(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6605778
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】細胞透過ペプチド
(51)【国際特許分類】
C07K 14/415 20060101AFI20191031BHJP
C07K 7/08 20060101ALI20191031BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20191031BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20191031BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
C07K14/415
C07K7/08
C12N15/63 ZZNA
C07K19/00
C12N15/09 Z
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-503884(P2019-503884)
(86)(22)【出願日】2017年4月7日
(65)【公表番号】特表2019-513835(P2019-513835A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】KR2017003803
(87)【国際公開番号】WO2017176081
(87)【国際公開日】20171012
【審査請求日】2018年10月5日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0042730
(32)【優先日】2016年4月7日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0108409
(32)【優先日】2016年8月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518355261
【氏名又は名称】ネオレーゲン バイオテック
【氏名又は名称原語表記】NEOREGEN BIOTECH
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ジョン ミン
【審査官】
金田 康平
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/075747(WO,A1)
【文献】
特表2016−501829(JP,A)
【文献】
ACSNANO,2014年,Vol. 8, No. 3,pp. 1972-1994
【文献】
UniprotKB,[online],2010年 8月10日,Accession No. D7M5X9, [retrieved on [2019-09-20], Retrieved from the Internet,URL,http://www.uniprot.org/uniprot/D7M5X9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15/00−15/90
C07K 1/00−19/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPI(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列を含む細胞透過性ペプチド。
【請求項2】
前記細胞透過性ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列からなる請求項1に記載の細胞透過性ペプチド。
【請求項3】
前記細胞透過性ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなる請求項1に記載の細胞透過性ペプチド。
【請求項4】
前記細胞透過性ペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列からなる請求項1に記載の細胞透過性ペプチド。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記細胞透過ペプチドと、そのN−末端またはC−末端に融合したカーゴを含む組換えカーゴ。
【請求項6】
前記カーゴは、配列番号5のアミノ酸配列を含むp53Cペプチドである請求項5に記載の組換えカーゴ。
【請求項7】
前記組換えカーゴは、配列番号6のアミノ酸配列を含む請求項6に記載の組換えカーゴ。
【請求項8】
前記カーゴは、配列番号8のアミノ酸配列を含むペプチドである請求項5に記載の組換えカーゴ。
【請求項9】
前記組換えカーゴは、配列番号9のアミノ酸配列を含む請求項5に記載の組換えカーゴ。
【請求項10】
請求項5に記載の前記組換えカーゴを含む細胞透過用組成物。
【請求項11】
