【実施例】
【0094】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0095】
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
【0096】
NMRデータは特に記載しない限り、
1H−NMRのデータである。
【0097】
NMRの箇所に示されているカッコ内は測定に使用した溶媒を示す。
【0098】
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、Advanced Chemistry Development社のACD/Name(登録商標)を用いるか、または、IUPAC命名法に準じて命名したものである。
【0099】
実施例1:4−[(6−クロロ−3−ピリジニル)オキシ]−6,7−ジメトキシキノリン
窒素気流下、100mLの4つ口フラスコに、4−クロロ−6,7−ジメトキシキノリン(1.00g)(CAS登録番号:35654-56-9)のクロロベンゼン(9mL)溶液、6−クロロピリジン−3−オール(0.65g)、トリエチルアミン(11.3mL)を加え、バス温(140℃)で5日間撹拌した。室温まで放冷した後、水、酢酸エチルを加えて分液した。水層を酢酸エチルで再度抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:8)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(1.16g)を得た。
TLC:Rf 0.22 (ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 8.52, 8.48, 7.87 - 7.85, 7.66, 7.49, 7.43, 6.65, 3.95, 3.93。
【0100】
実施例2:5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジナミン
窒素気流下、200mLの4つ口フラスコに、実施例1で製造した化合物(1.15g)のテトラヒドロフラン(THF)(18mL)溶液、1.0mol/Lのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHDMS)(5.45mL)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム錯体(0.19g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(0.15g)を加え、バス温(80℃)で16.5時間撹拌した。さらに6mol/Lの塩酸(10mL)を加え、バス温(80℃)で2時間撹拌した。室温まで放冷後、飽和重炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加えて分液した。水層を酢酸エチルで再度抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=9:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(0.80g)を得た。
TLC:Rf 0.51 (酢酸エチル:メタノール=4:1);
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 8.45, 7.89, 7.51, 7.38 - 7.36, 6.56, 6.42, 6.05, 3.94。
【0101】
実施例3:エチル 2,5−ジオキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−2H−クロメン−3−カルボキシラート
室温において1,3−シクロヘキサンジオン(CAS登録番号:504-02-9)(13.25g)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200mL)に溶解し、tert−ブトキシカリウム(13.26g)、エチル (E)−2−シアノ−3−エトキシ−2−プロペノエート(CAS登録番号:94-05-3)(20.00g)を加え、21時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、2mol/Lの塩酸水溶液を加え撹拌した。さらに酢酸エチル、水を加え有機層を抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、下記物性値を有する標題化合物(23.62g)を得た。
TLC:Rf 0.35 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1H-NMR (CDCl
3):δ 1.37, 2.19, 2.61, 2.92, 4.36, 8.63。
【0102】
実施例4:2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボン酸
室温において実施例3で製造した化合物(10.00g)をエタノール(200mL)に溶解し、アニリン(3.94g)を加え、6時間撹拌した。反応液中から析出した固体を桐山ロートでろ取、エタノールで洗浄し、得られた残渣を60℃で減圧乾燥した。下記物性値を有する標題化合物(4.01g)を得た。
TLC:Rf 0.37 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl
3):δ 2.11, 2.60, 7.25, 7.63, 9.21。
【0103】
実施例5:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド(化合物A)
【化9】
室温において実施例4で製造した化合物(105mg)、およびO−(7−アザ−1−ベンゾトリアゾリル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(192mg)をDMF(2mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(0.17mL)、および実施例2で製造した化合物(100mg)を加え、21時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:70→0:100→酢酸エチル:メタノール=70:30)によって精製し、下記物性値を有する標題化合物(116mg)を得た。
TLC:Rf 0.76 (酢酸エチル:メタノール=5:1);
1H-NMR (CDCl
3):δ 2.13, 2.60, 4.05, 6.44, 7.25, 7.42, 7.53, 7.63, 8.22, 8.48, 8.51, 9.32, 11.93。
【0104】
実施例5(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド(C型結晶)
1.5mLのバイアルに実施例5で製造した化合物A(10mg)を入れ、17%含水アセトニトリル(0.9mL)を加えて60〜80℃で撹拌した。この反応液を室温まで冷却して、得られた結晶をろ取、室温で一晩乾燥することで、標題化合物(4mg)を白色結晶として得た。
【0105】
実施例5(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド(D型結晶)
