(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の表示一体型画像形成装置によれば、例えば第1表示装置の第1表示画面を設置店舗の道路側(歩道側)に向けて設置することで、第1表示装置と第2表示装置の両方で、歩道側の歩行者と店舗内の顧客との両者に対して効果的に広告宣伝等を行うことができる。
【0006】
一方、従来の画像形成装置では、操作者(以下、ユーザーともいう。)が立つ装置筐体の正面側にタッチパネル方式の表示操作部が配置されており、この表示操作部に、ユーザーの操作手順(操作ガイド)を表示するようになっている。しかし、表示操作部での表示にはスペース的に限界があることから、新たな表示形態が要望されていた。
【0007】
そこで、このような要望に答えるため、上記特許文献1記載の表示一体型画像形成装置において、操作者側から見て視認可能な第2表示装置の第2表示画面にこの操作ガイドを表示することが考えられる。
【0008】
しかし、上記特許文献1記載の表示一体型画像形成装置は、第1表示装置と第2表示装置とがそれぞれLCDパネル等で個別に構成されており、大がかり、かつ、高価な装置となっていた。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、プロジェクタを使用して、操作ガイド等の画像(ガイド情報)を、開放された原稿押さえ板の内側面(開放面)に投影することで、原稿押さえ板を簡易ディスプレイとして使用することのできる画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成システムは、開閉自在な原稿押さえ板を備えた原稿読取部と、前記原稿読取部で読み取られた原稿データを画像処理する画像形成部と、画像を投影する投影部と、前記投影部から投影される前記画像の切り替え制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記原稿押さえ板が開放されている場合には、前記投影部からの画像を前記原稿押さえ板の開放されている内側面に投影して表示することを特徴としている。
【0011】
すなわち、投影部からの画像を原稿押さえ板の開放されている内側面に投影して表示することで、原稿押さえ板を簡易ディスプレイとして利用している。
【0012】
また、本発明の画像形成システムによれば、装置本体の背面側に投影板を備え、前記制御部は、前記原稿押さえ板が閉じられている場合には、前記投影部からの画像を前記投影板に投影して表示する構成としてもよい。
【0013】
また、本発明の画像形成システムによれば、前記原稿押さえ板の開閉を検知する開閉検知部を備え、前記制御部は、前記開閉検知部の検知結果に基づいて、前記投影部からの画像を前記原稿押さえ板の前記内側面または前記投影板のいずれか一方に切り替えて投影する構成としてもよい。この構成によれば、画像の投光を確実に切り替えることができる。
【0014】
また、本発明の画像形成システムによれば、前記制御部は、前記開閉検知部の検知結果に基づいて、投影する画像を切り替える構成としてもよい。この構成によれば、投影する画像を確実に切り替えることができる。
【0015】
また、本発明の画像形成システムによれば、前記投影板は、透明な板と両面視野角のスクリーンフィルムとで構成され、前記制御部による画像の正転、反転のデータ切り替え制御により、前記投影板の両面で2通りの表示を可能としてもよい。これにより、歩行者と本画像形成装置の操作者との両者に対して広告宣伝等を行うことが可能となる。
【0016】
また、本発明の画像形成システムによれば、前記投影板はシャッタ機構を備えており、前記制御部は、前記投影部からの画像を前記投影板に投影するときには、前記シャッタ機構のオン、オフ制御を併せて行う構成としてもよい。
【0017】
また、本発明の画像形成システムによれば、前記シャッタ機構は、透明液晶等のデバイスで構成された構成とすることができる。
【0018】
また、本発明の画像形成システムによれば、装置筐体の正面側にユーザー操作を受け付ける表示操作部を備え、前記投影部は、前記装置筐体の正面側であって前記表示操作部の横に配置された構成としてもよい。
【0019】
