁性体からなる可動部材55に可動部スリット55sを設けた構成であったが、可動部スリット55sを設けない構成でも良い。その際には、可動部材55を非磁性体とするのが好適である。
【0080】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 操作部材
11 操作体
11j 回転軸
3 支持体
F5 回転負荷付与機構
FM5 磁気発生機構
15 第1ヨーク
TB5 第1対向部
TC5 第2対向部
15r 第1対向面
15t 第2対向面
15s スリット
25 第2ヨーク
5g 隙間
5ga 第1隙間
5gb 第2隙間
35 コイル
55 可動部材
55s 可動部スリット
75 磁気粘性流体
100 操作装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11