10mLの試験管に実施例5に準ずる方法で製造した化合物A(60mg)を入れ、アセトニトリル(3mL)を加えて60〜80℃で撹拌した。この反応液を室温まで冷却して、得られた結晶をろ取、室温で一晩乾燥することで、標題化合物(15mg)を白色結晶として得た。
【0106】
実施例5(3):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド(E型結晶)
1.5mLのバイアルに実施例5で製造した化合物A(10mg)を入れ、33%含水アセトン(0.75mL)を加えて45〜55℃で撹拌した。この反応液を室温まで冷却して、得られた結晶をろ取、室温で一晩乾燥することで、標題化合物(3mg)を白色結晶として得た。
図18の結果から、55〜70℃付近で、結晶構造変化に伴う、脱水に伴う吸熱ピーク、およびX線回折スペクトルチャートにおけるパターンの変化が認められ、本実施例化合物は、化合物Aの水和物である可能性が示唆された。
【0107】
実施例5(4):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド(F型結晶)
実施例5と同様の手順で製造した化合物A(23.7g)にアセトン(80mL)を加えて40℃で1時間撹拌した後ろ取して得られた粉末にメタノール(120mL)を加えて60℃で1時間撹拌した。放冷後、得られた結晶をろ取、80℃で一晩乾燥することで、標題化合物(21.4g)を白色結晶として得た。
【0108】
実施例5(5):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド(G型結晶)
1.5mLのバイアルに実施例5(4)で製造した化合物(10mg)を入れ、33%含水アセトン(0.75mL)を加えて45〜55℃で撹拌した。この反応液を室温まで冷却して、得られた結晶をろ取、室温で一晩乾燥することで、標題化合物(7mg)を白色結晶として得た。
【0109】
実施例5(6):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド(H型結晶)
10mLの試験管に実施例5(4)で製造した化合物(60mg)を入れ、アセトニトリル(3mL)を加えて60〜80℃で撹拌した。この反応液を室温まで冷却して、得られた結晶をろ取、室温で一晩乾燥することで、標題化合物(40mg)を白色結晶として得た。
【0110】
実施例6:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンスルホン酸塩
50mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(9g)を入れ、アセトン(270mL)を加えて40〜50℃で撹拌した。この反応液にエタンスルホン酸(1.31mL)を加えて撹拌し、得られた結晶をろ取、60℃で一晩乾燥することで、下記物性値を有する標題化合物(11g)を白色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.04, 1.93 - 2.05, 2.36, 2.45 - 2.59, 4.02, 4.03, 7.01, 7.43 - 7.50, 7.53, 7.57 - 7.69, 7.74, 7.99, 8.44 - 8.53, 8.81, 8.98, 12.04。
【0111】
実施例7:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド 塩酸塩(C型結晶)
50mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(0.5g)を入れ、アセトニトリル(80mL)を加えて、15〜25℃で撹拌した。この反応液に2mol/Lの塩酸水溶液(0.93mL)を加えて撹拌した。溶媒を減圧留去、75℃で一晩乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(0.53g)を白色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.93 - 2.06, 2.46 - 2.55, 4.02, 4.04, 6.99, 7.44 - 7.50, 7.57, 7.58 - 7.69, 7.75, 8.00, 8.45 - 8.53, 8.81, 8.99, 12.05。
【0112】
実施例7(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド 塩酸塩
実施例5で製造した化合物を、溶媒(例えば、ジオキサン)または混合溶媒(例えば、アセトニトリルと水の混合溶媒)ならびに塩酸水溶液または有機溶媒溶液に加え、25〜90℃にした後、溶媒を減圧留去、乾燥することで、標題化合物を非晶質として得た。
【0113】
実施例7(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド 塩酸塩(D型結晶)
10mLの試験管に実施例7(1)で製造した化合物(40mg)を入れ、メタノール(1.2mL)を加えて40〜60℃で撹拌した。この反応液を室温まで冷却して、得られた結晶をろ取し、60℃で一晩乾燥することで、標題化合物(10mg)を白色結晶として得た。
【0114】
実施例7(3):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド 塩酸塩(B型結晶)
10mLの試験管に実施例7(1)で製造した化合物(5mg)を入れ、アセトン(0.6mL)を加えて40〜60℃で撹拌した。この反応液を室温まで冷却して、得られた結晶をろ取し、60℃で一晩乾燥することで、標題化合物(3mg)を白色結晶として得た。
【0115】
実施例8:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド メタンスルホン酸塩(A型結晶)
10mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(100mg)を入れ、アセトン(3mL)を加えて、40〜55℃で撹拌した。この反応液にメタンスルホン酸(12μL)を加えて撹拌し、得られた結晶をろ取、75℃で一晩乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(112mg)を白色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.94 - 2.06, 2.31, 2.47 - 2.55, 4.03, 4.05, 7.04, 7.44 - 7.51, 7.55, 7.58 - 7.70, 7.76, 8.01, 8.46 - 8.54, 8.84, 8.99, 12.05。
【0116】
実施例8(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド メタンスルホン酸塩(B型結晶)
実施例8で製造した化合物を混合溶媒(例えば、メタノールとジオキサンの混合溶媒)に加え、40〜80℃で溶解し、その後冷却し、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0117】