また、本発明の画像形成システムによれば、装置筐体の正面側にユーザー操作を受け付ける表示操作部を備え、前記投影部は、投影用のレンズ部と投影本体部とからなり、前記投影本体部は、前記装置筐体の正面側において前記表示操作部の下部に配置され、前記レンズ部は、前記装置筐体の正面側において前記表示操作部の奥側に配置された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記のように構成したので、投影部からの画像を原稿押さえ板の開放されている内側面に投影して表示することで、原稿押さえ板を簡易ディスプレイとして利用することができる。従って、原稿押さえ板の内側面に操作ガイド等を表示することで、操作者であるユーザーに対してより大きな画面で操作ガイドの説明画像を提供することができる。また、大きな画面で提供できることから、より詳細な説明画像を提供することも可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの外観斜視図である。
【0024】
この画像形成システム1は、正面側から見た形状がコの字型に形成された胴内排紙口部31を有する画像形成装置3を含み、胴内排紙口部31の上部側の装置筐体30に、開閉自在な原稿押さえ板32、原稿読取部33及びスキャナー34が配置され、胴内排紙口部31の下部側の装置筐体30内に給紙部35及び後述する画像形成部16が配置されている。原稿押さえ板32は、装置筐体30の奥側を回動支点として、正面側から奥側に向かって(
図1中、紙面奥側に向かって)開閉自在に設けられている。
【0025】
また、胴内排紙口部31の上部であって、原稿読取部33の正面側の装置筐体30には、表示操作部40が設けられ、この表示操作部40の横に画像を投影する投影部であるプロジェクタ59が設けられている。実施の形態1に係るプロジェクタ59は、後述する投影板60の前面側(ユーザー側)から光を投影する前面投影型のプロジェクタである。なお、プロジェクタ59の種類としては、透過型液晶方式や反射型液晶方式、DLP方式等の各種方式のプロジェクタを用いることが可能である。
【0026】
また、原稿読取部33の背面側の装置筐体30には、プロジェクタ59から投影される画像を表示する投影板60が、原稿読取部33から上方に突出して設けられている。この投影板60は、透明な板と両面視野角のスクリーンフィルムとで構成され、後述する制御部21による画像の正転、反転のデータ切り替え制御により、投影板60の両面で2通りの表示が可能となっている。
【0027】
図2は本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、実施の形態1に係る画像形成システム1は、制御装置2、画像形成装置3、プロジェクタ59、及び投影板60を含んで構成されており、制御装置2には画像形成装置3の他、例えば課金装置等(図示せず)が専用線にて接続されている。
【0028】
画像形成装置3は、表示操作部40、表示切替部12、画像形成制御部11、内部電源14、画像読取部15、画像形成部16、及び記憶部17等を備えている。
【0029】
表示操作部40は、液晶部41、タッチパネル部42、及びハードキー43等を備えている。
【0030】
液晶部41は、LCDパネル等からなり、ユーザーからジョブの実行に係る指示を受け付ける初期画面や、画像形成部16を介して所定の記録用紙へ出力(形成)すべき画像等が表示される。また、液晶部41は、画像形成装置3の状態、ジョブ処理の状況、画像読取部15が読み取った原稿の画像及びタッチパネル部42またはハードキー43の操作内容の確認等、ユーザーに対して報知すべき情報を表示する。また、液晶部41の表示画面はタッチパネル部42によって覆われている。
【0031】
タッチパネル部42は、タッチパネルを有しており、該タッチパネルを介してユーザーからの指示を受け付けることができる。ユーザータッチによるタッチパネルの操作信号は画像形成制御部11または制御装置2に送られる。例えば、画像形成制御部11は該操作信号に基づき、何れかのソフトキーを特定し、当該ソフトキーに係る指示を受け付けたものと認識する。
【0032】
表示切替部12は、専用I/Fアダプタ121、操作表示切替部122、及び電源切替部123等を備えている。
【0033】
専用I/Fアダプタ121は、後述する制御装置2の専用I/Fアダプタ24と専用信号線Aを用いて接続されている。従って、制御装置2は、画像形成装置3の表示操作部40からの操作信号を受信可能となっている。
【0034】
操作表示切替部122は、表示操作部40の液晶部41、タッチパネル部42及びハードキー43の制御を、制御装置2からの制御と画像形成制御部11からの制御のいずれか一方に切り替える機能を有しており、制御装置2が待機状態にある場合には、制御装置2が機能的に占有する(すなわち、制御装置2が優先的に表示操作部40の操作信号を受け付ける)ようになっている。一方、制御装置2が電源オフされているような場合は、操作表示切替部122が画像形成制御部11と表示操作部40とを接続し、自装置(画像形成制御部11)による制御が行われるように構成されている。換言すれば、本発明に係る画像形成システムにおいては、画像形成装置3側に配置された表示操作部40は、表示切替部12を介して制御装置2と共有するように構成されている。
