(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に記載の本発明の原理の理解を推し進める目的から、ここで、図面に示された実施形態に対する参照を行い、具体的な言語を用いてこれを説明する。そうではあるが、これにより任意の発明の範囲の限定が意図されるわけではないことが理解されるであろう。例示される実施形態における任意の変更およびさらなる改変、ならびに、本明細書で説明され例示される原理の任意のさらなる適用は、当業者に通常生じる通りであることを意図する。
【0017】
木材腐朽有害生物に対して殺有害生物剤を送達するのに用いうる複合材料は、可塑性構造マトリックスと、少なくとも1種の木材腐朽有害生物に嗜好されるセルロース系食用材料と、該有害生物に対して毒性である殺有害生物剤とを含む。本明細書で用いられる「木材腐朽有害生物」という用語は、木材に穴を開けるか、または木材を消費することにより、木材の構造的完全性を破壊する昆虫または他の有害生物を指す。例は、限定なしに、シロアリ、オオアリ、キバチ、および、木材に穴を開けるかまたはセルロースを消費する他の生物を含む。本明細書に記載の複合材料を作製するステップは、殺有害生物剤の機能性を破壊するような高温での材料加工を必要としない。本明細書に記載の「殺有害生物剤」という用語は、木材腐朽有害生物の少なくとも1つの標的種に対して毒性である化合物を指す。複合材料の可塑性構造マトリックスは、複合材料の所望の使用目的に十分な強度および構造的完全性を与える形態に加工された熱可塑性ポリマーからなる。殺有害生物剤は、複合材料中に存在しながらその生物活性を保持し、該材料が有害生物により消費されるか、または他の形で有害生物と接触した後で所望の結果をもたらす。複合材料中に含まれるポリマー材料は、比較的低温の押し出し成形工程または鋳型成形工程を用いて加工することができ、構造的完全性と、標的の木材腐朽有害生物による良好な受容(すなわち、標的の木材腐朽有害生物に対する催嗜好性)とを伴い、これによって加工された殺有害生物剤(温度感受性の殺有害生物剤を含みうる)の機能性を無化しない複合材料品を提供しうる。一実施形態において、複合材料の可塑性構造マトリックスは硬質である。
【0018】
一実施形態において、セルロース系食用材料は、標的とされている所与の有害生物に対する既知または測定された誘引性に基づいて選択される。例えば、複合材料をある標的有害生物種に対する餌として用いる場合、複合材料は、標的有害生物種の好む食べ物であるセルロース系食用材料を用いて作製することができる。したがって、セルロース系食用材料は、標的の有害生物種メンバーを誘引し、有害生物により消費または移動されると予期され、これが、複合材料中に存在する殺有害生物剤の同時的な消費または移動をもたらし、所望の殺生物性効果をもたらす。食用材料は、全体または部分において、可食の可塑性材料により構成することができる。あるいは、食用材料は、全体または部分において、非可塑性のセルロース材料によっても構成することができる。一実施形態において、食用材料は、例えば、アルファセルロース、ベータセルロース、またはガンマセルロースなどの精製セルロースである。適切な一例は、プリファードテクスチャードセルロース(PTC)である。別の実施形態において、食用材料は、木材、または、例えば、木材チップ、木材線維、おがくず、ボール紙、紙、もしくは、標的の木材腐朽種に嗜好される他の材料など、木材の派生物である。用いうる他のセルロース系食用材料は、その例が、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,416,752号に示される、微晶質セルロース、および、例えば、ミシガン州、ミッドランド、Dow Chemical社から市販されるMETHOCEL(登録商標)またはETHOCEL(登録商標)などの、改変ポリマーセルロースに基づく材料を含む。
【0019】
殺有害生物剤とは、これを摂取するかまたはこれに接触する有害生物を殺傷するのに有効である殺有害生物剤である。本明細書に開示の複合材料中で用いうる一部の殺有害生物剤は、以下を含むがこれに限定されない:
【0020】
1,2ジクロロプロパン、1,3ジクロロプロペン、
【0021】
アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセトアミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナトリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレトリン、アロサミジン、アリキシカルブ、アルファシペルメトリン、アルファエクジソン、アミジチオン、アミドフルメト、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、亜ヒ酸、アチダチオン、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホスエチル、アジンホスメチル、アゾベンゼン、アゾシクロチン、アゾトエート、
【0022】
ヘキサフルオロケイ酸バリウム、バルトリン、ベンクロチアズ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベノミル、ベノキサホス、ベンスルタプ、ベンゾキシメート、ベンジルベンゾエート、ベータシフルトリン、ベータシペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、ビオアレトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビストリフルロン、ボラックス、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモDDT、ブロモシクレン、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブロモプロピレート、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトネート、ブトキシカルボキシム、
【0023】
カドゥサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カンフェクロール、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタプ、キノメチオナート、クロラントラニリプロール、クロルベンシド、クロルビシクレン、クロルダン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロベンジレート、クロロホルム、クロロメブホルム、クロロメチウロン、クロロピクリン、クロロプロピレート、クロルホキシム、クロルプラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シスメトリン、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロサンテル、クロチアニジン、アセト亜ヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クマホス、クミトエート、クロタミトン、クロトキシホス、クルエンタレンAおよびB、クルホメート、クリオライト、シアノフェンホス、シアノホス、シアントエート、シクレントリン、シクロプロトリン、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シチオエート、
【0024】
d−リモネン、ダゾメト、DBCP、DCIP、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオンO、デメフィオンS、デメトン、デメトンメチル、デメトンO、デメトンOメチル、デメトンS、デメトンSメチル、デメトンSメチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ジアミダホス、ジアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロフルアニド、ジクロルボス、ジコフォール、ジクレシル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジエルドリン、ジエノクロール、ジフロビダジン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルトリン、ジメフォックス、ジメタン、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジノブトン、ジノカプ、ジノカプ4、ジノカプ6、ジノクトン、ジノペントン、ジノプロプ、ジノサム、ジノスルホン、ジノテフラン、ジノテルボン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾホス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジフェニルスルホン、ジスルフィラム、ジスルホトン、ジチオクロホス、DNOC、ドフェナピン、ドラメクチン、
【0025】
エクジステロン、エマメクチン、EMPC、エンペントリン、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタホス、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトエートメチル、エトプロホス、エチルDDD、エチルホルメート、二臭化エチレン、二塩化エチレン、酸化エチレン、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、EXD、
【0026】
ファムフル、フェナミホス、フェナザフロール、フェナザキン、酸化フェンブタチン、フェンクロルホス、フェネタカルブ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリトリン、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンソン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオンエチル、フェントリファニル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリピリム、フルアズロン、フルベンジアミド、フルベンジミン、フルコフロン、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルエネチル、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルオルベンシド、フルバリネート、フォノフォス、フォルメタネート、フォルモチオン、フォルムパラネート、フォスメチラン、フォスピレート、フォスチアゼート、フォスチエタン、フォスチエタン、フラチオカルブ、フレトリン、フルフラール、
【0028】
ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロール、ヘプテノホス、ヘテロホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ヒドロプレン、ヒキンカルブ、
【0029】
イミシアホス、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサミドホス、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、イソドリン、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、イソキサチオン、イベルメクチン、
【0030】
ジャスモリンI、ジャスモリンII、ジョドフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、
【0032】
ラムダシハロトリン、ヒ酸鉛、レピメクチン、レプトホス、リンダン、リリムホス、ルフェヌロン、リチダチオン、
【0033】
マラチオン、マロノベン、マジドックス、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メホスホラン、塩化第一水銀、メスルフェン、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス、メトミル、メトプレン、メトキシクロール、メトキシフェノジド、臭化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メキサカルベート、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、ミパフォックス、ミレックス、MNAF、モノクロトホス、モルホチオン、モキシデクチン、
【0034】
ナフタロホス、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニッコーマイシン、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリルアカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、
【0035】
オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、オキシジスルフォトン、
【0036】
パラジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオンメチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメト、ホスニクロール、ホスファミドン、ホスフィン、ホスホカルブ、ホキシム、ホキシムメチル、ピリメタホス、ピリミカルブ、ピリミホスエチル、ピリミホスメチル、亜ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、pp’DDT、プラレトリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドホス、プロクロノール、プロフェノホス、プロフルトリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロパルジト、プロペタンホス、プロポクスル、プロチダチオン、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブート、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、
【0037】
クワッシャ、キナルホス、キナルホス、キナルホスメチル、キノチオン、クアンチファイズ
【0038】
ラフォキサニド、レスメトリン、ロテノン、リアニア、
【0039】
サバディーラ、シュラーダン、セラメクチン、シラフルオフェン、亜ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソファミド、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマート、スルコフロン、スルフィラム、スルフルラミド、スルフォテプ、硫黄、フッ化スルフリル、スルプロホス、
【0040】
タウフルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリンホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロルビンホス、テトラジフォン、テトラメトリン、テトラナクチン、テトラスル、シータシペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオナジン、チオキノックス、チオスルタプ、スリンギエンシン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン、トリアラテン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロルメタホス3、トリクロロナート、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、
【0041】
バミドチオン、バミドチオン、バニリプロール、バニリプロール、
【0043】
ゼータシペルメトリン、およびゾラプロホス。
【0044】
加えて、上記殺有害生物剤の任意の組み合わせを用いることができる。
【0045】
さらなる情報については、本文書の出願時現在のhttp://www.alanwood.net/pesticides/index.htmlに見出される「Compendium of Pesticide Common Names」を参照されたい。また、「The Pesticide Manual」、第14版、C D S Tomlin編、2006年、英国作物生産協議会発行も参照されたい。
【0046】
一実施形態において、殺有害生物剤は、有害生物による消費またはこれとの接触において即時の効果を有する殺有害生物剤(本明細書では、「即時作用型」殺有害生物剤または「急速作用型」殺有害生物剤と称する)である。例えば、シロアリによる摂取時に即時の殺虫作用を有する殺有害生物剤は、その各々がよく知られ市販される、クロルピリホス、スピノサド、イミダクロプリド、およびフィプロニルを含む。本明細書で用いられる「即時の」という用語は、通例では、有害生物がそのコロニーに帰巣する前に個々の有害生物を殺傷するように殺有害生物剤が作用することを意味すると意図する。別の実施形態において、殺有害生物剤は、有害生物による摂取またはこれとの接触において遅延された効果を示す殺有害生物剤(本明細書では、「遅延作用型」殺有害生物剤と称する)である。例えば、シロアリによる摂取またはこれとの接触時に遅延殺虫活性を有する殺有害生物剤は、その各々がよく知られ市販される、ヘキサフルムロンおよびノビフルムロンを含む。本明細書で用いられる「遅延された」という用語は、通例では、有害生物がそのコロニーに帰巣した後で初めて個々の有害生物を殺傷するように殺有害生物剤が作用することを意味すると意図する。別の実施形態において、殺有害生物剤は、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、およびヒドラメチルノンからなる群から選択される。
【0047】
一実施形態における可塑性構造マトリックスは、約220℃以下の融点を有するポリマーを含む。別の実施形態において、可塑性構造マトリックスは、約200℃以下の融点を有するポリマーを含む。さらに別の実施形態において、可塑性構造マトリックスは、約180℃以下の融点を有するポリマーを含む。別の実施形態における可塑性構造マトリックスは、約160℃以下の融点を有するポリマーを含む。さらに別の実施形態において、可塑性構造マトリックスは、約140℃以下の融点を有するポリマーを含む。複合材料を作製する際にポリマーを融解させるのに用いられる加工温度は、殺有害生物剤の機能性が無化される温度未満の温度である。別の実施形態において、複合材料中に含まれる熱可塑性ポリマーは、標的有害生物種に嗜好される熱可塑性ポリマー(本明細書では、「有害生物可食ポリマー」とも称する)である。さらに別の実施形態において、可塑性構造マトリックスは、熱可塑性セルロース誘導体を含む。好ましい一実施形態において、該マトリックスは、酢酸セルロースを含む。例えば、一実施形態における酢酸セルロースは、約50〜約400単量体ユニットの重合度を有する酢酸セルロースである。別の実施形態において、該ポリマーは、酢酸酪酸セルロースを含む。例えば、一実施形態における酢酸酪酸セルロースは、約50〜約400ユニットの重合度を有する酢酸酪酸セルロースである。別の実施形態において、酢酸酪酸セルロースは、約100〜約300ユニットの重合度を有する。さらに別の実施形態において、複合材料中に含まれる酢酸酪酸セルロースは、約160ユニットを有する。さらに別の実施形態において、該マトリックスは、酢酸プロピオン酸セルロースを含む。例えば、一実施形態における酢酸プロピオン酸セルロースは、約50〜約400ユニットの重合度を有する酢酸プロピオン酸セルロースである。別の実施形態において、酢酸プロピオン酸セルロースは、約100〜約300ユニットの重合度を有する。あるいは、多種多様の他のポリマーも用いることができる。
【0048】
本出願はまた、熱可塑性ポリマーが、単独のポリマー、または、少なくとも2つの異なるポリマーの混合物を含みうることも意図する。例えば、一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、比較的高分子量のポリマーと、比較的低分子量のポリマーとの混合物を含む。例えば、一実施形態は、約50〜約75の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースと、約150〜約300の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースとの混合物を含む。別の実施形態は、約60の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースと、約300の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースとの混合物を含む。さらに別の実施形態は、約64の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースと、約160の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースとの混合物を含む。別の実施形態において、熱可塑性ポリマーは、約50〜約75の単量体ユニットを有する酢酸プロピオン酸セルロースと、約150〜約300の単量体ユニットを有する酢酸プロピオン酸セルロースとの混合物を含む。別の実施形態は、約60の単量体ユニットを有する酢酸プロピオン酸セルロースと、約300の単量体ユニットを有する酢酸プロピオン酸セルロースとの混合物を含む。さらに別の実施形態は、約64の単量体ユニットを有する酢酸プロピオン酸セルロースと、約160の単量体ユニットを有する酢酸プロピオン酸セルロースとの混合物を含む。本出願は、当業者に想到する各種の追加の組み合わせを意図する。異なる分子量のポリマーを含む混合物に加え、本出願は、熱可塑性ポリマーが異なる種類のポリマーの混合物を含む実施形態も意図する。例えば、ポリマーは、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、および酢酸プロピオン酸セルロースの2種以上からなる混合物を含みうる。あるいは、ポリマーは、これらの1つもしくは複数の熱可塑性ポリマーと、1つもしくは複数の他の熱可塑性ポリマーまたは2つ以上の他の熱可塑性ポリマーとの混合物も含みうる。選択された混合物は、本明細書に記載の使用に適する物理的特性(すなわち、易加工性の特徴および木材腐朽有害生物に対する催嗜好性)を有する。
【0049】
該ポリマーと、該食用材料と、該殺有害生物剤とに加え、場合によって、他の成分を複合材料中に含めることができる。例えば、複合材料中に含められた殺有害生物剤の安定性を増大させる、または保管寿命を延長するいくつかの成分を含めることができる。混合物の易加工性を改善する、または複合材料が成形された後に有利な効果を提供する、他の成分を選択することができる。例えば、有害生物を餌に誘引する、または摂食を刺激する、さらに他の成分を選択することができる。本明細書に開示の複合材料はまた、いずれも経費節減および相乗効果の理由で、除草剤および防かび剤も含み、またはこれらとともに用いることもできる。本明細書に開示の複合材料はまた、経費節減および相乗効果の理由で、抗菌剤、殺菌剤、枯葉剤、毒性緩和剤、共力剤、殺藻剤、誘引剤、乾燥剤、フェロモン、撥水剤、動物浸漬剤、殺鳥剤、消毒剤、情報化学物質、および軟体動物駆除剤(これらの分類は、必ずしも相互に排除的でない)も含む、またはこれらとともに用いることもできる。
【0050】
複合材料は、配合と押し出し成形または鋳型成形との組み合わせを用いて複合材料からなる製品を成形する工程により、製作することができる。本出願は、特定の形状、または「マクロ構造」を有する製品の製造に限定されることを意図しない。むしろ、多種多様な形状が想定される。本出願により作製される製品は、押し出し成形、押し出し成形後の加工、原型鋳型設計、鋳型成形後の加工、またはこれらの組み合わせにより、多種多様な形状に成形することができる。
【0051】
一実施形態により複合材料を作製するために、顆粒状または微粒子状の熱可塑性ポリマーと、殺有害生物剤と、セルロース材料との混合物を提供し、次いで、該混合物を配合して成分を混合し、あらかじめ定められた温度および圧力で押し出し成形または鋳型成形する。標準的な混合または配合技術を用い、ポリマーと、セルロース材料と、殺有害生物剤とを組み合わせて成分を混合し、過剰な水分を除去することができる。例えば、回転式ミキサーまたは配合押し出し成形機内で材料を混合することができる。混合物を、殺有害生物剤の機能を無効にする温度まで高くないが、ポリマーの融点またはガラス転移温度(すなわち、ポリマーのアモルファス部分を軟化させるのに適する温度)と少なくとも同じ高さの温度にする必要がある場合は、熱を加える。熱可塑性ポリマーは、その融点またはガラス転移温度に達すると軟化し、柔軟性または可塑性となり、したがって、押し出し成形によるなどの成形に適する状態になる。温度は、ポリマーの融点と少なくとも同じ高さではあるが、殺有害生物剤の機能性が無化されるほど高くはないことが好ましい。一実施形態において、加工温度は、例えば、約90℃〜約220℃など、約220℃以下である。別の実施形態において、加工温度は、約170℃〜約220℃である。別の実施形態において、加工温度は、例えば、約90℃〜約200℃など、約200℃以下である。別の実施形態において、加工温度は、約150℃〜約200℃である。別の実施形態において、加工温度は、例えば、約90℃〜約180℃など、約180℃以下である。別の実施形態において、加工温度は、約130℃〜約180℃である。別の実施形態において、加工温度は、例えば、約90℃〜約160℃など、約160℃以下である。別の実施形態において、加工温度は、約110℃〜約160℃である。別の実施形態において、加工温度は、例えば、約90℃〜約140℃など、約140℃以下である。別の実施形態において、加工温度は、約100℃〜約140℃である。当業者は、高温が必要とされる場合があり、加工温度を最適化して、例えば、セルロース系食用材料を炭化させる、または、殺有害生物剤の機能を無効にするなど、複合材料の他の成分に実質的に有害となる点まで温度が上昇しない限りでポリマーが加工されるようにする場合があることを認めるであろう。当業者はまた、溶媒を混合物に含めることが、熱可塑性ポリマー材料の軟化温度を改変しうることも理解するであろう。溶媒が存在する実施形態では、溶媒により改変されたポリマー表面における軟化が、溶媒の不在下におけるポリマーの天然の融点より低い温度で始まりうることが理解される。言い換えれば、溶媒が、ポリマー表面を、その固有の融点未満の温度で軟化させるのに有効である実施形態では、ポリマーの天然の融点未満の温度が、適切な鋳型成形温度でありうる。
【0052】
多種多様な押し出し成形または鋳型成形の技術を用いることができ、その多くの例は当技術分野で知られている。本出願は、いかなる理論によっても制約されないことを意図するが、本明細書に記載の方法において適用される押し出し成形または鋳型成形の条件下では、ポリマー顆粒が軟化、粘着化、または完全に融解すると考えられる。これが生じる場合、混合物に加えられた圧力は、軟化したポリマー顆粒を相互に接触させてともに付着させるか、または、ポリマーを完全に融解させ、これにより、融解したポリマーに混合物中で連続相を形成させる。圧縮が加えられる温度は、殺有害生物剤を損なうまたは変性させるであろう温度より低いが、所望のレベルのポリマー粒子付着またはポリマー融解を達成するには十分高い。多種多様な材料規格(ポリマーの種類、ポリマーのサイズ、粒子サイズの分布、および成分比など)およびまた、多種多様な工程パラメータ(温度および圧力など)も用いて、各種の有利な特性を有する製品を提供できることが理解される。不適切な実験なしに、材料およびパラメータの有利な組み合わせを選択して、異なるレベルの殺有害生物剤、各種の木材腐朽有害生物に対する異なる程度の嗜好性、および異なる物理的特性を提供することは、本出願の明細書を理解した熟練技術者の能力内にある。
【0053】
本明細書における説明を検討した当業者が理解する通り、本出願の一態様は、(1)約220℃以下の軟化点または融点を有する、軟化または融解した熱可塑性ポリマーと、少なくとも1種の木材腐朽有害生物に嗜好されるセルロース系食用材料と、該有害生物に対して毒性である殺有害生物剤との混合物を提供するステップと、(2)所望の形状を有するワークピースを提供するために、該混合物を成形するステップと、(3)固体の複合材料品を提供するために該ワークピースを該可塑性物質の軟化点または融点以下の温度まで冷却するステップとを含む、複合材料の作製法である。加熱された混合物はまた、場合によって、可塑剤も含む。一実施形態において、可塑剤の量は、混合物の総重量に対する重量比で少なくとも約1%である。別の実施形態において、可塑剤の量は、混合物の総重量に対する重量比で少なくとも約1.5%である。さらに別の実施形態において、可塑剤の量は、混合物の総重量に対する重量比で約1%〜約5%である。さらに別の実施形態において、可塑剤の量は、混合物の総重量に対する重量比で少なくとも約4.2%である。同定された一配合物において、混合物中のポリマーは酢酸セルロースポリマーであり、可塑剤は酢酸セルロース用の可塑剤である。例えば、限定なしに、可塑剤は、ポリオールのエステルおよび/またはヒドロキシカルボン酸のエステルでありうる。適切な可塑剤の例は、グリセロールトリアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸のエステル、およびフタル酸のエステルを含む。他の適切な可塑剤は、例えば、押し出し成形マトリックスに対して1%〜5%の同様の総濃度におけるアジピン酸ジイソブチルおよびアジピン酸ジオクチルなどのアジピン酸塩可塑剤の混合物を含む。一実施形態において、アジピン酸ジイソブチルおよびアジピン酸ジオクチルは、約3:1の重量/重量比の混合物中に存在する。
【0054】
本発明を実施する一方式において、該融解した混合物は、該ポリマーと、該食用材料と、該殺有害生物剤とを混合して混合物を成形し、次いで、前記混合物を高圧および高温下で配合して融解材料を形成するステップにより提供される。本方法を実施する別の方式において、本方法は、配合するステップの前に、混合物のペレットまたはフレークを形成するステップを含む。複合材料品を作製する一方式において、すべての成分はともに混合され、次いで混合物は、そこに含まれた熱可塑性ポリマーの融点、例えば、一部の実施形態で最高約220℃を上回って加熱され、ツインスクリューミキサーなどの、追加の混合を行う能力を有する装置内で、複合材料に特異的な横断面プロファイルを付与する、ダイを介する押し出し成形を受け、次いで、水浴または噴霧により冷却される。複合材料からなる製品を成形する別の方式では、ポリマーと、セルロース系食用材料と、殺有害生物剤とが、陽圧および高温下の押し出し成形機内で混合され、その後、押し出し成形されて、細長いワークピースを提供する。その後、冷却水がワークピースに適用される。冷却は、例えば、水浴をワークピースに適用するか、またはワークピースに水を噴霧することにより達成することができる。
