(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
≪第1の実施の形態≫
[概要]
本実施形態のプリンタ装置は、芯に近い用紙に無線タグが貼り付けられたロール紙が装填される。本実施形態のプリンタ装置は、順次、ロール紙から用紙を引き出して印刷と排紙を行い、やがて無線タグが貼り付けられている芯に近い用紙についても印刷と排紙を行う。当該用紙が排紙されると無線タグからの電波が届かなくなる。
【0018】
本実施形態のプリンタ装置は、無線タグから電波が届かず、情報を読み出せなくなると、LEDを点灯する。このとき、ロール紙は、残りが所定量以下(具体的には、無線タグが貼付されている部分から芯までの長さ以下)となっており、本実施形態のプリンタ装置は、LED点灯により、ロール紙の残量が所定量以下になったことをユーザに通知することができる。
【0019】
以下に、本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構成や機能、動作について説明する。
【0020】
[構成の説明]
まず、本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構成と機能について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構成例を示す図である。
【0021】
(1)本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構成
本実施形態のプリンタ装置は、
図1に示されるように、印刷機能部1、回転ローラ2、切断排紙部3、RF(Radio Frequency)リーダ4、及び出力部5を備える。印刷機能部1は、回転ローラ11、12、13とサーマルヘッド14を備える。
【0022】
印刷機能部1は、回転ローラ2、切断排紙部3、及び出力部5と導線を介して接続される。出力部5は、RFリーダ4と導線を介して接続される。なお、印刷機能部1には、図示していないが、一般的なPC(Personal Computer)が本実施形態のプリンタ装置のユーザによって接続される。
【0023】
さらに、
図1に示されるように、本実施形態のプリンタ装置には、そのユーザにより、ロール紙6が装填される。
【0024】
(2)ロール紙6について
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ装置に装填されるロール紙6について説明する為の図である。
【0025】
ロール紙6は、
図2に示されるように、長尺の感熱紙が巻芯に巻かれた一般的な感熱ロール紙である。ロール紙6は、レシート用紙であってもよい。
【0026】
ロール紙6の巻芯に近い部分には、RFタグ7がロール紙6の製造者によって貼り付けられている。ロール紙6の製造者は、ロール紙6(感熱紙)の全長が23mとすると、巻芯から2.3m(残り1割)の場所にRFタグ7を貼り付けてもよい。RFタグ7は、一般的な両面テープや接着剤によってロール紙6に貼り付けることができる。
【0027】
(3)RFタグ7について
RFタグ7は、一般的なRFタグであり、
図2に示されるように、情報を記憶するIC(Integrated Circuit)メモリチップとアンテナを備える。
【0028】
ICメモリチップには、RFタグ7を示す識別子等の情報(以下、「タグ情報」という)が、ロール紙6の製造者により書き込まれている。ロール紙6の製造者は、一般的なRFタグ用のリーダライタ装置を用いて、タグ情報をICメモリチップに書き込むことができる。
【0029】
RFタグ7は、電磁誘導型のRFタグであってもよく、その場合、対向するRFリーダから電波を受信すると、当該電波を電流に変換し、それを電源として、ICメモリチップに記憶するタグ情報を電波として送信する。RFタグ7から電波が届く範囲は、数センチ程度の範囲である。
【0030】
(4)本実施形態のプリンタ装置に備わる各機能部の機能
以下、各機能部の機能の詳細を説明する。
【0031】
(4−1)印刷機能部1の機能
印刷機能部1は、一般的なプリンタ機能を備える。すなわち、印刷機能部1は、接続するPCから印刷データが入力されると、回転ローラ2、11、12、13を駆動してロール紙から用紙(感熱紙)を引き出し、引き出した感熱紙に、順次、印刷データを印刷する。その際、印刷機能部1は、サーマルヘッド14を用い、熱記録により印刷を実施してもよい。
【0032】
また、印刷機能部1は、入力された印刷データを全て印刷すると、所定時間経過後に、回転ローラ2、11、12、13の駆動を停止し、印刷終了を示す電気信号を切断排紙部3に出力する。印刷した感熱紙を切断し、排紙する契機を切断排紙部3に与える為である。
【0033】
上述の所定時間は、印刷した用紙(感熱紙)が印刷機能部1から切断排紙部3に届くまでの時間(以下、「到着時間」という)より長い時間であり、本実施形態のプリンタ装置の製造者によって印刷機能部1に設定される。本実施形態のプリンタ装置の製造者は、到着時間を実測して印刷機能部1に設定してもよい。
【0034】
(4−2)回転ローラ2、11、12、13について
回転ローラ2、11、12、13は、一般的な回転ローラであり、印刷機能部1により駆動される。回転ローラ2は、
図1に示されるようにロール紙6と当接し、反時計回りに回転することで、ロール紙6から感熱紙を引き出すローラである。回転ローラ11、12、13は、反時計回りに回転し、ロール紙6(感熱紙)を切断排紙部3に搬送するローラである。
【0035】
(4−3)切断排紙部3の機能
(4−3−1)裁断機能
切断排紙部3は、一般的な裁断機と同様に、周知の裁断機能を備える。すなわち、切断排紙部3は、印刷終了を示す電気信号が入力されると、搬送されてきたロール紙6をカッターにより切断する。
【0036】
切断排紙部3は、一般的な裁断機と同様に、搬送されてきたロール紙6を所定のサイズ(例えばA4サイズ)毎に切断してもよい。所定のサイズは、本実施形態のプリンタ装置の製造者によって設定される。
【0037】
(4−3−2)排紙機能