【0035】
電源切替部123は、表示操作部40と内部電源14との間に介在しており、表示操作部40に電力の供給を行う供給源を内部電源14または制御装置2のどちらかに切り替え可能となっている。具体的には、電源切替部123には、内部電源14と共に、制御装置2の電源25が専用信号線Aを介して接続されており、これらの何れかを表示操作部40と選択的に接続する。例えば、内部電源14がオフにされたような場合は、電源切替部123は、表示操作部40を制御装置2の電源25に接続する。
【0036】
画像形成制御部11は、表示制御部113、操作制御部112、システム制御部111、開閉検知部114、及びネットワークI/F115等を備えている。
【0037】
表示制御部113は、例えばDSP(Digital Signal Processor)のようなプロセッサにより構成され、液晶部41への画像表示を制御する。
【0038】
操作制御部112は、タッチパネル部42及びハードキー43の制御を行う。具体的には、ユーザーがタッチパネル部42またはハードキー43を操作することにより、これらの操作信号に基づいて、所定の指示を受け付ける。
【0039】
開閉検知部114は、原稿押さえ板32の開閉状態を検知する。検知信号は、操作制御部112を通じてシステム制御部111に送られる。開閉検知部114としては、マイクロスイッチ等のメカセンサーによって開閉を検知する場合と、反射型光センサーによって検知する場合がある。メカセンサーによる場合は、原稿押さえ板32の開閉ストロークの少ないところにセンサーを配置する。また、反射型光センサーの場合は原稿台であるプラテンガラスの内部に配置し、原稿押さえ板32の色相を検出することによって原稿押さえ板32の開閉を検知する。
【0040】
システム制御部111は、表示操作部40を介してユーザーから受け付けた所定のジョブの指示に従って、画像読取部15や画像形成部16等によるジョブの実行の制御等を行う。
【0041】
ネットワークI/F115は、汎用のLANケーブルBを介して、制御装置2と接続されている。
【0042】
内部電源14は、画像形成装置3が有する電源であって、表示切替部12に電力を供給する。また、内部電源14は電源切替部123を介して表示操作部40に電力を供給するように構成されている。
【0043】
記憶部17は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、またはOUM等の不揮発性の記憶媒体により構成されている。また、記憶部17には、液晶部41に表示すべき画像(例えば、初期画面やその後の操作手順に関する説明画面等)に係る画像データや、画像読取部15によって読み取られた原稿の画像データ等が記憶されている。
【0044】
画像読取部15は、
図1に示す原稿読取部33及びスキャナー34に相当し、読み取り用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等を有し、該原稿の画像データの光学的読み取りを行う。また、画像読取部15は、所定の読取り位置に載置された原稿からの反射光像を当該イメージセンサに結像させ、RGB(R : Red, G : Green, B : Blue)のアナログデータを出力する。
【0045】
画像形成部16は、例えば、画像読取部15によって読み取られた原稿の画像データに基づく画像を記録用紙、OHPフィルム等の記録媒体上に印刷する。画像形成部16は、感光体ドラム、該感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写器等を備えており、例えば、電子写真方式にて画像を記録媒体上に出力する。
【0046】
一方、制御装置2は、制御部21、専用I/Fアダプタ24、ネットワークI/F23、記憶部22、電源25等を備えている。
【0047】
専用I/Fアダプタ24は、専用信号線Aを介して画像形成装置3の表示切替部12(専用I/Fアダプタ121)と接続されている。従って、制御部21は、上述したように、画像形成装置3の表示操作部40からの操作信号に基づいてプロジェクタ59を制御することができ、また、画像形成装置3の内部電源14がオフにされた場合、制御装置2の電源25からの電力を表示操作部40に供給することができる。
【0048】
ネットワークI/F23は、LANケーブルBを介して、画像形成装置3の画像形成制御部11(ネットワークI/F114)と接続されている。
【0049】