【0055】
一実施形態における混合物中の熱可塑性ポリマーのレベルは、総複合材料重量の約5%〜約50%で、混合物の残りは、セルロース材料(約50%〜約85%)、殺有害生物剤(約0.001%〜約5%)、ならびに、場合によって、潤滑剤(例えば、最大で約5%)、および/または、混合物の易加工性もしくは製品の特性を改善する一助とするのに用いられる他の加工添加剤を含む。別の実施形態において、混合物は、約10%〜約40%のポリマーと、約60%〜約85%のセルロース材料と、約0.001%〜約5%の殺有害生物剤とを含む。さらに別の実施形態において、混合物は、約15%〜約30%のポリマーと、約70%〜約85%のセルロース材料と、約0.001%〜約5%の殺有害生物剤とを含む。他の実施形態において、殺有害生物剤は、約0.4%〜約5%の範囲の量で存在する。
【0056】
本方法を実施する別の方式では、例えば、精製アルファセルロースなどの食用材料に、殺有害生物剤(本明細書では「有効成分」または「AI」とも称する)をまずプレロードする。プレローディングの一方式では、殺有害生物剤がセルロース粒子に直接噴霧され、次いで、セルロース粒子と殺有害生物剤との混合物が圧縮され、そこにセルロース系食用材料と殺有害生物剤とを含む小粒に粉砕される。この手法を用いる場合、殺有害生物剤は「セルロース中に混和された」と称し、この方法を「セルロース中混和」法と称する。食用材料にAIをプレロードする別の方式では、あらかじめ形成されたセルロース小粒(市販されており、International Fibers社から入手可能である)に殺有害生物剤を噴霧し、プレロードされたセルロース材料を提供する。この手法を用いる場合、殺有害生物剤は「セルロース上に噴霧された」と称し、この方法を「セルロース上噴霧」法と称する。該セルロース/殺有害生物剤小粒(または、場合によって、非圧縮セルロース/殺有害生物剤混合物)を熱可塑性ポリマー材料とともに混合し、次いで、この混合物を熱可塑性ポリマー材料の融点を上回る温度で押し出し成形する。一実施形態において、熱可塑性ポリマー材料は、酢酸酪酸セルロースを含む。例えば、酢酸酪酸セルロースは、約16,000の分子量を有する酢酸酪酸セルロースと、約40,000の分子量を有する酢酸酪酸セルロースとの混合物を含みうる。この混合物を用いる場合、この混合物は、140℃〜150℃の温度で押し出し成形することができる。潤滑剤も含めて、押し出し成形ダイを介するマトリックスの流動を補助することができる。一実施形態において、潤滑剤はステアリン酸カルシウムである。
【0057】
本方法を実施する別の方式では、セルロース小粒に熱可塑性ポリマーをまず配合して(例えば、Gelimat配合機)セルロース/可塑性物質小粒を提供し、次いで、噴霧により殺有害生物剤を配合後セルロース/可塑性物質小粒に塗布する。場合によって、材料上に殺有害生物剤を噴霧する前に、配合後バッチにステアリン酸カルシウムを混合させることもできる。殺有害生物剤が塗布された後、混合物を押し出し成形するか、別様に鋳型成形する。下記の実施例でさらに述べられる、酢酸酪酸セルロース(CAB)を用いる実験作業では、Gelimat配合機を用い、強いせん断の使用および熱の発生を介して、CABを他の固体成分とブレンドし、部分的に融解させる。Gelimat配合機内では、1000HPのモーターが、配合されるべき固体を含有する、約1立方フィートの容積を有するチャンバ内の混合パドルを駆動する。この混合するステップが、CABを分配し、また、押し出し成形工程において有害な水分を除去する。
【0058】
本方法を実施する別の方式において、本方法は、(a)該食用材料と該殺有害生物剤とを押し出し成形機の混合容器に添加するステップと、(b)食用材料/殺有害生物剤/熱可塑性ポリマーの混合物を生成するために、高温の熱可塑性ポリマーを該食用材料および殺有害生物剤と接触させるステップと、(c)該食用材料/殺有害生物剤/熱可塑性ポリマーの混合物に形状を与え、該ワークピースを生成するために、該食用材料/殺有害生物剤/熱可塑性ポリマーの混合物をダイと接触させるステップとを含む。一実施形態において、該食用材料は木材線維を含む。
【0059】
別の実施形態では、微粒子状ポリマーと、セルロース系食用材料と、殺有害生物剤との混合物と、場合によって、他の成分とが、射出成形により複合材料に形成される。あるいは、加えて、混合物は、Carver社製プレス機または他の圧縮成形装置内で混合され、圧縮されうる。複合材料は、陽圧および高温において鋳型キャビティ内に射出されると鋳型の形をなし、冷却すると上述の通りの複合材料を生成する。
【0060】
本明細書に記載の複合材料は、有害生物駆除装置用の監視装置または餌として用いることができる。一例において、複合材料は、所与の区域内にこうした有害生物が存在するかどうかを判定する有害生物駆除の専門家による監視の必要なしに、一段階の殺有害生物剤送達ツールとして有害生物を誘引および根絶する単体の餌として用いることができる。あるいは、木材腐朽有害生物の存在または不在を判定する、監視するステップとともに用いることができる。例えば、
図1〜7への参照により以下でさらに記載される通り、例えば、SENTRICON(登録商標)シロアリコロニー駆除餌ステーションなど、既存のシロアリ餌ステーション内の代替用監視装置または餌として用いることができる。
【0061】
図1は、有害生物駆除システム20を示す。システム20は、地下のシロアリなどの有害生物に起因する損害から建築物22を保護するために配置される。システム20は、建築物22の周囲に位置する多数の有害生物駆除装置110を含む。
図1では、装置110のごく少数が、明確さを保つために参照番号により具体的に指示される。システム20はまた、装置110の周囲の情報を収集する質問機30も含む。質問機30により装置110から収集されたデータは、通信インターフェース41を介して、データ収集ユニット(DCU)40内に収集される。
【0062】
加えて
図2を参照することにより、システム20の作動の一部の態様が例示される。
図2では、有害生物駆除サービス提供者Pが、無線通信技術を用いて、地面Gより少なくとも部分的に下方に位置する有害生物駆除装置110に質問する質問機30を作動させるところが示される。この例では、質問機30が、地面G上を走査し、設置された装置110との無線通信を確立するのに好都合な、手持ち型で示される。別の例において、質問機30は、有害生物駆除装置110に質問するために、有害生物駆除装置110に一時的に係合してこれと電気的に接続するよう構成された接点を含む場合がある。システム20およびその作動の追加の態様が以下に記載されるが、代表的な有害生物駆除装置110に関する最初のさらなる詳細は、
図3〜7への参照しながら説明される。
【0063】
図3〜7は、有害生物駆除装置110の各種の特徴を示す。まず有害生物を検出するため、有害生物駆除装置110は、有害生物監視アセンブリ112により内部構成される。より具体的に
図3および4を参照すると、有害生物監視アセンブリ112は、アセンブリ中心軸Aに沿って示される。軸Aは、
図3および4いずれの視野面とも同じ平面上にあり、
図4の視野面は
図3の視野面に対して直交する。
【0064】
有害生物監視アセンブリ112は、軸Aに沿う通信回路サブアセンブリ116の下方のセンササブアセンブリ114を含む。センササブアセンブリ114は、2つの餌部材132を含む(
図3および6を参照されたい)。餌部材132は各々が、選択された1種または複数種の有害生物用の餌材料からなる。例えば、餌部材132は各々が、こうした有害生物の好む食べ物である材料からなる。地下のシロアリを対象とする一例において、餌部材132は各々が、殺有害生物剤成分を有さない軟質木材ブロックの形態である。シロアリ用の他の例では、1つまたは複数の餌部材132が殺有害生物剤を含んでもよく、木材以外の組成を有してもよく、これらの特徴の組み合わせを有してもよい。有害生物駆除装置110がシロアリ以外の種類の有害生物を対象とするさらに他の例では、これに応じて、各餌部材132の異なる組成が用いられることが通例である。餌部材132の片方または両方は、殺有害生物剤を含む餌部材を用いることが望ましい場合に、本明細書で上述した殺生物性複合材料を含みうる。
【0065】
センササブアセンブリ114はまた、センサ150も含む。センサ150は、
図3および6の餌部材132間に示されるが、
図6の方が、
図3よりも組み立ての完全な有害生物駆除装置110の図示である。センサ150は、
図4および6に示す通り、全般的に細長く、端部分152bの反対側に端部分152aを有する。センサ150の中間部分は、
図4における部分152aおよび152bを分離する、1組の隣接する破断線により表わされ、餌部材132は、センサ150の図示が不明瞭とならないよう、
図4では示されていない。
【0066】
センサ150は、基板151を含む。基板151は、
図4の破断された図示において示される導電性ループまたは通路154の形態で感知要素153aを与えるように配置される、導体153を保持する。
図4の破断線により表わされる中間のセンサ部分に沿って、通路154の4つのセグメントは、全般的に、直線状で平行する経路(図示しない)に沿って続き、これに対応して、破断線の一方で終端する端部分152aの4つの通路セグメントを、破断線のもう一方で終端する端部分152bの4つの通路セグメントと接合する。通路154は、端部分152aの基板エッジ155に隣接する一組の電気接点パッド156で終端する。
【0067】
基板151および/または導体153は、有害生物監視アセンブリ112により監視される有害生物による消費または移動されやすい1つまたは複数の材料からなる。これらの材料は、対象の1つまたは複数の有害生物種に対する食用物質でも、非食用物質でも、両者の組み合わせでもありうる。実際、非食用物質からなる材料は、餌部材132など隣接する可食材料の消費時に、容易に移動される。一部の実施形態では、1つもしくは複数の基板151または導体153が、本明細書で上述した殺生物性複合材料からなりうる。基板151または導体153が、消費または移動されるにつれ、通路154がやがて変化する。この変化を用いて、本明細書でより完全に後述される、通路154の1つまたは複数の対応する電気的特性を監視することにより、有害生物の存在を示すことができる。あるいは、基板151および/または導体153は、餌部材132のある程度の消費または移動が、検出可能な形で、通路154の導電率を変化させるのに十分な機械的な力を及ぼすように、餌部材132に関して方向づけすることもできる。この代替法の場合、基板151および/または導体153は、直接に対象の有害生物により消費または移動される必要がない。
【0068】
有害生物監視アセンブリ112は、センササブアセンブリ114に接続された回路サブアセンブリ116をさらに含む。回路サブアセンブリ116は、センササブアセンブリ114の通路154の1つまたは複数の電気的特性の変化により示される有害生物の活動を検出および通知するように配置される。回路サブアセンブリ116は、通信回路構成160を格納する回路筺体118と、通信回路構成160をセンササブアセンブリ114のセンサ150に取り外し可能な形で接続する一組の接続部材140とを含む。筺体118は、カバーピース120と、oリング124と、ベース130とを含み、各々が、全般に、軸Aの周囲に円形の外周を有する。筺体118は、
図3よりも
図4において組み立てのより完全な状態が示される。カバーピース120は、内側リップ123により境界づけられたキャビティ122を画定する。ベース130は、oリング124を受容するよう寸法設定された溝部131(点線で図示)を画定し、また、ベース130をカバーピース120と組み立てたとき、内側リップ123に係合するように構成された外側フランジ133も含む(
図4を参照されたい)。
【0069】
通信回路構成160は、カバーピース120とベース130との間に配置される。通信回路構成160は、コイルアンテナ162と、回路部品166を保持するプリント基板164とを含む。
図5も参照すると、ベース130と、接続部材140と、無線通信回路構成160とからなるアセンブリの上面図が示される。
図5において、軸Aは視野面に対して直交し、十字線の標識により表わされる。ベース130は、プリント基板164を貫通する取り付け穴に係合するポスト132を含む。ベース130はまた、一体として組み立てたとき、コイルアンテナ162に係合し、これをベース130およびプリント基板164に対して固定された関係に保持する、マウント134も含む。
図4において最良の形で示される通り、ベース130は、それを貫通する開口部137を各々が画定する、4つの支持体136をさらに含む。ベース130は、隣接する支持体136の組の間の中央に位置する突起138を伴う形状を有する。突起138は、凹部139を画定する(
図3において点線で図示)。
【0070】
図3〜5を全般的に参照すると、接続部材140は各々が、1組の接続ナブ146を含む。各ナブ146は、各接続部材140の反対側の端部から伸びるネック部分147とヘッド部分145とを有する。各接続部材140に対し、突起148は、ナブ146の対応する組の間に位置する。突起148は、凹部149を画定する。接続部材140は、導電性のエラストマー材料から形成される。一実施形態において、各接続部材140は、129 Dermody Street、Cranford、NJ 07016の事業所住所を有するTECKNIT社製の化合物862などの炭素含有シリコーンゴムから作製される。しかし、他の実施形態では、異なる組成物も使用できる。
【0071】
各接続部材140をベース130に取り付けるには、ナブ146の対応する組を、、突起148が凹部139内に達する状態で、支持体136の開口部137の各組を介して挿入する。各ナブ146のヘッド部分145は、それが通過すべき各開口部137よりもやや大きく寸法設定されている。結果として、挿入時に、ヘッド部分145は、各開口部137を完全に通過するまでの間、弾性的に変形する。ヘッド部分145が開口部137の先に達すると、ヘッド部分はその元の形状に戻り、ネック147が開口部の縁にしっかりと係合する。ナブ146のヘッド部分145およびネック部分147の寸法および形状を適切に設定することにより、ベース130と接続部材140とが一体に組み立てられたとき、開口部137が密閉され、水分および土砂の通過を防ぐことができる。
図5に示す通り、プリント基板164は、組み立て後、各接続部材140の1つのナブ146に接触する。
【0072】
接続部材140をベース130と組み立てた後は、oリング124を溝部131内に保持しながらベース130をキャビティ122に挿入することにより、筺体118を組み立てる。挿入時に、カバーピース120および/またはベース130は、「スナップ式」型の接続により互いに係合するようにフランジ133が内側リップ123を超えてキャビティ122内に達するように、カバーピース120とベース130とが弾性変形する。ベース130の外側表面の斜めの外形が、この形態の組み立てを容易にする。カバーピース120とベース130とがこの方式で接続されると、oリング124が、キャビティ122内への水分および土砂の侵入を防ぐ、弾性シーリングを提供する。ベース130が係合したカバーピース120の内側表面は、これもまたシーリングの一助となりうる相補的な外形を有する。
