(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6606274
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】オートインジェクタアセンブリに使用される取り外し可能作動用キャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20191031BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20191031BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20191031BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
A61M5/20 560
A61M5/315 580
A61M5/31 520
A61M5/32 500
【請求項の数】22
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-505579(P2018-505579)
(86)(22)【出願日】2016年4月14日
(65)【公表番号】特表2018-517536(P2018-517536A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】US2016027597
(87)【国際公開番号】WO2016190980
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2017年10月13日
(31)【優先権主張番号】62,147,958
(32)【優先日】2015年4月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516182041
【氏名又は名称】ウィンドギャップ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルバシュラ, アシュリサ
(72)【発明者】
【氏名】カーター, メアリー
(72)【発明者】
【氏名】チャンノン, ジェフリー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティヌー, コール
(72)【発明者】
【氏名】ステパニアン, クリス
(72)【発明者】
【氏名】スタンドレー, アダム
(72)【発明者】
【氏名】ビュシーヌ, ブレント
【審査官】
佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0243741(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0302989(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/31
A61M 5/315
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置されたフレームと、
前記フレーム内に配置された混合アセンブリであって、前記混合アセンブリは、前記ハウジングに対する前記フレームの回転に応じて作動するように構成されている、混合アセンブリと、
トリガアセンブリと、
前記ハウジングの遠位端において前記トリガアセンブリを覆うように配置されたキャップであって、前記キャップは、内部部分で前記ハウジングに動作可能にかつ直接接続されている、キャップと
を備え、
前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記フレームと前記ハウジングとの間の相対回転を与え、したがって、前記ハウジングは、前記混合アセンブリを作動させる、混合装置。
【請求項2】
前記キャップは、軸方向に整合された内部溝を更に備え、前記フレームは、前記キャップの前記内部溝に形状で対応する外部突出部を更に備え、前記内部溝と前記外部突出部とは、軸方向の相対並進を可能にするように構成されているが、動作の回転度において制限される、請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記キャップは、1つ以上の突出部を更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に対応するリップを更に備え、収納及び中間状態において前記キャップの前記1つ以上の突出部は、前記リップに係合し、混合状態において前記突出部は、前記リップから外れ、前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記装置を前記収納状態から、前記中間状態を経て、前記混合状態に遷移させ、これにより前記キャップは、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、請求項1に記載の混合装置。
【請求項4】
前記1つ以上の係合用リップは、軸方向に傾斜していることにより、回転に応じて前記キャップと前記ハウジングとの間の移動を可能にする、請求項3に記載の混合装置。
【請求項5】
前記キャップは、作動後に前記ハウジングからの前記キャップの分離を補助するよう構成されたばねを更に備える、請求項3に記載の混合装置。
【請求項6】
前記キャップは、内面上に1つ以上の係合用リップを更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の対応する突出部を備え、収納及び中間状態において前記ハウジングの前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップに係合し、混合状態において前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップから外れ、前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記装置を前記収納状態から、前記中間状態を経て、前記混合状態に遷移させ、前記キャップは、前記混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、請求項1に記載の混合装置。
【請求項7】
