(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す危険度情報と、単位ごとのガス管の状況を表すガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示するガス管状況表示部と、
前記ガス管状況画面を参照した前記利用者の利用者端末から、前記対象ガス管の点検を要求する点検要求を受け付け、前記対象ガス管の点検を指示する点検指示を出力する指示部と、
前記対象ガス管の点検結果を取得し、前記点検結果に基づいて前記危険度情報と前記ガス管状況情報とを更新する情報更新部と
を備えたガス漏れ防止装置。
前記ガス管状況情報は、前記単位ごとのガス管として、世帯ごとのガス管、あるいは、地域ごとのガス管の状況を表す請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガス漏れ防止装置。
ガス管状況表示部が、ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す危険度情報と、単位ごとのガス管の状況を表すガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示し、
指示部が、前記ガス管状況画面を参照した前記利用者の利用者端末から、前記対象ガス管の点検を要求する点検要求を受け付け、前記対象ガス管の点検を指示する点検指示を出力し、
情報更新部が、前記対象ガス管の点検結果を取得し、前記点検結果に基づいて前記危険度情報と前記ガス管状況情報とを更新するガス漏れ防止方法。
ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す危険度情報と、単位ごとのガス管の状況を表すガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示するガス管状況表示処理と、
前記ガス管状況画面を参照した前記利用者の利用者端末から、前記対象ガス管の点検を要求する点検要求を受け付け、前記対象ガス管の点検を指示する点検指示を出力する指示処理と、
前記対象ガス管の点検結果を取得し、前記点検結果に基づいて前記危険度情報と前記ガス管状況情報とを更新する情報更新処理と
をコンピュータであるガス漏れ防止装置に実行させるガス漏れ防止プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ガス管の耐腐食性および埋設年数といったデータからガス管の残存寿命を算出しているが、算出されたガス管の残存寿命がガス漏れの発生を防ぐ支援に用いられていない。
【0006】
本発明は、ガス漏れの発生を防ぐ支援を効果的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るガス漏れ防止装置は、
ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す危険度情報と、単位ごとのガス管の状況を表すガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示するガス管状況表示部と、
前記ガス管状況画面を参照した前記利用者の利用者端末から、前記対象ガス管の点検を要求する点検要求を受け付け、前記対象ガス管の点検を指示する点検指示を出力する指示部と、
前記対象ガス管の点検結果を取得し、前記点検結果に基づいて前記危険度情報と前記ガス管状況情報とを更新する情報更新部と
を備えた。
【0008】
前記ガス漏れ防止装置は、
前記危険度情報とガス管状況情報とに基づいて、前記対象ガス管の点検の要否を判定する判定部と、
点検が必要であると判定された対象ガス管に対応するガス料金情報に、点検が必要であることを警告する警告情報を含んで出力する警告表示指示部と
を備えた。
【0009】
前記ガス管状況表示部は、
前記利用者端末からの表示要求に基づいて、前記ガス管状況画面を表示する。
【0010】
前記ガス管状況表示部は、
前記点検要求を受け付ける点検要求ボタンを前記ガス管状況画面に表示する。
【0011】
前記ガス管状況表示部は、
前記対象ガス管の状況として、ガス管種別と、利用年数と、修理の有無と、ガス漏れ危険度とを含む情報を可視化した前記ガス管状況画面を表示する。
【0012】
前記ガス漏れ防止装置は、
前記点検結果に基づいて、前記対象ガス管について修理の必要度を評価した評価結果を表す修理評価画面を表示する修理評価表示部を備え、
前記指示部は、
前記修理評価画面を参照した前記利用者端末から、前記対象ガス管の修理を要求する修理要求を受け付け、前記対象ガス管の修理を指示する修理指示を出力し、
前記情報更新部は、
前記対象ガス管の修理の実績を表す実績データを取得し、前記実績データに基づいて前記危険度情報と前記ガス管状況情報とを更新する。
【0013】
前記修理評価表示部は、
前記修理要求を受け付ける修理要求ボタンを前記修理評価画面に表示する。
【0014】
前記ガス管状況情報は、前記単位ごとのガス管として、世帯ごとのガス管、あるいは、地域ごとのガス管の状況を表す。
【0015】
本発明に係るガス漏れ防止方法は、
ガス管状況表示部が、ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す危険度情報と、単位ごとのガス管の状況を表すガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示し、