【0073】
通信回路サブアセンブリ116を組み立てた後は、端部分152aを、ベース130により保持される各接続部材140の凹部149内に結合することにより、センサ150をサブアセンブリ116に取り付ける。接続部材140は、接続部材140により端部分152aにバイアス力が加えられ、これと接触するセンサ150をしっかりと保持するように、凹部149への端部分152aの挿入によりわずかに弾性変形するよう寸法設定されている。端部分152aが接続部材140内に挿入されると、各パッド156に、接続部材140の異なる1つが電気的に接触する。こうして、プリント基板164に接触する各ナブ146が、通路154をプリント基板164に電気的に接続する。
【0074】
図6を参照すると、有害生物駆除装置110および有害生物監視アセンブリ112の分解図が示される。
図6では、センササブアセンブリ114と回路サブアセンブリ116とが一体に組み立てられ、有害生物監視アセンブリ112をユニットとして保持する保持部材190内にはめ込まれている。保持部材190は、対向する側面部材194に取り付けられたベース192を含む枠の形態をしている。
図6では、もう一方が、同様の形で、有害生物監視アセンブリ112の隠れた側面に沿って、ベース192から伸びている状態で、側面部材194の一方だけを完全に見ることができる。側面部材194は、ベース192と反対側のブリッジ196により接合される。ブリッジ196は、回路サブアセンブリ116の組み立てられた筺体118を支える輪郭を有する空間198を画定するように配置される。
【0075】
有害生物駆除装置110は、例えば、
図2に示す通り、地中への設置用に配置された取り外し式キャップ180を有するハウジング170を含む。ハウジング170は、開口部178と交差するチャンバ172を画定する。有害生物監視アセンブリ112および保持部材190は、開口部178を介するチャンバ172内への挿入に応じて寸法設定されている。ハウジング170は、端部分171bの反対側に端部分171aを有する。端部分171bは、
図2に示す、有害生物駆除装置110の地中への設置の一助となる、先細りの端部175を含む。端部175は、開口部(図示しない)で終端する。チャンバ172には、ハウジング170により画定される多数のスロット174が通じている。スロット174は、チャンバ172からのシロアリの出入りに特に至適である。ハウジング170は、その一部が、
図6の参照番号176a、176b、176c、176d、および176eにより指示され、地中における有害生物駆除装置110の設置の一助となる、多数の突出するフランジを有する。
【0076】
チャンバ172の内側では、有害生物監視アセンブリ112は、キャップ180によりハウジング170内に固定することができる。キャップ180は、ハウジング170の溝部179に係合するように配置される下向きのプロング184を含む。キャップ180をハウジング170上にしっかりとあてがったら、キャップを回転させて、分解を防ぐラッチングの位置にプロング184を係合させることができる。このラッチング機構は、爪および戻り止めの構成を含みうる。スロット182を用いて、キャップ180をマイナスのドライバーなどのツールと係合させ、キャップ180を回転させる一助とすることができる。保持部材190と、ベース130と、カバーピース120と、ハウジング170と、キャップ180とは、予期される環境曝露による劣化に対して抵抗性であり、有害生物駆除装置110により検出される可能性が高い有害生物による変質に対して抵抗性である材料で作製されることが好ましい。一形態において、これらの構成部材は、ポリプロピレン、または、One Plastics Avenue、Pittsfield、MA 01201の事業所住所を有するGeneral Electric Plastics社製のCYCOLAC ARポリマー製可塑性材料などのポリマー製樹脂で作製される。
【0077】
通例では、有害生物監視アセンブリ112は、ハウジング170が、監視されるべき区域の地中に少なくとも部分的に設置された後で、チャンバ172内に設置される。アセンブリ112は、有害生物の活動を検出および報告するように構成される。作動の一方式において、有害生物駆除装置110は、有害生物の活動が、有害生物監視アセンブリ112により検出された後で、殺有害生物剤を送達するよう再構成される。
図7は、こうした再構成の一例についてのアセンブリ分解図である。
図7において、有害生物駆除装置110は、有害生物の活動が検出された後で、有害生物監視アセンブリ112の置換部分として、殺有害生物剤送達アセンブリ119を用いる。置換は、キャップをラッチするのに必要な方向と反対方向にキャップ180を回転させ、ハウジング170からキャップ180を取り外すことにより始まる。通例、キャップ180の取り外しは、ハウジング170が、少なくとも部分的に、地中に設置されたままの状態で実施される。次いで、保持部材190を引き抜くことにより、有害生物監視アセンブリ112が、ハウジング170から引き出される。シロアリなどの有害生物に対して有害生物駆除装置110を適用すると、有害生物監視アセンブリ112が取り外される前に、チャンバ172内へのかなりの量の土砂が堆積しうることが分かっている。この堆積は、チャンバ172からの有害生物監視アセンブリ112の取り外しを妨げることがある。結果として、部材190は、好ましくは、少なくとも40ポンド(lb)の引き抜き力、また、より好ましくは、少なくとも80ポンド(lb)の引き抜き力に耐えるよう配置される。
【0078】
有害生物監視アセンブリ112をチャンバ172から取り外した後は、開口部178を介して、ハウジング170のチャンバ172内に、殺有害生物剤送達アセンブリ119を設置する。殺有害生物剤送達アセンブリ119は、チャンバ1172を画定する殺有害生物剤餌チューブ1170を含む。チャンバ1172は、上述の殺生物性複合材料からなりうる、殺有害生物剤保持マトリックス部材1173を含有する。チューブ1170は、内側に相補的なネジ筋(図示しない)を有するキャップ1176が係合するように配列されたネジ筋のついた端部1174を有する。キャップ1176は、間隙1178を画定する。回路サブアセンブリ116は、有害生物監視アセンブリ112のハウジング170からの取り外し前、取り外し中、取り外し後に、センサ150から取り外される。したがって、間隙1178は、有害生物監視アセンブリ112からの取り外し後における回路サブアセンブリ116をしっかりと支えるように寸法および形状が設定されている。殺有害生物剤送達アセンブリ119を回路サブアセンブリ116とともに構成した後は、これをチャンバ172内に設置し、前述の方式で、キャップ180をハウジング170に係合させることができる。
【0079】
上記を考慮すれば、当業者は、一態様における本出願が、1種または複数種の有害生物により消費または移動されるよう作用する殺生物性の餌と、前記餌を少なくとも部分的に封入するハウジングとを含む、有害生物駆除装置を提供することを理解するであろう。殺生物性の餌は、可塑性構造マトリックスと、該マトリックス中に含有され有害生物に嗜好されるセルロース系食用材料と、該マトリックス中に含有され有害生物に対して毒性である殺有害生物剤とを含む、複合材料を含む。該装置はまた、有害生物感知回路を含むこともあり、あるいは、有害生物感知回路と殺生物性の餌とを含むように構成されることもある。別の態様において、本出願は、1または複数の有害生物から保護されるべき区域において各々が互いに間隔を置いて配置される、少なくとも2つの有害生物駆除装置を含む、有害生物駆除システムを提供する。有害生物駆除装置の少なくとも1つは、有害生物により消費または移動されるよう作用し、可塑性構造マトリックスと、該マトリックス中に含有され有害生物に嗜好されるセルロース系食用材料と、該マトリックス中に含有され有害生物に対して毒性である殺有害生物剤とを含む複合材料を含む餌を含か、交互にに含むように構成される。
【0080】
別の態様において、本出願は、(1)1種または複数種の有害生物に対する殺生物性の餌を含み、該餌が、可塑性構造マトリックスと、該マトリックス中に含有され有害生物に嗜好されるセルロース系食用材料と、該マトリックス中に含有され有害生物に対して毒性である殺有害生物剤とを含む複合材料を含む、有害生物駆除装置を提供するステップと、(2)有害生物から保護されるべき区域に該装置を設置するステップとを含む方法を提供する。該方法を実施する一方式において、該装置は、有害生物センサと、有害生物センサに接続された通信回路構成とをさらに含む装置である。一例において、該センサは有害生物感知回路を含み、該有害生物感知回路は該有害生物駆除装置用餌の消費または移動時に変質するよう配置された導電性ループを含む。該ループは、通信回路構成に接続され、2状態シグナルであって、ループの電気的に開いた状態に対応するシグナルの第1状態、およびループの電気的に閉じた状態に対応するシグナルの第2状態、を提供する。
【0081】
本出願の別の態様では、本明細書に記載の複合材料を、通例では材木の使用を必要とする構造的応用のための木材代替材料として用いることができる。木材代替材料は、可塑性構造マトリックスと、該マトリックス中に含有され有害生物に嗜好されるセルロース系食用材料と、該マトリックス中に含有され有害生物に対して毒性である殺有害生物剤とを含む、複合材料を含む。本明細書に記載の複合材料は、例えば、窓および戸、くり形、または鼻隠用の構造部分など、構造部材の木材代替品として用いることができる。木材代替材料が、木材腐朽有害生物により消費または移動されると、その中の殺有害生物剤が作用して、木材腐朽有害生物の一部または全部を殺傷し、これにより、木材代替材料に対するさらなる損害を防止する。
【0082】
以下の具体的な実施例への参照により、本出願の主題がさらに説明される。これらの実施例は、本質的に例示的であり、限定的ではないことを意図することが理解されるであろう。
【実施例1】
【0083】
押し出し成形による複合材料の生成
(実行1)
精製セルロースは、International Fiber社から、複数の線維長およびバルク密度のものを入手した。調べた線維は、AlphaCel BH100、AlphaCel BH200、ブリケット化したBH100、SolkaFloc特別顆粒、およびSolkaFloc微顆粒を含んだ。いくつかの実行では、AlphaCel BH100がブリケット化し、より高いバルク密度の材料を成形した。SolkaFloc微顆粒セルロースおよびSolkaFloc特別顆粒セルロースは、押し出し成形機の配合された供給材料を形成する熱可塑性物質との混合物に適する出発材料であることが分かった。
【0084】
表1は、本明細書に記載の検討で調べた線維を示す。検討は、押し出し成形された材料の消費された質量により測定により、SENTRICON(登録商標)シロアリステーション内で現在用いられるアスペンの木材ブロックであるMD−499と比較して、シロアリによる需要が良好であったすべての生成された生成物を対象とする。押し出し成形工程で用いる最良の線維および線維形態を同定しようとする試みにおいて、精製セルロース線維の異なる全長および物理的形態を調べた。
【0085】
【表1】
【0086】
AlphaCell BH−100材料に関して報告された物理的特性は、40ミクロンの平均線維長、3ダルシーcc/gの水透過係数(5psiで20グラムの試料を用いて決定された)、立方フィート当たり18ポンドの湿潤バルク密度、ならびに、40メッシュに対して0%、100メッシュを介して90%以上、および、200メッシュを介して70%以上のふるい分析値を含む。
【0087】
AlphaCell BH−200材料に関して報告された物理的特性は、35ミクロンの平均線維長、2.1〜2.6cc/gのバルク体積、3.0%g/gの保水率、ならびに、40メッシュに対して0%、100メッシュを介して93〜100%、および、200メッシュを介して75〜100%のふるい分析値を含む。
【0088】
AlphaCell C−40材料に関して報告された物理的特性は、120ミクロンの平均線維長、18ダルシーcc/gの水透過係数(5psiで20グラムの試料を用いて決定された)、立方フィート当たり9ポンドの湿潤バルク密度、ならびに、40メッシュに対して1%未満、100メッシュを介して95%以下、および、200メッシュを介して50%以下のふるい分析値を含む。
【0089】
AlphaCell C−10材料に関して報告された物理的特性は、290ミクロンの平均線維長、28ダルシーcc/gの水透過係数(5psiで20グラムの試料を用いて決定された)、立方フィート当たり6.5ポンドの湿潤バルク密度、ならびに、40メッシュに対して15%未満、100メッシュを介して60%未満、および、200メッシュを介して25%未満のふるい分析値を含む。
【0090】
SolkaFloc特別顆粒材料に関して報告された物理的特性は、立方フィート当たり28.0ポンドのバルク密度、3.5g/gの保水率、ならびに、40メッシュに対して80%以上、および、200メッシュを介して2%以上のふるい分析値を含む。
【0091】
ブリケット化したAlphaCel BH−100は、AlphaCel BH−100に水を添加するステップと、Komarek社製圧縮機を用いて該材料をブリケットに形成するステップとにより作製された。ブリケット化の前に該粉末上にヘキサフルムロンまたはノビフルムロンを噴霧すると、本材料の活性型が得られる。
【0092】
これらの試験では、複数の異なる種類の熱可塑性ポリマーを用いた。例は、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、およびポリ乳酸(PLA)を含む。セルロースと混合した場合のこれらの可塑性物質は、シロアリに摂食された。最初の試験はCAPを用いて実施され、CAPは、約180〜200℃の温度で加工された。この温度は、ヘキサフルムロンおよびノビフルムロンの融点に対してきわめて高い。Gelimat内におけるこの高温でマトリックスを加工するステップにおいて、高度のせん断であまりに長時間にわたり混合する場合、生成物は炭化または発火の可能性を受けやすくなった。高度のせん断は、温度を急速に上昇させ、約220℃を上回る温度では、セルロースが炭化する。PLAは、約220℃で加工された。この温度において、セルロースはきわめて炭化しやすいので、CABに主眼を移した。
【0093】
ポリマーCAB(130〜140℃の加工温度)を選択して、押し出し成形の加工温度を低下させたところ、多くの利点が得られた。例えば、線維/熱可塑性マトリックスは、より低温で配合するステップおよび押し出し成形ステップを介して加工する場合、炭化または燃焼を受けにくい。加えて、これらの低温で加工すると、温度感受性殺有害生物剤の分解が防止される。
【0094】
熱可塑性ポリマーの形態および物理的状態を検討した。まず、可塑剤を含有する、ペレット化された熱可塑性物質が用いられた。この材料は、押し出し成形されたマトリックスに対するシロアリによる最良の摂食をもたらすよう可塑剤含量が最適化された後に、満足できる形で作用した。粉末形態において用いられる熱可塑性物質は、セルロース線維と良好に混合されることが分かり、配合がより容易であることが分かった。CAPおよびCABともに、粉末化された可塑性物質として用いられた。異なる分子量の可塑性物質を混合して、線維マトリックス中における熱可塑性物質の流動を最適化した。ポリマーの混合物は、2つの効果をもたらすように選択された。高分子量ポリマーは、プロファイルに構造的強度をもたらすように選択され、低分子量ポリマーは、ポリマー/セルロース融解物の湿潤性および粘稠度の低減に関する流動の改善を提供するよう選択された。選択されたCABポリマーは、CAB−551−0.01(低分子量ポリマー)と混合されたCAB−531−1(高分子量ポリマー)であった。