請求項5に記載の前記組換えカーゴを含む組換え発現ベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来のタンパク質内で発見した細胞透過ペプチドに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞膜を透過できる性質を持つペプチドである、細胞膜透過能を有するペプチド(cell-penetrating peptide;CPP)は、通常30個以下のアミノ酸で構成されており、二重脂質膜を自由に通過する性質を有することが知られている。CPPは、PTD(protein-transduction domains)、MTS(membrane-translocating sequences)とも呼ばれるが、輸送対象体に結合された形態または混合された形態で細胞膜を通過し、タンパク質、DNA、RNAなどの運搬対象を細胞内にだけでなく、細胞質、細胞内小器官、核の中にまで運ぶことができる。
【0003】
高等動物の細胞膜は、リン脂質二重層(phospholipid bilayer)で構成されており、この脂質二重層(lipid bilayer)が持っている疎水性により、殆どのペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、リポソームなどが細胞内に移動することは殆ど不可能である。このため、細胞膜は、ペプチドやタンパク質、あるいは化合物製剤の薬物や遺伝子治療剤を細胞内に移動させるのに障害物になっていると言える。これを克服するために、陽イオン性脂質(cationic lipid)またはPEI(polyethyleneimine)を用いるか、若しくはウイルスベクター(viral vector)または電気穿孔法(electroporation)を用いる方法などが多用されている。
【0004】
しかし、これらの方法は、低い効率、適用可能な細胞の制限、細胞内の毒性などから限界がある。この限界を克服するために、最近では細胞透過ペプチドを使用する試みが盛んに行われている。
【0005】
CPPは、細胞膜に反応してエンドサイトーシス(endocytosis)または直接細胞膜を透過できる性質を持っているオリゴペプチドであり、細胞膜を透過できる電気化学的及び物理化学的な特性を有する。
【0006】
CPPは、輸送タンパク質(translocatory protein)の一部であり、代表的には、ヒト繊維芽細胞成長因子(human fibroblast growth factor)4のシグナルペプチド(signal sequence)に存在する疎水性部分(hydrophobic region)であるMTS(membrane translocating sequence)と、HIVのウイルスタンパク質(viral protein)の一つであるTatタンパク質のTat−PTD(basic amino acid domain)が挙げられる。
【0007】
その他にも、多くのCPPが報告されて商業化されているが、細胞膜を通過して物質を細胞内に移動する程度が細胞特異的なものが多く、その効果も高くない。特に、セラム(serum)や血清が存在する環境では、細胞膜を通過する透過効率が半分程度に減少する。このため、機能性タンパク質やDNA、RNAを細胞内に運ぶのに細胞特異性がなく、且つセラムの存在下でもその効率が高いCPPの開発が求められている。
【0008】
CPPの開発による利点は、細胞分化、細胞特性の維持、または組織及び器官の機能調節に必要な様々な形態の調節物質を効率的に細胞内に導入できることである。特に、アクティブ期間が非常に限られているタンパク質を細胞内に容易に移動させることで、所期の目的を、予想される危険性なしに処置できる非常に有用な媒介物である。さらに、組換えの形態、または対象物と混合された形態で細胞内に対象物をトランスフェクション(transfection)できる利点がある。しかし、理論的に又はいくつかの実験により証明されているが、前述のように、従来のCPPが持つ限界が問題になっている。つまり、細胞特異的に物質の移動効率が異なることと、遺伝子組換えに用いられている他の方法に比べて効率が落ちる問題がある。最近では、このような問題点を克服でき、且つ副作用のない伝達媒介物に関する研究が盛んに行われている。
【0009】
したがって、従来知られている細胞透過ペプチドよりもその効率に優れた細胞透過能の良い候補を確保して融合タンパク質に適用すること、及びそのアミノ酸配列について技術的優位を確保することは非常に重要であると言える。
【0010】
本発明者は、細胞分化、細胞特性の維持、または組織及び器官の機能調節に必要な様々な形態の調節物質を効率よく伝達できる伝達媒介物を見つけるために、新規なCPPを見つけ、それによって、従来の伝達物質が持つ問題点を克服できることを確認し、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、細胞透過効率に優れた細胞透過ペプチドを提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、前記細胞透過ペプチドを含む組換えカーゴを提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、前記組換えカーゴを含む細胞透過用組成物を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、前記細胞透過ペプチドまたは組換えカーゴを含む遺伝子コンストラクト、及びそれを含む発現ベクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1.配列番号1のアミノ酸配列を含む細胞透過性ペプチド。