指示部が、前記ガス管状況画面を参照した前記利用者の利用者端末から、前記対象ガス管の点検を要求する点検要求を受け付け、前記対象ガス管の点検を指示する点検指示を出力し、
情報更新部が、前記対象ガス管の点検結果を取得し、前記点検結果に基づいて前記危険度情報と前記ガス管状況情報とを更新する。
【0016】
本発明に係るガス漏れ防止プログラムは、
ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す危険度情報と、単位ごとのガス管の状況を表すガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示するガス管状況表示処理と、
前記ガス管状況画面を参照した前記利用者の利用者端末から、前記対象ガス管の点検を要求する点検要求を受け付け、前記対象ガス管の点検を指示する点検指示を出力する指示処理と、
前記対象ガス管の点検結果を取得し、前記点検結果に基づいて前記危険度情報と前記ガス管状況情報とを更新する情報更新処理と
をコンピュータであるガス漏れ防止装置に実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るガス漏れ防止装置では、ガス管状況表示部が、危険度情報とガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示する。そして、指示部が、ガス管状況画面を参照した利用者の利用者端末からの点検要求を受け付け、点検指示を出力する。また、情報更新部が、点検結果に基づいて危険度情報とガス管状況情報とを更新する。よって、本発明に係るガス漏れ防止装置によれば、ガス漏れの発生を防ぐ支援を効果的に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。
【0020】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を用いて、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置100の構成を説明する。
ガス漏れ防止装置100は、ガスを供給するガス会社が、保安指令システムにより過去に蓄積されたガス管状況の情報といったデータを用いて、事前にガス漏れの発生を防ぐことを支援する装置である。ガス漏れ防止装置100は、ガス管を利用する利用者の利用者端末、および、ガス管を点検あるいは修理する作業者の作業者端末に、各種の情報画面を表示することによりガス漏れ発生防止の支援を効果的に行う。なお、本実施の形態では、ガス漏れ防止装置100が1つの装置であるものとして説明する。しかし、ガス漏れ防止装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
【0021】
ガス漏れ防止装置100は、コンピュータである。ガス漏れ防止装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0022】
ガス漏れ防止装置100は、機能要素として、判定部110と警告表示指示部120とガス管状況表示部130と修理評価表示部140と指示部150と情報更新部160と記憶部170とを備える。記憶部170には、危険度情報171とガス管状況情報172が記憶されている。
【0023】
判定部110と警告表示指示部120とガス管状況表示部130と修理評価表示部140と指示部150と情報更新部160の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部170は、メモリ921に備えられる。
【0024】
プロセッサ910は、ガス漏れ防止プログラムを実行する装置である。ガス漏れ防止プログラムは、判定部110と警告表示指示部120とガス管状況表示部130と修理評価表示部140と指示部150と情報更新部160の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP(Digital Signal
Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0025】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0026】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。ガス漏れ防止装置100は、出力インタフェース940を介して、点検指示33あるいは修理指示39といった情報を出力機器に出力する。
【0027】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。ガス漏れ防止装置100は、通信装置950を介して、ガス管状況画面31、および修理評価画面37といった情報を、利用者端末あるいは作業者端末に送信する。また、ガス漏れ防止装置100は、通信装置950を介して、警告指示35をガス料金表の印刷部門に送信する。また、ガス漏れ防止装置100は、通信装置950を介して、利用者端末あるいは作業者端末から、ガス管状況画面31の表示要求36、点検要求32、修理要求38、点検結果34、および修理の実績データ40といった情報を受信する。
なお、ガス漏れ防止装置100は、通信装置950を介して、点検指示33あるいは修理指示39といった情報を作業者端末に送信してもよい。
【0028】
ガス漏れ防止プログラムは、コンピュータであるガス漏れ防止装置100にガス漏れ防止処理を実行させる。
