【実施例】
【0015】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
【0016】
[比較例1]
高吸収性ポリマーと木材由来のパルプを下記配合で混合した。
アイシンナノテクノロジー社製ジェットナノマイザーミルで平均粒径50μmまで粉砕した高吸収性ポリマー(SAP):ポリアクリル酸とポリアクリル酸ナトリウムの混合物
(サンダイヤポリマー社製、商品名:アクアパール) 10g
クラフトパルプ(丸紅紙パルプ販売社製、商品名:晒しクラフトパルプ、平均繊維長1.5mm) 20g
次に、湿式不織布(日本製紙パピリア社製、坪量77.4g/m
2)を使用して、300mm×300mmの大きさの袋を作り(600mm×300mmにカットして2つ折りにして2辺をミシンで縫合)、この中に上記混合物を収容した後に残る1辺を縫合し、吸水性土嚢を得た。
【0017】
[実施例1]
比較例1のクラフトパルプの代わりに、同クラフトパルプをジェットナノマイザーを用いて、平均繊維長10μmまで粉砕したパルプを用いた以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例2]
比較例1のクラフトパルプの代わりに、同クラフトパルプをカッターミルで5μmまで粉砕して用いた以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例3]
比較例1のクラフトパルプの代わりに、ティッシューペーパースリット時に発生する紙粉(日本製紙クレシア社製、繊維長2μm)を使用した以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例4]
実施例3の紙粉配合量を2gとした以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例5]
実施例3の紙粉配合量を5gとした以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例6]
実施例3の紙粉配合量を10gとした以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例7]
実施例3の紙粉配合量を50gとした以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例8]
実施例3の紙粉配合量を100gとした以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例9]
粉砕処理をしない高吸水性ポリマー(平均粒径200μm)を使用した以外は実施例3と同様にして吸水性土嚢を作製した。
[実施例10]
ジェットナノマイザーで25μmまで粉砕した高吸水性ポリマーを使用した以外は実施例3と同様にして吸水性土嚢を作製した。
[実施例11]
ジェットナノマイザーで10μmまで粉砕した高吸水性ポリマーを使用した以外は実施例3と同様にして吸水性土嚢を作製した。
[実施例12]
比較例1のクラフトパルプの代わりに、日本製紙社製KCフロックW−400G(平均繊維長24μm)を用いた以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[実施例13]
比較例1のクラフトパルプの代わりに、サーモメカニカルパルプ(日本紙通商社製、平均繊維長2μm)を使用した以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
【0018】
[比較例2]
クラフトパルプを使用しなかったこと以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
[比較例3]
比較例1のクラフトパルプの代わりに、日本製紙社製KCフロックW−100G(平均繊維長37μm)を使用した以外は比較例1と同様の方法で吸水性土嚢を作製した。
【0019】
作製した吸水性土嚢について、下記評価を行った。
<吸水性評価>
作製した吸水性土嚢に、シャワーで1分間に10リットルの水量で5分間水道水を掛け、30秒毎に重量(g)を測定した。その後、10分間水道水に浸漬し、重量を測定した。このときの重量を最大重量とした。最大重量の90%に到達するまでにかかった時間を吸水時間として、吸水速度の目安とした。時間の数字が小さいほど吸水速度が速い。結果を表及び
図1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表1及び
図1に示す評価結果から、以下のことがいえる。
・高吸収性ポリマーと繊維長が特定範囲であるパルプを混合して用いた本発明の実施例1〜3は、繊維長が長いパルプを用いた比較例1、3や、パルプを使用しない比較例2に比べて、吸水速度が速まり、土嚢として迅速かつ効果的に機能することがわかる。
・実施例3〜8から、繊維長が特定範囲であるパルプの配合比率が増えるに伴い、土嚢の最大重量が増加し、吸水能力が向上することがわかる。ここで、実施例4は、吸水速度は比較例と同程度であるが、吸水量が多くなっており、土嚢としての性能が向上していることがわかる。
・実施例9〜11から、高吸収性ポリマーの平均粒径が小さい程、吸水速度が速いことがわかる。
・実施例12と実施例1〜3との比較から、パルプの繊維長が短い程、吸水速度が速いことがわかる。
・実施例13と実施例3との比較から、機械パルプに比べて化学パルプの方が吸水速度は速いことがわかる。