【0095】
酢酸酪酸セルロースCAB−531−1は、Eastman社から市販されるセルロースエステルである。CAB−531−1は、広範囲の溶媒中で可溶性であり、比較的可撓性の樹脂であり、他の可撓性の低い樹脂よりも、可塑剤による改変を必要とする度合いが低い。CAB−531−1の報告された特性は、以下を含む。
【0096】
【表2】
【0097】
酢酸酪酸セルロースCAB−551−0.01は、Eastman社から市販されるセルロースエステルで、高ブチリル含量および低ASTM(A)粘稠度を有し、その溶解度および融和性に有意に影響する。CAB−551−0.01は、スチレン単量体およびメチルメタクリレート単量体中で可溶性であり、より高粘稠度の材料よりも、より多くの脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素の希釈剤に忍容性である。アルコール/芳香族炭化水素混合物中におけるCAB−551−0.01の溶解度は、広範囲の溶媒の選択および溶媒組み合わせの選択を許容する。CAB−551−0.01は、取り扱いのしやすい乾燥、白色、自由流動性の粉末である。CAB−551−0.01の報告された特性は、以下を含む。
【0098】
【表3】
【0099】
押し出し成形における潤滑剤としては、ステアリン酸カルシウムが用いられた。この材料は、線維/熱可塑性マトリックスと良好に混合され、押し出し成形ダイを介する流動の一助となる。ステアリン酸カルシウムは、押し出し成形マトリックスの融解温度に近い融解温度を有し、ダイを介するマトリックスの流動をきわめて良好に潤滑化する。例えば、他のステアリン酸金属塩および他のろうまたは市販の潤滑剤など追加の潤滑剤が、押し出し成形に適するステアリン酸カルシウムの代替物であると考えられ、後続の実験で検討される。シロアリによる摂食に有意には干渉しない潤滑剤が好ましい。
【0100】
押し出し成形により線維を加工するステップは、リボンブレンダーを用いて、殺有害生物剤を線維に塗布するステップを含んだ。濃度50%のヘキサフルムロンまたはノビフルムロンが線維上に噴霧され、殺有害生物剤の線維との一様な混合が確認された。濃度は、押し出し成形された複合材料中に約0.5%の殺有害生物剤を送達する、総マトリックス組成に対する線維濃度に相当するように調整された。殺有害生物剤の推定追加量は、加工時における殺有害生物剤の喪失量に相当するように含められた。加工するステップはまた、ステアリン酸カルシウムと空気粉砕され技術的に混合されたものを用いても達成され、次いで、この混合物が、配合された線維/熱可塑性物質に添加された。殺有害生物剤の混和の他の一方法は、線維と熱可塑性物質とを配合し、次いで、ステアリン酸カルシウムを添加し、押し出し成形前の完全なマトリックス上に殺有害生物剤を噴霧することである。すべての方法により、殺有害生物剤を含有する、押し出し成形され完成されたプロファイルがもたらされた。
【0101】
押し出し成形複合材料の作成は、バッチ工程中で実施された。混合物は、セルロースおよび線維を秤量して瓶中に入れることにより調製した。約80lbのバッチ中にこれらの瓶を空け、Gelimat内で配合した。配合されたマトリックスは、Gelimatからコンベヤー上に空け、マトリックスがなおも高温である間に圧縮ローラーを通してマトリックスのバルク密度を高め、次いで、このマトリックスを粉砕して、押し出し成形機用の供給原料とした。同じ混合物の複数のバッチをGelimatにかけ、押し出し成形されるまで集積させた。押し出し成形は、0.8インチのサーキュラーダイへの短い連結器を有する、シンシナティ、Milacron社製、65mmのツインスクリュー押し出し成形機中で実施した。ダイから出た後、押し出し成形されたロッドは、冷却チャンバを通り、冷水噴霧によりプロファイルが冷却された。冷却チャンバの後、ロッドは抜き取り装置内に送られ、その後、ロッドは、あらかじめ定められたサイズに切断された。
【0102】
以下の表2は、調製され調べられた1セットの複合材料の組成および設計を示す。
【0103】
【表4】
【0104】
バッチは、線維をCAB(CAB−531−1のCAB−551−0.01との50/50混合物)と混合し、バッチをGelimatにかけ、混合物を配合することにより調製した。Gelimat内における混合および加熱の後、配合された混合物を圧縮する、対をなすローラーへと至るコンベヤー上にバッチを空けた。高密度化された混合物は、切断機へと送り、押し出し成形機用の乾燥し配合された供給原料を生成した。次いで、組み合わされたGelimatバッチを秤量し、ステアリン酸カルシウムが添加されるリボンブレンダーに入れた。配合の後に殺有害生物剤を添加する場合は、殺有害生物剤をステアリン酸カルシウムと混合し、混合物を配合されたマトリックスに添加した。混合の後、完成したマトリックスをツインスクリュー押し出し成形機に供給し、押し出し成形して最終プロファイルを生成した。押し出し成形されたプロファイルは、噴霧タンク(約30フィートの長さ)内で冷却され、キャタピラー型抜き取り装置を通して、プロファイルの移動を保ち、次いで、プロファイルを所望の長さに切断した。
【0105】
配合物1(押し出し成形前のブランク対照)は、実行#1において、(Gelimat内で)SolkaFloc小粒を殺有害生物剤の存在しないCABと配合することにより作製した。配合の後、ステアリン酸Caを添加し、次いで、混合物を押し出し成形した。
【0106】
配合物2(線維上のヘキサフルムロン)は、実行#2において、ヘキサフルムロンの50%濃縮物(液体)を水で希釈し、希釈された混合物をSolkaFlocs小粒上に噴霧することにより作製した。次いで、結果として得られる混合物を配合し、ステアリン酸Caを添加し、次いで、混合物を押し出し成形した。
【0107】
配合物3(ステアリン酸Ca中の固体としてのヘキサフルムロン)は、実行#3において、固体の粉砕されたヘキサフルムロンテクニカル(99+%の純度)をステアリン酸Caとブレンドするステップにより作製し、この混合物を、配合された小粒/CAB混合物とブレンドし、次いで、押し出し成形した。
【0108】
配合物4(線維上のノビフルムロン)は、ノビフルムロンの50%濃縮物がヘキサフルムロンの50%濃縮物に置き換えられたことを除き、配合物2を作製するのに用いられた工程と同じ工程を用いる実行#4において作製した。
【0109】
配合物5(ステアリン酸Ca中のノビフルムロン)は、粉砕されたノビフルムロンテクニカル(99+%の純度)がヘキサフルムロンテクニカルに置き換えられたことを除き、配合物3を作製するのに用いられた工程と同じ工程を用いる実行#5において作製した。
【0110】
配合物6(配合されたマトリックス上に噴霧されたノビフルムロン)は、実行#6において、(Gelimat内で)SolkaFloc小粒をCABと配合することにより作製した。ステアリン酸Caを配合後バッチと混合し、次いで、希釈されたノビフルムロンの50%濃縮物を噴霧塗布した。最後に、混合物を押し出し成形した。
【0111】
押し出し成形された試料は、Teel Plastics社で生産された。線維と可塑性物質とは、線維と可塑性物質とを配合する固体用の高せん断混合機であるGelimat内で混合した。線維と可塑性物質とをともにGelimat内に空け、サイクルを開始させると、高せん断混合機が成分を混合し、可塑性物質を融解させて、熱可塑性物質の線維との結合を開始させる。高せん断混合は、Gelimat内における混合物の温度を急速に上昇させ、水分を除去し、可塑性物質を融解させ、線維と結合させる。次いで、配合されたマトリックスをステアリン酸カルシウム潤滑剤と混合し、シンシナティ、Milacron社製、65mのツインスクリュー押し出し成形機を介して押し出し成形した。用いるダイを変化させたところ、ダイの全長、および、マトリックスがダイを通過するに応じて、目的とする押し出し成形材料の移動および流動の量に依存して、より大きなまたはより小さな成功が得られた。本発明者らは、全般的に、ダイの全長が短くになるのに応じて流動に対する障害が少なくなり、プロファイルを押し出し成形するのに良好であることを見出した。有効成分の混和は、ダイ内にスパイダーまたはスプリッターなどの障害を伴わない、短く直線状のダイを有する、Teel Plastics社の押し出し成形機内で最適化された。
【0112】
上述し、表1に列挙した通り、International Fibers社により提供される複数の線維を検討した。一般に、線維長は、生成されるプロファイルに対してほとんど影響を及ぼさないと思われる。より大きな影響は、線維の密度および形態である。バルク密度の低い線維は、供給および取り扱いが困難である。顆粒化された材料は、良好に流動し、ダスティングが最小限であるため、取り扱いが容易である。
【0113】
実施例1に記載の通りに生成された試料に対するバイオアッセイを実施して、生成された材料の催嗜好性および有効性を調べた。実施例2および3において実施され、より詳述される試験は、標準的な一方向連続非選択曝露試験および限定選択曝露試験であった。試料は、有効成分に基づき、2つの試験に分割された。ノビフルムロンの方が通常迅速に作用するので、ノビフルムロン試料を4週間にわたって実行し、ヘキサフルムロン試料は6週間にわたって実行した。押し出し成形されたノビフルムロン含有複合材料は、シロアリに対する毒性を示した。
【0114】
実施例2および3に記載の実験により、複合材料用の製造工程が、シロアリにより良好に受容される、押し出し成形された監視装置または餌を生成することが示される。押し出し成形された複合材料の方が、実施されたすべてのバイオアッセイにおいて常に、木材よりもはるかに良好に受容された。これらの試験はまた、押し出し成形されたプロファイルに有効成分を混和し、シロアリに対する殺虫活性を維持することが可能であることも示す。
【実施例2】
【0115】
押し出し成形されたヘキサフルムロン複合材料の受容および有効性
一方向連続非選択曝露試験および限定選択曝露試験を実施して、地下のシロアリ種であるキアシシロアリ(Reticulitermes flavipes)について、42日間にわたり、押し出し成形されたヘキサフルムロン配合物の消費および有効性を比較により決定した。具体的に、これらの試験では、非選択(試験#1)試験および7日間の限定選択摂食(試験#2)試験において、ヘキサフルムロンを含有し押し出し成形された複合材料配合物に対する摂食応答(消費−mg)、および、結果として生じる、地下のシロアリであるキアシシロアリの死滅率を測定した。
【0116】
試験#1−連続強制摂食(非選択)曝露
試験の設定条件:標準的な一方向非選択試験。本試験の設定条件を
図8に示す。試験は、26℃で相対湿度60%に保たれたWalk−in Conviron内で実施された。試験は、6回反復、100匹/回を含み、42日間にわたり実施された。重量補正のために、各処理につき3種類の対照を用いた。
種:キアシシロアリ
処理−6週間(42日間)後に評価した消費および生存
1.押し出し成形配合物1−ブランク。
2.押し出し成形配合物2−線維上のヘキサフルムロン、アッセイ=0.78%。
3.押し出し成形配合物3−ステアリン酸Ca中の固体としてのヘキサフルムロン、アッセイ−0.475%。
4.ブランクのPTCブリケット対照。
5.0.5%ヘキサフルムロンを含有するShatter PTC餌。Shatter(商標)(Dow AgroSciecnes LLC社製)餌は、0.5%ヘキサフルムロンを含む、市販のアルファセルロース製ビュレットである。Shatter餌は、その中に含まれるアルファセルロース材料がプリファードテクスチャードセルロースと称せられるため、「Shatter PTC餌」とも称することができる。
本明細書において用いられる「ブランク」という用語は、ヘキサフルムロンまたは他の有効成分(「AI」)を含まない試験物質を指すのに用いられる。例えば、上記リスト中の押し出し成形配合物1は、同定されたセルロース系食用材料および同定された可塑性マトリックスを含むがAIを含まない押し出し成形複合材料である。同様に、「ブランクのPTCブリケット対照」という用語は、AIを含まない「プリファードテクスチャードセルロース」(「PTC」)のブリケットを指す。
【0117】
試験1の結果および考察:−連続非選択
【0118】
【表5】
【0119】
連続非選択試験(表3に結果を列挙)の場合、キアシシロアリは、押し出し成形された餌配合物を容易に消費し、ブランクの押し出し成形された餌は、ブランクのPTCよりも有意に大きな速度で消費された。ヘキサフルムロンを含有する配合物(配合物2、3、およびShatter)は、42日間の試験期間にわたり、ブランクの押し出し成形材料(配合物1)より遅いの速度で消費されたが、この低度の消費は、42日間の試験期間にわたって消費速度に影響を及ぼす、これらの配合物中におけるヘキサフルムロンの毒性作用に起因する可能性がきわめて高い。ヘキサフルムロンを含有する配合物は、対照に対し有意に高い死滅率を有したが、相互にはそれほど異ならなかった。数値的には、押し出し成形配合物2が、42日後において最も高い死滅率の補正値80.64%を有し、69.34%の押し出し成形配合物3、および64.19%のShatterがこれに続いた。ヘキサフルムロンがキチン合成阻害剤効果の症状を有し、これを含有する押し出し成形配合物に曝露されて生存するシロアリは、緩慢/病的なようにに見え、色が蒼白であったことが注目された。ブランクの押し出し成形材料に曝露されて生存するシロアリは、外見において正常に見えた。前の試験と同じように、ブランクの押し出し成形配合物対照(配合物1)は、ブランクのPTCブリケット対照よりも有意に多く消費され、数値的には、ブランクの押し出し成形材料の場合の方が生存虫は多かった。
【0120】
試験2−限定選択曝露
試験の設定条件:標準的な一方向の対になった選択有効性試験、対 非処理のサザンイエローパイン(SYP−1/2インチのサイズ)。本試験の設定条件を
図9に示す。試験は、26℃で相対湿度60%に保たれたWalk−in Conviron内で実施された。試験は、6回反復、100匹/回を含み、42日間にわたり実施された。7日後に、複合材料およびSYPを除去し、試験の残りの期間は、ブランクの濾紙で置き換えた。重量補正のために、各処理につき3種類の対照を用いた。
種:キアシシロアリ
処理−6週間(42日間)後に評価した消費および生存
1.押し出し成形配合物1−ブランク。
2.押し出し成形配合物2−線維上のヘキサフルムロン、アッセイ=0.78%。
3.押し出し成形配合物3−ステアリン酸Ca中の固体としてのヘキサフルムロン、アッセイ−0.475%。
4.ブランクのPTCブリケット対照。
5.0.5%ヘキサフルムロンを含有するShatter PTC餌。
【0121】
試験2−限定選択曝露−の結果および考察:
【0122】
【表6】
【0123】
限定選択試験の結果(表4)は、すべての処理が、SYPよりも有意に多く消費されたことを示す。この限定選択試験では、対照が良好に作用しなかった。この限定選択試験の生存結果は、連続非選択試験(表3)において見出された結果と類似し、ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形配合物は、押し出し成形されたブランクよりも有意に良好であり、数値的にはShatterよりも良好であった。
【0124】