ガス漏れ防止プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、ガス漏れ防止プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、ガス漏れ防止プログラムを実行する。ガス漏れ防止プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されているガス漏れ防止プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、ガス漏れ防止プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0029】
ガス漏れ防止装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、ガス漏れ防止プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、ガス漏れ防止プログラムを実行する装置である。
【0030】
ガス漏れ防止プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0031】
ガス漏れ防止装置100において、判定部110と警告表示指示部120とガス管状況表示部130と修理評価表示部140と指示部150と情報更新部160の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えてもよい。また、判定処理と警告表示指示処理とガス管状況表示処理と修理評価表示処理と指示処理と情報更新処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体」に読み替えてもよい。
【0032】
ガス漏れ防止プログラムは、上記の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、ガス漏れ防止方法は、ガス漏れ防止装置100がガス漏れ防止プログラムを実行することにより行われる方法である。
ガス漏れ防止プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、ガス漏れ防止プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0033】
図2は、本実施の形態に係る危険度情報171の一例を示す図である。
危険度情報171は、ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表している。
図2では、危険度情報171では、ポリエチレン管、被覆鋼管、および白管といったガス管種別ごとに、利用年数に応じた危険域がガス漏れの危険度としてグラフ化されている。あるいは、危険度情報171は、ガス管種別ごとに、危険域のボーダーラインを表す利用年数が、ガス漏れの危険度として設定されていてもよい。なお、利用年数は、ガス管の埋設年数ともいう。
危険度情報171は、ガス会社において過去から蓄積されている保安指令データおよびアーカイブデータから生成される情報である。そして、ガス管の点検結果、あるいは、修理の実績データを用いて、危険度情報171は逐次更新される。また危険度情報171は、ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す研究データなどが他から入手できれば、そのデータを用いて構成してもよい。
【0034】
図3は、本実施の形態に係るガス管状況情報172の一例を示す図である。
ガス管状況情報172は、単位ごとのガス管の状況を表す。ガス管状況情報172は、単位ごとのガス管として、世帯ごとのガス管、あるいは、地域ごとのガス管の状況を表す。
図3では、ガス管状況情報172は、世帯ごとのガス管の状況を表している。ガス管状況情報172には、単位名721、ガス管種別722、利用年数723、最終点検日724、最終修理交換日725、およびその他726といった情報が設定されている。例えば、D世帯では、2017年3月20日にガス管を交換したため、利用年数が1年4か月と短くなっている。また、ガス管を交換した後、未点検であるため、最終点検日には未点検を意味するハイフンが設定されている。
ガス管状況情報172は、ガス会社において過去から蓄積されている保安指令データおよびアーカイブデータから生成される情報である。そして、ガス管の点検結果、あるいは、修理の実績データを用いて、ガス管状況情報172は逐次更新される。
【0035】
***動作の説明***
図4は、本実施の形態に係るガス漏れ防止処理S100を示すフロー図である。
図5は、本実施の形態に係るガス漏れ防止処理S100の具体例を示すシーケンス図である。
図4と
図5を用いて、本実施の形態に係るガス漏れ防止処理S100について説明する。
【0036】
通常、ガス会社では、利用者に対してガス料金表を月次で発行する。
図4および
図5の処理は、月次でガス料金を算出して、費用請求するタイミングに合わせて行う前提で説明する。ステップS101において、判定部110は、危険度情報171とガス管状況情報172とに基づいて、ガス管状況情報172に記憶された単位名721毎に対象ガス管の点検の要否を判定する。対象ガス管とは、月次発行されるガス料金表に対応する利用者が利用するガス管である。