前記キャップは、内面上に複数のねじ山を設けられており、前記ハウジングは、外面上に複数の対応するねじ山を設けられており、前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記装置を収納状態から、中間状態を経て、混合状態に遷移させ、前記キャップは、前記混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、請求項1に記載の混合装置。
【請求項8】
前記キャップと前記ハウジングとは、対応する断面形状を有する、請求項1に記載の混合装置。
【請求項9】
前記混合装置は、ロック機構を更に備え、前記ロック機構は、前記キャップと前記ハウジングとの間の最初の相対回転後に、前記キャップが、収納状態を示す整合された状態に逆回転することを防止するよう構成されている、請求項1に記載の混合装置。
【請求項10】
混合装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置されたフレームと、
前記フレーム内に配置された混合アセンブリであって、前記混合アセンブリは、前記ハウジングに対する前記フレームの回転に応じて作動するように構成されている、混合アセンブリと、
トリガアセンブリと、
前記ハウジングの遠位端において前記トリガアセンブリを覆うように配置されたキャップであって、前記キャップは、内部部分で前記ハウジングに動作可能にかつ直接接続されている、キャップと
を備え、
前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記フレームと前記ハウジングとの間の相対回転を与え、したがって、前記混合アセンブリを作動させ、
前記キャップと前記ハウジングとは、対応する断面形状を有し、
前記キャップの回転は、前記混合装置を収納状態から、中間状態を経て、完全混合状態に変化させる、混合装置。
【請求項11】
前記キャップは、軸方向に整合された内部溝を更に備え、前記フレームは、前記キャップの前記内部溝に形状で対応する外部突出部を更に備え、前記内部溝と前記外部突出部とは、軸方向の相対並進を可能にするように構成されているが、動作の回転度において制限される、請求項10に記載の混合装置。
【請求項12】
前記キャップは、1つ以上の突出部を更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の対応するリップを更に備え、収納及び中間状態において前記キャップの前記1つ以上の突出部は、前記リップに係合し、前記キャップは、前記完全混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、したがって前記ハウジングから除去されるよう構成されている、請求項10に記載の混合装置。
【請求項13】
前記1つ以上の対応するリップは、軸方向に傾斜していることにより、回転に応じて前記キャップと前記ハウジングとの間の移動を可能にする、請求項12に記載の混合装置。
【請求項14】
前記キャップは、作動後に前記ハウジングからの前記キャップの分離を補助するよう構成されたばねを更に備える、請求項12に記載の混合装置。
【請求項15】
前記キャップは、内面上に1つ以上の係合用リップを更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の対応する突出部を備え、収納及び中間状態において前記ハウジングの前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップに係合し、前記完全混合状態において前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップから外れ、前記キャップは、前記完全混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、請求項10に記載の混合装置。
【請求項16】
前記キャップは、内面上に複数のねじ山を設けられており、前記ハウジングは、外面上に複数の対応するねじ山を設けられており、前記キャップは、前記完全混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、請求項10に記載の混合装置。
【請求項17】
前記混合装置は、ロック機構を更に備え、前記ロック機構は、前記キャップと前記ハウジングとの間の最初の相対回転後に、前記キャップが、収納状態を示す整合された状態に逆回転することを防止するよう構成されている、請求項10に記載の混合装置。
【請求項18】
混合装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置されたフレームと、
前記フレーム内に配置された混合アセンブリであって、前記混合アセンブリは、前記ハウジングに対する前記フレームの回転に応じて作動するように構成されている、混合アセンブリと、
前記ハウジングの遠位端に配置されたキャップであって、前記キャップは、内部部分で前記ハウジングに動作可能にかつ直接接続されている、キャップと
を備え、
前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記フレームと前記ハウジングとの間の相対回転を与え、したがって、前記混合アセンブリを作動させる、混合装置。
【請求項19】
前記混合装置は、
前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の係合用リップを有することと、
前記フレームは、前記キャップの内部溝に形状で対応する外部突出部を更に備えることと、
インジェクションアセンブリと、
トリガアセンブリと、
ロック機構であって、前記ロック機構は、前記キャップと前記ハウジングと間の最初の相対回転後に、前記キャップが、収納状態を示す整合された状態に逆回転することを防止するよう構成されている、ロック機構と
を更に備え、
前記キャップと前記ハウジングとは、対応する断面形状を有し、
前記キャップの回転は、前記混合装置を前記収納状態から、中間状態を経て、完全混合状態に変化させる、請求項18に記載の混合装置。
【請求項20】
混合装置において薬剤を混合する方法であって、
ハウジングに対してキャップを回転させるステップを含み、前記キャップは、前記ハウジングに直接接続されており、
前記キャップの内部突出部材は、回転されている際に作動部材を始動させ、前記作動部材は、分離された薬剤成分を、前記ハウジング内に収容された室において混ぜ合わせる、方法。
【請求項21】