また、切断排紙部3は、切断した紙を排紙トレイに排紙する機能を備える。その為に、切断排紙部3は、その下面に、切断した紙を排紙する排紙口を備え、さらに、切断した紙を排紙口まで導くガイド板を備える。排紙口の下には、排紙トレイが備わる。切断された紙は、ガイド板に沿って落下し、排紙口から排紙トレイに排出される。
【0038】
排紙トレイは、RFタグ7が貼り付けられた用紙が排紙されたときに、その用紙のRFタグ7の電波がRFリーダ4に届かない場所に備わる。
【0039】
(4−3−3)プリントアウト完了通知機能
切断排紙部3は、搬送されてきたロール紙6を切断(排紙)した後、所定時間経過すると、プリントアウト完了を示す信号を出力部5に出力する。
【0040】
なお、上述の所定時間は、ロール紙6が切断後、排紙トレイに排紙されるまでの時間(以下、「排紙時間」という)よりも長い時間である。上述の所定時間は、本実施形態のプリンタ装置の製造者によって切断排紙部3に設定される。本実施形態のプリンタ装置の製造者は、排紙時間を実測して所定時間を切断排紙部3に設定してもよい。
【0041】
(4−4)RFリーダ4の機能
RFリーダ4は、所定のタイミングになると、一般的なRFリーダ機能を機能させる。具体的には、RFリーダ4は、所定のタイミングになると、ロール紙に向けて電波を送信する。上述の所定のタイミングは、一定間隔毎のタイミングであり、本実施形態のプリンタ装置の製造者によってRFリーダ4に設定される。また、RFリーダ4は、RFタグ7から電波を受信すると、受信した電波からタグ情報を抽出し、抽出したタグ情報を電気信号として出力部5に出力する。
【0042】
(4−5)出力部5の機能
出力部5は、プリントアウト完了を示す信号が入力されると、プリントアウト機能によりロール紙6からRFタグ7が貼付されている部分が排紙され、RFリーダ4がRFタグ7からタグ情報を読み出せなくなっているのか否かを判別する。具体的な判別方法については後述の[動作の説明]で詳細に説明する。なお、判別を行う為に、出力部5は、一般的なメモリと、レジスタと、LED(Light Emitting Diode)と、を備えるものとする。
【0043】
出力部5は、RFタグ7が貼付されている部分がロール紙6から排紙され、RFタグ7からタグ情報が読み出せなくなっている場合には、電気信号をLEDに出力する。ロール紙6の残量が、所定量以下(すなわち、RFタグ7が貼付されている部分から芯までの長さ以下)となっていることをユーザに通知する為である。LEDは、電気信号が入力されると、発光、若しくは点灯する。
【0044】
なお、所定量とは、以下、「RFタグ7が貼付されている部分から芯までの長さ」のことをいうものとする。
【0045】
(5)各機能が備わる機能部について
印刷機能部1は、回転ローラと、サーマルヘッドと、電子回路と、RAM(Random Access Memory)と、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と、を用いて実現することができる。印刷機能部1の回転ローラ11、12、13及び回転ローラ2は、モータと、ゴム製の回転体を用いて実現することができる。切断排紙部3は、カッターと、裁断台と、電子回路を用いて実現することができる。RFリーダ4は、一般的なRFリーダと電子回路を用いて実現することができる。出力部5は、電子回路と、RAMと、レジスタと、LEDを用いて実現することができる。
【0046】
[動作の説明]
本実施形態のプリンタ装置の動作を以下に説明する。
図3、4は、本実施形態のプリンタ装置の動作を説明する為の図である。
【0047】
(1)一般的なプリントアウト処理
まず、本実施形態のプリンタ装置は、一般的なプリンタと同様、接続するPCから印刷データが入力されると、ロール紙6から用紙(感熱紙)を引き出し、引き出した感熱紙に、印刷データを印刷する。また、本実施形態のプリンタ装置は、印刷したロール紙6を切断し、排紙トレイに排紙する。
【0048】
上述のプリントアウト処理によって、ロール紙6から感熱紙が順次引き出され、印刷、切断、及び排紙(以下、「プリントアウト」という)されていく。
【0049】
上述のプリントアウト処理(印刷、切断、及び排紙処理)は、印刷機能部1と切断排紙部3によって実現される。その際、「(4−3−3)プリントアウト完了通知機能」で説明した通り、切断排紙部3は、印刷した感熱紙を排紙した後は、プリントアウト完了を示す信号を出力部5に出力する。
【0050】
(2)タグ情報読み出し動作(RFリーダ4と出力部5の動作)
(2−1)動作概要
一方、本実施形態のプリンタ装置は、上述のプリントアウト処理と並行して、周期的にロール紙6のRFタグ7からタグ情報を読み出す。本実施形態のプリンタ装置は、RFリーダ4を用いて、タグ情報の読み出しを行う。
【0051】
上述のタグ情報読み出し動作は、RFリーダ4と出力部5により実現される。その具体的な動作は、以下の「(2−2)動作詳細」の通りである。
【0052】
(2−2)動作詳細
まず、RFリーダ4は、所定のタイミングになると、RFタグ7からタグ情報を読み出す為、
図3に示されるように、電波をロール紙6に向けて送信する(S1)。
【0053】
上述の所定のタイミングは、一定間隔毎のタイミングであり、本実施形態のプリンタ装置の製造者によってRFリーダ4に設定される。
【0054】
次に、ロール紙6のRFタグ7は、RFリーダ4からの電波を受信すると、当該電波を電源として、ICメモリチップに記憶するタグ情報を電波として送信する(S2)。
【0055】
次に、RFリーダ4は、RFタグ7から電波を受信すると、受信した電波からタグ情報を抽出し、抽出したタグ情報を電気信号として出力部5に出力する(S3)。すなわち、RFリーダ4は、タグ情報を読み出すと、読み出したタグ情報を電気信号として出力部5に出力する。
【0056】
次に、出力部5は、RFリーダ4から電気信号が入力されると、入力された電気信号からタグ情報を抽出し、抽出したタグ情報をメモリに記憶すると共に、レジスタに値1を書き込む(S4)。
【0057】
本実施形態のプリンタ装置は、所定のタイミングになる毎に、上述のS1〜S4の処理を行う。その結果、RFリーダ4がタグ情報を読み出し、出力部5のレジスタには値1が書き込まれていく。