具体的には、判定部110は、ガス管状況情報172を参照し、該当の単位名721の利用年数が危険域であるかどうか、かつ、最終点検日または最終交換日からの経過期間が閾値を超えているかどうかに基づき点検が必要なガス管か否かを判定する。閾値は例えば、2年、3年、あるいはその他の期間でも構わない。
【0037】
ステップS102において、警告表示指示部120は、該当の単位名721の点検が必要であると判定したとき、対象ガス管に対応するガス料金情報に、点検が必要であることを警告する警告情報351を含んで出力する。具体的には、警告表示指示部120は、対象ガス管に対応するガス料金表に、点検が必要であることを警告する警告情報351の表示を指示する警告指示35を出力する。より具体的には、警告表示指示部120は、ガス料金表(ガス料金情報)の印刷情報を生成するときに、警告指示35を含むように印刷情報を生成し、ガス料金表への警告情報351の表示を指示する。これらの印刷情報は通信装置950あるいは出力インタフェース940を介して、所定の印刷部門に送信される。
印刷部門が利用者に配布されるガス料金表を作成する際、判定部110により要点検と判定されたガス管に対応するガス料金表には、警告情報351が表示される。また、判定部110により点検が不要と判定されたガス管に対応するガス料金表には、警告情報351は表示されない。
【0038】
図6は、本実施の形態に係る警告情報351の一例を示す図である。
図6において、上段は、警告情報351を表示しないガス料金表である。また、下段は、警告情報を表示したガス料金表である。ガス料金表には、「至急点検が必要です!!」との警告情報が表示されている。また、警告表示指示部120は、ガス料金表にガス管情報を参照するためのURL(Uniform Resource Locator)を表示することを指示してもよい。また、URLを表すQRコード(登録商標)を表示することを指示してもよい。
通常、利用者は、ガス料金表を毎月チェックする。その際、点検が必要なガス管についてガス料金表に警告情報を表示することにより、利用者に効率的に注意喚起することができる。
【0039】
ステップS103において、ガス管状況表示部130は、危険度情報171とガス管状況情報172とを用いて、対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面31を表示する。具体的には、ガス管状況表示部130は、利用者の利用者端末からの表示要求36に基づいて、ガス管状況画面31を要求元の利用者端末に表示する。
図5の具体例では、利用者であるお客さまは、警告情報351を見たことにより点検の必要性を感じ、表示要求36を送信する。表示要求36とは、利用者端末においてガス料金表に表示されたURLがクリックされたことにより、ガス漏れ防止装置100に送信される情報である。
【0040】
図7は、本実施の形態に係るガス管状況画面31の一例を示す図である。
ガス管状況画面31は、対象ガス管の状況として、ガス管種別311と、利用年数312(埋設年数)と、修理の有無313と、ガス漏れ危険度315とを含む情報を可視化した画面である。
図7のガス管状況画面31では、横軸を埋設年数とし、縦軸をガス漏れ危険度315としたグラフを表示している。そのグラフ上に、ガス会社において管理しているガス管をプロットしている。プロットされている各○は、ガス漏れ発生と、点検済みと、未点検とを異なる模様あるいは配色で表している。さらに、表示要求36の送信元の利用者(お客さま)のガス管、すなわち対象ガス管は、他の○より大きい○でプロットされている。
また、ガス管状況画面31では、情報を閲覧したい○を選択すると、その○についての修理の有無313、地域314、および埋設年数が表示される。特に、お客さまのガス管の○の場合には、ガス管評価316として、現在のガス管の状況と点検の必要性の有無を表示する。
【0041】
ガス管状況表示部130は、危険度情報171とガス管状況情報172とを用いて、ガス漏れ危険度315を判定する。このとき、ガス管状況表示部130は、ガス管の利用年数とガス漏れの危険度との関係、前回修理からの経過日数、土壌の状況、気候、あるいは地域に特有の傾向といった各種の情報から、予め定められた方式により判定する。ここでは、ステップS101における判定部110による判定よりもより細かく判定することを想定している。しかし、判定部110による判定の判定結果を流用しても構わない。
図7では、ガス管状況表示部130は、ガス管を3段階のガス漏れ危険度315で表しているが、2段階、4段階、あるいは5段階といったその他の段階数でもよい。また、プロット式のグラフでもよいし、表形式でもよい。その他、利用者に対して点検の必要性を示すことができればどのような形式でもよい。
また、ガス管状況表示部130は、ガス管状況画面31を参照した利用者の利用者端末から、対象ガス管の点検を要求する点検要求32を受け付ける点検要求ボタン317をガス管状況画面31に表示してもよい。これにより、点検の必要性を感じた利用者が、直ちに点検を要求することができ、効率的なガス漏れ防止の支援を実現することができる。
【0042】
ステップS104において、利用者端末から点検要求32が送信されると、ステップ105に進む。利用者端末から点検要求32が送信されない場合は、ステップS107に進む。
ステップS105において、指示部150は、ガス管状況画面31を参照した利用者の利用者端末から、対象ガス管の点検を要求する点検要求32を受け付け、対象ガス管の点検を指示する点検指示33を出力する。