実施例8(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド メタンスルホン酸塩(C型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、メタンスルホン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば、メタノール)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0118】
実施例9:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩(C型結晶)
300mLのフラスコに実施例5で製造した化合物(5g)を入れ、アセトン(135mL)を加えて、40〜55℃で撹拌した。この反応液にp−トルエンスルホン酸一水和物(1.86g)のアセトン(15mL)溶液を加えて撹拌した。得られた結晶をろ取、乾燥することにより、粗結晶を得た。この粗結晶(1g)に10%含水アセトン(12mL)を加え、40〜55℃で撹拌した。得られた結晶をろ取、75℃で一晩乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(0.7g)を白色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.93 - 2.06, 2.28, 2.40 - 2.59, 4.03, 4.04, 7.02, 7.10, 7.43 - 7.50, 7.52, 7.56 - 7.69, 7.76, 8.00, 8.45 - 8.53, 8.83, 8.99, 12.05。
【0119】
実施例9(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩(A型結晶)
実施例9で製造した化合物を混合溶媒(例えば、テトラヒドロフランと水の混合溶媒)に加え、50〜70℃で溶解し、その後冷却し、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0120】
実施例9(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩(B型結晶)
実施例5で製造した化合物Aに溶媒(例えば、アセトン)、p−トルエンスルホン酸一水和物を加えて30〜50℃に加温して撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0121】
実施例9(3):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩(G型結晶)
実施例9で製造した化合物を混合溶媒(例えば、エタノールと水の混合溶媒)に加え、60〜80℃に加温して12時間以上撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0122】
実施例9(4):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩(H型結晶)
実施例5で製造した化合物Aに混合溶媒(例えば、アセトンと水の混合溶媒)、p−トルエンスルホン酸一水和物を加えて30〜50℃で溶解し、その後冷却し、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0123】
実施例10:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド 硫酸塩(A型結晶)
100mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(0.9g)を入れ、アセトン(27mL)を加えて、40〜55℃で撹拌した。この反応液に0.25mol/Lの硫酸水溶液(370μL)を加えて撹拌し、得られた結晶をろ取、75℃で一晩乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(107mg)を白色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)+;
1H−NMR(DMSO−d6):δ 1.94−2.06,2.41−2.61,4.00−4.08,6.98−7.05,7.43−7.55,7.57−7.70,7.73−7.78,7.96−8.04,8.44−8.54,
【0124】
実施例10(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド 硫酸塩(B型結晶)
実施例10で製造した化合物を混合溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドと水の混合溶媒)に加え70〜90℃で溶解し、その後冷却し、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0125】
実施例10(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド 硫酸塩(C型結晶)
実施例5で製造した化合物Aに溶媒(例えば、アセトン)、硫酸を加えて30〜50℃に加温して撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0126】
実施例11:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド リン酸塩(A型結晶)
10mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(0.10g)を入れ、アセトン(3mL)および85%リン酸(22mg)を加えて、40〜55℃で撹拌し、得られた結晶をろ取、90℃で1時間乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(0.11g)を白色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.95 - 2.04, 2.47 - 2.56, 3.93, 3.95, 6.55, 7.41, 7.45 - 7.49, 7.52, 7.56 - 7.68, 7.87, 8.34 - 8.37, 8.40 - 8.45, 8.49, 8.98, 11.97。
【0127】
実施例11(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド リン酸塩(B型結晶)
実施例5で製造した化合物Aに溶媒(例えば、メタノール)、リン酸を加えて30〜50℃に加温して撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0128】
実施例11(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド リン酸塩(C型結晶)
実施例5で製造した化合物Aに溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)、リン酸を加えて40〜60℃に加温して撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0129】
実施例11(3):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド リン酸塩(D型結晶)