【0058】
ここでは、RFタグ7が貼り付けられた部分がまだロール紙6からプリントアウトされていない。すなわち、ロール紙6にRFタグ7が存在している。その為、RFリーダ4がRFタグ7からタグ情報を読み出し、出力部5のレジスタは値1が書き込まれていく。
【0059】
上述のレジスタは、RFリーダ4がRFタグ7からタグ情報を読み出し、その結果、電気信号が出力部5に入力されるときに、値1が書き込まれるレジスタである。出力部5のレジスタは、以下、「入力確認レジスタ」というものとする。
【0060】
(3)判別動作(出力部5の動作)
(3−1)動作概要
次に、本実施形態のプリンタ装置は、プリントアウト処理後、プリントアウト処理によって、RFタグ7が貼付されている部分がロール紙6から切断・排紙され、RFリーダ4がタグ情報を読み出せなくなったのか否かを判別する。
【0061】
(3−2)動作詳細
上述の判別は、RFリーダ4から電気信号が入力されなくなったか否かを出力部5が判別することで実現可能である。具体的には、上述の判別は、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態か否かを出力部5が判別することで実現可能である。
【0062】
RFリーダ4がタグ情報を読み出せなくなったときには、S3において出力部5に電気信号が入力されなくなり、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態となるからである。出力部5は、以下のS10〜S14の処理を実施することで、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態となっているか否かを判別する。
【0063】
なお、出力部5は、以下のS10〜S14の処理を、S4の処理を実施する回路とは異なる回路で実施するものとする。出力部5は、S4の処理と並行して、S10〜S14の処理を実施する為である。
【0064】
以下、S10〜S14の処理について説明する。
【0065】
まず、出力部5は、
図4に示されるように、プリントアウト完了を示す信号が切断排紙部3から入力されると、入力確認レジスタに値0を書き込む(S10)。
【0066】
次に、出力部5は、自身に備わる計時機能により、時間の計測を開始する(S11)。
【0067】
次に、出力部5は、計時機能によって計測される時間が所定時間以上となったか否かを判別する(S12)。
【0068】
S11、S12の処理は、次に入力確認レジスタに値1が書き込まれるタイミングを待つ為の処理である。その為、S12の所定時間は、入力確認レジスタに値1が書き込まれるタイミング間隔、具体的には、S1の所定のタイミング間の時間よりも十分長い時間である。
【0069】
次に、出力部5は、計時機能によって計測される時間が所定時間以上となっていない場合(S12でNoの場合)には、再度S12の判別を行い、入力確認レジスタに値1が書き込まれるタイミングを待つ。
【0070】
その後、出力部5は、計時機能によって計測される時間が所定時間以上となった場合、入力確認レジスタが0のままか否かを判別する(S13)。すなわち、出力部5は、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態となっているのか否かを判別する。
【0071】
(4)RFリーダ4がタグ情報を読み出せている場合の動作(出力部5の動作)
(4−1)動作概要
次に、本実施形態のプリンタ装置は、上述の判別動作において、RFリーダ4がタグ情報を読み出せていると判別した場合には、特に何もせず、次にプリントアウト処理が行われるのを待つ。
【0072】
(4−2)動作詳細
具体的には、出力部5は、上述のS13の判別において、入力確認レジスタの値が値0のままではない場合(S13でNoの場合)、すなわち、入力確認レジスタに値1が書き込まれている場合は、何もせず、プリントアウト完了を示す信号が入力されるのを待つ。
【0073】
なぜなら、入力確認レジスタに値1が書き込まれている場合には、RFリーダ4から電気信号が出力部5に入力されており、そのとき、RFリーダ4はタグ情報を読み出せているからである。RFリーダ4がタグ情報を読み出せている場合には、RFタグ7が貼り付けられた部分がロール紙6から切断・排紙されておらず、ロール紙6の残量も所定量以下(RFタグ7が貼付されている部分から芯までの長さ以下)となっていない。ロール紙6の残量が所定量以下でないので、本実施形態のプリンタ装置の出力部5は、ユーザに通知する等の処理を行わず、次にプリントアウト処理が行われるのを待つ。
【0074】
(5)RFリーダ4がタグ情報を読み出せなくなった場合の動作
その後、プリントアウト処理が繰り返されることにより、ロール紙6からRFタグ7が貼り付けられている部分がプリントアウト(印刷、切断及び排紙)されたとする。ロール紙6にはRFタグ7が存在しなくなる。
【0075】
(5−1)S3、S4の処理
そのとき、RFタグ7からの電波はRFリーダ4に届かない。その為、本実施形態のプリンタ装置のRFリーダ4は、上述のS3の処理を実施できず、タグ情報を読み出せなくなる。RFリーダ4がタグ情報を読み出せなくなると、出力部5にRFリーダ4から電気信号が出力されなくなる。出力部5に電気信号が入力されないことで、S4の処理が実施されず、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態となる。
【0076】
(5−2)S10〜S13の処理
一方、本実施形態のプリンタ装置は、プリントアウト処理の後、上述の「(3)判別動作」、すなわち、RFリーダ4がタグ情報を読み出せなくなったか否かの判別を行う。
【0077】
具体的には、出力部5が、上述のS10〜S13の処理を実施し、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態か否かを判別する。
【0078】
ここでは、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態となっているので、出力部5は、S13において、入力確認レジスタの値が値0のままで、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態と判別する。