図5では、利用者であるお客さまが点検を依頼すると判断すると、センター担当者が作業者に点検の指示を出す流れになっている。しかし、本実施の形態では、利用者であるお客さまが点検要求ボタン317を押下すると、点検要求32がガス漏れ防止装置100に送信される。そして、指示部150が、出力インタフェース940を介して、点検指示33を出力することにより、作業者に点検の指示が通知される。本実施の形態では、このように自動的に作業者に点検の指示が通知されるので、人件費の削減になる。
【0043】
ステップS106において、ガス漏れ防止装置100は、対象ガス管の点検結果34を取得する。具体的には、点検結果34は、点検を行った作業者の作業者端末からガス漏れ防止装置100に送信、あるいは、入力される。
ステップS107において、情報更新部160は、点検結果34に基づいて危険度情報171とガス管状況情報172とを更新する。具体的には、ステップS104で点検要求32が送信されたとき、最終点検日や点検対応者名の更新、またはお客様の依頼に基づく点検であることを示す情報や点検依頼受付日付を登録する。あるいは、点検の際に見つけた不具合情報の反映といった内容の更新を行う。
またステップS104で点検要求32が送信されなかったとき、ガス管状況画面31を表示したものの点検依頼を受け付けなかったことを示す情報やその日付を登録する。この情報を登録することにより、ガス管状況画面31を閲覧したもののお客様の意思で点検依頼しなかったことを記録として残すことができる。記録として残すことで、該当の単位名721を要注意対象として抽出することが可能となり、将来的に故障した際にお客様に注意喚起したものの点検に至らなかった結果を記憶として残すことができる。
【0044】
次に、ステップS108において、修理評価表示部140は、点検結果34に基づいて、対象ガス管について修理の必要度を評価した評価結果を表す修理評価画面37を表示する。具体的には、修理評価表示部140は、点検をした作業者のタブレットといった作業者端末に、修理評価画面37を表示する。
図5に示すように、作業者は点検をした対象ガス管の利用者に、作業者端末に表示された修理評価画面37を見せる。
【0045】
図8は、本実施の形態に係る修理評価画面37の一例である。
図8では、点検結果371と修理の必要度372とを可視化した画面が修理評価画面37として表示される。点検結果371は、点検結果34に基づいて生成される。点検結果371は、点検項目番号と点検項目と点検の結果とから構成された表である。また、修理の必要度372では、修理の必要度を、問題なし、様子見、修理が必要、交換が必要、および至急交換が必要、の5段階に分けた矩形図形が表示される。そして、点検結果371から対象ガス管がどの段階であるかが矩形図形上に表されている。なお、点検結果371および修理の必要度372の表示の仕方については、表形式および矩形図形の段階方式でなくてもよく、点検結果371および修理の必要度372の内容が分かればどのような形式でもよい。
また、修理評価表示部140は、点検結果34に基づき生成した修理評価画面37を参照した利用者の利用者端末から、対象ガス管の修理を要求する修理要求38を受け付ける修理要求ボタン373を修理評価画面37に表示してもよい。これにより、修理の必要性が感じた利用者が、直ちに修理を要求することができ、効率的なガス漏れ防止の支援を実現することができる。
【0046】
ステップS109において、利用者端末から修理要求38が送信されると、ステップS111に進む。利用者端末から修理要求38が送信されない場合は、ステップ112に進む。
ステップS110において、指示部150は、修理評価画面37を参照した利用者の利用者端末から、対象ガス管の修理を要求する修理要求38を受け付け、対象ガス管の修理を指示する修理指示39を出力する。
図5では、利用者であるお客さまが修理を依頼すると判断すると、センター担当者が作業者に修理の指示を出す流れになっている。しかし、本実施の形態では、利用者であるお客さまが修理要求ボタン373を押下すると、修理要求38がガス漏れ防止装置100に送信される。そして、指示部150が、出力インタフェース940を介して、修理指示39を出力することにより、作業者に修理の指示が通知される。本実施の形態では、このように自動的に作業者に修理の指示が通知されるので、人件費の削減になる。
【0047】
ステップS111において、情報更新部160は、対象ガス管の修理の実績を表す実績データ40を取得する。具体的には、実績データ40は、修理あるいは交換を行った作業者の作業者端末からガス漏れ防止装置100に送信、あるいは、入力される。
ステップS112において、修理要求38が送信されたとき、情報更新部160は、実績データ40に基づいて危険度情報171とガス管状況情報172とを更新する。ガス管の修理後は、最終修理交換年数を更新する。ガス管の交換後には、最終修理交換年数を更新するとともに、利用年数を0にリセットする、あるいは、ガス管種別を変更するといった更新が行われる。
また修理要求38が送信されなかったとき、点検依頼はあったものの修理は受け付けなかったことを示す情報やその日付を登録する。この情報を登録することにより、お客様の意思で修理依頼しなかったことを記録として残すことができる。記録として残すことで、該当の単位名721を要注意対象として抽出することが可能となり、将来的に故障した際にお客様に注意喚起したものの修理に至らなかった結果を記憶として残すことができる。
【0048】
以上で、本実施の形態に係るガス漏れ防止処理S100についての説明を終わる。