前記作動部材を始動させることは、前記ハウジング内に配置された事前に蓄積されたエネルギー部材からのエネルギーを解放する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記内部突出部材は、前記ハウジング内に配置された回転可能フレームと相互作用する、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年4月15日に出願された米国仮特許出願第62/147,958号の優先権を主張し、その全体は本明細書に参照により援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、全般的にはオートインジェクタ及びプレフィルド注射器に関し、特に収縮状態で貯蔵され、注入用治療薬の生成又は再構成を可能にする、オートインジェクタに関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤を乾燥薬剤として貯蔵すれば、貯蔵可能期間が劇的に延びることが知られている。更に、このような薬剤は自己投与が好ましい緊急用途で利用されることが多い。当該緊急状態では、各種作動及び混合ステップが直感的に実現可能である必要がある。即ち、緊急状態でもこれらステップが複雑性を最小限に抑えて確実に実行可能であるべきである。そのため、自動薬物調剤処理を実現し、最小限のユーザ訓練で、ユーザによる動作ミスや服用量の誤りを最小限にとどめることが可能なプラットフォームを実現する簡便なオートインジェクタ又は注射型装置は有用であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明において、キャップの取り外しを伴う単一のユーザ入力により、混合の開始、混合の完了の表示、装置の注射可能状態への遷移を実現する一連の機械的機能を生じさせるインタフェースが記載される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に含まれる本発明の装置及びシステムはオートインジェクタ型混合装置を備え、オートインジェクタは、ハウジングと、ハウジング内に回転可能に配置されたフレームと、を有する。フレームは、フレーム内に配置された混合アセンブリを搬送するように構成されてもよく、ハウジング内でのフレームの回転により、混合アセンブリが作動するように構成されてもよい。オートインジェクタは、インジェクションアセンブリと、作動することでインジェクションアセンブリをオートインジェクタ内から伸長させるよう構成されたトリガアセンブリを更に備えてもよい。ハウジングの遠位端の周囲においてトリガアセンブリ及びインジェクションアセンブリを覆うように配置されたキャップであって、キャップは、内部部分でハウジングに動作可能に接続されているキャップが更に設けられ、ハウジングに対するキャップの回転は、フレームとハウジングとの間の相対回転を与え、したがって、ハウジングは、混合アセンブリを作動させてもよい。
【0006】
更に別の実施形態では、キャップは、軸方向に整合された1つ以上の内部溝を更に備え、フレームは、キャップの内部溝に形状で対応する外部突出部を更に備え、内部溝と外部突出部とは、軸方向の相対並進を可能にするように構成されているが、動作の回転度において制限されてもよい。
【0007】
様々な別の実施形態では、キャップは、1つ以上の突出部を更に備え、ハウジングは、遠位端の周囲に対応するリップを備え、収納及び中間状態においてキャップの1つ以上の突出部は、リップに係合し、混合状態において突出部は、リップから外れ、ハウジングに対するキャップの回転は、装置を収納状態から、中間状態を経て、混合状態に遷移させ、これによりキャップは、ハウジングを解放し、ハウジングから除去されるよう構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の係合用リップは、軸方向に傾斜していることにより、回転に応じてキャップとハウジングとの間の移動を可能にするものであってもよい。
【0008】
更に別の実施形態では、キャップは、作動後にハウジングからのキャップの分離を補助するよう構成されたばねを更に備えてもよい。
【0009】
更に別の実施形態では、キャップは、内面上に1つ以上の係合用リップを備えるよう構成され、ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の対応する突出部を備え、収納及び中間状態においてハウジングの1つ以上の突出部は、1つ以上の係合用リップに係合し、混合状態において1つ以上の突出部は、1つ以上の係合用リップから外れ、ハウジングに対するキャップの回転は、装置を収納状態から、中間状態を経て、混合状態に遷移させ、キャップは、混合状態に達するとすぐ、ハウジングを解放し、ハウジングから除去されるよう構成されてもよい。
【0010】
更に別の実施形態では、キャップは、内面上に複数のねじ山を設けられるよう構成されており、ハウジングは、外面上に複数の対応するねじ山を設けられており、ハウジングに対するキャップの回転は、装置を収納状態から、中間状態を経て、混合状態に遷移させ、キャップは、混合状態に達するとすぐ、ハウジングを解放し、ハウジングから除去されるよう構成されてもよい。
【0011】
更に別の実施形態では、キャップとハウジングとは、対応する断面形状を有するよう構成されてもよい。いくつかの実施形態では、この断面形状は楕円断面形状であってもよい。
【0012】
更に別の実施形態では、混合装置は、ロック機構を更に備えるよう構成され、ロック機構は、キャップとハウジングとの間の最初の相対回転後に、キャップが、収納状態を示す整合された状態に逆回転することを防止するよう構成されてもよい。
【0013】
本稿においては更に、混合装置において薬剤を混合する方法であって、ハウジングに対してキャップを回転させるステップを含み、キャップの内部突出部材は、回転されている際に作動部材を始動させ、作動部材は、分離された薬剤成分を、ハウジング内に収容された室において混ぜ合わせる、方法も提供される。
【0014】
この方法は、作動部材を始動させることは、配置された事前に蓄積されたエネルギー部材からのエネルギーを解放することを更に含んでもよい。
【0015】
方法は更に、ハウジング内に配置された、内部突出部材と相互作用及び回転する内部フレームを含むものであってもよい。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
混合装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置されたフレームと、