【0016】
2.前記項目1において、前記細胞透過ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列からなる細胞透過ペプチド。
【0017】
3.前記項目1において、前記細胞透過ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなる細胞透過ペプチド。
【0018】
4.前記項目1において、前記細胞透過ペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列からなる細胞透過ペプチド。
【0019】
5.前記項目1〜4のいずれか一項に記載の前記細胞透過ペプチドと、そのN−末端またはC−末端に融合したカーゴとを含む組換えカーゴ。
【0020】
6.前記項目5において、前記カーゴは、配列番号5のアミノ酸配列を含むp53Cペプチドである組換えカーゴ。
【0021】
7.前記項目6において、前記組換えカーゴは、配列番号6のアミノ酸配列を含む組換えカーゴ。
【0022】
8.前記項目5において、前記カーゴは、配列番号8のアミノ酸配列を含むペプチドである組換えカーゴ。
【0023】
9.前記項目5において、前記組換えカーゴは、配列番号9のアミノ酸配列を含む組換えカーゴ。
【0024】
10.前記項目5に記載の前記組換えカーゴを含む細胞透過用組成物。
【0025】
11.前記項目5に記載の前記組換えカーゴを含む組換え発現ベクター。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る細胞透過ペプチドは、血液のようにセラムや血清が存在する環境でも1時間内に100%のすべての細胞内へ透過する特性があり、SDSのような界面活性剤を加えた場合にも、その構造が変性しない程度の安定な構造を持っている。これにより、機能性物質を、細胞及び物質の損傷なしにその機能を維持したままで、細胞質または核質および生体内の各臓器に運ぶことができるとともに、血管内投与のほか、身体の局部部位に適用して副作用を最小限に抑えることができる。
【0027】
本発明の細胞透過ペプチドと融合されたカーゴを含む組換えカーゴは、細胞内伝達効率が非常に優れている。これにより、カーゴの種類を多様に選択し、様々な薬物の伝達などに活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、人体由来の中間葉幹細胞(Mesenchymal stem cell、MSC)で、Ara−27細胞透過ペプチドが濃度に比例して細胞膜透過効率が増加していることを示すものである。グラフのY軸は、蛍光強度(Fluorescence intensity)を示すものであり、単位細胞当たり導入されるペプチドの量を確認できる指標である。指標が対照群(No treatment)よりも高い値を有するほど、単位細胞当たりにより多くのペプチドを細胞内に導入できることを示す。対照群やTat−PTDに比べてAra−27の方が、濃度に比例して細胞内へのペプチドの導入量が増加していることを示している。
【
図2】
図2は、人体由来のMSCで、Ara−27細胞透過ペプチドが1時間以内に蛍光顕微鏡によって肉眼確認できる程度に、多量のペプチドが細胞膜を透過して細胞内に導入されていることを示すものである。10%Serumが含まれた培地で、1μMの濃度で30分間処理した後、ヘパリン洗浄法(Heparin washing method)を用いて細胞表面に付着している蛍光ペプチドを除去し、トリプシン(Trypsin)を処理して細胞を剥がした後、蛍光顕微鏡で撮影した写真である。Tat−PTDは、細胞内に導入されていることが非常に少ないのに対し、Ara−29の場合は、すべての細胞に導入されていることが確認できた。
【
図3】
図3は、Ara−27(5μM)が細胞透過してから18時間経過後、細胞内の転座(translocation)を示す共焦点蛍光顕微鏡(confocal microscope)の写真である。一日経過しても、細胞透過したペプチドが安定的に細胞内に存在していることを確認できる。細胞内に存在することをより明確に示すために、トリプシン(trypsin)で底に付着している細胞を剥がし、さらにメンブランマーカー(membrane marker)と共に免疫蛍光実験を行った。membrane markerの内側にFITC蛍光が観察されることから、ペプチドが細胞内に存在していることが分かる。また、細胞質のみならず、核の内部にも一部ペプチドが存在していることが分かる。
【
図4】
図4は、GFP蛍光タンパク質をレポータータンパク質(reporter protein)として使用して、Tat(
図4の右側)及びTat−Ara−27(
図4の左側)の細胞内への移動効果を確認した結果である。
【
図5】
図5は、GFP蛍光タンパク質をreporter proteinとして使用して、Tat(
図5の右側)及びTat−Ara−27(
図5の左側)の細胞内への移動効果を確認した結果である。
【
図6】
図6は、繊維芽細胞であるNIH3T3でのAra−27、Ara−20、R8−Ara−19、Ara−8の細胞透過ペプチドの細胞透過効率を比較したものである。
