(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6606198
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】全自動洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/00 20060101AFI20191031BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
D06F39/00 A
G06F3/02 400
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-564895(P2017-564895)
(86)(22)【出願日】2015年12月16日
(65)【公表番号】特表2018-517516(P2018-517516A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】CN2015097571
(87)【国際公開番号】WO2016201932
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】201510342665.5
(32)【優先日】2015年6月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂 佩▲師▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 林
(72)【発明者】
【氏名】王 秀梅
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】姜 同春
【審査官】
遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−168995(JP,A)
【文献】
実開昭50−039070(JP,U)
【文献】
特開2000−021266(JP,A)
【文献】
特開2008−165118(JP,A)
【文献】
特開2012−221904(JP,A)
【文献】
特開2003−257289(JP,A)
【文献】
特開2010−142324(JP,A)
【文献】
特開2014−180407(JP,A)
【文献】
実開昭50−095860(JP,U)
【文献】
中国特許出願公開第103451895(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0049455(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0345835(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2013−0105383(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
D06F 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、ハウジングのトップに位置し、その上に衣類投入口が設けられている制御パネルシートと、前記衣類投入口を開閉するように前記制御パネルシートに回転可能に設けられた上蓋板とを含む全自動洗濯機であって、
前記洗濯機の前側面の上部に一体式表示操縦つまみが設置され、前記上蓋板は、閉じた状態で洗濯機の上トップ面全体を構成し、
前記一体式表示操縦つまみは、中間に位置する本体及び本体を取り巻く旋回部を含み、前記旋回部の外側がつまみ全体の外側面として兼用され、前記本体の前端面に第1の表示装置が設けられており、前記外側面に第2の表示装置が設けられており、前記旋回部の回転により、前記第1の表示装置及び/又は第2の表示装置に表示された内容の選出を実現し、
前記一体式表示操縦つまみは、前記洗濯機の通電又は断電状態に基づき、前記制御パネルシートから伸出し、又は前記洗濯機の前記制御パネルシートの前側面を平らに保持するように前記制御パネルシート内に収縮可能である、ことを特徴とする全自動洗濯機。
【請求項2】
前記一体式表示操縦つまみは、洗濯機の全高度の4/5以上の範囲に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【請求項3】
前記一体式表示操縦つまみの取付位置の両側に、電源ボタンと開始停止ボタンがそれぞれ対称に設置されているか、或いは、前記一体式表示操縦つまみの取付位置の一方側に、電源ボタンと開始停止ボタンが設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【請求項4】
前記一体式表示操縦つまみは、前記ハウジングの前側面または前記制御パネルシートの前側面に取り付けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の全自動洗濯機。
【請求項5】
前記制御パネルシートの前側面は、鉛直面又は機体全体の後方に向かって傾斜する傾斜面である、ことを特徴とする請求項4に記載の全自動洗濯機。
【請求項6】
前記一体式表示操縦つまみの旋回部の形状は、円柱、円形台又は多角形台を用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【請求項7】
前記第1の表示装置は、タッチスクリーンを用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【請求項8】
前記第2の表示装置は、内蔵されたLEDランプ+プリセットされた印刷文字という構造形態である、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【請求項9】