実施例5で製造した化合物Aに溶媒(例えば、2−プロパノール)、リン酸を加えて60〜80℃に加温して撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0130】
実施例11(4):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド リン酸塩(E型結晶)
実施例5で製造した化合物Aに溶媒(例えば、エタノール)、リン酸を加えて50〜70℃に加温して撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0131】
実施例12:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド ベンゼンスルホン酸塩(A型結晶)
10mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(0.10g)を入れ、アセトン(3mL)およびベンゼンスルホン酸(30mg)を加えて40〜55℃で撹拌し、得られた結晶をろ取、90℃で1時間乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(0.11g)を白色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.95 - 2.05, 2.47 - 2.56, 4.03, 4.05, 7.04, 7.28 - 7.34 , 7.45 - 7.49, 7.53, 7.57 - 7.62, 7.62 - 7.68, 7.77, 8.01, 8.47 - 8.52, 8.84, 9.00, 12.06。
【0132】
実施例12(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド ベンゼンスルホン酸塩(B型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、ベンゼンスルホン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば、エタノール)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0133】
実施例12(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド ベンゼンスルホン酸塩(C型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、ベンゼンスルホン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0134】
実施例12(3):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド ベンゼンスルホン酸塩(D型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、ベンゼンスルホン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば,アセトニトリル)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0135】
実施例13:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンジスルホン酸塩(A型結晶)
30mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(0.8g)を入れ、アセトン(24mL)およびエタンジスルホン酸(386mg)のアセトン(2mL)溶液を加えて40〜55℃で撹拌し、得られた結晶をろ取、90℃で一晩乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(1.1g)を淡黄褐色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.94 - 2.06, 2.45 - 2.55, 2.68, 4.04, 4.06, 7.08, 7.44 - 7.50, 7.56 - 7.70, 7.78, 8.02, 8.47 - 8.53, 8.87, 8.99, 12.06。
【0136】
実施例13(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンジスルホン酸塩(B型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、エタンジスルホン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば,アセトニトリル)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0137】
実施例13(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンジスルホン酸塩(C型結晶)
実施例13で製造した化合物を溶媒(例えば、酢酸エチル)に加え、60〜80℃で加温し、20分以上撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0138】
実施例13(3):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンジスルホン酸塩(D型結晶)
実施例13で製造した化合物を溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド)に加え、60〜80℃で加温し、20分以上撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0139】
実施例13(4):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンジスルホン酸塩(E型結晶)
実施例13で製造した化合物を溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)に加え、40〜60℃で加温し、20分以上撹拌した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0140】
実施例14:N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド イセチオン酸塩(A型結晶)
100mLのフラスコに実施例5で製造した化合物A(0.3g)を入れ、アセトニトリル(48mL)、イセチオン酸(96mg)および水(3mL)を加えて、室温で撹拌した。この反応液をろ過し、ろ液を濃縮し、少量のアセトニトリルを加えてさらに濃縮した後、室温で一晩乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(375mg)を淡黄色結晶として得た。
LC−MS:563(M+H)
+;
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 1.95 - 2.06, 2.47 - 2.53, 2.60, 3.62, 4.03, 4.05, 7.02, 7.44 - 7.50, 7.53, 7.56 - 7.69, 7.76, 8.00, 8.46 - 8.53, 8.83, 9.00, 12.05。
【0141】