【
図7】
図7は、p53C、Tat−ara−19及びICT−53ペプチドの細胞透過効率を比較したものである。
【
図8】
図8は、ICT−53ペプチドが大腸菌で安定的に大量発現することを確認した結果である。
【
図9】
図9は、ICT−53ペプチドの抗癌効果を示すものである。
【
図10】
図10は、ICT−53ペプチドの抗癌効果を示すものである。
【
図11】
図11は、ICT−Mycペプチドが大腸菌で安定的に大量発現することを確認した結果である。
【
図12】
図12は、ICT−Mycペプチドを処理した細胞群で精製したICT−Mycペプチドの成長促進効果を確認した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
タンパク質やペプチドは、細胞膜を透過して細胞内に伝達されることが難しいため、遺伝子の形で幹細胞に導入され、細胞治療剤としての役割を果たしてきた。
【0030】
そこで、本発明者は、幹細胞に導入せず、ペプチド自体としても優れた細胞透過能を有する新規なペプチドを発見し、本発明を完成した。
【0031】
本発明の細胞透過ペプチドは、シロイヌナズナ(Arabidopsis)由来のペプチドであり、配列番号1のアミノ酸配列を含む。
【0032】
本明細書で使用される用語「細胞透過ペプチド(Cell Penetrating Peptide、CPP)」は、イン・ビトロ(in vitro)及び/又はイン・ビボ(in vivo)でカーゴ(cargo)を細胞内に移動できるペプチドを意味する。
【0033】
本発明者は、シロイヌナズナ由来のいくつかのペプチドを分離し、その中の一部のペプチドが、セラムや血清が存在する環境でも優れた細胞透過能を有すること、及びこれらのペプチドが共通して配列番号1のアミノ酸配列を有することを確認した。つまり、配列番号1のアミノ酸配列が、細胞透過能に影響を与える部分に該当するものと判断される。
【0034】
したがって、本発明の細胞透過ペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含むものであれば、その具体的な配列は特に限定されず、配列番号1のアミノ酸配列のみからなるものであってもよく、N−末端、C−末端または両末端に一部の配列が追加されたものであってもよい。
【0035】
一部の配列が追加されたものの具体例としては、N−末端に一部の配列が追加された配列番号2のアミノ酸配列、N−末端に一部の配列が追加された配列番号3のアミノ酸配列、N−末端に一部の配列が追加された配列番号4のアミノ酸配列などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本発明の細胞透過ペプチドは、前記配列のほか、当分野で公知の他のタンパク質または他のタンパク質伝達ドメインと結合することもできる。例えば、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV−1)に由来したTAT(trans-activating transcriptional activator);ショウジョウバエのアンテナペディアホメオドメイン(Antennapedia Homeodomain)であるAntp(Antennapediaまたはpenetratin)ペプチド;マウスの転写因子のMph−1(Mutator phenotype protein 1)、HSV−1(Herpes simplex virus)のVP22(viral protein 22);ニシンプロタミンのHP4(human protamine P4);トランスポータン(Transportan)、MAP(Model amphipathic peptide)、TP10(Transportan-10)、CTP(Cardiac targeting peptide)、K5−FGF(K5-fibroblast growth factor、AAVALLPAVLLALLP)、HAP−1(Huntingtin-associated protein 1、SFHQFARATLAS)、293P−1(SNNNVRPIHIWP)、CADY(cysteamidation PTD、Ac-GLWRALWRLLRSLWRLLWRA-Cya)、PF6(PepFect6、Stearyl-AGYLLGK(εNH)INLKALAALAKKIL-NH2)、RXR(arginine rich peptide)、ポリアルギニン(poly−arginine、Rn(n=6〜12))、ポリリシン(poly-lysine)、またはそれらの変形ペプチド(例えば、TATタンパク質の47−57アミノ酸残基を変形したペプチドなど)などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0037】
本発明の細胞透過ペプチドは、優れた細胞透過能を示すので、カーゴと結合してカーゴを細胞内に効率よく運ぶことができる。
【0038】
これにより、本発明は、前記細胞透過ペプチドを含む組換えカーゴを提供する。
【0039】
本発明の組換えカーゴは、前述した細胞透過ペプチドおよび前記細胞透過ペプチドのN−末端またはC−末端に融合したカーゴを含む。
【0040】