記憶部22は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、または、OUM等の不揮発性の記憶媒体により構成されている。この記憶部22には、画像形成装置3の表示操作部40からの操作信号や開閉検知部114からの検知信号等に基づくプロジェクタ59の制御データが記憶されている。具体的には、投影板60に画像データを投影するための投影角度や焦点を合わせるためのレンズ部の絞り角度等の制御データや、開放された原稿押さえ板32の内側面32aに画像データを投影するための投影角度や焦点を合わせるためのレンズ部の絞り角度等の制御データなどを記憶している。また、記憶部22には、投影板60に投影するための企業広告サイネージや店舗商品情報等の各種情報(コンテンツ情報)が記憶されている。このコンテンツ情報には、動画、静止画の両方が含まれる。
【0050】
制御部21は、開閉検知部114の検知結果に基づき、記憶部22に記憶されている制御データに従ってプロジェクタ59を制御し、プロジェクタ59からの画像(投影画像)を原稿押さえ板32の内側面32aまたは投影板60のいずれか一方に切り替えて投影する制御を行う。また、制御部21は、開閉検知部114の検知結果に基づいてプロジェクタ59を制御し、投影する画像を切り替える制御を行う。
【0051】
また、制御部21は、記憶部22に記憶されている各種コンテンツ情報を投影板60に投影するためのスケジュール管理部(図示省略)を備えている。スケジュール管理部は、記憶部22に記憶されている各種コンテンツ情報の表示順、表示時間等を管理しており、この管理情報に従って各種コンテンツを投影板60に投影するように構成されている。
【0052】
次に、上記構成の画像形成システム1において、プロジェクタ59による表示の切り替え処理の具体例について、
図3に示すフローチャートを適宜参照して説明する。
【0053】
制御装置2の制御部21は、画像形成装置3のシステム制御部111から送信されてくる原稿押さえ板32の開閉状態を示す開閉検知部114からの開検知信号及び閉検知信号を常に監視している。そして、開検知信号を受信していない場合(ステップS1でNoと判断された場合)には、プロジェクタ59を制御して、スケジュール管理部により管理している表示順及び表示時間等に基づき、記憶部22に記憶されているコンテンツ情報を投影板60に投影する(ステップS2)。これにより、投影板60には、企業広告サイネージや店舗商品情報等の各種情報が表示される。
【0054】
投影板60は、上記したように透明な板と両面視野角のスクリーンフィルムとで構成されており、画像形成システム1を店舗内の歩道側に面したガラス張りの壁面に背面側を向けて設置されている場合には、装置筐体50側に面した店舗内側の面と、装置筐体50とは反対側に面した店舗外側の面の両方に同じ情報を表示することができる。
【0055】
ここで、店舗内の顧客に対して表示していた情報を、店舗外の歩行者に対して表示する場合には、表示している情報を反転させて表示する。これにより、文字等が含まれている場合には、その文字等も店舗内の顧客に対する表示形態から反転させて表示されるため、歩道側の歩行者にとっては正しい文字画像として表示されることになる。例えば、昼間などで店舗内に人の入りがある場合には、企業広告サイネージや店舗商品情報等の情報を正転状態として投影板60に投影する。一方、店舗内に人のいない夜間帯などは、店舗の外に向けた企業広告サイネージや店舗商品情報等の情報を反転画像で投影板60に投影することで、店舗外から見える画像は正転された画像となる。また、投影板60は、同一投影面で両面から同時に視認できるため、正転反転に依存しない画像を投影すれば、店舗内の顧客と店舗外の歩行者の両者に対して両面同時サイネージも可能である。
【0056】
さらに、店舗内の顧客向けに企業広告サイネージや店舗商品情報等の情報を表示する場合、そのままではその反転画像が歩道側の歩行者にも視認されることになり、例えば文字等が反転文字として表示されることになる。そのため、投影板60にシャッタ機構61(
図2参照)を備え、店舗内の顧客向けに企業広告サイネージや店舗商品情報等の情報を表示する場合には、シャッタ機構をオンとして、歩道側からは視認できないようにしてもよい。ここで、シャッタ機構としては従来周知の液晶シャッタ方式や瞬間調光ガラス等を用いることができる。瞬間調光ガラスは、2枚のガラス板の間に液晶シートを介在させ、この液晶シートをオン、オフすることで、透明ガラスから不透明ガラスに切り替えることが可能である。これにより、リアプロジェクション時(店舗外の歩行者に向けての投影時)には投影板60を透明とし、フロントプロジェクション時(店舗内の顧客に向けての投影時)には投影板60を不透明として、店舗外の歩行者に見えなくすることができる。ただし、このようなシャッタ機構に限定されるものではなく、従来周知の種々のシャッタ機構を採用することが可能である。