これら2つの試験から得られた結果は、押し出し成形されたヘキサフルムロン配合物が容易に受容され、きわめて高速で消費され、ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形配合物がSYPよりも好まれたことを示す。加えて、ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形配合物は、対照よりも有意に高度な活性を有し、Shatterと比較して、数値的には高いが統計学的には同等の効果を有した。シロアリの死滅率は、Shatter餌と対比した押し出し成形+ヘキサフルムロン配合物について、数値的には高いが統計学的には同等であった。
【実施例3】
【0125】
押し出し成形されたノビフルムロン複合材料の受容および有効性
一方向連続非選択曝露試験(試験#1)および限定選択曝露試験(試験#2)を実施して、キアシシロアリに対する、28日間にわたる、新規の押し出し成形されたノビフルムロン配合物の消費および有効性を比較により決定した。これらの試験は、非選択試験および7日間の限定選択摂食試験において、ノビフルムロンを含有する新規の押し出し成形配合物に対する摂食応答(消費−mg)、および、結果として生じる、地下のシロアリであるキアシシロアリの死滅率がどれほどであるかを決定し、これにより、ノビフルムロンを含有する新規の押し出し成形複合材料の催嗜好性および有効性を定量的に測定することを目的としてデザインされた。
【0126】
試験#1−連続強制摂食(非選択)曝露
試験の設定条件:標準的な一方向非選択試験。試験の設定条件を
図8に示す。試験は、26℃で相対湿度60%に保たれたWalk−in Conviron内で実施された。試験は、6回反復、100匹/回を含み、28日間にわたり実施された。重量補正のために、各処理につき3種類の対照を用いた。
種:キアシシロアリ
処理−4週間(28日間)後に評価した消費および生存
1.押し出し成形配合物1−ブランク対照。
2.押し出し成形配合物4−線維上のノビフルムロン、アッセイ=0.774%。
3.押し出し成形配合物5−ステアリン酸Ca中のノビフルムロン、アッセイ=0.502%。
4.押し出し成形配合物6−配合されたマトリックス上に噴霧されたノビフルムロン、アッセイ=0.628%。
5.0.5%ノビフルムロンを含有するRecruit IV PTC餌。
6.ブランクのPTCブリケット。
【0127】
試験1−連続非選択−の結果および考察:
【0128】
【表7】
【0129】
連続非選択試験(表5に結果を示す)の場合、キアシシロアリは、ブランクのPTCブリケットと統計学的に同等の速度で、ノビフルムロンを含有し押し出し成形された餌配合物を容易に消費した。Recruit IVは、押し出し成形配合物よりも有意に低度に消費されたが、この低度の消費は、Recruit IV餌中におけるノビフルムロンの毒性作用の早期の発現に起因する可能性がきわめて高い。Recruit IVは、28日後において、平均25.5生存虫/100匹の有意に最高の死滅率を有し、死滅率の補正値=70.60%であった。Recruit IVに曝露されて生存するシロアリは、きわめて病的で臨死状態であることが注目された。ノビフルムロンを含有する押し出し成形配合物(配合物4、5、および6)はすべて、対照よりも有意に良好な同様の活性を有し、39〜41%の範囲できわめてよく一致する3つの配合物の死滅率の補正値を有する。28日後には、押し出し成形されたノビフルムロン配合物に曝露されて生存するシロアリには、緩慢化し毒性作用を示すものもある一方、正常に見えるものあったことに注目した。これらの観察は、3つの配合物間で同等であった。ブランクの押し出し成形配合物(配合物1)は、ブランクのPTCブリケット対照よりもまさに有意に多く消費されたが、数値的には、ブランクの押し出し成形材料の場合の方が生存虫は多く、これは、押し出し成形配合物が、シロアリに対して十分に栄養となることを示唆することは興味深いことであった。
【0130】
試験2−限定選択曝露
試験の設定条件:標準的な一方向の対になった選択有効性試験、対 非処理のサザンイエローパイン(SYP−1/2インチのサイズ)。試験の設定条件を
図9に示す。試験は、26℃で相対湿度60%に保たれたWalk−in Conviron内で実施された。試験は、6回反復、100匹/回を含み、28日間にわたり実施された。7日後に、餌マトリックス処理およびSYPを除去し、試験の残りの期間は、ブランクの濾紙で置き換えた。重量補正のために、各処理につき3種類の対照を用いた。
種:キアシシロアリ
1.押し出し成形配合物1−ブランク 対 SYP
2.押し出し成形配合物4−線維上のノビフルムロン、アッセイ=0.774% 対 SYP
3.押し出し成形配合物5−ステアリン酸Ca中のノビフルムロン、アッセイ=0.502% 対 SYP
4.押し出し成形配合物6−配合されたマトリックス上に噴霧されたノビフルムロン、アッセイ=0.628% 対 SYP
5.0.5%ノビフルムロンを含有するRecruit IV PTC餌 対 SYP
6.ブランクのPTCブリケット対照 対 SYP
【0131】
試験2−限定選択曝露−の結果および考察:
【0132】
【表8】
【0133】
限定選択試験の結果(表6)は、配合物4を除くすべての処理が、SYPよりも有意に多く消費されたことを示す。この選択比較における高度のSYP消費(40.4mg)および32.1という高値の平均標準誤差(SEM)は、オーブン内で試料を乾燥させる際に引き起こされたエラーであると考えられる。SYP試料の一部は、オーブンによる乾燥時に過剰量の樹液を肉眼でわかる形で喪失し、これが、SEMの上昇をもたらした可能性が高い。加えて、SYP試料を検討する際、肉眼でわかる形の消費がほとんど〜まったく存在しないと思われた。処理に対する生存結果は、連続非選択試験について本発明者らが見た結果(Recruit IV>押し出し成形されたノビフルムロン配合物>対照)と類似したが、全般的には、対照を含むすべての処理を通じて、本試験において死滅したシロアリの方が多かった。限定選択試験では、連続非選択試験で用いられたコロニーとは別のキアシシロアリコロニーが用いられ、コロニーの違いが、この限定選択試験における全般的に低度の生存の理由である可能性がきわめて高い。生存虫の状態は、連続非選択試験について本発明者らが見た結果と肉眼でわかる形で同様であり、Recruit IVによる生存虫が臨死状態であったのに対し、押し出し成形ノビフルムロンによる生存虫には、肉眼でわかる形で緩慢化および影響を受けたものもある一方、正常に見えるものもあった。ここでもまた、これらの肉眼でわかる形の効果が、3種類の押し出し成形による処理を通じて同様であることが注目された。
【0134】
これら2つの試験から得られた結果は、押し出し成形されたノビフルムロン配合物が容易に受容され、ブランクのPTCと同様に高速で消費されることを示す。押し出し成形複合材料は、対照との対比で有意に高度な活性を与えたが、28日後において、0.5%ノビフルムロンを含有するRecruit IVよりも低活性であった。3種類の押し出し成形されたノビフルムロン配合物は、2つの試験を通じ、有効性に関して統計学的に同等であり、すべてが、対照との対比で有意に高度な活性を有した。28日後におけるより低度の活性は、押し出し成形配合物におけるノビフルムロンのバイオアベイラビリティに起因する可能性がきわめて高い。より高度のバイオアベイラビリティを有する、改善された配合物が、Recruit IVと同等の活性を達成すると予期される。
【実施例4】
【0135】
押し出し成形による複合材料の生産
(実行2)
実施例1に記載されたのと同じ出発材料を用いて、複合材料バッチの第2のセットを調製した。以下の表7は、調製された複合材料の第2のセットに関する組成および設計を示す。
【0136】
【表9】
【0137】
実行7〜9で生成された押し出し成形複合材料を、本明細書では、それぞれ、配合物7〜9と称する。これらの配合物7〜9に対するバイオアッセイは、以下の実施例5〜9でより詳細に考察される通りに実施された。
【実施例5】
【0138】
押し出し成形されたヘキサフルムロン複合材料の2つの地下のシロアリ種に対する受容および有効性
実施例4に記載の通り、押し出し成形されたヘキサフルムロン処理配合物(セルロース配合物上噴霧)の、キアシシロアリおよびイエシロアリ(C.formosanus)に対する有効性を調べた。
試験の設定条件:カップを用いた標準的な一方向非選択有効性試験、4または6回反復、100匹/回、28、42、または56日間にわたり実施。すべての試験は、26℃で相対湿度60%に保たれたWalk−in Conviron内で実施された。重量補正のために、各処理につき3種類の対照を用いた。
種:キアシシロアリおよびイエシロアリ(各試験に各種2コロニーずつを用いた)
処理−6週間(42日間)後に評価した消費および生存
1.押し出し成形配合物7−ブランク
2.押し出し成形配合物9−セルロース上に噴霧されたヘキサフルムロン、アッセイ=0.58%
3.0.5%ヘキサフルムロンを含有するShatter PTC餌
各試験は、各回当たり100匹ずつのシロアリにより、6回繰り返した。こうして、3つの非選択試験×6回=18の一方向ユニットおよび1800匹のシロアリ(キアシシロアリおよびイエシロアリ)が、各種ごとに導入された。したがって、2つの種の場合、36の一方向ユニットおよび3600匹のシロアリが必要とされた。
結果:結果を、表8(キアシシロアリ)および表9(イエシロアリ)に示す。
【0139】
【表10】
【0140】
前出で見られたのと同様に、キアシシロアリは、押し出し成形配合物を活発に摂食し、ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形配合物(配合物9)の消費は、Shatterよりも有意に多量であった。死滅率は、セルロース上に噴霧された押し出し成形配合物(配合物9)の場合、Shatterと比較して有意に低かったが、配合物9の場合、全般的な補正死滅率が88.84%と高く、これは、試験終了時(42日後)において96.16%のShatterと比較してわずかに低いだけであった。本試験におけるキアシシロアリに対する死滅率は、かつて見られた死滅率と比較して高度であり、これは、高百分率のヘキサフルムロン(0.58%)、または、おそらくは、シロアリコロニーの違いに起因しうる。本試験では、Shatterもまた、より高度の有効性を示し、これは、異なるシロアリコロニー、または、おそらく、これらの試験が実施された時節(本試験は盛〜晩春/初夏に実施 対 以前の試験の晩冬/早春)と関連しうる。イエシロアリの場合(表9)の傾向は、押し出し成形されたノビフルムロン配合物について本発明者らがかつて見た傾向と同様であった。ヘキサフルムロンを有する押し出し成形配合物に対する摂食は、Shatterより多かったが、Shatterの有効性の方が有意に高かった。本試験の全般的な有効性は低く、試験をより長期間にわたり続行する方が良好であったかもしれないが、これらのより長期にわたる実験室での試験期間中に時折生じる、対照が減少し始めた事実により、42日間で打ち切りとすることに決定した。
【実施例6】
【0141】
押し出し成形されたノビフルムロン複合材料の2つの地下のシロアリ種による受容およびこれに対する有効性
押し出し成形されたノビフルムロン処理配合物(セルロース上噴霧がより高濃度なアッセイ配合物)の、キアシシロアリおよびイエシロアリに対する有効性を調べた。
試験の設定条件:カップを用いた標準的な一方向非選択有効性試験、100匹/回で4または6回反復、28、42、または56日間にわたり実施された。すべての試験は、26℃で相対湿度60%に保たれたWalk−in Conviron内で実施された。重量補正のために、各処理につき3種類の対照を用いた。試験#1は6週間の試験であり、試験#2は8週間の試験であった。
種:キアシシロアリおよびイエシロアリ(各試験に各種2コロニーずつを用いた)
処理(全試験)−試験#1では6週間(42日間)後、試験#2では8週間(56日間)後に消費および生存を評価した。
1.押し出し成形配合物7−ブランク。
2.セルロース上に噴霧された押し出し成形配合物8−0.79%のノビフルムロン
3.0.5%ノビフルムロンを含有するRecruit IV PTC
各試験は、各回当たり100匹ずつのシロアリにより、6回繰り返した。すべての試験を合わせると、6つ(3つの処理×2試験/処理)の非選択設定条件×6回=カップを用いた36の一方向ユニットおよび3600匹の各種シロアリが設定された。したがって、2つの種の場合、カップを用いた72の一方向ユニットおよび全7200匹のシロアリが必要とされた。
結果:キアシシロアリに関する結果(表10)は、42日間試験および56日間試験のいずれの場合も、配合剤上噴霧がより高いアッセイスプレー(0.79%のノビフルムロン)の方が、Recruit IVよりも多量の消費を示し、また、有効性も、42日後において同等(65.77%対69.48%、NSD、二項ロジスティック回帰)であり、56日後ではRecruit IVの100%に対して87.58%の補正死滅率とごくわずかに低かったが、この差は有意であった(二項ロジスティック回帰)。
【0142】
【表11】
【0143】
また、既に完了した試験において見出されたのと同様に、イエシロアリによる消費は、Recruit IVと比較して押し出し成形配合物の方が有意に多かったが、対照と比較した補正死滅率は、押し出し成形配合物8(アッセイ=セルロース上に噴霧された0.79%ノビフルムロン)の方が有意に低く、結果は、42日後におけるRecruit IVの48.21%に対して配合物8の0%、および、Recruit IVの85.14%に対して配合物8の31.99%であった(表11)。これらの実験室での結果もまた、イエシロアリに対する押し出し成形材料を伴う実験的なフィールド試験から近年報告された結果を示唆する。
【0144】
【表12】
【0145】
キアシシロアリおよびイエシロアリの両方について概観すると、ヘキサフルムロンまたはノビフルムロンのどちらかを含有する押し出し成形配合物は、全般に、ShatterおよびRecruit IVよりも有意に多く消費された。これは、セルロース上噴霧およびセルロース内混和のいずれの押し出し成形配合物についてもあてはまった。2つの押し出し成形配合物の間の消費の差は、いずれの種についてもそれほど異ならなかったが、異なる試験を比較したところ、キアシシロアリは、数値的には、イエシロアリと対比してより多くの押し出し成形材料を消費した。試験によって、1つの評価時に押し出し成形配合物の1つの平均消費量がより多いことがあり、次いで、同じ試験において、異なる時点(すなわち、42日後対56日後)で評定すると、他の押し出し成形配合物の消費が多いことがあった場合−配合物(セルロース上噴霧対セルロース中混和)間には明確な選好が存在しなかった。
【0146】
ヘキサフルムロン 対 Shatterおよびノビフルムロン 対 Recruit IVの押し出し成形配合物の死滅率は、有意に低い(二項ロジスティック回帰)ことがきわめて多かった。これは、対照がShatterまたはRecruit IVよりもはるかに低かった(高度に有意)イエシロアリの場合に特にあてはまった。キアシシロアリの場合、差はそれほど大きくなく、一部の試験において、有効性は、ShatterまたはRecruit IVとの対比で有意には異ならなかった。
【実施例7】
【0147】
押し出し成形されたノビフルムロンおよびヘキサフルムロン複合材料の複数の地下のシロアリ種による受容およびこれに対する有効性