本明細書で使用される用語「カーゴ(cargo)」は、本発明の細胞透過ペプチドと結合して細胞内に移動できる物質をすべて含むものであり、例えば、細胞透過効率を高めようとするすべての物質、具体的には、薬物、化粧品または健康食品の有効物質、より具体的には、一般的な経路によっては細胞内への移動が容易でない物質、さらに具体的には、タンパク質、核酸、ペプチド、ミネラル、ブドウ糖を含む糖、ナノ粒子、生物学的製剤、ウイルス、造影物質またはその他の化学物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本明細書で使用される用語「薬物」は、病気、傷または特定の症状を緩和、予防、治療または診断するための物質を含む幅広い概念である。前記具現例において、細胞透過性ペプチドによって細胞内に伝達される薬物は、リポソーム、ミセル、ナノ粒子、磁性粒子または量子ドットのような薬物伝達体をさらに含むことができる。
【0042】
本明細書で使用される用語「ペプチド」は、ホルモン、ホルモン類似体、酵素、酵素阻害剤、信号伝達タンパク質(又はペプチド)、抗体、またはワクチンを含むことができるが、これらに限定されるものではない。前記核酸は、自然発生的または人工的なDNAまたはRNA分子であってもよく、一本鎖または二本鎖であってもよい。核酸分子は、一つ以上であってもよいが、同じタイプの(例えば、同じヌクレオチド配列を有する)核酸分子であってもよく、異なるタイプの核酸分子であってもよい。DNA、cDNA、decoy DNA、RNA、siRNA、miRNA、shRNA、stRNA、snoRNA、snRNA、PNA、アンチセンスオリゴマー(antosense oligomer)、プラスミド(plasmid)及びその他の変形された核酸のいずれかを含むが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本明細書で使用される用語「造影物質」は、医学的な画像撮影(imaging)で生体内の構造または流体の造影のために使用するすべての物質を意味する。前記造影物質は、放射線非透過造影物質(radiopaque contrast agent)、常磁性造影物質(paramagnetic contrast agent)、超常磁性造影物質(superparamagnetic contrast agent)、CT(computed tomography)造影物質またはその他の造影物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。例えば、放射線非透過造影物質(X線画像用)は、無機ヨウ素化合物および有機ヨウ素化合物(例えば、ジアトリゾアート)、放射線非透過金属及びその塩(例えば、銀、金、白金など)、および、その他の放射線非透過化合物(例えば、カルシウム塩、硫酸バリウムなどのバリウム塩、タンタルおよび酸化タンタル)を含むことができる。常磁性造影物質(MR画像用)は、ガドリニウムジエチレントリアミンペンタ酢酸(gadolinium diethylene triaminepentaacetic acid、Gd−DTPA)及びその誘導体、およびその他のガドリニウム、マンガン、鉄、ジスプロシウム(dysprosium)、銅、ユーロピウム(europium)、エルビウム(erbium)、クロム、ニッケル及びコバルト複合体、例えば、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−テトラ酢酸(DOTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,−N’,N’’−トリ酢酸(D03A)、1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N’,N’’−トリ酢酸(NOTA)、1,4,8,10−テトラアザシクロテトラデカン−N,N’,N’’,N’’’−テトラ酢酸(TETA)、ヒドロキシベンジルエチレン−ジアミンジ酢酸(HBED)を含むことができる。超常磁性造影物質(MR画像用)は、磁鉄鉱(magnetite)、超常磁性酸化鉄(super-paramagnetic iron oxide、SPIO)、超小超常磁性酸化鉄(ultrasmall superparamagnetic iron oxide、USPIO)、及び単結晶性(monocrystailine)酸化鉄を含むことができる。他の適切な造影物質は、ヨウ化及び非ヨウ化(non-iodinated)、イオン性及び非イオン性のCT造影物質、およびスピン−標識(spin-label)のような造影物質、またはその他の診断活性剤(diagnostically effective agent)を含むことができる。また、前記造影物質は、β−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質またはルシフェラーゼを含むことができる。細胞で発現する場合には、容易に検出できるタンパク質をコードするマーカー遺伝子を含むことができる。放射性核種(radionuclide)、蛍光物質(fluor)、酵素、酵素基質、酵素補助因子、酵素阻害剤などの様々な標識を用いることができる。
【0044】