前記フレーム内に配置された混合アセンブリであって、前記混合アセンブリは、前記ハウジングに対する前記フレームの回転に応じて作動するように構成されている、混合アセンブリと、
トリガアセンブリと、
前記ハウジングの遠位端において前記トリガアセンブリを覆うように配置されたキャップであって、前記キャップは、内部部分で前記ハウジングに動作可能に接続されている、キャップと
を備え、
前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記フレームと前記ハウジングとの間の相対回転を与え、したがって、前記ハウジングは、前記混合アセンブリを作動させる、混合装置。
(項目2)
前記キャップは、軸方向に整合された内部溝を更に備え、前記フレームは、前記キャップの前記内部溝に形状で対応する外部突出部を更に備え、前記内部溝と前記外部突出部とは、軸方向の相対並進を可能にするように構成されているが、動作の回転度において制限される、項目1に記載の混合装置。
(項目3)
前記キャップは、1つ以上の突出部を更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に対応するリップを更に備え、収納及び中間状態において前記キャップの前記1つ以上の突出部は、前記リップに係合し、混合状態において前記突出部は、前記リップから外れ、前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記装置を前記収納状態から、前記中間状態を経て、前記混合状態に遷移させ、これにより前記キャップは、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、項目1に記載の混合装置。
(項目4)
前記1つ以上の係合用リップは、軸方向に傾斜していることにより、回転に応じて前記キャップと前記ハウジングとの間の移動を可能にする、項目3に記載の混合装置。
(項目5)
前記キャップは、作動後に前記ハウジングからの前記キャップの分離を補助するよう構成されたばねを更に備える、項目3に記載の混合装置。
(項目6)
前記キャップは、内面上に1つ以上の係合用リップを更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の対応する突出部を備え、収納及び中間状態において前記ハウジングの前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップに係合し、混合状態において前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップから外れ、前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記装置を前記収納状態から、前記中間状態を経て、前記混合状態に遷移させ、前記キャップは、前記混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、項目1に記載の混合装置。
(項目7)
前記キャップは、内面上に複数のねじ山を設けられており、前記ハウジングは、外面上に複数の対応するねじ山を設けられており、前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記装置を収納状態から、中間状態を経て、混合状態に遷移させ、前記キャップは、前記混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、項目1に記載の混合装置。
(項目8)
前記キャップと前記ハウジングとは、対応する断面形状を有する、項目1に記載の混合装置。
(項目9)
前記混合装置は、ロック機構を更に備え、前記ロック機構は、前記キャップと前記ハウジングとの間の最初の相対回転後に、前記キャップが、収納状態を示す整合された状態に逆回転することを防止するよう構成されている、項目1に記載の混合装置。
(項目10)
混合装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置されたフレームと、
前記フレーム内に配置された混合アセンブリであって、前記混合アセンブリは、前記ハウジングに対する前記フレームの回転に応じて作動するように構成されている、混合アセンブリと、
トリガアセンブリと、
前記ハウジングの遠位端において前記トリガアセンブリを覆うように配置されたキャップであって、前記キャップは、内部部分で前記ハウジングに動作可能に接続されている、キャップと
を備え、
前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記フレームと前記ハウジングとの間の相対回転を与え、したがって、前記混合アセンブリを作動させ、
前記キャップと前記ハウジングとは、対応する断面形状を有し、
前記キャップの回転は、前記混合装置を収納状態から、中間状態を経て、完全混合状態に変化させる、混合装置。
(項目11)
前記キャップは、軸方向に整合された内部溝を更に備え、前記フレームは、前記キャップの前記内部溝に形状で対応する外部突出部を更に備え、前記内部溝と前記外部突出部とは、軸方向の相対並進を可能にするように構成されているが、動作の回転度において制限される、項目10に記載の混合装置。
(項目12)
前記キャップは、1つ以上の突出部を更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の対応するリップを更に備え、収納及び中間状態において前記キャップの前記1つ以上の突出部は、前記リップに係合し、前記キャップは、前記完全混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、したがって前記ハウジングから除去されるよう構成されている、項目10に記載の混合装置。
(項目13)
前記1つ以上の対応するリップは、軸方向に傾斜していることにより、回転に応じて前記キャップと前記ハウジングとの間の移動を可能にする、項目12に記載の混合装置。
(項目14)
前記キャップは、作動後に前記ハウジングからの前記キャップの分離を補助するよう構成されたばねを更に備える、項目12に記載の混合装置。
(項目15)