前記一体式表示操縦つまみの全体は、下へ押圧可能であり、前記押圧動作は、前記第1の表示装置及び/又は第2の表示装置に表示された内容から選出された内容を確認するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【請求項10】
前記第1の表示装置は、制御された洗濯機の動作過程における状態情報及び/又は制御プログラムの対話型インターフェースを表示するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【請求項11】
前記第2の表示装置は、制御プログラムにおける複数のオプションを表示するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の全自動洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全自動洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家電製品業界の発展に伴い、全自動洗濯機は、使用者からの様々なニーズを同時に満たすために、要求される機能もますます多様化し、例えば、異なる衣料に対して各種具体的な洗濯プログラムを設置する必要がある。使用者は、良好なユーザーエクスペリエンスを取得するために、操作ができるだけ直接的で簡単であることを要求する一方、電気器具の外観がより簡素化され美しいことも要求する。電気器具の機能の複雑化は、より多くのヒューマンマシンインターフェースに及び、比較的先進的な形態は、タッチスクリーンで表示、選択及び確認を全て完成しているが、コストが比較的高いため、一部のハイエンドモデルでしか使用できない。
【0003】
現在、業界で一般的に用いられる制御形態は、制御パネルに独立した表示部分と操作部分が設置されるものであり、最もよく使われるのは、ディスプレイ+つまみという組み合わせ制御形態である。つまみは、例えば「常用、コットンリネン、化学繊維」などの相応するプログラムを直観的に標識可能であり、対応する位置まで回転することにより、対応する洗濯プログラムを容易に選出し、相応するディスプレイの代わりに、印刷インターフェース+LEDランプ+デジタルチューブ表示又は印刷インターフェース+LCD/LEDモジュールを使用してもよく、それにより、制御プログラムにおける表示及び動作状態情報の表示を完成する。このような制御形態は、操作が直観的であるが、外観全体が美しくなく、全自動洗濯機に対して、操作を行いやすくするため、取付時に制御パネルシートの上表面の空間を占用する必要があり、完成機の組み立てが複雑で、且つ後期にプログラムを調整しにくいという欠陥がある。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来のつまみ+ディスプレイという制御形態の代わりに一体式表示操縦つまみを採用し、衣類を投入するための投入口の上蓋板が洗濯機の上トップ面全体を構成する全自動洗濯機を提案することを目的とする。
【0005】
ハウジングと、ハウジングのトップに位置し、その上に衣類投入口が設けられている制御パネルシートと、前記衣類投入口を開閉するように前記制御パネルシートに回転可能に設けられた上蓋板と、を含む全自動洗濯機であって、前記洗濯機の前側面の上部に一体式表示操縦つまみが設置され、前記上蓋板は、閉じた状態で洗濯機の上トップ面全体を構成する、全自動洗濯機。
【0006】
更に、前記一体式表示操縦つまみは、洗濯機の全高度の4/5以上の範囲に位置する。
【0007】
更に、前記一体式表示操縦つまみの取付位置の両側に、電源ボタンと開始停止ボタンがそれぞれ対称に設置されているか、或いは、前記一体式表示操縦つまみの取付位置の一方側に、電源ボタンと開始停止ボタンが設置されている。
【0008】
好ましくは、前記一体式表示操縦つまみは、前記ハウジングの前側面又は前記制御パネルシートの前側面に取り付けられる。
【0009】
更に、前記ハウジングの前側面又は前記制御パネルシートの前側面は、機体全体の後方に向かって傾斜する。
【0010】
更に、前記一体式表示操縦つまみは、中間に位置する本体及び本体を取り巻く旋回部を含み、前記旋回部の外側がつまみ全体の外側面として兼用され、前記本体の前端面に第1の表示装置が設けられており、前記外側面に第2の表示装置が設けられており、前記旋回部の回転により、前記第1の表示装置及び/又は第2の表示装置に表示された内容の選出を実現する。
【0011】
好ましくは、前記操縦つまみの旋回部の形状は、円柱、円形台又は多角形台を用いる。
【0012】
好ましくは、前記第1の表示装置は、タッチスクリーンを用いる。
【0013】
好ましくは、前記第2の表示装置は、内蔵されたLEDランプ+プリセットされた印刷文字という構造形態である。
【0014】
更に、前記操縦つまみ全体は、下へ押圧可能であり、前記押圧動作は、前記選出された内容を確認するために用いられる。
【0015】
具体的には、前記第1の表示装置は、制御された洗濯機の動作過程における状態情報及び/又は制御プログラムの対話型インターフェースを表示するために用いられる。
【0016】
具体的には、前記第2の表示装置は、制御プログラムにおける複数のオプションを表示するために用いられる。
【0017】
機体の表面をより簡潔にするために、前記操縦つまみは、洗濯機の通電又は停電状態に基づいて前記制御パネルシートに伸縮可能である。
【0018】