カーゴがペプチドである場合の具体例として、カーゴは、配列番号5のアミノ酸配列からなる抗癌タンパク質p53Cであってもよく、組換えカーゴは、前記p53Cが前述の細胞透過ペプチド配列のN−末端またはC−末端に結合したアミノ酸配列を有することができる。より具体的には、配列番号4のアミノ酸配列のN−末端にp53Cが結合した配列番号6のアミノ酸配列を含むものであってもよい。本明細書ではこれをICT−53と称する。また、ICT−53には、精製を容易にするためにN−末端またはC−末端にHisタグを付着することができるが、Hisタグが付着されたN−末端に付着されたペプチドの例としては、配列番号7のアミノ酸配列を含むことができる。
【0045】
カーゴがペプチドである場合の他の具体例として、カーゴは、c−Mycタンパク質の配列番号8のアミノ酸配列からなる一部の配列であってもよい。組換えカーゴは、前記配列が前述の細胞透過ペプチド配列のN−末端またはC−末端に結合したアミノ酸配列を有することができる。より具体的には、配列番号4のアミノ酸配列のC−末端に配列番号8のアミノ酸配列が結合した配列番号9のアミノ酸配列を含むものであってもよい。本明細書ではこれをICT−Mycと称する。また、ICT−Mycには、精製を容易にするためにN−末端またはC−末端にHisタグを付着することができるが、Hisタグが付着されたN−末端に付着されたペプチドの例としては、配列番号10のアミノ酸配列を含むことができる。
【0046】
また、本発明の組換えカーゴは、生体内でより優れた特異性を示すように、特定の細胞、組織、臓器の受容体と選択的に結合するリガンド、リンカーなどをさらに含むことができる。
【0047】
また、本発明は、前記組換えカーゴを含む細胞透過用組成物を提供することができる。本発明の組成物は、細胞透過ペプチドに融合されるカーゴの種類、機能等によって様々な効果を示すことができる。
【0048】
例えば、カーゴが抗癌機能を有するペプチドである場合には、細胞透過用組成物は、抗癌剤として活用でき、細胞成長促進機能を有するペプチドである場合には、細胞成長促進剤として活用できる。このように、その効果は結合されるカーゴの種類に応じて異なるので、カーゴの種類が制限されないのと同じようにその役割も制限されない。
【0049】
また、本発明は、前記細胞透過ペプチドまたは組換えカーゴをコードする遺伝子コンストラクト、及びそれを含む発現ベクターを提供する。
【0050】
本発明の遺伝子コンストラクト、そして発現ベクターを用いて、細胞透過ペプチドを繰り返し量産することができる。
【0051】
さらに、特に、細胞内に導入するカーゴがタンパク質である場合には、前記の遺伝子コンストラクトが含まれている発現ベクターのマルチクローニング部位(multi−cloning site、MCS)に前記カーゴタンパク質をコードするポリヌクレオチドを挿入することにより、細胞膜透過ドメインと前記カーゴタンパク質が融合した組換えカーゴタンパク質を量産することができる。前記ベクターによって量産した組換えカーゴタンパク質は、野生型(wild type)のカーゴタンパク質と比較して、より高効率で細胞内に導入することができる。
【0052】
また、本発明は、細胞内へのカーゴの伝達方法を提供する。
【0053】
本発明のカーゴの伝達方法は、前記組換えカーゴを細胞と接触させるステップを含む。
【0054】
組換えカーゴと細胞との接触は、イン・ビトロ(in vitro)またはイン・ビボ(in vivo)で行うことができる。前記接触がイン・ビトロ(in vitro)で行われる場合には、試験管内の細胞に組換えカーゴが含まれた培地を処理して細胞を培養させる過程により、前記接触が行われる。前記接触がイン・ビボ(in vivo)で行われる場合には、前記組換えカーゴは、筋肉内(intramuscular)、腹膜内(intraperitoneal)、静脈内(intravein)、経口(oral)、鼻内(nasal)、皮下(subcutaneous)、皮内(intradermal)、粘膜(mucosal)または吸入(inhale)などの経路を介して生体内に注入(injection)され、生体内で細胞と組換えカーゴとの接触が行われる。
【0055】
組換えカーゴと細胞との接触によって、前記組換えカーゴが細胞内に導入される。前記組換えカーゴの導入量は、処理される組換えカーゴの濃度が高ければ高いほど、また組換えカーゴが処理される時間が長ければ長いほど増加する。
【0056】
本発明の方法は、人間または人間以外の様々な動物に制限なく適用することができる。
【0057】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0058】
実施例
(1)セラム及び血清が存在する環境でも細胞膜透過効率が顕著に高い細胞透過ペプチドの合成、並びに細胞透過効率の測定
本発明の細胞透過ペプチドの透過効率を確認するために、よく知られている細胞透過ペプチドであるTat−PTD(配列番号12)を対照群として含めて実験を行った。
【0059】
各細胞透過ペプチドの細胞透過効率を調べるために、各ペプチドに蛍光を発するFITC(fluorescein isothiocyanate、蛍光物質)を付着して、その透過効率を調べた。
【0060】