【0079】
(5−3)通知動作
出力部5は、入力確認レジスタの値が値0のままで、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態の場合(S13でYesの場合)には、
図4に示されるように、自身に備わるLEDを点灯する(S15)。
【0080】
なぜなら、入力確認レジスタに値1が書き込まれない状態のときには、RFリーダ4がタグ情報を読み出せていないときだからである。
【0081】
上述の動作の通り、本実施形態のプリンタ装置の出力部5は、RFリーダ4がタグ情報を読み出せていないときに、LEDを点灯する。そのとき、ロール紙6からRFタグ7が貼付されている部分がプリントアウトされており、ロール紙6の残量が所定量以下(すなわち、RFタグ7が貼付されている部分から芯までの長さ以下)になっている。出力部5は、LEDを点灯することで、ロール紙6の残量が所定量以下になったことをユーザに通知することができる。
【0082】
(5−4)動作まとめ
上述のように、本実施形態のプリンタ装置は、RFタグ7が貼り付けられた部分がロール紙6からプリントアウトされ、RFリーダ4がタグ情報を読み出せなくなったときに、LEDを点灯する。そのとき、ロール紙6の残量が所定量以下(具体的には、RFタグが貼付されている部分から芯までの長さ以下)となっており、本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙6の残量が所定量以下となっていることをユーザに通知することができる。
【0083】
(6)RFタグ7が複数ロール紙6に備わる場合について
上記では、ロール紙6にRFタグ7が1つ備わる場合について説明した。ロール紙6には、複数のRFタグ7が備わっていてもよい。その場合、本実施形態のプリンタ装置の出力部5は、最も巻芯に近いRFタグ7が貼付されている部分がプリントアウトされたときに、LEDを点灯することとなる。最も巻芯に近いRFタグ7が貼付されている部分が最後にプリントアウトされたときに、RFタグ7からの電波が本実施形態のプリンタ装置に届かなくなるからである。本実施形態のプリンタ装置は、LEDを点灯することで、ロール紙6の残量が、最も巻芯に近いRFタグ7が貼付されている部分から芯までの長さ以下になっていることをユーザに通知する。
【0084】
(7)ロール紙の残量を随時表示する動作
(7−1)動作概略
ロール紙6には、複数のRFタグ7が、引き出される方向に一定間隔毎(例えば10m毎)に貼り付けられてもよい。ロール紙6は、引き出され、プリントアウトされていくと、貼付されているRFタグ7の数が徐々に減っていく。
【0085】
本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙6に貼付されているRFタグ7の数をカウントし、カウントした数に応じて、ロール紙6の残量値をディスプレイに表示してもよい。
【0086】
上述の動作は、本実施形態のプリンタ装置のRFリーダ4と出力部5が以下の通りに動作することで実現される。なお、RFタグ7各々には、RFタグを示す識別子(以下、「タグ識別子」という)がタグ情報として書き込まれているものとする。
【0087】
(7−2)動作詳細
(7−2−1)S1〜S3の処理
まず、RFリーダ4は、S1の処理を行った後、ロール紙6に貼付されているRFタグ7各々から電波を受信する。RFタグ7は、各々、異なる周波数の電波を送信するものであってもよい。
【0088】
RFリーダ4は、S3の処理において、各RFタグ7から受信した電波毎にタグ情報を抽出し、抽出したタグ情報を電気信号として出力部5に出力する。
【0089】
(7−2−2)S4の処理
次に、出力部5は、S4の処理において、電気信号がRFリーダ4から入力される毎にタグ情報を抽出し、さらに抽出したタグ情報からタグ識別子を抽出する。出力部5は、抽出したタグ識別子をメモリに記憶する。
【0090】
タグ識別子が記憶されたメモリには、対応表が本実施形態のプリンタ装置の製造者によって書き込まれている。対応表とは、タグ識別子の数と、当該タグ識別子の数があるときのロール紙6の残量値と、が対応づけられた表である。
【0091】
(7−2−3)S4後の処理
出力部5は、S4の処理後、メモリに記憶するタグ識別子の数をカウントする。カウントされたタグ識別子の数は、ロール紙6に貼付されているRFタグ7の数に相当する。出力部5は、タグ識別子の数をカウントすると、カウントした数に対応するロール紙6の残量値を対応表から求め、求めた残量値を示す電気信号をディスプレイに出力する。ディスプレイは、入力された電気信号が示すロール紙6の残量値を表示する。
【0092】
最後に、出力部5は、ロール紙6の残量値を示す電気信号を出力した後、メモリに記憶するタグ識別子を削除する。次に(7−2−1)〜(7−2−3)の処理を実施したときに、正しくロール紙6に貼付されているRFタグ7の数をカウントできるようにする為である。
【0093】
[効果の説明]
本実施形態によれば、プリンタ装置は、ロール紙の残量が所定量(具体的には、RFタグが貼付されている部分から芯までの長さ)以下になったことを正確にユーザに通知することができる。
【0095】
まず、本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙からRFタグが貼付されている部分が切断・排紙され、RFタグからタグ情報を読み出せなくなったときには、LEDを点灯する。そのときのロール紙の残量は、物理的に所定量以下(具体的には、RFタグが貼付されている部分から芯までの長さ以下)である。すなわち、本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙の残量が、物理的に所定量以下となったときにLEDを点灯する。その為、本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙の残量が所定量以下になったことを正確にユーザに通知することができる。