【0057】
一方、このような投影板60へのコンテンツ情報の投影中等において、店舗内のユーザーが画像形成装置1を使用するために、原稿押さえ板52を開くと、開閉検知部114から開検知信号が操作制御部112、システム制御部111、ネットワークI/F115、LANケーブルB、及びネットワークI/F23を通じて制御部21に送信される。制御部21がこの開検知信号を受信すると(ステップS1でYesと判断されると)、制御部21は、その時点で投影板60にコンテンツ情報を投影している場合には、そのコンテンツ情報の投影を中止する(ステップS3)。
【0058】
このとき、画像形成装置3の表示操作部40には、例えば
図4に示す操作ガイド(操作手順)画面が表示される。この例では、コピーを行う場合の操作ガイド画面が表示されている。この操作ガイド画面には、画面左下に「ユーザーガイド」と表記されたボタン40aが表示されている。従って、その後の操作手順の説明を希望するユーザーは、このユーザーガイドボタン40aを操作することで、その後の操作手順が表示操作部40に表示される。ここで、本実施の形態1では、この時点で原稿押さえ板32が開放されているので、プロジェクタ59を通じてその後の操作ガイドを原稿押さえ板32の内側面32aに表示する構成としている。
図5は、開放された原稿押さえ板32の内側面32aにプロジェクタ59から操作ガイド情報を投影している状態を示している。
【0059】
すなわち、制御装置2の制御部21は、ユーザーガイドボタン40aが操作されたか否か(すなわち押されたか否か)を監視する(ステップS4)。ここで、ユーザーガイドボタン40aが操作されることなく、表示操作部40の画面上でその後の手順が実行された場合(ステップS4でNo、ステップS5でYesと判断された場合)には、画像形成装置3はその手順に従って本来の画像形成処理を実行する(ステップS6)。すなわち、この場合には、操作手順の説明が表示操作部40に表示されることはなく、また、プロジェクタ59を介して原稿押さえ板32の内側面32aに投影されることもない。
【0060】
一方、操作手順の説明が必要なユーザーが、表示されているユーザーガイドボタン40aを操作した場合(ステップS4でYesと判断された場合)には、その操作信号が制御装置2の制御部21にも送信されるので、制御部21は、この操作信号に基づき、プロジェクタ59を制御して操作手順の説明を、開放されている原稿押さえ板32の内側面32aに投影する(ステップS7)。これにより、操作手順の説明が、表示スペースの限られている表示操作部40の小さな画面から、原稿押さえ板32の内側面全体という大きな画面に拡大して表示されるので、ユーザーにとってはその後の操作をスムーズに行うことができる。なお、この場合、操作手順の説明画面は、表示操作部40と原稿押さえ板32の両方に表示してもよい。
【0061】
ここで、表示されている操作手順の説明画面に従ってユーザーが表示操作部40に表示されている操作ボタンを順次操作して説明画面を進めた(切り替えた)場合、システム制御部111は、そのボタン操作に従って記憶部17から読み出した対応する操作手順の説明画面の画像データを、ネットワークI/F115、LANケーブルB、ネットワークI/F23を通じて制御部21に送信し、制御部21は送信されてきた画像データをプロジェクタ59から原稿押さえ板32の内側面32aに順次投影する。
【0062】
このようにして、原稿押さえ板32の内側面32aに表示された操作手順の説明画面に従ってユーザーが操作を進め、最後に画像形成を実行すべく原稿押さえ板32を閉めると、この閉動作を開閉検知部114が検知し、閉検知信号を操作制御部112を通じてシステム制御部111に送信する。システム制御部111は、この閉検知信号を、ネットワークI/F115、LANケーブルB、ネットワークI/F23を通じて制御部21に送信する。
【0063】
制御部21は、原稿押さえ板32の内側面32aに操作手順の説明画面を表示している間中、画像形成装置3のシステム制御部111から送信されてくる閉検知信号を監視している(ステップS8)。そして、閉検知信号を受信すると(ステップS8でYesと判断されると)、制御部21は、プロジェクタ59による原稿押さえ板32の内側面32aへの操作手順の説明画面の投影を停止する(ステップS9)。
【0064】
この後、制御部21は、スケジュール管理部により管理している表示順及び表示時間等に基づき、記憶部22に記憶されているコンテンツ情報を再び投影板60に投影する。これにより、投影板60には、再び企業広告サイネージや店舗商品情報等の各種情報が表示されることになる。