実施例14(1):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド イセチオン酸塩(B型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、イセチオン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば,エタノール)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0142】
実施例14(2):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド イセチオン酸塩(C型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、イセチオン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば,アセトニトリル)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0143】
実施例14(3):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド イセチオン酸塩(D型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、イセチオン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えばメタノール)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0144】
実施例14(4):N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド イセチオン酸塩(E型結晶)
実施例5で製造した化合物Aを溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、イセチオン酸を加えた後、溶媒を濃縮し、残渣に溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)を加えて30〜50℃に加温して4時間静置した後、生成した結晶を単離、乾燥することにより、標題化合物を結晶として得た。
【0145】
[実験例]
以下に物理化学的実験例を示し、これらの実験方法に基づいて、本発明化合物の効果を確認した。
【0146】
物理化学的実施例1:吸湿性(DVS)評価
実施例で製造した化合物Aの各種酸付加塩(実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、実施例13および実施例14)と本発明化合物(実施例6)について、吸湿性評価を行った。前記[化合物Aの酸付加塩の検討][3]で示した測定条件にしたがって吸湿性評価を行った。10%毎に設定した相対湿度における試料の重量が平衡になった後に試料重量を記録した。乾燥後、相対湿度0%における重量を基準に変化量(%)に換算した。その結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0147】
その結果、化合物Aの各種酸付加塩の中でも、本発明化合物、すなわち化合物Aのエタンスルホン酸塩のみが吸湿に伴う重量変化率がより小さく、医薬品原薬として安定性が高く有用であることが分かった。
【0148】
物理化学的実施例2:光安定性評価
(1)原薬の安定性評価
実施例6で製造した化合物Aのエタンスルホン酸塩、および実施例9で製造した化合物Aのp−トルエンスルホン酸塩について、光安定性評価を行った。各酸付加塩をラボチューブに約1.8〜2.2mg秤量し、プラスチック製のキャップをしてパラフィルムを巻いた。透明ラボチューブに入れたものを曝光サンプル、褐色ラボチューブに入れたものを遮光サンプル、褐色ラボチューブに入れたものをさらにアルミホイルを覆ったものをアルミ箔完全遮光サンプルとした。各サンプルは、25℃の条件下、2500LuxのD65ランプ下に20日間曝すことで,総照度として120万Lux・h以上、および総近紫外放射エネルギーとして200W・h/m
2以上の光に曝した。
【0149】
(測定条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215nm)、
カラム:Imtakt Unison UK-C18(3μm、内径4.6mm×150mm)、
カラム温度:40℃、
移動相:A液:20mM KH
2PO
4aq.(pH3.0)、B液:CH
3CN、
A/B=80/20(0分)→20/80(60分)、
流速:1.0 mL/分、
面積測定範囲:60分
注入量:5μL、
試料濃度:0.5mg/mL。
【0150】
光に曝していない−20℃保存の化合物Aのエタンスルホン酸塩と化合物Aのp−トルエンスルホン酸塩、および上記光安定性試験に付した化合物Aの各酸付加塩の面積百分率を上記測定条件下で算出した。次に、化合物Aの各酸付加塩について、光に曝していない−20℃保存の化合物Aの酸付加塩の面積百分率の割合(20日間光に曝した化合物Aの酸付加塩の面積百分率/光に曝していない−20℃保存の化合物Aの酸付加塩の面積百分率×100)を各化合物の残存率として算出した。その結果を表4に示す。
【表4】
【0151】
(2)簡易製剤の安定性評価
実施例6で製造した化合物Aのエタンスルホン酸塩、および実施例9で製造した化合物Aのp−トルエンスルホン酸塩について、化合物Aの各酸付加塩をセオラス(登録商標)PH−301(旭化成株式会社)と混合比=1:5(重量比)の配合割合で薬包紙上スパーテルで混合し、簡易製剤を作製した。簡易製剤をラボチューブに約3mg秤量し、プラスチック性のキャップをしてパラフィルムを巻いた。以下、化合物の曝光条件、測定条件は上記(1)の原薬の安定性評価に準じて行った。その結果を表5に示す。
【表5】
【0152】
以上の結果より、化合物Aのエタンスルホン酸塩は、化合物Aのp−トルエンスルホン酸塩に比べて光に対する安定性も優れていることがわかった。
【0153】
[製剤例]
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得られる。
・N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンスルホン酸塩 … 100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) … 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) … 10g
・微結晶セルロース … 870g
【0154】
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得られる。
・N−{5−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリニル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,5−ジオキソ−1−フェニル−1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3−キノリンカルボキサミド エタンスルホン酸塩 …200g
・マンニトール … 20g
・蒸留水 … 50L