【0096】
≪第2の実施の形態≫
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0097】
まず、ロール紙には、一般的に、印字面を外側にして巻いた表巻きと呼ばれるタイプと、印字面を内側にして巻いた裏巻きと呼ばれるタイプと、の2種類が存在する。
【0098】
本実施形態のプリンタ装置に装填されるロール紙のRFタグには、当該ロール紙のタイプを示すタイプ情報が書き込まれている。本実施形態のプリンタ装置は、RFタグから読み取ったタイプ情報から、装填されたロール紙が、装填されるべきタイプのものか否かを判別する。本実施形態のプリンタ装置は、装填されたロール紙が、装填されるべきタイプのものでないときには、正しいタイプのロール紙の装填をユーザに促す音声を発する。
【0099】
以下に、第2の実施の形態のプリンタ装置の構成と動作について説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の構成例を示す図である。
【0100】
[構成の説明]
(1)第2の実施形態のプリンタ装置の構成
第2の実施形態のプリンタ装置は、
図5に示されるように、出力部5の代わりに、出力部25を備える。出力部25は、図示していないが、スピーカーを備える。
【0101】
また、本実施形態のプリンタ装置には、ロール紙6の代わりに、ロール紙26が装填される。ロール紙26は、RFタグ7の代わりに、RFタグ27が貼り付けられたロール紙である。RFタグ27には、RFタグ27を示す識別子以外にも、ロール紙26のタイプを示す情報(表巻きか、裏巻きかを示す情報)やロール紙26の消費期限を示す年月日が、タグ情報として書き込まれている。
【0102】
(2)出力部25の機能
出力部25には、本実施形態のプリンタ装置に装填されるべきロール紙のタイプを示す情報(以下、「装填タイプ情報」という)が本実施形態のプリンタ装置の製造者によって設定される。装填タイプ情報は、表巻き、又は裏巻きのいずれかを示す情報である。
【0103】
また、出力部25には、誤ったタイプのロール紙が装填されたことを示す音声データが本実施形態のプリンタ装置の製造者によって設定される。上述の音声データは、「装填されたロール紙は印字面が異なるタイプです。正しいタイプのロール紙を装填して下さい」というWAVE形式の音声データであってもよい。WAVEは、RIFF(Resource Interchange File Format) Waveform Audio Format)の略称である。
【0104】
出力部5は、入力された電気信号からタグ情報を抽出すると、抽出したタグ情報からロール紙26のタイプを示す情報(以下、「ロール紙タイプ情報」という)を抽出する。
【0105】
出力部5は、抽出したロール紙タイプ情報が、自身に設定されている装填タイプ情報と同じか否かを判別する。
【0106】
出力部5は、抽出したロール紙タイプ情報が、自身に設定されている装填タイプ情報と異なる場合には、「装填されたロール紙は印字面が異なるタイプです。正しいタイプのロール紙を装填して下さい」との音声データを、電気信号としてスピーカーに出力する。ユーザに、正しいタイプのロール紙を装填することを促す為である。スピーカーは、入力された音声データを音声として出力する。
【0107】
一方、出力部5は、抽出したロール紙タイプ情報が、自身に設定されている装填タイプ情報と同じである場合には、特に何もせず、次にタグ情報がRFリーダ4から入力されるのを待つ。
【0108】
上述した以外の構成や機能は、第1の実施の形態におけるプリンタ装置と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0109】
[動作の説明]
次に、本実施形態のプリンタ装置の動作を説明する。
【0110】
なお、本実施形態のプリンタ装置は、裏巻きタイプのロール紙が装填される装置であり、出力部25には、本実施形態のプリンタ装置の製造者によって、裏巻きを示す装填タイプ情報が設定されているものとする。また、ロール紙26は、表巻きタイプのロール紙であり、ロール紙26のRFタグ27には、表巻きを示すロール紙タイプ情報が書き込まれている。
【0111】
そのとき、本実施形態のプリンタ装置のユーザが、誤って表巻きタイプのロール紙26を本実施形態のプリンタ装置に装填してしまったとする。本実施形態のプリンタ装置は、以下のように動作する。
図6は、本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の動作を説明する為の図である。
【0112】
(1)誤ったロール紙が装填されたことを通知する動作
まず、本実施形態のプリンタ装置は、第1の実施形態のプリンタ装置と同様、所定のタイミングになると、
図3に示されるように、S1の処理を実施する。そのとき、ロール紙26にはRFタグ27が存在するので、本実施形態のプリンタ装置は、S2〜S4を実施する。その結果、出力部25は、S4で、RFタグ27からのタグ情報を抽出することとなる。
【0113】
次に、出力部25は、
図6に示されるように、S4の後、抽出したタグ情報からロール紙26のタイプを示す情報(すなわち、ロール紙タイプ情報)を抽出する(S20)。
【0114】
次に、出力部25は、抽出したロール紙タイプ情報が、自身に設定されている装填タイプ情報と同じか否かを判別する(S21)。
【0115】
ロール紙タイプ情報は表巻きを示す情報であり、装填タイプ情報は裏巻きを示す情報である。
【0116】
次に、出力部25は、抽出したロール紙タイプ情報が、自身に設定されている装填タイプ情報と異なる場合(S21でNoの場合)には、所定の音声データを電気信号としてスピーカーに出力する(S22)。
【0117】
上述の所定の音声データは、「装填されたロール紙は印字面が異なるタイプです。正しいタイプのロール紙を装填して下さい」との音声データであってもよい。スピーカーは、入力された音声データを音声として出力し、正しいタイプのロール紙の装填をユーザに促す。上述のスピーカーに出力される電気信号は、正しいタイプのロール紙の装填を促す信号である。
【0118】