【0049】
***他の構成***
<変形例1>
図9は、本実施の形態の変形例に係る作業者用画面42の一例である。
本実施の形態では、ガス管状況表示部130は、利用者に点検を促すガス管状況画面31を、WEBサイトからの表示要求36により表示している。さらに、作業者向けに、エリア単位または世帯単位での注意世帯を表示する作業者用画面42を表示してもよい。
例えば、作業者用画面42は、
図4のステップS101において判定部110が作成してもよい。つまり、判定部110は、各ガス管について点検が必要か否かを判定するとともに、点検が必要なガス管に対応する世帯を注意世帯として注意世帯一覧421を生成する。作業者用画面42では、エリアごとに抽出された注意世帯が注意世帯一覧421として表示される。また、注意世帯一覧421において世帯名が選択されると、選択された世帯の詳細情報422が表示される。さらに、危険度情報171上に、注意世帯一覧421の各世帯をプロットした危険域情報423が表示される。また、利用者が点検を利用したいとの意思を示した場合に、直ちに点検要求32を送信できるように、調査依頼424のボタンが表示される。
変形例1において、判定部110が、ステップS101で作業者用画面42を作成した場合、ガス管状況表示部130は、ステップS103で判定部110により作成された作業者用画面42の情報、すなわち注意世帯一覧421の情報を用いて、ガス管状況画面31を作成すれば良い。
<変形例2>
図4を用いて説明したステップS102では、警告情報351は定期的に(例えば月次)印刷するガス料金表の印刷情報に含めるとした。利用者端末に対して、ガス料金表を通信装置950からネットワーク経由で提供する場合、
図6に示した警告情報351もネットワーク経由で提供するように構成することができる。また利用者端末に対してメールを用いて、ガス料金表と警告情報351とを送信するように構成することもできる。つまりこの場合、点検が必要であると判定された対象ガス管に対応するガス料金情報に、点検が必要であることを警告する警告情報を含んで情報を生成し、ネットワークなどを用いて、利用者端末に送信する。
<変形例3>
ステップS101で説明した対象ガス管の点検の要否判定処理と、ステップS103で説明したガス漏れ危険度315の判定処理について、変形例を説明する。危険度情報171は、ガス管種別ごとに利用年数に基づくガス漏れ危険度を設定している。変形例として、危険度情報171に記録される危険度判定のパラメータとして、利用年数に、前回修理からの経過日数、土壌の状況、気候、あるいは地域特有の傾向といった各種情報を加えるように構成してもよい。その場合ステップS101で既にステップS103と同じ処理を実施することになるため、ステップS103のガス漏れ危険度315の判定処理は、省略できる。
【0050】
<変形例4>
本実施の形態では、ガス漏れ防止装置100において、判定部110と警告表示指示部120とガス管状況表示部130と修理評価表示部140と指示部150と情報更新部160の機能がソフトウェアで実現される。しかし、判定部110と警告表示指示部120とガス管状況表示部130と修理評価表示部140と指示部150と情報更新部160の機能がハードウェアで実現されてもよい。
【0051】
本実施の形態の変形例2に係るガス漏れ防止装置100について説明する。ガス漏れ防止装置100は、プロセッサに替えて電子回路を備える。
【0052】
ガス漏れ防止装置100において、電子回路は、判定部110と警告表示指示部120とガス管状況表示部130と修理評価表示部140と指示部150と情報更新部160の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field−Programmable Gate Arrayの略語である。
ガス漏れ防止装置100の機能要素は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、ガス漏れ防止装置100の機能要素の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
【0053】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、ガス漏れ防止装置100の機能要素は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0054】
***本実施の形態の効果の説明***
図10は、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置100の効果を説明する図である。
比較例では、ガス漏れ発生時に、保安指令システムが通報を受け付け、通報情報を保安指令データサーバに登録する。そして、作業車が出動し、現場で調査・修理を実施する。そして、保安指令システムが調査・修理結果を保安指令データサーバに登録する。最終的には、保安指令データサーバに登録されたデータは、集積され、アーカイブサーバに登録される。
図10の分析用データサーバは、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置100の一例である。分析用データサーバは、保安指令データサーバおよびアーカイブサーバからデータを収集し、記憶部に記憶する。そして、分析用データサーバは、記憶部に記憶したデータを見える化し、傾向分析を行う。本実施の形態では、可視化した情報を用いて、利用者に点検および修理の必要性を示し、利用者による点検および修理の依頼を増加させることにより、ガス漏れの発生を防ぐ支援を行っている。しかし、その他にも、地域別のガス漏れ件数の推移などから、傾向分析を行うことにより、予知・対策を充実させ、出動・発生件数の減少、分析・対策の時間確保につなげてもよい。