細胞透過効率を測定するために、細胞膜表面に付着している可能性のある各細胞透過ペプチドを除去するために、ケプラングループ(Keplan group)で用いたヘパリン&トリプシン洗浄法(Heparin & Trypsin washing method)を採用した[Kaplan IM、Wadia JS、Dowdy SF(2005)Cationic TAT peptide transduction domainenters cells by macropinocytosis.J Controlled release 102:247-253]。要約すると、後述する実験で細胞を育てる培地に1μMの濃度で各細胞透過ペプチドを入れて、30分間インキュベーションを行った後、ヘパリン(Heparin)を用いて細胞を3回洗浄し、トリプシン(Trypsin)によって細胞を剥がしてFACS分析を行った。
【0061】
中間葉幹細胞(MSC)で配列番号2のアミノ酸配列からなる細胞透過ペプチド(Ara−27)の濃度別に細胞内に流入される量を調べた。
【0062】
Ara−27は、1時間の間に単位細胞当たり流入されるペプチドの量が濃度に比例して増加する特性があったが、Tat−PTDは、5μMの濃度でも単位細胞当たり流入されるペプチドの量が顕著に低いことが分かった(
図1)。また、Tat−PTDとは異なり、光学顕微鏡により肉眼でも確認できるほどの高い蛍光強度を示した(
図2)。
【0063】
また、Ara−27細胞透過ペプチドが実際に細胞内の核の中や細胞質内に存在するかどうかを調べるために、Ara−27処理後、共焦点顕微鏡(confocal microscopy)を使用して分析を行った。人体由来の中間葉幹細胞(human MSC)を6−ウェルプレート(well plate)に10%FBSが含有されたDMEM細胞培養培地に入れた。培養してから3時間後に、2μM濃度のAra−27ペプチドを培地に添加した。Ara−27ペプチド処理して18時間経過した後に顕微鏡で確認した結果、ほとんどのAra−27ペプチドが細胞質内に存在していることが確認できた。実際に細胞膜の内側に存在しているかを調べるために、membarne marker(FM−64)を用いた。試薬を細胞膜に容易に挿入させるために、トリプシン(trypsin)で細胞をはがした後、試薬を処理後に分析したことろ、ペプチドが細胞膜の内側の細胞質部分に殆ど存在していることが確認できた。また、核の中にも一部のペプチドが存在していることを確認した(
図3)。
【0064】
Ara−27細胞透過ペプチドが、他の物質を細胞内に導入する役割を果たすかを再確認するために、GFP蛍光タンパク質をreporter proteinとして使用して、細胞内への移動の効果を確認する実験を行った。Tat−Ara−19にGFP(配列番号13)が融合して発現できるように遺伝子を合成(Tat−Ara19−GFP)(配列番号14)し、対照群としては、Tat−PTDにGFPが融合して発現できるように遺伝子を合成(Tat−GFP)(配列番号15)し、pET11ベクター(pET−11d、Novagen社)で発現をした。両タンパク質をNi−NTA Hisタグレジンを用いて精製した。この両タンパク質の細胞透過度を調べるために、皮膚幹細胞を使用した。
図4〜6に示すように、1時間の間処理したとき、Tat−GFPの場合は、5μMの高濃度でも細胞内に蛍光を発しないのに対して、Tat−Ara19−GFPの場合は、1μMの濃度でも細胞に蛍光を発することが明らかに観察され、2μMの濃度では、より明るい蛍光強度を示した。これは、単位細胞当たり導入できるTat−Ara19−GFPの分子数は、濃度に比例して増加することを意味する(
図4、5)。これらの結果から、Ara−27細胞透過ペプチドは、目的とする物質を細胞内に伝達できる素材として使用できるだけでなく、単位細胞当たりに、時間が経過するほど、そして濃度に比例して、より多くの分子が一つの細胞内に流入されて、効果的に細胞内で機能的な特性を示すことができることが分かる。
【0065】
次に、繊維芽細胞であるNIH3T3におけるAra−27と配列番号1(Ara−20)、配列番号3(R8−Ara−19)、配列番号11(Ara−8)の実施例の細胞透過ペプチドの細胞透過効率を比較してみた。Ara−27は、セラムが存在する環境下で1μMの濃度で30分にも細胞内に透過される効率が90%以上になる、非常に高効率の細胞透過性ペプチドであることが分かった。残りの細胞透過ペプチドの中で、ある場合には、より高い細胞膜透過効率を示した。これとは逆に、Tat−PTDは、非常に低いレベルの透過効率を示した(
図6)。また、実施例の細胞透過ペプチドは、セラムの存在有無にかかわらず、非常に高い透過効率を示した。
【0066】
(2)細胞透過ペプチドと融合したp53Cペプチドの抗癌効果
p53Cペプチド(配列番号5)は、抗癌効果を有するp53タンパク質のC−末端部位のペプチドであり、この部分だけが細胞内で遺伝子発現をしたときに抗癌効果が奏されることがいくつかの論文に報告されている。これに基づいて、配列番号4(Tat−Ara−19)の細胞透過ペプチドにp53Cペプチドを融合したペプチド(配列番号6、ICT−53)の細胞透過能および抗癌効果を調べる実験を行った。
【0067】