なお、出力部25は、抽出したロール紙タイプ情報が、自身に設定されている装填タイプ情報と同じである場合(S21でYesの場合)には、特に何もせず、次にRFリーダ4から電気信号が入力されるのを待つ。
【0119】
(2)消費期限が過ぎたロール紙が装填されたことを通知する動作
ロール紙(感熱紙)には、発色低下を防ぐため、消費期限が決められているものがある。本実施形態のプリンタ装置は、消費期限が過ぎたロール紙(感熱紙)が装填されたときには、以下のように動作し、消費期限内のロール紙を装填するようユーザを促してもよい。
【0120】
まず、図示していないが、出力部25は、S4とS20〜S22を行った後、S4で抽出したタグ情報から消費期限を示す年月日を抽出する。
【0121】
消費期限を示す年月日は、ISO(International Organization For Standardization)8601に規定されるYYYYMMDD方式で表された番号列であるものとする。例えば、YYYYMMDD方式で表された番号列が20150102であるとき、当該番号列は2015年1月2日を示している。すなわち、2015は年を示す番号であり、01は月を示す番号であり、02は日を示す番号である。
【0122】
次に、出力部25は、ロール紙26の消費期限を示す年月日を抽出すると、自身に備わるカレンダー機能によって求められる現在の年月日が、抽出した年月日を過ぎているか否かを判別する。具体的には、出力部25は、以下の条件1〜条件3のいずれかに該当するかを判別する。現在の年月日もYYYYMMDD方式で表された番号列である。
【0123】
(条件1)抽出した年月日の年を示す番号が、現在の年月日の年を示す番号より大きい。
【0124】
(条件2)消費期限(年月日)の年を示す番号が、現在の年月日の年を示す番号と等しいが、消費期限(年月日)の月を示す番号が、現在の年月日の月を示す番号より大きい。
【0125】
(条件3)消費期限(年月日)の年と月を示す番号が、現在の年月日の年と月を示す番号と等しいが、消費期限(年月日)の日を示す番号が、現在の年月日の日を示す番号より大きい。
【0126】
次に、出力部25は、現在の年月日が、抽出した消費期限(年月日)を過ぎている場合、具体的には条件1〜条件3のいずれかが満される場合には、所定の音声データを電気信号としてスピーカーに出力する。
【0127】
上述の所定の音声データは、「消費期限が過ぎたロール紙が装填されています。消費期限内のロール紙を装填して下さい。」との音声データである。スピーカーは、入力された音声データを音声として出力し、消費期限内のロール紙を装填するようユーザを促す。
【0128】
[効果の説明]
本実施形態のプリンタ装置は、誤ったタイプのロール紙が装填されたときに、正しいタイプのロール紙の装填をユーザに促すことができる。
【0129】
なぜなら、本実施形態のプリンタ装置は、装填されたロール紙のタイプを示す情報をRFタグから読み取り、読み取った情報が、装置に装填されるべきロール紙のタイプを示す所定の情報と異なれば、正しいタイプのロール紙の装填を促す音声を発するからである。
【0130】
なお、本実施形態のプリンタ装置は、第1の実施形態のプリンタ装置と同じ処理を行う為、第1の実施形態のプリンタ装置と同様、ロール紙の残量が所定量以下になったことを正確にユーザに通知することができる。
【0131】
さらに、本実施形態のプリンタ装置は、消費期限が過ぎたロール紙が装填されていることをユーザに通知することができる。なぜなら、本実施形態のプリンタ装置は、装填されたロール紙の消費期限を示す年月日をRFタグから読み取り、読み取った年月日が、現在の年月日を過ぎていれば、装填されているロール紙が消費期限を過ぎていることを示す音声を発するからである。
【0132】
≪第3の実施の形態≫
本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙の残量が所定量以下となったときに、印刷データに含まれる広告データを印刷しないようにする装置である。本実施形態のプリンタ装置は、印刷量を減らすので、ロール紙の延命を図ることができる。
【0133】
以下に、第3の実施の形態のプリンタ装置の構成と動作について説明する。
図7は、本発明の第3の実施の形態におけるプリンタ装置の構成例を示す図である。
【0134】
[構成の説明]
(1)第3の実施形態のプリンタ装置の構成
第3の実施形態のプリンタ装置は、
図7に示されるように、印刷機能部1と出力部5の代わりに、印刷機能部31と出力部35を備える。印刷機能部31には、PCの代わりに、携帯端末(図示せず)が接続される。
【0135】
印刷機能部31は、携帯端末(図示せず)から印刷データが入力される。印刷データは広告データを含む。広告データは、印刷データの最後に添付され、その先頭には、広告データを示す識別子が付与されている。広告データを示す識別子(以下、「広告識別子」という)は、IDFA(Identification For Advertisers)や広告を示す文字列であってもよい。
【0136】
(2)出力部35の機能
出力部35は、ロール紙6の残量が所定量以下となったことを知らせるLEDを点灯させた後に、印刷量低減を指示する電気信号(以下、「印刷量低減信号」という)を印刷機能部31に出力する。
【0137】
(3)印刷機能部31の機能
印刷機能部31は、印刷量低減信号が入力された後は、携帯端末(図示せず)から入力される印刷データから広告データを削除する。具体的には、印刷機能部31は、入力された印刷データから、広告データを示す広告識別子以降のデータを削除する。印刷機能部31は、広告データを削除した印刷データを、一般的なプリンタ機能により、ロール紙6の感熱紙に印刷する。
【0138】
上述した以外の構成や機能は、第1の実施の形態におけるプリンタ装置と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0139】
[動作の説明]
次に、本実施形態のプリンタ装置の動作を説明する。
図8は、本発明の第3の実施の形態におけるプリンタ装置の動作を説明する為の図である。
【0140】