前記キャップは、内面上に1つ以上の係合用リップを更に備え、前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の対応する突出部を備え、収納及び中間状態において前記ハウジングの前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップに係合し、前記完全混合状態において前記1つ以上の突出部は、前記1つ以上の係合用リップから外れ、前記キャップは、前記完全混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、項目10に記載の混合装置。
(項目16)
前記キャップは、内面上に複数のねじ山を設けられており、前記ハウジングは、外面上に複数の対応するねじ山を設けられており、前記キャップは、前記完全混合状態に達するとすぐ、前記ハウジングを解放し、前記ハウジングから除去されるよう構成されている、項目10に記載の混合装置。
(項目17)
前記混合装置は、ロック機構を更に備え、前記ロック機構は、前記キャップと前記ハウジングと間の最初の相対回転後に、前記キャップが、収納状態を示す整合された状態に逆回転することを防止するよう構成されている、項目10に記載の混合装置。
(項目18)
混合装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置されたフレームと、
前記フレーム内に配置された混合アセンブリであって、前記混合アセンブリは、前記ハウジングに対する前記フレームの回転に応じて作動するように構成されている、混合アセンブリと、
前記ハウジングの遠位端に配置されたキャップであって、前記キャップは、内部部分で前記ハウジングに動作可能に接続されている、キャップと
を備え、
前記ハウジングに対する前記キャップの回転は、前記フレームと前記ハウジングとの間の相対回転を与え、したがって、前記混合アセンブリを作動させる、混合装置。
(項目19)
前記混合装置は、
前記ハウジングは、遠位端の周囲に1つ以上の係合用リップを有することと、
前記フレームは、前記キャップの内部溝に形状で対応する外部突出部を更に備えることと、
インジェクションアセンブリと、
トリガアセンブリと、
ロック機構であって、前記ロック機構は、前記キャップと前記ハウジングと間の最初の相対回転後に、前記キャップが、収納状態を示す整合された状態に逆回転することを防止するよう構成されている、ロック機構と
を更に備え、
前記キャップと前記ハウジングとは、対応する断面形状を有し、
前記キャップの回転は、前記混合装置を前記収納状態から、中間状態を経て、完全混合状態に変化させる、項目18に記載の混合装置。
(項目20)
混合装置において薬剤を混合する方法であって、
ハウジングに対してキャップを回転させるステップを含み、
前記キャップの内部突出部材は、回転されている際に作動部材を始動させ、前記作動部材は、分離された薬剤成分を、前記ハウジング内に収容された室において混ぜ合わせる、方法。
(項目21)
前記作動部材を始動させることは、前記ハウジング内に配置された事前に蓄積されたエネルギー部材からのエネルギーを解放する、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記内部突出部材は、前記ハウジング内に配置された回転可能フレームと相互作用する、項目20に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0016】
前述の、及び他の本発明の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に示されるように本発明の特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。これらの図面において、同様の参照文字は、様々な図を通じて同一の部分を指す。図面は、必ずしも尺度通りとは限らず、本発明の原理を示すよう強調されていることが理解されよう。
【0017】
【
図1A】様々な作動ステップによる薬剤混合及び送達装置の斜視外観図を例示する。
【
図1B】様々な作動ステップによる薬剤混合及び送達装置の斜視外観図を例示する。
【
図1C】様々な作動ステップによる薬剤混合及び送達装置の斜視外観図を例示する。
【
図2A】
図1A〜Cの実施形態を経る薬剤混合及び送達装置及び混合サブアセンブリの斜視分解図を例示する。
【
図2B】
図1A〜Cの実施形態を経る薬剤混合及び送達装置及び混合サブアセンブリの斜視分解図を例示する。
【
図3】キャップを外した状態で、薬剤混合を示す外観斜視側面図を例示する。
【
図4】キャップが回転されて内部が見える状態の、
図3の薬剤混合装置の外観斜視側面図を例示する。
【
図5A】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150に沿って、ハウジングの一部が取り外された混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図5B】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150に沿って、ハウジングの一部が取り外された混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図5C】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150に沿って、ハウジングの一部が取り外された混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図5D】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150に沿って、ハウジングの一部が取り外された混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図6A】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150がキャップと相互作用している様子を示す、混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図6B】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150がキャップと相互作用している様子を示す、混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図6C】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150がキャップと相互作用している様子を示す、混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図6D】収納状態から混合状態への遷移を引き起こす各種作動ステップにより、内部フレーム150がキャップと相互作用している様子を示す、混合サブアセンブリの様々な内部斜視図を例示する。