22個のアミノ酸配列を有するp53CとTat−Ara−19、そしてTat−Ara−19にp53Cを融合したペプチドICT−53を合成し、C−末端にFITC(fluorescein isothiocyanate、蛍光物質)を付けて蛍光を発するようにした。これらのペプチドを用いてNIH3T3細胞株を対象として、1μMの濃度で1時間の間の細胞透過効率を調べたところ、p53Cは細胞内に透過せず、Tat−Ara−19とICT−53が高効率で細胞内に自動流入されることを確認した(
図7)。この実験もまた、セラムが存在する状況での透過効率を調べたものである。
【0068】
一方、前記のように細胞透過効率の高い細胞透過性の抗癌ペプチドを微生物で大量生産する方法を開発するために、pET11というE.coli発現ベクターにICT−53をコードする遺伝子を挿入して発現ベクターを作製した。精製を容易にするために、タンパク質にヒスチジン(Histidine)が6個付いたHisタグと精製後Hisタグとの分離のために、トロンビン切断部位(thrombin cleavage site)を入れて共に発現できるように製作した(配列番号7)。ICT−53の細胞透過性の抗癌ペプチドの発現有無を確認するために、発現菌株であるE.coli BL21菌株に形質転換(transformation)して発現菌株を選抜した。菌を培養してOD 0.5程度に育ったとき、IPTG 0.5mMの濃度で誘導(induction)をし、37℃で6時間培養した。ICT−53を発現する大腸菌体を超音波破砕法(sonication)を用いて細胞壁を破砕した。SDS−PAGEで確認したところ、8kDa程度の位置で大量発現したタンパク質バンドを確認することができた。これは、ICT−53ペプチドが大腸菌で安定的に大量発現することをSDS−PAGEで確認したものである(
図8)。また、Hisタグが存在するため、Ni−NTA 樹脂(resin)を用いたアフィニティークロマトグラフィー(affinity chromatography)を用いて精製し、癌細胞株を用いて抗癌効果を調べる実験を行った。
【0069】
精製されたICT−53ペプチドの抗癌効果を調べるために、骨髄癌細胞であるU2OS癌細胞株に濃度別に処理をした。
【0070】
ICT−53ペプチドを処理した細胞群で細胞が死んでいくことを確認した(
図9)。精製したICT−53ペプチドを濃度別に処理したときにも、濃度に比例して抗癌効果が奏されることを確認した。特に、7.5μMの濃度では、約70%程度、癌の成長を阻害することを確認した(
図10)。
【0071】
(3)Ara−27由来のペプチドと融合したc−Mycペプチドの細胞成長促進効果
また他の適用例として、細胞成長を促進させる効果があるc−MycペプチドとAra−27を融合したとき、細胞透過による細胞成長促進効果が奏されるかどうかについて実験を行った。
【0072】
細胞透過効率が高い細胞透過性の再生ペプチドを微生物で大量生産する方法を開発するために、pET11というE.coli発現ベクターにICT−Mycをコードする遺伝子を挿入して発現ベクターを作製した。精製を容易にするために、タンパク質にヒスチジン(Histidine)が6個付いたHisタグと精製後Hisタグとの分離のために、thrombin cleavage siteを入れて共に発現できるように製作した(配列番号10)。ICT−Mycの細胞透過性の再生ペプチドの発現有無を確認するために、発現菌株であるE.coli BL21菌株にtransformationして発現菌株を選抜した。菌を培養してOD 0.5程度に育ったとき、IPTG 0.5mMの濃度でinductionをし、20℃で18時間培養した。ICT−Mycを発現する大腸菌体を超音波破砕法(sonication)を用いて細胞壁を破砕した。SDS−PAGEで確認したところ、17kDa程度の位置で発現したタンパク質バンドを確認することができた。これは、ICT−Mycペプチドが大腸菌で安定的に大量発現することをSDS−PAGEで確認したものである(
図11)。また、Hisタグが存在するため、Ni−NTA resinを用いたアフィニティー・クロマトグラフィー(affinity chromatography)を用いて精製し、NIH3T3細胞株を用いて細胞成長促進効果を調べる実験を行った。
【0073】
精製されたICT−Mycペプチドの再生促進効果を調べるために、繊維芽細胞であるNIH3T3細胞株に濃度別に処理をした。
【0074】
ICT−Mycペプチドを処理した細胞群で精製したICT−Mycペプチドを濃度別に処理したとき、濃度に比例して成長促進効果が奏されることを確認した。特に、7.5μMの濃度では、約60%程度、成長促進を誘導することを確認した(
図12)。
【0075】
本発明で提示するアミノ酸配列は、Ara−27由来のペプチドであって、細胞内に導入させる能力が高い細胞透過ペプチドであり、Tat−PTDペプチドよりも顕著に高い細胞透過効率を示し、細胞透過効率のみならず、実際の機能的な特性を有する目的タンパク質やペプチドまたは遺伝子を細胞内に伝達して、機能的特性を有することができる。これにより、多くの機能性に優れた素材を対象とした新薬開発が可能なだけでなく、優れた機能性を保有する他の有望なタンパク質を対象として、細胞透過が可能なタンパク質を開発できると考えられる。