【0065】
なお、上記説明では、原稿押さえ板32を開いたユーザーが、表示操作部40に表示されているユーザーガイドボタン40aを操作することを契機として、プロジェクタ59により原稿押さえ板32の内側面32aに操作手順の説明画面を表示する構成としているが、ユーザーガイドボタン40aが押されたか否かに関係なく、ユーザーが原稿押さえ板32を開いて表示操作部40から画像形成処理(
図4ではコピーするための手順)を実行すると、その実行操作に連動させてその操作手順の説明画面を順次原稿押さえ板32の内側面32aに投影するようにしてもよい。この場合、操作手順の説明が必要なユーザーは、その説明画面を見ながら操作を進めればよく、操作手順の説明が必要でないユーザーは、その説明画面を無視してどんどん操作を進めればよい。
【0066】
また、上記実施の形態1では、原稿押さえ板32の内側面32aに投影される操作手順の説明画面の内容については特に限定していないが、表示操作部40の表示画面に比べて原稿押さえ板32の内側面32aの面積は広いので、表示内容としてより詳しい説明内容を表示するようにしてもよい。この場合には、表示操作部40に表示される従来の操作手順の説明内容とは別に、より詳しい説明内容の画像データを記憶部17に記憶しておき、システム制御部111は、制御装置2の制御部21にこの詳しい説明内容の画像データを送信するようにすればよい。また、このような画像データを、画像形成装置3側ではなく、制御装置2の記憶部22に記憶しておき、制御装置2は、画像形成制御部11からの指示に従って、自装置の記憶部22から詳細な説明の画像データを読み出して投影するようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施の形態1では、原稿押さえ板32が閉じられることを契機として、原稿押さえ板32への投影を停止する構成としているが、ユーザーガイドボタン40aが操作された場合には、その後に途中で原稿押さえ板32が閉じられた場合であっても、投影板60への投影に切り替えて、操作手順の説明画面を最後まで表示するように構成してもよい。
【0068】
<実施の形態2>
図6は、本発明の実施の形態2に係る画像形成システム1の外観斜視図である。
【0069】
実施の形態1では、表示操作部40を装置筐体30の正面側において幅方向のほぼ中央部に配置し、プロジェクタ59をその表示操作部40の横(この例では向かって右側)に配置しているが、実施の形態2では、プロジェクタ59を表示操作部40の下部に配置している。具体的に説明すると、プロジェクタ59は、投影用のレンズ部59aと投影本体部59bとを備えており、投影本体部59bは、装置筐体30の正面側において表示操作部40の下部に配置され、レンズ部59aのみが、装置筐体30の正面側において表示操作部40の奥側(すなわち、表示操作部40と原稿押さえ板32との間)の装置筐体30に配置されている。
【0070】
この場合、実施の形態2では、表示操作部40は装置筐体30の正面側において幅方向の中央部に配置されており、プロジェクタ59の投影本体部59b及びレンズ部59aも幅方向の中央部に配置されている。従って、プロジェクタ59は、投影板60と正対し、かつ、開放された原稿押さえ板32の内側面32aとも正対することになる。これにより、実施の形態1のようにプロジェクタ59を投影板60や原稿押さえ板32に斜め方向から投影する場合に比べてプロジェクタ59の制御が容易となる。
【0071】
<実施の形態3>
図7は、本発明の実施の形態3に係る画像形成システム1の外観斜視図である。
【0072】
実施の形態1では、表示操作部40を装置筐体30の正面側において幅方向のほぼ中央部に配置し、プロジェクタ59をその表示操作部40の横に配置しているが、実施の形態3では、プロジェクタ59を装置筐体30の正面側において幅方向のほぼ中央部に配置し、表示操作部40をそのプロジェクタ59の横(この例では向かって右側)に配置している。これにより、実施の形態2と同様、プロジェクタ59は、投影板60と正対し、かつ、開放された原稿押さえ板32の内側面32aとも正対することになるため、実施の形態1のようにプロジェクタ59を投影板60や原稿押さえ板32に斜め方向から投影する場合に比べてプロジェクタ59の制御が容易となる。
【0073】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲に示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。