【
図7】ハウジング100の半分の内部を例示し、内部フレーム150が配置可能なレール103を示す。
【
図8A】キャップが回転されて薬剤混合装置のキャップとフレームが不整合な状態を示す実施形態を例示し、キャップの外壁のみが示されている。
【
図8B】キャップが回転されて薬剤混合装置のキャップとフレームが不整合な状態を示す実施形態を例示し、キャップの外壁のみが示されている。
【
図9A】キャップとハウジングが相対回転して不整合な状態でのキャップと、回転ロック機構を示す断面図の別実施形態を例示する。
【
図9B】キャップとハウジングが相対回転して不整合な状態でのキャップと、回転ロック機構を示す断面図の別実施形態を例示する。
【
図10A】フレーム及び/又はハウジングから突出係合部材がキャップ内に延在している混合装置の別実施形態を例示する。
【
図10B】フレーム及び/又はハウジングから突出係合部材がキャップ内に延在している混合装置の別実施形態を例示する。
【
図10C】フレーム及び/又はハウジングから突出係合部材がキャップ内に延在している混合装置の別実施形態を例示する。
【
図11A】回転式キャップにより作動される混合装置のキャップロック機構の様々な斜視部分断面図を例示する。
【
図11B】回転式キャップにより作動される混合装置のキャップロック機構の様々な斜視部分断面図を例示する。
【
図11C】回転式キャップにより作動される混合装置のキャップロック機構の様々な斜視部分断面図を例示する。
【
図12】異なる突出部(202B、C)を有する混合装置と、キャップにおける対応するリップ(102B、C)の各種実施形態を例示する。
【
図13】異なる突出部(202B、C)を有する混合装置と、キャップにおける対応するリップ(102B、C)の各種実施形態を例示する。
【
図14】本稿記載の混合装置のいくつかの実施形態においてハウジングに対してキャップを回転させることで生成される間隙600を例示する。
【
図15A】様々なキャップ形状の様々な外観斜視図や内部を例示する。
【
図15B】様々なキャップ形状の様々な外観斜視図や内部を例示する。
【
図16A】様々なキャップ形状の様々な外観斜視図や内部を例示する。
【
図16B】様々なキャップ形状の様々な外観斜視図や内部を例示する。
【
図17A】様々なキャップ形状の様々な外観斜視図や内部を例示する。
【
図17B】様々なキャップ形状の様々な外観斜視図や内部を例示する。
【
図18A】複数の対応するネジ山に複数の対応するねじ山を設けられたキャップを様々な視点で例示する。
【
図18B】複数の対応するネジ山に複数の対応するねじ山を設けられたキャップを様々な視点で例示する。
【
図18C】複数の対応するネジ山に複数の対応するねじ山を設けられたキャップを様々な視点で例示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
薬剤を乾燥状態に保つことにより薬剤の寿命及び効果を大幅に増大させることができることが薬剤の製造及び貯蔵並びに送達に関する分野の当業者により理解されよう。乾燥状態での貯蔵により、また、劣化速度が遅くなり、例えば熱暴露のような、温度に関連した劣化作用が抑えられる。薬剤を乾燥状態に保つことにより、より多様な環境下で装置を貯蔵することができ、更に、交換の必要性が発生する頻度を下げることができる。
【0019】
なお、予め蓄積されたエネルギー源、バネ、室、流路、針、薬剤、その他構成要素を有する実施形態が米国特許出願第62/120,792号(2015年2月25日出願)、米国特許出願第62/126,011号(2015年2月27日出願)にも記載されている。これらの全体は本明細書に参照により援用される。
図2Aは、予め蓄積されたエネルギー源、混合成分、インジェクションアセンブリ、そして本稿記載の回転式キャップが一体化される作動アセンブリを有するオートインジェクタの例示的実施形態を示す。
【0020】
本発明は、様々な原理及び装置を例示する。これらは、2つ以上の成分を内部に収容する装置の貯蔵を可能にする。更に、成分の再構成、溶解、流体化、及び/又は、懸濁化、即ち、成分の混合を送達の直前に迅速かつ確実に実現可能にする。
【0021】
薬剤混合及び送達装置は様々な問題を伴い得るが、その多くは各種実施形態で説明するように、本発明で解決可能である。そのような問題の一つとして、薬剤が使用前に混合してしまい、使用前に劣化してしまうことが挙げられる。本実施形態において、装置内の薬剤間及び/又は室間にいくつかの種類の封止システムが存在する。これらバリアや封止部材は、注射直前の作動処理により、除去、破壊、又は何らかの形で突破されるものである。したがって、これらバリアや封止部材が効果を発している状態に保たれていることをユーザに示す指標やその他機構を設けることが望ましい。
【0022】
各種実施形態において、キャップはオートインジェクタの注射側端に設けられる。回転式キャップは、オートインジェクタに結合し、インジェクションアセンブリ周囲を封止して、インジェクションアセンブリの汚染を防止するように構成されてもよい。これにより、リュックサック、ポケット、財布、車のグローブボックス等の保管環境にかかわらず、インジェクションアセンブリを滅菌状態に保つことができる。
【0023】
上述の実施形態のいずれかに係わるキャップを取り外すと、バンプスイッチを利用できるインジェクションアセンブリが露出でき、針を伸ばして患者に挿入でき、薬剤を適切に送達できる。
【0024】
装置が注射可能状態となるまで、針やインジェクションアセンブリが露出されるべきではないという点も本発明により解決される。上記説明で簡潔に触れたが、オートインジェクタは緊急状態で使用されることが多い。このような状況としては、エピネフリンを混合し、適量送達することでアナフィラキシーショックを治療する場合がある。或いは、低血糖に対する処置にグルカゴンを使用する場合、片頭痛にスマトリプタンを使用する場合、発作に対してジアゼパムを使用する場合、血友病に凝固因子を利用する場合、等が挙げられる。このような状況はかなりあわただしいものとなる。そして、インジェクションアセンブリが使用前に作動してしまうこと、手動で服用量が提供される前に薬剤瓶が適切に洗浄されないことによる滅菌性が損なわれること、注射針が意図せず突出することを低減するよう、インジェクションアセンブリとそれに対応する針並びに対応するインジェクタ機構は、装置が注射可能な状態になるまで、即ち完全に混合が完了するまで、被覆又は遮蔽されてもよい。本実施形態では、キャップはハウジングに保持された作動アセンブリと相互作用するように構成される。即ち、キャップを捻って取り外すことで、装置が注射可能状態であることが示唆される。