まず、出力部35は、S14の処理を実施して、ロール紙6の残量が所定量以下となったことを知らせるLEDを点灯させた後、印刷量低減を指示する印刷量低減信号を印刷機能部31に出力する(S30)。
【0141】
その後、印刷機能部31に、携帯端末(図示せず)から印刷データが入力されたとする。
【0142】
印刷機能部31は、入力された印刷データから広告データを削除する(S31)。
【0143】
具体的には、印刷機能部31は、入力された印刷データから、広告データを示す広告識別子以降のデータを削除する。
【0144】
次に、印刷機能部31は、広告データを削除した印刷データを、一般的なプリンタ機能により、ロール紙6から引き出した感熱紙に印刷する(S32)。
【0145】
その他の動作については、第1の実施の形態の動作と同様である為、詳細の説明を省略する。
【0146】
[効果の説明]
本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙の残量が所定量以下となったときに、ロール紙の延命を図ることができる。
【0147】
なぜなら、本実施形態のプリンタ装置は、ロール紙の残量が所定量以下となったときに、印刷データに含まれる広告データを削除し、印刷量を減らすからである。その結果、本実施形態のプリンタ装置は、使用する感熱紙の量(ロール紙6から引き出す紙量)を広告データ分減らせ、ロール紙の延命を図ることができる。
【0148】
≪第4の実施の形態≫
図9は、本発明の第4の実施の形態における装置の構成例を示す図である。以下に、第4の実施の形態の装置の構成と動作について説明する。
【0149】
[構成の説明]
(1)第4の実施形態の装置の構成
第4の実施形態の装置は、
図9に示されるように、読取部100と、出力部101と、を備える。本実施形態の装置には、本実施形態の装置のユーザによって、一端が引き出される連続した材料200が装備される。連続した材料200は、本実施形態の装置内に装填されるものであってもよいし、装置外に取り付けられるものであってもよい。
【0150】
また、連続した材料200は、巻芯に巻かれておいるもの、すなわち、ロール物であってもよいし、連続帳票のように折り畳まれているものであってもよい。
図9では、連続した材料200がロール物として装填されている場合を一例として示している。
【0151】
なお、連続した材料200には、その製造者によって、無線タグ201が設けられる。連続した材料200の製造者は、無線タグ201を、連続した材料200の最後に引き出される部分に貼り付けてもよい。
【0152】
(2)装置100の各部位の機能
読取部100は、装備(例えば装填)され、一端が引き出される連続した材料200に設けられた無線タグ201から情報の読み出しを行う。
【0153】
出力部101は、連続した材料200の一部、又は全部が引き出された後に読取部100が情報を読み出せないときには、第1の信号を出力する。
【0154】
[動作の説明]
次に、本実施形態の装置の動作を説明する。以下では、連続した材料200は、ロール物であるものとして説明を行う。連続した材料200は、以下、「ロール物200」というものとする。
【0155】
(1)情報読み出し動作
まず、本実施形態の装置の読取部100は、一定タイミング毎に、一端が引き出されるロール物200に設けられた無線タグ201から情報の読み出しを行う。
【0156】
(2)ロール物200の引き出し
次に、本実施形態の装置のユーザが、ロール物200の一端を持って、ロール物200を引き出し続けたとする。やがて、無線タグ201が設けられている部分についても引き出されたとする。
【0157】
そのとき、無線タグ201の電波が読取部100に届かなくなり、本実施形態の装置の読取部100は、無線タグ201から情報の読み出しを行えなくなる。
【0158】
(3)出力動作
本実施形態の装置の出力部101は、ロール物200の一部、又は全部が引き出された後に読取部100が情報を読み出せないときには、第1の信号を出力する。
【0159】
そのとき、無線タグ201が設けられている部分まで引き出されているので、ロール物200の残量は所定量以下(すなわち、無線タグ201が設けられている部分から巻芯までの長さ以下)となっている。本実施形態の装置は、ロール物200の残量が所定量以下(無線タグ201が設けられている部分から巻芯までの長さ以下)となった事をユーザに通知することができる。
【0160】
なお、第1の信号は、光信号であってもよい。その場合、出力部101には発光体が備わる。
【0161】
(4)ロール物200について
ロール物200を含め、連続した材料は、紙、布、皮、鉄板等の金属、ビニール、フィルム、又はそれらの組み合わせを含む材料を含むものであってもよい。
【0162】
[効果の説明]
本実施形態によれば、装置は、ロール物の残量が所定量(具体的には、無線タグが貼付されている部分から芯までの長さ)以下になったことを正確にユーザに通知することができる。
【0164】
まず、本実施形態の装置は、ロール物から無線タグが貼付されている部分が引き出され、当該無線タグから情報を読み出せなくなったときには、信号を出力する。そのとき、ロール物の残量は、物理的に所定量以下(具体的には、無線タグが貼付されている部分から芯までの長さ以下)である。すなわち、本実施形態の装置は、ロール物の残量が、物理的に所定量以下となったときに信号を出力する。その為、本実施形態の装置は、ロール物の残量が所定量以下になったことを正確にユーザに通知することができる。
【0165】
なお、本実施形態の装置は、ロール物だけでなく、装置に装備される連続した材料であれば、その残量が所定量以下になったことを正確にユーザに通知することができる。
【0166】
なぜなら、本実施形態の装置は、装置に装備された、連続した材料から無線タグが貼付されている部分が引き出され、当該無線タグから情報を読み出せなくなったときに信号を出力するからである。信号を出力したとき、連続した材料の残量は物理的に所定量以下である。本実施形態の装置は、信号の出力により、連続した材料の残量が所定量以下になったことを正確にユーザに通知することができる。
【0167】