【0055】
このように、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置では、ガス会社において過去から蓄積されたアーカイブデータと保安指令システムで利用している保安指令データとからデータを収集し、記憶部に記憶する。よって、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置によれば、ガス会社あるいは保安指令システムにおいて、過去から蓄積されたデータを有効活用することができる。
また利用者にとっても、例えば
図6に示したガス管状況画面31や
図8に示した修理評価画面37を閲覧することにより、自分が利用しているガス管がどの程度ガス漏れの危険度が高いのか、点検や修理がどの程度必要なのかを他のデータと比較して、客観的に一目で理解することができる効果がある。
【0056】
本実施の形態に係るガス漏れ防止装置では、記憶部には、ガス会社あるいは保安指令システムの蓄積データから収集された危険度情報とガス管状況情報とが記憶される。ガス管状況表示部が、危険度情報とガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面を表示する。そして、指示部が、ガス管状況画面を参照した利用者の利用者端末からの点検要求を受け付け、点検指示を出力する。よって、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置によれば、利用者による点検の依頼を容易にすることで点検の依頼を増加させることができ、ガス漏れの発生を防ぐ支援を効果的に行うことができる。
【0057】
本実施の形態に係るガス漏れ防止装置では、警告表示指示部が、要点検であると判定された対象ガス管に対応するガス料金表に、警告情報の表示を指示する。よって、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置によれば、利用者にほぼ確実に警告情報を見せることができ、利用者に対して効率的に注意喚起することができる。
【0058】
本実施の形態に係るガス漏れ防止装置では、ガス管状況表示部は、警告情報に記載されたURLによる表示要求に基づいて、ガス管状況画面を表示する。よって、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置によれば、利用者に対してガス管状況画面の表示を促すことができ、利用者に対して効率的に注意喚起し、利用者による表示要求の送信の確率を増加させることができる。
【0059】
本実施の形態に係るガス漏れ防止装置では、ガス管状況画面に点検を要求するための点検要求ボタンを表示する。また、同様に、ガス漏れ防止装置では、修理評価画面に修理を要求するための修理要求ボタンを表示する。よって、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置によれば、点検あるいは修理の必要性が感じた利用者が、直ちに点検あるいは修理を要求することができ、効率的なガス漏れ防止の支援を実現することができる。
【0060】
本実施の形態に係るガス漏れ防止装置では、点検の必要性を分布で表したグラフをガス管状況画面として表示する。また、修理の必要性を表と矩形図形で可視化した修理評価画面として表示する。よって、本実施の形態に係るガス漏れ防止装置によれば、点検あるいは修理の必要性を、可視化した表示で利用者に分かりやすく確認させることができるので、利用者による点検あるいは修理の必要性の納得度が高くなり、利用者による点検あるいは修理の要求の確率を向上させることができる。
【0061】
以上の実施の形態1では、ガス漏れ防止装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、ガス漏れ防止装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。ガス漏れ防止装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、ガス漏れ防止装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0062】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明の範囲、本発明の適用物の範囲、および本発明の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
【解決手段】ガス管状況表示部130が、ガス管種別ごとの利用年数に基づくガス漏れの危険度を表す危険度情報と、単位ごとのガス管の状況を表すガス管状況情報とを用いて、利用者が利用している対象ガス管の状況を可視化したガス管状況画面31を表示する。指示部150が、ガス管状況画面31を参照した利用者の利用者端末から、対象ガス管の点検を要求する点検要求32を受け付け、対象ガス管の点検を指示する点検指示33を出力する。情報更新部160は、対象ガス管の点検結果34を取得し、点検結果34に基づいて危険度情報171とガス管状況情報172とを更新する。