【0025】
本稿記載の各種実施形態の更なる効果としては、ユーザが実行する必要のあるステップを低減することが挙げられる。上述のように、超緊張状態では、多くのステップを思い出せない可能性がある。したがって、必要なステップの省略、そして動作処理の合理化は、適切な薬剤送達において大いに効果的であろう。
図1A〜Cに示す本発明の装置は、オートインジェクタ10を提供することを含む本発明の各種態様を示す。
図1Aは収納状態を示す。インジェクタ10は、ハウジング100と、キャップ200とを備えてもよい。キャップ200をハウジング100に対して回転させることで、内部混合アセンブリ(不図示)が作動され、ハウジング内に収容された各種薬剤の混合が実行されるようにしてもよい。
図1Bは、キャップ200とハウジング100との間の相対回転が、部分的に生じた又は途中まで実行された状態を示す。
図1Cは、全回転の結果、キャップ200がハウジング100から解放されることで混合処理が開始したことを示し、装置が混合薬剤成分を注入可能な状態にしている状態を示す。完全混合状態を示し、混合薬剤を視認可能とし、その後インジェクションアセンブリ300及びスイッチ310を露出可能にする、その他指標を設けてもよい。この時点で、装置を注入箇所、即ち患者の肌に押し付けてもよく、これによりスイッチ310がハウジング100内へと押し上げられ、インジェクションアセンブリ300が針(ここでは不図示)を伸ばして、その内部の混合済み薬剤を注入してもよい。
【0026】
図1C及び
図3〜6に示すように、キャップ200は、軸方向に整合されてもよい1つ以上の溝220を備えてもよい。溝220は、フレーム150に設けられ、軸方向に延在する1つ以上の突出部170に形状が対応し相互作用するように構成される。溝220及び突出部170は、キャップ200の回転に伴いフレーム150をハウジング100に対して回転させる内部カムシステムとして作用し、これによりバルブが開く等の動作が生じてハウジング内の各種薬剤の混合が可能となる。例えば、バルブが開き変位メカニズムが解除されることで、湿潤溶媒が副乾燥室内に収容された乾燥薬剤に流れ込み、薬剤が溶解可能となってもよい。溝及び突出部を軸方向に揃えることで、作動用回転動作完了後に、キャップがフレームに対して軸方向に摺動して除去可能となることが理解されよう。
【0027】
図1C、2B、3〜6に示すように、いくつかの実施形態では、キャップ200は更に1つ以上の突出部202を備え、ハウジング100は遠位端又は注入側端の周囲にリップ102を更に備えてもよい。ここで、キャップ200の1つ以上の突出部202は、それぞれ
図1A、
図1Bに示すように、収納及び中間状態において、対応するリップ102に係合し、
図1Cに示す混合状態で、対応するリップ102から外れるように構成されてもよい。
【0028】
混合完了後の解放がスムーズに行われるよう、径方向相対回転に際してハウジング100及び対応するリップ102からキャップ200及び突出部202が離脱してインジェクションアセンブリ300及びインジェクショントリガ310が露出できるよう、対応するリップ102に解放用溝又は切込み104が設けられてもよいことが理解されよう。
【0029】
状況によっては、ユーザは装置がユーザ入力に対して反応し、必要な内部機能が実行されていることを示す何らかの指標を望む場合があり、単にキャップが外れるだけでは、そのような機能として不十分であり得ることが理解されよう。そのため、いくつかの実施形態では、
図12〜14、
図18A〜Cに示すように、軸方向に対して傾斜して、キャップ200から延在する内部突出部202B〜Dに係合するように構成された1つ以上の係合リップ102B〜Dが設けられてもよい。これにより、キャップ200とハウジング100との間の相対回転の結果、キャップ200とハウジング100との間の軸方向の並進又は移動が生じる。このような軸方向の並進により、キャップとハウジングとが手動で分離する。したがって、ユーザは、ハウジングとキャップとに対する回転入力が所望の内部機能の実行につながっている、即ち混合が実現しているという、一定の触覚的指標ひいては視覚的指標となる間隙600が生成される。いくつかの実施形態では、キャップ200とハウジング100との間に生成された間隙600に、内部動作確認用の更なる視覚的又は触覚的指標が更に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング100に隠された色帯が設けられてもよい。当該色帯は収納状態においてキャップに隠されているが、ハウジングに対するキャップの並進が起きると、当該要素間の相対回転に伴い増大する間隙600から色帯が視認可能となる。
【0030】
図10A〜Cは、キャップとフレームに、軸方向突出部と溝とが逆に設けることができるということが示されていることが理解されよう。即ち、フレーム150に溝172が設けられ、キャップ200に対応する内部突出部222が設けられている。
図10A〜Cでは更に、抜け止め機構の構成も逆にすることができ、即ち、キャップ200に設けられた対応するリップ202Aに係合するタブ102Aが、ハウジング100に設けられてもよい。
【0031】
更なる実施形態においては、
図4に示すように、キャップ200にばね250を設けてもよい。ばね250は、キャップ200とハウジング100との間の所要の相対回転が完了に伴い、混合アセンブリ400による混合の作動の完了を示すキャップ200のハウジング100からの離脱を促進或いは補助するよう構成される(
図2A参照)。即ち、ばねは分離用の力を発生し、ユーザによる引き抜きや引張力の入力がなくなったことにより、所要の相対回転が完了したことに伴い、キャップ200をハウジング100から分離させる。具体的には、キャップ200とハウジング100との間の所望の相対的回転位置において分離用溝104(
図5Bおよび5D参照)に対して突出部202が揃うまで、ばねが突出部と上述の対応するリップの引張力を超えることはないのである。