押し出し成形されたAI含有複合材料の、複数の異なるシロアリ種に対する催嗜好性および有効性を調べ、実験室での非選択試験において、重要な地下のシロアリ種であるレティクリテルメス・ビルジニクス(Reticulitermes virginicus)、イエシロアリ、レティクリテルメス・ヘスペルス(Reticulitermes Hesperus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、およびヘテロテルメス・アウレウス(Heterotermes aureus)が、AIであるノビフルムロンまたはヘキサフルムロンを含有する押し出し成形配合物を、市販のAI含有餌と比較してより少なく(p=0.1)消費(mg)するかどうかを判定し、AIであるノビフルムロンまたはヘキサフルムロンを含有する押し出し成形配合物が、市販の餌との対比で有意に低い死滅率(p=0.05、二項ロジスティック回帰)を、重要な地下のシロアリ種であるレティクリテルメス・ビルジニクス、イエシロアリ、レティクリテルメス・ヘスペルス、ヤマトシロアリ、およびヘテロテルメス・アウレウスに対してもたらすかどうかを判定した。ノビフルムロンを含有する押し出し成形複合材料をRecruit IVと比較する試験では、4、6、および8週間後のデータを検討した。ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形複合材料をShatter餌と比較する試験では、6週間後のデータを検討した。
【0148】
試験#1:押し出し成形されたノビフルムロン配合物の追加のシロアリ種による消費およびこれに対する有効性
種:レティクリテルメス・ビルジニクス、イエシロアリ、レティクリテルメス・ヘスペルス、ヘテロテルメス・アウレウス
試験の設定条件:一方向連続非選択試験、4〜8回反復、1回当たり100匹、4および/または、6および/または、8週間後のデータ(レティクリテルメス・ビルジニクスおよびイエシロアリ=4、6、および8週間後のデータ、レティクリテルメス・ヘスペルスおよびヘテロテルメス・アウレウス=6週間後のデータのみ)。
処理
1.押し出し成形配合物1−ブランク
2.押し出し成形配合物4−線維上のノビフルムロン
*、0.774%
3.押し出し成形配合物5−ステアリン酸Ca中のノビフルムロン、0.502%
4.押し出し成形配合物6−配合されたマトリックス上に噴霧されたノビフルムロン
**、0.628%
5.0.5%ノビフルムロンを含有するRecruit IV PTC餌
6.ブランクのPTCブリケット対照
*=セルロース粉末上に噴霧され、圧縮され、次いで、小粒(顆粒またはペレット)に粉砕
**=あらかじめ形成され、有効成分を噴霧された小粒(顆粒またはペレット)
注:イエシロアリの場合、材料がもはや使用できなかったため、配合物4は調べなかった。
レティクリテルメス・ヘスペルスおよびヘテロテルメス・アウレウスの場合、シロアリがわずかしか入手できなかったため、配合物1、2、および5のみについて調べた。
【0149】
レティクリテルメス・ビルジニクス種に関する摂食応答データを、以下の表12に示す。
【0150】
【表13】
【0151】
レティクリテルメス・ビルジニクスに関する4週間後、6週間後、および8週間後における生存データを、それぞれ、
図10、11、および12に示す。
【0152】
イエシロアリ種に関する摂食応答データを、以下の表13に示す。
【0153】
【表14】
【0154】
イエシロアリに関する4週間後、6週間後、および8週間後における生存データを、それぞれ、
図13、14、および15に示す。
【0155】
ヘテロテルメス・アウレウス種に関する摂食応答データを、以下の表14に示す。
【0156】
【表15】
【0157】
ヘテロテルメス・アウレウスに関する6週間後における生存データを、
図16に示す。
【0158】
レティクリテルメス・ヘスペルス種に関する摂食応答データを、以下の表15に示す。
【0159】
【表16】
【0160】
レティクリテルメス・ヘスペルスに関する6週間後における生存データを、
図17に示す。
【0161】
上記に加え、ノビフルムロンを含有する押し出し成形複合材料の、地下のシロアリ種であるヤマトシロアリによる消費およびこれに対する有効性を調べる同様の試験が、日本で行われた。これらの試験の結果(データは示さない)によれば、4週間後および6週間後における実験室での非選択試験において、ヤマトシロアリは、Recruit IVと比較して、より多くの押し出し成形複合材料を消費し、ノビフルムロンを含有する押し出し成形複合材料への曝露後における生存虫数は、Recruit IVよりも多かったが、対照よりは少ないことが判明した。
【0162】
試験#2:押し出し成形されたヘキサフルムロン配合物の追加のシロアリ種による消費およびこれに対する有効性
種:レティクリテルメス・ビルジニクス、イエシロアリ、レティクリテルメス・ヘスペルス、ヘテロテルメス・アウレウス
試験の設定条件:一方向連続非選択試験、4〜7回反復、1回当たり100匹、6および/または10週間後のデータ(イエシロアリのみ)。
処理
1.押し出し成形配合物1−ブランク
2.押し出し成形配合物2
*−線維上の0.78%ヘキサフルムロン
3.押し出し成形配合物3−ステアリン酸Ca中の0.475%ヘキサフルムロン
4.0.5%ヘキサフルムロンを含有するShatter餌
5.ブランクのPTCペレット対照
*=セルロース粉末上に噴霧され、圧縮され、次いで、小粒(顆粒またはペレット)に粉砕
注:レティクリテルメス・ヘスペルスおよびヘテロテルメス・アウレウスの場合、シロアリがわずかしか入手できなかったため、配合物1、2、および4のみについて調べた。
【0163】
レティクリテルメス・ビルジニクス種に関する摂食応答データを、以下の表16に示す。
【0164】
【表17】
【0165】
レティクリテルメス・ビルジニクスに関する6週間後における生存データを、
図18に示す。
【0166】
イエシロアリ種に関する摂食応答データを、以下の表17に示す。
【0167】
【表18】
【0168】
イエシロアリに関する10週間後における生存データを、
図19に示す。
【0169】
ヘテロテルメス・アウレウス種に関する摂食応答データを、以下の表18に示す。
【0170】
【表19】
【0171】
ヘテロテルメス・アウレウスに関する45日後における生存データを、
図20に示す。
【0172】
レティクリテルメス・ヘスペルス種に関する摂食応答データを、以下の表19に示す。
【0173】
【表20】
【0174】
レティクリテルメス・ヘスペルスに関する6週間後における生存データを、
図21に示す。
【0175】
上掲のデータが示す通り、4、6、および8週間後の実験室での非選択試験において、重要な地下のシロアリ種であるレティクリテルメス・ビルジニクス、イエシロアリ、レティクリテルメス・ヘスペルス、およびヘテロテルメス・アウレウスは、ノビフルムロンを含有する押し出し成形配合物を、Recruit IVと比較してより多く(p=0.1)消費(mg)し、6週間後の実験室での非選択試験において、地下のシロアリ種であるレティクリテルメス・ビルジニクス、イエシロアリ、レティクリテルメス・ヘスペルス、およびヘテロテルメス・アウレウスは、ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形配合物を、Shatterと比較してより多く(p=0.1)消費(mg)する。ノビフルムロンを含有する複合材料が、一般に、4、6、および8週間後の実験室での非選択試験において調べた地下のシロアリ種に対して、Recruit IVとの対比でより低い死滅率をもたらす一方、ノビフルムロンを含有する複合材料が、対照よりも高い死滅率をもたらしたことは、押し出し成形複合材料が、このAIをシロアリに送達する有効な方式であることを示す。ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形複合材料も、6週間後の実験室での非選択試験において調べた地下のシロアリ種のいくつかに対して、Shatterとの対比で同等レベルの死滅率(p=0.05、二項ロジスティック回帰)をもたらした。ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形複合材料が、他のシロアリ種に対して、Shatterとの対比でより低い死滅率をもたらす一方、ヘキサフルムロンを含有する押し出し成形複合材料が、これらの種に対して対照よりも高い死滅率をもたらしたことは、押し出し成形複合材料が、このAIをシロアリに送達する有効な方式であることを示す。
【実施例8】
【0176】
押し出し成形された殺有害生物剤複合材料に対する栄養交換
6および/または8週間にわたる曝露後の栄養交換試験において、押し出し成形されたAI含有複合材料を市販のAI含有餌材料と比較して、これらがキアシシロアリに対して有意に高い死滅率をもたらすかどうかを判定した。
種:キアシシロアリ
試験の設定条件:
第1段階:押し出し成形材料への曝露−一方向連続非選択の設定条件
試験当たり各処理につき6回
試験1=6週間
試験2=8週間
50匹/回で、7日間にわたり実施
第2段階:6および8週間試験の設定条件:
第1段階から6回反復/処理を行い、押し出し成形材料を0.5インチ×1インチのMD−499片で置換する。
各回/処理につき50匹の非曝露シロアリ(同じコロニータブに由来)を添加し、全100匹/回とする。
6回反復を、100匹/回で、42日間(6週間)にわたり実施。
追加の6回反復を、100匹/回で、56日間(8週間)にわたり実施。
処理
ノビフルムロン試験
1.押し出し成形配合物1−ブランク
2.押し出し成形配合物4−線維上のノビフルムロン、アッセイ=0.774%
3.押し出し成形配合物5−ステアリン酸Ca中のノビフルムロン、アッセイ=0.502%
4.0.5%ノビフルムロンを含有するRecruit IV PTC餌
5.ブランクのPTCブリケット対照
ヘキサフルムロン試験
1.押し出し成形配合物1−ブランク
2.押し出し成形配合物2−線維上のヘキサフルムロン、アッセイ=0.78%
3.押し出し成形配合物3−ステアリン酸Ca中の固体としてのヘキサフルムロン、アッセイ=0.475%
4.ブランクのPTCブリケット対照
5.0.5%ヘキサフルムロンを含有するShatter PTC餌
【0177】
栄養交換試験から得られたデータを、
図22、23、24、および25に示すが、ここで、
図22および23は、それぞれ、6週間および8週間後のノビフルムロン試験において調べた各種材料に対する生存虫数のグラフであり、
図24および25は、それぞれ、6週間および8週間後のヘキサフルムロン試験において調べた各種材料に対する生存虫数のグラフである。
図22〜25に示したデータは、7日間におよび、6および8週間にわたり追跡された、ノビフルムロンおよびヘキサフルムロンの両方による50:50の栄養交換試験により、ブランクと対比した処理において、有意に高度な死滅率が生じたことを示す。
【実施例9】
【0178】
スピノサドおよびフィプロニルを含む、押し出し成形された殺有害生物剤複合材料の受容および有効性
急速作用型AI(スピノサドおよびフィプロニル)を含む押し出し成形複合材料が、キアシシロアリおよびイエシロアリに対して、対照との対比で有意に高度な死滅率(p=0.05、二項ロジスティック回帰)をもたらすかどうかを判定する試験を実施した。本試験で用いられた押し出し成形材料は、押し出し成形材中に含まれるAIが以下の通りのスピノサドまたはフィプロニルであったことを除き、上述の通りに作製された:配合物10は0.05%スピノサドを含有し、配合物11は0.01%フィプロニルを含有し、配合物12は0.03%フィプロニルを含有し、配合物13は0.05%フィプロニルを含有し、配合物14は0.1%フィプロニルを含有する。
種:キアシシロアリおよびイエシロアリ
キアシシロアリ(2試験)
試験の設定条件:標準的な一方向非選択および選択試験(対 SYP)、6回反復、100匹/回、14日間にわたり実施された。
処理(両試験):
1.押し出し成形配合物7(ブランク)
2.押し出し成形配合物10(0.05%スピノサド)
3.押し出し成形配合物11(0.01% フィプロニル)
4.押し出し成形配合物12(0.03% フィプロニル)
5.押し出し成形配合物13(0.05% フィプロニル)
6.押し出し成形配合物14(0.1% フィプロニル)
【0179】
これらの試験の結果を、
図26、27、および28に示すが、ここで、
図26は、非選択試験における14日後のキアシシロアリによる押し出し成形複合材料の消費に関する結果を示し、
図27は、非選択試験における14日後の生存結果を示し、
図28は、SYPとの対比による選択試験における14日後の生存結果を示す。これらの結果により示される通り、急速作用型AIであるスピノサドおよびフィプロニルを含む押し出し成形複合材料は、実験室での選択試験および非選択試験において、2週間後のキアシシロアリに対して、対照との対比で有意に高度の死滅率をもたらす。
【0180】
イエシロアリ試験
試験の設定条件:一方向非選択の消費および有効性、処理当たり4回反復。
処理の7日後における評価。
処理:
1.押し出し成形配合物10(0.05%スピノサド)
2.押し出し成形配合物11(0.01% フィプロニル)
3.押し出し成形配合物12(0.03% フィプロニル)
4.押し出し成形配合物13(0.05% フィプロニル)
5.押し出し成形配合物14(0.1% フィプロニル)
【0181】
7日後におけるイエシロアリに関する、押し出し成形された餌の消費データを、以下の表20に示す。
【0182】
【表21】
【0183】
7日後におけるイエシロアリの働きアリに関する生存百分率データを、以下の表21に示す。
【0184】
【表22】
【0185】
死滅率は、多くの場合、餌の導入後1〜2日以内に達成される。スピノサド餌は、採餌チャンバにおいて多少の砂/バーミキュライト粒子が観察され、一部のシロアリが採餌チャンバへの乗り込みを拒否した唯一の処理であり、おそらく、ある抑止を示す。フィプロニル餌(配合物11、配合物12、および配合物13)を含有するチャンバでは、配合物14(25%の生存率)を除き、すべてのシロアリが死滅した。上記から見られる通り、実験室での非選択試験において、急速作用型AIであるスピノサドおよびフィプロニルを含む押し出し成形複合材料は、1週間後のイエシロアリに対し、対照との対比で高度の死滅率をもたらす。
【実施例10】
【0186】
シロアリコロニー駆除試験
フィールド試験を実施して、押し出し成形されたノビフルムロンおよび/またはヘキサフルムロン餌マトリックスが、地中で作動中のSENTRICON(登録商標)ステーション内に設置された場合、地下のシロアリのコロニーを駆除するかどうかを判定し、コロニー駆除を実施するのに必要な餌消費の時間および量の総計を決定した。本試験で用いられた押し出し成形材料は、上述の通りに作製され、各々が約75グラムの質量を有するロッドの形態で提供された。本試験で用いられた材料は、以下の通りである:配合物15ロッドは0.58%ヘキサフルムロンを含み、配合物16ロッドは0.78%ノビフルムロンを含む。
【0187】
試験の設定条件:シロアリコロニーを、約75グラムの質量を有する、AI含有押し出し成形複合材料ロッドに曝露した。基準点として、Recruit IV餌チューブは、約65グラムの質量を有する。
調べたシロアリ種:キアシシロアリ(RETIFL)、レティクリテルメス・ハゲニー(R.hageni)(RETIHA)、イエシロアリ(COPTFO)、レティクリテルメス・ビルジニクス(RETIVI)、およびレティクリテルメス・ヘスペルス(RETIHE)
処理
1.配合物15 0.58%ヘキサフルムロンロッド(押し出し成形された餌マトリックス)