なお、上述した実施の形態は、その形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0168】
さらに、上記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
装備され、一端が引き出される連続した材料に設けられた無線タグから情報の読み出しを行う読取部と、
前記連続した材料の一部、又は全部が引き出された後に前記読取部が前記情報を読み出せないときには、第1の信号を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする装置。
(付記2)
前記連続した材料は、ロール物の巻かれている材料であり、
前記出力部は、前記ロール物から前記材料の一部、又は全部が引き出された後に、前記読取部が前記情報を読み出せないときには前記第1の信号を出力する、
ことを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記3)
前記出力部は、前記読取部が読み出した前記情報に含まれる前記ロール物の種類を示す情報が、所定の種類を示す情報と異なるときには、第2の信号を出力する、
ことを特徴とする付記2に記載の装置。
(付記4)
前記出力部は、前記読取部が読み出した前記情報に含まれる前記ロール物の消費期限を示す年月日が、現在の年月日を過ぎているときには、第3の信号を出力する、
ことを特徴とする付記2乃至3のいずれか1項に記載の装置。
(付記5)
前記ロール物から前記材料を引き出す処理部を備え、
前記出力部は、前記第1の信号を出力した後、処理低減を示す信号を出力し、
前記処理部は、前記処理低減を示す信号が入力されると、前記材料を引き出す量を所定量減らす、
ことを特徴とする付記2乃至4のいずれか1項に記載の装置。
(付記6)
前記処理部は、前記処理低減を示す信号が入力されると、前記材料を引き出す量を、入力された広告データのデータ量分減らす、
ことを特徴とする付記5に記載の装置。
(付記7)
前記読取部は、所定のタイミング毎に電波を発信し、前記発信に応じて前記無線タグから電波を受信したときには、受信した前記電波から抽出した前記情報を出力し、
前記出力部は、前記連続した材料の一部、又は全部が引き出された後に、前記所定のタイミング間の時間よりも長い所定時間内に、前記読取部から前記情報が入力されないときには、前記第1の信号を出力する、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
(付記8)
装備され、一端が引き出される連続した材料に設けられた無線タグから情報の読み出しを行う読取ステップと、
前記連続した材料の一部、又は全部が引き出された後の前記読取ステップにおいて前記情報を読み出せないときには、第1の信号を出力する出力ステップと、を有する、
ことを特徴とする通知方法。
(付記9)
前記連続した材料は、ロール物の巻かれている材料であり、
前記ロール物から前記材料の一部、又は全部が引き出された後の前記読取ステップにおいて前記情報を読み出せないときには前記第1の信号を出力する、
ことを特徴とする付記8に記載の通知方法。
(付記10)
前記読取ステップにおいて読み出された前記情報に含まれる前記ロール物の種類を示す情報が、所定の種類を示す情報と異なるときには、第2の信号を出力する、
ことを特徴とする付記9に記載の通知方法。
(付記11)
前記読取ステップにおいて読み出された前記情報に含まれる前記ロール物の消費期限を示す年月日が、現在の年月日を過ぎているときには、第3の信号を出力する、
ことを特徴とする付記9乃至10のいずれか1項に記載の通知方法。
(付記12)
前記ロール物から前記材料を引き出す処理ステップを有し、
前記第1の信号を出力した後の前記処理ステップにおいては、前記材料を引き出す量を所定量減らす、
ことを特徴とする付記9乃至11のいずれか1項に記載の通知方法。
(付記13)
前記第1の信号を出力した後の前記処理ステップにおいては、前記材料を引き出す量を、入力された広告データのデータ量分減らす、
ことを特徴とする付記12に記載の通知方法。
(付記14)
前記読取ステップにおいては、所定のタイミング毎に発信した電波に応じて前記無線タグから電波を受信したときには、受信した前記電波から抽出した前記情報を出力し、
前記出力ステップにおいては、前記連続した材料の一部、又は全部が引き出された後に、前記所定のタイミング間の時間よりも長い所定時間の間に、前記情報が入力されないときに、前記第1の信号を出力する、
ことを特徴とする付記8乃至13のいずれか1項に記載の通知方法。
(付記15)
前記連続した材料は、折り畳まれた材料である、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
(付記16)
前記連続した材料は、紙、布、皮、金属、ビニール、フィルムのいずれかを含む、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項、又は付記15に記載の装置。
(付記17)
引き出した前記連続した材料を、前記無線タグの通信方式で前記読取部と通信できない所定の場所に移動させる移動部と、を備え、
前記出力部は、前記移動後に前記読取部が前記情報を読み出せないときには、前記第1の信号を出力する、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項、又は付記15乃至16のいずれか1項に記載の装置。
(付記18)
前記移動部は、引き出した前記材料を切断して、前記所定の場所に通じる穴に落下させる、
ことを特徴とする付記17に記載の装置。
(付記19)
前記ロール物の種類を示す情報は、表巻き、若しくは裏巻きを示す情報である、
ことを特徴とする付記3に記載の装置。
(付記20)
前記連続した材料は、引き出される方向に、固有の情報が書き込まれた前記無線タグが複数設けられた材料であり、
前記出力部は、前記読取部が読み出した前記固有の情報の数に対応する信号を出力する、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項、又は付記15乃至19のいずれか1項に記載の装置。