【0032】
いくつかの別実施形態においては、
図10A〜Cに示すように、キャップ200とハウジング100の係合用部材が、上述の実施形態と逆に設けられてもよい。即ち、当該実施形態において、キャップ200は1つ以上の係合用リップ202Aが内面上に設けられ、ハウジング100は遠位端の周囲に1つ以上の対応する突出部102Aが設けられてもよい。実施形態では、収納及び中間状態においてハウジング100の1つ以上の突出部102Aが1つ以上の係合用リップ202Aに係合する。混合状態において1つ以上の突出部102Aは1つ以上の係合用リップ202Aから離脱する。ここで、ハウジングに対するキャップ100の回転は、装置を収納状態から、中間状態を経て、混合状態に遷移させ、キャップは、混合状態に達するとすぐ、ハウジングを解放し、ハウジングから除去されるよう構成される。
【0033】
更なる実施形態では、
図18A〜Cに示すように、キャップ200は、内面上に複数のねじ山102Dを設けられ、ハウジング100は、外面上に複数の対応するねじ山102Dを設けられてもよい。ハウジングに対するキャップの相対回転は、装置を収納状態から、中間状態を経て、混合状態に遷移させ、混合状態に達するとすぐ、対応するねじ山同士の係合が解除されて、キャップ200は、ハウジング100を解放し、ハウジング100から除去されるよう構成される。
【0034】
図15A〜17Bは、ハウジング100及びキャップ200の様々な断面形状を有することが可能であることを示す。ここで、ハウジング100とキャップ200とは互いに対応する断面形状を有する。互いの相対的形状が対応することで、収納状態においては、適切な整合及び面一状態が得られることが更に理解されよう。ただし、ここでの様々な断面形状は、キャップ200とハウジング100との間のあらゆる相対的回転が特に確認しやすくなるものである。即ち、あらゆる回転に伴う、触覚的及び視覚的に不整合が確認しやすくなるものである。
図8A〜9Bに、このようなキャップとハウジング間の視覚的及び触覚的な不整合をわかりやすく示している。
【0035】
更に、楕円断面形状は、装置の初期作成段階において組み立てを簡単にするものである。即ち、主径と幅径との間の空間において、各種組み立て用器具、ロック機構等の侵入、降下、係合が可能である。
【0036】
上述の説明において簡潔に触れたが、収納及び整合状態からのあらゆる回転は、各種薬剤を離間させるよう配置されたバリア又は封止部材の部分的除去又は無効化につながり得ることが理解されよう。当該薬剤のあらゆる混合は、劣化過程を促進させる傾向があり、薬剤の不活性化又は汚染につながり得る。したがって、キャップとハウジング間の初期回転後に、あらゆる逆回転を防止するような、ロック機構を装置に設けてもよい。
図6B〜D及び
図11A〜Cは当該ロック機構の一実施形態を示す。このロック機構500は、
図11A〜Cに示すように、フレーム150又はハウジング100内で対応する突出部132に係合する一連のラチェット突出部520として設けられてもよい。フレーム150がハウジング100に対して回転すると、キャップ200とハウジング100との間の捻り力により、ラチェットが固定プランジャと突出部132に係合する。これにより、一方の回転方向への移動は可能だが、反対に回転して再び整合状態となることはないようになっている。このように、キャップ200が収納状態から回転すると、ユーザはそれをまた収納状態に戻すことはできない。したがって、収容された薬剤が劣化し、装置交換の必要がある可能性が示される。
【0037】
図9A〜Bは、ロック機構の別実施形態を示す。ここでは、キャップ自体に傾斜弾性ロック510が設けられている。傾斜ロックは、初期組み立て時には非係合で、収納状態からの最初の回転が生じると、フレーム又はハウジングに設けられた対応するタブ512又はその他突出部に係合して、収納状態へと戻るような逆回転を阻止可能である。
【0038】
或いは更に別の実施形態では、
図11に示すように、ロック機構500はフレーム150に設けられた一連のラチェット型突出部520として設けられ、内側に向けて延び、混合アセンブリの回転固定プランジャ装置410に係合するものであってもよい。
【0039】
円形又は非円形の、様々な形状のキャップが利用可能であることが理解されよう。非円形幾何学的形状、特に楕円上キャップには、いくつかの利点がある。楕円形状により、主径、幅径間の内部空間が広がり、タブや対応するロック用溝が形成可能となる。内部空間が広がるだけではなく、薬剤混合システムのキャップ200とフレームとの間の相対回転により、相対位置の視認可能な変化が生じる。即ち、キャップを捻ると、回転距離に応じて、これら要素同士の縁同士の相対位置の変化が生じるのである。
【0040】
更に、回転距離、即ちバルブを完全に作動状態とする又は解放するためにカムが移動する必要のある距離は、実質的にあらゆる一定値となるように調整できることが理解されよう。なお、特に楕円形状の場合、相対回転距離として、35〜90度が好ましい。90度の場合、2つの楕円形状の層同士が最も離れた状態となる。これにより、層が合うよう2つの形状が更に移動する前の、完全開放状態であることが示され、バルブが閉まるように元の状態に移動するという心理的印象を与えることができる。
【0041】
フレーム150の断面は円形であってもよいことが理解されよう。このようなフレーム150の円形断面は、ハウジング100の一連の内部レール130に載る又は係合する。当該レール130により、ハウジング100の内部の輪郭が効果的に円形となり、動作の際に、フレーム150とハウジング100とが互いに回転自在となる。
【0042】
なお、必ずしも上述のいくつかの実施形態に示したようなキャップに該当しないその他ユーザインタフェース要素又はシステムを採用してもよい。即ち、混合及び/又は注射装置の主ハウジングと連通する、同様の回転離間式インタフェース要素を採用してもよいのである。このようなインタフェース要素の一つの目的としては、混合処理を開始するための開始ステップを実現するよう機能することである。別の目的としては、装置を使用不可状態から使用可能状態に遷移させることである。その他目的は当業者には明らかであろう。
【0043】
本稿に記載の実施形態及び特徴は例として挙げたものであり、本明細書の末尾に記載された特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。複数の組合せ及び均等な構成部が本明細書の範囲内であると考えられる。