本出願に係る全自動洗濯機は、既存のつまみ+ディスプレイという制御形態の代わりに一体式表示操縦つまみを採用することにより、操作パネル全体が取替り、より簡素な外観となり、それは機体の前側面に設置されるため、制御パネルシートの上表面を占用せず、衣類を投入するための投入口の上蓋板によって洗濯機の上トップ面全体を構成し、より大きい衣類投入口を有し、使用に便利である。一体式表示操縦つまみにおいて、相応するプログラム及び表示内容は、それぞれバックグラウンドコントローラにより修正可能であり、ハードウェアの互換性がより強くなり、それと同時に、使用者の習慣を変更せず、使用しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る全自動洗濯機の構造全体の模式図である。
【
図2】本発明に係る全自動洗濯機の上蓋板を取り除いた後の構造模式図である。
【
図3】実施例に係る一体式表示操縦つまみの部分詳細図である。
【
図4】実施例に係る一体式表示操縦つまみの使用状態図である。
【
図5】実施例に係る旋回部の形状が多角形台である一体式表示操縦つまみの模式図である。
【
図7】実施例に係る旋回部の形状が円形台である一体式表示操縦つまみの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら具体的な実施形態によって本発明の技術案を更に説明する。
【0021】
図1〜
図2は、本発明の具体的な実施例に係る全自動洗濯機の構造模式図である。それは、ハウジング1と、ハウジング1のトップに位置し、その上に衣類投入口7が設けられている制御パネルシート2と、前記衣類投入口7を開閉するように前記制御パネルシート2に回転可能に設けられた上蓋板3とを含む。相応する制御パネルシート2は、相応する完成機の制御回路基板を収容するために用いられ、一般的にはその上表面に従来の制御及び表示装置を取り付けるためにも用いられ、従来の全自動洗濯機と異なる。本発明に係る洗濯機の前側面の上部に一体式表示操縦つまみ4が設置され、一体式表示操縦つまみ4の取付位置の水平両側にそれぞれ電源ボタン6と開始停止ボタン5が対称に設置されるか、或いは電源ボタン6と開始停止ボタン5が共に操縦つまみ4の同一側に直接設けられている。独立したディスプレイを省くと共に、従来の洗濯機のように電源ボタン6、開始停止ボタン5及び一体式表示操縦ボタン4も制御パネルシート2の上表面に取り付けられていないことから、制御部材が制御パネルシート2の上表面の空間を占用せず、本機の衣類投入口7をできるだけ大きく設置することができ、使用時の衣類の投入と取り出しに便利である。同時に、洗濯機の進水口が制御パネルシートの後側面に設置され、洗濯剤投入口が衣類投入口7内に設置されることで、上蓋板3が閉じた状態で洗濯機の上トップ面全体を構成するので、全体的により簡素な外観を有し、よりモダンな雰囲気となる。
【0022】
更に、洗濯機全体をより簡素な外観にするために、一体式表示操縦つまみ4は、洗濯機の前側面の中心線に設置される。
【0023】
使いやすいように、相応する一体式表示操縦つまみ4は、洗濯機の全高度の4/5以上の範囲に設置され、この範囲内であれば、ハウジング1の前側面又は制御パネルシート2の前側面に取り付けられてもよく、それと同時に、使用者の身長を考慮し、操作時により見やすくするため、相応する設計と生産時に、一体式表示操縦つまみ4が取り付けられた相応箇所の制御パネルシートの前側面を機体全体の後方に向かって傾斜させる。
【0024】
従来の全自動洗濯機と異なり、本発明に係る全自動洗濯機は、一体式表示操縦つまみ4を用い、中間に位置する本体8と本体を取り巻く旋回部9とを含み、前記旋回部9の外側は、つまみ全体の外側面として兼用され、前記本体8の前端面に第1の表示装置が設けられており、前記外側面に第2の表示装置が設けられており、前記旋回部の回転によって前記第1の表示装置及び/又は第2の表示装置に表示された内容の選出を実現する。操縦つまみ全体は、下へ押圧可能であり、当該押圧動作は前記選出された内容を確認するために用いられる。別の置換形態として、上記第1の表示装置がタッチスクリーンを用い、相応なタッチスクリーンにおいて、ソフトウェアで相応な確認キーを表示させて確認操作を行ってもよい。
【0025】
コストをより節約する生産形態として、前記第2の表示装置は、内蔵されたLEDランプ+プリセットされた印刷文字という構造に設計されてもよい。
【0026】
図3、
図4は、上記操縦つまみの構造模式図及び相応な使用状態図を示した。第1の表示装置は、前記制御された洗濯機の動作過程における状態情報及び/又は制御プログラムの対話型インターフェースを表示するために用いられ、前記第2の表示装置は、制御プログラムにおける複数のオプションを表示するために用いられる。
【0027】
更なる改良として、
図5、
図6に示すように、相応する操縦つまみの旋回部形状に、円柱、円形台又は多角形台を用いることで、より良好な操作視角を有する。
【0028】
更に、洗濯機が通電状態であると、前記操縦つまみは、前記制御パネルシートから伸出可能であり、操縦つまみによってプログラムを選択して洗濯機を操縦することができ、同様に、洗濯が完了し、洗濯機の電源が切れると、前記操縦つまみは前記制御パネルシートに収縮でき、洗濯機の制御パネルシートの前側面を平らに保持可能であるため、美しい。
【0029】
上記内容は、具体的な実施例を結合して本発明の技術的原理を説明したものである。これらの説明は、本発明の原理を解釈するためのものに過ぎず、いずれの形態においても本出願の保護範囲を限定するものと解釈してはならない。ここでの解釈に基づき、当業者が、創造的な労働を払わずに本発明の他の具体的な実施形態を想到できた場合、これらの形態は、全て本出願の保護範囲に属すべきである。
【符号の説明】
【0030】
1、ハウジング
2、制御パネルシート
3、上蓋板
4、一体式表示操縦つまみ
5、開始停止ボタン
6、電源ボタン
7、投入口
8、本体
9、旋回部