2.配合物16 0.78%ノビフルムロンロッド(押し出し成形された餌マトリックス)
【0188】
結果/考察:
表22は、15の駆除試験それぞれに関するデータを示し、試験が実施された米国の州、調べたシロアリの種、調べた配合物、コロニー駆除までの消費量(ロッド数)および日数を含む。加えて、Recruit IVの駆除データとの比較を、
図29、30、および31に示し、ここで、
図29は、駆除までの平均日数をRecruit IV(RIV)と配合物16との間で比較し、
図30は、駆除までに消費された餌の平均グラム数をRecruit IV(RIV)と配合物16との間で比較し、
図31は、AI含有押し出し成形複合マトリックス料中のAI百分率について調整した、駆除までに消費された餌の平均グラム数を、Recruit IV(RIV)と配合物16との間で比較する。
【0189】
【表23】
【0190】
上掲のデータは、AI含有押し出し成形複合材料が、シロアリコロニーを駆除したことを示す。すべての試験を通じた駆除までの平均日数は188、最大日数は343であり、いずれも所望のパラメータ内にあった。消費された餌の量は、平均0.37ロッドであり、最大量は2.6ロッドであった。AIの消費は、キアシシロアリおよびイエシロアリでほぼ同等であったが、他の種では大きく低減された。これらの試験は、晩秋/冬に開始されたので、結果は最悪ケースであった。
【0191】
図面および前出の説明において複数の実施形態を詳細に示し説明してきたが、それは、例示的な性格のものであって限定的な性格のものではないと考えるべきであり、選択された実施形態のみが示され説明され、本明細書で説明されるか、または以下の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に包含される、当業者に生じるようなすべての変更、同等物、および改変は、保護されることが望ましいものと理解される。本明細書に記載の任意の理論、作用機構、証拠、または知見は、本出願の理解をさらに深めることを意図し、本発明を、いかなる形であれ、こうした理論、作用機構、証拠、または知見に限定することを意図しない。加えて、各種の手順、技法、および作業は、当業者に生じるように、変更、再編、置換、削除、複製し、または組み合わせてよい。さらに、本明細書に引用されたあらゆる米国特許、係属中の米国特許出願公開、または他の刊行物は、2003年3月21日に出願された、国際特許出願第PCT/US03/08690号、2002年3月21日に出願された、米国特許第7,212,129号、2001年8月9日に出願された、米国特許第7,262,702号、2000年9月25日に出願された、国際特許出願第PCT/US00/26373号、1999年7月21日に出願された、国際特許出願第PCT/US99/16519号、2000年9月25日に出願された、米国特許第6,724,312号、および、2001年3月20日に出願された、米国公開特許出願第2001/0033230号を含むがこれらに限定されない各個別の刊行物、特許、または特許出願が、本明細書において参照により組み込まれ、その全体において示されると具体的かつ個別に指示されたと仮定した場合と同様に、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。特許請求の範囲を読む場合、「a」という語、「an」という語、「少なくとも1つの」という語句、および「少なくとも一部の」という語句などの語句は、特にその逆を述べるのでない限り、特許請求の範囲を一つの項目に限定することを意図するものではない。さらに、「少なくとも一部」および/または「一部」という表現が用いられる場合、特許請求の範囲は、特にその逆を述べるのでない限り、一部および/または全ての項目を含みうる。
【0192】
特定の方向への指示、例えば、上部、上方、下部、下方などへの指示は、例示的な目的のみ、または、各種の構成要素を互いによりよく同定または識別する目的で理解すべきである。特にその逆を同定するのでない限り、本明細書で用いられるすべての用語は、その正規で通常の用語法を含むように用いられる。さらに、本明細書では、特別の構成部材および構造を有する昆虫駆除装置の各種の実施形態が説明され示されるが、選択された任意の実施形態は、可能な場合における別の実施形態について説明された、1つまたは複数の特定の構成部材および/または構造を含みうることを理解すべきである。
[1] 有害生物駆除に用いられる複合材料であって、前記複合材料は
酢酸酪酸セルロース(CAB)を含む可塑性構造マトリックス;
有害生物に嗜好されるセルロース系食用材料;および
有害生物に対して毒性である殺有害生物剤を含む、複合材料。
[2] 前記酢酸酪酸セルロースは、約50〜約400単量体ユニットの重合度を有する酢酸酪酸セルロース、約100〜約300単量体ユニットの重合度を有する酢酸酪酸セルロース、約160単量体ユニットの重合度を有する酢酸酪酸セルロース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、[1]に記載の複合材料。
[3] 前記酢酸酪酸セルロースは、(a)約50〜約75の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースと、約150〜約300の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースとの混合物、(b)約60の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースと、約300の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースとの混合物、または、(c)約64の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースと、約160の単量体ユニットを有する酢酸酪酸セルロースとの混合物を含む。[1]に記載の複合材料。
[4] 前記酢酸酪酸セルロースが、約16,000の分子量を有する酢酸酪酸セルロースと、約40,000の分子量を有する酢酸酪酸セルロースとの混合物を含む、[1]に記載の複合材料。
[5] 前記可塑性構造マトリックスが、少なくとも1つの追加の熱可塑性ポリマーを含む、[1]に記載の複合材料。
[6] 前記少なくとも1つの追加の熱可塑性ポリマーが、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ポリ乳酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、[5]に記載の複合材料。
[7] 前記可塑性構造マトリックスが、複合材料の約5%〜約50%を構成する、[1]に記載の複合材料。
[8] 前記セルロース系食用材料が、アルファセルロース、ベータセルロース、ガンマセルロース、プリファードテクスチャードセルロース(PTC)、木材、木材チップ、木材線維、おがくず、ボール紙、紙、微晶質セルロース、およびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]に記載の複合材料。
[9] 前記セルロース系食用材料が、精製セルロースである、[1]に記載の複合材料。
[10] 前記有害生物が、セルロースを消費する生物である、[1]に記載の複合材料。
[11] 前記有害生物が、シロアリ、オオアリ、キバチ、およびそれらの組合せである、[1]に記載の複合材料。
[12] 前記殺有害生物剤が、ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、クロルピリホス、スピノサド、イミダクロプリド、フィプロニル、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、ならびにそれらの組み合わせからからなる群から選択される、[1]に記載の複合材料。
[13] 前記殺有害生物剤が、ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、ならびにそれらの組み合わせからからなる群から選択される、[1]に記載の複合材料。
[14] さらに、安定化剤、易加工剤、除草剤、防かび剤、抗菌剤、殺菌剤、枯葉剤、毒性緩和剤、共力剤、殺藻剤、誘引剤、乾燥剤、フェロモン、撥水剤、動物浸漬剤、殺鳥剤、消毒剤、情報化学物質、および軟体動物駆除剤、およびそれらの組み合わせの1つを含む、[1]に記載の複合材料。
[15] さらに、潤滑剤を含む、[1]に記載の複合材料。
[16] 前記潤滑剤を、複合材料中最大約5%含む、[15]に記載の複合材料。
[17] 前記セルロース系食用材料が、アルファセルロースを含み、前記殺有害生物剤が、ノビフルムロンを含む、[1]に記載の複合材料。
[18] 前記可塑性構造マトリックスが、前記複合材料の重量の約5%〜約50%、前記セルロース材料が、前記複合材料の重量の約50%〜約85%、前記殺有害生物剤が、前記複合材料の重量の約0.001%〜約5%で含まれる、[1]に記載の複合材料。
[19] 前記可塑性構造マトリックスが、前記複合材料の重量の約10%〜約40%、前記セルロース材料が、前記複合材料の重量の約60%〜約85%、前記殺有害生物剤が、前記複合材料の重量の約0.001%〜約5%で含まれる、[1]に記載の複合材料。
[20] 前記可塑性構造マトリックスが、前記複合材料の重量の約15%〜約30%、前記セルロース材料が、前記複合材料の重量の約70%〜約85%、前記殺有害生物剤が、前記複合材料の重量の約0.001%〜約5%で含まれる、[1]に記載の複合材料。
[21] 前記殺有害生物剤が、前記複合材料の重量の約0.4%〜約5%で含まれる、[1]に記載の複合材料。
[22] 有害生物駆除に用いられる複合材料であって、前記複合材料は
酢酸酪酸セルロースを含む可塑性構造マトリックス;
前記可塑性構造マトリックス中に含まれるアルファセルロース;および
ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、クロルピリホス、スピノサド、イミダクロプリド、フィプロニル、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、ならびにそれらの組み合わせからからなる群から選択される殺有害生物剤を含む、複合材料。
[23] 前記可塑性構造マトリックスが、さらに酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ポリ乳酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の熱可塑性ポリマーを含む、[22]に記載の複合材料。
[24] 前記殺有害生物剤が、ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、ならびにそれらの組み合わせからからなる群から選択される、[22]に記載の複合材料。
[25] 前記可塑性構造マトリックスが、前記複合材料の重量の約5%〜約50%、前記アルファセルロースが、前記複合材料の重量の約50%〜約85%、前記殺有害生物剤が、前記複合材料の重量の約0.001%〜約5%で含まれ、前記殺有害生物剤は、ノビフルムロンを含む、[22]に記載の複合材料。
[26] 有害生物駆除に用いられる複合材料であって、前記複合材料は
酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、およびそれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含む可塑性構造マトリックス;
前記可塑性構造マトリックス中に含まれるアルファセルロース;および
ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、クロルピリホス、スピノサド、イミダクロプリド、フィプロニル、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、ならびにそれらの組み合わせからからなる群から選択される殺有害生物剤を含む、複合材料。
[27] 前記可塑性構造マトリックスが、酢酸プロピオン酸セルロースをさらに含む、[26]に記載の複合材料。
[28] 前記可塑性構造マトリックスが、ポリ乳酸をさらに含む、[26]に記載の複合材料。
[29] シロアリに嗜好性のある固形複合餌を製造する方法であって、
(i)熱可塑性ポリマー(ii)シロアリ嗜好性のセルロース系食用材料(iii)シロアリに対して毒性である殺有害生物剤の混合物を押し出し成形し所望の形状のワークピースにする工程、および
固体複合餌を形成するための温度に前記ワークピースを冷却する工程を含む、方法。
[30] 前記熱可塑性ポリマーが約220℃以下の融点を有する、[29]に記載の方法。
[31] 前記熱可塑性ポリマーが、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ポリ乳酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、[30]に記載の方法。
[32] 前記殺有害生物剤が、ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、クロルピリホス、スピノサド、イミダクロプリド、フィプロニル、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、およびヒドラメチルノンからなる群から選択される、[29]に記載の方法。
[33] 前記セルロース系食用材料が、木材線維、精製セルロース、微晶質セルロース、および改変ポリマーセルロースからなる群から選択される、[29]に記載の方法。
[34] 前記セルロース系食用材料が、アルファセルロースである、[33]に記載の方法。
[35] 前記ワークピースをハウジングに封入するサイズに形成する工程をさらに含む、[29]に記載の方法。
[36] 前記混合物にさらに可塑剤を加える工程を含む、[29]に記載の方法。
[37] 前記混合物にさらに潤滑剤を加える工程を含む、[29]に記載の方法。
[38] 前記混合物を押し出し成形する工程がツインスクリュー押し出し成形機に前記混合物を供給する工程を含む、[29]に記載の方法。
[39] 前記固体複合餌が、重量比で約5%〜約50%の熱可塑性ポリマーを含む可塑性構造マトリックスを含む、[29]に記載の方法。
[40] 前記固体複合餌が、重量比で約50%〜約85%のセルロース系食用材料を含む、[39]に記載の方法。
[41] 前記固体複合餌が、重量比で約5%未満の殺有害生物剤を含む、[29]に記載の方法。
[42] シロアリに嗜好性のある餌を製造する方法であって、
(i)酢酸酪酸セルロース(ii)アルファセルロース(iii)ノビフルムロンの混合物を押し出し成形して、前記アルファセルロースおよびノビフルムロンが可塑性構造マトリックスに含まれる複合材料を形成する工程、および
前記餌を形成するための温度に前記複合材料を冷却する工程を含む、方法。
[43] 混合物にさらに可塑剤を加える工程を含む、[42]に記載の方法。
[44] 混合物にさらに潤滑剤を加える工程を含む、[43]に記載の方法。
[45] 前記混合物を押し出し成形する工程が、ツインスクリュー押し出し成形機に前記混合物を供給する工程を含む、[42]に記載の方法。
[46] 前記複合材料が、重量比で約5%〜約50%の可塑性構造マトリックスを含む、[42]に記載の方法。
[47] 前記複合材料が、重量比で約50%〜約85%のアルファセルロースを含む、[42]に記載の方法。
[48] 前記複合材料が、重量比で約5%未満のノビフルムロンを含む、[42]に記載の方法。